下馬評をはるかに超えた相互関税 トランプ氏「経済的自立宣言だ」

トランプ米大統領が 2 日発表した「相互関税」は、事前の下馬評をはるかに上回るインパクトがあった。 第 1 次政権時には「ディール(取引)」のための道具という印象も強かった関税。 当時とは明らかに一線を画す強硬さの背景には、トランプ氏が関税に求める役割の根本的な変質がある。 歴代大統領が重要な発表をする場に選んできたホワイトハウスの庭園「ローズガーデン」。 2 日午後、全閣僚や下院議長らに加え、各地からの労働者や支持者らを集めた一大イベントで、星条旗をバックにトランプ氏はこう口火を切った。

「2025 年 4 月 2 日は永遠に記憶されるだろう。」

あらゆる国に一律 10% の関税をかけたうえで、特に高い貿易障壁を持つ国に対しては、さらに高い税率を課す - -。 異例となる 2 段階の構造を持つ相互関税は、メディアや市場の事前予想をはるかに上回る内容だった。 @ ほぼ全ての国に対する一律関税、A 国ごとに税率を変える相互関税、B 対象国・税率を絞った関税 - -。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは発表直前の 1 日、政権内でこの三つの選択肢が検討されていると報じた。 だが、フタをあけてみれば、相互関税とは、@ と A をミックスしたもので、「予想されていた結果の範囲の中でも最もタカ派(強硬)的(米金融大手 JP モルガン)]と衝撃が走った。

直後に開いた東京株式市場はパニック売りの様相となった。 際立つのは、トランプ氏の関税政策に対する妥協のなさだ。 第 1 次政権では、関税をかけると脅したうえで、相手国から譲歩を引き出す「ディール(取引)」が注目された。 関税は交渉の道具 - -。 そんな見方は市場にいまだ強かった。 だがトランプ氏はこの日、ローズガーデンの聴衆の前で、最速 5 日に相互関税を発動させる大統領令に署名。 政権幹部は記者団にこう言い切った。

「これは交渉事じゃない。 国家の緊急事態なんだ。」

トランプ 1 次政権の交渉官「譲歩狙うディールに、もう関心ない。」

第 1 次トランプ政権の米通商代表部 (USTR) で交渉官を務めた米調査会社ユーラシア・グループのデビッド・ボーリング氏は、トランプ氏の通商政策が第 1 次政権と比べて「はるかに大胆で野心的」になっていると指摘する。 ボーリング氏は、貿易赤字の削減という動機だけでなく、第 2 次政権の関税政策には、@ 関税を連邦政府の重要な収入源に育てることと、A 米国の貿易・通商政策の転換、という 2 点が加わったと分析する。

@ は、トランプ氏の選挙戦の主要公約でもあった。 25 年末に期限が来る「トランプ減税」の継続のための財源を捻出するという実利的な思惑も透ける。 一方、A については、関税削減と自由貿易の推進という第 2 次世界大戦後の米国の通商体制の「つくりなおし」が念頭にあるという。 これまでの貿易体制が、米国ばかりが巨額の貿易赤字を抱え、製造業の流出を許し、「他国から食い物にされる」現状を許してきたという認識がトランプ氏にはある。 「トランプ氏は他国の譲歩を狙ったディールにはもう、それほど関心がないだろう。 なぜなら、彼のゴールはもうそこにないからだ。」

2 日のトランプ氏の演説は約 50 分に及んだ。 「この関税は、我々の経済的自立宣言なのだ。」 日本や欧州連合 (EU) など重要な同盟国・地域を軒並み名指しで批判し、一切の配慮をみせなかった。 (ワシントン・榊原謙、asahi = 4-3-25)


トランプ氏、明日朝に演説「相互関税」発表へ 報道官「即座に発効」

米ホワイトハウスは 1 日、トランプ大統領が日本時間の 3 日午前 5 時(米東部時間 2 日午後 4 時)から演説をすると発表した。 導入を予告してきた「相互関税」の詳細を発表するとみられる。 ホワイトハウスのレビット報道官は 1 日、相互関税について「発表後、即座に発効する」との見方を示した。 レビット氏は記者会見で、「4 月 2 日は現代史において、我が国の最も重要な日の一つとして記憶されるだろう」と語った。 「米国が(貿易相手国から)ぼったくられる時代は終わる」とも話した。

ホワイトハウスは 2 日、敷地内の庭園で「米国を再び豊かに」と銘打ったイベントを開く。 トランプ氏は全閣僚が参加する中で、相互関税の詳細や意義について語る見通しだ。 関税政策が、米国製造業の復興などにつながるといった持論を展開するとみられる。 相互関税は、米国製品に高い関税を課す国に対して、米国も同水準まで関税を引き上げる措置とされる。 ただトランプ氏は最近、「(他国が)我々に課してきたものよりはるかに寛大なものになる」と述べた。 厳密に同水準の税率をかけるわけではない可能性もある。

