バイデン氏、過半数の選挙人を獲得 「民主主義の勝利」 米大統領選で、各州などに割り当てられた「選挙人(計 538 人)」による投票が 14 日、一斉に行われた。 民主党のジョー・バイデン前副大統領 (78) が過半数(270 人)を上回る選挙人を獲得し、勝利が事実上確定した。 これに伴い、共和党のトランプ大統領 (74) は敗北する。 米大統領選では人口などに応じて選挙人が州に割り当てられ、一般有権者の投票結果に基づき、どの候補がその州の選挙人を獲得するかが決まる。 選挙人の投票結果は、来年 1 月 6 日に米議会で開票され、正式に確定する。 次期大統領の任期は 1 月 20 日から始まる。 選挙人による投票は米東部時間 14 日午前 10 時から、各州の州都で順次行われた。 同日午後 7 時過ぎに終了し、バイデン氏が 306 人、トランプ氏が 232 人の選挙人を獲得した。 バイデン氏は選挙人の投票を受け、地元のデラウェア州ウィルミントンで演説し、「民主主義が勝利した」と、公正な選挙によって自身が勝利したと強調。 そのうえで「今こそ、団結と癒やしのためにページをめくるときだ。 私はすべての米国人のための大統領になる。」と語った。 通常の大統領選では、選挙人による投票はあまり注目されない。 しかし、今回はトランプ氏が敗北を認めず、根拠を示さないままに「大規模な不正が起きた」と主張して訴訟を乱発。 さらに、各州の共和党関係者に直接働きかけて選挙結果を覆そうとするなどしており、選挙人の投票も注目を集めた。 選挙人が一般有権者の投票結果と異なる候補に投票する例はある。 2016 年の大統領選では計 7 人と異例の多さだったが、今回はこうした「造反」は起きなかった。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 12-15-20) トランプ氏の法廷闘争、事実上の終焉 … 米最高裁「無効」の訴え退ける 【ワシントン = 横堀裕也】 米大統領選を巡り、テキサス州が接戦州 4 州の選挙結果を無効とするよう連邦最高裁判所に求めた訴訟で、最高裁は 11 日、訴えを退ける決定をした。 トランプ大統領も原告に加わることを申し立てており、バイデン次期大統領が勝利した選挙結果を覆そうと望みを託してきたが、法廷闘争は事実上の終焉を迎えた形だ。 最高裁は、テキサス州には訴えを起こす法的利益はないとして、原告適格を認めなかった。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)は決定を受け、トランプ氏側の法廷闘争について「選挙結果を覆す道は閉ざされた」と伝えた。 訴訟は、テキサス州の州務長官が 7 日、ペンシルベニア、ジョージア、ミシガン、ウィスコンシンの 4 州を相手取って起こした。 4 州の選挙手続きが米憲法の規定に違反していたとして、選挙結果を無効とし、州議会が新たに選挙人を任命することを認めるよう求めていた。 (yomiuri = 12-12-20) バイデン氏、早期に大型公共投資 インフラや再生エネ 【ワシントン = 河浪武史】 米大統領選で当選を確実にした民主党のバイデン前副大統領は 1 日の演説で「雇用創出に向け、インフラや再生エネルギーなどに投資すべきときだ」と訴え、早期に大型の公共投資策を策定する考えを表明した。 新型コロナウイルス危機下にある中小企業などを救済するため「議会は今すぐに力強い包括策を可決すべきだ」とも訴えた。 バイデン氏は地元の東部デラウェア州で、次期財務長官に指名したイエレン米連邦準備理事会 (FRB) 前議長ら経済チームと演説に臨んだ。 イエレン氏は「我々は生命を失い、職を失う歴史的な危機にある」と述べ、財務長官として中小企業の救済や雇用の立て直しに尽力する考えを表明した。 バイデン氏は短期的な経済政策の課題として「新型コロナ危機との闘い」を挙げた。 「仕事を失った数百万人の米国人のために、即座に救済策を用意する必要がある」と表明。 イエレン氏ら経済チームとともに、ローンの減免などの家計や企業の支援策の検討に入ったことを明らかにした。 上下両院は 2021 年 1 月の政権交代を前に「レームダック議会」に突入している。 バイデン氏は「議会は今すぐに、力強い包括策を可決すべきだ」とも主張し、政権移行を待たずに月内に追加の財政出動を決定するよう要求した。 米議会は 1 日、超党派で 9,080 億ドル(約 95 兆円)のコロナ対策案を取りまとめたばかりだ。 バイデン氏は同案の支持の是非を明らかにしていないが、目先の景気減速懸念を和らげるため、議会に追加策を促している。 中期的な経済対策としては「構造的な経済格差への対処」を挙げた。 高級住宅の売上高が前年比で 40% も増える一方、中低所得層の一部は家賃の支払いが困難になっているなどと指摘。 「足元の経済回復は、富裕層が豊かになって、中低所得層は下振れする『K 字型』だ」などと懸念を示した。 中低所得層の雇用や賃金の引き上げへ「インフラや再生エネルギー、製造業などに投資すべきときだ」と主張した。 