米、チャイナユニコムの免許取り消しへ 中国通信大手 【ワシントン = 鳳山太成】 米連邦通信委員会 (FCC) は 17 日、中国の国有通信大手、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)の米国事業免許を取り消す手続きを始めたと発表した。 安全保障上の懸念が拭えないと判断した。 チャイナユニコムは米国との国際通信事業を手掛ける。 FCC は昨年、同社に対して免許取り消しを警告し、事業を継続するのであれば安全性を証明するよう求めていた。 今回の声明で「現時点で深刻な懸念を晴らすことができていない」と説明した。 FCC は 2019 年、最大手の中国移動(チャイナモバイル)の米国参入も却下している。 中国の通信会社が米国の通信網につながれば、中国政府のスパイ活動などに使われる安全保障上のリスクを懸念する。 FCC はバイデン政権下で与党・民主党の委員が主導する。 野党・共和党の委員も含めて中国への警戒が強い。 2 月には華為技術(ファーウェイ)の通信機器を排除する規則を決めるなど、引き続き厳しい措置をとっている。 (nikkei = 3-18-21) バイデン氏、5 月 1 日までにワクチン接種対象を全成人に拡大を
バイデン米大統領は 11 日夜、ホワイトハウスで国民向けに演説し、米国の全成人を 5 月 1 日までに新型コロナウイルスワクチン接種の対象にするよう各州に指示すると表明した。 新型コロナ禍の収束を目指す取り組みを加速させ、今夏には通常の生活が戻り始める希望を抱かせる内容となった。 就任後初となるゴールデンタイムの演説でバイデン大統領は、政権発足後 100 日で 1 億回分のワクチン接種を行うという自身が掲げた目標を 60 日目までに達成するだろうと発言。 「われわれはこの目標を達成するだけでなく、この目標を上回るだろう」と述べた。 大統領はその上で、「自分の番が来て、そのための機会が見つかったらワクチンの接種を受けてほしい」と国民に呼び掛け、米国がワクチン接種目標を達成できれば独立記念日の 7 月 4 日には少人数で集まって祝えるようになるだろうと話した。 バイデン大統領はこれまで、5 月末までに全成人にワクチン接種を行うのに十分な量のワクチンを確保できると政権は見込んでいると発言。 ただ当局者は、実際の接種にはより多くの時間が必要になるだろうと警告していた。 この日は世界保健機関 (WHO) が新型コロナ感染症 (COVID19) のパンデミック(世界的大流行)を宣言してからちょうど 1 年目に当たる。 バイデン大統領は「われわれの生活を元に戻し、経済を再び軌道に乗せる唯一の方法はこのウイルスに打ち勝つことだ」と指摘。 「米国としてこれほど複雑な取り組みを行うのは久しぶりだ。 このため私は米大統領としてあらゆる権限を行使し、職務完了のため臨戦態勢を整えている。」と説明した。 演説では、過去 1 年間の米国および国民の苦闘を振り返るとともに、パンデミック収束に向けた道筋の概要提示にも努めた。 大統領は「暗闇に光を見つけるのは極めて米国的だ。 最も米国的であるかもしれない。」と指摘。 また、議会を通過して自身が同日署名した 1 兆 9,000 億ドル(約 206 兆円)規模の経済対策法の成立を政権の成果に掲げた。 大統領はこのほか、国民が利用可能なワクチン接種場所を見つけるのを助けるウェブサイトを連邦政府が 5 月 1 日までに開設することも明らかにした。 さらに、疾病対策センター (CDC) が接種済みの人向けのガイダンスを近く発表するとし、旅行や集まり、仕事などに関する勧告が含まれると説明した。 学校再開への支援強化も打ち出した。 (Jenny Leonard、Bloomberg = 3-12-21) 米、月内に 1 人 15 万円を追加給付 上院が 200 兆円対策可決 【ワシントン = 河浪武史】 米上院は 6 日、バイデン大統領が提案した 1.9 兆ドル(約 200 兆円)の新型コロナウイルス対策法案を民主党主導で可決した。 法案を一部修正したため、9 日から下院で再審議して 14 日までに成立する見通しだ。 柱は 1 人最大 1,400 ドル(約 15 万円)の現金給付で、バイデン政権は月内の支給開始を表明した。 上院は 5 日朝から徹夜で追加の新型コロナ対策を審議し、6 日昼に関連法案を可決した。 与党・民主党側は全 50 議員が賛成票を投じたが、共和党は出席した全 49 議員が反対に回った。 バイデン氏は「米国の結束」を求めて超党派合意を目指したが、早期の経済対策の発動を優先して民主党の単独可決に踏み切った。 経済対策の柱は 1 人最大 1,400 ドルの現金給付だ。 バイデン氏は法案の上院通過後、ホワイトハウスで声明を読み上げて「公約実現へ大きな前進だ。 小切手の配布を月内に開始する。」と、3 月中に現金を支給する考えを表明した。 米政権・議会による現金給付は今回で 3 回目だ。 