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北朝鮮の派兵、ゼレンスキ―大統領「プーチンは反応見ている」 … ロシアのクリミア併合引き合い

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 10 月 31 日、X (旧ツイッター)への投稿で、ロシアに派遣された北朝鮮兵が近くウクライナとの戦闘に投入されるとの見通しを示し、国際社会に早急な対応を呼びかけた。 ゼレンスキー氏は、北朝鮮兵の一部が露西部クルスク州で戦闘準備に当たっていると明らかにし、「これは 2 国(露朝)対 1 国(ウクライナ)の戦争だ」と強調した。

2014 年にロシアがクリミアを一方的に併合した際、「世界的な反応はほとんどなかった」と指摘し、「今日の北朝鮮の関与も同様だ」と不満をにじませた。 「プーチン(露大統領)は西側諸国や北大西洋条約機構 (NATO)、韓国を試し、反応を注視している。 反応が弱ければ、ウクライナに派遣される外国兵の数は増えるだろう」と訴え、各国に対応を求めた。

北朝鮮軍が実戦経験を積むことはアジアの安全保障にも影響を及ぼすと指摘し、韓国からの軍事支援や情報共有に期待を示した。 中国の沈黙に驚いている。 日本と韓国が中国に働きかけることは北朝鮮の侵略に対抗する上で不可欠だ」と述べ、中国が北朝鮮への影響力を行使するよう訴えた。 これに対し、中国外務省の 林剣(リンジエン) 副報道局長は 1 日の記者会見で「中国は両国(露朝)の交流や協力の具体的状況を把握していない」と反論した。 (yomiuri = 11-1-24)

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北朝鮮兵の戦闘従事「数日以内」 ゼレンスキー氏「多くが犠牲に」

ウクライナのゼレンスキー大統領は韓国 KBS テレビの取材に応じ、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍の戦闘が「数日以内に発生する」との見通しを語った。 KBS によると、取材は 10 月 30 日にウクライナ西部ウジュホロドで行われ、その内容が 31 日に KBS のサイトとゼレンスキー氏の SNS で公開された。 ゼレンスキー氏によると、ロシア国内の訓練施設にいる北朝鮮兵は 1 万 2 千人に達する。 そのうち一部はウクライナ軍が越境作戦を展開するロシア南西部クルスク州にいて「戦闘の準備を進めている」という。 ただ、30 日時点では戦闘行為には従事していないという。

同州には現在、ロシア軍が「4 万 5 千人」いるという。 ただ、ゼレンスキー氏は北朝鮮兵が優先的に最前線に配置されると主張し、「多くが死ぬ。 ロシア軍よりも多くの犠牲を払うことになる。」と指摘した。 (asahi = 11-1-24)

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「1 人を除いて全員戦死」 北朝鮮軍がウクライナ軍との戦闘でほぼ全滅の可能性

ロシアに派兵された北朝鮮軍がウクライナ軍とすでに戦闘を繰り広げ、ほとんどが戦死したとの情報が伝えられた。 リトアニアの公共放送 LRT は 28 日(現地時間)、リトアニアの非営利団体「ブルー/イエロー」のヨナス・オーマン代表の発言を引用し、北朝鮮軍とウクライナ軍の衝突について報じた。 オーマン代表は信頼できる情報源を通じて、25 日にロシアのクルスク地域でウクライナ軍と北朝鮮軍が戦闘を行い、「北朝鮮軍の部隊員のうち 1 人を除いて全員が戦死した」と伝え、「生存者が自身がブリヤート人であることを示す書類を所持していた」と付け加えた。

しかし、オーマン代表は死亡者数や正確な衝突位置について具体的な情報は提供していない。 オーマン代表によると、北朝鮮軍のロシア派兵の兆候は約 6 か月前に初めて確認され、当時、北朝鮮軍はベラルーシで第 103 ベラルーシ空挺旅団などの現地軍と訓練を行ったとされている。 最初に派兵された北朝鮮軍の数は約 1,500 人だったが、その後 1 万 1,000 人から 1 万 2,000 人にまで増加したとされる。 オーマン代表はこのような兵力規模が「8 万 8,000 人まで増加する可能性がある」とし、これは単なる噂ではなく具体的な諜報情報に基づいていると強調した。

また、オーマン代表は今回のクルスクでの衝突が試験的な側面を持つと分析し、「北朝鮮軍が今後『弾除け』として使われる可能性が高い」とした。もし効果があると判断されれば、北朝鮮軍が中隊または大隊単位でロシア軍に統合される可能性があると予測した。 ロシアが北朝鮮軍とどのように調整しているかという質問に対して、オーマン代表は「ロシアの司令官には韓国語を話せる人がいないため混乱を招いている」と述べ、「北朝鮮軍がロシア軍にとって大きな悩みの種になっている」と指摘した。