演説には米行政管理予算局 (OMB) 局長に指名されたニーラ・タンデン氏らも出席した。 リベラル系シンクタンクのトップを務めるタンデン氏は、民主党の急進左派に近く、人事承認のカギを握る共和党保守派に警戒感が広がっている。 同氏は 1 日の演説では「すべての米国民のために OMB で職責を果たす」などと述べたものの、具体策に言及せずに安全運転に終始した。 (nikkei = 12-2-20) バイデン氏に政権移行手続き開始認める 米連邦政府 米連邦政府は 23 日、バイデン次期大統領に対し、政権移行の手続き開始を認める方針を伝えた。 トランプ米大統領も同日、自身のツイッターに投稿し、大統領選の敗北を認めずに法廷闘争は続けるとしつつも、政権移行への協力を認める考えを示した。 政権移行のプロセス開始の判断権限は法律上、連邦政府資産を管理する一般調達局 (GSA) がもつ。 GSA のエミリー・マーフィー長官は 23 日、バイデン氏に対して書簡を送付。 政権移行に必要な資金などを供与する方針を示し、バイデン氏を事実上、大統領選の勝者として認めた。 トランプ氏はツイッターで「我々は戦い続ける」と強調しつつも、マーフィー氏らに対し、政権移行作業の開始に関して「必要なことをするように、と推奨した」ことを明らかにした。 7 日に大統領選でバイデン氏の勝利が確実になった後も、トランプ氏が政治任用したマーフィー氏率いる GSA は選挙結果の確認をせず、政権移行チームへの協力を拒否。 バイデン氏側は情報機関も含めた政府機関の当局者にアクセスもできず、共和党内からも批判の声が上がっていた。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 11-24-20) トランプ氏支持者、首都で 1 万人集会 ほぼマスク無し 米大統領選でバイデン前副大統領の当選が確実になってから 1 週間がたった 14 日、「選挙の不正」を主張して敗北を認めていないトランプ大統領を支持する集会が首都ワシントンで開かれた。 参加者は 1 万人以上とみられ、全米各地から集まったトランプ氏の支持者らが中心部を行進した。 これに対する抗議活動もあり、双方の間の暴力などで負傷者や逮捕者が出た。 ホワイトハウス近くのフリーダム・プラザ周辺は朝から、トランプ氏の支持者らで埋め尽くされた。 13 日には主要メディアが大統領選の勝敗が全州で確定したと一斉に報じたが、支持者らは「でたらめはもうたくさんだ!」と抗議の声を上げた。 ほとんどの人がマスクを着けていなかった。 午前 10 時過ぎ、広場に面した目抜き通りにトランプ氏を乗せた車列が現れ、支持者らが大歓声をあげた。 車内のトランプ氏が笑顔を浮かべて手を振ると、周囲からは「USA」コールが起こった。 トランプ氏は前日に「立ち寄ってあいさつするかもしれない」とツイートしており、この日はゴルフ場に向かう途中だった。 米国旗の上に「トランプ 法と秩序」と書かれた縦 15 メートル、横 23 メートルの特製の旗を広げていたディオン・チーニーさん (52) もトランプ氏の車に駆け寄った。 「トランプ氏の勇敢さのおかげで、たくさんの人が彼を間近で見られた。 彼はいつも何かをやってくれる。」と興奮気味に話した。 チーニーさんがニューヨークで営むソフトウェア会社はこの 4 年間で従業員が 3 割増えた。 「トランプ政権で経済は好調だ。 史上最高の大統領を応援するために来た。 黒人の命だけでなく、白人の命も重要だ。」 選挙結果は「不正だ」としつつ、「明らかに多数の票をとれなかったのは右派の失敗だ」と複雑な胸の内も明かした。 ペンシルベニア州から夫婦で訪れた大学職員ジョン・ジュウさん (58) は「民主党が新型コロナウイルスを口実に、郵便投票を推し進めた。 その結果、たくさんの不正と混乱を引き起こした。民主主義を取り戻すために来た。 社会主義者のバイデン氏は受け入れられない。」と訴えた。 (asahi = 11-15-20) バイデン氏が選挙人 306 人を獲得 全州で勝敗が確定 複数の米主要メディアは 13 日、米大統領選挙で勝敗が決まっていなかったジョージア州でバイデン前副大統領が、ノースカロライナ州でトランプ大統領がそれぞれ勝利を確実にしたと一斉に報じた。 これで全州で勝敗が決まり、バイデン次期大統領が過半数の 270 人を大きく上回る 306 人の選挙人を、トランプ大統領が 232 人を獲得することになった。 バイデン氏は 7 日に勝利を確実にし、すでに政権移行チームを立ち上げている。 12 月 14 日には各州で選挙人が投票結果に基づいて投票する。 来年 1 月 6 日に開票され、バイデン氏が正式に新大統領として選出される見通しだ。 バイデン氏が獲得した 306 人は、2016 年の大統領選挙でトランプ氏が獲得した人数と同じ。 ジョージア州で民主党候補が勝利するのは、1992 年のビル・クリントン氏以来となる。 同州では得票率の差が 0.3 ポイントと小差のため、州の規定に基づき 13 日から再集計が始まった。 同州の州務長官は、大規模な不正は見つかっていないと説明している。 