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ニコンが中国の生産子会社を清算へ スマホ台頭でコンデジ不振

ニコンは 10 月 30 日、中国の生産子会社 Nikon Imaging China (以下、NIC)の操業を停止すると発表した。 同日午前に予定している取締役会で決議する。 NIC は、資本金の 100% をニコンが間接出資している連子会社。 2002 年 6 月に中国江蘇省無錫市に設立し、デジタルカメラやデジタルカメラ用ユニットを製造してきた。 しかしスマートフォンの台頭により、コンパクトデジタルカメラの市場が急速に縮小、工場の稼働率が著しく低下しており、操業を継続することが困難と判断した。

今後は NIC の解散・清算に向けた手続きを開始する。 ニコンでは、「中国は世界で最も重要な市場の 1 つであるという位置付けは変わらない。 上海市にある販売子会社の Nikon Imaging China Sales の業務に変更はなく、より一層力を入れていく。」としている。 (ITmedia = 10-30-17)


車載電池、中国で増産検討 パナソニック、新規制に対応

パナソニックが電気自動車 (EV) などに搭載するリチウムイオン電池について、中国で新たな増産を検討していることがわかった。 中国政府が、乗用車の一定割合を EV などにする新たな規制を 2019 年から始める方針で、こうした動きに対応する。 パナソニックは、車載用リチウムイオン電池で世界最大手。 すでに中国では大連に車載電池工場を建設中で、今年度には稼働する予定だ。 新規制でさらに需要が伸びるとみて、当初計画よりも生産能力を高めることを検討しているという。

EV へのシフトは世界中で進む。 同社は日本では 18 年 3 月末までに兵庫県洲本市の車載電池工場の生産ラインを増やし、同県姫路市の液晶パネル工場でも電池生産を 19 年度に始める方針。 米国でも協業するテスラの EV 増産に伴い、生産能力の増強を検討している。 22 年 3 月期には自動車部品事業の売上高を 2 兆 5 千億円規模とし、17 年 3 月期からほぼ倍増させる計画だ。(新田哲史、asahi = 10-26-17)


三菱自動車、中国で 2 車種以上の EV・PHV 投入へ

三菱自動車は 18 日、2019 年度を目標に、中国で電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド車 (PHV) を 2 車種以上、投入することを明らかにした。 中国は環境規制を通じて EV の普及を進めているため、対応を急ぐ。 三菱自は、世界初の量産 EV 「アイ・ミーブ」や PHV 「アウトランダー」など電動化では先行しており、出遅れた中国で巻き返しを図る。 中国以外では、軽自動車の新型 EV や小型 SUV (スポーツ用多目的車)「RVR」の EV などを発売予定。 20 年以降、主力車種は EV や PHV を順次選べるようにする。

この日発表した中期経営計画では、19 年度の世界販売を 16 年度比 40% 増の年 130 万台、売上高は 30% 増の 2 兆 5 千億円に伸ばす目標を掲げた。 提携する日産自動車が浸透していない東南アジアでは、シェアを 8.3% から 10% に増やし、日産と補い合う計画だ。 大胆な目標設定は日産の経営手法も参考にした。 ただ、日産は無資格者による車両検査の問題で効率優先の行き過ぎが指摘されている。 三菱自の益子修・最高経営責任者は記者会見で、昨年の燃費不正問題からの信頼回復が最優先だと強調し、「慢心や油断が最もいけない。 どこかでほころびが出ないとも限らないのでしっかりやる。」と述べた。(青山直篤、asahi = 10-18-17)


上海の家電見本市で来場者を呆然とさせた、日本人による 3 つの「ブラックテクノロジー」 = 中国メディア

中国では近ごろ「黒科技」、すなわち「ブラックテクノロジー」という言葉が流行っている。 日本のライトノベルから生まれた言葉が中国に入ったもので、「存在しない技術」という原義から大きく派生して「驚くべきハイテク」を指すようになった。 中国メディア・今日頭条は 14 日、先日上海で開かれた家電見本市で日本人による 3 つの「黒科技」が来場者を呆然とさせたと伝えている。

記事が「来場者を呆然とさせたブラックテクノロジー」と形容したのは、今月 7 - 9 日に上海で開かれた世界的な家電見本市 CES アジアに出展した日本の自動車メーカー・ホンダによる新技術だ。 「かつて CES の主役は電子技術製品だったが、今やすでに自動車メーカーが技術開発の成果を発表する舞台になった。 その中で、ホンダは間違いなく注目を集めたメーカーの 1 つとなった。 毎回超絶的な発想力によるコンセプトデザインを打ち出してくるホンダは今回の CES アジアではどんな技術を持ってきたのか見てみよう」としたうえで、3 つの技術を紹介している。

1 つ目は「人の心を読み取るコンセプトカー」として、NeuV を挙げた。 都市での移動に適した小型の電気自動車には「感情エンジン」と呼ばれる AI 技術が搭載されており、ドライバーの表情や声から精神状態を読み取り、安全な運転をアシストすることができると紹介している。