トランプ氏は「全ての国」が対象になるとの見方を示しており、日本も対象になりそうだ。 3 日には自動車関税の発動も控えており、日本政府は、いずれの関税からも日本を外すよう米政府に求めていく方針だ。 (ワシントン・榊原謙、asahi = 4-2-25)


トランプ氏、自動車関税「25%」発表 4 月 3 日から全輸入車に

トランプ米大統領は 26 日、米国に輸入される自動車に 4 月 3 日から 25% の関税をかけるよう命じる文書に署名した。 全ての貿易相手国からの車が対象で、日本車も含まれる。

現在、米国は乗用車に 2.5% の関税をかけている。 日本にとって自動車は最大の対米輸出品で、関税が発動されれば日本経済には大きな打撃となりそうだ。 トランプ氏は 26 日の記者会見で「多くの(米国での)工場建設につながり、雇用の面でこれまでにない数字を見ることになり、最終的には多くの人々が多くの車をつくることになるだろう」と述べた。 ホワイトハウス高官は、日本やドイツ、韓国などを名指しで、米国に大量に自動車を輸出しながら、米国車の輸入は少ないと指摘し、「単純に公平ではない」と批判した。

エンジンや変速機 主要な部品も対象

トランプ氏は「4 月 2 日に発効し、3 日から税を徴収する」と語った。 ただ、署名した文書上では、関税の発効は 4 月 3 日午前 0 時 1 分とされている。 今回の関税は、エンジンやトランスミッション(変速機)などの主要な自動車部品も対象とする。 トランプ政権は関税発動を公表した文書で、2024 年に米国人が購入した乗用車や SUV (スポーツ用多目的車)の 50% は輸入品だったと指摘。 海外の自動車の「過剰な輸入」が米国内の産業基盤を弱め、国家安全保障を揺るがしているとし、米通商拡大法 232 条に基づいて関税を発動すると説明した。

ホワイトハウス高官によると、今回の措置で、新たに年 1,000 億ドル(約 15 兆円)を超える税収が期待できるという。 日本の貿易統計によると、昨年の日本の自動車の対米輸出額は 6 兆円を超え、輸出額全体の約 3 割を占めた。 関税の大幅な引き上げは、米国での販売減や利益減につながりかねない。 基幹産業の自動車の国内生産が落ち込めば、日本経済全体に悪影響が出る可能性がある。 日本は米側に、自動車関税の対象から日本を外すよう強く求めてきた。 10 日には武藤容治経済産業相が訪米し、ラトニック商務長官らに直接、適用除外を申し入れた。

ラトニック氏は米メディアに対して、日本、ドイツ、韓国など米国に大量に自動車を輸出する国に、例外なく関税をかける考えを示し、日本が関税を免れるのは難しい情勢だった。 トランプ氏は今回の措置を「恒久的なものだ。 100%そうだ。」と明言しており、交渉の余地があるのかは見通せない。 トランプ氏は当初、「相互関税」を発動する 4 月 2 日に、自動車関税の詳細を公表するとしていた。 だが、24 日には「数日以内」にも発表すると述べ、公表の前倒しを示唆していた。

石破茂首相は 27 日の参院予算委員会で対抗措置をとる考えがあるのかと問われ、「あらゆる対応策を考えている。 選択肢としてある。」と述べた。 立憲民主党の辻元清美氏の質問に答えた。 (ニューヨーク・杉山歩、asahi = 3-27-25)


マスク氏の USAID 解体、違憲の「公算大」 連邦地裁が差し止め判断

米政府効率化省 (DOGE) を率いる大富豪の実業家イーロン・マスク氏は、行政部門の権限を逸脱しているように見受けられる。 メリーランド州の連邦地裁判事が 18 日にそのような判断を下し、DOGE が進める国際開発局 (USAID) 解体の阻止に動いた。 連邦地裁のセオドア・チャン判事は、「当裁判所は USAID 閉鎖に向けた被告の一方的な行動について、合衆国憲法に違反する公算が大きいと判断する」と述べた。

チャン氏によれば、DOGE は今後 USAID の契約や助成金を打ち切ることができなくなる。 またこれ以上従業員を解雇、休職とする措置もとれなくなる。 さらに USAID が保持する機微な個人情報を DOGE の職員が外部と共有することも禁じられた。 DOGE に対する仮差し止め命令となる今回の判断は、連邦政府におけるマスク氏の役割に広く異議を唱えるグループにとって大きな勝利を意味する。 合衆国憲法を理由に同氏の取り組みを制限した最初の主要な司法判断の一つともなる。

マスク氏とトランプ政権は他にも政府機関の解体や連邦支出の削減に取り組んでおり、そうした措置に対する異議申し立てを受けている。 今回の連邦地裁の判断に伴い、他の裁判所でもマスク氏による取り組みの検証に動く可能性がある。 訴訟に携わる団体の幹部は今回の判断について、マスク氏と同氏の率いる DOGE に対する重要な勝利だと指摘。 彼らがやっていることは USAID や米政府、合衆国憲法への攻撃だとの見方を示した。

