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ウクライナが譲れない「絶対条件」とは何か トランプ外交との狭間で ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国のトランプ大統領が 12 日、ロシアのプーチン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と相次いで電話協議し、仲介外交を本格化させた。 関係者がしばしばロシア寄りの発言を繰り返すトランプ政権に対し、ウクライナはその発足前後から徐々に軸足を「外交解決」へと移してきた。 だが、先行きには不安が漂う。 ゼレンスキー氏は同日、SNS に「米国とともにロシアの侵略を止め、持続する安定した平和を確実にする次のステップを描き出す」と記し、トランプ氏と共同歩調をとる姿勢を強調した。 夜のビデオ演説でも、「本当の平和を近づけるための共同作業へのトランプ氏の関心」に感謝を表明した。 圧倒的な軍事力を持つ隣国の侵略を受けて領土の 2 割を占領されたウクライナは、ロシア軍の撤退が実現しないままの停戦交渉を拒んできた。 しかし、侵攻 2 年目の 2023 年に反転攻勢に失敗。 昨年 2 月に東部ドネツク州の要衝アウジーイウカの占領を許して以来、当面の戦況に改善の見通しが立てられない。 最大の支援国・米国のバイデン前政権がロシアを刺激することを恐れ、戦況に決定的な影響を与えるような武器提供に二の足を踏む現実も、変化を促した。 ゼレンスキー氏は米大統領選前の昨年 9 月にニューヨークで選挙運動中のトランプ氏と会談。 同氏が当選後の 12 月にパリを訪れた際も、マクロン仏大統領を交えた形で会談し、「公正な平和」を求めるウクライナの立場を伝えてきた。 全面的な支援を掲げたバイデン前政権の方針をトランプ政権が一変させるであろうことを意識しながら、それでも米国をウクライナ側につなぎとめる必要があったからだ。 ヘグセス米国防長官は 12 日、ウクライナの領土をロシアによる南部クリミア半島併合以前の状態に戻すことを「幻想的」と発言したが、支援に関しては、トランプ氏が前日、ウクライナに埋蔵されたレアアースとの「ディール(取引)」ができれば継続する可能性を示唆。 資源をめぐる支援国との特別協定は、ゼレンスキー氏が昨年 10 月発表の「勝利計画」に盛り込んだもので、トランプ氏の実利主義を見込んだアプローチが功を奏した面もある。 譲れない条件 ただ、ウクライナには譲れない条件がある。 認められないのは、1991 年の独立時に国際的に認められた領土について、軍事的な奪還は断念しても法的な地位まで譲ることと、仮に国内にロシア軍の占領地を残したまま停戦した場合、その状態から再びロシアの侵略を可能にしてしまうことだ。 欧米諸国から完全な「安全の保証」を得ることを停戦の絶対条件とする。 トランプ氏は大統領選で「就任後 24 時間以内に戦争を終わらせる」と主張するなど、早期停戦に前のめりだ。 これに対し、ゼレンスキー氏は「ウクライナにとって重要なのは『24 時間』ではない。 安定した安全が得られることだ」と主張してきたが、トランプ氏がこうしたウクライナの立場に配慮するかは不透明だ。 バイデン前政権が国際秩序の維持やウクライナの主権の尊重など明確な方針を持ったのに対し、軸足が米国の利益にあるトランプ政権の仲介外交は予測が難しい。 仲介が進めば、ロシアはウクライナに対し、北大西洋条約機構 (NATO) 加盟の断念や、ロシアが一方的に併合を宣言した 4 州からの軍の撤退などの条件に加え、新たな要求を持ち出す可能性もある。 ゼレンスキー氏は 1 月、スイス・ダボスで開かれた経済フォーラムで、22 年の侵攻開始直後の停戦交渉でロシアがウクライナ軍を侵攻前の5分の1の規模まで縮小することを要求したことを明かし、こうした要求は「絶対に受け入れられない」と強調した。 (キーウ・喜田尚、asahi = 2-13-25) 米メディア "トランプ大統領がプーチン大統領と電話で話した" アメリカのメディアは、トランプ大統領がロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けて交渉するため、プーチン大統領と電話で話したことをインタビューで明らかにしたと伝えました。 ロシア側は報道について「肯定も否定もできない」としています。 アメリカのタブロイド紙「ニューヨーク・ポスト」は、トランプ大統領が大統領専用機「エアフォース・ワン」の機内で 7 日にインタビューに応じたとしてその内容を伝えました。 それによりますと、トランプ大統領は、ロシアによるウクライナ侵攻の終結に向けて交渉するため、プーチン大統領と電話で話したと明らかにしたということです。 ただ、電話した時期や回数については言及しなかったとしています。 トランプ大統領はプーチン大統領について「人々が死ななくなるのを望んでいる」と述べたほか、「私は常にプーチンと良好な関係を築いていた」と強調したということです。 