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ウクライナの「勝利計画」、バイデン氏に 9 月に提示するとゼレンスキー氏 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 27 日、自軍のロシア西部クルスク州への越境攻撃は「勝利計画」の一環だとし、来月にこの計画をアメリカのジョー・バイデン大統領に提示すると述べた。 ゼレンスキー氏は 27 日に首都キーウで開かれたフォーラムで、対ロシア「勝利計画」が成功するかどうかはバイデン氏次第であり、アメリカがウクライナに「この計画に含まれているものを与えるかどうか、(そして)我々がこの計画を自由に実行できるかどうか」にかかっていると述べた。 「野心的すぎる内容だと思う人もいるかもしれないが、我々にとっては重要な計画だ」とゼレンスキー氏は付け加え、米大統領候補のカマラ・ハリス副大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)にもこの計画を提示するつもりだとした。 ロシアへの越境攻撃は「勝利計画」の一部 今月初めにロシア西部クルスク州に侵入した大規模なウクライナ部隊を、ロシアは今のところ撃退できていないようだ。 フォーラムに同席したウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は、自軍が現在、ロシア領土の 1,294 平方キロメートルと、100 の集落を掌握していると述べた。 BBC はこの数字について検証できていない。 シルスキー氏は、ウクライナはロシア領土を維持し続けるつもりはなく、ウクライナ東部での攻撃からロシア軍の注意をそらすことが越境攻撃を行った動機の一つだとした。 ロシアは、ウクライナ軍にとって重要な拠点で、主要な鉄道駅がある東部ドネツク州ポクロフスク市を占領しようとしている。 国産弾道ミサイルの発射実験に初成功と ゼレンスキー氏はこの日、ウクライナが最近、国産の弾道ミサイルの発射実験に初めて成功したことも明らかにした。 同氏は自国の防衛産業をたたえたが、ミサイルの詳細については言及を避けた。 ウクライナはすでに、アメリカから供与された弾道ミサイルを対ロシア攻撃に使用しているが、欧米の援助への依存度を下げるために国産軍用装備品の開発に取り組んでいる。 しかし、ロシア軍と戦い、ロシア軍を撃退するための軍需品のほとんどを、海外からのものに頼っているのが現状だ。 ゼレンスキー氏はフォーラムで、ウクライナはここ数日のロシアによるミサイル攻撃の一部を迎撃するために、西側諸国から新たに届いた複数の F-16 戦闘機を使用したとしつつ、自国にはさらに多くの戦闘機が必要だと述べた。 ロシアは 27 日まで 2 日連続で、ウクライナ各地にドローン(無人機)やミサイルによる攻撃を仕掛けた。 複数の死者が出たほか、多くの地域で停電を引き起こした。 ロシア政府に戦争をやめる意思がないことを、こうした攻撃が示していると、ゼレンスキー氏は述べた。 「(和平交渉を)彼らが望んでいるなら、230 もの空爆は行わないはずだ。」 クルスク州への越境攻撃以降、ロシア側はウクライナとの和平交渉には一切応じない姿勢を示している。 クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は 27 日、「現時点で、交渉に関する話題はほとんど妥当性を失っている」と述べた。 (ローラ・ゴッジ、BBC = 8-28-24) ウクライナ無人機、1 千キロ超離れたロシア領攻撃 石油施設を標的 ロシア西部キーロフ州のソコロフ知事は 28 日、州内の石油製品貯蔵施設がドローン(無人機)攻撃を受けたと SNS に投稿した。 ウクライナ軍の攻撃を受けたのは国境から 1 千キロ以上、ロシア側に入った地点で、独立系メディア「メドゥーザ」によると、キーロフ州がドローン攻撃を受けたのは初めてという。 ソコロフ氏は「2 機が撃墜され、3 機が敷地内に落下して炎上した」とする一方、「すぐに消火し、被害はなかった」としている。 だが、独立系メディア「バザ」は「貯蔵タンクの一つが爆発して燃えた」と伝えた。 一方、ロシア南部ロストフ州のゴルベフ知事も 28 日、燃料貯蔵施設がドローン攻撃を受け、火災が発生したと SNS で明らかにした。 死傷者はいないという。 ウクライナと国境を接するロストフ州はたびたびドローンなどの攻撃を受けており、独立系メディアによると、別の石油貯蔵所は攻撃を受けた後、10 日間燃え続けているという。 (asahi = 8-28-24) F16 がミサイル撃墜 26 日のロシアの大規模攻撃で 【キーウ】 ウクライナのゼレンスキー大統領は 27 日、ロシア軍による 26 日の大規模攻撃の際、北大西洋条約機構 (NATO) 供与の米国製 F16 戦闘機を出動させてロシア軍のミサイルや無人機を撃墜したと明らかにした。 首都キーウ(キエフ)で開かれたフォーラムで語った。 ウクライナは今月から F16 を本格運用し、防空態勢を強化。 ゼレンスキー氏は「F16 は素晴らしい成果を上げている」とし、配備する機数を増やす必要があると訴えた。 