連邦地裁の判断を受け、ホワイトハウスは判事を批判。 ケリー報道官は声明で「ならず者の判事が米国民の意志を覆し、トランプ氏の課題達成を阻止しようとしている」、「仮にこれらの判事が自分たちの党派的なイデオロギーを政府に押しつけたいのであれば、自ら選挙に立候補するべきだ」と主張した。 その上で、トランプ政権は控訴を計画していると付け加えた。 USAID の解体阻止を目的とした訴訟は、職員や請負業者らによってこれまでも複数起こされているが、18 日のチャン連邦判事の事例ほど成功したケースは過去になかった。 (CNN = 3-19-25)


トランプ氏、戦時下の「敵性外国人法」発動 不法移民ギャングに対抗

トランプ米大統領は 15 日、ベネズエラから不法入国したギャング組織を取り締まるため、1798 年に制定された「敵性外国人法」を発動させると発表した。 戦時下を想定した古い法律を持ち出すことをめぐっては、法的な問題点を指摘する声も出ている。 発表された大統領布告によると、トランプ氏はベネズエラのギャング組織「トレン・デ・アラグア」が不法移民として米国に流入し、殺人や誘拐、麻薬売買などに関わっていると指摘。 組織のメンバーを拘束し、国外追放するよう司法長官らに指示した。

敵性外国人法は、当時関係が悪化していたフランスとの戦争に備えて制定された。 戦時下に大統領の権限で、敵国の市民を拘束、国外追放することを認めるもので、外国による宣戦布告や侵略などがある場合に発動できる。 トランプ氏は、ギャング組織はベネズエラのマドゥロ政権から指示を受けて、米国への「侵略」を続けているのは明らかだとして、敵性外国人法の発動に踏み切った。

日系米国人の強制収容に使われた過去も

米メディアによると、トレン・デ・アラグアはベネズエラの刑務所で活動していたギャングから始まった組織。 米国で起きた殺人事件などへの関与なども取りざたされるが、その活動範囲は明らかでない。 だが米国内では脅威論が広がっており、バイデン前政権も昨年、国際犯罪組織に指定している。 不法移民への取り締まり強化を掲げるトランプ氏は、就任時から敵性外国人法の発動を予告していた。 だが、裁判所での審理もなく外国人を追放する広範な権限を大統領に与える同法の発動には、乱用につながる懸念も出ている。

同法が発動されたのは過去に三度だけだ。 なかでも第 2 次世界大戦中には、ルーズベルト政権が日系米国人を強制収容する際に使われたことで知られている。 約 12 万人の日系人が強制収容されたが、のちにレーガン大統領が公式に謝罪することになった。 米メディアによると、米国に住むベネズエラ人移民は 70 万人以上。 このうちギャング組織のメンバーは数百人程度だとみられるが、無関係な移民にまで取り締まりの影響が及ぶことも懸念されている。 (ワシントン・高野遼、asahi = 3-16-25)


トランプ氏に背を向けるウォール街、経済の警戒信号が点灯

場当たり的な関税、政府職員の大量レイオフ(一時解雇)、予算削減、移民取り締まりの強化 - -。 ウォール街はこうした現状を嫌気し、トランプ氏の混乱した経済政策を強く拒絶しつつある。 1 期目の大半、そして 2 期目を控えた時期にトランプ氏を受け入れていた市場はいま、大統領に背を向けている。 S & P500 は 13 日、終値ベースで調整局面入りした。 わずか 3 週間前に記録した史上最高値から 10% 下落したことになる。 ダウ工業株平均も調整局面入りが近い。 ハイテク株中心のナスダック総合指数は、1 週間前に調整局面入りしている。

中小企業で構成されるラッセル 2000 指数は、大統領選直後に付けた史上最高値に迫る水準から 18.4% も下落した。 ラッセル 2000 は経済の風向きの変化に影響を受けやすい傾向にある。 14 日の取引では株価が盛り返し、ダウ平均が 600 ドル (1.4%)、S & P500 が 1.9%、ナスダックが 2.4% 上昇したものの、ウォール街の投資家心理は圧倒的に冷え込んでいる。 CNN が算出する「恐怖と強欲指数」は「極度の恐怖」水準まで落ち込んだ。 「株式市場はトランプ氏の 2 期目の政策に対する信頼を失いつつある。」 ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長はそう指摘する。

代わりに投資家たちが資金を振り向けているのは、国債や金のような伝統的な安全資産だ。 価格と逆に動く国債の利回りは、この 1 カ月で急落。 金の現物価格は 14 日、史上初めて 1 トロイオンス = 3,000 ドルの大台に達した。 トレーダーの間では、トランプ氏の政策が経済に深刻な打撃を与える可能性に懸念が強まっている。 トランプ氏はバイデン前大統領から引き継いだインフレ問題が株価下落の原因だと主張するが、株式市場は昨年 11 月の大統領選後、トランプ氏の公約にある減税や規制緩和がさらなる景気拡大をもたらすとの期待から急騰していた。