さらにオーマン代表は「北朝鮮軍は少なくとも迫撃砲程度は装備しているが、自前の砲兵はないだろう」とし、「現在北朝鮮軍はロシアの武器を使用している」と説明した。 この報道はまだ公式に確認されておらず、ウクライナ当局や現地メディアもこれに関連する立場を発表していない。 (ウィキツリー、韓国・江南タイムズ = 10-30-24)


米供与戦車が「ロシア領内」で躍動
 森に潜む敵に容赦なく砲撃する「大迫力映像」をウクライナが公開

クルスク州でのダイナミックな交戦の様子をウクライナの第 47 独立機械化旅団が共有。 同旅団は今月、米国から供与されたエイブラムス戦車とブラッドレー歩兵戦闘車が「戦場に変化をもたらす」と述べていた。

ウクライナ軍の意表を突く越境攻撃から 3 カ月が経とうとしているなか、米国が供与した戦車と装甲車両が、ロシア領内で活動しているところを映したとする新しい動画が公開された。 数百キロにわたる前線の激戦地に配備されてきたウクライナの第 47 独立機械化旅団は 28 日、米国から供与されたエイブラムス戦車とブラッドレー歩兵戦闘車が、ロシアのクルスク州で交戦している様子を映したとする動画をソーシャルメディア上で共有した。 ウクライナ軍の兵士らは、ロシアの陣地を標的とした米国製 TOW 対戦車ミサイルによる攻撃を含む国境地域での作戦を遂行した、と同旅団は述べている。

本誌はこの動画の真偽について、独自に確認することはできていない。 ウクライナ軍のクルスク州への越境攻撃は、ウクライナに最も近い同盟国を含む多くの国際的な観測筋も驚かせた。 ロシアは当初、この奇襲を食い止めるのに手間取った。 攻撃の多くはスジャの町の周辺に集中していた。 ウクライナは侵攻開始からわずか 1 週間でスジャを占領し、その北西に位置するコレネヴォに進軍した。 ロシアはここ数週間で、コレネヴォの南のウクライナが以前に占領していた領土を奪還した。

前線の戦況の変化を日々追跡している米国のシンクタンク「戦争研究所 (ISW)」は 27 日、現在ウクライナが掌握しているクルスクの「ウクライナの突出部」と呼ばれるエリアでは、ウクライナ軍とロシア軍の双方が進軍を続けていると述べた。 ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官が 25 日に述べたところによれば、クルスク州におけるロシア軍の人的損害は、死者、負傷者、捕虜になった者を合わせて 1 万 7,819 人に上るという。 一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はウクライナ軍がクルスク州で「包囲」されたと述べた。

第 47 独立機械化旅団は声明で、「米国製の装備が敵の領土にあるところを半年前に誰が想像できただろうか?」と述べている。 同旅団は今月、エイブラムスとブラッドレーの性能を称賛し、「米国製の装備は戦場に変化をもたらす」と述べた。 米国防総省の文書によれば、米国はこれまでにエイブラムス戦車 31 両とブラッドレー歩兵戦闘車 300 両超、さらには支援用車両もウクライナに供与している。

ウクライナ第 116 独立機械化旅団は 26 日、第 47 独立機械化旅団がブラッドレーを含む装甲車両と複数の他の部隊の支援を受けて、「傑出した部隊間の協働により入念に準備された攻撃作戦」を遂行していると述べた。 ウクライナ軍は場所について明かしておらず、本誌もこの報告について独自に確認することができなかった。 (エリー・クック、NewsWeek = 10-29-24)


「北朝鮮兵の一部がロシア南西部に」 米高官が派遣の可能性を指摘

北朝鮮兵のロシア派遣をめぐり、米ホワイトハウスのカービー広報補佐官(国家安全保障担当)は 25 日、ロシアにいる北朝鮮兵の一部が南西部のクルスク州に派遣される可能性があるとの見方を示した。 日米韓の高官は同日、ワシントンで会談し、ロシアへの北朝鮮兵派遣に「重大な懸念」を表明した。 クルスク州ではウクライナが越境作戦を展開している。 カービー氏は訓練などのためロシアにいる北朝鮮兵は「3 千人以上の可能性がある」と指摘したうえで、一部がクルスク州に派遣される可能性があるとした。