また、ウクライナ侵攻を終結させるための具体的な計画があると明らかにしたとしています。 トランプ大統領がプーチン大統領と電話で話したという報道についてロシア大統領府のペスコフ報道官は 9 日、「肯定も否定もできない」と述べています。 トランプ大統領は記者団に対し、ウクライナのゼレンスキー大統領とは今週にも首都ワシントンで会談する可能性があり、ロシアのプーチン大統領とも話をすると述べていて、それぞれの会談の行方に関心が高まっています。 (NHK = 2-9-25) トランプ氏、ウクライナ大統領と来週会談の公算 「戦争終結望む」 [ワシントン] トランプ米大統領は 7 日、ウクライナのゼレンスキー大統領と来週会談し、ロシアによるウクライナ侵攻を終わらせる方法などについて協議すると明らかにした。 ロシアのプーチン大統領とも会談したいと述べた。 トランプ氏は大統領執務室で記者団に対し、開始からまもなく 3 年を迎えるロシアによるウクライナ全面侵攻について「人道的な観点から、終結を望んでいる。 この不条理な戦争を終わらせたい。」と述べた。 その上で、ウクライナが持つレアアース(希土類)などの資産の安全保障についてゼレンスキー氏と話し合いたいとし、米国の支援の見返りとして「同等の何か」を求めていると言及。 「互恵的な関係にしたい」と語った。 ゼレンスキー氏との会談が対面形式になるのか、ビデオ会議形式になるのかは明らかにしなかったものの、自分自身はワシントンにとどまり、ウクライナを訪問する予定はないと述べた。 (Reuters = 2-8-25) ウクライナ送電網への攻撃、核リスク高める IAEA が警告 [キーウ] 国際原子力機関 (IAEA) のグロッシ事務局長は 4 日、ウクライナの送電設備を視察し、ロシアの送電網への攻撃による核リスクを警告した。 グロッシ氏は「キエフスカ変電所にいる。 ここはウクライナの電力網の重要な部分であり、原子力の安全に欠かせない」と X に投稿。 「原子力事故は発電所への直接攻撃だけでなく、電力供給の途絶によっても発生する可能性がある」と指摘した。 グロッシ氏はウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相と変電所を訪れた。 ロシアの攻撃に対する防御施設のようなものを視察している様子を投稿した。 ゼレンスキー大統領は毎晩行うビデオ演説で、グロッシ氏とザポリージャ原子力発電所の状況について話したと明らかにした。 ロシアは 2022 年 2 月のウクライナ侵攻が始まって間もなく、同発電所を占領した。 ゼレンスキー氏は、原発周辺に住んでいる「人質」となっている人々を解放するため IAEA は積極的な役割を果たすべきだと述べた。 また、同原発をウクライナの管理下に戻すよう再度要求した。 (Reuters = 2-5-25) ウクライナ支援の取引にレアアース要求 トランプ氏「担保が欲しい」 トランプ米大統領は 3 日、米国のウクライナ支援と引き換えに、同国にレアアースの提供を求める取引案を明らかにした。 ロシアの侵攻を受けて疲弊した国に対しても見返りを求める「ディール(取引)外交」を進めようとしている。 トランプ氏はこの日ホワイトハウスで、陸軍退役中将のキース・ケロッグ氏をウクライナ・ロシア担当特使に任命する書類などに署名した。 その際、記者団に「ロシア・ウクライナ問題には多くの進展があった。 我々はあのばかげた戦争を止めようとしている。」と語った。 ただ、進展の中身には触れなかった。 ウクライナ支援については、米国に比べて欧州側の貢献が少ないことに改めて不満を示した。 その上で「ウクライナには非常に貴重なレアアースがある」と言及。 米国からの多額の支援に「見合った担保」が欲しいと語り、「ウクライナと取引しようと考えている。 ウクライナがレアアースやその他のものを差し出す代わりに、彼らは米国が与えるものを確保する取引だ」と述べた。 「私はレアアースの担保が欲しいし、彼らもそうしたがっている」とも語り、ウクライナ側が前向きであることも示唆した。 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ウクライナは昨年末にバイデン前政権と、鉱物の採掘や加工に関する協定を結ぶ予定だったが、トランプ氏の就任を待つために延期していたという。 トランプ氏はウクライナとロシアの戦闘を止めることが最優先だと主張し、ウクライナへの軍事支援を続けるかどうかは見通せなくなっていた。 また、トランプ政権は世界各地への対外援助を一時停止して「米国第一」主義に合致するか見直す作業を進めており、米国の資金に頼ってきた人道支援団体のウクライナでの活動も困難になっていると報じられている。 (ワシントン・下司佳代子、asahi = 2-4-25) ロシアに派遣された北朝鮮兵、「1 月から戦闘不参加か」 韓国情報機関 韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は 4 日、ウクライナ侵攻を続けるロシアの南西部クルスク州に派遣された北朝鮮兵士について、「1 月中旬から戦闘に参加している様子がないようだ」と明らかにした。 