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トヨタの電子制御システム、米下院委「重大な懸念」

【ワシントン = 尾形聡彦、中川仁樹】 トヨタ自動車の車が急加速するとの苦情が多発している問題で、米下院のエネルギー商業委員会は 22 日、トヨタ車の電子制御システムに「重大な懸念がある」との声明を出した。 アクセルの踏み込み具合をコンピューターなどでエンジンに伝える電子制御システムについて、トヨタは一貫して急加速との関連を否定しており、23 日から開かれる公聴会で最大の焦点になる見通しだ。

トヨタ車の急加速問題で同社は、アクセルペダルがフロアマットに引っかかるケースと、ペダル自体が戻りにくくなるケースを欠陥と認め、2009 年秋以降 800 万台近いリコールを実施。 ただ、電子制御の欠陥は否定している。

同委員会のワクスマン委員長は公聴会前日の 22 日夕、トヨタは急加速問題で、「電子制御上の欠陥が原因になっている可能性を継続的に退けてきた」と指摘。 米運輸省高速道路交通安全局が 04 年、電子制御を備えたカムリの速度への苦情は、電子制御がないカムリの 5 倍に上ることをトヨタに指摘したにもかかわらず、同社は組織的な検証をしてこなかったと批判した。

さらに、トヨタが最近、電子制御の不具合を否定する際、一番の根拠にしている技術コンサルティング会社「エクスポネント」の報告書について、「外部の専門家が、科学的な手法をとっていないと指摘している。 深刻な欠陥があるようだ。」とした。

さらに、トヨタが急加速問題を、アクセルのフロアマットへの引っかかりと、アクセル自体の戻りにくさの二つだけを原因としていることを問題視。 急加速を巡るトヨタへの消費者からの苦情では、この二つが原因とみられるものは 16% にすぎない、と指摘。 苦情の 7 割は、2 原因に対処するための 09 年と 10 年の同社のリコールの対象外だとして、2 要因以外の問題がからんでいる可能性を強くにじませた。

一方、トヨタ自動車は 22 日、米議会の公聴会を前に、電子制御スロットルシステムについて、米メディア向けの説明会を開き、「今のところ、暴走につながる問題は見つかっていない」と従来の説明を繰り返した。

トヨタ自動車は 22 日、米ニューヨーク州南部連邦地裁の連邦大陪審と米証券取引委員会 (SEC) ロサンゼルス支部から、トヨタ車のアクセルの不具合とハイブリッド車「プリウス」のブレーキに関する書類の提出を求める召喚状を受け取ったと発表した。 一連の大規模リコール(回収・無償修理)問題は、米議会だけでなく、刑事事件に発展する可能性が出てきた。 (asahi = 2-23-10)


米当局、カローラのパワステ不具合も調査へ

【ニューヨーク = 尾形聡彦】 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) は 17 日、トヨタ自動車の 2009 年製と 10 年製のカローラのパワーステアリングの不具合について、本格調査に着手する方針を固めた。 米運輸省関係者が朝日新聞の取材に対して明らかにした。 米当局の本格調査はリコール(回収・無償修理)につながることも多く、トヨタにとってさらなる打撃となる可能性がある。

米当局には 09 年製と 10 年製のカローラについて、走行中にハンドルが左右にぶれるとの苦情が 100 件以上寄せられているという。 米運輸省関係者は「NHTSA は、この問題で数日中に調査を立ち上げる」と明らかにした。 苦情と同じ不具合がありえるのは、09 年製の約 36 万 3 千台と 10 年製の約 13 万 6 千台だという。

NHTSA は今月 4 日、最新型プリウスのブレーキの不具合の本格調査に着手し、トヨタは直後にリコールに追い込まれた。 一連のリコールでトヨタはすでに 800 万台近くを回収・無償修理の対象にしている。

トヨタ広報部は「北米で販売するカローラは、日本とは(パワーステアリングなどの)仕様が異なる」として、日本で販売するカローラは問題ないとする見方を示した。 (asahi = 2-18-10)


米、トヨタに資料請求 問題あれば制裁金 リコール問題

【ワシントン = 尾形聡彦】 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) は 16 日、トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題で、リコール手続きが迅速に行われたかどうかを調べるため、同社に資料の提出を求める法定請求を行ったと発表した。 トヨタの対応に問題があれば、最大 1,640 万ドル(約 14 億 8 千万円)の制裁金が科される可能性がある。

米運輸省が調査対象にしているのは、アクセルペダルがフロアマットに引っかかるおそれがあるとして実施した 2007 年 9 月と、09 年 10 月のリコール。 さらに、アクセルペダルが戻りにくいとして今年 1 月に行ったリコールの計 3 回、約 540 万台分。 米国の連邦法は、自動車メーカーが車に安全面の欠陥があると認定した場合、5 日以内に NHTSA に通知し、迅速にリコールを実施するよう定めている。

米運輸省は、トヨタがいつどのように問題を認識し、リコールの決定に至ったのかを詳細に検証して、法律違反がなかったかどうかを調べる方針だ。 このためトヨタに対し、消費者からの苦情やトヨタによる検証、トヨタ内部の会議の経緯のほか、時系列にどう対応したのかも含めた関連資料を 30 日以内に提出するよう求めた。