一方、トランプ大統領は選挙に不正があったとの立場を崩していない。 トランプ氏は 13 日、新型コロナウイルス感染対策に関する記者会見を開き、バイデン氏が 7 日に当選を確実にして以来、初めて報道陣の前に姿を見せた。 しかし、「この先、何が起きるのか、どちらの政権になるかは、時間がたてば分かると思う。 だが、この政権はロックダウンをしないということは言える。」と述べただけで、質問も受け付けなかった。 一方ツイッターではこの日も、具体的な根拠を示さないまま、不正があったと訴える投稿を繰り返した。 14 日には不正があったと主張するトランプ支持者の集会がワシントンで予定されており、トランプ氏はツイッターで「立ち寄ってあいさつをするかもしれない」と投稿した。 (ワシントン = 大島隆、渡辺丘、asahi = 11-14-20) バイデン氏が大統領選当選確実 ペンシルベニア州を制す 米大統領選で 7 日(日本時間 8 日未明)、民主党のジョー・バイデン前副大統領 (77) が激戦州の東部ペンシルベニア州で勝利を確実にし、当選を確実にした。 CNN など、米メディアが報じた。 共和党のドナルド・トランプ大統領 (74) は「選挙をめぐる不正が起きている」と主張し、選挙をめぐる訴訟も起こしているが、不正の証拠は示しておらず、裁判闘争の勝ち目は見えていない。 3 日から開票が始まった大統領選では、バイデン氏が民主党の地盤のカリフォルニア州やニューヨーク州で、トランプ氏は共和党が強いテキサス州やオハイオ州で勝利を確実にした。 選挙を左右する激戦州のうち、トランプ氏はフロリダ州を制したが、ペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンと東部から中西部に広がる「ラストベルト(さびついた工業地帯)」にある 3 州でバイデン氏が勝利し、選挙人の過半数を得た。 バイデン氏が勝利すれば、副大統領は、女性初となるカマラ・ハリス上院議員 (56) が就任する。 今回の大統領選はトランプ氏の 1 期目の 4 年間を問う信任投票の性格が強く、特に新型コロナウイルスへの対応が問われた。 トランプ氏は新型コロナの感染状況について「好転している」などとし、バイデン氏が当選すれば経済がさらに失速すると主張。 一方、バイデン氏は新型コロナの米国での死者が 23 万人を超えるなど、世界最悪の状況になっていることを踏まえ、トランプ氏に対し「国を守るという最も基本的な義務を果たし損ねた」と厳しく批判していた。 人種差別への対応も争点だった。 5 月にミネソタ州で黒人男性を白人警官が暴行死させる事件が発生し、人種差別に抗議するデモが全米に広がった。 トランプ氏は一部が暴徒化したことから批判を繰り返し、「法と秩序」を訴えた。 バイデン氏は「分断」を生み出したトランプ政治の終焉と、米社会の融和を訴えていた。 8 月の民主党大会では「あまりにも長く米国を暗闇で覆い、多くの怒りと恐怖と分断を生み出した」と、トランプ氏を批判。 副大統領候補には、ジャマイカ出身の父親とインド出身の母親の間に生まれたハリス氏を指名し、多様性もアピールした。 バイデン氏は上院議員を 6 期 36 年、副大統領を 2 期 8 年務めたベテラン政治家。 就任時には 78 歳と史上最高齢の大統領となる。 国際協調主義路線を取るとみられ、トランプ氏が離脱を進めてきた地球温暖化対策のパリ協定やイラン核合意、世界保健機関 (WHO) にも復帰する考えを示している。 バイデン氏は当選確実が報じられた直後に声明を発表し、「米国民が私と、次期副大統領のハリス氏を信頼して頂いたことを謹んで光栄に受け止める」と述べた。 バイデン氏はまた、「かつてない困難に直面しながら、記録的な数の米国民が投票し、米国における民主主義の鼓動は再び深く打ち始めた」と語った。 そのうえで、「選挙は終わり、今こそ怒りや激しい言葉は忘れ、一つの国民としてまとまるときだ。 米国民が団結するときだ。 そして傷を癒やすときだ。 私たちはアメリカ合衆国だ。 もし私たちが一緒になれば、できないことは何もないのだから。」と呼びかけた。 トランプ氏の任期は来年 1 月 20 日まで続く。 米国で再選を目指した現職大統領が選挙で敗れるのは、1992 年のブッシュ氏(父)以来 28 年ぶりで、10 人目となる。 トランプ氏はバイデン氏の勝利が確実になった直後に声明を発表。 「バイデンがなぜ偽の勝利宣言を急ぎ、メディアの友人がこぞって助けようとしたのか、みんな知っている。 真実を知られたくないからだ。 この選挙はまだ終わりにはほど遠い。」と敗北宣言を拒否。 不正選挙だったと主張し、「我々の陣営は選挙法令が完全に守られ、正しい勝者が就任するように訴訟を遂行していく」と、法廷闘争を進める考えを強調した。 ただ、不正選挙の根拠は示していない。