国情院は、多くの死傷者が出たことが理由の一つと思われるとしているが、正確な状況は確認中だとしている。 同州に派遣されている北朝鮮兵については、その一部が前線から撤退したと、ウクライナの特殊作戦軍 (SOF) が 1 月 29 日に朝日新聞の取材に明らかにしていた。 ウクライナ軍は昨年 8 月から、クルスク州への越境作戦を開始。 北朝鮮兵は 10 月からロシア入りし、同州には 1 万 - 1 万 2 千人がいるとされてきた。 SOF の広報担当者は北朝鮮兵について「前線の一つから、一時的な撤退を余儀なくされたようだ」と説明していた。 (ソウル・貝瀬秋彦、asahi = 2-4-25) ウクライナ中部で 12 人死亡 南部では世界遺産の歴史地区も被害に ウクライナ各地で、多数の民間人が犠牲になるロシア軍の攻撃が相次いでいる。 中部ポルタワでは 1 日午前、巡航ミサイルによって 5 階建ての集合住宅が被害を受け、2 日朝までに子ども 2 人を含む 12 人が死亡し、17 人が負傷した。 ウクライナ空軍によると、2 月 1 日昼までの 24 時間で、ロシア軍はミサイル 42 発とドローン(無人機) 123 機を発射したという。 ドローンのうち約半数は空中で行方不明になっており、攻撃能力の低い「おとりドローン」とみられる。 ウクライナの非常事態庁や警察、検察、各自治体によると、南部の港湾都市オデーサでは 1 月 31 日午後、ユネスコ(国連教育科学文化機関)から世界文化遺産として登録されている歴史地区で、15 の建物などが弾道ミサイルによる攻撃を受けた。 少なくとも 7 人が負傷し、街を代表する高級ホテル「ブリストル」でも負傷者が出た。 北東部スーミは 1 月 30 日深夜から 31 日未明にかけてドローン攻撃を受け、9 人が死亡し、13 人が負傷した。 10 階建ての集合住宅のほか、車両 20 台以上が被害を受けたという。 また、ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍は 1 日夕、ウクライナが越境作戦を展開しているロシア南西部クルスク州のスジャで、誘導滑空爆弾を使って全寮制学校を攻撃したという。 学校には当時、スジャからの避難に備えていた市民数十人がいたという。 スジャに軍政事務所を置くウクライナ側が救助活動を行っているといい、参謀本部は「ロシア側は女性や子どもといった民間人しかいないという情報を知っていた。 自国の民間人を意図的に殺し始めた」と主張している。 (キーウ・藤原学思、asahi = 2-2-25) 北朝鮮兵、一部撤退か ウクライナ軍が明らかに 今後増派の可能性も ロシア南西部クルスク州に派遣されている北朝鮮兵について、一部が前線から撤退したと、ウクライナの特殊作戦軍 (SOF) が 29 日、朝日新聞の取材に明らかにした。 北朝鮮兵の損耗は激しいとされ、追加で派遣される可能性も指摘されている。 クルスク州ではウクライナ軍が昨年 8 月から越境作戦を始め、数百平方キロを制圧。 北朝鮮兵は昨年 10 月からロシア入りし、同州には 1 万 - 1 万 2 千人がいるとされてきた。 (asahi = 1-30-25) ウクライナ、ロシアの石油ポンプ場などにドローン攻撃 = 保安庁筋 キーウ : ウクライナ保安庁筋は 29 日、ウクライナがバルト海のウスチルガ港を経由する石油輸出ルートの一部であるロシアの石油ポンプ場に夜間のドローン(無人機)攻撃を行ったと発表した。 この攻撃により火災が発生し、石油製品が漏えいしたもよう。 同筋によると、ロシア西部トベリ州にあるミサイル貯蔵施設も攻撃を受け、一連の爆発が起きたという。 ロイターは独自にこの情報を確認できていない。 同筋は、これら一連の攻撃は、ウクライナ保安庁 (SBU) とウクライナの特殊作戦部隊による共同作戦だったとしている。 (Reuters = 1-30-25) ウクライナ東部で激戦続く ロシア、集落制圧を相次ぎ発表し優勢を誇示 ロシアによるウクライナ侵略で、ウクライナ軍東部方面部隊は 28 日、自国軍の重要防衛線の一角である東部ドネツク州ポクロフスク方面で「最も激しい戦い」が続いていると発表した。 攻防が続く同州チャソフヤルやトレツクでも市街戦が展開されているとした。 一方、露国防省は 28 日、ウクライナ東部ハリコフ州の集落 1 カ所を新たに制圧したと主張した。 露国防省は最近、連日のようにドネツク州やハリコフ州、ウクライナ軍の越境攻撃下にある露西部クルスク州での集落の制圧を発表。 露軍の優勢を強調している。 兵力で劣るウクライナ軍は現在、戦略的重要性の低い集落への戦力投入を最小限にしつつ、重要拠点の防衛に注力。 並行して露国内の弾薬庫や燃料貯蔵施設などへのミサイル・ドローン(無人機)攻撃を続け、露軍を攻勢が維持できなくなる水準まで損耗させようとする戦術を進めている。 