米運輸省関係者は 2 月初め、朝日新聞の取材に対し、トヨタに制裁金を科す検討に入っていることを明らかにしている。 今回の資料請求は、米運輸省が本格調査に着手したことを意味するものだ。

トヨタは 16 日、「求められている情報をすべて提供し、協力する」とのコメントを発表した。 米政府の制裁金を巡っては、07 年 9 月に三菱東京 UFJ 銀行の米国子会社傘下の銀行が、資金洗浄の監視が不十分だとして、制裁金 1 千万ドル(約 9 億円)を科された例がある。 (asahi = 2-17-10)


トヨタ、電子制御の不具合否定 急加速問題で米議会に

【ワシントン = 尾形聡彦、ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車の車が急加速するという苦情が米国で多発している問題で、同社が米議会に「電子制御システムに問題はない」と回答していたことが 12 日、分かった。 電子制御の不具合の有無は、米議会や米当局が追及する焦点の一つで、トヨタは 2 月下旬の米議会公聴会でも、不具合を否定する見通しだ。

米下院の監督・政府改革委員会が 12 日、トヨタからの書簡を公開した。 同委員会が事前に「急加速問題では、電子制御上の問題はないのか」と尋ねていたのに対し、トヨタは「電子制御スロットルシステム (ETCSi) は、意図しない加速の原因ではない」と答えた。

トヨタは外部の技術コンサルティング会社に委託し、トヨタ車とレクサス車で、ETCSi が原因の急加速が起こるかどうかを検証。 その結果、急加速は確認されなかったという。 またトヨタは、安全対策強化のため、ブレーキとアクセルを同時に踏んだ場合にブレーキを優先する仕組みを 2010 年末までに大半の車種に導入する考えも表明した。

トヨタ車の急加速を巡っては、フロアマットにアクセルペダルが引っかかったり、アクセルペダルそのものが戻りにくくなったりする場合があるとして、トヨタは米国でこれまでカローラやカムリなどのリコールを実施している。 一方で、トヨタは電子制御上の不具合は一貫して否定してきた。 米運輸省は 2 月上旬に、電子制御上の問題も含めて調査していることを公表。 米議会の公聴会の際にトヨタがどう対応するか注目されていた。 (asahi = 2-14-10)


米当局、トヨタ・カローラも調査検討か 電動パワステで

【ワシントン = 尾形聡彦】 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) が、2009 年と 10 年製のトヨタ・カローラの電動パワーステアリングの不具合で、本格調査を検討していることが 9 日、明らかになった。 米自動車専門紙オートモーティブ・ニューズ(電子版)が伝えた。

報道によると、対象のカローラには、08 年 4 月以降、パワーステアリングを巡って 83 件の苦情が寄せられているという。 うち 76 件は、時速 64 キロ以上で走行中に、車の向きが予想外に左右に変わるという内容だという。 6 件の事故が起き、それが原因で 10 件のけがも生じているという。 本格調査となれば、トヨタのさらなるイメージダウンにつながる可能性もある。 (asahi = 2-10-10)


トヨタ、米でカムリをリコール ブレーキ不具合の恐れ

【ワシントン = 中川仁樹】 トヨタ自動車は 9 日、北米で販売した「カムリ」のブレーキに不具合が生じる恐れがあるとして、米高速道路交通安全局 (NHTSA) などにリコール(回収・無償修理)を届け出た。

対象は 2009 年 2 - 3 月に生産した米国約 7,300 台、カナダ約 400 台。 パワーステアリングのホースに装着した金具が、ブレーキのホースに接触して穴を開け、オイルが漏れて利きが悪くなる恐れがあるという。 アンチロック・ブレーキ・システム (ABS) が問題となった「プリウス」とは異なる。

日本で販売するカムリについて、トヨタは「問題の部品は米国生産分でしか使われていないので、日本では問題ない(広報)」としている。 (asahi = 2-10-10)


トヨタ、新型プリウス全車を無償改修へ 欠陥は認めず

トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」のブレーキが瞬間的に利かなくなる問題で、同社は 5 日、国内外で販売した 30 万台余りについて、すべて無償で改修する方針を固めた。 米国ではリコールし、日本では車の欠陥を認めないものの無償改修には応じる「サービスキャンペーン(自主改修)」制度を使う見通し。 品質問題への対応が遅いとの批判が強まってきたため、早期に対策を示して信頼回復を目指すことにした。

対象は昨年 5 月以降に販売した 3 代目プリウス。 今年 1 月から生産した車は、すでに改修を施しているため、台数は日本で 18 万台前後、米国で 10 万台前後となる。 日米以外でも、オーストラリアなど苦情が出ている国では、その国の制度に従って対応する方針だ。

プリウスのブレーキ問題では、トヨタや日米の当局に 200 件以上の苦情が寄せられた。 多くは、滑りやすい路面を低速で走行中、1 秒前後、ブレーキが利かなくなるというもので、トヨタの調査では、車輪がロックしてハンドル操作が不能にならないようにするアンチロック・ブレーキ・システム (ABS) の制御ソフトの問題という。

