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ロシア軍、補給路断絶狙う ウクライナ東部集落制圧 【キーウ】 英国防省は 18 日、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の要衝アブデーフカ北方の集落を制圧したとみられるとの分析を示した。 約 8 キロ北西にウクライナ軍が東部部隊への補給に使う高速道路があり、進軍して遮断を狙うとみられる。 ロシア軍はアブデーフカを 2 月に制圧していた。 集落はアブデーフカの約 20 キロ北西にある。 東部ハリコフ州で前線を担うウクライナの第3独立強襲旅団は 18 日、隣接するルガンスク州からロシア軍が西進し、州境到達に向け攻撃を強めていると指摘した。 ロシア側は民間軍事会社の雇い兵らで構成し、化学兵器も使用しているという。 (kyodo = 6-19-24) ロシア、F16 到着前に支配地広げようと攻勢強化 ウクライナ軍総司令官 ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官は 17 日、同国軍が F16 戦闘機などの兵器を支援国から受け取る前により多くの領土を奪取しようと、ロシア軍が攻勢を強めているとの認識を示した。 東部ドネツク州などで、ウクライナ軍は兵員・弾薬不足のために戦線の維持が困難となっており、ロシア軍が着実に前進している。 シルスキー氏は、同国側には支援国から大量の兵器と軍装備品が続々と届き、防空能力を強化する F16 の第一陣も到着するので、時間がウクライナ側の有利に働くことを「敵もよく理解している」とソーシャルメディアへの投稿で指摘。 「このため、ロシア軍司令部は今、戦闘を激化させ、戦場を広げることでわが軍を最大限消耗させ、予備役の訓練を妨害し、積極的な攻勢への移行を妨げようとあらゆる手を尽くしている」との見方を示した。 さらに、ロシア軍はドネツク州、特にポクロウシク戦線に火力を集中させていると付け加えた。 ロシア軍は同戦線で、同州北部の民間拠点と南部の町を結ぶ主要な補給路に迫っている。 (AFP/時事 = 6-18-24) ウクライナ軍、包囲したロシア軍部隊を滑空爆弾で攻撃 北東部ボウチャンシク ロシア軍の北東部攻勢の主戦場であるウクライナ北東部ハルキウ州ボウチャンシクで、ロシア兵数百人が市中心部の工場で包囲されている。 先週末から 16 日にかけてうち少なくとも 30 人が投降した。 残りの兵士は逃げる場所も隠れる場所もない。そして、ウクライナ空軍は精密誘導爆弾で彼らを狙っている。 数個大隊規模のロシア軍部隊は、15 日前後にPJSC ボウチャンシキー骨材工場を占拠した。 ボウチャンシクは、2022 年 2 月にロシアがウクライナに対する戦争を拡大する前、およそ 1 万 8,000 人が暮らしていた小都市で、ロシアとの国境からはわずか 8km の距離だ。 ボウチャンシクは、ロシア軍が 5 月 10 日に始めた北方からの攻勢の最初の主目標だった。 この攻勢は最終的に、国境から約 40km のウクライナ第 2 の都市、ハルキウ市の攻略を狙っているとも考えられた。 しかし、数万人規模のロシア軍部隊はボウチャンシクを突破できなかった。 ウクライナ軍は、精鋭の第 82 独立空中強襲旅団を含む数個旅団を北方に急派し、応戦させた。 支援再開後に米国から急送された弾薬で補充したウクライナ軍部隊は、通り 1 本ごと、建物 1 棟ごとの市街戦をロシア軍部隊と繰り広げ、5 月下旬にロシア側の前進を食い止めた。 数週間にわたる熾烈な市街戦を経て、ロシア軍の指揮官たちは思い切った行動に出た。 彼らは大人数の部隊に骨材工場の占拠を命じた。 工場やその頑丈なコンクリート製建物を足場として、工場のすぐ南を東西に流れるボウチャ川を部隊に渡らせる狙いだったとみられる。この川は、市南部を守るウクライナ軍部隊にとって自然の防御物になっている。 だが、骨材工場のすぐ西を南北に走るソボルナ通りで行われたとみられるウクライナ側の迅速な攻撃によって、この工場に立てこもるロシア兵およそ 400 人は孤立化することになったと報告されている。 ウクライナの調査分析グループ、ディープステートが随時更新している戦況マップによれば、17 日現在、この工場にいる部隊はソボルナ通りの西にいるロシア軍の本隊と切り離されたままだ。 現在、ウクライナ空軍も戦闘に加わっている。 MiG-29 戦闘機か Su-27 戦闘機、またはその両方が、米国製もしくはフランス製の精密滑空爆弾を工場に向けて投下している。 