ウクライナ国産の弾道ミサイルの実験に成功したと主張し、長距離兵器の国産化を進める考えを示した。 戦争終結に向けてロシアを交渉に応じさせる案があるとして、バイデン米大統領のほか、次期大統領候補のハリス副大統領とトランプ前大統領に提示すると述べた。 9 月にバイデン氏と会談して説明する考え。 (kyodo = 8-28-24) 「クルスク州で 100 集落、1,300 平方キロ掌握」ウクライナ軍総司令官が発表 ロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍のシルスキー総司令官は 27 日、同国軍がクルスク州の集落 100 カ所を制圧し、1,294 平方キロを掌握したと発表した。 また、越境攻撃の過程で露軍兵 594 人を捕虜にしたとも明らかにした。 ウクライナメディアが伝えた。 シルスキー氏は一方で、露軍がクルスク州の防衛に約 3 万人の兵力を投入し、さらに兵力を増強し続けていると指摘した。 ウクライナ軍は 6 日に越境攻撃に着手。 ゼレンスキー大統領やシルスキー氏によると、同国軍は 13 日時点で 74 カ所、15 日時点で 82 カ所、19 日時点で 92 カ所の集落を制圧し、計約 1,250 平方キロを掌握していた。 ウクライナ軍は越境攻撃により露軍の戦力分散や将来的な停戦交渉に向けた自国の立場の強化などを目指しているとみられている。 (sankei = 8-27-24) ウクライナ、ロシア国境で新たな越境攻撃 地元知事「状況は厳しい」 ロシアの独立系メディアは 27 日、西部クルスク州への越境攻撃を続けるウクライナ軍が、隣接するベルゴロド州の 2 つの検問所を攻撃し、国境突破を試みていると報じました。 ウクライナ軍の兵士およそ 500 人とロシア軍との間で、激しい戦闘が続いているとしています。 ロシア南西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は 27 日、ウクライナ軍の地上部隊が同州への侵入を試みていると SNS に投稿した。 ロシアの複数の軍事ブロガーは同日朝、ウクライナ国境沿いの複数の国境検問所が攻撃を受けたと伝えている。 グラトコフ氏は「ロシア国防省によると、国境の状況は厳しいままだが統制されている」とし、冷静な対応を呼びかけた。 ただ、同省はまだ状況についての発表を行っていない。 軍事ブロガーの情報では、ウクライナ軍の部隊は 60 - 500 人規模で幅がある。 装甲車も参加しているという。 一方で、「撃退した」との情報もある。 ウクライナ軍は今月 6 日、ベルゴロド州に隣接するクルスク州での越境攻撃を開始。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 19 日、同州の集落 92 カ所と 1,250 平方キロ超を占領したとしていた。 (asahi = 8-27-24) ロシア、200 のミサイル・ドローンで攻撃 ウクライナで 5 人死亡 ロシア軍は 26 日朝、ウクライナに大規模攻撃を仕掛けた。 ゼレンスキー大統領によると、ミサイル 100 発以上、ドローン(無人機)約 100 機が使われ、シュミハリ首相は被害が 15 地域に及んだと報告した。 各地の当局者によると、26 日正午(日本時間午後 6 時)時点で、少なくとも 5 人の死亡が確認されたという。 死者が出たのは、北西部ボリニ州、北東部ハルキウ州、中部ドニプロペトロウスク州、中南部ザポリージャ州、中西部ジトーミル州など広範囲にわたる。 他にも複数地域で負傷者が多数確認されており、死者は増える可能性がある。 エネルギー省によると、この攻撃によって各地で停電が発生した。 ウクライナではインフラ施設が被害にあう攻撃が相次いでおり、ハルシチェンコ・エネルギー相は SNS で「敵はウクライナ国民から光を奪う企てを諦めていない」と指摘した。 首都キーウでは現地時間の午前 6 時ごろから空襲警報が鳴り、8 時間近く経って解除された。 クリチコ市長によると、複数の地区で停電が起き、一部では断水も発生した。 ロシア国防省は同日、「空や海から高精度の長距離兵器やドローンでウクライナの軍産複合体を支えるエネルギー施設を攻撃し、すべて命中した」と発表した。 軍事ブロガー「ライバー」によると、イラン開発のドローン「シャヘド」や巡航ミサイル、弾道ミサイルが使われたという。 一方、ロイター通信は 25 日、取材班 6 人が宿泊していたウクライナ東部ドネツク州クラマトルスクのホテルで 24 日夜に攻撃があり、同通信の安全顧問だった英国人男性 (38) が死亡したと発表した。 他に記者 2 人が負傷したという。 (キーウ・藤原学思、asahi = 8-26-24) ロシア軍 "橋の架け直し失敗" クルスクなのにウクライナ特殊部隊の猛砲撃受ける 舟橋で渡河を試みるロシア軍を阻止 ウクライナ国防省は 2024 年 8 月 21 日、越境攻撃中のロシア・クルスク州で、ロシア軍の架橋を阻止した動画を公開し、弾薬や榴弾砲にも損害を与えたと発表しました。 