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 11-8-20) TV 視聴者数、バイデン氏に軍配 同時開催の対話集会 - 米大統領選 【ワシントン】 米 CNN テレビは 16 日、大統領選で対決するトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領が 15 日夜の同じ時間帯にそれぞれ開催し、テレビ中継された対話集会の視聴者数について、バイデン氏が約 1,410 万人で、トランプ氏の約 1,310 万人を上回ったと報じた。 調査会社ニールセンの集計に基づく数値。 ペンシルベニア州フィラデルフィアで開かれたバイデン氏の集会は ABC テレビ、フロリダ州マイアミでのトランプ氏の集会は NBC 系列の 3 局が、それぞれ中継した。 インターネットの生中継の視聴者数は、集計に含まれていない。 (jiji = 10-17-20) 【米大統領選】 2 回目の候補者討論会、中止が決定 トランプ氏、10 日にホワイトハウスで集会へ 【ワシントン = 黒瀬悦成】 米大統領選の候補者討論会を企画する委員会は 9 日、南部フロリダ州マイアミで 15 日に予定されていた共和党とのトランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領による 2 回目の討論会を中止すると正式に発表した。 本来は 3 回目となる、22 日の南部テネシー州ナッシュビルでの討論会については、両候補が予定通り実施することで合意したとしている。 委員会は 8 日、マイアミでの討論会に関し、新型コロナウイルスに感染したトランプ氏が 5 日に退院したばかりであることなどを勘案し、「関係者の健康と安全」を理由に映像中継によるバーチャル形式で行うと発表した。 これに対しトランプ氏は「バーチャル形式ならば参加しない」と述べ、15 日は代わりに選挙集会を開くと表明。 バイデン氏もこれを受け、当日は ABC テレビと組んで有権者との対話集会を開く意向を明らかにしていた。 新型コロナ感染による入院で選挙運動の中断を強いられたトランプ氏は、得意とする選挙集会を早急に再開させたい考え。 米政権高官が米メディアに語ったところでは、トランプ氏は 10 日にホワイトハウスのバルコニーから数百人の参加者に向け「法と秩序」をテーマに演説するほか、12 日夜にフロリダ州サンフォードの空港で感染後初となる支持者集会を行う予定としている。 同氏がウイルス検査で陰性に転じたかについては明らかにされていない。 一方、支持率で先行する民主党候補のバイデン前副大統領は、8 日から 9 日にかけて西部の激戦州であるアリゾナ州とネバダ州で選挙集会を行うなど、トランプ氏が身動きのとれない間隙を縫って支持層の拡大を図っている。 (sankei = 10-10-20) トランプは肺を病んでいる 8 秒間の「息切れ」動画が語る多くのこと <退院直後の動画を見た専門家は「肺の機能に問題あり」と断言> 新型コロナウイルスに勝ったとばかり、「勝利宣言」をしながら、苦しげに肩で息をするドナルド・トランプ米大統領。 ネット上で話題になった動画を見た複数の専門家が、どう見ても肺が正常に機能しているとは思えないと、本誌に語った。 トランプは 10 月 1 日に受けた新型コロナウイルス感染症の検査で陽性と分かり(当初は公表せず)、翌 2 日に首都ワシントン郊外のウォルター・リード国立軍医療センターに入院した。 そして週明けの 5 日には早くも退院してホワイトハウスに戻ると、バルコニーに立ってマスクを外し、親指を立てる得意のゼスチャーをして、凱旋将軍よろしく敬礼をして見せた。 退院前のツイートでも「とても気分がいい」、「20 年前より元気だ!」と回復ぶりをアピールしたが、健康不安は否めない。 5 日に行われた記者会見で、トランプの主治医ショーン・コンリーは歯切れの悪い口ぶりだった。 トランプは「まだ完全に危機を脱していないかもしれない」が、容体は「改善し続けている」というのだ。 この日に本誌が複数の専門家に確認したところ、最初に症状が出てから 7 - 10 日の状態が回復に向けた重要な目安になるという。 その頃に一気に容体が悪化することがあるためだ。 息苦しさは明らか 記者会見でコンリーは、大統領の体温が平熱に戻ってから 72 時間以上経過しており、血中酸素濃度も呼吸も正常だと主張した。 だがソーシャルメディアでは、退院は無謀だとのコメントが飛び交った。 連邦下院議員のテッド・リウも見るからに苦しげなトランプの動画をツイッターに投稿した。 「トランプはツイッターでウイルスの猛威を軽く見せようとしたが、この 8 秒間の動画で、その努力が吹き飛んだ。 この動画では、彼は息を切らしてあえいでいる。 このウイルスがどれほど呼吸を困難にし、肺にダメージをもたらすか、これを見て多くのアメリカ人が痛感したはずだ。」 心血管と肺の疾患を専門とするニューヨークの臨床医ノア・グリーンスパンはこの動画について、「これは、私が考える正常な、全く(無理のない)呼吸とは明らかに違う」と、本誌にメールでコメントした。 グリーンスパンによれば、トランプは 8 秒間に 3 回呼吸しており、1 分間では 22.5 回することになる。 正常な呼吸は 1 分間に 12 - 20 回とされる。 