2 つ目は Honda Riding Assist による「転倒しない自立バイク」の技術だ。 出展されたバイクには、ASIMO などのヒューマノイドロボット研究で培ったバランス制御技術を採用したシステムが搭載されており、低速運転や停車中、さらには運転中にバランスを崩した際にバイク自身が平衡を保って車体を安定させると説明した。

3 つ目は椅子に座るような感覚で移動ができるパーソナルモビリティ・UNI-CUB の技術を挙げている。 同社が開発したバランス制御技術により、前後だけでなく全方位の移動を世界で初めて実現したパーソナルモビリティであると伝えている。

記事が取り上げたのは、いずれも今年 1 月に米国で開かれた CES2017 で公開されたもの。 上海での CES アジアで改めて披露されたことで、実物を見た来訪者たちを大いに驚かせたようだ。 中国のネットユーザーからは「100 年経っても追いつけない。 彼らにはひたすら良いものを作ろうとする思いを邪魔するものがないから」、「日本は人工知能への投資に非常に積極的だ。 中国もぜひ追いついて欲しい。」といった声が寄せられた。 (SearChina = 6-15-17)


ホンダもトヨタも … 中国生産拡大相次ぐ 供給が追いつかず、市場成長に対応

ホンダは現在、出資する 2 つの合弁会社で計 111 万台の生産能力を持つ。 しかし、17 年の中国販売は小型スポーツ用多目的車 (SUV) 「XR-V」などの好調により 130 万台超に上る見通しで、供給が追いつかない状態だ。 第 3 工場では、18 年に中国市場に投入する方針の電気自動車 (EV) の生産も視野に入れている。 同敷地面積は約 120 万平方メートルで、生産能力は年間 12 万台。 現地メーカーとの合弁会社、東風ホンダが運営する。 東風ホンダの加藤憲嗣副総経理は「電動化への対応がコンセプトになる。 将来的に、もう一本(の生産ライン設置)も視野に入れている。」と話す。

トヨタは、主力小型車「レビン」などを生産する広州市の合弁工場に約 525 億円を投資。第 3 ラインを新設し、生産能力を現在よりも 10 万台増やして 48 万台とする。 天津市の工場にも約 590 億円を投じ、18 年前半に老朽ラインを新ラインに切り替える方針だ。 日産自動車も、5 月に鄭州市の合弁工場で新型ピックアップトラック「ナバラ」の生産を始め、現地生産を強化している。 (sankei = 6-12-17)


工作機械、中国特需は本物か 4 月受注額 2.4 倍

工作機械の中国特需が続いている。 日本工作機械工業会(東京・港)が 23 日発表した 4 月の受注額(確報値)によると、中国向けは 311 億円と前年同月の 2.4 倍に増えた。 中国企業が「世界の工場」としての競争力を保つため、スマートフォン(スマホ)や自動車の工場で省力化投資を進めているためだ。 一方で中国経済は投資が過熱気味で、機械需要もバブル懸念を拭えない。

「外需は強含みになってきた。 中国の盛り上がりが全体を引っ張っている。」 工業会の石丸雍二専務理事は 23 日の記者会見で語った。 4 月の受注額全体が前年同月比 34.7% 増の 1,337 億 100 万円と 5 カ月連続で前年を超えたのは、中国の「爆買い」が原動力だ。 中国では、2 月ごろから米アップルのスマホ「iPhone」の新型の生産用とみられる需要が現れた。 スマホ向け以外も「FA 機器、ロボットなど全てが活況だ(ファナックの稲葉善治会長兼最高経営責任者 = CEO)」、「伸びは緩やかになるが、当分はいい状態が続く(野村証券の斎藤克史エクイティ・リサーチ部長)」との声が出る。

各社は恩恵を受けている。 ファナックは 2017 年 3 月期に業績見通しを 3 回も上方修正。 18 年 3 月期も想定為替レートを 1 ドル = 100 円と厳しくみながら、増収・営業増益を見込む。 ヤマザキマザックは 17 年に中国の 2 工場で約 10 億円を投じ、合計の生産台数を 2 割引き上げる。 中西正純常務執行役員は「このままの勢いが続くなら、さらなる設備増強も検討する」と話す。

背景には、中国メーカーが省力化投資を加速していることがある。 人件費の上昇が続き、製造拠点としての競争力が危ぶまれるためだ。 中国政府は「中国製造 2025」と呼ぶ産業振興策を掲げ、これを後押しする。 しかし、黄信号もちらつく。 スマホでは米調査会社 IDC が 4 日、17 年 1 - 3 月の中国での出荷台数が前年同期に比べ 0.8% 増にとどまったと発表。 世界の約 3 割を占める中国のスマホ需要は 16 年に約 9% 増えたが、急ブレーキがかかった。

自動車も同様だ。 中国汽車工業協会が 11 日発表した 4 月の新車販売台数は前年同月比 2.2% 減。 前年実績を下回るのは、春節(旧正月)連休の時期が影響する 1 - 2 月を除くと、15 年 8 月以来 1 年 8 カ月ぶりだ。 3 月までの好調は、中国政府が 15 年 10 月に導入した小型車減税が支えてきた。 日系自動車会社の幹部は「減税バブルがいよいよ弾け始めたのかもしれない」と身構える。