コロナ危機が深刻になった 2020 年 3 月にまず 1 人最大 1,200 ドルの支給を決定し、同 12 月には同 600 ドルの追加給付を決めた。 現金給付は 3 回の合計で 1 人最大 3,200 ドルと大規模だ。 3 回目の現金給付は年収 7 万 5,000 ドル超は減額し、8 万ドル以上は支給対象外とする。 下院案は上限を 10 万ドルとしていたため、同院は 9 日以降に再審議して 14 日までの採決を目指す。 上院案は失業給付を積み増す特例措置を 9 月末まで延長し、加算額も現在と同じ週 300 ドルと決めた。 ただ、下院案は延長期限を 8 月末とする一方、加算額は週 400 ドルだったため、失業給付も再審議が必要になる。 もっとも、上下両院案はともにバイデン氏が 1 月に提示した追加財政出動案と大きく変わらない。 現金給付の総額は 4,000 億ドル規模とみられ、失業給付の特例加算も 2,000 億ドル規模の追加財政出動となる。 子育て世帯への 1,000 億ドル規模の税優遇なども合計すれば、家計支援は 1 兆ドル弱となる可能性がある。 経済格差への不満など米世論は分断が深まっており、手厚い家計支援で社会の動揺を抑える狙いだ。 財政難の州・地方政府にも 3,500 億ドルを支援する。 州・地方は財政悪化によるコスト削減で職員数が 1 年で 7% も減少。 ニューヨーク市では 20 年の殺人件数が前年比 44.8% も増加するなど全米各地で治安の悪化が目立っている。 ワクチン普及に 160 億ドルを充てるなど、医療体制の整備にも資金を追加投入する。 コロナ危機が深刻になった 20 年 3 月以降、米政権・議会は既に 4 回の財政出動に踏み切っている。 今回の 1.9 兆ドルの対策が成立すれば、臨時の財政出動は合計で 6 兆ドル弱となり、過去例のない巨額経済対策となる。 米実質国内総生産 (GDP) は危機前の 97.6% まで回復したが、1.9 兆ドルの対策は名目 GDP の 9% に相当する。 バイデン政権は雇用回復へ巨額対策を断行する方針だが、大型の現金給付で個人消費が一時的に過熱する可能性もある。 (nikkei = 3-7-21) 米、半導体やレアアース供給網を強化へ バイデン氏指示 バイデン米大統領は 24 日、戦略物資として重要性が高まる半導体などの供給網(サプライチェーン)の安定化に向け、対策の検討を命じる大統領令に署名した。 中国との経済・安全保障上の競争の決め手となる産業分野で優位を保つ狙いで、日本など同盟国とも連携強化を図る。 国際的に張り巡らされた供給網の再編は容易ではなく、複雑な利害の調整が課題となる。 バイデン氏は署名にあたり「米国と利益や価値観を共有しない国々に頼るべきではない。 供給網が圧力として使われないよう、信頼できる国々と協力する」と強調。 コロナ禍による需給の混乱が招いた世界的な半導体不足が、米自動車産業や雇用に打撃を与えたことに触れ、危機感を示した。 大統領令では、連邦政府の関係部局に対し、今後 100 日間で供給網の課題を洗い出すよう命じた。 半導体に加え、電気自動車 (EV) などに使う大容量電池や、軍需も含めた電子製品の製造に欠かせないレアアースなどの重要鉱物、医薬品の 4 分野が対象となる。 また、軍事、公衆衛生、情報通信、エネルギー、運輸、農業・食糧の 6 分野については今後 1 年間でより詳細な検討を進め、有事に備えた供給網の安定に向け具体的な政策を練る。 バイデン氏は「同盟国や友好国も強靱な供給網を確保できるよう、協力を進める」ことを関係部局に指示した。 米中摩擦の争点、テコ入れ進める 半導体は人工知能 (AI) や高速通信規格「5G」など、企業や国家の競争力のカギを握る技術の中核だ。 トランプ前政権下の米中摩擦でも中心的争点で、米側は通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)や半導体大手、中芯国際集成電路製造 (SMIC) への輸出規制の制裁を進めた。 米議会も超党派で半導体分野の強化を図る方針で一致。 2021 会計年度の国防予算の枠組みを定める国防権限法案でも、連邦政府がテコ入れして米国内での技術開発を進める方針を盛り込み、具体的な予算充当の手続きを待っている段階だ。 バイデン政権は、こうした議会やトランプ前政権の基本的な方向性を引き継ぐ。 ただ、同盟国との協調と、赤字財政を前提とした「大きな政府」による産業政策の強化というバイデン政権の特色を色濃く反映することになりそうだ。 EV など環境政策に関わる技術の推進とも組み合わせ、供給網の強化を目指す。 トランプ前政権下で強めた対中輸出規制は、他国との連携が弱く、効果がそがれた面があった。 コロナ危機直後にはマスクなどの医療物資の逼迫が問題化し、米国も単独では解決できない供給網の脆弱性を抱えていることが明確になった。 