「本人が隠したくても、もろに出てしまった重要な兆候は、明らかに呼吸補助筋を使っていることだ」と、グリースパンは指摘する。 それによれば、健康な人が呼吸補助筋を使うのは激しい運動をしたときだけで、通常は主に横隔膜の収縮で肺に空気を吸い込む。 トランプのように、ただ立っているだけで、肩が激しく上下動するようなことはない。 「この動画では、大統領は横隔膜だけでなく、胸、背中、肩の筋肉を使っている。 これは健康な人が激しい運動をしたときか、体調の悪い人によく見られる呼吸だ。」 こうした呼吸は、慢性閉塞性肺疾患 (COPD) など、ある種の呼吸器疾患の特徴でもあり、「新型コロナウイルス感染症の急性期の患者、症状が長期化した患者の両方によく見られる特徴であることは間違いない」と、グリースパンは説明する。 テキサス大学保健科学センターのステファニー・レバイン教授は、「その人の通常の呼吸パターンよりも速く荒い呼吸は、新型コロナウイルス感染症の診断と一致する症状と見ていい」と本誌に述べた。 こうした呼吸パターンは新型コロナウイルスに関連した肺炎を疑わせると、レバインは見る。 肺にウイルスが入ると、通常は診断後 4、5 日で肺炎を発症するが、肺のスキャン画像を見ないと確実なことは言えないという。 5 日の記者会見でトランプには肺炎の兆候があったのかと聞かれて、主治医のコンリーは標準的な画像診断を行なったが、自分の立場では詳しいことは言えないと答えた。 スキャンの結果を意図的に伏せているのかと記者にたたみかけられると、患者のプライバシーを保護する法律の規定で、医療者には守秘義務があるからだと突っぱねた。 認知機能の低下も 翌日に発表された声明でコンリーは、ホワイトハウスに戻った最初の夜、大統領の体調は安定しており、症状は全く出なかったと強調した。 血中酸素濃度は 95 - 97% で正常とみなせるという。 これについて本誌はホワイトハウスにコメントを求めている。 今後も長期にわたってトランプが後遺症に悩まされる可能性はないのか。 ボストン医療センターの感染症専門医カサンドラ・ピエールによると、考えられる後遺症としては、息切れ、呼吸器疾患、疲労感、認知機能の低下などがある。 「ただ断っておくが、トランプはまだ回復したわけではない」と、ピエールは釘を刺した。 「今も感染しているし、他人に感染させるリスクもある。 今後症状がもっとひどくなり、まともに国の舵取りをする能力がさらに低下することも十分あり得る。」 (カシュミラ・ガンダー、スー・キム、NewsWeek = 10-8-20) 回復楽観も疑念残る トランプ氏にステロイド薬 - 米 【ワシントン】 トランプ米大統領の専属医療チームは 4 日、新型コロナウイルスの重症患者に処方されるステロイド系抗炎症薬「デキサメタゾン」をトランプ氏に投与したと明らかにした。 一方、トランプ氏の体調が改善傾向にあるとして、「早ければ 5 日にも退院できると期待している」と楽観した。 入院先の首都ワシントン近郊にある軍医療センターで記者団に語った。 大統領専属医のコンリー氏によると、トランプ氏は 2 日に高熱を出し、血中酸素濃度が低下したため、酸素吸入を受けた。 医療センターに移ったものの、3 日に再び酸素濃度が低下した。 これまでに治療薬「レムデシビル」が 2 回投与されたほか、デキサメタゾンが処方された。 米国立衛生研究所のガイドラインによれば、デキサメタゾンは呼吸補助が必要な重症患者に有効とされる。 このため、米メディアは軽症患者に投与されれば効果がないばかりか、逆効果になる危険性もあると指摘している。 (jiji = 10-5-20) トランプ氏の最側近ら次々感染、ホワイトハウスのイベントに参加 … 担当記者も 【ワシントン = 横堀裕也】 米国のトランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が判明後、トランプ氏の最側近として知られるケリーアン・コンウェイ前大統領顧問や、共和党の上院議員 2 人の感染が判明した。 コンウェイ氏らが 2 日、ツイッターで明らかにした。 コンウェイ氏ら 3 人は 9 月 26 日、トランプ氏が新たな最高裁判事を指名したホワイトハウスでのイベントに参加していた。 ホワイトハウス担当の記者 3 人も感染が判明した。 また、米政治専門紙ポリティコによると、トランプ陣営の選挙対策本部長のビル・ステピエン氏の感染も 2 日、明らかになった。 (yomiuri = 10-3-20) コロナ感染のトランプ氏、ヘリで軍医療センター入院 【ワシントン = 黒瀬悦成】 新型コロナウイルスへの感染が確認されたトランプ米大統領は 2 日、ワシントン近郊のウォルター・リード軍医療センターに入院した。 マケナニー大統領報道官は、トランプ氏は「センター内にある大統領執務室で数日間にわたり職務を行う」と述べた。 「軽い症状を示している」という。 入院は「医師や医療専門家の助言に基づいて慎重の上に慎重を期した措置」としている。 トランプ氏はこの日、マスク姿でホワイトハウスを出て記者団に無言で手を振り、南庭に駐機していた大統領専用ヘリ「マリーン・ワン」に乗り込んで医療センターに向かった。 