米フィラデルフィアにあるシンクタンク、外交政策研究所のアナリスト、ロブ・リーは、工場の主要建物が最近、ウクライナ側の滑空爆弾で攻撃される様子を捉えた映像を 3 つ確認している。 ロシアのある軍事ブロガーはボウチャンシクでの戦闘を、ロシアが拡大して 2 年 4 カ月たつ戦争で最も過酷だった 2 つの戦役、東部のバフムート攻防戦とアウジーウカ攻防戦になぞらえている。 アウジーウカでは、ロシア空軍機が滑空爆弾を 1 日に何十発も投下し、街を徐々に瓦礫の山に変えていった。 そうしてウクライナ軍の守備隊は今年 2 月、ついに撤退に追い込まれた。 アナリストの WarTranslate が引用・翻訳しているところによると、このブロガーは「悪いニュースは敵が Hammer 誘導爆弾を多数保有していることだ。 これは深刻な問題をもたらしている」と憂慮している。 フランスはウクライナの戦争努力に AASM Hammer 誘導爆弾(編集注 : Hammer は英語の highly agile modular munition extended range = 高機動モジュラー弾延伸射程 = の頭字語なので必ずしもフランス語読みをする必要はない。 「ハマー。」)を月 50 発供与することを確約している。 米国も、展開式の翼と衛星誘導装置を付け、モデルにもよるが数百 kg の炸薬を搭載する同様の爆弾をおそらく数千発供与している。 滑空爆弾を最大 6 発搭載するウクライナ空軍の戦闘機は、低空を高速で飛行し、直前に機首を引き起こして爆弾をリリースすることで、最大 40km 先、米国製の GBU-39 小直径爆弾 (SDB) の場合は最大 65km 先の目標を爆撃できる。 前出のロシア人ブロガーは「これらに対抗するのは容易ではない」と認めている。 工場に身を潜めるロシア兵数百人の上に滑空爆弾を落とすことで、ウクライナ側は、これまで自分たちが味わわされてきたことをロシア側にやり返している。 ロシア空軍は地上攻撃に先立って、空軍機でウクライナ側の陣地を滑空爆弾で爆撃するのが常套になっている。 これはウクライナ側を恐れさせてきた。 アウジーウカで戦ったウクライナ軍第 3 独立強襲旅団に所属する軍人、イェホル・スハルは「これらの爆弾はどんな陣地もこっぱみじんにしてしまう」と証言している。 立場が入れ替わり、今度はロシア軍部隊がおびえ、コンクリートの瓦礫に埋められる側になったようだ。 (David Axe、Forbes = 6-18-24) ロシア軍の最新鋭 S-500 防空システムが ATACMS に対抗できそうにない理由 ウクライナ軍の米国製ATACMS弾道ミサイルを用いたとみられる攻撃を受けて、自軍で最も高性能な地対空ミサイルシステムである「S-400」の損失が相次いでいるロシア軍は、いよいよ焦りを募らせているようだ。 ウクライナ国防省情報総局 (HUR) のキリロ・ブダノウ局長によれば、ロシア軍は最近、最新の地対空ミサイルシステムである「S-500」を初めて配備したという。 ロシア軍は S-500 をまだ 1 基しか保有していないとみられる。 ブダノウは地元メディアに、ロシアの占領下にあるクリミアに S-500 が登場したと語った。 クリミアとロシア本土を結ぶケルチ海峡を守るためだという。 ケルチ海峡やそこに架かるケルチ橋はロシアにとって、クリミアを含む占領下ウクライナ南部への主要な補給路のひとつだ。 S-500 は十数年前から開発が進められてきたが、ロシアの研究開発向け予算が戦時需要に吸い上げられるなか、スケジュールは延び延びになっている。 現在は本格的な運用開始は 2025 年と見込まれている。 本格運用前の S-500 がクリミアに引っ張り出されたらしいことは、現地でロシア軍の防空問題がいかに切迫しているかを物語る。 ただ、ブダノウによると今回は「試験的な運用」とみられるという。 いずれにせよ、大きな成果は期待しないほうがいいだろう。 現状の S-500 と S-400 の性能差はそこまで大きくない。 その S-400 はこのところ、ウクライナ軍の ATACMS によるとみられる攻撃で月に 1 回以上のペースでやられており、2022 年 2 月の戦争拡大前の 50 基前後からじりじり数を減らしている。 書類の上では、S-500 システムにはレーダーが少なくとも 3 つ含まれている。 うち 2 つは S-400 のレーダーと基本的に同じものだ。 