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「トヨタは中央集権・縦割り」リコール問題で報告書 トヨタ自動車が米国での大規模リコール(回収・無償修理)を機に設置した外部識者による助言機関「トヨタ北米品質助言委員会」が 23 日、報告書を発表した。 日本の本社に権限が集中する「中央集権化」や、安全問題の責任者の不在が米国での大規模リコールにつながったとして、改善を求めた。 委員会は、トヨタがリコール問題を受けて昨春に設置。 ロドニー・スレーター元米運輸長官が委員長となり、約 1 年かけて報告書をまとめた。 報告書は、リコールの実施の判断や広報体制、市場調査などの判断を本社で強く仕切っているため、世界中の組織が機能ごとに本社に報告する「縦割り構造」になっていると指摘。 「地域に権限移譲する必要がある」として、北米に北米担当の最高経営責任者 (CEO) を置くよう求めた。 (asahi = 5-24-11) トヨタ、パワステも「欠陥なし」 米運輸省が調査 米運輸省の高速道路交通安全局は、トヨタ自動車の「カローラ」などのパワーステアリングに欠陥があるとされた問題で、欠陥は見つからなかったとの調査結果を公表した。 「電子制御システムの欠陥で、意図しないのに急加速した」とされた問題に続き、トヨタに対しシロ判定が出た。 この問題は、大規模リコール(回収・無償修理)問題が米国で騒ぎになっていた昨年 2 月、北米で販売された 09、10 年製の利用者から「ハンドルが左右にぶれる」との苦情を受けた同局が調査に着手。 約 75 万台が対象だった。 トヨタは「機能に問題はない」とリコールはしなかったが、客の要望に応じてパワステの調整に応じた。 同局が 20 日までに公表した調査結果によると、運転制御に悪影響を与えるようなパワステ部品の欠陥は見あたらなかったという。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 5-21-11) 急加速問題でトヨタ勝訴 NY 州裁判所、初の決定 トヨタ自動車の車に不具合があったため、急加速して事故が起きたなどとして、多数の車所有者らがトヨタを訴えている訴訟のなかで初の決定が 1 日、ニューヨーク州の裁判所で下され、トヨタの勝訴となった。 この訴訟は 2008 年にニューヨーク州の医師が起こしたもの。 05 年にトヨタの米ブランド「サイオン」の車を運転していて事故にあい、フロアマットや電子制御部分に問題があって急加速が起きたと主張、損害賠償を求めていた。 電子制御の問題については裁判の途中で取り下げられ、1 日には陪審団がフロアマットの問題も退けた。 トヨタ車の「意図しない急加速」を巡っては、カリフォルニア州の大規模な集団訴訟を筆頭に、全米で多くの訴訟が起こされている。 医師の車はトヨタが実施した大規模リコール(回収・無償修理)の対象になっていなかった。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 4-2-11) トヨタ、240 万台リコール 米などで対象車種を追加 【ニューヨーク = 山川一基】 トヨタ自動車は 24 日、米国を中心に約 240 万代のリコール(回収・無償修理)を実施する、と発表した。 フロアマットにアクセルペダルがひっかかり、ペダルが戻りにくくなる可能性などがあるとして、2009 - 10 年に実施した大規模リコールに車種を追加した。 米運輸省が今月上旬、トヨタ車に対して電子制御システムに欠陥が見つからなかったとして「安全宣言」をしたばかりだが、追加の大規模リコールはトヨタの業績やイメージに再び影響する可能性もある。 トヨタは「当局などによる調査が進むなか、対象車種を増やすべきだと判断した」としている。 トヨタは昨年までに、運転席に敷くフロアマットによっては、アクセルペダルがひっかかる可能性があるとして、米国で約 535 万台をリコールした。 今回は 06 年 - 10 年型のスポーツ用多目的車 (SUV) 「RAV4」などを同じ不具合で対象車種に追加。 米国で約 138 万台、カナダで約 11 万 6 千台が対象となる。 アクセルペダルを短くするなどの対応をとる。 これと別に、アクセルペダル付近の樹脂部品がペダル側にはみ出し、ペダルが戻りにくくなる恐れがあるとして、04 年 - 06 年型の SUV 「ハイランダー」など約 78 万 9 千台を米国で、カナダや欧州、アジアなどで約 10 万台をリコールする。 いずれの不具合も、日本で販売された車種には関係はないという。 (asahi = 2-25-11) トヨタ車急加速問題 「電子制御に欠陥なし」と米当局 【ワシントン = 尾形聡彦】 米運輸省は 8 日、トヨタ車の急加速問題について最終的な調査結果を発表し、「トヨタ自動車製の車の電子制御システムには急加速を引き起こす欠陥は見つからなかった」と結論づけた。 ラフッド米運輸長官は会見で「トヨタ車は安全だと我々は感じている」と宣言、トヨタ車の急加速問題は収束する見通しになった。 急加速問題を巡りトヨタは 2010 年 1 月までに、(1) フロアマットがずれてアクセルペダルが踏んだままの状態で戻らなくなる、(2) アクセルペダル自体が戻りにくくなることがある、という欠陥があるとして、計 750 万台のリコール実施を決めた。 