だが、トランプ氏は就任の数カ月前になり、米国の主要貿易相手国に対して大規模関税を課すと警告し始めた。 ダウ平均は昨年 11 月 25 日にトランプ氏が SNS で関税について投稿した時点で最高値に近い水準にあり、その 1 週間後に再び最高値を更新したものの、その後 10% 近く下落。 ラッセル 2000 は一度も持ち直していない。 サマーズ元米財務長官は 14 日、CNN に対し、金価格上昇は投資家が米国経済の見通しに大きな懸念を抱いている兆候の一つだと指摘した。

サマーズ氏は「他にも色々選択肢がある中で好調な資産が金だという現状は、いかに不確実性が高まっているかを示している」と指摘。 国の舵取りを担う人々への信頼が損なわれた時、国民は金に資金を逃避させるとの見方を示した。

こうした中、米国経済の問題はますます深刻化しており、トランプ氏の政策がそれに追い打ちを掛ける可能性が出ている。 ミシガン大学が 14 日発表した消費者心理に関する報告は、22 年にインフレ危機がピークを迎えていた時期以来の低水準に落ち込んだ。 米調査会社コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数によれば、2 月の消費者信頼感は 21 年 8 月以降で最大の下落を記録。 年初 2 カ月の下落幅としては 09 年以降で最大だった。

経済への不安が購買の判断に重くのしかかり、消費者は以前ほどお金を使わなくなっている。 ターゲットやウォルマート、デルタ航空、ディックス・スポーティング・グッズ、ダラー・ジェネラル、コールズはいずれも直近の決算で、関税とインフレが支出の減少につながっているとの認識を示した。 「市場は貿易政策がころころ変わることに心底うんざりしている。」 B・ライリー・ウェルス・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏はそう指摘する。 「政権がゴールポストを次々と動かしているように感じる。 これほど不確実性が高いと、投資家はまったく安心できない。」

トランプ氏自身、関税が「混乱」をもたらす可能性を認めている。 自身の経済政策が最初は一部の人にとって痛みを伴うものになる可能性を指摘し、景気後退(リセッション)入りも排除していない。

突如として市場を顧みなくなったトランプ氏

このところ、トランプ氏が株式市場に言及する機会はめっきり減っている。 1 期目には、米国の経済力の証しとして、市場の最高値更新に関するツイートを頻繁に発信していた。 最近では昨年 12 月 12 日にニューヨーク証券取引所を訪問した際、CNBC のインタビューで、株式市場は「非常に重要だ」と述べている。 だが、まず大統領就任式後の株価上昇分が帳消しとなり、続いて大統領選後の上昇分も消えたいま、トランプ氏の姿勢は変化している。 「株価など注目していない。」 トランプ氏は今月 9 日 FOX ニュースのインタビューでそう述べた。

11 日には大統領執務室で「相場は上がる時もあれば、下がる時もある」と語った。 だが、ウォール街は無視されるのを好まない。 ウォール街は大統領にメッセージを送っており、それは痛みを伴うものだ。 市場の急落は、それ自体が問題となりうる。 多くの米国民はダウ平均が米国経済の健全さを示す指標だと誤解しているため、相場の下落を目にすれば消費者の信頼感は冷え込む。 退職後の資金を株式市場に頼っている人も多く、株価急落を目の当たりすれば家計への迷いが生じる。

「株価下落が続いた場合、資産に大きな悪影響を及ぼすのは明らかだ」と、ヤルデニ氏は指摘する。 「関税の実験や連邦職員の削減を行っている間は、株価が下がっても構わないという考え方を、トランプ氏は改める必要があるだろう。」 投資家は、トランプ氏が自分たちに背を向けたと感じている。 いまや投資家の側でもトランプ氏に背を向けつつある状況だ。 (CNN = 3-15-25)


トランプ米大統領の経済政策に否定的評価 CNN 最新世論調査

米国のドナルド・トランプ大統領の経済政策が国民にあまり評価されていないことが、調査会社 SSRS が実施した CNN の最新世論調査で明らかになった。 トランプ大統領の貿易政策の影響で株式市場が急落する中、経済政策については不支持が 56% を占め、トランプ大統領 1 期目のどの時点よりも悪化した。 対照的に、移民対策については支持率 51% と、1 期目を 7 ポイント上回った。

連邦予算や連邦政府運営をめぐるこれまでの実績については評価が大きく分かれている。 いずれも 48% が支持する一方で、不支持は 50% を超えた。 医療福祉政策の支持率は 43%、外交政策は同 42%、関税は同 39% だった。 トランプ氏の全般的な実績については支持が 45%、不支持が 54% と、1 期目の 2017 年 3 月の数字に並んだ。 全般的にうまくいっているという回答は、 1 月の 29% から今回調査で 35% に増加。 政党別に見ると、実績を評価するという共和党員は、民主党員の約 10 倍に上った。