もうひとつの「77T6」というレーダーは、ATACMS のように高速で飛来する弾道ミサイルの探知に最適化されている。 ただ、このレーダーは数年前に開発されたばかりであり、謎に包まれている。 英王立防衛安全保障研究所 (RUSI) のアナリスト、トーマス・ウィジントンも 2022 年 7 月の論考で、77T6 の能力は「いまだによくわからない」と書いていた。 77T6 レーダーを備える S-500 が最も高い効果を発揮するのは、これも ATACMS のような弾道ミサイルに最適化された迎撃ミサイル「77N6」を使用する場合だろう。 77N6 はもともと、目標を直撃して破壊する「ヒット・トゥ・キル」方式のミサイルになるはずだった。 ヒット・トゥ・キル・ミサイルとは、弾頭を取り除くことでミサイルを軽量化し、機動性と命中精度を高めたミサイルだ。 米陸軍の最新の防空ミサイルの多くはこのタイプになっている(編集注 : パトリオット地対空ミサイルシステムのPAC-3 ミサイルもこのタイプ)。 だが、軍事ニュースサイトの「ディフェンス・ニュース」によると、ロシアの産業界はヒット・トゥ・キル・ミサイルの生産に必要な精密電子機器の調達に苦労している。 S-500 の試作機は少なくとも 1 発の 77N6 を発射しているが、現在の 77N6 には弾頭が付いている。 つまり、77N6 はヒット・トゥ・キル・ミサイルではなく、ロシアが本来想定していたような、弾道ミサイルの迎撃に特化したミサイルではない。 そのため、新たに配備されたらしい S-500 は、クリミアの防空システムを追い詰めロシア側が何らかの対処を余儀なくされている当の兵器に対して、あまり役に立ちそうにない。 あらためて言うまでもなく、重量 1.5t 前後の精密誘導ミサイル、ATACMS である。 ウクライナに供与されている ATACMS には、広範なエリアに致死的な子弾を数百発ばらまくタイプなどが含まれる。 その子弾は、S-400、あるいは S-500 のようなデリケートなシステムを無力化することができる。 (David Axe、Forbes = 6-17-24) 原発、食料安保で共同声明 平和サミット、80 カ国支持 【ビュルゲンシュトック】 ロシアに侵攻されるウクライナが提唱する和平案「平和の公式」を協議するスイス中部ビュルゲンシュトックでの「世界平和サミット」は 16 日閉幕し、ロシアが占拠する原発の安全確保や食料安全保障、強制連行された市民の帰還の 3 項目を盛り込んだ共同声明を採択した。 主催国スイスによると、80 カ国と四つの国際機関が支持したが、新興国のインド、サウジアラビア 、南アフリカなどは加わらなかった。 今後、3 項目に関する行動計画の詳細を詰める。 共同声明で国際的な結束を示してロシアに外交圧力をかけ、最終的に平和の公式をのませたい考え。 ゼレンスキー大統領は、国際的に承認された行動計画を策定後、ロシアとの折衝が始まると主張した。 ただロシアが譲歩する兆しはなく、影響力を持つ中国はサミットを欠席。 戦争終結への道は険しい。 平和の公式はロシア軍の即時全面撤収などを含む 10 項目。 ウクライナは今回、侵攻に中立的な国々の同意を得ようと、ウクライナ南部ザポロジエ原発の安全確保や、穀物の安定供給に基づく食料安全保障、ロシアに拉致された子どもたちの帰還の 3 項目に議論を絞り込んだ。 (Kyodo = 6-16-24) ◇ ◇ ◇ ゼレンスキー大統領「歴史を目撃する」 平和サミット、スイスで開幕 ロシアの全面侵攻を受けるウクライナの平和に向けた道筋を探る「平和サミット」が 15 日午後、スイスのビュルゲンシュトックで開幕した。 92 カ国・8 機関の首脳や閣僚らが出席し、ウクライナにとっては、多くの国とどのような合意形成をできるかが焦点になる。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 15 日、開幕の声明を読み上げ、平和のために世界が団結する必要性を強調。 「このサミットで私たちは歴史がつくられる場を目にすることになる」と述べた。 主催するスイス政府は 160 の代表団に招待状を送付。 57 カ国からは首脳が参加し、主要 7 カ国 (G7) はハリス副大統領が出る米国を除いて全首脳が集まる。 ロシアと一定の関係を保つ中国は参加を見送ったが、両国と BRICS を構成するブラジルやインド、南アフリカは外相や特使の参加を決めた。 会合では「核の安全性」、「食料安全保障」、「捕虜やロシア側に連れ去られた人びとの帰還」を 16 日まで議論する。 