ウクライナのゼレンスキー大統領は 25 日、北朝鮮兵が 27、28 日にかけて戦闘地域に配置されるとの見方を示していた。 その中で 25 日、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)、日本の国家安全保障局 (NSS) の秋葉剛男局長、韓国の申源G(シンウォンシク)・国家安保室長がワシントンで会談した。 共同声明で、ロシアに派遣された北朝鮮兵が「ウクライナに対して戦場で利用されうる」と指摘。 ロシアと北朝鮮の軍事協力の深化が「ロシアの戦争による安全保障上の影響をインド太平洋にまで拡大させる」とし、中止するよう求めた。

これに関連し、韓国大統領府高官は 25 日、ワシントンで記者団に対し、派遣された北朝鮮兵が戦線に投入された場合、「後方での作戦支援や警戒任務に投入される可能性もある。 色々な段階があるだろう。」と指摘した。 聯合ニュースが伝えた。 また、この高官は北朝鮮兵の派遣の見返りとして、ロシアが軍事偵察衛星や核、大陸間弾道ミサイル (ICBM)、航空機などの技術支援を行うこともあり得るとし、日米韓で対応を協議したと明らかにした。 そのうえで、韓国政府は外交的な圧力を手始めに「様々なオプションを実行する」と牽制した。

韓国政府は 25 日、北大西洋条約機構 (NATO) や欧州連合 (EU) と情報を共有するため、代表団を派遣すると発表した。 北朝鮮兵のロシア派遣をめぐっては、ロシアのプーチン大統領は 24 日の記者会見で否定しなかった。 北朝鮮の朝鮮中央通信は 25 日、「もしいま国際報道界が騒いでいるようなことがあるなら、それは国際法の規範に合致する行動だと考える」との外務省幹部の主張を伝えたが、派遣を否定はしなかった。 韓国の専門家らは「派遣を間接的に認めたもの」とみている。 (ワシントン・清宮涼、ソウル・太田成美、asahi = 10-26-24)


ヘルソン州キンブルン砂州で、ロシア部隊をウクライナ軍が急襲 「集中爆撃」の瞬間映像を公開

黒海に面したドニプロ川河口のキンブルン砂州はミコライウ港に発着する艦船を支配できる重要な地点に位置する戦略的な要衝とされている

ウクライナ軍は、ロシア軍が占領する南部ヘルソン州キンブルン砂州を攻撃したと発表した。 この攻撃の様子だとする新たな映像には、ロシア部隊の陣地と見られる海辺の場所に集中的な爆撃が行われ、周囲一帯に多くの水柱や煙が上がる様子が映っていた。 両国の戦争は黒海周辺のほか、ウクライナ東部およびロシア南部でも激しい衝突が続いている。 国内南部を拠点とするウクライナ軍は、「キンブルン砂州に集結した敵に対する攻撃」とする短い映像を公開した。 映像では、海に近い陸地が爆撃され、水柱や煙が上がっているように見える。 本誌は、この映像を独自に検証できていない。

現在ロシアが占領しているキンブルン砂州は、ドニプロ川の河口に位置し、ウクライナのミコライウ港に発着する船舶を支配することができる。 ウクライナは、2022 年後半にヘルソン州で最初の反攻作戦を展開し、ロシア軍をドニプロ川東岸に押し戻した。 ドニプロ川東岸は、この地域の戦闘の前線となっている。 ウクライナ南部の戦闘は、東部ドネツク州やロシア西部クルスク州などで行われている、より激しい衝突に比べるとあまり注目されていない。 ロシアのクルスク州では、ウクライナ軍が国境を超えて奇襲作戦を開始してから数カ月が経過している。

ウクライナ南部の軍高官、セルヒー・ブラチュクは 10 月前半、ロシアは「黒海北西部への圧力を維持できるため、この地に固執している」と述べた。 ウクライナは、黒海北西部に駐留するロシア軍を脅かしており、ドローンとミサイル攻撃を組み合わせて、同地域のロシア艦隊に打撃を与えている。 ウクライナと欧米の情報機関は、ロシアが黒海艦隊の代替基地であるノヴォロシースクに向けて、多くの艦船をさらに東に移動させたと分析している。

ウクライナ軍高官のブラチュクは、ウクライナ国営報道機関ウクルインフォルムに対し、「今日、キンブルン砂州への攻撃が直ちに行われるとは言えない」としながらも、「問題はキンブルン砂州を解放するかどうかではなく、いつ解放するかだ」と述べている。 「キンブルン砂州周辺の防衛軍の行動は段階的で、戦闘作戦は定期的に行われている」とブラチュクは説明した。 「目的は明確だ。 この地の敵の人員や装備を排除し、防衛力を弱めることだ。 この砂州は、我が国の領土における前進と解放に不可欠な戦略的要衝だ。」