このため改修は、この制御ソフトを変更する形で実施する。 トヨタは先にアクセル部で延べ 1 千万台超のリコールを発表。 これには約 1 千億円の費用がかかるとしているが、今回のプリウスの改修は台数が少なく、部品の交換を伴わないため、費用は少なくて済むとみられる。 ただし、新車販売への影響は出るとみられる。

トヨタはプリウスのブレーキ問題について、「ブレーキを強く踏めば車は止まる。 フィーリング(運転感覚)の問題だ。(佐々木真一副社長)」とし、あくまで欠陥ではないと主張している。 このため、欠陥を認める認めないにかかわらず安全対策にはリコール制度が適用される米国ではリコールし、日本ではサービスキャンペーンとする方針。

ただ、「運転感覚の問題」との説明は、理解しにくい部分がある。 ブレーキが 1 秒前後利かない事態は、恒常的に起きるわけでなく、いつ起きるかわからないからだ。

トヨタ車の品質問題については、ラフッド米運輸長官は 3 日夜、トヨタの豊田章男社長に電話会談で安全への取り組み強化を要請。 鳩山由紀夫首相は 4 日夜、直嶋正行経済産業相に問題の報告を求め、首相は「迅速に対応してもらい、早く信頼を回復して欲しい」と話したという。 消費者の不信感の高まりようによっては、欠陥認定に追い込まれ、日本でもリコールすることになる可能性がある。

プリウスとブレーキ構造が似ているハイブリッド車トヨタ「SAI」やレクサス「HS250h」について、対応する必要があるか否かは調査中という。 (中川仁樹、久保智、asahi = 2-5-10)

〈自動車の改修制度〉 設計や製造過程で不具合が見つかった場合、メーカーが欠陥を認めるかなどで対応は三つに分かれる。 「リコール」は道路運送車両法に定められた保安基準に適合しない重大な欠陥の場合。 国土交通省に届け出て、3 カ月ごとに改修状況を報告する義務がある。 「改善対策」は保安基準には規定されていない重大な欠陥の場合に行う。 国交省に届け出て、速やかに改修する必要があるが、報告義務はない。

「サービスキャンペーン(自主改修)」は商品性の向上を目的にメーカーが自主的に改修するもので、国交省には通知するだけでよい。 米国では欠陥を認定するしないにかかわらず、リコール扱いとなる。


新型プリウス、ブレーキ苦情が米で 102 件 日本でも

トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」で、ブレーキの苦情が米国で多発していることが 2 日、分かった。 米高速道路交通安全局 (NHTSA) によると、多くは、滑りやすい路面などを低速で走っていると、1 秒前後、ブレーキが利かなくなるというもの。 米国で 2 日までに 102 件、日本でも昨年末までに 2 件の苦情が当局に寄せられ、トヨタは「苦情は把握しており、事実関係を確認中(広報部)」としている。

苦情が多いのは、新型プリウス(2010 年モデル)。 昨年 5 月以降、日米で発売された最新型で、いずれも日本で生産している。 苦情は、低速で道路のくぼみや滑りやすい路面を通過する際、瞬間的にブレーキが利かなくなるというものが目立つ。 時速 20 キロでも 1 秒間で 5 メートル以上進むため、「前の車にぶつかった」、「横断歩道で止まれない」などの苦情が出ている。 ただ、踏み続ければ、ブレーキは利くようになる。

NHTSA によると、ブレーキの問題で、追突などの事故も 4 件が報告され、このうち 2 件は運転者がけがをした。 ブレーキ関連の苦情は、旧型プリウス(09 年モデル)やカローラ(10 年モデル)でもあるが、それぞれ 7 件にとどまる。 新型プリウスへの苦情の多さが際立ち、NHTSA は「事態の推移を注視している」としている。 国土交通省にも、苦情が寄せられているが、事故やけが人の報告はないという。

原因については、自動車の専門家の中には、ブレーキの制御にあるという見方がある。 モーターとエンジンを併用するハイブリッド車は、通常の油圧ブレーキに加え、回生ブレーキを備えている。 走る力でモーターを回転させ、減速しながら発電と充電をする仕組みだ。 専門家らは、回生ブレーキと油圧ブレーキの切り替えに、何らかの問題がある可能性を指摘している。

トヨタは、ブレーキ問題でのリコール(回収・無償修理)については「現時点ではコメントする段階にない(広報部)」としている。 新型プリウスは、燃費の良さと最低 205 万円という価格が受け、09 年 6 月から日本国内の販売台数で首位を独走している。 09 年の販売台数(旧型を含む)は、日本で前年比 3 倍弱の約 20 万台。 米国も約 14 万台が売れた。

トヨタの世界的な大規模リコールの中には、旧型プリウスも含まれる。 アクセルペダルがフロアマットにひっかかり戻らなくなる問題だが、ブレーキでも安全性に疑問符がつけば、トヨタブランドに深刻なダメージを与える恐れがある。