三つともウクライナが重視する 10 項目の「平和の公式」に含まれるものだが、国によって意見が分かれる「領土保全の回復」や「ロシア軍の撤退」は議題に含まれていない。 ロシアの参加も議論へ スイスは会合の目的を「和平プロセスを開始させること」とし、「ウクライナの公正かつ永続的な平和に向けた第一歩」と位置づける。 会合ではロシアをいつ、どのように和平プロセスに参加させるかについても話し合うといい、サミットでの議論は声明にまとめられる。 だが、ロシアのプーチン大統領はサミット直前の 14 日に突如、「和平交渉の条件」に、ウクライナ領 4 州からのウクライナ軍の撤退と、ウクライナの北大西洋条約機構 (NATO) の加盟断念などを突きつけた。 また、平和サミットについては「ウクライナ危機の原因と結果をすり替え、ウクライナの現政権に再び一定の合法性を与える策略だ」と批判。 ロシア抜きの「平和的解決」は不可能だと主張した。 ゼレンスキー氏は 14 日、プーチン氏の挙げたこの「条件」について、「ヒトラーと同じメッセージだ。 国際法を侵害し、国連憲章を尊重する気もない」とイタリアメディアに指摘。 「我々はみな国際法や国連憲章、民主主義や自由、命や人間に敬意を持たなければならない」と訴えた。(ビュルゲンシュトック・藤原学思、asahi = 6-15-24) ◇ ◇ ◇ ウクライナ平和サミット開催へ その狙いとゼレンスキー氏の心配 ロシアのウクライナ侵攻が長期化する中、和平の道筋をつけるため各国の首脳や高官らが協議する初の「ウクライナ平和サミット」が 15 日から 2 日間、主催国であるスイスで開かれます。 平和サミットの目的やウクライナ情勢に与えうる影響について、慶応大の鶴岡路人准教授(欧州政治・国際安全保障)に聞きました。 ウクライナ、今年左右する1週間 「三つの会議」が重要な理由とは、 - - 平和サミットの開催を強く求めてきたウクライナの狙いは何でしょうか。
国際的な関心引きつける狙い 従って、今回の平和サミットの実質的な狙いとしては、ウクライナ情勢全般への国際的な関心を引き付けるという象徴的な意味合いが強いと思います。 昨年 10 月以降、ガザ情勢に世界の目が向きがちになっているなかで関心を再び高め、グローバルサウスにもアプローチして国際的な支援に厚みを持たせたい。 同時に国際社会の結束を示してロシアにプレッシャーをかけたい - -。 そうした狙いがあると思います。 - - ゼレンスキー氏は、平和サミットで合意を目指す項目を、(1) 核の安全、(2) 食料安全保障、(3) 捕虜や強制連行された子どもたちの解放 - - の三つに絞る方針を示しました。 その意図は。
- - ウクライナ側は 100 以上の国と国際機関が参加予定だとしています。 この数をどう見ますか。
不快感示すロシア、妨害はかる - - ロイター通信によると、ロシア大統領府はロシアが招待されていない平和サミットについて「ばかげた活動」、「時間の無駄」などと表現し、反発しています。
- - 平和サミットはウクライナ情勢にどの程度影響を与えるでしょうか。
- - 日本は岸田文雄首相が出席予定です。
◇ ◇ ◇ プーチン氏、ウクライナに「最後通告」 NATO 加盟撤回や 4 州割譲要求 [モスクワ] ロシアのプーチン大統領は 14 日、ウクライナでの戦争終結には、ウクライナが北大西洋条約機構 (NATO) 加盟に向けた野心を放棄し、同国東・南部 4 州をロシアに引き渡す必要があると言明した。 ウクライナの見解とは相いれない、これまでで最も詳細な条件を提示した。 ロシア軍が戦闘で優位に立っているという自信を反映しているとみられる。 演説はスイスで 15 - 16 日に開催される「ウクライナ平和サミット」の前夜に行われた。 同サミットにロシアは招待されていない。 プーチン大統領は「条件は非常に単純だ」と強調。 ウクライナ東・南部のドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポロジエ 4 州からのウクライナ軍の完全撤退を挙げ、「ウクライナがこうした決定の用意があると発表し、実際に撤退を開始し、NATO 加盟計画を放棄すると正式に表明すれば、われわれは直ち停戦命令を出し、交渉を開始する」と通告した。 さらに「われわれは具体的で真の和平提案を行っている」と主張。 「ウクライナや西側諸国がこれまで通り拒否すれば、流血の継続に対する政治的、道義的責任は彼らにある」とけん制した。 ウクライナの非武装化や西側諸国による対ロシア制裁解除も和平合意に盛り込まれる必要があるとも述べた。 