露軍はクルスク州で反撃を行う一方、ドネツク州でウクライナ軍の防衛線の突破を図り、主目標とする同州全域の制圧を達成したい構えだ。 (sankei = 1-29-25) イスラエル、パトリオット 90 基をウクライナに供与 米国が仲介 地対空ミサイル「パトリオット」約 90 基がイスラエルから米国の仲介を通じてウクライナに移送されていることがわかった。 米国防当局者が明らかにした。 パトリオットの供与については、米ネットメディア「アクシオス」が最初に報じた。 このパトリオットはイスラエルに保管されていたもので、イスラエルでは 30 年あまりの運用の後、昨年 4 月に退役した。 イスラエルからウクライナへの供与については昨夏から協議が続いていた。 バイデン米政権(当時)の当局者は、こうした取り組みによって、使われていないパトリオットが、ロシアと戦争しているウクライナ政府の支援のために供与される可能性があると期待を寄せていた。 ウクライナは、ロシアによる大規模なミサイルやドローン(無人機)による攻撃を受けて、より多くのパトリオットを切望している。 イスラエルによるウクライナ支援は極めて限定的で、イスラエルの指導層はロシアを過度に批判しないよう注意してきた。 イスラエルのパトリオットはまず米国に引き渡され、その後、ウクライナへと搬送される。 イスラエル軍は昨年 4 月、1991 年に軍に統合されたパトリオットシステムを退役させると発表した。 パトリオットは、イスラエルにとって主要な防空システムとはなっておらず、イスラエルは現在、「アイアンドーム」や「ダビデ・スリング」などの防空システムをより活用している。 (CNN = 1-29-25) ウクライナ軍が長距離ドローンによるロシア攻撃を強化 ウクライナの暗い廃道から、長距離攻撃ドローンが次々と飛び立つ。 爆発性弾頭を搭載しており、前線から遠く離れたロシア領内への攻撃が目的だ。 ウクライナ軍はこのたびロイターに対し、ドローン攻撃部隊の独占取材を許可した。 任務中、射程距離は約 1,900 キロメートルに達したという。 (Reuters = 1-28-25) キーウにロシア軍の無人機攻撃 集合住宅など被害、3 人死亡 ウクライナ非常事態庁によると、首都キーウとその周辺が 24 日未明、ロシア軍のドローン(無人機)による攻撃を受け、住民 3 人が死亡した。 無人機は迎撃されたが、残骸が集合住宅などに落下、大規模な火災が起きるなどした。 キーウ南西部の地域では 10 階建ての集合住宅が被害を受けた。 6、7 階が破壊されて 30 代の男性住民が死亡。 火災が広がり、150 人が避難した。 またキーウ北西部に接するブロバリ市では住宅が破壊され、50 代の男性と妻が遺体で発見された。 (キーウ・喜田尚、asahi = 1-24-25) 「東部要衝にロシア精強部隊」 ウクライナ軍、防御固める 【キーウ】 ウクライナメディアの 19 日の報道によると、ウクライナ軍のシルスキー総司令官は東部ドネツク州の要衝ポクロウシクを掌握するため、ロシア軍が「最も精強な部隊を投入した」との見方を示した。 ロシア軍はポクロウシク制圧に向けて猛攻を続けているが、防御を固めたウクライナ軍が持ちこたえる展開となっている。 ポクロウシクは、ウクライナ軍が前線に兵員や武器を送り込む補給拠点の役割を果たしており、戦況の焦点の一つになっている。 ロシア軍はポクロウシク市街地を目指して地上部隊をじわじわと進軍させている。 (kyodo = 1-20-25) ロシア派兵の北朝鮮軍、早ければ 4 月に壊滅 … 一日平均 92 人の死傷者 ロシアのクルスク州に派兵されてウクライナ軍相手の戦闘に投入されている北朝鮮軍が今年 4 月中旬にも壊滅するという見方が、ウクライナの軍事専門英字メディアで出てきた。 ディフェンスエクスプレスは昨年 12 月に北朝鮮軍の部隊が戦闘に本格的に投入されてから最近まで一日平均 92 人の死傷者が発生し、このペースが続けば 12 週で壊滅するという見方を示した。 続いて「これは、ロシアの軍事作戦への北朝鮮軍の加担が冒険的な行為である点と、これにより深刻な兵力の損失が生じているという点を見せている」と評価した。 ロシア派兵北朝鮮軍の損失規模は正確に伝えられていないが、速いペースで死傷者数が増えているのは確実とみられる。 ウクライナのゼレンスキー大統領が明らかにした集計によると、ロシアに派兵された北朝鮮軍は約 1 万 2,000 人で、今月 5 日基準で約 3,800 人が死傷したと推算される。 ゼレンスキー大統領は今月 9 日には北朝鮮軍の累積損失規模を約 4,000 人と説明した。 韓国の国家情報院は 13 日の国会情報委員会の非公開懇談会で、北朝鮮軍の累積損失規模を死亡 300 人余、負傷 2,700 人余と報告した。 (韓国・中央日報 = 1-20-24) トランプ氏就任前に「100 年協定」 英首相がウクライナ訪問で署名 英国のスターマー首相は 16 日、ウクライナ・キーウを訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。 