〈自動車評論家の国沢光宏氏の話〉 新型プリウスのブレーキのトラブルは、私にも 10 件以上寄せられている。 ブレーキが利かない時間は長くても 1 秒ほど。 さらにペダルを踏み込めば回復するようだ。 ブレーキ制御の問題だろう。 これで環境性能に優れたプリウスの評価が変わることはないが、早く改善した方がいい。 (asahi = 2-3-10)


トヨタに制裁金、米政府検討 リコール対応の遅れ問題視

【ワシントン = 尾形聡彦】 米政府が、トヨタ自動車に対して制裁金を科すことを検討していることが 2 日、分かった。 米運輸省関係者が明らかにした。 トヨタの大規模リコール(回収・無償修理)で、同社の対応の遅れを問題視している模様だ。 ラフッド米運輸長官は同日、「トヨタ問題はまだ終わっていない」として、同社の対応を引き続き調査する意向を示した。

ラフッド長官は同日発表した声明で、「安全性の欠陥の可能性が持ち上がって以来、トヨタには消費者保護の対策をとるようずっと求めてきた」と説明。 「トヨタはいまは責任のある対応をしているが、ここに至るまでは残念ながら多大な労力を要した」と対応の遅れに強い不快感を示した。

長官によると、アクセルペダルが戻りにくくなる問題で米運輸省は昨年 12 月、担当者を日本に派遣して、トヨタ経営陣に同社の法的義務について注意喚起。 今年 1 月にも、米運輸省にトヨタ側を呼び、アクセルペダルの問題に対処するよう求めたという。

この問題にからみ、運輸省関係者は 2 日、朝日新聞に対し、「民事上の制裁を科すことを検討している」と話した。 米政府は、法令違反があった際に、企業に民事制裁金を科す場合がある。 日系企業では、2007 年 9 月に三菱東京 UFJ 銀行の米国子会社傘下の銀行が、資金洗浄の監視が不十分だとして、米当局から制裁金 1 千万ドル(約 9 億円)を科された例がある。 (asahi = 2-3-10)

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トヨタのリコール問題、米下院の 2 つの委員会で公聴会

【ワシントン = 尾形聡彦】 米下院の監督・政府改革委員会は 29 日、トヨタ自動車のリコール(回収・無償修理)問題で、米政府の対応を検証するための公聴会を 2 月 4 日に開くと発表した。 ラフッド米運輸長官や、北米トヨタ自動車の稲葉良ミ(よしみ、ミは目へんに見)社長を呼んで事情を聴く。

下院ではエネルギー・商業委員会が 28 日に、2 月 25 日の公聴会開催を発表したばかり。 リコール問題は米議会内でも異例の形で追及されることになる。 監督・政府改革委のタウンズ委員長は「消費者の間で、どの車種に影響があり、どう対処したらいいのか混乱が広がっている」との声明を出した。 (asahi = 1-30-10)


トヨタ、230 万台のペダル改修へ リコール対策を発表

【ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 1 日、アクセルペダルの不具合による大規模リコール(回収・無償修理)で、米国で対象となった 8 車種の約 230 万台について、ペダルを改修する改善策を決めた、と発表した。 今後生産する車は、設計し直した新品のペダルに切り替える。 一連の対応が整い次第、一時中止している販売と生産を再開する。

米販売子会社のジム・レンツ社長は同日の声明で「リコールで心配と不便をおかけしているのは残念。 全力をあげて早期に改善措置を実施する。」と釈明した。

アクセルペダルの改修は、ペダルの根元に金属製の板を取り付け、ペダルの摩擦を減らして動きやすくする。 すでに全米の販売店に配布を始めており、顧客が持ち込んだ対象車を今週から改修できるようにする。 販売店によっては 24 時間態勢で改修に応じるという。 1 月 26 日からの販売中止に伴い、販売店で在庫になっているリコール対象車も同様の改修を行う。

また、今後生産する対象車は新たに設計し直したペダルを使う。 従来と同様、米部品メーカー CTS 製だという。 トヨタは当初予定通り、1 日から北米 5 工場でリコール対象車の生産停止に入った。 具体的な生産や販売の再開日はまだ決まっていないが、生産は 8 日の再開を目指し、停止期間を 1 週間にとどめたいとしている。

CTS 製のアクセルペダルの不具合によるリコールは、米国以外でも欧州で最大 180 万台、カナダで約 27 万台、中国で約 7 万 5 千台と主要国に広がっている。 各国でも順次、米国と同様の改善策を実施する方針。 日本では、もともと問題のないペダルが使われていたため、リコールの対象外となっている。

トヨタは今回改善策を発表したリコール以外でも、フロアマットがずれてアクセルペダルに引っかかり、ペダルが戻せなくなるおそれがあるとして、米国内で計 535 万 3 千台をリコールしている。 今回改善策を実施する 230 万台の多くは、このリコールの対象車にもなっている。

相次ぐ大規模リコールで、米国内ではトヨタへの批判が強まっている。 米議会下院の二つの委員会は今月、それぞれトヨタの幹部らを呼んで公聴会を開き、原因などを究明する予定。 トヨタも調査に協力する方針を表明している。 (asahi = 2-2-10)