プーチン大統領の提示した条件について、ウクライナのゼレンスキー大統領は「過去のメッセージと何ら変わらない最後通告のメッセージだ」と述べた。 ポドリャク大統領府顧問はロイターに対し、「ばかげている」とし、「ウクライナに敗北を認めるよう提案している」とコメントした。 オースティン米国防長官は NATO 本部で記者団に対し、「プーチン氏はウクライナに対し、平和をもたらすために何をすべきかを命じる立場にない」と言明した。 (Reuters = 6-15-24) ロシア軍、400 回超の攻撃 ウクライナ南部に無人機や砲撃 【キーウ】 ウクライナ南部ザポロジエ州のフェドロフ知事は 16 日、ロシア軍が同州の複数の集落に、過去 24 時間で計 400 回以上の攻撃をしたと明らかにした。 このうち半数ほどが無人機による攻撃で、残りの大半が砲撃だった。 民家が損壊したが、負傷者は報告されていないという。 ロシア軍は 15 - 16 日、南部ヘルソン州の州都ヘルソン市や東部ドニエプロペトロフスク州ニコポリにも無人機攻撃や砲撃を行った。 ガス管の損傷などで火災が発生し、多数の民家に被害が出た。 ウクライナ軍の関連組織は、ロシア占領地の同国当局者が、侵攻に参加する用意がある人たちに住宅の「居住証明書」を発行しているとの分析を発表した。 (kyodo = 6-16-24) ロシア軍の「巨大な自走砲」撃破したのはサムライ!? ウクライナ軍に ”日本っぽい” ドローン部隊 ウクライナ国防省は 2024 年 6 月 11 日、ロシア軍の 2S19 「ムスタ-S」 152mm 自走榴弾砲を自爆ドローンによる攻撃で撃破したと発表。 映像も公開しました。 同国防省によると、ロシア軍の自走砲を撃破したのは、ウクライナ領土防衛隊の「ムラマサ」部隊とのこと。 この部隊は、第 109 独立領土防衛旅団でドローンを専門に扱う部隊のようです。 部隊章は、兜を身に着けた日本の武士がモチーフとなっています。 映像では、ロシア軍の自走砲を 2 回にわたって自爆ドローンが攻撃しています。 1 回目は命中したものの、撃破には至らなかった模様。 自走砲がより安全な場所を求めて移動した際に 2 回目の攻撃を行い、撃破したようです。 (乗りものニュース = 6-16-24) ウクライナ、ハリコフの一部奪還 ロシアは予備部隊投入か 【キーウ】 米シンクタンク、戦争研究所は 13 日、ウクライナ軍がロシア軍から東部ハリコフ市北方の一部を奪還したとの分析を示した。 ロシア側がハリコフ州北部に予備部隊を投入したとの情報があり、東部ドネツク方面から再配置した可能性があるとも指摘した。 ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は 12 日、ロシアが最新鋭地対空ミサイル「S500」を実効支配中の南部クリミア半島に試験的に配備し、防空システムを強化したと述べた。 複数のウクライナメディアが伝えた。 南部ヘルソン州の検察当局は 13 日、ロシアによる砲撃で男性 1 人が死亡したと発表した。 (kyodo = 6-14-24) クリミアの防空システム、ウクライナが破壊 … 「ロシアの負担が大きくなっている」 防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事と東大先端科学技術研究センターの小泉悠・准教授が 13 日、BS 日テレの「深層 NEWS」に出演し、ロシアの侵略を受けるウクライナが露軍の防空システムの破壊に相次いで成功したことについて議論した。 ウクライナは南部クリミアで露軍への攻撃を強めている。兵頭氏は「露軍の防空体制を弱体化させることが当面の狙いだが、将来的にはクリミア大橋を破壊したいのではないか」との見方を示した。小泉氏は「ロシアはクリミアを維持する負担が大きくなっている」と指摘した。 (yomiuri = 6-14-24) ウクライナ軍、ATACMSで クリミアの S-400 防空システムをまた破壊 F-16 投入の準備か ウクライナ軍は 5 月中旬、ロシア占領下クリミアのセバストポリ近郊のベルベク航空基地に向けて米国製の ATACMS 弾道ミサイルを 10 発撃ち込んだ。 そして、ウクライナ側の作戦立案者が現実的に期待できる限り最大の損害をロシア側に加えた。 地上で撮影された写真から、重量 1.5t 前後の ATACMS から各数百個ばらまかれた擲弾サイズの子弾は、S-400 地対空ミサイルシステムのレーダー 1 基と発射機 2 基を撃破したことが確認されている。 