中国のマクロ経済全体への不安もある。 政府が 16 年末から海外への資金流出を厳しく制限した結果、国内にあふれたマネーが不動産に流入。 膨らむ資産バブルは中国企業の投資意欲を損なう波乱要因になりかねない。 業界にも警戒論がある。 ツガミは小型旋盤を増産するが「市場縮小を警戒しながら手を打つ。(西嶋尚生社長)」 花木義麿オークマ社長も「年前半は絶対いいが、後半は不透明だ」と慎重だ。 中国市場の盛り上がりは堅実な実需なのか、需要の先食いなのか。工作機械業界が頭を悩ませる状況は当面続きそうだ。 (井沢真志、増田有莉、広州 = 中村裕、nikkei = 5-24-17)


前代未聞! 中国が始める外国人「ABC ランクづけ」制度

日系企業は大パニック

「おどろきの中国」という言葉があるが、外国人を選別する極めつきの制度が、4 月から始まる。 北京でも上海でも、日本人駐在員たちは、前代未聞の措置に右往左往。 スモッグの街からレポートする。

現地法人社長も「C ランク」

「たしかにオレは、もうすぐ定年だし、中国語もからっきしできない。 大学も私学出だ。 だがここでは一応、日系企業現地法人の総経理(社長)だよ。 それなのに自分の点数を算出してみたら、C ランクの国外追放対象。 しかも一緒に日本から来てる若い部下は、B ランクで許可されるって言うんだから、納得いかないよ。」 PM2.5 が 500 近くに達し、昼なんだか夜なんだかよく分からない北京の日本料理店街「好運街」の一角。 いまはやりの「燕京白生ビール」のジョッキを呷りながらボヤくのは、東京に本社がある中堅メーカーから北京に派遣されている駐在員だ。

同席した別の日本人駐在員も憤る。 「中国で外国人が駐在員ビザを取るには、以前から悪名高い『エイズ検査』をパスしなければならなかった。 それに加えて、習近平時代になって、『無罪証明書』の提出も義務づけられるようになった。 そのため、生まれて初めて東京・桜田門の警視庁に出向いて、ドキドキしながら『犯罪記録なし』という証明書をもらったものだ。 それが今度は、駐在員のランク付けだと? 中国は一体、何様なのだ。」 このほど筆者は北京と上海を一週間回ってきたが、現地の日本人駐在員たちの口からは、「A、B、C」というアルファベットが鳴り止まなかった。

それもそのはず、この 11 月に外国人の管理を担当する国家外国専家局の「外国人来華工作許可工作小グループ」が、世界に例を見ない制度を突然、発表したからだ。 それは、来年 4 月 1 日から、中国に居住するすべての外国人を、A ランク(ハイレベル人材)、B ランク(専門人材)、C ランク(一般人員)に3分類するというものだ。 発表文には、次のように記されている。

A ランクの外国人は、居住地域に明るい未来をもたらす優秀な人材のことで、居住を奨励する。 B ランクの外国人は、国内市場の需給や発展に応じて増減させていく人材のことで、居住を制御する。 一方、C ランクの外国人は、臨時的、季節的、及び技術を伴わないサービス業などに従事する外国人で、今後は国家政策に基づきながら、居住を厳格に制限していく。

北京へ戻った熊弁護士に、改めて話を聞いた。 「帰国後も日系企業からの問い合わせが殺到しています。 お客様にはまず、自分たちの点数を試算していただいています。 試算結果から、B ランクのボーダーライン上にいる日本人駐在員が、かなり多いことが分かりました。 この方々に何とか B ランクになっていただきたい。 そして今後中国に駐在員を派遣する時は、確実に B ランク以上の人材を選ばれることを勧めます。」

中国における日系企業の唯一の親睦団体である中国日本商会の中山孝蔵事務局長補佐も語る。 「中国日本商会としては、各企業と同様、まだ情報収集の段階です。 ただ今後の手続きなどを鑑みると、来年 4 月以降、日系企業がある程度、混乱することは避けられないでしょう。」

日本企業の昨年の対中投資は 32.1 億ドルで、14 年の 43.3 億ドルから 25・8% も減少した。 今年の 9 月までの対中投資も 22.7 億ドルに過ぎず、年間 30 億ドルを切る可能性もある。 これは 12 年の 4 割の水準だ。 各国・地域別に見ても日本は 8 位に甘んじていて、シンガポールの投資額の半分、韓国の 6 割に過ぎない。 このように、ただでさえ日本企業は中国市場から引き気味だというのに、来年 4 月以降、C ランクが連発したら、ますます嫌気が差して後退していくだろう。

こうした話を、北京で会った中国の外交関係者に警告したところ、逆に開き直って言った。 「1972 年に中日が国交正常化して以降、長い間、両国関係は、中国が日本を必要とする時代が続いた。 そのため両国関係の主導権は、常に日本側にあった。 ところがいまや、中日関係は、日本が中国を必要とする時代に変わったのだ。 たしかに日本企業が持っている最先端技術は、いまも変わらず貴重だが、それらのほとんどは欧米企業とのビジネスで代替可能だ。」