設計や製造の各工程で国際分業が進む半導体産業では、米企業はインテルなどを中心に売上高ベースでは世界の半分を占め、強い競争力を持つが、製造能力では 8 割がアジアに集中する。 韓国のサムスン電子と台湾の台湾積体電路製造 (TSMC) の二つが最重要企業だが、いずれも対北朝鮮、対中国で有事のリスクを抱える。 中国が過去に日本などへの圧力に使い、最近も輸出管理を強めるレアアースは、米国も 8 割を中国からの輸入に頼る。 ホワイトハウス高官は 24 日の会見で、半導体などの生産強化に向けた具体的な政策について、コロナ危機直後のマスク増産にも用いた「国防生産法」なども含め「あらゆる手段を検討することになる」と述べた。 米議会が進めようとしている補助金や減税などを通じた国内投資の促進は、制裁関税や輸出規制には及び腰だった米半導体業界も歓迎する。 ただ、非効率な投資が増えたり、警戒感を強めた中国が自国開発を促進して逆効果を生んだりするリスクもある。 今後、半導体製造装置などで強みを持つ日本に対しても、米政権からより具体的な政策調整を求める動きが強まりそうだ。 (ワシントン = 青山直篤、asahi = 2-25-21) バイデン氏、欧州と関係修復へ「アメリカは戻って来た」 バイデン米大統領が 19 日、主要 7 カ国 (G7) 首脳会議に続き、ミュンヘン安全保障会議にオンラインで出席し、米国が多国間主義に基づいて政策を進めていくことを表明した。 欧州の各首脳も軍事だけでなく、新型コロナウイルスへの対処や気候変動といった世界的課題にともに取り組む姿勢を示し、米欧同盟を再確認する場となった。 「アメリカは戻って来た。」 バイデン氏は演説でこの言葉を何度も繰り返し、トランプ前政権時代に溝が深まった欧州諸国との関係修復の意思を明確にした。 この安保会議は毎年 2 月、世界各国の首脳や閣僚らがドイツ南部ミュンヘンに集まり、開かれてきた。 今回は新型コロナ対応のため、「特別版」として、オンラインで開かれた。 近年の会議は、米欧間の溝があらわになるばかりだったことも踏まえ、バイデン氏は「過去数年間は米欧関係にとって試練のときだったが、米国は欧州に再び関与することを決意した」と述べた。 北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国の集団防衛を定めた条約第 5 条の順守は「揺るぎない誓いだ」と語った。 また、権威主義的な姿勢を強める中国やロシアを念頭に「民主主義が攻撃にさらされている」とも指摘。 「我々は世界の将来について、根本的な議論のさなかにある。 第 4 次産業革命や感染症の世界的流行など我々が直面している課題を前に、独裁こそが最善の方策だと主張する者がいるが、民主主義が勝利しなければならない」と主張した。 中国については、中国企業の情報開示の不透明さなどに言及し「同じルールに従わなければならない」。ロシアについては「プーチン大統領が欧州と北大西洋同盟を弱体化させようとしている」とし、欧州諸国などとの連携を訴えた。 欧州首脳らも呼応した。 「おかえりなさい、アメリカ」と述べたのは欧州連合 (EU) のミシェル首脳会議常任議長。 「ロシア、中国、イランといった独裁的な体制からの攻撃に対し、ルールに基づいた国際秩序を一緒に守らねばならない」と語った。 NATO で米国に次ぐ国防費を確保すると胸を張った英国のジョンソン首相は、外交面でも新疆ウイグル自治区や香港など、中国の人権問題で積極的に行動してきたとした。 「米国と欧州はともに、自由な国家の利点を再び証明し、自らの運命を築いていく力がある」と訴えた。 米国の多国間主義への「復帰」は、軍事以外でも多くの課題で、米欧が共同歩調を取れることを意味する。 会議では、目下の新型コロナや気候変動の問題も安全保障上の重要な課題と位置づけられた。 米国のケリー気候変動担当特使も参加し、新政権の取り組みをアピールした。 ドイツのメルケル首相は、世界保健機関 (WHO) や温暖化対策の国際ルールのパリ協定への米国の復帰を歓迎。 多国間主義の下で課題を解決する意義を強調し、「米欧協調の新たな 1 章に向けた準備ができている」と述べた。 フランスのマクロン大統領は米欧が協力し、アフリカ諸国にワクチンを提供することが「我々の信頼性にとっても価値があることだ」と提案。 アフリカにいる約 650 万人の医療従事者に必要な 1,300 万回のワクチンは「我々の持っている分の 0.43% だ」とし、「同じ価値観を共有し、前に進めようとする共通の意思を具体的に証明することになる」と語った。 (ベルリン = 野島淳、ワシントン = 大島隆、asahi = 2-20-21) トランプ政権下の経過 (10-16-20) バイデン氏、習氏と電話協議 対中強硬姿勢はまだ続く? バイデン米大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席が 11 日(米時間 10 日)、電話で協議した。 