ウクライナ国防省情報総局 (GUR) は 8 月前半、キンブルン砂州にあるロシア軍陣地に対する急襲攻撃を開始したと発表した。 この作戦で、ロシア兵「三十数人」が死亡し、装甲車両を破壊したという。 「キンブルン砂州は、一時的に支配されているウクライナの他の領土と同様、解放される」と GUR は述べた。 ウクライナ保安庁 (SBU) の情報筋が 5 月に本誌に語ったところによると、ウクライナ軍はキンブルン砂州周辺のロシア軍拠点を狙うため、改良した水上ドローンを使用しているという。 (エリー・クック、NewsWeek = 5-25-24)


ウクライナに 7.6 兆円を支援へ G7、ロシア凍結資産の運用益活用

米政府は 23 日、ウクライナに対して、主要7カ国 (G') から総額 500 億ドル(約 7.6 兆円)を提供すると発表した。 西側諸国が凍結しているロシアの資産を活用する枠組みで、ロシアの全面侵攻を受けるウクライナを支える姿勢を改めて示す。 米国が 200 億ドル、欧州連合 (EU) や日本など G7 諸国が残り 300 億ドルを拠出する。 資金提供は融資の形で行われる。 返済の原資は、2,800 億ドルにのぼるロシアの凍結資産の一部を運用し、得た利益でまかなう計画だ。 G7 各国は、ロシアがウクライナに与えた損害を賠償するまで、凍結を続けることでも合意した。

ウクライナのマルチェンコ財務相は同日、米政府の「支援」に対する謝意を表明した。 バイデン大統領は同日の声明で、「この融資は、自国を守り、再建するウクライナの人々を支援するものだ」と意義を強調。 「暴君は、自らが引き起こした損害に対して責任を負う」とも述べた。 経済制裁で凍結した他国の財産を活用するという今回の異例の枠組みを正当化したものだ。

G7 は今年 6 月にイタリアで開いた首脳会議(サミット)で、ロシアの凍結資産を使い、ウクライナに年内に 500 億ドルの資金支援を実行する方針を決めていた。凍結資産そのものを使うことは国際法違反になりかねないが、運用益ならばそうした問題を回避できるというのが G7 の整理だ。 ロシア側の反発は必至とみられる。 (ワシントン・榊原謙、asahi = 10-24-24)


北朝鮮兵、ロシアに 3,000 人 「インド太平洋にも悪影響」米が懸念

米政府は 23 日、北朝鮮が今月に入って少なくとも 3 千人の兵士をロシア東部に派遣したとの分析を明らかにし、ウクライナ軍との戦闘に加われば「格好の標的」になると警告した。 北朝鮮が協力の見返りにロシアから何らかの利益供与を受け、インド太平洋地域の安全保障にも悪影響が及ぶ可能性に懸念を示している。 ホワイトハウスで記者会見したカービー広報補佐官(国家安全保障担当)によると、兵士は北朝鮮東部の元山(ウォンサン)からロシア極東ウラジオストクまで船で移動し、ロシア東部の三つの施設で「基本的な」戦闘訓練や習熟訓練を受けているとみられる。

「金正恩が何らかの利益を得る可能性」

カービー氏は、北朝鮮の兵士が実際にウクライナとの戦争に加わるかはまだわからないとしつつ、「訓練後の兵士がロシア西部に移動し、ウクライナ軍と戦う可能性はある。 非常に懸念すべき事態だ。」と述べた。 ロシアによる北朝鮮軍との協力は国連安保理決議違反になるとの認識も示し、今後の対応を同盟・友好国や周辺国と協議しており、数日中に明らかにするとした。

米国防総省は、2022 年 2 月からのウクライナ侵攻でロシア側の死傷者は 60 万人を超えると推計している。 カービー氏は、直近でも 1 日あたり 1 千 - 1,200 人の死傷者を出していると指摘。 米国はこれまで、ロシアは撃ち合いが続く前線に装備も訓練も不十分な兵士を送り、使い捨てにしているとみてきた。 今回の北朝鮮兵が仮にウクライナに派遣された場合に、人手不足を補う効果は望めても、戦況を変えるかどうかは見通せない。 カービー氏は「北朝鮮の兵士が戦闘に加われば、ロシアがウクライナとの戦争で追い詰められていることを示すものになる」と語った。

北朝鮮側の狙いも不透明だ。 カービー氏は「金正恩(総書記)が何を得ようとしているのか、まだ答えはない」としつつ、ロシアから見返りに技術移転や兵器の提供を受ける可能性を示唆。 「金正恩が何らかの利益を得る可能性がある。 ウクライナでの戦争だけでなく、インド太平洋地域への影響も懸念されることが、非常に心配だ」と述べた。