「われわれがいま、日本からどうしても欲しいのは、高齢化社会に関する知見くらいのものだ。 逆に日本企業にとって、14 億人の中国市場は死活問題だろう。 それなのに、日本人はいまだに、1980 年代のような発想で両国関係を考えている。 来年 4 月からの外国人の 3 分類も、今後は中国が主導権を取って、来てほしい外国人にのみ来てもらうということだ。 われわれはもはや、パンダではなく竜になったのだ。」 日中関係は、まるで北京の空気のように淀んでいくのか。 (近藤 大介 = 『週刊現代』編集次長、現代ビジネス = 1-2-17)


ソニー、中国工員スト金銭解決「供給守る現実策」

現地法人トップに聞く

ソニーの中国南部にある広東省の工場で 11 月、従業員約 4 千人による大規模なストライキが起きた。 工場を中国企業に売却することに不満を示し、補償金を求めるストが約 2 週間続いた。 同時期に米コカ・コーラの中国工場でも同様の理由でストが起き、中国ビジネスの難しさが改めて浮き彫りになった。 ソニーの中国の現地トップ、高橋洋董事長 (55) に金銭解決に至った判断や中国事業への見方を聞いた。

- - 今回、カメラ部品を生産する広東省の広州工場で、なぜ大規模なストが起きたのですか。

「11 月に中国企業への工場売却が決まった。 従業員も労働条件など、そのまま中国企業に引き継ぐことも決まり、我々は粛々と業務移管を進めればよかった。 ただ、従業員はソニーと全く関係のない企業に移ることが不安で、不満を持った。」

- - ソニー側に何か、落ち度はありましたか。

「正直ない。 今振り返っても、こうすればよかったと思うこともない。 我々は全力を尽くした。」

- - ただ、従業員はソニー側から工場売却に関し、事前の説明不足を指摘していました。

「私には 2 つの原則がある。 1 つは、不安になっている従業員に誠心誠意寄り添い、包み隠さず、会社の決定を丁寧に説明すること。 2 つ目は法に従い、現地政府の指導も受け行動を進めること。 この 2 つの原則を絶対に曲げずに貫くことが中国ビジネスでは大事で、今回もそれを貫いた。」

- - ただ今回、従業員は職場を放棄したうえ、支払う義務のない経済補償も求めました。

「非合法な要求だが、会社が替わることに不安を持つ気持ちも分かる。 だが、我々には顧客への供給責任がある。 だから、生産ラインに戻って仕事を再開してくれる従業員には(最大約 1 万 6 千円の)『功労金』を支払うことにした。」

- - 従業員のごね得にも映りますが、やはり金銭解決は必要ですか。

「顧客への供給責任がある以上、(2 週間も続いたストに)どこかで落とし所をみつけるしかない。 我々も、最後は現実的な解決をしたわけだ。」

- - 高い経済成長を遂げた中国ですが、この 10 年間で従業員の質にどんな変化がありましたか。

「ホワイトカラーの質が格段に上がった。 非常に能力が高い。 一方、工場の従業員の方々は正直、本質的には、まだあまり変わってはいない。」

- - 中国で労働争議は今後も続きますか。

「中国は国全体が今、構造改革の途上にある。 改革にはリストラなど大変な痛みが伴う。 労働争議は不可避で今後も増えるだろう。 だが、だからといって中国が駄目だというのは少し短絡的だ。」 「労働争議は改革に必要なプロセス。 それを通して色々な経験を今、企業も政府も労働者も蓄積している段階だ。 政府もそれをよく理解していて今回起きたストへの対処にも協力的だった。」

- - ソニーは中国で 7 工場を持ち、数万人を雇用しています。 今後のビジネスをどう見ますか。

「(政府に対しては)外資企業の参入や撤退の手続きを、もう少し容易にしていただきたい。 だが、中国のビジネス環境自体は間違いなく良い。 日本企業の場合、自社が強い分野に特化して参入したとしても、まだ巨大な市場が広がっている。 こういう国は他にない。 当社も確実に利益を出している。 日本企業にはまだまだ、かなりの投資機会があると見てよい。」 (nikkei = 12-23-16)

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日本企業の中国撤退が加速 「ソニー」がカメラ部品工場売却で大規模スト発生

日本企業の中国からの撤退が加速しそうだ。 人件費の高騰に加え、円安・人民元高が進んでいるのだ。 ソニーが中国・広州市のカメラ部品工場売却を決めたところ、現地の従業員に大規模ストライキを起こされる事態も発生した。 欧州企業などへの撤退連鎖も指摘される。 今後の展望・対応について、ジャーナリストの前屋毅氏が迫った。

中国から日本への輸出は今年 1 - 10 月、前年比で 5.3% 減となった。 日本企業が中国で生産した製品を日本に送り出す比率が高いため、これは日本企業が中国での生産を縮小していることを示している。 日本企業だけではない。中国の貿易相手国として首位の EU でも同時期に 4.9% 減、第 2 位の米国も同 7.7% 減となっている。 各国の企業が、中国での生産を縮小していることが数字にも表れている。

広州市にあるソニーのスマートフォン向けカメラ部品の製造工場での大規模ストライキは 11 月 10 日ごろ発生し、24 日に収束した。 工場を深セン市の電子部品メーカーに売却することが引き金となったが、他社も人ごとではない。 日中経済協会(宗岡正二会長)の訪中団が今年 9 月、中国商務部を訪問し、「中国から撤退する際の手続き迅速化を要請した」という。 それほど、日本企業は中国からの撤退を急いでいる。