しかし米国の消費者からは「修理後も急加速が起こった」などの苦情が多数寄せられ、電子制御システムに問題があるのではないかとの疑念がくすぶり続けた。 このため米運輸省は昨年 3 月末以降、電子制御システムに問題がないかどうかを、米航空宇宙局 (NASA) の協力を得て調査していた。 その結果、電子制御上の問題はなく、すでにリコールが実施されたアクセルペダルの 2 種類の欠陥が原因だったと結論づけた。 また、苦情の申し立てがあった急加速の原因の大半は、運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えていた可能性が高いとした。 米運輸省は同日、安全対策向上のため 11 年末までに、アクセルとブレーキを同時に踏んだ場合はアクセルよりブレーキを優先する装置や事故記録装置の装着を、すべての乗用車に義務づけるルール改正を検討していることを表明。 アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐため、ペダルの形状や配置のあり方を調査する考えも示した。 トヨタは 8 日、「調査結果を歓迎する。 米国の最も優れた技術者たちによる科学的な分析は、トヨタ車とレクサス車の安全性への信認をさらに補強するものだ。」との声明を発表した。 米当局の調査が一段落したことで、トヨタにとっての今後の焦点は、トヨタ車の所有者による集団訴訟の行方に移った。 (asahi = 2-9-11)
米レクサス死亡事故、トヨタが和解金 1 千万ドル 【ロサンゼルス = 堀内隆】 昨年 8 月に米カリフォルニア州でトヨタ自動車のレクサスが急加速し、乗っていた警察官ら 4 人が死亡した事故で、トヨタが 1 千万ドル(約 8 億 3 千万円)の和解金を支払うことで合意したことが分かった。 米メディアが 23 日伝えた。 和解成立は今年 9 月に公表されていたが、和解金額は公表されていなかった。 だが裁判所が、金額を非公表にすることを求める原告、被告双方の求めを今月 20 日に退けたため、トヨタとともに被告になっていたトヨタ系販売店の代理人弁護士が 23 日、金額を公表した。 (asahi = 12-24-10) トヨタ、3,200 万ドル制裁金に同意 米リコール問題 【ワシントン = 尾形聡彦】 米運輸省は 20 日、トヨタ自動車が米国で大規模なリコール(回収・無償修理)を実施した問題で、トヨタが 3,242 万 5 千ドル(約 27 億円)の追加制裁金の支払いに同意したと発表した。 トヨタは 2009 年秋と 10 年初めに大規模リコールを実施したが、米運輸省はリコールの遅れなどを問題視し、調査していた。 ラフッド運輸長官は同日の声明で、「安全性は我々の最大の優先事項であり、我々は消費者を保護するという我々の責務を真剣に受け止めている。 トヨタが、最大限の制裁金の支払いに同意したことを喜んでいる。」と表明した。 トヨタの米幹部は「決着に至ったことは喜ばしいと思っている」との声明を出した。 (asahi = 12-21-10) トヨタ社長「円高でも日本にこだわる」 拡大路線転換も トヨタ自動車の豊田章男社長は 3 日、同社本社で社長就任後初めて朝日新聞の単独インタビューに応じ、「規模の追求だけの成長でなく、いい車づくりを目指す」と述べ、拡大路線から転換する姿勢を鮮明にした。 急速な円高には「状況は大変厳しい」との認識を示す一方、「日本でのものづくりにこだわる」と強調した。 トヨタはリーマン・ショックで販売が落ち込むまで規模重視の経営を志向していたが、豊田社長は「車づくりを通じて社会に貢献するのが我々の会社が生まれた理由」と、販売台数や利益規模にこだわらない姿勢を示した。 1 ドル = 85 円を超える円高への対応については、「基本は売れるところでつくる」とし、現地生産を進める考えだが、日産自動車のような国内主力車種の海外生産については、慎重な考えを示した。 豊田社長は今年 2 月、大規模リコール(回収・無償修理)の問題に絡み、米議会下院の公聴会で証言。 この際、「この立場でいられると思っていなかった」と、辞任を覚悟していたことを明らかにした。 トヨタ車の急加速の原因について、米運輸省が電子制御システムに問題は見つからず、運転手の運転ミスを示唆する中間報告をまとめたことには「安全な車社会に向けて努力していく考えは一切ぶれない」と述べるにとどめた。 (中川仁樹、久保智、asahi = 9-4-10) ◇
トヨタ車急加速「電子制御上問題なし」 米当局中間報告 【ワシントン = 尾形聡彦】 トヨタ車の急加速問題を巡り、米運輸省は 10 日、電子制御システムの問題は見つかっていないとする中間報告を米議会に説明した。 これまでの調査では、トヨタ自動車がすでにリコール(回収・無償修理)を実施しているアクセルペダルの不具合以外の問題は発見されていないという。 電子制御の欠陥の有無は、米議会で焦点になっていただけに、これを否定する内容だ。 中間報告によると、急加速が報告された車の事故記録装置を調査したところ、対象にした 58 件のうち、35 件はブレーキを作動させた形跡が全くなかったという。 関係者の間では運転手の操作ミスの可能性が指摘されていただけに、これを裏付ける内容だ。 