バイデン氏が中国の不公正な経済慣行や香港への統制強化などに懸念を表明したのに対し、習氏は「米国は中国の核心的利益を尊重すべきだ」と述べ、対立が目立った。 一方、両氏は新型コロナウイルスの対応など、協力できる点も探る姿勢で一致。 バイデン氏は「現実的で結果を重視した取り組みを進める」とし、習氏も「衝突せず、対抗せず」の精神での歩み寄りの必要性を訴えた。 米中首脳の協議は、1 月のバイデン政権発足後初めて。 トランプ前政権下で急速に冷え込んだ米中関係が新政権誕生でどのように変わるかが注目されてきたが、バイデン政権は対中強硬姿勢を維持しながら、テーマによっては協力を目指す方針となりそうだ。 米ホワイトハウスの発表によると、バイデン氏は「中国の高圧的で不公正な経済慣行、香港での弾圧、新疆ウイグル自治区での人権侵害、台湾を含む地域での独断的な行動」に対し「根本的な懸念」を表明。 「自由で開かれたインド太平洋を守る」とも述べ、同盟関係を軸に国際秩序を維持する考えを伝えた。 これに対し、中国外務省によると習氏は「中米はいくつかの問題で異なる見方を持っている。 重要なのは互いを尊重し、建設的な方式でコントロールすることだ」と強調。 香港や新疆ウイグル、台湾は「中国の内政」とし、「米国は中国の核心的利益を尊重し、慎重に行動すべきだ」と求めた。 ただ、両氏はトランプ政権下で米中対立の要因の一つだった新型コロナの対応について協議し、気候変動、兵器の拡散防止といった共通課題についても意見を交換した。 バイデン氏は「米国や同盟国の利益にかなうと判断すれば、現実的で結果を重視した取り組みを進める」と述べ、習氏も「経済、金融、法執行、軍などの部門でさらに交流できる。 さまざまな対話メカニズムを新たに構築すべきだ。」とした。 中国側には、対立関係を改善させたいとの思惑があるが、米国は慎重だ。 バイデン氏は 4 日、国務省の演説で中国を「最も重大な競争相手」と位置づけた。 10 日も、習氏との協議を前に国防総省で「中国による増大する課題に対応する必要がある」と述べ、中国に関する新たな戦略を検討する考えを示した。 10 日にはソン・キム米国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)が、駐米台北経済文化代表処の蕭美琴代表(大使に相当)とワシントンで会談。 国務省は両氏の写真をツイッターに投稿し、「米国は、経済と安全保障の重要なパートナーである台湾との関係を深めていく」と中国を牽制した。 (ワシントン = 渡辺丘、北京 = 冨名腰隆、asahi = 2-11-21) 米中外交トップが舌戦 「核心的利益」で対立 「一つの中国」は再確認 【ワシントン、北京】 ブリンケン米国務長官は 5 日、中国の外交政策を統括する楊潔●(= 竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員と電話会談し、台湾を含むインド太平洋地域の安定を脅かす行為には、同盟国と連携し中国に責任を負わせると強調した。 米国務省が発表した。 バイデン政権発足以降、米中外交トップの電話会談は初めて。 楊氏も中国の「核心的利益」に触れる問題では譲らない立場を明確にした。 会談でブリンケン氏は「米国は、新疆ウイグル自治区やチベット自治区、香港における人権や民主的価値を守り続ける」と言明。 中国に厳しい姿勢で臨む方針を前面に打ち出した。 中国外務省によると、楊氏は「互いの核心的利益の尊重」を要求。 香港、ウイグル、チベットなどは中国の内政で「外部勢力の干渉は許さない。 中国は国家主権、安全、発展の利益を断固守る」と主張した。 過去最悪といわれたトランプ前政権時代の両国関係を念頭に「中国は米国に一時の誤りを正すよう促す」と言い放った。 また、「アジア太平洋地域の平和と安定のため建設的な役割を果たすよう促す」と訴え、米国と同盟国の関係強化による「対中包囲網」構築をけん制した。 台湾問題について楊氏は、米中関係で「最重要かつ最も敏感な核心的問題」だと説明し、中国大陸と台湾を不可分とする「一つの中国」原則の順守を求めた。 中国外務省によれば、ブリンケン氏は「一つの中国」政策を実行する立場に変化はないと確認した。 ただ、1 月のバイデン大統領就任式に米中国交樹立後初めて台湾の蕭美琴駐米代表(大使に相当)が出席し、今月 4 日には米軍艦が台湾海峡を航行して中国側ににらみを利かせた。 中国は米側の硬軟織り交ぜた台湾政策を警戒している。 会談ではミャンマー情勢も取り上げられた。 ブリンケン氏が国軍のクーデターを非難するよう求めたのに対し、楊氏は「国際社会は適切な解決のため良好な環境を整えるべきだ」と述べ、国軍の非難を避ける立場を繰り返した。 (jiji = 2-6-21) 新型コロナや脱炭素で協力 日米首脳が初の電話協議 菅義偉首相は 28 日未明、米国のバイデン大統領と電話で約 30 分間協議した。 新型コロナウイルス対策や脱炭素を含む気候変動問題での緊密な協力で一致した。 