これは賃金の上昇や円安・人民元高に加え、沖縄県・尖閣列島をはじめとする、日中の政治的関係が懸念されるためだ。 中国政府としては、日本企業を引き留めるために政治的妥協するつもりはない。 自国企業を育成するために、外国企業への優遇策を次々と廃止していることも大きい。 中国から撤退して、どこに生産拠点を移すかも難題だ。 インドやベトナムが注目されたが、進出ラッシュが続いて、インフラが整っている地域が少なくなり、良質の労働者を確保することが難しくなったという。 日本企業にとっては試練の時が続きそうだ。 (夕刊フジ = 12-7-16)


ユニーのスーパー、中国本土撤退へ 営業赤字で売却

ユニー・ファミリーマートホールディングスは 5 日、ユニーが手がけてきた中国本土でのスーパー事業から撤退すると発表した。 2014 年 9 月に上海に開いたばかりの 1 号店が振るわず、売却する。 中国本土では、ファミマの名前で約 1,700 店を展開するコンビニ事業に注力する。 現地で総合スーパー「アピタ」 1 店を営む会社の全株式を香港の投資会社に売る。 売却額は明らかにしていない。 店の営業は続く見通しという。

ユニーは 1987 年、香港からスーパーの海外出店を開始。 続く中国本土では 2020 年ごろまでに約 20 店を出す方針だった。 しかし、その 1 号店が、テナントの誘致の遅れもあって振るわず、15 年 12 2月期に 13 億円の営業赤字を出した。 香港に構えるスーパー 3 店は好調で、運営を続けるという。 スーパーもコンビニも展開するユニーと、コンビニに特化するファミマは 9 月に統合。 新商品の投入などでコンビニ事業をてこ入れする一方、振るわないスーパー事業の見直しを進めている。 (asahi = 12-6-16)


ホンダ、1 - 11 月の中国自動車販売がトヨタ上回る

[北京] ホンダは 11 月の中国自動車販売台数が前年比 39.5% 増加し、1 - 11 月の累計でトヨタ自動車を上回った。 新モデルへの人気が追い風となった。 ホンダは中国での月間販売台数が 9 カ月連続で 2 桁の伸びを記録した。 10 月は 39.6% 増だった。 新型「シビック」や SUV (スポーツ多目的車)への人気が寄与した。 1 - 11 月の販売台数は前年比 28.3% 増、前年同期は 33% 増だった。

トヨタは 11 月単月が前月比 6% 増(前月は 4.1% 増)、1 - 11 月は前年比 10% 増(前年同期は 10.3% 増)だった。 トヨタは年間販売目標の 115 万台を 11 月時点で達成した。 ホンダは年間販売目標を 10 月に約 10 万台引き上げ 118 万台としており、11 月時点でこれに迫った。

ホンダは 1 - 11 月の累計販売台数でトヨタを約 1 万 4,500 台上回った。 ホンダの販売台数がトヨタを上回るのは今年に入って初めて。 好調が続けば、年間販売台数でもトヨタをわずかに上回る可能性がある。 ホンダは中国での需要拡大に対応するため中国湖北省武漢市で新工場を建設する計画で、報道関係者に送られた招待状によると、12 月 8 日の着工を予定している。 (Reuters = 12-2-16)

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トヨタ、中国で燃料電池車「ミライ」を試験中 = 幹部

[広州(中国)] トヨタ自動車の大西弘致・中国本部本部長は 18 日、中国で燃料電池車「ミライ」の試験を行っていると明らかにした。 広州国際モーターショーで語った。 ミライは 4 人乗りセダンで、1 回の水素充填(じゅうてん)での走行距離は約 480 キロとされる。 (Reuters = 11-18-16)

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トヨタ中国販売 4.1% 減、4 か月ぶりに減少 10 月

トヨタ自動車の中国法人は 11 月 2 日、10 月の中国における新車販売の結果を明らかにした。 総販売台数は 9 万 9,200 台。 前年同月比は 4.1% 減と、4 か月ぶりに前年実績を下回った。 トヨタの 10 月販売は 4 か月ぶりに後退したものの、小型車の販売は引き続き好調。 中国で 2015 年 10 月から開始された小型車に対する減税の効果で、排気量 1.6 リットル以下の『カローラ』や『レビン』を中心に、顧客の支持を集めた。

トヨタの中国合弁には、第一汽車との一汽豊田、広州汽車との広汽豊田の 2 社がある。 トヨタの 2015 年の中国新車販売台数は、112 万 2,500 台。 前年比は 8.7% 増だった。 2 年連続で 100 万台の大台に届き、過去最高を更新した。 トヨタの 2016 年 1 - 10 月の中国累計新車販売台数は、前年同期比 10.5% 増の 98 万 3,000 台。 トヨタは 2016 年、中国で前年比 2.4% 増の 115 万台の販売を目指している。 (森脇稔、Response = 11-4-16)