攻撃を担当したのは、NATO (北大西洋条約機構)の即応部隊をモデルに訓練された、ウクライナ国防軍の特殊作戦部隊とのことです。 攻撃には地上監視ドローンの支援を受けた砲撃及びアメリカから供与された高機動ロケット砲システム「HIMARS (ハイマース)」での攻撃のほか自爆ドローンも投入され、架橋中の舟橋や建機、輸送車両などを破壊しました。 ウクライナ軍はクルスク州への越境攻撃を開始した後、同州のセイム川に架かっていた橋を集中攻撃し、補給路を遮断しています。 そのためロシア軍は、失った補給路を舟橋で補おうとしていますが、その橋を架けようとする動きに関しても、ウクライナ軍は監視を強め攻撃を行っているようです。 なお、ウクライナ国防省はこの攻撃で、舟橋や運搬車両のほかに、152mm 榴弾砲とその備蓄弾薬、電子戦車両などにも被害を与えたとしています。 (乗りものニュース = 8-24-24) 複数方面で展開するロシア側の兵力が不足? ウクライナ国防省の公式メディア「アーミーインフォーム」は 2024 年 8 月 20 日、ロシアのクルスク州への越境攻撃の後、ロシア軍の攻撃が南部で弱まっている理由について報じました。 報道によると、連日ロシア軍と激しい戦闘が行われていたザポリージャ地方のオリヒウ方面とグリャイピルスケ方面で、3 日間ほど攻撃がないとのことです。 この状況について、同地で作戦を指揮している「タヴリア部隊」のドミトロ・リュホヴィ報道官は、「(前線で)戦闘行為がゼロというのは、最近としては異例の状況といえる」と見解を述べました。 ただ、ウクライナ軍が抑えているドニプロ川左岸の一部では、ロシア軍が追い出そうと散発的に攻撃を加えているとのことでした。 この方面でのロシア軍の大規模な攻撃の停止とクルスク方面への越境攻撃の因果関係についてドミトロ報道官は「私はこれをクルスク作戦と結びつけようとは思わない」と話しました。 ただ、慎重論というよりは、以前に指摘していたことが現実になっただけという考えで「私は 1 か月前に、ロシアには複数方面に同時に効果的な攻撃を行うための資源がないと言った」と強調しました。 (乗りものニュース = 8-24-24) クリミア行きロシア船沈没 = ウクライナ軍がミサイル攻撃 ロシア南部クラスノダール地方の港で 22 日、貨物船がウクライナ軍のミサイル攻撃を受け沈没した。 現場は、ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島の対岸。 現地紙 RBK (電子版)によると、燃料を積載したタンク車 30 両をロシア本土からクリミア半島に運ぶ途中だったとみられる。 ウクライナのメディアは、国産の対艦ミサイル「ネプチューン」が使われたもようだと伝えた。 同ミサイルは 2022 年 4 月、ロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈したとされる。 (jiji = 8-23-24) クルスクのウクライナ占領地に絨毯爆撃を - 「住民はそのために避難した」ロシア元国会議員
ウクライナ軍はロシア西部クルスク州への越境攻撃を続けており、作戦開始から 2 週間で同州の少なくとも 92 の集落を制圧したと明らかにしている。 こうしたなかロシアのある政治家が国営テレビで、自身の出身地でもあるクルスク州への絨毯爆撃を呼びかけた。 ロシアの元国会議員ナターリャ・ナロチニツカヤは、ロシア国営第 1 チャンネルに出演して絨毯爆撃を呼びかけ、ロシアの独立系ジャーナリストによるテレグラムチャンネル「アストラ」が 8 月 19 日にその内容を共有した。 「クルスク州で起きたあらゆることを考えると、そのぐらいの報復を実行すべきだ!」とナロチニツカヤは主張した。 「ウクライナ軍を包囲して、全てを破壊するべきだ。 それには絨毯爆撃だ。 その準備が進められていることを願う。」 ナロチニツカヤの発言を共有した以下の投稿に付けられた英語の翻訳コメントによると、彼女は「数千人もの住民を避難させたのは、絨毯爆撃のために他ならないはずだ」と言っている。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 19 日、ウクライナ軍が同国北東部のスームィ州から国境を越えてロシア西部のクルスク州への攻撃を開始して以降、ロシアの領土 1,250 平方キロメートルを掌握し、92 の集落を制圧したと発表した。 核攻撃も選択肢 越境攻撃の規模はかなり大きく、ウクライナ軍は 8 月 6 日に越境攻撃を始めてからこれまでにクルスク州で制圧したロシア領の面積が、ロシア軍が 2024 年に入ってから制圧したウクライナ領の面積を上回るという。 ロシアの領土が外国の軍の侵略を受けるのは、第二次大戦後初めてのことだ。 クルスク州では大勢の住民が自宅からの避難を余儀なくされている。 本誌はこの件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。 ナロチニツカヤの「絨毯爆撃」発言に先立ち、ロシアのプロパガンダ記者であるセルゲイ・マルダンは国営テレビのトークショー「ソロビヨフ・ライブ」の中で、クルスク州への核攻撃をほのめかしていた。 マルダンは、もしもロシアがクルスク州への越境攻撃の報復として核兵器を使用すれば、世界は「動揺し、憤る」だろう。 しかし大衆は、最終的にはそれが合理的な判断だったと理解するだろう、と次のように述べた。