米軍の日本防衛義務を定めた日米安全保障条約 5 条について、沖縄県・尖閣諸島に適用すると改めて確認した。 バイデン氏はすでにカナダ、英国、フランス、ドイツ、ロシアなどの首脳との電話協議を終えた。 日本はアジアの中では最初だった。 協議後、首相が首相公邸前で記者団の質問に答えた。 20 日にバイデン氏が大統領に就任後、日米首脳の協議は初めて。 今夏に予定する東京五輪・パラリンピックを巡るやり取りはなかったと説明した。 日本政府関係者によると、バイデン氏は 4 月 22 日に開催する温暖化ガス主要排出国の首脳会合に首相を招待した。 首相は参加を調整する意向を示した。 オンライン形式での開催を想定している。 新型コロナのワクチン供給を巡る協力も確認した。 両首脳は日米同盟の一層の強化や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協調で合意した。 日米にオーストラリア、インドを加えた 4 カ国のさらなる協力のほか、北朝鮮による日本人拉致問題の解決や北朝鮮の非核化のための連携も申し合わせた。 (nikkei = 1-28-21) マスク義務化・パリ協定 … バイデン氏、次々に大統領令 バイデン米大統領 (78) は就任式を終えた 20 日夕、ホワイトハウスで 17 の大統領令などに署名した。 新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためのマスク着用義務化や、トランプ前政権が脱退した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰手続きを進め、路線転換を打ち出した。 バイデン氏は記者団に「待っている時間はない。 直ちに仕事に取りかからないといけない。」と話した。 大統領令は、議会の同意なしに大統領としての権限を発動することができる。 バイデン氏は新型コロナ対策、経済回復策、地球温暖化・環境、移民・多様性など、政権の重点政策と重なる 4 分野で大統領令などを準備しており、コロナ対策や環境保護を軽視し、国際協調に背を向けてきたトランプ政権の政策を次々と覆すことが目的だ。 米政治専門紙ザ・ヒルによると、今後 10 日間で計 53 の大統領令を用意しているという。 20 日はコロナ対策で、トランプ氏が始めた世界保健機関 (WHO) からの脱退手続きを中止。 経済政策では、家賃などの滞納による立ち退きや差し押さえの猶予期間延長や学生ローンの返済の一時停止を命じた。 また、移民政策ではイスラム教徒の多い国からの入国規制や、メキシコとの国境の壁建設を取りやめた。 パリ協定はトランプ政権が 2017 年に離脱を表明し、昨年 11 月に正式に脱退した。 復帰手続きには、規定により 30 日かかる。 また、トランプ政権が行った巨大パイプライン建設許可の撤回、環境規制の緩和などの見直しを各省庁に指示した。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 1-21-21) バイデン政権、気になる通商政策 対中国は厳しい姿勢か 20 日発足したバイデン政権の通商政策は、同盟国との連携を重視する一方、中国に対しては引き続き厳しい姿勢で臨むとみられる。 ただ、当面はコロナ危機で傷んだ国内経済の立て直しに注力することになりそうだ。 「労働に報い、中間層を立て直す。」 バイデン氏は 20 日の演説で強調した。 4 年前の大統領選で民主党が敗れた背景は、「労働者の党」という政治的な PR の「お株」をトランプ氏に奪われてしまったことだった。 コロナ禍の不況対策や格差是正が新政権の急務で、日本や中国などに対する通商・経済外交も、そうした国内政策上の狙いに沿って進めることになる。 「不法な政府補助金、知的財産の窃取、技術移転の強要、ダンピング …。」 19 日の米上院公聴会で、次期財務長官に指名された米連邦準備制度理事会 (FRB) のイエレン前議長は中国の問題を列挙した。 「こうした不正な通商慣行や、中国の劣悪な労働・環境条件に対処するためあらゆる手段を使う。」 中国は冷戦終結後のグローバル化で最大の受益者となり、米国でも貿易や資本移動の自由化で、多国籍企業や IT・金融業界は巨富を手にした。 一方、米労働者の雇用は減り、中間層の実質賃金は伸び悩んだ。 民主化しないまま、国家主導の産業政策や、サイバー攻撃なども含む知財侵害を通じて成長を続けた中国。 従来の世界貿易機関 (WTO) 体制では対応できない - -。 そんな声が米世論の主流になった。 対中制裁関税で解決を図ったトランプ政権に対し、バイデン政権は「改めさせるためにどう圧力をかけるか、同盟国と協議する(サリバン次期安全保障担当大統領補佐官)」との姿勢を示す。 かつてバイデン氏が副大統領を務めたオバマ政権は、環太平洋経済連携協定 (TPP) を土台に中国を牽制する戦略を描いた。 しかし、ワシントンの政策エリート主導の FTA (自由貿易協定)構想は、世論の支えを欠いていた。 