さらに駐機中の戦闘機 4 機にも損害を与えたもようだ。 ベルベクとセバストポリにはロシア空軍とロシア海軍黒海艦隊の残存艦艇にとって重要な基地があるので、ロシア側が射程 400km の S-400 の破壊された装備をただちに補充したのは当然だ。 だが、ベルベクの基地周辺の S-400 は 11 - 12 日の夜に再びウクライナ軍によって攻撃された。 使われた兵器が何だったのかは現時点で不明だが、おそらく 5 月の攻撃と同じ射程 300km のATACMS「M39A1 型」だろう。 ウクライナ国防省は、ベルベクとセバストポリ近辺の S-400 計 2 基とベルベク近辺のより射程の短い S-300 地対空ミサイルシステム 1 基が攻撃されたと報告し、S-400 と S-300 のレーダーが 1 基ずつ撃破されたと主張している。 さらに「3 基目のレーダーについて情報を確認中」だという。 3 基が配備されていた 3 カ所すべてで「弾薬の爆発音が記録されている」とも付言している。 ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター (CDS) は 11 日と 12 日の作戦状況評価で「攻撃には少なくとも 10 発の ATACMS ミサイルが使用され、ロシア側の防空システムは 1 発も迎撃できなかった」と述べている(編集注 : ただ、攻撃されたのは「ジャンコイ近辺のレーダー基地と S-400 ミサイルの備蓄、チョルノモルシケとイェウパトリヤ付近の S-300 ミサイルシステム 2 基」としており、別の攻撃の可能性もある。 ベルベクとセバストポリはクリミアの南東部、ジャンコイは北部、チョルノモルシケとイェウパトリヤは北東部に位置する)。 ベルベク近辺でロシア空軍の誇る最高の防空システムは消耗の罠にはまりつつある。 S-400 はロシア軍が投入するのとほぼ同じペースでウクライナ軍に破壊されている。 オランダの OSINT (オープンソース・インテリジェンス)分析サイト「オリックス (Oryx)」によると、ロシア軍は 11 日より前の時点で S-400 の指揮所車両 2 両、レーダー 2 基、発射機 16 基を撃破されていた。 今回の攻撃で S-400 の装備の撃破数はさらに増えた可能性がある。 システム 4 - 5 基の一部装備が失われたのかもしれない。 ミサイルの迎撃システムがミサイルにやられているというのは皮肉だ。 S-400 は周囲の友軍部隊を守れていないばかりか、みずからも守れていない。 S-400 はロシア軍に 50 基あまりあるようなので、すぐに枯渇することはないだろう。 それでも、ウクライナ軍のミサイル攻撃で生き延びられないのなら、ウクライナでのロシアの戦争努力には役に立たないということになる。 ロシア側は S-400 をウクライナに配備すればするほど、さらに多く失う結果になりそうだ。 ロシアの観測筋のなかには、この先にもっとひどい攻撃が待っているのではないかと懸念する向きもある。 ウクライナ軍が米軍の攻撃ドクトリンに従っているのだとすれば、まず最初に防空システムを攻撃し、続いて「F-16戦闘機を中心とする航空機が、翼の下にさまざまな弾薬を搭載して登場することになる。」 ロシアのある軍事ブロガーは、エストニアのアナリスト、War Translated が引用・翻訳している投稿でそう書いている。 ウクライナ空軍は欧州諸国から F-16 を 8 5機受け取ることになっており、F-16 戦闘機が戦闘に用いるレーダーホーミング・ミサイルや精密滑空爆弾はすでに取得している。 デンマークから供与された第 1 陣の F-16 は間もなくウクライナに到着するはずだ。 この機敏な戦闘機がいきなりクリミアのロシア軍基地を攻撃し始めても驚かないようにしよう。 ATACMS によるたび重なる攻撃によって、基地の防空は着実に弱体化している。 (David Axe、Forbes 6-14-24) ハリコフでロシア軍失速、ロシア領内攻撃容認受け = 米国防長官 [ブリュッセル] オースティン米国防長官は 13 日、ウクライナが供与を受けた兵器でロシア領内を攻撃するのを一部の供与国が認めたことを受け、ハリコフ周辺でロシア軍の前進が失速しているとの見方を示した。 ブリュッセルで開いている北大西洋条約機構 (NATO) 国防相会合の合間に記者団に述べた。 「ロシア軍の前進が失速し、戦線が安定しつつある」とし、「数週間前にはロシア側が大きく前進するのではないかと懸念されていたが、今後そうはならないだろう」と語った。 