トヨタ、07年に不具合把握 ペダル「問題なし」と判断

トヨタ自動車のアクセルペダルの不具合をめぐる問題で、トヨタは 2007 年に米国で苦情を受け、「安全性に問題はない」と判断していたことが 30 日、分かった。 トヨタはこれまで 09 年秋の米国での苦情で不具合を把握したとしていた。 トヨタが米当局に提出した資料などによると、07 年 3 月、ピックアップトラック「タンドラ」について、アクセルペダルが戻りにくくなるトラブルが報告された。

問題の部品は、アクセルペダルの根元にある。ペダルを安定して動かす部品だ。 トヨタは調査の結果、高温の場所に長期間駐車すると、部品が湿気を吸い込んで膨張することを把握。 ただ、「運転のしやすさ」の問題と判断し、リコール(回収・無償修理)を見送った。

この部品は、調査の最中、別のものに更新。 欧州で販売する小型車も含め、幅広く採用されたが、替えた部品についても、欧州で 08 年 12 月ごろから苦情を受けていた。 トヨタは調査し、後継部品も暖房などで生じる結露によって動きにくくなる恐れがあると分かり、欧州では材質や形状を変更。 しかし、米国ではそのまま使っていたとみられる。

どちらの部品も湿気で形状や機能が変化する問題を抱えていたが、07 年時点で早期に対応していれば、これほど大規模なリコール台数にはならなかった可能性がある。

トヨタは、このアクセルペダルの不具合により、米国、欧州、カナダ、中国でリコールを発表。 29 日発表した欧州の対象となる 8 車種は、「カローラ」のほか、「ヤリス」、「アイゴ」、「オーリス」、「iQ」、「アベンシス」、「バーソ」、「RAV4」がある。 「iQ」と「RAV4」は日本製だが、使用する部品は輸出用のため、日本で販売した車には影響ないという。

ペダルがフロアマットに引っかかりやすい問題での対応を含めると、トヨタのリコールは延べ 1 千万台近くに上っている。 (中川仁樹、asahi = 1-30-10)


トヨタ、欧州でもリコール最大 180 万台 ペダル問題

トヨタ自動車は 29 日、アクセルペダルに不具合が生じる恐れがあるとして、欧州でリコール(回収・無償修理)を実施すると発表した。 米国で 21 日に発表したものと同じ不具合で、対象は「カローラ」など 8 車種。 最大で 180 万台となる見通し。欧州では生産は中止しない方針。 (asahi = 1-30-10)


トヨタ、北米でリコール 800 万台超す 109 万台追加

【サンフランシスコ = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 27 日、米国で販売した 5 車種の計 109 万 3 千台を新たにリコール(回収・無償修理)すると発表した。 これで同社は、カナダでのリコールや、別のリコールとの重複分も含め、北米で延べ 800 万台超のリコール対応を迫られる。

トヨタが 27 日に発表したリコールは、昨年の 426 万台と同様、フロアマットにアクセルペダルが引っかかる可能性があることが理由。 この件でのリコールは昨年分と合わせ、計約 535 万台になった。 アクセルペダルを短くし、フロアマットを新品に交換するなどして、ペダルが引っかからないようにする。

5 車種には、米自動車大手ゼネラル・モーターズ (GM) との合弁工場で生産したポンティアックブランドの乗用車も含まれる。 トヨタは今月 21 日にも、米国内で販売した 8 車種の計約 230 万台をリコール。 これはアクセルペダル自体の不具合のためで、原因は今回と異なるが、対象車には重なっている部分も多いという。

一方、トヨタは米国内と同じ理由でカナダでもリコールを実施しており、その規模は計約 47 万 4,500 台にのぼる。 このうちフロアマットに引っかかる恐れがある分が約 20 万 4,500 台になる。 トヨタによると、現時点ではリコールを検討している車種はほかにはない。 ただ、欧州で販売した車でもアクセルペダルの不具合でリコール実施を検討中。 これが実施されると、米欧などでリコール対応が必要な車は延べ 1 千万台を超える可能性がある。

米レンタカー大手のエイビス・バジェットグループは 27 日、米国やカナダなどで同社が保有するトヨタ車 2 万台のレンタルをやめると発表。 「顧客に安全と安心を提供することが最優先事項だ」と説明した。 全米自動車ディーラー協会 (NADA) は同日、ディーラー救済策をトヨタと検討するとの声明を出した。 (asahi = 1-28-10)


トヨタ、リコール 8 車種の米国販売見合わせ 業績に打撃

【サンフランシスコ = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 26 日、アクセルペダルの不具合が見つかり 21 日に発表した約 230 万台のリコール(回収・無償修理)に関連して、対象となった計 8 車種の米国内での販売を一時中止する方針を明らかにした。 北米 5 工場での同車種の生産も来週から停止する。 大規模リコールは、販売や生産に直接影響を及ぼす異例の事態に発展し、業績への打撃も大きくなりそうだ。

米国での対象車種の昨年の販売実績は約 100 万台で全体の 6 割弱を占める。 販売中止は 26 日から実施し、再開の時期は未定。 同日に全米の同社販売店(ディーラー)約 1,200 店に通知した。 北米 5 工場の生産停止はとりあえず、2 月 1 日から 5 日まで(土日を除く操業日ベースの 1 週間)だが、販売中止が長引けば、生産停止も延長する可能性がある。