さらにマルダンはこう続けた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友であり、ロシア南部チェチェン共和国の特殊部隊「アフマト」の司令官であるアプティ・アラウディノフは 20 日、クルスク州での戦闘は今後数カ月にわたって続くという見通しを示した。(イザベル・バンブルーゲン、NewsWeek = 8-22-24) モスクワに「最大級ドローン攻撃」 ウクライナ越境攻撃で 31 人死亡 ロシア国防省は 21 日、ロシア国内の 5 地域にウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃があり、45 機を撃墜したと発表した。 モスクワ市郊外のモスクワ州には 11 機が飛来。 同市のソビャニン市長は「モスクワへの過去最大級のドローン攻撃」と SNS に投稿した。 同省によると、ほかにウクライナの越境攻撃を受けるロシア南西部クルスク州で 2 機、隣接するブリャンスク州で 23 機、ベルゴロド州で 6 機、モスクワ市の隣のカルーガ州でも 3 機が撃墜された。 一方、ロシア国営タス通信は 21 日、医療機関の情報として、6 日からのクルスク州でのウクライナ軍の越境攻撃で 31 人が死亡し、143 人が負傷したと伝えた。 ロシア軍は連日、「ウクライナ軍を撃退した」と発表しているが、死傷者が増え続けている。 (asahi = 8-21-24) ◇ ◇ ◇ ウクライナ、モスクワに無人機攻撃 市長「過去最大級の規模」 ロシアの首都モスクワ市のソビャニン市長は、モスクワが 21 日にウクライナのドローン(無人機)攻撃を受けたと表明、モスクワに対するドローン攻撃としては過去最大規模の 1 つになったとの認識を示した。 ロシアの防空部隊はモスクワ市に向かっていたドローン少なくとも 10 機を破壊。 一部のドローンは大統領府(クレムリン)の南 38 キロに位置するモスクワ州ポドリスク市上空で撃墜された。 ソビャニン氏は現地時間午前 4 時 43 分、通信アプリ「テレグラム」への投稿で「国防省の防空部隊が引き続き敵の無人航空機による攻撃の撃退を続けている」とし「ドローンを使ったモスクワに対する攻撃の試みとしては過去最大規模の 1 つだ。 引き続き状況を監視している。」と述べた。 現時点で負傷者や被害の報告はないという。 ウクライナはここ数カ月、通常ドローン 1 - 2 機でモスクワを攻撃しているが、大きな被害は出ていない。 今回の攻撃は少なくとも 8 機のドローンがモスクワ上空で破壊された 2023 年 5 月よりも大規模だったとみられる。 <各地に無人機攻撃> ロシア当局者によると、21 日はモスクワのほか、ロシア各地にドローン攻撃が行われた。 防空部隊は南西部国境のブリャンスク州上空でドローン 18 機を破壊。 ブリャンスク州の知事は同州への攻撃で死傷者や被害は出ていないと投稿した。 ロシア国営 RIA 通信はモスクワの南に位置するトゥーラ州の上空で無人機 2 機が破壊されたと伝えた。 一方、南西部ロストフ州の知事はウクライナが発射したミサイルを防空部隊が同州上空で破壊したと明らかにした。 負傷者は報告されていないという。 ウクライナは現時点でコメントしていない。 (Reuters = 8-21-24) ロシア、ウクライナ北部のエネルギー施設攻撃 西部でも大規模火災 [キーウ] ロシアは 20 日未明、ウクライナ北部のエネルギー施設をミサイルやドローン(無人機)で攻撃した。 西部でも大規模な火災が発生している。 地元当局が明らかにした。 ウクライナ空軍司令官によると、ウクライナ軍は弾道ミサイル 3 発のほか、国内 9 地域の攻撃に使用されたドローン 26 機のうち 25 機を撃墜した。 ロシアと国境を接する北東部スムイ州ではエネルギー施設が攻撃され、停電が発生。 72 の集落に住む 1 万 8,500 人以上が影響を受けた。 また、西部テルノーピリ州では工業施設と燃料貯蔵施設が攻撃を受けた。 国内テレビによると、上空には大きな黒煙が立ち上っている。 (Reuters = 8-20-24) ゼレンスキー氏、越境作戦は「防衛行動」と表現、「ゴール」にも言及