両首脳は長期間の協力関係を定めた「100 年パートナーシップ協定」に署名した。 スターマー氏は昨年 7 月に首相に就任して以来、ウクライナを訪問するのは初めて。 ウクライナ支援に消極的とされるトランプ氏が米大統領に就任するのを前に、英国の支援が揺るがないことを示した形だ。 協定には、軍事関連やテクノロジー、教育など幅広い分野での協力が盛り込まれている。 ゼレンスキー氏は「今後何世代にもわたって両国に利益をもたらす」と述べた。 また、トランプ氏は早期に戦争を終結させることを公言している。 ただ、和平の後のウクライナの安全を継続的にどう確保するかは不透明なままだ。 ロイター通信などによると、ゼレンスキー氏は会談でスターマー氏に、和平が実現した場合、西側諸国の平和維持部隊を派遣するように求めたという。 スターマー氏は共同会見で「ウクライナの安全を十分に保証できる強固な措置」に向けて同盟国やウクライナと連携していくとしたが、詳細には触れなかった。 (キーウ・杉山正、asahi = 1-18-25) ロシア国防省「占領地 63% 奪還」 ウクライナの越境攻撃へ巻き返し ロシア国防省は 17 日、南西部クルスク州でウクライナ軍の越境攻撃を受けて占領された領土のうち、すでに 63% を奪還したと発表した。 ロシア軍は 1 万人以上の北朝鮮兵の派遣も受けて増強されているとみられ、ウクライナの戦争終結に意欲を示すトランプ次期米大統領の就任前に同州の全領土奪還を目指すとの見方もある。 ロシア国防省によると、ウクライナ軍が一時占領した 1,268 平方キロのうち、17 日時点で 63.2% にあたる 801 平方キロを奪還したという。 同省がウクライナ軍に一時占領された面積を公表するのは異例で、同州での戦況に自信を深めている可能性がある。 ウクライナ軍は昨年 8 月に同州への越境攻撃を開始し、一時は 1 千平方キロ以上を占領。 だが、最近はロシア側が集落の奪還を発表していた。 トランプ氏は 20 日の大統領就任後、戦争終結に向けた調整を本格化させるとみられており、ロシア軍がそれまでにクルスク州全域の掌握やウクライナでの占領地拡大に注力する可能性がある。 (asahi = 1-17-25) ロシア、ウクライナに大規模ミサイル攻撃 エネルギー施設標的 ロシアは 15 日、ウクライナに向けて多数のミサイルとドローン(無人機)を発射した。 西部地域のガスインフラやその他のエネルギー施設を標的とした。 ゼレンスキー大統領によると、ロシア軍は朝方に 40 発超のミサイルを発射、夜間からの攻撃で 70 機以上のドローンを使用したという。 ウクライナ空軍は、ミサイル 30 発とドローン 47 機を撃墜したと発表した。 さらに 27 機のドローンが「失われた」という。 これは、電子的な技術を使ってドローンを方向転換させたことを意味する。 ゼレンスキー氏はXに「また大規模なロシアの攻撃だ。 冬の真っただ中、標的は変わらずわれわれのエネルギーインフラだ。」と投稿。 「標的には国民の日常生活を支えるガスやエネルギー施設も含まれていた」と語った。 ウクライナ西部リビウ州の知事によると、2 つのエネルギー施設が被害を受けた。 東部ハリコフ州のガスインフラも攻撃されたという。 ロシア国防省は、ウクライナのエネルギー施設に対して攻撃を行い、指定された全ての目標に命中させることに成功したと発表した。 首都キーウ(キエフ)も攻撃を受け、市民らが地下鉄の駅に避難した。 (Olena Harmash、Dan Peleschuk、Reuters = 1-16-25) ウクライナ軍、軍事施設に「最大規模」の攻撃 … ロシア「見過ごされることない」と報復宣言 ウクライナ軍参謀本部は 14 日、同国への侵略を続けるロシア領内の軍事関連施設に「最大規模」の攻撃を行ったと発表した。 攻撃は、露西部ブリャンスク、トゥーラ両州や南部サラトフ州、中部タタルスタン共和国の化学工場などを標的に実施したという。 攻撃は、ウクライナ空軍や国防省情報総局が 14 日未明までに共同で実施し、特殊部隊やドローン部隊も参加したという。 保安局関係者は英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」に対し、「(作戦は)ロシアの戦争遂行能力を弱めるだろう」と語った。 ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」は露南部エンゲルス空軍基地では巡航ミサイルや滑空爆弾の貯蔵施設が破壊され、複数の施設で火災が発生していると伝えた。 露国防省は 14 日、ウクライナが発射した無人機 180 機、米国製地対地ミサイル「ATACMS」と長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」計 14 発を撃墜したと主張し、「この攻撃が見過ごされることはない」として報復を宣言した。 (yomiuri = 1-15-24) 戦死した北朝鮮兵の日記、おぞましい戦術つづる 青色のペンで描かれた棒線画は、ウクライナ戦争でロシアを支援するために派遣された北朝鮮兵士が、ウクライナの無人機(ドローン)にどう対応すべきかを示している。 1 人の兵士(イラストでは「おとり」と呼ばれている)がドローンを引きつけ、他の兵士 2 人がそれを撃墜しようとしている。 このおぞましい戦術は、昨年 12 月 21 日に戦死した北朝鮮兵の日記に記されていた。 ウクライナ軍特殊作戦部隊がこのほど日記の抜粋を公開した。 前線での日常や戦術の説明、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記への賛辞が書かれていた。 筆跡や言葉の選び方、イデオロギー的な熱意の表現など北朝鮮で一般的な特徴が見られることから、日記の内容は本物だと独立した専門家らはみている。 ドローンについて記した若い兵士は、他の 2 人の同胞と共に銃撃戦で死亡したとウクライナ軍特殊作戦部隊は述べている。 日記の一節には「たとえ命を犠牲にしても、最高司令官の命令をちゅうちょなく実行する」と書かれている。 「金正恩氏の特殊部隊の勇気と犠牲を世界に示す。」 昨年 10 月にロシア西部クルスク州に到着した約 1 万 2,000 人の北朝鮮兵は数カ月間、前線から離れて塹壕掘りや後方支援を行っていた。 現在、彼らは戦闘に投入され、自国から遠く離れた国の戦争で多くが命を落としている。 ロシアと北朝鮮の政府はいずれもコメントの求めに応じなかった。 ウクライナ軍特殊作戦部隊のドローン映像や軍事専門家によれば、戦闘開始から最初の数週間、北朝鮮兵は無計画に配備されていた。 彼らは装甲車や砲撃支援なしに、開けた野原を徒歩で横切り、雪の中で迷彩服が目立っている。 訓練が適切に行われておらず、ロシア軍との連携も不十分に見える。 多くの北朝鮮兵は捕虜になることを拒み、自殺したり、負傷すると味方に殺されたりしているとウクライナ当局者は述べている。 「イデオロギー的な考え方と洗脳により、彼らには降伏という概念がない。」 ウクライナ軍特殊作戦部隊の報道官、オレクサンドル・キンドラテンコ大佐はこう語った。 約 4,000 人の北朝鮮兵が先月以降、死亡または負傷したとウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 9 日明らかにした。 米当局者によると、12 月の最終週だけで 1,000 人以上が死亡したという。 ゼレンスキー氏は 11 日、ウクライナ軍がクルスク州で負傷した北朝鮮兵 2 人を捕虜にしたと明らかにした。 彼らは治療を受け、ウクライナの治安当局が尋問していると語った。 恐怖と混乱 北朝鮮兵の大量損失はウクライナと国境を接するクルスク州で発生している。 同州は昨夏にウクライナが約 100 の町や村を占領して以来、激しく争われてきた。 ウクライナの支配下にある唯一のロシア領土として、クルスクは停戦交渉の際に切り札になるとみなされている。 米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシアは失った領土の約半分を奪還したという。 だがこの数日間、ウクライナはクルスクで新たな反撃を開始した。 北朝鮮兵の様子を映した動画では、彼らは強制下にあり、恐怖や混乱に陥っている。 動画はウクライナ軍が編集し、ウォール ストリート ジャーナル (WSJ) を所有するニューズ コープ傘下のストーリーフルが検証した。 この動画では、北朝鮮兵の集団が 1 カ所にとどまっていたり、追跡するウクライナ軍のドローンから逃げようとしたりしている。 塹壕間の野原を横切る際、しばしば何の遮蔽(しゃへい)物もない状態の中を走り抜けている。 韓国国防研究院の上級アナリスト、杜真浩(トゥ・ジンホ)氏によると、派遣された北朝鮮兵の約 3 割がすでに前線での戦闘に投入されており、残りは訓練中か交代を待っているもようだという。 「北朝鮮兵は国境が突破されないようにし、ロシア兵が他の地域で突破口を探すのを可能にしている」と杜氏は述べた。 「洗脳された北朝鮮兵」 韓国の情報機関によると、新たに到着した北朝鮮兵には偽の ID が与えられてロシアの制服を支給され、基本的なロシア語のフレーズを教えられた可能性がある。 多くの兵士は 10 代後半にも見え、比較的背が低く、やせ型だった。 クルスクでの北朝鮮兵の活動についてはこれまでほとんど知られていなかったが、最近になってウクライナが彼らの戦死状況などを公開し始めた。 戦死者の手紙やメモが複数見つかっている。 この数週間、ウクライナ軍特殊作戦部隊は同じ北朝鮮兵のものだという日記の抜粋 5 点を公開しており、そこに棒線画のイラストも含まれていた。 この日記を書いた兵士はジョン・キョンホンという名前で、ウクライナ当局者が発見したパスポートから判明した。 