トランプ氏の大統領権限の行使については、86% が歴代大統領のやり方とは全く異なると回答。 これを「悪い」と評価したのは 49%、「良い」と評価したのは 37% だった。 大規模な政府職員の人員削減や支出削減にかかわるイーロン・マスク氏については、肯定的評価はわずか 35% で否定的な評価が 53% を占め、意見なしは 11%。 一方、J. D. バンス副大統領については肯定的評価が 33%、否定的評価が 44%、意見なしは 23% と、マスク氏の方がバンス氏よりも不人気ぶりも知名度も高かった。 調査は 3 月 6 - 9 日にかけ、無作為で抽出した米国の成人 1,206 人を対象に実施した。 (CNN = 3-13-25)


鉄鋼・アルミ関税「例外なし」で発動 米国、日本の除外要請に応じず

米ホワイトハウスは 11 日、米国が輸入する全ての鉄鋼・アルミニウムに 12 日から 25% の関税をかけると明らかにした。 例外などは設けず、米東部時間 12 日午前 0 時 1 分(日本時間同日午後 1 時 1 分)に発動された。 日本の関連製品も対象となる。 トランプ大統領はカナダに 50% をかけると一時示唆したが、撤回した。 カナダの鉄鋼・アルミにも他の国と同率の 25% をかけた。 トランプ氏は一時、カナダに 2 倍の 50% を課すと SNS で示唆した。 カナダにかけた別の関税に対し、カナダ・オンタリオ州が発動した報復措置に反発したためだ。 ただ、トランプ氏の反発後に、同州が報復措置を撤回し、トランプ氏も矛を収めた。

トランプ氏は第 1 次政権時の 2018 年、鉄鋼に 25%、アルミに 10% の関税を課した。 ただ米国はその後、日本など主要な鉄鋼輸入国に対して、関税を減免する特例を認めてきた。今回の措置はこうした特例を一掃し、25% の関税を例外なく課す。 アルミの税率も 25% に引き上げた。 ホワイトハウス関係者は今回の措置について「一切の例外や適用除外なし」で発動すると指摘した。 10 日には武藤容治経済産業相が訪米し、トランプ政権の閣僚らに直接適用除外を要請したが、前向きな返事は得られなかった。

一方、ホワイトハウスのレビット報道官は 11 日の記者会見で、「日本を見てほしい。 コメに 700% の関税を課している。」と批判した。 カナダが米国産の農産物に課している関税を批判する文脈で、インドの関税に言及したうえで、日本のコメに一言触れた。 レビット氏は「700%」という関税率の算定根拠には言及しなかった。 レビット氏は「トランプ氏は相互主義を信じている」、「トランプ氏が求めているのは公正かつバランスのとれた貿易慣行だ」と語った。 トランプ政権が、コメなどの一部の農産物に日本がかけている関税を問題視している可能性がある。 (ワシントン・榊原謙、asahi = 3-12-25)


米の対外援助見直し 全事業の 83% を廃止 国務長官が X で表明

ルビオ米国務長官は 10 日、国際開発局 (USAID) による対外援助について見直しを終え、全事業のうち 83% にあたる 5,200 件のプログラムを廃止すると明らかにした。 ルビオ氏は X (旧ツイッター)への投稿で、中止する 5,200 件の契約について「米国の中核的な国益に役に立たず、時には害を及ぼす」と述べた。 残る約 1 千件のプログラムについては「国務省のもとでより効率的に管理する」との考えを示した。

ルビオ氏は「歴史的な改革のために長時間働いてくれた政府効率化省 (DOGE) と、我々の勤勉なスタッフに感謝する」とも述べた。 トランプ大統領は 1 月 20 日、海外向けの援助を 90 日間停止し、政権の「米国第一」の外交政策に一致するかどうか見直しを進めるとする大統領令に署名していた。 かねて USAID 批判の急先鋒となってきた、DOGE を率いる起業家イーロン・マスク氏は、ルビオ氏の 10 日の X の投稿に対し「あなたと仕事ができてよかった。 USAID の重要な部分は、国務省とともにあるべきだった」と返信した。

ルビオ氏とマスク氏をめぐっては、米ニューヨーク・タイムズ紙が 7 日、6 日に開かれた閣議で、国務省職員の削減について激しい応酬があったと報じていた。 (ワシントン・清宮涼、asahi = 3-11-25)


トランプ政権で進む「DEI は逆差別」 リベラルな IT 企業でさえも

米国企業が女性の幹部登用目標を取り下げるなど、従業員の多様性を確保する施策を相次いで縮小している。 「DEI (多様性・公平性・包摂性)」とも呼ばれる取り組みだが、「逆差別」との批判が高まっていた。 そこにトランプ米政権が発足し、明確に反対の方針を示したことで動きが加速している。