ただ、5 工場はリコール対象車以外も生産しており、来週以降も操業は続ける。

販売の再開日は、21 日に発表したリコールについて具体的な改善策を決めた段階でめどをつける。 不具合が見つかったアクセルペダルを修理するのか、正常な新品と交換するのか、といった具体的な対応が決まらないと、これから販売・生産する車の改善策も決められない。 何の対応もせずに販売を続けると、事故が起きる危険性がある車が市場にさらに増えるため、顧客の安全を重視して販売中止に踏み切った。

リコール対象車は、アクセルペダルを踏んだ後、緩めようとしてもペダルが戻らなかったり、戻り方が遅かったりする場合がある。 ペダルを踏んでも十分に踏み込めない場合もあり、思ったように速度調整ができない恐れがある。

対象車種は、いずれも北米で生産されたもので、主力乗用車「カムリ(2007 - 10 年モデル)」やスポーツ用多目的車 (SUV) 「RAV4 (09 - 10 年モデル)」など計 8 車種。 同じ車種は日本でも売られているが、違う部品が使われているため、リコールの対象外。 このため、日本では販売や生産は通常通り続けられる。

リコールにともなう大規模な販売・生産の中止は、米国でも異例。 トヨタは昨年も米国で 426 万台のリコールを実施したが、この時は販売や生産をやめることはしなかった。 リコールの原因の一つとされたフロアマットを取り除くなどすれば、安全は確保できると判断したからだ。 (asahi = 1-27-10)


トヨタ、米で新たに 230 万台リコール

【ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 21 日、アクセルペダルに不具合があるとして、米国で販売した乗用車「カローラ」など 8 車種の計約 230 万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 昨年実施した 426 万台に続く大規模リコールは米国でも異例。 今回対象になった北米生産車と同じ部品(アクセルペダル)は、日本で売られた車には使われていないとしているが、米国を中心に品質への信頼が大きく揺らぐ恐れがある。

トヨタによると、アクセルペダルを踏んだ後、緩めようとしてもペダルが戻らなかったり、戻り方が遅かったりする場合があるという。 また、ペダルを踏んでも十分に踏み込めない場合もあるという。 車の使用頻度が高く、アクセルペダルの根元がすり減った車で、起きやすい。 修理などの具体的な対応は今後決める、としている。

トヨタの説明では、昨秋に顧客から指摘され、調査を始めたという。 同じような指摘は全米でこれまで 13 件あった。 人身事故や物損事故につながった例はないという。 対象車種は、いずれも北米で生産されたもので、主力乗用車「カムリ(2007 - 10 年モデル)」やスポーツ用多目的車 (SUV) 「RAV4(09 - 10 年モデル)」など計 8 車種。 車種ごとの台数は明らかにしていない。

今回対象になった北米生産車と同じ部品が、欧州で生産された車にも一部使われており、欧州でも顧客から同じような指摘が 26 件寄せられているという。 欧州ではまだリコールの発表はなく、「現在対応を検討中(広報)」という。

トヨタは昨年 9 月、運転席に敷いたフロアマットがずれてアクセルペダルが引っかかり、ペダルを戻せなくなる恐れがあることを発表。 レクサス車が暴走して死亡事故が起きたのがきっかけだった。 最終的には昨年 11 月、米国で販売した計 426 万台をリコールした。 アクセルペダルを短くカットしたり、床を低くしたりする改修を実施している。

以前から問題視されていたアクセルに、フロアマットと関係ない新たな不具合が見つかったことで、米国の消費者のトヨタ車への視線がさらに厳しくなりそうだ。

今回の対象車のうち、昨年のリコールでも対象になった車は約 170 万台あるという。 ただ、今回発表したリコールは、昨年のリコールとは原因が違う。 このため、アクセルペダルのカットなど昨年のリコールに対する改修を行っても、今回の不具合は解消されず、新たな対応が必要になるという。 (asahi = 1-22-10)


フロアマットの安全性調査へ 暴走事故受け消費者庁

アクセルペダルがフロアマットに引っかかって車が暴走する事故が国内外で起きている問題で、消費者庁は 10 日、マットの安全性を本格調査する方針を明らかにした。 正しく装着した場合としなかった場合の比較や、市販のトレー型やカーペット状のマットを純正品に重ねて敷いた場合の引っかかりやすさなどを検証するとみられる。

調査は国民生活センターに依頼する。 各地の消費生活センターにはここ 10 年間で事故 3 件を含む 10 件弱の情報が寄せられており、それらについても調査・分析する。結果は速やかに公表するという。

この問題では、トヨタ自動車が米国で 426 万台のリコール(回収・無償修理)をしているほか、国土交通省に 2008 年 12 月 - 今年 9 月、5 メーカーの車について計 13 3件の事故情報が報告されている。 装着状態のほか、純正品の上に市販品を二重に敷くと危険性が増すとみられている。