彼と仲間 2 人は昨年 12 月 21 日、クルスク州南西部のポグレブキ村近くでウクライナ軍特殊作戦部隊との銃撃戦で死亡した。 偽の身分証明書も見つかった。 ウクライナ当局が行った DNA 検査では、彼らが東アジア系(中国・朝鮮・日本)の出身である可能性が示された、と特殊作戦部隊の報道官キンドラテンコ氏は述べた。 日記の朝鮮語の筆跡は「明らかに北朝鮮のもの」で、ロシアのつづりが韓国とは異なるなどの特徴がある。 元北朝鮮兵で 2019 年に脱北したリュー・ソンヒョンさんはそう指摘した。 昨年 12 月 9 日、ジョンさんは「最も親しい同志」と呼ぶ友人の誕生日を祝っている。 また、「愛する父母の温かい抱擁を離れ」祖国が恋しいと書いている。 ドローン戦術の説明(日付なし)では、「おとり」となる兵士がドローンから約 7 メートルの距離を保つべきだと記している。 砲撃を受けている兵士は、同じ場所が 2 回攻撃される可能性は非常に低いため、以前に攻撃された場所に向かって走るべきだとしている。 イデオロギー的信条をいくつか列挙している部分もある。 ジョンさんは朝鮮労働党の「慈悲深い抱擁」の中で育ち、兵士としての使命は金氏を守ることだと述べている。 「日記の内容は洗脳された北朝鮮兵士の典型だ」と元韓国陸軍少将のパン・ジョングァン氏は述べた。 ジョンさんはまた、金氏が昨年 11 月に平壌で大隊長らを前に行った演説の言葉も書き留めている。 その演説は北朝鮮軍の指揮官によって前線の兵士に伝えられた可能性があると専門家は指摘する。 ジョンさんのような兵士は金氏の演説を一言一句暗記することを求められる。 日記の一節には、命令を受けたら「直ちに戦闘に参加する」という北朝鮮軍の目標を述べた金氏の言葉が引用されている。 北朝鮮の国営メディアが報じた金氏の演説文に基づくと、ジョンさんがそれを一語一句暗記していたことがうかがえる。 (Dasl Yoon、The Wall Street Journal = 1-14-25) ◇ ◇ ◇ ウクライナ軍捕虜の北朝鮮兵 「ここで暮らしたい」 1 人は帰国希望か ウクライナ侵攻を続けるロシアに派遣された北朝鮮兵について、韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は 13 日、約 300 人が死亡し、約 2,700 人が負傷したとみられると国会に報告した。 出席議員らが明らかにした。 ウクライナ側は 12 日、捕虜にした 2 人の北朝鮮兵の映像を公開。 1 人は北朝鮮に帰りたい意思を、1 人はウクライナに残りたい考えを示している。 ウクライナや韓国、米国の発表によると、ウクライナ軍との戦闘のためにロシア南西部クルスク州などの前線に派遣された北朝鮮兵は 1 万 - 1 万 2 千人に上るとみられている。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 12 日夜、通訳を介してウクライナ保安局 (SBU) の質問に応じる 2 人の捕虜の映像を公開した。 1 人はウクライナとの戦闘だとは知らなかったと明かしたうえで、上官から「訓練を実戦のようにやると言われた」と話した。 横で同僚たちが死ぬのを見て隠れていたが、5 日に負傷したという。 「北朝鮮に戻りたいか」と問われると、朝鮮語で「ウクライナの人たちはいい人ですか?」と聞き返したうえで、「ここ(ウクライナ)で暮らしたい」と話した。 あごを負傷しているもう 1 人は「北朝鮮に戻りたいか」との質問にうなずいた。 ゼレンスキー氏は 12 日の演説で、2 人の捕虜をロシアにいるウクライナ兵の捕虜と交換する用意があると語った。 「さらに多くの捕虜が出てくることは疑いようがない。 時間の問題だ。」とも強調し、捕虜になった北朝鮮兵が帰国を望まない場合は、「朝鮮語で真実を広め、平和を近づけたいと願う者には特に『別の選択肢』が与えられるだろう」とした。 北朝鮮兵、「無意味」な戦術 韓国・国情院もウクライナ当局との協力で 2 人の供述内容を把握したとしている。 報告を受けた議員によると、2 人は軍偵察総局の所属で、同局からは約 2,500 人が派遣された。 北朝鮮当局から派遣に伴う給与の約束はなく、「英雄」として扱うとの通知を受けたと話したという。 北朝鮮兵に多数の死傷者が出ている理由について国情院は「無意味なドローンへの照準射撃や後方支援のない突撃戦術など、現代戦に対する理解の不足とロシア側の北朝鮮軍の活用方法が主な原因」と分析しているという。 死亡した北朝鮮兵の持っていたメモには、捕虜になる前の自爆や自決を強調する内容が書かれていたことや、朝鮮労働党への入党を期待する内容が確認されたという。 また、ウクライナ軍に捕らえられそうになった北朝鮮兵が、「金正恩(キムジョンウン)将軍」と叫びながら手投げ弾で自爆を試みた例などもわかったとしている。 (ロンドン・藤原学思、ソウル・河野光汰、asahi = 1-13-25) ◇ ◇ ◇ ゼレンスキー大統領「北朝鮮兵士 2 名を捕虜に」写真を公開 ウクライナのゼレンスキー大統領は 11 日、「北朝鮮の兵士 2 名を捕虜にした」と SNS で明らかにし、写真を公開しました。