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ホンダ、中国に新工場 小型車回復で凍結一転

【広州 = 中村裕】 ホンダは中国内陸部の湖北省武漢市に乗用車の新工場を建設する。 早ければ年内にも着工し、2019 年春をメドに稼働する。 総投資額は数百億円で中国の生産能力を 2 割引き上げる。 ホンダは昨秋、景気後退を受けて新工場の計画をいったん見送った。 小型車購入への減税措置で市場環境が良くなり、一転して建設に踏み切る。 中長期で成長余地が大きい世界最大市場の中国で日本を超える生産体制を整える。

中国は昨年夏の株価急落に伴い景気の後退基調が鮮明になった。 日本企業も事業縮小が相次ぎ、ホンダは新工場の建設計画を取りやめた。 ただ中国政府が昨年 10 月に小型車減税を導入したことで市場が回復。 ホンダの中国の生産能力は年間 100 万台強で日本とほぼ同水準だが、新工場建設で米国に次ぐ市場という位置付けが鮮明になる。

日本車は小型車に強く、減税効果を追い風に日産自動車も新型車の投入を増やし、トヨタ自動車は広東省広州市で新工場建設を急いでいる。 シェア上位の米ゼネラル・モーターズ (GM) や独フォルクスワーゲン (VW) を 4 位以下の日本勢が追う構図が強まる。 ホンダは中国向けの大規模な完成車工場を広州市に 3 工場持つほか武漢市に 2 工場を抱える。 いずれも中国企業との合弁で新工場は武漢市の第 3 工場となる。 中国当局の最終審査を待っており、許可が下り次第、現地合弁の東風本田汽車(湖北省)が建設に着手する。

新工場の生産能力は稼働当初は年 12 万台分で、需要動向を見極めて順次、年産 24 万台まで増強する。 中国全体(輸出専用工場除く)では、現在の 108 万台から 130 万台強へ 2 割上がる。 中国政府による減税は小型車(エンジン排気量 1,600cc 以下の乗用車)を対象に1台当たり 10 万円前後の値引き効果がある。 これにより、今年 1 - 9 月の中国新車販売は既に日本市場の年間の 4 倍に匹敵する 1,936 万台となり、前年同期比 13% 増えた。

ホンダは 1 - 9 月の中国新車販売が市場の伸びを上回る 26% 増で直近の 9 月も 47% 増。 人気の多目的スポーツ車 (SUV) の小型車を複数ラインアップするなど価格競争力の高い車種の投入が奏功している。 日本や欧州の工場は余裕があり、新工場は原則つくらない方針だが、中国で例外的に大型投資に踏み切る。

世界 2 位の自動車市場である米国は 9 月まで 2 カ月連続で新車販売が前年実績を下回り、同 3 位の日本市場も上半期(4 - 9 月)の販売が 1% 減。 中国市場は 18 - 19 年に日本市場の約 6 倍の年間 3 千万台に達するとみられており、ホンダは減税効果だけでない販売増が見込めると判断した。 (nikkei = 10-18-16)

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日本車の中国販売、年 400 万台に 日本市場に迫る

【広州 = 中村裕】 日本車メーカーの中国での新車販売が今年初めて 400 万台の大台を突破する見通しとなった。 主要 6 社の 1 - 8 月の累計販売台数は過去最高の前年に比べ 10% 増で、今後も伸び続ける見通し。 日本国内の新車市場の約 484 万台(2016 年度見通し)に迫る。 米国新車販売に減速感が出ているなか、世界最大の車市場である中国で好調を維持できるかどうかが各社の業績を左右しそうだ。

中国で現在、新車販売を手掛ける主な日本車メーカーはトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、スズキ、三菱自動車の 6 社で、日本のブランド車の販売のほぼ 100% を占める。 主要 6 社の販売実績を独自に集計したところ、今年 1 - 8 月の累計販売は 265 万台に達した。 残り 4 カ月間で前年実績並みに販売がとどまっても、過去最高だった前年実績の 390 万台を 20 万台強も上回り、過去最高を更新するのは確実だ。

中国では数年前まで欧米メーカーのセダンや大型車が人気だった。 ただ市場の成熟に伴い日本メーカーが得意な多目的スポーツ車 (SUV) や故障の少ない日本の小型車に人気が移っている。

中でもホンダは 1 - 8 月の累計販売が前年同期比 23% 増の 75 万台、直近の 8 月も 36% 増と好調だ。 ホンダは中国でいち早く SUV を投入したことなどから販売を伸ばしている。 中国では現在、エンジン排気量 1,600cc 以下の小型車に対しては、新車購入 1 台当たり 10 万円前後の値下げ効果がある減税措置策が続いている。 同対象車がホンダの主力車の中に多い事も好調な要因の一つだ。

トヨタの小型車「カローラ」も減税対象車で人気が高い。 同社の 1 - 8 月の累計販売は同 12% 増の 78 万台と大きく伸びており、広東省広州市に新工場を建設中だ。 中国では最大手の日産も同 6% 増の 80 万台。 カルロス・ゴーン社長は「中国は世界最大の市場で日産にとっても重要な市場と位置付けている」とし、電気自動車 (EV) などの販売を今後強化する。