トランプ氏はまた、「私は元気です。 ありがとう。」などと述べた、出発前に撮影した映像メッセージをツイッターに投稿した。 入院に先立ちホワイトハウスの医務官が発表したところでは、トランプ氏は米製薬会社リジェネロンが臨床試験を進めている抗体治療薬の投与を受けたほか、免疫力向上のための亜鉛やビタミン D などを服用した。 2 日午後現在の体調は、引き続き「倦怠感」が残るものの「体調は良い」と強調している。 同じく感染が確認されたメラニア夫人は「軽いせきと頭痛」があるという。 軽症で、ホワイトハウスで自主隔離を続けるという。 複数の米メディアは 2 日、関係者の話として、トランプ氏が同日朝から発熱の症状を訴えていると伝えており、入院は同氏の症状が突然悪化した場合に備えた措置とみられている。 11 月の大統領選に向けたトランプ陣営の責任者は 2 日、トランプ氏が同日以降に予定していた全米各地での選挙集会や会合を延期するか、オンライン形式で実施すると発表した。 メドウズ報道官は記者団に対し、感染経路を解明するための調査を開始したことを明らかにした。 一方、大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領は 2 日、中西部ミシガン州での集会で演説し、「大統領夫妻の 1 日も早い快癒を祈っています」と述べるとともに、「私たちはウイルスを深刻に受け止めるべきだ」と訴えた。 バイデン陣営は同日、ネット上で展開していたトランプ氏に対する中傷広告を全て撤去した。 (sankei = 10-3-20) 米トランプ大統領が新型コロナ陽性 ツイッターに投稿 トランプ米大統領は 2 日未明(日本時間 2 日午後)、自身と妻のメラニアさんが新型コロナウイルスの検査で陽性になったと、ツイッターで明らかにした。 前日には、側近が陽性となり、検査を受けていることを公表していた。 トランプ氏は「我々は隔離と回復をすぐに始める。 一緒に乗り越える!」とツイートした。 ホワイトハウスが公開したトランプ氏の主治医の書簡によると、トランプ氏とメラニアさんの容体は「良好」で、ホワイトハウスで療養する予定という。 また、トランプ氏は引き続き大統領としての職務を遂行する見通しという。 トランプ氏は 1 日夜、側近のヒックス大統領顧問が新型コロナの検査で陽性だったと、ツイッターで明らかにした。 米メディアによると、ヒックス氏はたびたびトランプ氏の出張に同行。 9 月 29 日にオハイオ州クリーブランドであった大統領候補の討論会に同行したほか、30 日も大統領専用機でミネソタ州までトランプ氏と一緒に移動したという。 11 月 3 日の米大統領選を直後に控え、トランプ氏が新型コロナに感染したことで、選挙活動などに影響が出ることは避けられない。ま た、容体によっては政権運営にも影響を与える恐れがある。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 10-2-20) 「ひどい討論会 負けたのはアメリカ国民だ」 CNN 11 月 3 日の米大統領選を前に、共和党候補の現職トランプ大統領 (74) と、民主党候補バイデン前副大統領 (77) の初の直接対決となる第 1 回候補者討論会が 29 日夜(日本時間 30 日午前)、中西部オハイオ州クリーブランドで開かれた。 トランプ氏は、バイデン氏の発言中に何度も割り込んで持論の主張を繰り広げ、司会者にたびたび制止されるなど、現職大統領らしくない言動を連発した。 新型コロナウイルス対応や所得税未納問題など自身に批判的な論評には、自身の正当性を強調し続けた。 候補者討論会は、大統領選投票前のメインイベント的な位置付けだ。 討論は 90 分続いたが、討論会の模様を生中継していた米 CNN テレビでは、中継後、記者が「これは討論会とは言えない。 ひどいディベートだった。」 「勝者はいない。 負けたのはアメリカ国民だ。」と酷評するありさまだった。 (日刊スポーツ = 9-30-20) 米最高裁判事、保守派指名に野党反発 大統領選の争点に トランプ米大統領は 26 日、連邦最高裁判事に保守派のエイミー・バレット連邦高裁判事 (48) を指名した。 18 日に死去した、リベラル派のギンズバーグ判事の後任として就任すれば、最高裁では保守派が 9 人中 6 人と圧倒的多数となる。 上院で過半数を占める与党・共和党は承認手続きを強行する構えだが、11 月の大統領選・議会選を目前にした指名に野党・民主党は反発しており、人事の是非が選挙でも大きな争点となる。 トランプ氏は 26 日、バレット氏と並んでホワイトハウスで会見し、バレット氏について「類を見ない業績、憲法への不屈の忠誠心をもつ女性だ」と指名理由を説明した。 バレット氏は「判事は政治家ではない。 いかなる政治的立場も断固として脇に置いておかなければいけない」と党派色を出さない考えを強調した。 しかし、バレット氏は保守派の重鎮だったスカリア元最高裁判事の調査官を務めた経歴を持つ。 