バイデン米大統領は先月、ハリコフ周辺との国境地域に限り、ウクライナが米国から供与された兵器でロシア領内を攻撃することを容認した。 ハリコフ市長は今週、ウクライナ軍がロシア国内のミサイル発射基地を攻撃し、ハリコフに対する攻撃減少につながっているとロイターに語った。 オースティン氏はウクライナが供与された兵器や弾薬を有効に使っていると指摘。 その上で「供与はさらに続く見通しで、ウクライナ軍は時間とともにより強くなる」と述べた。 (Reuters = 6-14-24) ゼレンスキー大統領の故郷にミサイル攻撃、9 人死亡 ウクライナ中部 ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州クリビーリフの住宅地で 12 日午後、ロシア軍によるミサイル攻撃があった。 ウクライナ検察当局によると、同日夕時点で 9 人が死亡し、子ども 5 人を含む 29 人が負傷。 現在も捜索を続けているという。 クリビーリフは同州南西部の工業都市で、ゼレンスキー大統領の故郷として知られ、たびたびロシア軍の攻撃の標的になっている。 検察やウクライナ空軍によると、12 日未明には同州でドローン(無人機)攻撃があり、民家 9 棟が被害を受け、13 歳の少年を含む 3 人が負傷した。 ゼレンスキー氏は 12 日午後、自身の X (旧ツイッター)に「最新の防空システムは、ウクライナの人々、都市、拠点を最大限に保護することができる。 緊急に必要だ。」と投稿し、防空支援の必要を訴えた。 (ブリュッセル・森岡みづほ、asahi = 6-13-24) 米政府「ロシアに軍事転用可能な物資を提供」、中国など 300 超の個人・団体を制裁対象に追加 【ワシントン = 田中宏幸】 米政府は 12 日、中国などを拠点とする 300 超の個人・団体を制裁対象に加えたと発表した。 軍需品のサプライチェーン(供給網)を分断し、対露制裁逃れを防ぐ狙いがある。 発表によると、軍事転用可能な物資をロシアに提供し、制裁の回避を手助けしているとして、中国やベラルーシ、トルコ、アラブ首長国連邦 (UAE) などの個人・団体を対象に追加した。 すでに米国の制裁対象となっているロシアの主要人物や金融機関と取引した中国やキルギス、インドなどの金融機関についても、2 次制裁の対象とすると警告している。 制裁対象の個人・団体は米国内の資産が凍結され、米企業などとの取引もできなくなる。 イエレン米財務長官は声明で「ロシアの戦争経済と取引する金融機関を追い詰め、外国の技術や設備、IT サービスから利益を得るロシアの能力を低下させる。」と強調した。 (yomiuri = 6-13-24) 米、ウクライナにパトリオット追加供与へ 報道 米国はウクライナに対し、地対空迎撃ミサイルシステム「パトリオット」 1 基を数日以内に追加供与する見込みだ。 米紙ニューヨーク・タイムズが 11 日、政府・軍関係者らの話を引用して報じた。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は最近、ロシア軍が新たな攻勢を仕掛けている東部ハルキウ州を防衛するための 2 基を含む地対空迎撃ミサイルシステム数基の追加供与を要求。 独ベルリンで始まったウクライナ復興会議では「ロシアの最大の戦略的優位性は、空における優位性だ。 ミサイルと爆弾による攻撃が、ロシア軍の地上進攻を後押ししている」とし、それに対する「答えは防空だ」と強調した。 ニューヨーク・タイムズによるとウクライナに新たに供与されるのは、現在ポーランドに配備されているパトリオット。 AFP はこの移転について米国防総省にコメントを求めたが、これまでに回答はない。 米国がウクライナにパトリオットを供与するのは少なくとも 2 回目となる。 ドイツのオラフ・ショルツ首相は、ウクライナ復興会議での演説で「可能な限りあらゆる手段を通じて、ウクライナの防空態勢を強化」しようと同盟国に訴えた。 ドイツはこれまでにパトリオット 3 基をウクライナに供与している。 (AFP/時事 = 6-12-24) F-16 戦闘機が「いるだけ」でロシアは黙る!? ウクライナへ供与目前 空を一変させるその意味 F-16 は空対空以外にも使える戦闘機 2022 年より続くロシアによるウクライナ侵攻は、地上戦に焦点が当たりがちですが、その一方で航空優勢の獲得という、戦争の勝利を左右する重要な要素が「宙ぶらりん状態」にあるという特異な状況を呈しています。 