ただ、米運輸省の広報担当者は 10 日、「事故記録装置の検証は、トヨタ車の意図せぬ急加速の原因を徹底追求する米当局の取り組みの小さな一部分にすぎない」と説明。 米航空宇宙局 (NASA) の協力を得て原因究明作業を続けていることを強調した。 (asahi = 8-11-10) トヨタに有利な情報隠蔽? 米当局元幹部が告発 リコール 【ニューヨーク = 山川一基】 米国でのトヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題を巡り、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルが 30 日、米運輸省がトヨタに有利な情報を意図的に隠し、公表していなかったと報じた。 元幹部の実名による告発で、当局の対応に批判が集まる可能性が出てきた。 同省の高速道路交通安全局 (NHTSA) でリコール担当のチーフを務め、今月初めにやめたジョージ・パーソン氏が証言した。 「急加速して事故に至った」との訴えがあった複数のトヨタ車について同局が調査した結果、いずれも運転ミスによる可能性が高いとのデータが集まったという。 パーソン氏は「幹部らがデータを公表しないよう決定した」と証言。 その幹部の一人としてレイ・ラフッド運輸長官の名前を挙げた。 パーソン氏によると、急加速があったとされる 23 台の記録装置を解析したところ、すべてが事故時にブレーキが作動していなかった。 一方で、アクセルを調節する電子制御スロットルは全開だったため、運転手がブレーキを踏もうとして過ってアクセルを踏み込んだ可能性が示された、と指摘した。 パーソン氏は「データを公表すると、NHTSA はトヨタに近すぎると批判されることを恐れた。 トヨタへの(世間の)怒りは非常に大きく、非常に政治的な問題になっていた。」との見方を示した。 (asahi = 7-31-10) 速度巡る米の苦情、大半問題なし トヨタが 10 年分調査 トヨタ自動車は 15 日、米国で過去 10 年間に寄せられた速度関係の苦情約 4 千件のうち 8 割の調査を終え、大半に問題がなかったことを明らかにした。 トヨタ車の急加速問題では、米議会などで電子制御の不具合が疑われているが、米メディアが 13 日、米当局の調査で運転ミスの可能性が高いと伝えていた。 トヨタはリコール問題を受け、米国で苦情があれば、原則として 24 時間以内に所有者に連絡する体制をつくった。 速度関係の苦情の調査では、半数が「加速しにくい」、残りも「滑らかに加速しない」など、急加速とは関係のないものが多かった。 一部に急加速や原因不明のものもあったが、様子をみることで所有者の同意を得たという。 一方、米メディアによると、米高速道路交通安全局 (NHTSA) が車載の記録装置を解析した結果、急加速を訴えたものでも、「ブレーキが作動していなかった」など、アクセルとブレーキの踏み間違いの可能性が高かったという。 また、米運輸省が米航空宇宙局 (NASA) に調査の協力を依頼したことに関連し、NASA に電子制御に関する技術情報を提供したことも明らかにした。 (asahi = 7-15-10) トヨタ車の急加速「運転ミスの可能性」 米紙報道 【ニューヨーク = 山川一基】 米経済紙ウォールストリート・ジャーナルは 13 日、「急加速して事故に至った」との訴えがあった複数のトヨタ自動車の車について米運輸省が調査した結果、いずれも運転ミスによる可能性が高いことがわかったと報じた。 関係者の話として伝えた。 同省は「ブレーキを踏んだが加速した」と運転手が訴えた車から数十台を選び、車載の記録装置を解析。 その結果、いずれも事故時にブレーキは作動していなかった。 一方で、アクセルを調節する電子制御スロットルは全開だったため、同紙は、運転手がブレーキを踏もうとして過ってアクセルを踏み込んだ可能性が示された、と指摘した。 ただ、アクセルペダルが構造上戻りにくくなる問題と、フロアマットにペダルが引っかかって戻らなくなる問題については疑惑が晴れたわけではない、としている。 トヨタ車を巡っては、議員らが電子制御スロットルの異常が事故につながったと主張。 同様の主張でトヨタに対する民事訴訟も起きている。 トヨタは報道について「米運輸省からの連絡はないが、我々の調査でも、電子制御スロットルの異常が原因になった事故はみつかっていない」とコメントしている。 (asahi = 7-14-10) 米レクサス HS250h リコール検討 当局が不具合指摘 【ニューヨーク = 山川一基】 トヨタ自動車は 25 日、昨夏に米国で発売したハイブリッド型の中型セダン、レクサス HS250h (2010 年型)について、リコール(回収・無償修理)の実施を検討していると発表した。 米高速道路交通安全局 (NHTSA) の調査で不具合があったとの連絡を受けたため。 対象車は最大 1 万 7 千台。 NHTSA が実施した衝突・横転実験で、基準を超えるガソリン漏れが起きたという。 トヨタによると、同社が発売前に実施した同様の実験では問題がなく、まだ原因は特定されていないというが、NHTSA にはリコールを検討する方針を伝えた。 米国販売を当面中止し、社内で調査する。 日本でも同型の車を販売しているが、トヨタは「日本では問題は起きていない」として、リコールや国内販売中止は検討していない。 (asahi = 6-26-10) トヨタ、北米で SUV 5 万台リコール 【ニューヨーク = 山川一基】 トヨタ自動車は 28 日、米国とカナダで販売したスポーツ用多目的車 (SUV) の「セコイア(2003 年型)」約 5 万台をリコール(回収・無償修理)する、と発表した。 車体を安定化させる装置に不具合があった。 バッテリーの入れ替えなどをすると、低速走行時に装置のプログラムが誤作動し、運転手の期待通りの加速ができない場合があるという。 利用者からの連絡で発覚したが、これまで事故は報告されていない。 同社によると、この問題は発売当初から認識しており、苦情があった客には修理をしてきた。 現在まで対象車の約半分は修理済みという。 (asahi = 4-29-10) トヨタ、米世論を意識 制裁金同意・SUV リコール トヨタ自動車が、米運輸省が自動車メーカーに科す額では過去最高となる民事制裁金の支払いに応じた。 米消費者情報誌の指摘にも敏感に反応、米世論を意識して安全問題への対応を急加速させている。 そのせいか「トヨタたたき」の米世論は沈静化しつつあるが、米政府はまだ「手じまい」の姿勢をみせていない。 制裁金について、トヨタには裁判で争う選択肢もあった。 だが、裁判にもちこんで問題が長期化すれば、米国で「トヨタたたき」の風潮が再燃しかねない。 19 日の発表文で、トヨタは「問題の長期化や訴訟を避け、品質業務の向上に集中するために同意した」と理由を述べたうえで、「不具合を隠蔽(いん・ぺい)しようとしたことはないと認識している」と強調した。 東京青山・青木・狛法律事務所の西垣建剛弁護士は「制裁金は報告義務違反の問題であり、欠陥の重大性が焦点となる訴訟には直接的な影響は及ぼさない」と指摘する。 トヨタ批判が日米で過熱した 2 月以降、トヨタは当局や消費者、メディアとの対立を回避する姿勢を鮮明にした。 それは米消費者情報誌「コンシューマー・リポート」の指摘に対する対応からもうかがえる。 同誌が今月 13 3日、急ハンドル時に横滑りする危険性を指摘した高級スポーツ用多目的車 (SUV) 「レクサス GX460(2010 年型)」は「社内のテストには合格していた(トヨタ)」。 だが、トヨタはすぐに全世界での販売と生産を中止して、同誌のテストを再現。 自社のテストに比べてカーブが急で、より強い力が車にかかり、横滑り防止装置の作動に不具合が生じることが分かった。 リコール発表は指摘からわずか 6 日後。 関係者は「安全基準に触れるとは思わないが、信頼回復のため対応した。」 同誌の自動車担当編集長リック・ポール氏は、朝日新聞の取材に「トヨタの積極的な対応に感銘を受けた」と述べた。 修理後もう一度テストし、問題が改善されていれば評価を撤回するという。 こうした対応が奏功し、米メディアの反応は沈静化し始めた。 ただ、米政府側の視線は依然厳しい。 「トヨタは過去最大の制裁金の支払いに合意した。 その事実自体が、実態をよくあらわしている。 またこの制裁金支払いで、トヨタが潜在的な刑事・民事上の責任から解放されるわけではない。」 米運輸省関係者は 19 日、朝日新聞にこう語った。 トヨタは、米ニューヨーク州南部連邦地裁の連邦大陪審と SEC から、トヨタ車の不具合を巡る召喚状を受けており、刑事事件に発展する可能性も残る。 NHTSA も、今回の制裁金の対象以外のリコールについて、法律違反がなかったかどうか調査を続行中だ。 トヨタを巡る一連の問題決着には、まだほど遠い。 (中川仁樹、ニューヨーク = 山川一基、ワシントン = 尾形聡彦、asahi = 4-21-10) トヨタ、SUV リコール 全世界で 3 万 4 千台 【ニューヨーク = 山川一基】 トヨタ自動車は 19 日、米消費者情報誌「コンシューマー・リポート」が横滑りの危険性を指摘したレクサス「GX460 (2010 年型)」など全世界約 3 万 4 千台のスポーツ用多目的車 (SUV) について、リコール(回収・無償修理)や自主改修をする、と発表した。 雑誌の指摘を受けて 6 日で、自動車メーカーが改修に乗り出す異例の事態となった。 対象は GX460 と、同じ機構を使う SUV 「ランドクルーザー・プラド」の左ハンドル車。 GX460 は米国(約 9,400 台)のほか、ロシア、オマーンなどを含み全世界で約 1 万 3 千台、「プラド」は中東やロシアなどの約 2 万 1 千台が対象。 米国では 19 日、当局にリコールを届け出た。 ほかの国でも同様の措置をとるという。 日本などで売られる右ハンドル車は対象ではない。 GX460 を巡っては、コンシューマー・リポート誌が今月 13 日に電子版で、急カーブで横滑り防止装置の作動が遅れ「横転事故につながり、大けがや死亡事故を引き起こす可能性がある」と指摘。 トヨタはすぐに全世界での販売と生産を中止し、検証作業に入っていた。 トヨタによると、両車は燃料タンクが車両の左側に搭載され、左ハンドル車では運転手も左に座るため重心が左寄りになる。 このため防止装置のプログラムが原因で、高速で右旋回した場合に横滑りが生じる可能性がある。 プログラムを修正して装置の利きをよくすることで、横滑りの危険性を減らすとしている。 (asahi = 4-20-10) ◇ ◇ ◇ トヨタ SUV 型レクサス、米で販売中断 安全性疑う指摘 【ニューヨーク = 山川一基】 トヨタ自動車は 13 日、米国で発売している高級スポーツ用多目的車 (SUV) 「レクサス GX460 (2010 年型)」の販売を一時中止すると発表した。 同日発売の米誌が「安全性に問題がある」として、消費者に購入しないよう呼びかけたため。 この雑誌は消費者団体が発行する「コンシューマー・リポート」。 テストコースで急ハンドルを切ったところ、電子制御による横滑り防止装置が作動する前に、車体がほぼ横向きになるまで滑ったという。 同誌は「横転事故につながり、大けがや死亡事故を引き起こす可能性がある」と指摘。 「購入するな」と極めて異例の結論を出している。 トヨタは「深刻に受け止める」とコメント。 原因がわかるまで販売店に売らないよう呼びかけることにした。 ただ、現時点までに購入者から同様の報告はないという。 「GX460」は日本で発売している「ランドクルーザー・プラド」の姉妹車だが、日本では売られていない。 「プラド」についても同様の調査をするとしている。 (asahi = 4-14-10) ミニバン約 74 万台自主改修 = 米国寒冷地とカナダで - トヨタ 【ニューヨーク時事】 トヨタ自動車は 16 日、米国内の寒冷地で販売、もしくは登録されているミニバン「シエナ 2WD」について、スペアタイヤをつなぎ留めているキャリアー・ケーブルが腐食する恐れがあるとして、約 60 万台を対象に自主改修(セーフティー・リコール)すると発表した。 具体的には、道路の凍結防止用の塩が頻繁に使用されている米 20 州と首都ワシントンで販売・登録された 1998 - 2010 年型シエナの一部が対象になるもよう。 カナダでも同様の理由で約 14 万台を対象に自主改修する。 塩の影響でキャリアー・ケーブルが著しく腐食する可能性があり、最悪の場合には車体から脱落して道路障害物となり、交通事故につながる恐れもあるという。 (jiji = 4-17-10) NY プリウス事故「ブレーキ使用の形跡なし」米当局公表 【ワシントン = 尾形聡彦】 トヨタ自動車の 2005 年製のハイブリッド車「プリウス」が今月 9 日、ニューヨーク州で急加速して事故を起こしたとされる問題で、米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) は 18 日、車両のコンピューターから得た情報として、ブレーキを使った形跡が見られなかったことを明らかにした。 NHTSA によると、アクセルペダルの踏み込みを感知してエンジンを制御する「電子スロットル」は全開だったという。 NHTSA は事故を受けて、調査員を派遣していた。 米メディアの間には、ドライバーの運転ミスが原因の可能性があるとの報道もある。 トヨタの「プリウス」を巡っては、米カリフォルニア州でも今月 8 日に「暴走」騒ぎがあった。 運転していた男性はスピードの制御がきかなくなったと訴えていたが、トヨタはその後、「(男性が説明した)状況と、調査結果は著しく矛盾する」と反論。 一部の米メディアからは男性側の自作自演を示唆する報道も出ていた。 プリウスを巡るこの 2 件の「急加速」問題は全米で大きく報道され、米当局も真相究明に乗り出していただけに、調査結果の行方にも関心が集まっている。 (asahi = 3-19-10) ◇ ◇ ◇ 米のプリウス「暴走」騒ぎは狂言の可能性も 【ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が、米カリフォルニア州で今月 8 日に「暴走した」とされる問題は、運転者の「狂言」である可能性が出てきた。 ただ、トヨタはプリウスをはじめトヨタ車全体の調査を続けており、電子制御の欠陥の有無などを断定するには、まだ時間がかかる見込みだ。 「(運転していた男性が説明した)状況と、調査結果は著しく矛盾する。」 トヨタの米販売子会社の広報責任者、マイク・マイケルズ氏は 15 日、カリフォルニア州サンディエゴで開いた記者会見でこう説明した。 「暴走」はサンディエゴの高速道で起きた。 男性は「ブレーキがきかず、停車できなかった」などと説明。 しかしトヨタの調査によると、エンジンやブレーキの制御システムに残されていた記録から、アクセルとブレーキを何度も交互に踏んでいたことが分かったという。 速度を調節しながら暴走を演出していた可能性があり、一部の米メディアは男性の「狂言」を示唆している。 同じ型のプリウスは昨年 11 月、アクセルペダルがフロアマットに引っかかる不具合により、ペダルを短くするなどのリコール(回収・無償修理)が発表されている。 男性はトヨタの販売店に行ったが、部品がなかったため改修は行われていなかった。 トヨタによるとこのプリウスは、アクセルをふかした状態でブレーキをかけると、速度が落ちるようになっていた。 今後採用する「ブレーキ優先システム」とは厳密には違うが、似た機能という。 車両に欠陥がなければ、男性が主張したような「時速 90 マイル(約 145 キロ)で走行を続けた」状況にはならない。 ただ、米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) の調査結果は公表されていない。 トヨタは「暴走」したとされるプリウスの各部品をさらに詳しく分析し、調査の最終結果を早期に NHTSA に報告するという。 