男性が多い会議で、意見を言うと無視された。 上司から会議後に「もっと個人的な話を二人でしたい」と言われて断ったところ、その後は業務上で冷遇されることが多くなった。 米シリコンバレーのスタートアップ企業で働いていたアドリアナ・ガスコインさんは「無視や軽視、セクハラは日常だった」と振り返る。 「だんだん自分の意見を言えなくなり、『私の考えすぎ?』、『本当に自分はダメなの?』と自問するようになっていった。 職場で発言する権利すら失った感覚に悩んだ。」

世界的な技術革新をリードしてきたシリコンバレーは、実は「男社会」として知られる。 そんな世界で、「自分は一人ではない」と実感できる場として女性同士が支え合ってきた組織が昨夏、17 年の歴史に幕を閉じた。 業界では、大学でコンピューターサイエンスを専攻する女性の割合や、テック企業でロールモデルとなる女性上司が少ないという課題があった。 米労働省によると、STEM (科学・技術・工学・数学)分野で働く女性の割合(2022 年)は 26%。 20 年間でわずか 1% しか増えていない。

「他の女性に自分と同じ思いをさせたくない」と、ガスコインさんは 07 年に「Girls in Tech (ガールズ・イン・テック)」をサンフランシスコで設立。 女性技術者や起業家同士が相談に乗ったり、働きやすい職場環境の整備を支援したりしてきた。 世界 40 カ国以上に支部を増やし、25 万人以上のメンバーを擁するまでになった。

活動に転機

ところが 23 年、転機が訪れる。 米最高裁が大学入試における「アファーマティブ・アクション」を違憲とする判決を下したのだ。 1960 年代に始まり、入試や採用、昇進などの際に、それまで差別されていた女性や黒人などを優遇することで積極的に格差を是正する措置だ。 この裁判は入試での人種考慮が違憲とされたが、他の是正措置も影響を受け、企業の DEI 推進プログラムは法的なリスクを指摘されるようになった。 これまでこうした取り組みに資金を出していた企業が、少しずつ見直し始めた。 ガスコインさんの団体も企業からの資金が集まらなくなり、昨年 7 月、17 年間の活動の歴史に終止符を打たざるを得なかった。

「こうした逆境の中でも、闘い続ける企業や団体、個人は存在する」とガスコインさんは言う。 「多くの女性が同じ状況に直面し、キャリアと尊厳のどちらを取るかという選択を迫られてきた。 だからこそ、私は問題について声を上げ続けていく。 沈黙は、こうした状況を助長するだけだから。」

トランプ政権の誕生

それから半年。 トランプ政権が誕生し、DEI への逆風はさらに強まっている。 「私は人種とジェンダーを公私生活のあらゆる側面へ社会的に持ち込もうとする政府の政策を終わらせる。 米政府の公式方針として、きょうから性別は男女の二つのみとする。」 トランプ氏は今年 1 月 20 日の就任演説でこう述べ、DEI を推進する施策への反対を明言。 連邦政府機関などでの DEI 推進施策を廃止する大統領令にも署名した。 米国の企業の間で DEI は近年、推進されてきた。 女性や人種的少数派などを積極的に登用することが多様な発想や技術革新を生み、企業価値も高めるという考え方が根底にある。

米コンサルタント会社マッキンゼーの調査によると、米企業の女性幹部の割合は 24 年に 29% で、15 年の 17% から増えた。 マッキンゼーは増加ペースは「ずっと遅い」とし、幹部を除けば数ポイントの増加にとどまっていると指摘している。 それでも、自動車産業が衰退した中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」などでは白人男性らがトランプ氏を支持し、DEI に「逆差別だ」との批判が強まっていた。

イスラエル・テルアビブ大学のアレクサンドラ・カーレブ教授は「経済状況が悪化すれば、人は誰かを責めたくなる。 企業の強欲さや医療保険制度の不備ではなく、マイノリティなど『他者』のせいにしたいという意識が働く。 政治家はそれを利用している。」と指摘する。 反 DEI 活動も拡大している。 最近は保守派の団体などが、DEI 推進に熱心な企業の商品のボイコットを呼びかけたり提訴したりする例が相次ぐ。 DEI 推進から手を引くよう求める株主からの要求も増えている。 米国企業の間には「この状況下で目立ちたくない(米金融系企業広報)」との意識も働き、DEI 縮小に拍車がかかる。

マクドナルド、ボーイング、フォード・モーター、ウォルマート …。 管理職の女性比率の目標取り下げや多様性に配慮した採用の取りやめなど、見直し内容はさまざまだが、いずれも最近、DEI 推進の取り組みを縮小した。 リベラルとみられていた米大手 IT 企業でも見直しが進む。

米巨大 IT 企業の女性社員は、同僚が「採用や昇進は能力主義であるべきだ。 特定の人種や性別を優遇する逆差別は行き過ぎてしまった」と話しているのを聞き、複雑な思いがした。 自身が女性で移民だから、優遇されて、いまの企業に採用されたとは思っていない。 仕事の能力は出自や属性とは関係ない。 でも、それを話しづらい雰囲気が社内にはあるという。