トランプ政権下で国内の分断が深まった米国が大胆な通商外交を仕掛ける余裕はなく、米中の国力の差もオバマ政権当時より縮小している。 オバマ政権で TPP 交渉にあたった米通商代表部 (USTR) のカトラー元次席代表代行は 19 日の講演で「バイデン政権が任期前半に TPP に復帰するとは思えず、後半に復帰する可能性は皆無ではないが、楽観はできない」と語った。 トランプ政権は単独主義的な傾向が注目されたが、「労働者の通商政策」を掲げたライトハイザー通商代表のもと、保護主義的な性格を強めた「米・メキシコ・カナダ協定 (USMCA)」は、米議会を超党派の圧倒的多数で通過した。 キャサリン・タイ次期通商代表は、米下院歳入委員会の法律顧問として、USMCA の与野党調整で重要な役割を担った人物だ。 WTO での対中紛争の処理に当たった中国専門家で、12 日の講演ではやはり「労働者中心の通商政策」を掲げた。 トランプ政権は 2020 年 1 月に「第 1 段階」と位置づけた日米貿易協定を発効させ、米中通商協議「第 1 段階の合意」もまとめた。 こうした合意はバイデン政権にも引き継がれるものの、「対日、対中とも第 2 段階は立ち消えになる(通商専門家)」との見方もある。 第 1 段階の合意で定めた中国による輸入拡大は、コロナ禍もあり、20 年の目標達成は絶望的だ。 高官・閣僚級の新たな協議を通じて米中協議を仕切り直す公算が大きいが、構造的対立を打開するのは難しい。 対日関係でも中国をにらみ、先端技術の対中輸出規制や WTO 改革など的を絞った分野で、連携強化を求めることになりそうだ。 (ワシントン = 青山直篤、asahi = 1-21-21) 台湾の駐米代表、米大統領就任式に出席 79 年断交後初 【台北 = 中村裕】 米国で 20 日に開かれたバイデン米大統領の就任式に、台湾の駐米代表に相当する蕭美琴氏(駐米台北経済文化代表処代表)が出席した。 米大統領の就任式に台湾の駐米代表が正式に招待され、出席するのは 1979 年の断交後初めて。 今後も中国の激しい反発が続くものとみられる。 蕭氏は現地から、ツイッターに「台湾を代表して米大統領の就任式に参加できることを光栄に思う。 次期米政権と協力し、共通の価値と利益を高めていくことを楽しみにしている。」と投稿した。 中国は、トランプ米政権下で米台の関係強化が進んだことに猛烈に反発してきた。 一方、バイデン氏はこれまで台湾政策について明言を避けてきた。 今回の就任式への台湾駐米代表の招待は、バイデン氏の今後の台湾への姿勢を示す判断材料の一つとして注目される。 出席した蕭氏は、台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の右腕として知られる。 米台の接近が活発になった昨夏、蔡総統が蕭氏を駐米代表に任命した。 2020 年 7 月に台湾初の女性駐米代表に就任した。 蔡総統は 21 日、バイデン氏の大統領就任を祝福し「米国は台湾の最も重要な同盟国であるだけでなく、自由と民主主義の価値観を共有する強固なパートナーであることを信じている。」との声明を発表した。 (nikkei = 1-21-21) イエレン氏「中国の不公正慣行に対抗」 格差是正に意欲 【ワシントン = 河浪武史】 バイデン米次期大統領が財務長官に指名したイエレン前米連邦準備理事会 (FRB) 議長は 19 日の上院委公聴会で「中国の不公正慣行は脅威であり、あらゆる手段で対抗する」と厳しい対中姿勢を示した。 富裕層と労働層の格差是正に取り組む構えもみせたが、当面は経済回復に力を入れ、増税は「長期的に検討する」と述べた。 イエレン氏は上院財政委員会での指名承認公聴会に臨んだ。 財務長官人事は上院の承認が必要になるが、超党派の賛成多数で通過する見通しだ。 イエレン氏は財務長官として初の女性登用となる。 市場はイエレン氏の基軸通貨ドルへの姿勢を注視する。 同氏は公聴会で「米国は競争的な通貨切り下げを志向しない」と述べ、トランプ大統領が繰り出したドル安誘導とは距離を置いた。 「為替レートは市場が決めるものだ」と主張し、貿易相手国に対しても「通貨安誘導は決して容認できるものではない」とけん制した。 公聴会では中国政策も取り上げた。 イエレン氏は「中国は米国にとって最も重要な競争相手だ」と指摘した。 その上で「不当廉売や貿易障壁、不平等な補助金、知的財産権の侵害、技術移転の強要など、中国の不公正な慣行は米企業の力をそいでいる」と厳しく指弾。 「政権横断で、あらゆる手段を講じて対抗する」と強調した。 同氏は FRB 議長として繰り返し議会証言に臨んだ経験はあるが、これまで対中政策に深く言及したことはなかった。 トランプ政権は制裁関税などで厳しい対中政策を敷いたが、バイデン次期政権は気候温暖化対策などで中国との協力も模索する。 米議会は人権問題も絡んで対中強硬姿勢を一段と強めており、イエレン氏も厳しい発言で同調した。 