戦争が長引き、疲弊したロシアは、中国、イラン、北朝鮮への依存を強めている。 米国はロシアについて、イランからは無人機と短距離弾道ミサイル、中国からは防衛産業に必要な部品、北朝鮮からは砲弾や弾道ミサイルの提供を受けていると指摘してきた。 (ワシントン・下司佳代子、asahi = 10-24-24)


クリミア半島のロシア軍が弱体化? 巨大な石油基地に大きな被害か  英国防省が衛星画像を公開

イギリス国防省は 2024 年 10 月 17 日、ウクライナ軍の攻撃により、クリミア半島に駐留するロシア軍の能力が徐々に低下しているとの見解を発表。 ウクライナ軍の攻撃を受けたフェオドシヤ石油ターミナルの衛星画像を公開しました。 ウクライナ軍は 2024 年 10 月 7 日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島南部に位置するフェオドシヤ石油ターミナルを攻撃。 大きな被害が発生した模様です。 この石油貯蔵所は、今年 3 月にもウクライナ軍の標的となっています。

公開された衛星画像を見ると、石油ターミナルで大規模な火災が発生し、複数の石油タンクが黒煙に包まれていることが確認できます。 イギリス国防省は、クリミア半島におけるウクライナ軍の 2024 年の攻撃目標には、石油ターミナルだけでなく、防空システムや飛行場、司令部、海軍施設、兵站施設、ケルチ海峡大橋も含まれていると指摘しています。 (乗りものニュース = 10-23-24)


ウクライナ軍、長距離ドローンでロシア領内の軍用飛行場を叩く 空爆の元を断つ狙い

西側から提供された最強ミサイルは長距離使用を禁じられ、地道にロシア空軍の拠点に攻撃を続けるが …

ウクライナ軍は 10 月 20 日、ロシア領内の奥深くにある空軍基地を週末に攻撃したと発表した。 同基地には、数種類のロシア戦闘機が配備されているとみられており、ロシアの攻撃で重要な役割を果たす空軍にダメージを与える攻撃の最新事例だ。 ウクライナ軍参謀本部は 10 月 20 日の声明で、ロシアの Su-34 爆撃機、Su-35 戦闘機、MiG-31 迎撃戦闘機が配備されている「リペツク-2 軍用飛行場のインフラ」を攻撃したと明らかにした。 攻撃は、弾薬や燃料、航空部品を保管する倉庫を標的にしたものだということだが、被害の規模は明らかになっていない。 本誌は、ロシア国防省にメールでコメントを求めている。

ウクライナは今、ロシア領内にある軍用飛行場や空軍基地を標的とした長距離ドローン(無人機)攻撃を行なっているが、西側諸国から提供された長距離ミサイルをロシア領内に発射することは許可されていない。 ウクライナ政府は、この制限の緩和を強く求めている。 今秋に入って、西側諸国から緩和に向けた示唆があったものの、依然として制限は継続している。 一方ロシア政府は同日、国内各地に飛来したウクライナのドローン 110 機を夜間に「撃墜した」と発表した。 これには、リペツク州上空に飛来した無人航空機 (UAV) 27 機を含むという。

リペツク州のイーゴリ・アルタモノフ州知事は、メッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、撃墜されたドローンの残骸がリペツク市の西方に落下したが、「死傷者や被害はなかった」と述べた。  ドローンの墜落後、地上で発生した火災は速やかに消し止められた。」 リペツク-2 空軍基地は、リペツク市の北西に位置する。

またウクライナの治安情報筋の話では 10 月はじめ、ロシア国境沿いにあるボロネジ州のボリソグレブスク飛行場も攻撃した。 ウクライナ保安庁がウクライナ軍の他の部門とともに、ロシアが「KAB」精密誘導航空爆弾を保管する倉庫を攻撃した、と情報筋は述べた。 加えて、同飛行場に置かれていた Su-34 および Su-35、航空燃料貯蔵施設も標的にしたという。

ウクライナ軍は、8 月はじめにもリペツク空軍基地を攻撃している。 アルタモノフによれば「大規模な無人機攻撃」だった。 10 月 20 日には、ロシア、ニジニ・ノブゴロド州の州都に近い都市スベルドロフにある、爆発物、化学薬品、弾薬の製造工場を夜間攻撃した。 情報筋によると、スベルドロフの工場は、「(ロシアで)最大級の爆発物製造工場」として、米国と欧州連合 (EU) の制裁対象になっているという。