大規模リコール問題で指摘された電子制御システムの欠陥の有無についても、調査を続ける。 また、NHTSA は 15 日、2007 年の時点でトヨタにブレーキ優先システムの導入を検討するよう伝えていたことを明らかにした。 伝えたことは前日、米紙ロサンゼルス・タイムズが報じており、米メディアの間では、トヨタの対応が後手に回ったことへの批判が続いている。 (asahi = 3-16-10) ◇ ◇ ◇ 米 ABC、映像操作を認める トヨタの電子装置欠陥報道 米 ABC テレビは 12 日までに、2 月 22 日に放映したトヨタ車の急加速原因が電子制御装置の欠陥であることを立証したとするギルバート南イリノイ大学教授の実験報道について、映像を操作したものであることを認めた。 米メディアが ABC 広報担当者の話として伝えた。 トヨタ自動車は今月 8 日、ABC が電子回路を人為的にショートさせるなどした同教授の実験を一方的に脚色して伝え、トヨタ車の電子制御装置の安全性に疑問を投げ掛ける番組を放送したとして、非難する声明を発表していた。 (時事 = 3-13-10) ◇ ◇ ◇ 「減速できない」プリウスの米男性「トヨタ提訴せず」 【ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が米カリフォルニア州の高速道路で減速できなくなったとされる問題で、一部の米メディアは 11 日、この車を運転していた男性の弁護士が「(男性は)トヨタを提訴する計画はない」と語ったと報じた。 この男性は、カリフォルニア州サンディエゴの高速道で 8 日、プリウスを運転中、アクセルペダルを踏み込んだ際にペダルが戻らなくなって、ブレーキが利かなくなったと主張。 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) とトヨタが調査を始めていた。 トヨタによると、プリウスにはアクセルとブレーキを同時に踏むとブレーキを優先する仕組みが導入されている。 (asahi = 3-13-10) ◇ ◇ ◇ 米でプリウス「暴走」 販売店が回収後回し 【ロサンゼルス = 丸石伸一】 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が 8 日、米カリフォルニア州サンディエゴの高速道で減速できなくなったとの通報があり、トヨタと米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) がそれぞれ調査を始めた。 リコール(回収・無償修理)の対象車だったが、販売店はユーザーの問い合わせを受けながら回収していなかった。 トヨタや米メディアの報道などによると、2008 年モデルのプリウスを運転していた男性 (61) は 8 日午後、高速道でアクセルペダルを踏み込んだ際にペダルが戻らなくなった。 ブレーキは利かず、エンジンを切ることもできずに時速 90 マイル(約 145 キロ)超で走り続けた。 通報で駆けつけたパトカーがプリウスに並走し、警察官がパーキングブレーキをかけることなどを指示。 時速 50 マイル(約 80 キロ)ほどまで減速したところでエンジンを切ることができ、パトカーがプリウスの前に出てようやく停止したという。 08 年モデルのプリウスは昨年 11 月、アクセルペダルがフロアマットに引っかかる不具合により、ペダルを短くするなどのリコールが発表されている。 トヨタによると、この男性はリコールの通知を受けて販売店に問い合わせたが、販売店は他の車より優先度が低いとして回収しなかったという。 ただ、現時点の調査では、フロアマットにアクセルペダルが引っかかっていたかどうかは確認できていない。 リコールを担当する NHTSA も 9 日、原因究明のため、現地に 2 人派遣したことを明らかにし、原因次第ではトヨタが新たな対応を迫られる可能性がある。 一方、米下院エネルギー商業委員会は 9 日、トヨタの大規模リコール問題にからみ、公聴会を 11 日午前 10 時(日本時間 12 日午前 0 時)に開く、と発表した。 NHTSA の監督体制について審議する目的で、NHTSA のストリックランド局長らが出席。 トヨタの関係者は呼ばれていない。 (asahi = 3-10-10) トヨタ、現地でリコール検討 世界 4 地域に委員会設置へ トヨタ自動車は 15 日、北米や欧州などの地域ごとに、品質問題を検討する委員会を設ける方針を明らかにした。 一連のリコール(回収・無償修理)対応の遅れが、日本のトヨタ本社に権限が集中しすぎていたためだとみて、苦情を各地域で管理し素早く処理する体制を整える。 30 日に開くグローバル品質特別委員会の初会合で発表する。 委員会は特別委の下部組織にあたり、北米、中国、欧州、豪亜の 4 地域に設ける。 メンバーは各地域の生産や技術、販売の従業員で構成し、苦情や品質関連の問題について情報交換する。 例えば、品質問題の発端となった北米では、委員長に米ケンタッキー州の工場トップで、本社の常務役員でもあるスティーブ・アンジェロ氏を起用。 北米統括会社や販売子会社の幹部も参加し、これまでトヨタ本社が判断していたリコールの是非についても検討する。 トヨタは昨年秋からのリコール問題で、日米の当局や顧客から対応の遅さを批判された。 