抵抗するアップル

DEI 縮小の動きが目立つが、抵抗する企業もある。 米アップルは保守系団体の株主から、DEI 施策の見直しを求める株主提案を受けた。 アップル側は見直しは必要ないとして株主提案に反対するよう推奨。 2 月末の株主総会では株主の 9 割超という圧倒的多数が反対して否決された。 小売り大手のコストコも 1 月、同様の株主提案を受けたが、株主が退けた。

トランプ氏は自身の SNS に、アップルは DEI 推進を廃止すべきだと投稿。 「DEI は米国に悪影響を及ぼしてきたデマだ。 DEI は終了だ!」と書き込んだ。 トランプ氏の最側近となった起業家のイーロン・マスク氏も「DEI は死ぬ (die) べきだ」と発言するなど、政権トップらの批判は止まらない。 米ハーバード大学のフランク・ドビン教授は「多くの企業が最近、目標を取り下げたり、名称を変えたりしても、実際に多様性の推進を排除はしていない」との見方を示す。 「企業が DEI という言葉から距離を置いても、子育て支援などワーク・ライフ・バランスの環境を整えることは職場の多様性を進めるうえで非常に効果的だ」と話した。

日本の状況は

日本企業でも、トヨタ自動車や日産自動車が多様性に配慮する米国内での方針を見直している。 トヨタ自動車は性的少数者団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」が取り組みを評価する「企業平等指数」への参加をやめた。 関係者は「米国では、トランプ政権の意向を踏まえながら、慎重に対応している」と打ち明ける。 一方、日本国内については「多様性尊重の姿勢に変わりはない(広報担当者)」という。

取り組みを後退させないと表明する企業も。 「米国の反 DEI 政策によって、自社の取り組みに影響は。」 2 月、保険大手の損害保険ジャパンが開いた社内イベント「SOMPO DEI Week」では、社員からそんな質問が出た。 多様性推進を担当する酒井香世子常務は、「企業にとって DEI は単なる理念ではなく、持続的な成長を支える重要な戦略。 特に、日本のジェンダーギャップ指数が低迷している現状を考えると、わが社が DEI への取り組みを後退させる理由はない」と答えた。

日本の女性役員の割合は 12.5% (上場企業、2024 年)で、3 割を超す米国に比べてまだまだ少ない。 東京証券取引所と政府が掲げる「30 年までに女性役員比率を 30% に」といった目標設定のみで強制力はなく、役員会の多様性の確保が州法などで規定されている米国に対してゆるやかだ。

各国の就業者と管理職に占める女性の割合

それでもこの 10 年で日本企業の女性役員比率は 6 倍になった。 後押しするのは、海外や国内の機関投資家による「外圧」だ。 投資先企業の議案の賛否を判断する議決権行使基準を見直し、経営陣に女性取締役がいない場合に社長や会長の再任に反対する動きが相次いでいる。

基準が緩和されれば、日本企業の女性登用の取り組みにブレーキがかかる恐れはある。 だが、ニューヨーク州、カリフォルニア州の弁護士でもあり日米企業の動向に詳しい越直美弁護士によると米国の機関投資家の間でも、日本企業に対する基準を緩和する動きは今のところ見られないという。 米国の投資家からは、女性役員の割合が諸外国に比べて低すぎるため、「いま緩和する理由がない」との意見も聞かれるという。

そのうえで越氏は「人口減の日本では、女性も含め働きやすい環境をつくることは企業の成長に結びつくはず。 企業価値を向上させるため何をするべきか、企業のトップ自身が考えることが重要だ。」と話す。 (サンフランシスコ・奈良部健、ニューヨーク・真海喬生、岡林佐和、大平要、asahi = 3-9-25)


トランプ政権、自動車「25% 関税」発動をわずか 1 日で修正 … 米 GM など 3 社の救済要請に配慮

【ワシントン = 田中宏幸】 米国のトランプ政権は 5 日、カナダとメキシコからの輸入品に対して発動した 25% の関税のうち、自動車には 1 か月、適用を免除すると発表した。 4 日の発動からわずか 1 日で軌道修正した。 自動車業界への打撃に配慮し、「相互関税」を 4 月 2 日に発動するまでの救済措置と位置づけた。 免除対象は、自由貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定 (USMCA)」の基準に合う製品で、両国に生産拠点を置く日本メーカーの自動車にも適用されるとみられる。

キャロライン・レビット大統領報道官は 5 日の記者会見で「相互関税は 4 月 2 日に発動するが、1 か月間の免除を与えることで(自動車メーカーが)経済的に不利にならないようにする」と説明した。 米ゼネラル・モーターズなど自動車大手 3 社が、サプライチェーン(供給網)の混乱や自動車の価格の上昇を招く恐れがあるとして救済措置を要請し、トランプ大統領は「快く応じた」という。 第 1 次トランプ政権時の 2020 年に発効した USMCA では、米国、メキシコ、カナダの 3 か国で組み立てられた自動車は、域内部品調達率を 75% 以上とするなど一定の条件を満たせば関税がかからない。