福島県の男性 (51) の場合、3 年前に片側 2 車線の道路でトラックを追い抜こうとした際、純正品の上に敷いたトレー型マットにアクセルペダルが引っかかった。約 10 秒で時速 90 キロ近くまで加速した後、右足のつま先でペダルを引き戻したという。 (asahi = 12-11-09)


マットずれ事故、国内でも複数 消費者庁、注意呼びかけ

トヨタ自動車が米国で、アクセルペダルにフロアマットが引っかかる恐れがあるとして 426 万台のリコール(回収・無償修理)を始めた問題に関連して、メーカーは特定されていないものの、国内でもこうした事故が複数起きていることがわかった。 消費者庁が 1 日、明らかにした。

同庁によると、関東地方では 2007 年 10 月、女性が乗用車を運転中、フロアマットがずれてアクセルペダルに引っかかり、止まれずに前の車に追突する事故が起きた。 00 年 8 月には関西地方でも、女性による同様の追突事故が起きたという。

国民生活センターには、こうしたアクセルが戻らなくなったという情報提供が、事故に至らなかったものを含めて、ここ 10 年間で約 10 件寄せられているという。 ただ、死者は出ていないという。 同庁は、米国のドライバーが使う厚いフロアマット以外でも事故の危険性があるとして、フロアマットを確実に固定するよう呼びかけている。 (asahi = 12-2-09)


トヨタ、米で 400 万台ペダル交換へ 暴走事故受け

高級車レクサスが米国で暴走し、乗員 4 人が死亡した事故に関連し、トヨタ自動車は、アクセルペダルをフロアマットに引っかかりにくい形のものに交換するリコールを実施する方針を固めた。 日本時間の 25 日夜にも米国で発表する。

対象は、米国で販売したトヨタブランドのプリウス、カムリ、アバロン、タコマ、タンドラと、レクサスブランドの ES と IS の計 7 車種約 400 万台になる見通し。 9 月 29 日にトヨタが暴走の危険を警告した際には約 380 万台としていたが、その後の販売車両も含める。

トヨタは当初、フロアマットを適切に固定しなかったり、二重に敷いたりしなければ問題は起きないと主張していた。 しかし、10 月に入り、「事故が発生する危険性を減らすため、車両本体を改良する」との意向を米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) に伝えていた。

リコールでは、アクセルペダルを短いものに交換。 床板との距離に余裕を持たせ、フロアマットがずれたり、二重に敷かれたりしても、引っかからないようにする。 リコール費用は数百億円規模になるとみられる。

また、トヨタはアクセルと同時にブレーキがいっぱいまで踏み込まれた場合、電子制御でアクセルを解除し、ブレーキの作動を優先する装置の導入や、エンジンを緊急停止する操作を分かりやすくする方法についても検討しており、併せて対策に盛り込まれる可能性がある。

今回のリコールは、8 月下旬に米サンディエゴ市郊外で、レクサス「ES350」が暴走し、4 人が死亡した事故が契機となった。 ES350 は 07 年にも同じ問題でフロアマットを交換するリコールを実施。 トヨタはあくまでもフロアマットの問題としていたが、今回は、車両本体の重要部分であるアクセルペダルをリコールせざるをえなくなった。

トヨタは、日本など米国以外で販売した車については、「北米のような厚みのある全天候型のフロアマットは販売しておらず、現時点で問題があるとは考えていない(幹部)」としており、リコールする予定はないという。 (asahi = 11-25-09)


トヨタ車暴走「米で千件超報告」、「死者 19 人」 米紙

【ロサンゼルス = 堀内隆】 米国で 01 年以降、トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」を含むトヨタ車で、車が突然、急加速して暴走する事例が 1 千件超、米当局に報告されていたと米ロサンゼルス・タイムズ紙が 8 日、報じた。 また同紙は独自調査の結果、02 年式以降のトヨタ車で起きた暴走事例による死者は 19 人にのぼるとしている。

同紙によると、米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) に報告された事例の大半は、「車の制御が失われるほどではなかった」などの理由で調査対象にならなかった。 また NHTSA は 04 年、02 年式レクサス ES が暴走して木に衝突したとの報告を受け、トヨタに把握している同種の事例を報告するよう求めたが、トヨタは「顧客からトラブルの状況の説明がない」などの理由で一部の事例を報告から外したという。 (asahi = 11-10-09)


米レクサス暴走 事故車の写真、アクセルとマットが癒着

米国でトヨタ自動車の高級車レクサスが暴走し 4 人が死亡した事故で、朝日新聞社は米当局が撮影した、大破炎上した事故車のアクセルペダルの写真を入手した。 多くの部品が飛び散る中、ペダルの樹脂部分とフロアマットは熱で溶け、つながった状態で見つかった。 米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) が、ペダルがマットにひっかかった可能性が高いとみる根拠になった写真だ。

この事故をめぐって、トヨタは米国で販売した 7 車種計約 380 万台のユーザーにマットの取り外しを求めた。 だが、「留め金を外したり二重に敷いたりしなければ問題は発生しない」と主張。 一貫して運転者のマットの使い方が問題であって、車両に欠陥はないと説明している。