そのため、客からの苦情を世界的に共有して適切に対応できるよう、豊田章男社長をトップとするグローバル品質特別委員会を設置。 各地域に専務クラスの品質特別委員を起用するほか、ロドニー・スレーター元米運輸長官ら外部有識者の助言も受け、顧客対応を改善する考えだ。 (中川仁樹、asahi = 3-16-10) ブレーキ優先装置、07 年に導入検討依頼 米がトヨタに 【ロサンゼルス = 堀内隆】 トヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題で、米紙ロサンゼルス・タイムズは 14 日、ブレーキとアクセルを同時に踏んだ際にブレーキが優先して作動する「ブレーキ・オーバーライドシステム」の導入を検討するよう、米当局が 2007 年の時点でトヨタに伝えていたと報じた。 トヨタ車が急加速し、制御不能になるというトラブルは 07 年までに米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) に報告されており、NHTSA は同紙に「急加速問題の調査の一環として 07 年に話し合ったが、導入を強く主張したわけではない」と述べた。 トヨタは今年 2 月、今後発売する全車に同システムを導入する方針を発表したが、同紙は「システムが導入されたのは大きく報道された暴走事故が起きてからだった」として、トヨタの安全対策の遅れを批判している。 報道は、米議会が入手したという同社幹部のメールやメモをもとにしている。それによると、トヨタ車が急加速するトラブルの報告を受けた NHTSA は 07 年と 08 年、トヨタ側と同システムについて「協議」した。 同システムは法的に義務づけられているわけではないため、NHTSA も「システムがないからといって安全上の問題があるとはいえない」としている。 (asahi = 3-15-10) トヨタ「電子制御、問題ない」 米の欠陥指摘に反証実験 【トーランス(米カリフォルニア州) = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 8 日、急加速の原因として米大学准教授が指摘した電子制御システムの欠陥の可能性に対し、反論する公開実験を行った。 指摘されるような現象は現実には起こらないと説明し、「現時点で電子制御に問題はない」と改めて主張した。 今回の実験は、南イリノイ大のギルバート准教授が 2 月 23 日の米議会下院の公聴会などで公表した実験結果に反論する目的で公開された。 ギルバート准教授は、アクセルペダルが踏み込まれた時の強弱のデータをエンジン制御装置に送る電子回路の配線がショートすると、突然の急加速が起こる、と証言していた。 これに対し、トヨタは、ギルバート准教授の実験と同じ条件を再現した。 その際、配線がショートする状況は、意図的に回路に傷をつけるなどしなければ起こりえないとし、「通常の利用で急加速の現象が起きる可能性はほとんどない」と主張した。 さらに、同じ条件で配線をショートさせれば、トヨタ車以外の米欧の大手メーカーの主力車でも急加速が起こるとし、ギルバート准教授の実験は「現実味がない」とした。 トヨタは米公聴会でも同様の主張をしてきた。 だが、ギルバート准教授の指摘以外にも、電子制御の欠陥の可能性が指摘されており、トヨタもさらに実験を続ける必要性は認めている。 8 日の実験後も「現時点で電子制御の欠陥は見つかっていないが、検証は続ける」としている。 一方、米議会下院の監督・政府改革委員会のタウンズ委員長(民主)は 8 日、トヨタに書簡を送り、2006 年秋に日本のトヨタの工場従業員らが、安全上の懸念を示したメモを幹部に出していたとされる米紙の報道を受け、このメモを提出するよう求めた。 (asahi = 3-9-10) リコール修理後のトヨタ車も急加速の苦情 米当局が調査 【ワシントン = 尾形聡彦】 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)を巡り、米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) に、修理後の車で急加速が起きたとの苦情が 60 件以上寄せられていることが 4 日、分かった。 米運輸省が明らかにした。 NHTSA は、苦情を申し立てた全員に連絡をとって状況を調査しているという。 トヨタは昨年秋以降、アクセルペダルがフロアマットに引っかかったり、アクセルペダルそのものが戻りにくくなったりするおそれがあるなどとして、800 万台近くをリコールしている。 運輸省によると、リコールを受けて、車の修理を終えたトヨタ車の所有者から、依然として急加速が起きるとの苦情が寄せられているという。 NHTSA はトヨタに対し、同社側にも苦情が寄せられていないか情報提供を求めた。 運輸省は「もし、トヨタの修理で問題が解決していないようなら、NHTSA はトヨタに別の解決策を提供するよう求める権限がある」としている。 (asahi = 3-5-10) 車の急加速問題で米議員「トヨタ以外も調査対象に」 【ワシントン = 尾形聡彦】 米下院の監督・政府改革委員会のアイサ筆頭理事(共和党)は 3 日、自動車の急加速問題で、トヨタ以外のメーカーに調査対象を広げ、業界全体で対策をとるべきだとの考えを表明した。 