ウクライナ軍がロシア南西部クルスク州で展開している越境攻撃について、ウクライナのゼレンスキー大統領は 19 日、交換要員のロシア兵捕虜の確保と、隣接するウクライナ北東部スーミ州からのロシア軍の撤退を「ゴール」として例示した。 ウクライナの外交官らが集った中部ドニプロの会合で語った。 ただ、ともに「(複数ある)ゴールの一つ」という言い方をしており、他にも目的がある可能性が高い。 この日で 14 日目を迎えた越境攻撃を、ゼレンスキー氏は「防衛行動」と表現。 ウクライナ軍は 92 集落に及ぶ 1,250 平方キロを制圧したという。 ゼレンスキー氏はまた、欧米諸国がロシアにとって許せないはずだと考えてきた「レッドライン」の概念は、越境作戦で崩壊したと指摘。 米国や英国、フランスが供与した長距離ミサイルをロシア領内で使う許可を改めて求め、それが得られれば、越境作戦の必要はなくなると訴えた。 越境作戦を続ける一方、ゼレンスキー氏は 6 月に続いて 2 回目となる「平和サミット」について、「今年中の開催を確実にすべく尽力せねばならない」と強調した。 ウクライナは次の平和サミットに、ロシアも参加させたい意向を示してきた。 ただ、ロシア国営タス通信によると、ロシアのラブロフ外相は 19 日、プーチン大統領が「いかなる交渉の余地もない」と発言したことを強調したという。 (キーウ・藤原学思、asahi = 8-20-24) ウクライナの占領取材に抗議 = イタリア記者 2 人捜査 - ロシア西部 ウクライナ軍は 16 日、ロシアの侵攻に対抗し、越境攻撃で占領した同国西部クルスク州スジャを西側メディアに公開した。 これに先立つ 14 日、国営イタリア放送協会 (RAI) が現地入りして報道。 ロシア外務省は 16 日、「領土に不法侵入した。 記者倫理にも反する」として、モスクワ駐在のイタリア大使を呼んで抗議した。 ロシア連邦保安局 (FSB) は 17 日、RAI の取材班 2 人に対する捜査を開始したと発表。 無断でロシア側国境検問所に立ち入った米 CNN テレビ記者も捜査対象になると示唆した。 ウクライナ側にいる 2 人が直ちに FSB に拘束される事態にはならないとみられるが、RAI は「安全と保護のため」 2 人をイタリアに帰国させると発表した。 ウクライナ側は内外メディアを通じてスジャ支配を誇示し、将来の停戦を巡る交渉で優位に立つ材料にすることを狙っているもようだ。 (jiji = 8-18-24) ウクライナ、ロシア西部で橋を破壊 補給の要所 ウクライナ軍は越境攻撃を続けるロシア西部クルスク州で 16 日、セイム川に架かる戦略的に重要な橋を破壊した。 ロシア当局も、クルスク州の町グルシュコヴォ近くでのウクライナの軍事作戦で同地域の一部が寸断されたことを認めたと伝えられている。 この橋は、ロシア軍部隊への補給に使われていた。 破壊されたことで、ロシア軍の活動が妨げられる可能性がある。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナ部隊がクルスク州で陣地を強化していると述べた。 また、自軍が掌握したロシア領土は「為替資金」だとし、ロシア軍が占領したウクライナの複数地域と交換できる可能性を示唆した。 ウクライナの越境攻撃は 2 週目に突入している。 ウクライナがロシア領内にここまで深く侵入したのは、2022 年 2 月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降で初めて。 この突然の越境作戦を受け、これまでに 12 万人以上が安全な場所へと避難している。 ウクライナはロシア領土の一部を掌握したと主張する一方で、ロシア領土を占領するつもりはないと繰り返し主張している。 「ウクライナはロシア領土の占領に興味などない」と、ミハイロ・ポドリャク大統領顧問は 16 日に述べた。 ポドリャク氏は、ロシアに侵入した重要な目的の一つは、「我々の思うように」ロシア側に交渉させるためだとした。 「公平な交渉プロセスに入るようロシアを説得するために、軍事的手段が客観的にどのように使われているか、その様子がクルスク州ではよく分かる」とポドリャク氏はソーシャルメディアに投稿。 ウクライナ政府は「効果的な強制的手段」を証明していると述べた。 ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は 16 日、自軍の攻撃でさらに進展があったと述べた。 「攻撃部隊は戦闘を続け、前進している。 いくつかの地域では敵がいる方向へ 1 - 3 キロメートル進軍した。」と、ソーシャルメディアに投稿された動画の中で、ゼレンスキー大統領に報告した。 シルスキー総司令官は、国境から約 13 キロのクルスク州マラ・ロクニャ村での戦闘で、「大勢を捕虜」にしたいと述べた。 ウクライナの進軍が続く中、ウクライナと国境を接するロシア・ベルゴロド州の当局は、19 日から 5 カ所の村を対象に避難を実施すると発表した。 同州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事はメッセージアプリ「テレグラム」に国境近くの小さな集落の名前を複数あげ、「8 月 19 日から、五つの集落への立ち入りを禁止し、住民を避難させ、財産を持ち出す手助けをする」とした。 ロシア軍もウクライナ領内で前進 ウクライナがロシア西部の領土にさらに入り込む一方で、ロシア部隊も同様にウクライナ東部で進展をみせている。 16 日にはロシア政府が、自軍がセルヒイウカを占領したと発表した。 ここ数週間、ロシア部隊がウクライナの町を占領したとの主張が続いている。 直近の進軍で、ロシア軍はウクライナ東部ポクロフスクに接近した。 この街は東部の前線沿いにいるウクライナ部隊に物資を供給する主要道路上にあり、重要な兵站拠点となっている。 ポクロフスクはロシアが支配するドネツク州の北西に位置する。 