地上戦において圧倒的な打撃力を発揮する航空攻撃は、まさに現代戦における必須要素と言えるでしょう。 しかしながら、ウクライナとロシアは互いの強力な地対空ミサイル網を前にして、積極的に航空機を運用できない状況に陥っているのが現状です。この膠着状態こそが、長期化する戦局の一因になっているとも言えます。 しかし、ここに待望の救世主が現れるかもしれません。 アメリカ製の戦闘機 F-16 「ファイティングファルコン」の登場です。 まもなくウクライナ空軍が手にすることになる F-16 は、単なる空対空戦闘能力に長けた軍用機ではありません。 その真骨頂は、敵軍の地対空ミサイルを無力化できる能力にあります。 敵防空網に対する攻撃の中核となる攻撃兵装 AGM-88 「HARM (高速対レーダーミサイルの英略)」を最大限に活用するため、F-16 には AN/ASQ-213「HTS (HARM ターゲティングシステム)」というアビオニクス(電子機器)がエアインテークの側面に搭載可能です。 「HARM」は、その名の通りレーダー電波の発信源を逆探知し誘導を行う空対地ミサイルです。 MiG-29 と F-16 では「HARM」の相性が段違い! 「HARM」は既にウクライナへ供与されており、既存の MiG-29 戦闘機などに搭載し運用されていることが明らかになっていますが、ロシア製の MiG-29 とアメリカ製の「HARM」では本来、システムの互換性はありません。 そのため、おそらく既に位置が判明しているレーダー電波発信源、たとえば固定式陣地を構築する必要がある長射程地対空ミサイル S-300 などに攻撃する、というような限定的な使い方しかできていないのではないかと筆者(関賢太郎)は推測します。 しかし、「HTS」を搭載した F-16 であれば、レーダー電波を逆探知することで、収集した電波情報を蓄積・共有している「電波情報ライブラリー」から詳細情報を得られるほか、その発信源位置を特定することまで可能です。 たとえば、ロシア軍が移動可能な中型の「ブーク」地対空ミサイルを隠蔽し、F-16 を待ち伏せしていたとします。 ほかのレーダーサイトなどからF-16 飛来の報告を受けた「ブーク」がこれに奇襲をかけるためレーダーを起動し F-16 を照準した場合、その瞬間に F-16 の「HTS」は探知します。 これによって自らの位置を暴露した「ブーク」は、逆に「HARM」に対して照準情報を与えてしまい、F-16 の攻撃に晒されることになります。 「ブーク」を始めとした地対空ミサイル側が「HARM」から逃げるには、「HARM」そのものを撃墜するかレーダー電波を停止し即時移動しなくてはなりませんが、「HARM」は高速対レーダーミサイルの英略どおり高速で飛んでくるため、避けるまでの時間が極めて短いのです。 加えて、その推定射距離は 100km と、一部の大型地対空ミサイル以外はほぼ上回るほどリーチも長いため、F-16 に対して攻撃をしかけるのは反撃されるリスクを覚悟し、場合よっては諦める必要があるでしょう。 「HARM」撃てる F-16 がいるだけで疑心暗鬼に F-16 と「HARM」そして「HTS」の組み合わせは、この「相手にレーダー OFF を強制させる」という点において白眉なのです。 ゆえに、地対空ミサイルを使わせないミッションを「SEAD(敵防空網制圧)」と呼び、短い時間に限った航空優勢を確保することができます。 これによって、自衛だけではなく他機が行う航空作戦の遂行を助けることも可能です。 ちなみに、永続的な航空優勢確保のために相手を物理的に破壊してしまう作戦を「DEAD (敵防空網破壊)」と呼びます。基本的には「SEAD」と変わりません。 「HTS」で得た位置情報は「HARM」よりは遅いものの、威力において数倍上回るその他巡航ミサイルや GPS 誘導爆弾といった兵装でも使用することが可能なため、こうした強力な兵装はレーダーを無力化した後に、指揮車や発射機などを攻撃するのに適します。 F-16 導入がウクライナの戦局にどのような影響を与えるのか、現時点では断言することはできません。 しかし「F-16 が存在する」という事実があるだけでも、これまでとは違いロシア側に地対空ミサイルを無闇に使えなくする効果を発揮します。 そのため、たとえ少数機であったとしても、ロシア側は大きな脅威として見なすことは間違いないでしょう。 (関 賢太郎、乗りものニュース = 6-12-24) |
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