また、2002 年からノートルダム大ロースクールで教壇に立ち、人工妊娠中絶やオバマ政権が進めた医療保険制度改革(オバマケア)に反対の立場を明らかにしており、最高裁判事として妊娠中絶の規制などに賛成する立場で臨むとみられる。 バレット氏が就任すれば、最高裁判事の内訳は保守派 6 人、リベラル派 3 人となり、保守派の優位が決定的となる。 米最高裁は過去に、人種差別や妊娠中絶、同性婚など世論を二分する問題について何度も重要判決を言い渡しており、米国以外の国の司法判断にも波及している。 このため、保守派が多数となることで影響は大きい。 就任には上院で過半数の議員の支持を得て承認されることが必要。 共和党は指名公聴会を 10 月 12 日に開始し、同月下旬に採決を行うスピード審理を進める方針だ。 トランプ氏は大統領選までにバレット氏を就任させることで支持層にアピールすることを狙う。 一方、トランプ氏は最近、選挙で敗北した場合の「平和的な政権移行」の確約を拒んでおり、選挙結果をめぐって法廷闘争が起きた場合に備え、自身に有利なメンバーで最高裁を固めたいという思惑がある。 ただ、大統領選前の「駆け込み人事」に米国内の世論は厳しい。 25 日発表のワシントン・ポストの世論調査では、57% が大統領選の勝者が新しい最高裁判事を決めるべきだと答えた。 民主党も上院で少数派のため、承認手続きを止めることは難しいが、選挙に向けて有権者へのアピールを進めている。 大統領選をトランプ氏と争うバイデン前副大統領は「米国民が新たな大統領と議会を選ぶまで、最高裁の空席を補充するべきではない」と主張している。 (ワシントン = 香取啓介、園田耕司、asahi = 9-27-20) バイデン氏の妻ジルさんの素顔「大統領夫人で教師続行」 18 日の米民主党全国大会では、大統領候補に指名されたバイデン前副大統領 (77) の妻ジルさん (69) が演説をした。 教育学の博士号を持つベテラン英語教師で、バイデン氏の政治決断にも大きな影響力を持つジルさんは、「ジョー(・バイデン氏)にこの国を任せてくれれば、皆をまとめ、よみがえらせてくれる」と語った。 ジルさんは、かつて英語教師として勤めた地元デラウェア州の高校から中継で演説。 がらんとした教室で「この静けさは重い。 不安が廊下にこだましている。」と、新型コロナウイルスの感染拡大によって、米国の多くの学校で授業が止まっていることを心配した。 「母として祖母として、米国人として、地域を守ることに失敗し、かけがえのない命が奪われたことの大きさに心を痛めている。」 バイデン氏は上院議員当選直後の 1972 年末、最初の妻と長女を交通事故で亡くした。 残された 2 人の息子を育てていた 3 年後、弟の勧めでジルさんとデートし、交際が始まった。 ジルさんは教師になる勉強をしつつ、バイデン氏の 2 人の息子の食事の世話や学校への送り迎えをした。 ある朝、バイデン氏が洗面所にいると息子たちがやってきて「ジルと結婚するべきだと思うんだ」と背中を押された。 ジルさんは 26 歳。 「母親を亡くした家族をどうやってよみがえらせればいいのか」とためらったが、バイデン氏の 5 回目のプロポーズで結婚に応じた。 バイデン氏は自伝で「彼女は私の人生を取り戻してくれた」とつづる。 演説で、ジルさんは「壊れた家族を癒やす方法は、国を癒やす方法と同じ。 愛と理解、小さな思いやり、勇気、そして揺るがない信念だ。」と話し、「パンデミックから回復し、次に備えるには皆をまとめられるリーダーシップが必要だ。 それがジョーだ。 彼は、あなたと同じように毎日一生懸命働き、この国をよくするだろう。」と続けた。 演説が終わると、バイデン氏が現れ、「彼女は最も強い人間だ。 正しいことをしようと決めたら誰も止められない。」と肩を抱いた。 今回の大統領選でジルさんはキャリアを中断し、バイデン氏の選挙運動に力を入れる。 予備選では積極的に有権者と交わり、連絡先を交換。 コロナ危機で選挙運動がオンライン主体になってからも、自宅でバイデン氏に付き添いながら、支持者のリモート集会に顔を出す。 副大統領候補の選考にも深く関わった。 米メディアによると、候補者の調査や面接を担った 4 人の党重鎮に、バイデン氏が最終的にカマラ・ハリス上院議員 (55) を選んだと電話で伝えたのもジルさんだ。 バイデン氏が大統領になった場合、ジルさんは異色のファーストレディーになりそうだ。 CBS テレビのインタビューには「ホワイトハウスに入っても教師は続ける。 教師の価値や貢献を知ってもらい、職業としての地位を向上させたい。」と答えた。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 8-19-20) バイデン氏、悲しみを知る政治家 原点は妻子との死別 12 日、地元のデラウェア州でジョー・バイデン前米副大統領 (77) は、副大統領候補として選んだカマラ・ハリス上院議員 (55) と並んで初めての演説をした。 ハリス氏を紹介する直前、バイデン氏が触れたのは 5 年前に亡くなった、自分の長男のボー氏だった。 