米国や日本の自動車大手は、USMCA の利点を生かし、メキシコやカナダで生産した自動車を米国に輸出しており、3 か国でほぼ一体化した自動車製造の供給網を築いている。 日本勢では、カナダにトヨタ自動車とホンダの 2 社、メキシコにトヨタ、ホンダ、日産自動車、マツダの 4 社が生産拠点を置いている。 米調査会社 S & P グローバル・モビリティーによると、カナダとメキシコへの自動車関税が発動されれば、1 週間以内に、北米の 1 日あたり自動車生産台数が最大 2 万台減少する可能性があるという。 北米全体の 3 割に相当する規模だ。

トランプ氏は 5 日、自身の SNS への投稿で、カナダのトルドー首相と電話協議したと明らかにした。 関税の発動理由とした合成麻薬フェンタニルの米国への流入に関し、カナダ側の対策は「まだ十分ではない」と伝えたという。

カナダが米国を WTO に提訴

世界貿易機関 (WTO) は 5 日、カナダが米国を WTO に提訴する手続きを始めたと発表した。 米トランプ政権がカナダからの輸入品に 25% の関税を発動したことを受けた措置だ。 カナダは提訴の前提となる、2 国間での協議を要請している。 協議が決裂すればカナダは正式に提訴する。 米国の関税について、カナダは WTO に提出した書類で、一部の国だけを優遇してはならないとする WTO 協定に違反していると主張し、是正を要求した。 (ロンドン・ 中西梓、yomiuri = 3-6-25)


米最高裁、トランプ政権による対外援助の凍結を認めず 上訴を棄却

米連邦最高裁は 5 日、国際開発局 (USAID) などを通じた対外援助の凍結を認めるよう求めたトランプ政権の申し立てを棄却した。 2 期目のトランプ政権下で、最高裁が政策にストップをかけるのは初めてとみられる。  金援助の再開をめぐる審理は、首都ワシントンの連邦地裁に差し戻される。 連邦最高裁では保守派の判事が多数派を占めるため、トランプ政権に有利な判断を下すとの見方もあった。 だが保守派のうち 2 人の判事が反対に回り、5 対 4 の小差でトランプ政権の申し立てを棄却する結論に至った。

この訴訟は、トランプ大統領が就任初日に対外援助を一時停止する大統領令に署名し、USAID への資金提供などが凍結されたのを受け、海外で保健支援などを展開する複数の団体が米政府を相手取って起こしていた。 ワシントンの連邦地裁は 2 月、原告の訴えを一部認め、20 億ドル(約 3 千億円)近くの援助凍結を命じた大統領令の一時差し止めを命じた。 これを受け、トランプ政権は最高裁に対し、介入を求めて上訴していた。最高裁のこの日の判断を受け、凍結されていた対外援助の再開時期などについては今後、改めて地裁が判断することになる。

保守派判事からは強い反対意見も

最高裁は 9 人の判事のうち保守派が 6 人、リベラル派が 3 人となっている。  今回の判断では、保守派のうちロバーツ長官とバレット判事の 2 人が、リベラル派の 3 人とともにトランプ政権への反対に回った。 トランプ政権の上訴を棄却した具体的な理由は示されなかった。 これに対し、保守派のアリート判事は反対意見のなかで強い異論を表明。 最高裁のなかで意見が大きく割れていたことが明らかになった。

アリート判事は「1 人の連邦地裁判事が、米国政府に 20 億ドルの税金を支払うように強制する権力を持つのだろうか。 断固としてノーであるべきだが、この法廷の多数派はそうでないと考えているようだ。 あぜんとした。」と述べ、今回の判断は裁判所による「非常に残念な過ちだ。」と指摘した。 (ワシントン・高野遼、asahi = 3-6-25)


政府効率化省が「数千億ドル」不正発見は証拠なし … トランプ大統領の演説に「数多くの虚偽」と CNN

【ワシントン = 淵上隆悠】 米 CNN は 4 日、トランプ大統領の施政方針演説について、「数多くの虚偽や誤解を招く内容があった」と報じた。 トランプ氏は連邦政府のコスト削減を目的に新設した政府効率化省 (DOGE) が「数千億ドル」の不正を見つけたとしたが、CNN は「数字を裏付ける証拠がない」と伝えた。 トランプ氏が離脱を決めた地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を巡って「米国が数兆ドルもの負担を強いられた」と断じた点についても、バイデン前政権下の気候変動対策に絡む拠出金は年間数十億ドル規模だったと指摘した。

ロシアによるウクライナ侵略を巡って、トランプ氏はウクライナに「3,500 億ドルを支援した」と一方的に主張し、欧州の支援が少ないと批判した。 これに対し、CNN はドイツの調査研究機関「キール世界経済研究所」の集計から、昨年末時点の米国の支援総額は 1,210 億ドルで、欧州各国を合わせた 1,400 億ドルを下回っていると伝えた。 (yomiuri = 3-5-25)