同州は 16 日朝からウクライナ軍の攻撃を受けており、市民数人が負傷している。 ポクロフスクの軍政当局のトップ、セルギー・ドブリャク氏は 15 日、ロシア軍が「急速に郊外に接近している」として市民に避難を促した。 (BBC = 8-17-24) ウクライナ軍がスジャ制圧、ロシアが侵攻するポクロウシク戦線では料理人も戦闘に参加 ウクライナ軍がロシア西部クルスク州で続ける越境攻撃で、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 15 日、同州国境の町スジャについて「露軍からの解放が完了した」と述べ、完全制圧したと発表した。 ウクライナ軍はスジャ周辺を露軍が入れない「緩衝地帯」とすることで、ウクライナ国内へのスジャ経由の攻撃を防ぎたい考えだ。 イーホル・クリメンコ内相は14 日、越境攻撃について「日常的な敵の砲撃から我々の国境を守るための一歩だ」と SNS で強調した。 オレクサンドル・シルスキー総司令官は15 日、ウクライナ軍がこれまでに 82 集落、1,150 平方キロ・メートルを制圧し、スジャに軍政事務所を開設したと明らかにした。 支配地域の治安維持や住民への支援物資配布などを行う。 ウクライナ政府によると、露軍が住民を支援せずに撤退したため、食料や飲料水、医薬品などが不足しているという。 一方、ロシアはウクライナ東部の侵攻を優先しているようだ。 英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によると、ウクライナが輸送拠点とする東部ドネツク州ポクロウシク当局は 15 日、露軍が東方約 10km 地点まで迫っているとして、直ちに避難するよう住民に勧告した。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ポクロウシク方面ではウクライナ軍の兵士が不足し、軍の整備士や料理人が 塹壕に入って戦闘に加わっている。 部隊の交代も長期間行われていないという。 越境攻撃に戦力を割いたため、予備兵力が足りなくなったとみられる。 (yomiuri = 8-16-24) ロシアへの越境攻撃「ゴールに到達しつつある」 ゼレンスキー氏指摘 ウクライナ軍がロシア南西部クルスク州で展開している越境作戦について、ウクライナのゼレンスキー大統領は 14 日夜のビデオ演説で「戦略的ゴールに到達しつつある」と語った。 ただ、その内容については明らかにしていない。 ゼレンスキー氏は 14 日昼、クルスク州の複数の前線で同日中に 1 - 2 キロ前進し、100 人以上のロシア兵を捕虜にしたと明かしていた。 越境攻撃は 6 日に始まったが、ゼレンスキー氏は 9 日以降、演説で複数回、「交換の蓄え (exchange fund)」との言葉を用いており、14 日も「交換の蓄えが大幅に補充されてきた」と述べた。 これは捕虜だけではなく、ウクライナ領を取り戻す取引材料としてのロシア領を指している可能性もある。 一方、ゼレンスキー氏は欧米から提供された長距離ミサイルについて、ロシア領内への攻撃にも使用を認めるよう、再三にわたり要請。 14 日も「パートナー国の決断が大胆であればあるほど、プーチン(ロシア大統領)ができることは少なくなる」と訴えた。 ウクライナの軍事アナリスト、ミハイロ・ジロホウ氏は取材に「ロシア軍は現在、航空戦力の助けを借りてクルスク州を守っている。 ウクライナにとっては、ロシアの軍用機が駐留する空港を破壊することが重要だ。 ドローン(無人機)は十分ではなく、長距離兵器が必要になる」と語る。 ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー氏は軍幹部らとの会合で、越境攻撃について「自衛権の行使だ」と主張。 ウクライナ軍は国際的な法規を厳格に順守していると強調したという。 ベレシチュク副首相によると、ウクライナはクルスク州の民間人に対する人道支援の提供や、どちらの国にも避難できるような人道回廊の設置を検討しているという。 (ロンドン・藤原学思、asahi = 8-15-24) ウクライナ軍、クルスク侵攻に 2 個空挺旅団を増派 損害被るも勢い衰えず ウクライナによるロシア西部クルスク州への侵攻が 8 日目を迎えるなか、ウクライナ軍のさらに 2 個旅団の部隊がこの越境攻撃に参加した。 空中強襲軍(空挺軍)の第 82 独立空中強襲旅団と第 95 独立空中強襲旅団だ。 第 95 旅団の部隊の参加は、クルスク州の戦闘地域に向かう途中の写真で明らかになった。 第 82 旅団の部隊の参加は、悲劇的なことだが、旅団員がロシア側の待ち伏せ攻撃で死亡したことが確認されて判明した。 空挺軍部隊の増援により、ウクライナ軍のクルスク侵攻部隊は 6 個旅団の一部かすべてと、2 個独立大隊、支援するドローン部隊や砲兵部隊、偵察部隊、特殊部隊という構成になったようだ。総勢 1 万 5,000 人近くかもしれない。 ウクライナ軍は兵力を増強したことで、ロシア側も増援部隊を送り込んでいるなかでも侵攻を長引かせていくことができるかもしれない。 