ニジニ・ノブゴロド州のグレブ・ニキーチン州知事は 20 日、同州ジェルジンスクの「工業地帯」へのドローン攻撃を、防空システムと電子戦システムが撃退したと述べた。 ニキーチンは標的については具体的に言及しなかったが、4 人が軽傷を負ったという。 (エリー・クック、NewsWeek = 10-23-24)


巨大な閃光に歓喜の雄叫び ウクライナ軍が「100 年前の機関銃」で夜空のシャヘドを撃ち落とす劇的瞬間

<「ほぼ 1 世紀前につくられた」という機関銃から連射された弾丸が夜空に浮かぶロシアの自爆型無人機に命中。 そのシーンを記録した映像が話題に。

ウクライナ軍が「数十年も前の銃」を使用してロシアのイラン製ドローンを撃墜する映像が公開された。 オンラインで共有された短い動画には、銃の連射後に何かが爆発する様子が映っている。 少なくとも 1 丁のウクライナ軍の機関銃から発射された弾丸が、ロシアの自爆型無人機「シャヘド 136」に命中した瞬間だとされている。

この動画を X (旧ツイッター)で共有したオープンソース・インテリジェンス (OSINT) アカウントの OSINT テクニカルは、この機関銃は「ほぼ 1 世紀前につくられたトラック搭載用の PM1919」だと述べている。 あるアカウントによれば、この動画はウクライナ西部で撮影されたものだという。 本誌はこの映像がいつどこで撮影されたかを独自に確認することができなかった。

両陣営が旧式の兵器を使用

ウクライナでの 2 年半以上にわたる全面戦争では両陣営が旧式の兵器を使用している。 ロシアの軍事ブロガーたち(クレムリンの公式声明に代わって情報源としてよく利用される)は以前、ウクライナに駐留するロシア軍は、第 1 次世界大戦時代の銃を含む「時代遅れの」武器を支給されたと述べていた。

ウクライナ側の報告によれば、同国軍の兵士たちは数十年前の銃をうまく活用して、21 世紀の脅威に対抗しているという。 米国の調査分析シンクタンク「海軍分析センター (CNA)」のサミュエル・ベンデットは以前、本誌の取材に対し、「特定の武器は果たすべき機能が変わっていないため、長期間にわたって使うことができる」と述べていた。

「自動小銃 AK-47 は約 70 年が経過した今でもほとんど変わっていない。 ブローニング M2 がまだ使われているように、シンプルな短機関銃や機関銃も変化していない。」 ウクライナ軍は今年初め、ブローニング M2 機関銃でロシアの巡航ミサイルを撃墜したと発表している。 ウクライナはまた、ロシアがたびたび発射するシャヘド 136 を撃墜するために大口径の重機関銃を広く活用している。 一方のロシアは、この戦争を通じてドローン(イラン製のシャヘド 136 と、そのロシア生産バージョンであるゲラン)をウクライナの攻撃に多く使用している。

シャヘド 136 は独特の低いエンジン音で知られる。 目標に到達すると砕け散ったり爆発したりする弾頭を搭載している。 ひとたび発見すれば、機関銃やドイツ製の自走式対空砲「ゲパルト」などで容易に撃墜できるが、多くの場合、発見することが最大の課題となる。 ロシアはレーダー吸収素材や黒色の塗装を使用してウクライナ軍に発見されにくくするなど、戦争を通じてシャヘド 136 を改良し続けている。 (エリー・クック、NewsWeek = 10-23-24)


「ウクライナに武器支援考慮」韓国が警告 北朝鮮のロシア派兵問題で

ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が大規模な派兵を決めたと指摘されている問題で、韓国政府は 22 日、ロシアと北朝鮮の軍事協力の推移に応じて段階的な対応措置を取ると警告した。 大統領府関係者は、限度が過ぎればウクライナへの「攻撃用(武器)の支援も考慮できる」と述べた。 韓国政府はこの日、緊急の国家安全保障会議 (NSC) 常任委員会を開き、対応を協議。 北朝鮮軍の即時撤収を求めたうえで、現在のような北朝鮮とロシアの軍事的な協力が続く場合、「座視せずに国際社会と共に断固として対処していく」とした。

さらに、派兵による軍事協力の進展の推移に応じて段階的な対応措置を取ると表明。 起こりうるシナリオを総合的に検討し、相応の措置を準備していくとした。 大統領府関係者は、対応には外交、経済、そして軍事的な措置があるとし、状況しだいでウクライナに「防御用の武器支援を考慮できるし、限度を超えたと思えば最後に攻撃用まで考慮できる」と話した。