「私が初めてカマラを知ったのは、ボーを通じてだった。 同じ時に(州の)司法長官を務め、共通の大きな闘いに取り組んだ。 ボーがいかにカマラと彼女の仕事ぶりを尊敬していたか知っていたことは、(副大統領候補を選ぶ)決断でも大きかった。」 バイデン氏は上院議員 36 年、副大統領 8 年と半世紀近く、公職にいた。 政治経歴を大きく動かしたのは、家族との別れだ。 弁護士を経て、バイデン氏は 1972 年 11 月、29 歳の若さでデラウェア州から上院議員に初当選。 翌月、クリスマスの買い物に出かけた、最初の妻ネイリアさんと 3 人の子どもが乗った車がトラックとの衝突事故に巻き込まれる。 ネイリアさんと長女は死亡し、2 人の息子も重傷を負った。 バイデン氏は議員就任の辞退も検討したが、重鎮から「6 カ月だけ、試して」と説得され、息子たちの病室で宣誓式を行った。 上院歴史室で働いた歴史家ドナルド・リッチー氏は「気鋭の政治家ではなく、大切な人を失った人間として見られるようになった」と話す。 その後も、息子たちの世話をするため、デラウェアの自宅からワシントンまで毎日、片道約 2 時間をかけて通勤。 この時間を質問準備に費やし、議会でも一目置かれるようになった。 事故から回復したボー氏も政治家を志し、2006 年にデラウェア州の司法長官に当選した。 10 年にカリフォルニア州司法長官に選ばれたハリス氏らとともに、民主党の若手のホープとなった。 しかし、ボー氏は脳腫瘍(しゅよう)を患い、15 年に 46 歳の若さで死去。 悲しみが癒えなかったバイデン氏は、翌年の大統領選への立候補を断念。政治家人生の終わりかと思われたが、トランプ大統領が誕生したことで、「国の魂をかけた闘い」として今回、立候補した。 悲しみを理解しつつ、くじけない復元力を併せ持つのがバイデン氏の魅力だ。 政治アナリストのビル・シュナイダー・ジョージメイソン大教授は新型コロナウイルスによって米国で 16 万人超が死亡している現状を踏まえ、「バイデン氏のほかに、悲しむ米国人をつなげられる政治家は見当たらない」と語る。 (asahi = 8-14-20) ハリス氏効果、バイデン氏陣営に 24 時間で寄付 28 億円 米大統領選で民主党候補となるバイデン前副大統領 (77) が 12 日、地元デラウェア州で、副大統領候補に選んだハリス上院議員 (55) とともに演説した。 ハリス氏を「利発で、タフで、経験がある。 この国の背骨、中流階級と中流階級になろうとする人のために闘う真の闘士だ。」と紹介した。 2 人が正副大統領候補としてそろって公の場で発言するのは初めて。 2 人は報道陣と陣営関係者の前に、黒いマスクをして登壇。 バイデン氏は、ハリス氏を白人以外で初めての女性の副大統領候補に選んだことで、「この国、女の子たち、特に黒人やヒスパニックの子は、今朝起きたら全く違う自分になったように見えただろう」と述べた。 バイデン氏は、ハリス氏を副大統領候補に選んでから 24 時間で、これまでの最高額の倍となる政治資金の寄付が集まったと明らかにした。 2,600 万ドル(約 28 億円)に上るという。 ハリス氏は「米国にとって本当に重要な時だ。 経済、健康、子どもたち、そしてどんな国に暮らすのか、全てがかかっている」と話した。 トランプ政権が有効な新型コロナ対策を行っていないことを批判し「米国はリーダーシップを求め叫んでいる」、「あとたった 83 日で、よりよい未来を選ぶ機会が来る」と 11 月の大統領選での投票を呼びかけた。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 8-13-20) 米副大統領候補に黒人女性のハリス氏 バイデン氏が発表 米民主党の大統領候補となるバイデン前副大統領は 11 日、副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員 (55) を選んだと発表した。 ハリス氏はサンフランシスコ地方検事やカリフォルニア州の司法長官を経て、2017 年から同州の上院議員を務めている。 父はジャマイカ、母はインド出身。 大統領選挙では民主党の候補者指名争いに立候補した。 討論会では、人種問題をめぐってバイデン氏を追及する場面もあったが、撤退後はバイデン氏支持に回った。 バイデン氏は副大統領候補には女性を選ぶと表明。 その後、警察官による黒人男性の暴行死事件を契機に全米に抗議デモが広がり、黒人女性を選ぶべきだとの声が民主党支持者の間で高まっていた。 バイデン氏が大統領選挙に勝利した場合、来年 1 月の就任時には 78 歳と史上最高齢の米国大統領となる。 バイデン氏は 1 期 4 年で退任する可能性も取りざたされており、ハリス氏は有力な民主党の次期大統領候補となり得る。 今回の決定で、共和党のトランプ大統領、ペンス副大統領と、民主党のバイデン氏、ハリス氏が争う大統領選挙の構図が固まった。 バイデン氏とハリス氏は今月 17 日からの民主党大会で、同党の正副大統領候補に正式に指名される。 (ワシントン = 大島隆、asahi = 8-12-20) |