とはいえ留意すべきなのは、ウクライナ軍の指揮官たちがクルスク州のざっと 1000 平方km の支配地域に送り込んでいる旅団や大隊の多くは、ロシアがウクライナで拡大して 2 年半近くたつ戦争の前線のほかの方面から移してきた兵力だということだ。 それには現在、戦闘が最も激しい方面も含まれる。 ウクライナ軍の指揮官たちがポクロウシクやトレツク、チャシウヤールといった東部方面の防御を薄くしてでも、クルスク方面の攻撃を強化しているのは、彼らの優先順位とリスクをとる姿勢を物語っている。 米シンクタンク、外交政策研究所のアナリストであるロブ・リーは「ウクライナ軍がポクロウシクやトレツク、チャシウヤールといった前線の最も厳しい部分から部隊を引っ張ってきたことからすると、ウクライナがクルスク方面作戦で追求している目的が限定的なものでないのはかなり明確だ」と解説している。 ウクライナ側の目的が何なのかはまだわからないところがある。 だが、ウクライナ当局がすでに、クルスク州の占領地域を管轄する行政府機関の設置について話していることも踏まえると、同州で長期的にプレゼンスを保つことが目的のひとつなのは明らかだ。ただし、それはウクライナ軍が占領地域を保持できればの話だ。 ロシア軍は自動車化狙撃部隊や空挺部隊、海軍歩兵部隊など少なくとも 9 個の連隊・旅団の部隊で応戦している。 総兵力はウクライナ軍の侵攻部隊と同規模かそれ以上かもしれない。 注意すべきは、ロシア軍はクルスク州方面の防衛の強化を図りながら、ウクライナ東部での攻勢も緩めていないことだ。 ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター (CDS) の 14 日の作戦状況評価によれば、ロシア軍はポクロウシク、トレツク、チャシウヤール各方面で同日も突撃を行っている。 クルスク州の最前線の戦闘は両軍の部隊が至近距離でまみえ、混沌としたものになっているようだ。 ウォールストリート・ジャーナル紙のヤロスラフ・トロフィモフ記者は「前線は流動的で、森林の多い農村部をウクライナ軍とロシア軍の小規模な部隊が徘徊している」と伝えている。 双方とも損害は拡大している。 ウクライナ側は狼狽したロシア人数十人を捕虜にした。 ロシア側はウクライナ軍の数個の強襲グループを待ち伏せ攻撃し、数十人にのぼるともみられるウクライナ兵らを殺害した。 空中では、ロシア側はヘリコプター数機とスホーイ戦闘爆撃機 1 機を失ったと伝えられる。 ウクライナ側はミグ戦闘機 1 機とそのパイロットを失ったが、場所は不明だ。 クルスク侵攻が 2 週目に入るなか、双方とも増援部隊を送り込み、ウクライナ側はほかの方面への影響も計算に入れたうえでリスクをとってもいる。 その結果、状況はぎりぎりのところで均衡している。 ウクライナ軍の侵攻部隊は損害を被りながらも、今のところまだ勢いを保っているのかもしれない。 CDS は「クルスク方面のロシア軍司令部は追加の部隊やアセット(予備)からなる第 2 陣を急派せざるを得ないだろう」と予想している。 (David Axe、Forbes = 8-15-24) ウクライナ、クルスク州の制圧地域拡大 ロシア領占領は意図せず [キーウ/ワシントン/ニューオーリンズ] ウクライナ外務省報道官は 13 日、ロシア西部クルスク州への越境攻撃について、ウクライナには制圧した地域を占領する意向はないと述べた。 ウクライナは 6 日にクルスク州に対する本格的な地上越境攻撃を開始。 シルスキー軍総司令官は 12 日、クルスク州で約 1,000 平方キロメートルの領土を制圧したと明らかにした。 さらにこの日は、過去 24 時間で 1 - 3km 前進し、40 平方km を新たにせいあつしたと明らかにした。 制圧した地域は 74 集落に上る。 外務省のティヒー報道官は首都キーウで記者団に対し、クルスク州で攻撃を受けていることで、ロシアはウクライナ東部の戦線に追加部隊を送り込むことが難しくなるとの見方を示し、「ロシアとは異なりウクライナは他の人々の財産を必要としない。 ウクライナにはクルスク州の領土を占領する意図はない。 国民の命を守りたいだけだ」と述べた。 ゼレンスキー大統領によると、ロシアは 6 月以降、クルスク州からウクライナに対し 2,000 回を超える攻撃を実施。 こうした越境攻撃が行われていた地域をウクライナ軍が制圧したと述べている。 またポドリャク大統領府顧問は、ロシアは和平交渉への参加に消極的参加であるため、強制的に参加させる必要があると述べた。 その方法の一つが戦場での行動だとし、クルスク州越境攻撃に言及した。 ゼレンスキー大統領はこの日の国民向け演説で、クルスク州攻撃はウクライナが主導権を握れることを証明したと指摘。 「いかなる状況でも、われわれは目標を達成できる、われわれの利益と独立を守ることができるということを再び証明した」と述べた。 その上で「困難で激しい戦闘にもかかわらず、ウクライナ軍はクルスク州で前進を続けている」と表明。 「次のステップを準備している」と述べた。 ただ詳細は明らかにしなかった。 戦闘が続く中、ロシア国防省は国境から 26 - 28km 地点にある集落への攻撃を撃退したと表明。ロイターは戦況を独自に確認できていない。 