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 11 日、「我々の兵士が北朝鮮軍人 2 名を クルスク州で捕虜にした」と SNS に投稿しました。 捕虜になった北朝鮮兵とみられる、2 人のけがをしたアジア系男性の写真や、ロシア語で「軍用身分証」と書かれた書類の写真もあわせて公開しています。 2 人はけがをしており、ウクライナの首都キーウへ移送され、情報機関が話を聞いているということで、「全ての戦争捕虜と同じようにこの 2 人の北朝鮮兵は必要な医療を受けている」としています。 また、「ジャーナリストの取材を許可するよう情報機関に指示した」ともしています。 ゼレンスキー大統領は「北朝鮮の戦争への関与の証拠を消し去るため、ロシア軍や北朝鮮軍人がけがをした北朝鮮兵を処刑している」と主張し、捕虜として捕まえることは簡単なことではなかったとしています。 ウクライナが越境攻撃を続けるロシア西部のクルスク州では北朝鮮兵が戦闘に参加していますが、ゼレンスキー大統領が公式に北朝鮮兵の捕虜の存在を明らかにしたのは初めてです。 (日テレ = 1-11-25) ウクライナ軍、ロシアの石油貯蔵施設を攻撃 大規模火災が発生 ウクライナ軍は 8 日、ロシア西部サラトフ州のエンゲリス空軍基地向けの石油を貯蔵する施設をドローン(無人機)で攻撃したと発表した。 大規模な火災が発生し、同州のブサルギン知事は消火活動を行っていた消防士 2 人が死亡したと明らかにした。 ウクライナ関係者によると、石油貯蔵施設は国境から約 640 キロメートル離れており、同空軍基地には戦略爆撃機が駐機している。 CNN がエンゲリスで撮影されたことを確認した写真には、大きな炎が夜空を焦がし、石油貯蔵施設から噴煙が上がる様子が写っている。 ウクライナ軍は、石油貯蔵施設の破壊によりロシア空軍は爆撃機の燃料の確保が難しくなり、ウクライナを攻撃する能力が著しく低下するとの見方を示した。 間もなく 3 年になるロシアとウクライナの戦争では、長距離ドローンによる攻撃が重要な役割を果たしてきた。 地上での戦闘がますます消耗戦となる中で、ウクライナは空からの攻撃を増やしている。 ロシア軍の兵站を混乱させ、武器の備蓄や石油施設を破壊することを狙っており、こうした攻撃はかなり成功している。 ブサルギン知事は、7 日夜から 8 日未明にかけてサラトフ市とエンゲリス市が「大規模」なドローン攻撃を受け、工業用地で損害が発生したことを確認した。 ロシア国防省は、サラトフ州やクルスク州などの上空で計 23 機のドローンを迎撃したことを明らかにした。 ウクライナは昨夏、クルスク州に越境攻撃を仕掛け、その後ロシア軍の反撃に遭っていたが、最近再び攻勢をかけている。 ウクライナのゼレンスキー大統領のアドバイザーを務めるオレクサンドル・カミシン氏によると、攻撃に使われた長距離ドローンは国産だという。 (CNN = 1-9-25) 「地雷原のハチミツ」に思い込めて ウクライナがプロジェクト 地雷原をハチミツの生産場所に - -。 そんなプロジェクトが、ロシアによる侵攻を受けているウクライナで進んでいる。 プロジェクトは、地雷などで汚染された土地にドローン(無人機)を活用して蜜源植物の種をまいて植え付け、その蜜をミツバチに集めさせるというもの。 巣箱は地雷除去区域に沿って配置され、ミツバチは巣箱から半径約 3 キロ離れた場所でも蜜を集めることができるため、危険で人が立ち入れない場所も含めたエリアを活用できるとしている。 広大な土地があり、ヒマワリなどの蜜源植物が豊富なウクライナは、世界有数のハチミツ生産国として知られる。 侵攻により地雷に汚染されなければ「存在するはずのなかった」ハチミツを作ることで、汚染に苦しむウクライナの現状を世界に伝えようと試みる。 ウクライナ国防省などによると、2024 年 12 月時点で、侵攻の影響によって国土の 4 分の 1 近くにあたる 13 万 9 千平方キロメートルにわたって地雷や不発弾が埋められており、アフガニスタンなどを抜き、世界最大の地雷汚染国となっている。 ウクライナがロシアから一部地域を奪還したあとも、地雷の存在は農業再開の大きな妨げになっている。 地雷除去には長い時間と多大な資金が必要とされる。 米戦略国際問題研究所 (CSIS) の分析によると、汚染された地域から完全に地雷を除去するために必要な期間は、資金や機材、人材の有無で数十年から数百年と幅があるという。 今回のプロジェクトで作られたハチミツは、ウクライナ領内の地雷除去の重要性を、ウクライナを支援する国や国際社会にアピールするために活用されるといい、CSIS は「汚染への対応や適応に向けた革新的なアプローチ」と評している。 (真田嶺、asahi = 1-8-25) |
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