他国のメーカーとの比較が可能な 1 - 7 月の乗用車累計販売台数で見ても、外資では日本ブランドの車が 13% 増と最も伸びている。 米国ブランドが 11% 増、独ブランドが 11% 増と続き、日本車は外資では唯一、前年からシェアが上昇した。 中国市場全体の新車販売は今年、15 年実績比 6% 増の 2,604 万台が見込まれる。 09 年に米国を抜き去り、世界の新車販売市場の約 3 割を占める最大の自動車大国だ。

小型車減税策などの効果で拡大しているが、同政策は年内に終了する予定。 米国市場は今年 8 月の販売台数が 3 カ月ぶりに減少するなど減速している。 日本国内は少子化や若者の車離れなどで大きな成長が期待できない。 中国でどこまで勢いを持続できるかが今後の成長を左右する。 (nikkei = 9-19-16)


中国工場売却、従業員の乱 ソニーに補償金要求

撤退の難しさ浮き彫り

ソニーの中国広東省広州市の工場で、従業員による大規模なストライキが発生していることが 22 日までに分かった。 同工場の売却を発表したことに対して従業員が一斉に反発し、4 千人を抱える工場で生産が中止に追い込まれる事態となった。 中国では待遇改善だけでなく、撤退に絡んでも日本の大手企業を狙うストが相次ぐ。 中国ビジネスの難しさを改めて浮き彫りにした格好だ。

端はソニーが 7 日に発表したリストラ計画だ。 計画は広州市にあるカメラ部品の工場を約 100 億円で中国企業に売却し、同工場から完全に撤退するというものだ。 工場は 2005 年に稼働。 足元で 4 千人もの雇用をもたらしているが、中国経済が減速する中で厳しい決断を迫られた。 従業員は全て売却先の中国企業に引き継ぐとしており、ソニーに特段の非があるわけではない。 ところが、この決定に翌日から従業員が一斉に反発した。

「我々はソニーの社員だ!」、「何の説明もなく勝手に中国企業に工場を売るな!」、「デモが嫌なら補償金をよこせ!」 従業員らは口々にこう叫び、工場幹部らに迫った。 10 日からは工場の出入り口を封鎖して製品の出荷を遅らせる強硬策に出た。 15 日には納期が迫る製品の出荷に困る状況下、警察がようやく事態収拾に乗り出し、デモを鎮圧。 負傷者も出て、デモを主導した 11 人の従業員らが逮捕される事態にまで発展した。

しかし、これで収まらなかった。 「我々従業員は機械ではなく奴隷でもない。 我々を(他の企業に)売らないでください。 我々にも尊厳と人権があります。」 16 日からは従業員らがこうした横断幕を工場の門に掲げ、工場に出勤するものの仕事はせず、工場内の食堂や運動場で思い思いに時を過ごす。 それが 22 日現在まで続いている。 周囲は今も万が一に備え、多くの警官隊が見張る異様な状況だ。

従業員が強硬手段に出るのには訳がある。 狙いは「補償金」だと従業員らは口々に認める。 26 歳の女性従業員は「ソニーが撤退すると聞いて驚いたけど、リーダーの人から、ストに参加したら、ソニーは有名な大きな会社なので多額の補償金がもらえると聞き、よく分からないけど参加した」と明かした。 そのうえで「お金がもらえるまで生産ラインには戻らないわ」と言い切った。

実際、企業側に全く非がなくても「多額の補償金を積むことで早期収拾を優先してきた日本企業は多い。」 中国の労務や撤退問題に詳しい IBJ コンサルティング(広州市)の前川晃広氏は進出企業の実態をそう指摘する。 従業員に騒ぎ続けられるよりも、補償金で解決するなら、それで収拾してしまいたいというのが企業側の考えだ。 そのことをよく知る従業員らは、交流サイト (SNS) を使って過去の事例などの情報を共有し合う。 「どの企業が、何かあった時、どれだけの補償金を出したのかなどをよく把握し、それを交渉の材料に使う(前川氏)」のだという。

今回のソニーのケースも手続き上、企業側に全く非はない。 労働契約法第 33 条は「雇用単位が名称、法定代表者、主たる責任者又は投資家等の事項を変更することは、労働契約の履行に影響しない」と規定。 今回は売却で雇用主が変わるだけであるため、ソニーは従業員に経済的な補償は一切行わなくていい。 本来支払う必要のない補償金という日本企業が何度も苦汁をなめた問題に対し、ソニーがどう臨み、事態を収拾するかが注目される。

中国側もこの問題をどう受け止めるのか。 「量から質へ」と産業高度化を標榜する以上、海外企業などに公正な事業環境を用意する必要があるが、現実はほど遠い。 少なくともこうした「ゴネ得」を狙う行為が繰り返されるなら、海外からの投資が今後一段と冷え込むことになるという認識と覚悟が必要だ。 (広州 = 中村裕、nikkei = 11-23-16)


パナソニック、90 人超懲戒処分 海外で接待 2 千回以上

パナソニックが、テレビ用部品の購買(調達)を担う社員 90 人超に対し、降格などの懲戒処分を一斉に出していたことが 4 日、わかった。 同社は社内規定で、調達部門の社員が取引先から接待を受けることを原則として禁じている。 処分を受けた社員らは過去 5 年間、のべ 2 千回以上の接待を受けていたという。