米国務省のパテル副報道官は 13 日、米国はウクライナのロシア越境攻撃の計画や準備には一切関与していないと表明。 ホワイトハウスのジャンピエール報道官も、ウクライナがロシアのクルスク州に対する越境攻撃を計画しているとの事前通告は受けていなかったとし、この作戦に米国は関与していないと述べた。 (Reuters = 8-14-24) ウクライナ空軍機がクルスク侵攻に参加 滑空爆弾でロシアの指揮所爆破 ウクライナがロシア西部クルスク州に侵攻して 1 週間たつなか、ロシア空軍は火力の大半をウクライナ軍の侵攻部隊への対応に振り向け、射程 40km 以上で衛星誘導される滑空爆弾(通称 KAB)を 1 日に最大 50 発、国境を挟んだウクライナ側のスーミ州にある侵攻部隊の基地などに投下している。 50 発というのは、ロシアがウクライナで拡大して 2 年半近くたつ戦争の 1,000km におよぶ前線全体で、ロシア空軍が 1 日に投下している滑空爆弾の数の半分にあたる。 一方、ウクライナ空軍も、ロシアの滑空爆弾と少なくとも同等の射程と命中精度がある衛星誘導の滑空爆弾を保有している。 13 日、ウクライナ空軍の戦闘機が、米国製の JDAM 滑空爆弾をクルスク州内の目標に投下する様子とされる初の映像がソーシャルメディアで共有された。 この戦闘機は、クルスク州の前線から数km 北の町チョトキノにあるロシア側の指揮所を攻撃したと伝えられる。 注目されるのは、この空襲を行ったのはウクライナに最近到着した元デンマーク空軍所属の F-16 戦闘機の一機ではなく、老朽化した旧ソ連製 Su-27 戦闘機だったとみられることだ。 F-16 は JDAM を搭載可能だが、ウクライナ空軍は少なくとも当初はこの機敏な戦闘機を空中哨戒に使用し、より危険度の高い対地攻撃には投入しない方針であることをうかがわせる証拠がある。 クルスク方面で作戦行動を行う航空機のリスクは大きい。 ロシアの軍事ブロガーらによれば、ウクライナ軍はこの方面に「相当な数」の防空システムを持ち込んでいるほか、ジャマー(電波妨害装置)も配備している。 ジャマーは、衛星誘導の滑空爆弾も目標からそらせる場合がある。 ウクライナ軍の防空部隊は自爆型のドローン(無人機)による大きな支援も得つつ、ロシアのヘリコプター数機を撃墜している。 一方、ロシア軍の砲兵部隊はウクライナ軍のブーク自走防空システム 1 両を損傷させている。 ロシア側もクルスク方面にかなりの防空システムを配備しているようだ。 ウクライナ空軍の Su-27 が滑空爆弾を投下後、戦場の上空で超低空飛行をしているところが目撃されたのは理由のないことではない。 両軍のパイロットとも、敵レーダーに探知されるのを避けるため、なるべく毎回、できるだけ低い高度を飛行するようにしている。 双方とも侵攻地域やその周辺に作戦機を投入しているが、その数はロシア側のほうが多い可能性がある。 ロシア軍機は、クルスク州内の侵攻部隊とスーミ州内のその基地の両方を空爆している形跡がある。 一方、現時点でウクライナ軍機による爆撃が確認されているのはチョトキノの指揮所に対するものだけだ。 つまり、ウクライナ側は前線のすぐ上空には航空戦力を展開させていない可能性がある。 それは理にかなっている。 ウクライナ側はドローンやミサイルによってクルスク州内やその周辺のロシア軍の航空基地に対する攻撃をエスカレートさせているものの、ロシア側のほうが依然として作戦機の数も航空爆弾の数も多いからだ。 また、欧州の支援諸国から供与される計 85 機の F-16 の到着には時間がかかっており、今後も少しずつしか入ってこない見通しになっている。 しかもウクライナ空軍はこの夏、ロシア側による航空基地への度重なる攻撃で駐機中の戦闘機などを数機失った。 残りの作戦機はわずか 100 機ほどかもしれない。 ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター (CDS) のノンレジデント・フェロー、ハンス・ペテル・ミットゥンは、クルスク侵攻は「すでに(戦力が)引き伸ばされているウクライナ軍にとって試練になるだろう」と予想している。 ロシア空軍がウクライナに対する空戦に投入している爆撃機およそ 300 機は、合計で滑空爆弾を 1 日最大 100 発投下できる。 規模で劣るウクライナ空軍が 1 日に投下できる滑空爆弾数は、それよりはるかに少ないはずだ。 とはいえ、作戦機や航空爆弾をはじめ重火器の装備が著しく不利な状態にありながら、ウクライナ軍がたんにロシアに侵攻したばかりか、その侵攻に失速の兆しがみられないのは驚くべきことだ。 匿名のウクライナ高官はミットゥンに、「われわれは攻勢に出ている。 敵の陣地線を引き伸ばし、最大限の損害を与え、国境を守れないロシアの状況を不安定化させることが狙いだ。」と説明したという。 ロシアはクルスク方面で、地上だけでなく空中でも脆弱性を抱えている。 開始から 1 週間たつ侵攻作戦へのウクライナ軍機の参加がそれを示している。 (David Axe、Forbes = 8-14-24) |
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