経済格差の是正にも言及した。 「富裕層が資産を蓄積する一方で、労働者層の家計は一段と悪化した」と指摘。 「税逃れ」も指摘される企業と富裕層に対して「公平に税を負担することが重要だ」と主張した。 トランプ政権で実行した連邦法人税率の引き下げや個人所得税の減税も「一部は元に戻すべきだ」と指摘し、20 日に就任するバイデン次期大統領が主張する増税路線に同調した。 ただ「目先は財政出動による経済回復に注力し、増税は長期的に検討していく」と述べた。 イエレン氏は「歴史的な低金利環境にあり、短期的には財政面の余裕はある」とも強調した。 将来的な金利上昇による財政リスクを和らげるため、50 年債など超長期債の発行を検討する考えも表明した。 バイデン次期政権は 1.9 兆ドルの追加財政出動案を表明し、インフラ投資など成長戦略も検討する。 バイデン氏は、家計に 1 人最大 1,400 ドルの現金給付案などを提示。 イエレン氏も新型コロナウイルス危機からの早期脱却へ「大きな行動が必要になる」と主張し、議会に迅速な財政出動を求めた。 イエレン氏は 2014 年から 4 年間、女性として初めて FRB 議長を務めた。 同氏は労働政策を専門とする経済学者で、バイデン氏はコロナ危機下の雇用立て直しをイエレン氏に求める。 (nikkei = 1-20-21) 就任式目前、要塞化する首都 バイデン氏「恐れてない」 20 日に行われる、バイデン次期米大統領の就任式を前に、首都ワシントンが「要塞」のようになっている。 トランプ大統領の支持者による連邦議会議事堂襲撃事件を受け、前例のない規模の警備態勢が取られるためだ。 15 日からは中心部の地下鉄駅や、緑地帯「ナショナルモール」も封鎖された。 大統領の就任式は議事堂の敷地内に設けられた特設ステージで行われ、隣接するナショナルモールでは何万人もの聴衆が祝うのが慣例だ。 就任式後には、ホワイトハウスまでの目抜き通りでパレードも行われる。 しかし、15 日に周辺を歩くと、2 メートルを超える鉄製のフェンスが張り巡らされ、異様な雰囲気だった。 至る所でコンクリート製の障害物が道路を封鎖し、通りでは警察官や捜査車両ばかりが目立つ。 一般の人は、ジョギングする人がちらほら見られるくらいだ。 普段は観光客らでにぎわうナショナルモールも、重機でフェンスを建てている工事業者しかいない。 6 日は、この付近でトランプ大統領の演説を聞いた支持者たちが、議事堂を襲った。 近くに、トランプ氏を支持する「MAGA」の帽子をかぶった男性がいた。 自宅があるミシガン州から来て、5 日から滞在しているというロジャー・フレミング・シンクさん (41)。 襲撃事件の現場にも居合わせたという。 「トランプ大統領が当然、再び就任することを希望している。 不正選挙の証拠は膨大にある。」と主張し、「20 日は(抗議運動を)盛り上げるつもりだ」と語った。 議事堂周辺では、迷彩服姿の州兵がライフル銃を手に警戒に当たっていた。 全米各地から集められた州兵は 14 日に 7 千人態勢だったが、20 日には 2 万 5 千人態勢となる予定だ。 4 年前の就任式の 3 倍以上という。 襲撃事件では、就任式の特設ステージも占拠された。 バイデン氏は「宣誓を外ですることを恐れていない」と述べ、予定通りの場所で行う。 だが、連邦捜査局 (FBI) はワシントンや各州で武装集団が就任式に合わせて抗議活動を計画している情報を入手し、警戒レベルを一気に上げた。 15 日には市内中心部の地下鉄の駅が閉鎖された。 一帯に勤務・居住する人も、検問所を通り、荷物検査を受けなければ立ち入れなくなる。 ワシントン近郊に住む運転手男性 (46) は「普段は、大勢の観光客が集まる安全な街。 20 年近く住んでいるが、こんなに兵士が大勢いるのは見たことがない。」と驚いた様子だった。 (ワシントン = 園田耕司、渡辺丘、asahi = 1-16-21) 全米ライフル協会が破産申請 提訴された NY 州から "脱出" 図る アメリカで銃所有の権利を推進する NRA = 全米ライフル協会が 15 日、日本の民事再生法に当たる連邦破産法 11 条の適用を申請しました。 資金の流用疑惑で提訴されているニューヨーク州から移転するためとしています。 全米ライフル協会の会長は会員に宛てた書簡で、破産法 11 条の適用申請について「組織のリストラ計画の一環であり、財務的には健全である」とした上で、「政治的に有害なニューヨーク州を捨てるためだ」と強調しました。 約 500 万人の会員を擁し「アメリカ最強のロビー団体」と言われる全米ライフル協会ですが、去年 8 月、幹部らによる資金の不正流用疑惑が発覚し、非営利団体として登録しているニューヨーク州から、解散を求めて提訴されていました。 協会は今後、銃を持つ権利に寛容な南部テキサス州に移って組織を再編するとしています。 これを受け、ニューヨーク州の司法長官は「責任逃れは許さない」とコメントしています。 (JNN = 1-16-21) 民主党が 2 勝、上院も掌握 米ジョージア州決選投票 米上院選で、南部ジョージア州から選出される 2 議席を民主党が獲得したと、米メディアが 6 日に報じた。 これにより、上院(定数 100)は民主党 50、共和党 50の同数となり、バイデン次期大統領の就任とともに、民主党が掌握する。 民主党はバイデン氏が勝利したうえ、下院(定数 435)でも過半数を維持しており、上院も奪還したことで、大統領・議会が一体となって人事や政策を推し進められる。 上院は法案採決のみならず、大統領が指名した閣僚や判事の承認権や条約批准同意権をもち、権限が強い。昨年 11 月の大統領選と同時に行われた議会選の結果、議席は共和党 50、民主党 48 となっていた。 決選投票を経て、両党は 50 議席ずつとなったが、上院の採決が同数となった場合は副大統領が可否を決めるため、バイデン氏は共和党の賛同なしで政権運営が可能となる。 決選投票では共和党現職のデービッド・パデュー氏 (71) とケリー・レフラー氏 (50) に対し、民主党新人のジョン・オソフ氏 (33) とラファエル・ウォーノック氏 (51) がそれぞれ挑戦した。選挙は接戦だったが、米メディアは 6 日未明にウォーノック氏が勝利したと報道。 さらに、6 日午後にはオソフ氏が勝利を確実にしたと報じた。 ジョージア州は伝統的に共和党が強かったが、大統領選ではバイデン氏が小差でトランプ大統領に勝利。 上院選でも、どの候補も総得票の 50% 以上を獲得できず、州法の規定によって決選投票が行われた。 民主、共和両党は決選投票を最重要選挙と位置づけ、選挙運動を展開。 4 日には、バイデン氏とトランプ氏が現地入りし、最後のテコ入れを図った。 トランプ氏は大統領選について「不正があった」と主張して敗北を認めず、ジョージア州でもケンプ知事ら、共和党の州政府高官に選挙結果を覆すように圧力をかけている。 3 日には、トランプ氏が同州のラフェンスパーガー州務長官(共和党)に対し、バイデン氏を逆転するのに必要な票を「見つける」よう求め、拒まれると「大きなリスクだ」と脅す電話の内容が明らかになった。 こうした選挙制度の信用を揺るがすトランプ氏の言動や、共和党内の「内紛」も決選投票に影響したとみられる。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 1-7-21) 米コロナ経済対策が成立 トランプ氏、一転して法案署名 【ワシントン】 トランプ米大統領は 27 日、追加の新型コロナウイルス経済対策法案に署名した。 ホワイトハウスが発表した。 世帯への現金給付や中小企業支援策を柱とする同法と、2021 会計年度の連邦政府予算が成立。 28 日までの暫定予算が失効し、政府機関が一部閉鎖に陥る事態を回避した。 トランプ氏は現金給付の増額を要求し、署名を拒んでいた。 (jiji = 12-28-29) バイデン次期米政権の環境・エネチーム、気候変動重視の姿勢鮮明
バイデン次期米大統領は、気候変動政策や公害対策の強化を担当する閣僚にジェニファー・グランホルム元ミシガン州知事とノースカロライナ州環境当局トップのマイケル・リーガン氏、デブラ・ハーランド下院議員(民主、ニューメキシコ州)を起用する。 指名が承認されれば、グランホルム氏はエネルギー長官、リーガン氏は環境保護局 (EPA) 長官、ハーランド氏は内務長官に就く。 バイデン氏の政権移行チームは 7 日、このほかに環境諮問委員会の委員長にブレンダ・マロリー氏、環境問題の担当顧問にジーナ・マッカーシー元 EPA 長官を起用する人事も発表した。 ハーランド氏の指名が承認されれば、米先住民として初の閣僚就任となる。 マロリー氏は環境諮問委の初のアフリカ系米国人トップとなり、リーガン氏も初の黒人男性の EPA 長官となる。 非政府組織 (NGO) の環境保護団体「フード & ウオーター・ウオッチ」の政策ディレクター、ミッチ・ジョーンズ氏は「ハーランド氏は化石燃料企業による公有地開発を終わらせることへのコミットメントを明白にしてきた」と指摘。 同氏の起用は「バイデン氏が石油・ガス会社への公有地リースの全面禁止を目指すことに真剣であることを示唆する大胆な動きだ」と評価した。 リーガン氏はブッシュ、クリントン両政権時代に約 10 年にわたって EPA に勤務。 2017 年 1 月からノースカロライナ州環境品質局の長官を務めている。 大気汚染規制や気候変動への対応に集中的に取り組んできたリーガン氏の実績は、バイデン氏の重要な環境政策の一部に生かされることになる。 環境汚染対策を弱めてきたトランプ政権の方針を転換させ、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出の削減に向け新たな規制を推進する見込み。 (Jennifer A. Dlouhy、Bloomberg = 12-18-20) |