関係者によると、2012 年ごろから 16 年秋にかけて、部品の調達部門の社員らが中国など海外に出張した際、同社に部品を納める複数のメーカー担当者らからのべ 2 千回以上、飲食などの接待を受けていたという。 最近になって発覚し、同社が担当部署などに聞き取り調査したところ、こうした接待の事実が判明。 1 日付で処分に踏み切った。 対象者はテレビ用部品の調達部署の 70 人強を中心に複数の部門にわたる。 約 5 人が降格となったほか、30 人前後が出勤停止、50 人前後が譴責となった。 (asahi = 11-5-16)


中国進出の日本企業 1.4 万社に増加、小売が拡大 = 帝国データバンク

帝国データバンクの調査によると、中国に進出する日本企業の数は 2016 年 8 月末の時点で 1 万 3,934 社に達した。 前回調査(2015 年 6 月)時の 1 万 3,256 社に比べ、678 社 (+5.1%) 増加している。 中国経済の減速や外交摩擦といった問題はあるものの、反日感情が比較的落ち着きを見せたことなどから進出企業が増加しているという。

業種別で見ると、「製造業」の 5,853 社が最多で、全体の 42.0% を占めた。 ただ、ウエートは前回調査の42.9% から 0.9 ポイント低下している。 2 位以下は、「卸売業」の 4,633 社、サービス業の 1,705 社で、構成比はそれぞれ 33.2%、12.2% という規模。 また、「小売業」は 503 社で構成比 3.6% に達し、ウエートが 0.5 ポイント拡大した。 本社所在地を都道府県別に見ると、「東京都」が 4,743 社(構成比 34.0%)でウエート最大。 これに、「大阪府」の 2,096 社、「愛知県」の 1,103 社が続いた。 これら上位 3 都府県で計 7,942 社に達し、全体の 57.0% を占めている。

年商規模別では、「10 億円以上 100 億円未満」の 6,058 社(構成比 43.5%)が最も多かった。 中国進出にあたって工場や物流施設、販売施設などの大規模な初期投資、人員管理が求められる「製造業」や「卸売業」などで、年商「10 億円以上 100 億円未満」の構成比が最も高かった。

帝国データバンクによると、持続的な成長を目指す日本企業にとって、約 13 億人の巨大市場を擁する中国は無視できない存在となっており、今回の調査では、小売業を中心に販売拠点としての進出も進んでいることが分かった。 ただその一方で、2015 年 9 月に民事再生法を申請した第一中央汽船など、倒産に至る企業も散発的に発生しているほか、中国事業の縮小や撤退を検討する企業も続出。 また、中国独自の商習慣や法制度により、進出した地域によっては、日本企業が撤退時に思わぬ苦労を強いられることもあるという。 (Kabutan = 10-17-16)

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日本企業が中国から大規模撤退? 欧米企業へ連鎖する可能性も = 中国報道

主要企業のトップらが参加する日中経済協会の訪中団が 22 日、中国商務部を訪問した。 日本経済新聞によれば、訪中団は中国側に対し、「中国から撤退する際の手続き迅速化を要請した」という。 主要企業のトップらが参加する日中経済協会の訪中団が 22 日、中国商務部を訪問した。 日本経済新聞によれば、訪中団は中国側に対し、「中国から撤退する際の手続き迅速化を要請した」という。

中国メディアの百度百家はこのほど、約 230 人からなる日本企業の訪中団は中国に数日滞在しただけですぐに帰国したと伝え、不思議なのは「中国のメディアも日中双方の会談内容についてほとんど報じていないこと」だと紹介。 訪中団と中国商務部の詳しい会談内容がほとんど報じられないなか、訪中団が「中国から撤退する際の手続き迅速化を要請した」という報道について、日本企業の大規模な撤退が始まれば、中国経済にとっての打撃は極めて大きいと警鐘を鳴らしている。

中国では現在、外資企業の撤退には行政の許可が必要であることを指摘する一方で、「各地方で残余財産の持ち出しが制限されるケースが相次いでいる」とし、日本企業はこうした中国の事業環境に不満を抱いており、そのため中国商務部に抗議を行ったのだろうと推測した。

続けて、中国は外資企業の撤退に対し、どのように対処すべきかと問題を提起しつつ、「企業が撤退し、残余財産を日本に送金することは大きな問題ではない」と主張。 だが、日本企業が「大挙」して中国から撤退しようとする場合は「非常に大きな問題である」とし、日本企業の撤退は欧米企業の連鎖的な撤退を招きかねないと主張、「すでに経済成長率が低下している中国にとって "泣きっ面に蜂"」となる可能性があると警鐘を鳴らした。

さらに記事は、日本企業の中国に与える影響は「他国を凌ぐ」とし、中国が改革開放政策を始めた当初、「欧米企業が中国への投資に手をこまねくなか、日本企業は率先して中国に投資を行い、中国経済の成長を促進してきた存在」と指摘。 日本企業は中国国内で大きな経済基盤を構築しており、仮に日本企業による大規模な撤退が始まれば、中国経済は大きな打撃を受けるはずだと論じた。 (SearChina = 9-28-16)