また、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は 21 日、北朝鮮の派兵問題などをめぐって北大西洋条約機構 (NATO) のルッテ事務総長と電話で協議した。 韓国政府によると、ルッテ氏はより詳細な情報共有のため、韓国政府が NATO に代表団を派遣するよう要請し、尹氏も受け入れた。 大統領府関係者は 22 日、数日中に代表団を派遣できるとの見通しを示した。 (ソウル・貝瀬秋彦、asahi = 10-22-24)


ロシアの後方支援拠点に攻撃強化 ウクライナ、無人機施設や弾薬庫

【キーウ】 ウクライナ軍がロシア領内にある無人機の保管施設や弾薬庫への攻撃を強めている。 今月に入りロシア併合地域にある石油ターミナルも標的にした。 ロシア軍の後方支援に打撃を与え、ウクライナ全土で続くミサイル・無人機攻撃の抑制や東部戦線の難局打開につなげたい狙いがあるとみられる。 48 日ぶりにロシア軍が攻撃型無人機「シャヘド」を発射しなかった夜 -。 今月 14 日のウクライナメディアの見出しだ。 9 月には 1,300 機を超える無人機攻撃を受け、連日連夜の空襲警報が人々の生活や眠りを妨げたが、13 日夜 - 14 日未明は無人機攻撃がなかった。

攻撃が低調となった理由との関連は不明だが、ウクライナ軍は今月 9 日、ロシア南部クラスノダール地方にあるシャヘド約 400 機が保管された施設を攻撃していた。 9 月にはロシア西部トベリ州や南部ボロネジ州などで複数の弾薬庫を破壊。 10 月に入っても無人機施設のほか、ロシアが併合したクリミア半島の港にある石油ターミナルや、東部ルガンスク州のロシア占領地域の燃料貯蔵庫も攻撃した。 (kyodo = 10-20-24)


「ロシア、北朝鮮兵を 1 万人」 動員準備、ゼレンスキー氏言及

ウクライナのゼレンスキー大統領は 17 日、「ロシア軍は 1 万人の北朝鮮兵士を動員する準備を進めている」と述べた。 ウクライナの諜報機関が得た情報だとし、一部がすでにロシアが実効支配している地域で活動していると指摘した。 ブリュッセルで開かれた欧州連合 (EU) 首脳会議後の記者会見で言及し、「ロシア軍は大きな損失を受けているが、国内世論は動員に反対している。 ギャップを埋めるために、北朝鮮兵士を巻き込んでおり、深刻な緊急事態だ。 世界大戦への第一歩だ」と述べた。

一方、韓国の情報機関・国家情報院は 18 日、ロシアのウクライナ侵攻を支援するため、北朝鮮が特殊部隊を含む約 1 万 2 千人の派兵を決めたことを把握したと明らかにした。 今月 8 - 13 日に約 1,500 人がロシア極東・ウラジオストクに移送され、近く 2 回目の移送が行われるという。 (ブリュッセル・牛尾梓、ソウル・太田成美、asahi = 10-19-24)


ロシア軍所属の北朝鮮兵は「3 千人」 すでに脱走兵も確認か 報道

ウクライナが、ロシアと北朝鮮の関係強化に警戒を強めている。 国営通信ウクルインフォルムは 15 日、情報機関の当局者の話として、計約 3 千人の北朝鮮人がロシア軍の複数の部隊に所属していると伝えた。 ウクライナへの全面侵攻を続けるロシアはこれまで、北朝鮮から弾薬やミサイルの供与を受けていると、米国などから指摘されてきた。 ウクライナ当局も、今年 1 月にウクライナ北東部ハルキウで使われたミサイルが北朝鮮製だったと断言している。

また、韓国の金竜顕(キムヨンヒョン)国防相は今月 8 日、ウクライナ東部ドネツク州で北朝鮮軍の士官 6 人が死亡したとの報道について、「事実である可能性が高い」との見方を示した。 15 日のウクルインフォルムの報道では、北朝鮮兵は、ウクライナと国境を接するロシア領のクルスク、ブリャンスク両州で確認された。 また、ウクライナ・プラウダは 15 日、当局者の話として、ロシア軍が北朝鮮兵で構成される「ブリヤート特別大隊」を編成したと報道。 18 人がすでに脱走したことも伝えた。 (asahi = 10-16-24)


ロシアの NATO 攻撃能力、10 年以内に現実に 独情報局が警告

ドイツの情報機関は 14 日、ロシアが 2030 年までに、北大西洋条約機構への攻撃を行うための能力を備える可能性があると警告した。 また、ウクライナを支援する西側諸国への破壊工作を強化しているともした。 ドイツ連邦情報局外国情報部トップのブルーノ・カール氏は連邦議会公聴会で 「好むと好まざるとにかかわらず、われわれはロシアと直接対峙している」と述べた。 さらに同氏は、ウラジーミル・プーチン大統領の長期的な目標は西側諸国の弱体化であり、ロシアにとって NATO との軍事衝突は「選択肢となりつつある」と語った。