アイサ議員は同委員会の共和党の有力者で、トヨタ追及の急先鋒(きゅうせんぽう)だった。 米議会でのトヨタ批判の空気が変わる可能性がある。 アイサ議員は同日、ラフッド米運輸長官への書簡で「急加速についてのかなりの苦情が出ている自動車メーカーは、トヨタだけではない」と指摘。 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) がトヨタ以外の自動車メーカーの急加速問題を調べているかどうかを尋ね、監督・政府改革委への資料提出を求めた。 トヨタが全新モデルへ搭載する方針の「ブレーキ優先装置」について、全メーカーに装着を義務づけるべきだとの考えも示した。 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)で注目された自動車の急加速問題を巡り、米上院の商業科学運輸委員長のロックフェラー上院議員は 2 日、業界全体での対策の義務づけの必要性を表明した。 アイサ氏の書簡はこれに呼応するものだ。 ただ、米メディアによると、トヨタのリコール問題にからみ、無償修理後のトヨタ車で急加速が起きたとの苦情が、米当局に 10 件寄せられていることが分かった。 NHTSA が現在調査中だという。 トヨタ車への米消費者からの厳しい視線は続いている。 (asahi = 3-4-10) 米、ブレーキ優先装置を義務づけへ 上院委員長が方針 【ワシントン = 寺西和男、尾形聡彦】 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)を巡る米上院の商業科学運輸委員会の 2 日の公聴会で、委員長のロックフェラー上院議員(民主)は、アクセルよりもブレーキを優先する装置を義務づけることを法制化する方針を明らかにした。 またトヨタは、焦点になっている電子制御の不具合の有無を巡り、新たに外部機関に調査してもらう方針を示した。 義務づけるのは、「ブレーキオーバーライド」と呼ばれる仕組み。 アクセルが踏まれた状態でも、ブレーキが同時に踏み込まれれば、電子制御を通じてブレーキが優先する。 仮に、フロアマットにアクセルが引っかかるなどして車の急加速が起こっても、事故を防げる利点がある。 トヨタは今回の問題を受けて安全対策を強化するため、今後世界で発売するすべてのモデルに装着する方針だ。 ロックフェラー委員長は 2 日の公聴会で、「ブレーキ優先システムを全メーカー、全車種に義務づける法制化を真剣に考慮しなければならない」と表明した。 米国でブレーキ優先装置が装備されている自動車は市場全体の 2 割にとどまるという。 日産自動車は米国で販売している約 30 車種のうち、中型セダン「アルティマ」のハイブリッド車を除き全車種に搭載。 ホンダはまだ搭載していないが、「近い将来に搭載することを検討中(広報)」としている。 一方、トヨタは、元米運輸長官のロドニー・スレーター氏を起用する外部の品質助言機関から、新たに外部機関に委託する形で、トヨタ車の急加速問題で電子制御上の問題がないかどうかを調査する見通しを明らかにした。 トヨタがすでに委託している技術コンサルティング会社「エクスポネント」の調査とは別の新調査になる。 急加速問題では、電子制御上の問題の可能性を指摘する声が米議会で強まっていた。 トヨタは電子制御上の問題はない、と一貫して否定している。 公聴会では、トヨタ内部の「当局との交渉で、(リコールが小規模に済んだことで) 1 億ドル(約 90 億円)が節約できた」との文書を巡り、議員から「安全対策をないがしろにしているのではないか」との質問が続出。 佐々木真一副社長は「(リコールの決定)過程は、品質保証と顧客サービスの観点で行われており、いくら節約できるかなどといったお金の議論は決してない」と釈明した。 (asahi = 3-3-10) トヨタ、米で 93 万台を自主改修 オイル漏れの恐れ 【ワシントン = 寺西和男】 トヨタ自動車は 1 日、米国で販売する中型セダン「カムリ」やレクサスの「ES350」など計 5 車種で、エンジンオイル用のホースに亀裂が生じてオイルが漏れる可能性があるとして、計 93 万 4 千台を対象に昨年 10 月から所有者に通知して、ホース交換などの自主改修(サービスキャンペーン)を行っていることを明らかにした。 サービスキャンペーンは、事故に直結するような車両の欠陥があるリコールと異なり、安全性に直結しない不具合について、自主的に無償で部品交換などをする仕組み。 対象は 2004 年 12 月 - 08 年 6 月に生産された「カムリ」、上級セダン「アバロン」、SUV (スポーツ用多目的車)「RAV4」、レクサスの中型セダン「ES350」と SUV「RX350」。 いずれの車種も同じ型式のエンジンを採用している。 オイルが漏れると、車内の警告灯が点滅するため、「事故に直結する不具合ではない(広報)」としている。 ◇ 日本では、このオイルホース問題ですでにサービスキャンペーンを実施している。 対象は「ハリアー」、「エスティマ」、「ヴァンガード」、「ブレイド」、「マーク X ジオ」の計 5 車種で約 4 万 5 千台。 昨年 10 月から所有者への通知を始め、11 月 19 日から販売店で改修を行っている。 (asahi = 3-2-10) |