ただ NHTSA は、同様の問題から 07 年にフロアマットをリコールしたにもかかわらず同じ車種で大事故が起きたことや、暴走を止める仕組みが不十分なことを重視。 アクセルペダルの形状や、暴走が起きた場合でもすぐに車を止められるようアクセルやブレーキの電子制御装置の改良を求めている。 運転者が誤った使い方をすることも想定し、常に安全でなければならないとする「フェイルセーフ」の考え方からだ。

トヨタは米当局の強い姿勢に押される形で 10 月 5 日、アクセルや電子制御装置など、マットではなく車両本体を改良する意向を示したが、具体策はまだ発表していない。 (中川仁樹、asahi = 10-31-09)


トヨタ、アクセルなど改良の意向 米で販売の 380 万台

【サンディエゴ(米カリフォルニア州) = 中川仁樹】 高級車レクサスが米国で暴走し、乗員 4 人が死亡した事故に関連して、トヨタ自動車が米高速道路交通安全局 (NHTSA) に、車両本体を改良する意向を伝えたことが 14 日、分かった。 対象は米国で販売した 7 車種、約 380 万台。 暴走の原因とみられてきたフロアマットだけでなく、電子制御システムやアクセルペダルなどの改良が必要になる見通しだ。

朝日新聞は、トヨタが 10 月 5 日付で NHTSA に通知した文書を入手した。 その文書で、同社は「事故が発生する危険性を減らすため、該当車種について車両本体を改良する見通し」と報告していた。 トヨタは 9 月下旬、8 月のサンディエゴの事故を受け、マットがずれてアクセルペダルが踏み込んだまま戻らなくなる恐れがあると発表。 所有者にマットの取り外しを求める方針を示したが、改良の意向は明確にしていなかった。

入手した文書によると、トヨタは、米連邦自動車安全法に基づく法的リコールと同等の手続きを踏むことに同意。 3 カ月ごとに進み具合を報告する。 法的リコールの前提となる欠陥の存在は認めていないが、任意の措置として無償で改良する意向を示した。

通知を受けた NHTSA は、ホームページで情報の開示を始め、改良の対象部品を「車両の速度制御・アクセルペダル」とした。 トヨタは現在、対応を検討中。 具体策は不明だが、アクセルとブレーキの両方を同時に全部踏み込んだ場合に電子制御システムで車を減速させたり、アクセルペダルの位置を動かしてマットと接触しないようにしたりする方法が考えられる。

また、NHTSA は、暴走した場合、ブレーキを約 5 倍の力で踏まないと止まらない点などを問題視。 これらは米国以外でも共通する構造上の問題とみられる。 日本では同様の事故やトラブルの報告は明らかになっていない。 だが、原因次第では、日本にも問題が波及し、トヨタは対応を迫られる可能性がある。 (asahi = 10-15-09)


トヨタ、米の 380 万台に不具合 アクセル戻らない恐れ

【ニューヨーク = 丸石伸一】 トヨタ自動車は 29 日、米国で販売した乗用車など約 380 万台で、フロアマットがずれてアクセルペダルが踏んだままの状態で戻らなくなるなどの恐れがあると発表した。 近く正式にリコール(回収・無償修理)する見通し。 全車をリコールすれば、トヨタとしては米国進出した 57 年以来、同国内で最大規模になる。

事故につながりかねないとして、顧客にはマットの取り外しを呼びかけている。 リコールの内容を含めた具体策は来週初めまでに発表する。

対象車種は、北米で生産されたもので、米国で人気の乗用車「カムリ(07 - 10 年モデル)」や、ハイブリッド車「プリウス(04 - 09 年モデル)」、高級車「レクサス」、ピックアップトラックなどの計 7 車種。 車種ごとの台数は明らかにしていない。 日本で売られる車でも不具合がないかどうか調べるという。

トヨタなどによると、マットが引っかかってペダルが戻らなくなったり、ブレーキがききづらくなったりする恐れがある。 理由として、マットがずれてしまうことや、アクセルペダルの配置が適切でないことなどが考えられるが、原因は特定できていない。 リコールの内容にもよるが、対策費用が経営に影響を及ぼす可能性もある。

米国内で今年 8 月、トヨタ製の車に乗っていた 4 人家族が死亡した事故が起きたのがきっかけで、調査が進んでいた。 欧米メディアによると、不具合に関する報告は 100 件あった。 うち 17 件の衝突事故があり、計 5 人が死亡しているという。 (asahi = 9-30-09)

国土交通省によると、08 年度の国内の自動車のリコール届け出台数は 535 万台。 国内での 1 度のリコール台数は、05 年にトヨタがヘッドライトなどの不具合で、乗用車「カローラ」など 16 車種で届け出た計 127 万台が最大だ。

トヨタが今回、約 380 万台をリコールすればこの 3 倍の規模に。 トヨタが 08 年に米国で販売した台数(222 万台)の 1.7 倍にも上る。 ホンダは 02 年に米国で 134 万台のリコールを実施。 対策に 123 億円がかかった。

11 - 10 - 9 - 8 - 7 - 6 - 5 - 4 - 3 - 2 - 1