そうした中、「人員および物資の面で、ロシア軍は遅くとも今後 10 年以内に NATO に対する攻撃能力を保持する可能性が高い」という。 またBND 国内情報部トップのトーマス・ハルデンワング氏は、ウクライナ侵攻を背景に「ドイツにおけるロシアのスパイ活動と破壊工作は、質的にも量的にも増加している」と警告。 7 月にライプチヒの空港で貨物機に積み込まれる前に炎上した荷物などを例に挙げた。

ハルデンワング氏はまた、ロシアによる偽情報キャンペーンや重要インフラ監視用のドローン配備、犯罪組織も含めた人材勧誘などを指摘した。 ドイツでは、ロシアによる 2022 年のウクライナ侵攻開始以降、ロシアのためのスパイ活動や破壊工作の疑いがある事件が度々発生している。 (AFP/時事 = 10-15-24)


次々に墜落、ウクライナ兵が MANPADS で自爆無人機「シャヘド」 3 機を撃墜する

携帯式地対空ミサイルシステム「FIM-92 スティンガー」でイラン製の自爆無人機「シャヘド」を撃墜。 その様子を記録した映像がウクライナ国防省によって公開された

ウクライナ軍が公開した動画によると、同軍はロシアの操作するイラン製の自爆無人機「シャヘド」 3 機を撃墜した。 ウクライナ国防省が 10 月 11 日に X (旧ツイッター)に投稿したこの動画には、複数の無人航空機 (UAV) が、携帯式地対空ミサイルシステム (MANPADS) 「FIM-92 スティンガー」で標的にされた後、地面に墜落しているとみられる様子が映されている。 FIM-92 スティンガーはアメリカ製で赤外線誘導式だ。 本誌はロシア国防省とウクライナ国防省に電子メールでコメントを求めている。

イランが開発したシャヘド無人機は比較的コストの低い UAV で、爆発物を搭載して標的に突っ込むように設計されている。 ウクライナの標的を攻撃する手段としてロシアがしばしば使用している。 「ロシアの攻撃作戦における(シャヘド無人機の)主な役割は、ウクライナの防空用迎撃ミサイルや探知システムの備蓄を消耗させることにある。つまり、巡航ミサイルによる攻撃に先立って、これを撃退しようとするウクライナ側の防空レーダーを暴くために使われてきたということだ。」 英国王立防衛安全保障研究所 (RUSI) のリサーチフェロー、シッダールト・カウシャルは本誌に対してそう述べた。

「最近の(シャヘド無人機の)損失率に関して最も重要なのは高確率で迎撃されていることではなく - ロシアはそれを想定している - むしろ携帯式防空・地対空ミサイルなどのシステムによって攻撃されているということだ。 これはつまり、ウクライナが低コストな兵器でそうした無人機を撃墜できるようになってきたということ、巡航ミサイルや弾道ミサイルなどを標的にする高価な地対空システムを温存できるようになったことを意味する。 ウクライナは 11 日、ロシアの UAV を 24 時間のうちに 70 機破壊したと述べた。

ウクライナ国防省のページで公開された別のレポートによれば、同じ期間にロシア軍はさらに兵士 1,140 人、砲撃システム 59 基、車両 119 台を失ったという。 ウクライナの発表は、同軍参謀本部がロシアの基地を標的にした攻撃が成功し、複数の爆発を引き起こしたと報告した後に出された。 この基地は、全面侵攻に用いられているシャヘド無人機などを保管する場所だったという。 ウクライナ軍はテレグラム上で発表した声明のなかで、攻撃の標的としたのはロシア南部クラスノダール地方のエイスクにある基地で、イラン製シャヘド無人機 400 機が保管されていたと述べた。

本誌は 9 月、ロシアの大佐がウクライナによって殺害されたと報じた。 この大佐はシャヘド無人機のオペレーターやサポートスタッフなど、UAV 操作の専門家を養成する訓練に関わっていたとされる人物だ。 インテルファクス通信ウクライナが匿名情報筋の話として伝えたところによれば、ロシア国防省第 924 無人航空機センターの責任者を務めるアレクセイ・コロメイツェフは、ウクライナ国防省情報総局と協力した地元レジスタンス勢力の特殊作戦によって殺害されたという。 (ジョー・エドワーズ、NewsWeek = 10-15-24)

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