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ウクライナ大統領、「11月を待たずに」支援呼び掛け

ウクライナのゼレンスキー大統領は 9 日、訪問先の米国で、国際社会の指導者に対して、「11 月やその他の月を待たずに」ウクライナに対する支援を早急に行うよう呼び掛けた。 ゼレンスキー氏はロシアのプーチン大統領も含めて「全員が 11 月を待っている」と指摘した。  首都ワシントンでは北大西洋条約機構 (NATO) の首脳会議が開催されるが、各国首脳は、11 月に行われる米大統領選で、共和党からの指名を確実にしているトランプ前大統領が再選する可能性を念頭に置いている。

ゼレンスキー氏は、11 月やその他の月を待つことなく、強く決断し、行動を起こす時が来たと指摘。 米国や米国の指導者、自由世界の指導者としての米大統領が民主主義を守ることに妥協せず、プーチン大統領とロシアに対して妥協せず、起こり得るあらゆるテロに妥協しないよう訴えた。 NATO 首脳会議では、ウクライナに対する長期的な支援が最も優先される議題となっている。 NATO 加盟国は首脳会議を前に、ウクライナ問題が主要な議題となるとの見通しを明らかにしている。

ロシアとの戦争が長引き、ウクライナが政治的あるいは軍事的に近々勝利する兆しが見えない中、ウクライナ支援が十分なものになるかは疑問も残る。 バイデン大統領が参加した先月の討論会での悲惨な出来に安心できなかった多くの参加者にとって、トランプ氏が再選した場合の NATO の将来に関する懸念も強いものとなっている。 (CNN = 7-10-24)


ロシアのエネルギー施設で火災、当局は「ウクライナのドローン攻撃」と主張

ロシア当局は 7 月 9 日、ウクライナ軍がドローン数十機で複数地域を攻撃し、1 人が死亡、変電所 2 カ所と石油貯蔵庫が炎上したと発表した。 前日、ウクライナでは首都キーウ(キエフ)などでミサイル攻撃があり、全土で少なくとも 41 人が死亡。 国連機関は独自の分析として、ロシアのミサイルが直撃した可能性が高いと指摘していた。 (Reuters = 7-10-24)


ロシア軍のウクライナ攻撃、死者 45 人に 国連安保理が緊急会合

ロシア軍による 8 日のウクライナ各地への攻撃は 9 日も救助活動が続き、死者は子ども 4 人を含む 45 人、負傷者は 190 人以上に上った。  国連安全保障理事会は 9 日、緊急会合を開催。 国際社会の非難も高まっている。 【各地の当局によると、死者は、▽ キーウ 31 人、▽ 中部クリビーリフ 10 人、▽ 東部ドネツク州ポクロウスク 3 人、▽中部ドニプロ 1 人。

ゼレンスキー大統領は、医療機関や教育機関を含む 100 近くの建物が被害を受けたと指摘。 「同情は武器にはならない。 ロシアのミサイルを撃墜し、戦闘機を破壊しなければならない。」とし、欧米に対し、防空システムの供与や、供与された兵器を使ってロシア領内を攻撃することへの認可を求めた。 国連のグテーレス事務総長は 8 日、一連の攻撃を「強く非難する」との声明を発表。 民間人や民間施設への直接攻撃は国際人道法で禁じられているとして、直ちにやめるよう求めた。

一方、ロシア政府は軍事施設を狙ったと主張。 9 日から米ワシントンで始まる北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議(サミット)を前に、ウクライナが騒ぎ立てていると一方的に訴えた。 首脳会議ではウクライナ情勢も議題となり、支援が発表されるとみられる。 (ニューヨーク・遠田寛生、ロンドン・藤原学思、asahi = 7-9-24)

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ウクライナ、死者計 41 人に 被害の小児病院、過去に日本の支援も

キーウの小児病院などウクライナ各地に対するロシア軍による 8 日のミサイル攻撃で、現地時間 9 日未明までに子ども 3 人を含む計 41 人の死亡が確認された。 各地の当局が発表した。 ゼレンスキー大統領は、この他に 170 人以上が負傷したと指摘。 「同情は武器にはならない」として、ロシアのミサイルを迎撃するための武器の供与を支援国に求めた。 米ワシントンでは 9 日から北大西洋条約機構 (NATO) の首脳会議が始まる。

8 日の攻撃では、ウクライナ最大の小児病院・オフマディト小児病院も被害を受けた。 小児がんなどの重病を患う子どもたちの治療を担う病院で、多くの市民ががれきの撤去に駆けつけた。 在ウクライナ日本大使館によると、この病院に対し、日本政府は 2000 年度に医療機器整備のため約 7 億 3 千万円相当を支援。 最近も救急外来棟に可動式 X 線撮影装置 1 台を供与したという。 同大使館は X (旧ツイッター)で「民間人を標的にした残忍なミサイル攻撃は、ウクライナに対するロシアの戦争の本質を示すものだ」と非難した。 (ロンドン・藤原学思、asahi - 7-9-24)


ウクライナ、東部ドネツク州で激戦地から撤退 … ロシア攻撃で「防衛陣地が破壊されたため」

ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によると、ウクライナ軍は 4 日、東部ドネツク州で激戦地となっていたチャシフヤール周辺から撤退した。 軍は「近隣の防衛陣地が破壊されたため」と説明している。 報道によると、ロシア軍は 2 月に同州アウディーイウカを制圧後、戦闘を優位に進めるため、高台にあるチャシフヤール攻略に重点を移した。 最近数週間はチャシフヤールの南方約 25 キロ・メートルのトレツク周辺で激しい戦闘が続いていたという。

ロイター通信によると、南部オデーサ州や北東部ハルキウ州などで 4 日、露軍の攻撃を受け、2 人が死亡、26 人が負傷した。 オデーサではミサイル攻撃で港湾施設が破壊され、女性 1 人が死亡した。 ドネツク州の前線近くの町では、無人機攻撃などで子供 4 人を含む 9 人が負傷した。 (yomiuri = 7-5-24)


ロシア、黒海のクリミア拠点失いつつある = ウクライナ海軍司令官

[オデーサ] ウクライナ海軍司令官のオレクシー・ネイジュパパ中将はロイターのインタビューに応じ、ロシア海軍の黒海艦隊がほぼ全ての戦闘可能な艦船を占領下のクリミアから他の場所に移動させることを余儀なくされ、主要拠点はウクライナによる攻撃のため無力化しつつあると述べた。 ミサイルと水上ドローン(無人艇)の攻撃でロシアにとって重要な兵站拠点であるセバストポリ基地は大きな被害を受けたと指摘。 「彼ら(ロシア)は明らかにこの拠点を失いつつある」と語った。

移動した艦船はノボロシスクやアゾフ海に停泊しているという。 ネイジュパパ氏は、黒海東部沿岸にあるロシアのノボロシスク海軍基地にはクリミアのセバストポリのような大規模な設備はなく、巡航ミサイルの保管・装填場所として機能していると述べた。 同氏によると、ウクライナはこれまでに 27 隻の艦船を破壊したり、損傷させたりしたが、そのうちの 5 隻はセバストポリ湾近くにウクライナの水上ドローンが敷設した機雷によって破壊された。 (Tom Balmforth、Reuters = 7-5-24)


ロシア軍がウクライナ中部の産業都市を攻撃 4 人死亡、34 人負傷

ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州の州都ドニプロで 3 日、ロシア軍による攻撃があった。 リサク知事によると、ミサイルやドローン(無人機)が使われ、これまでに 4 人が死亡し、14 歳の少女を含む 34 人が負傷したという。 リサク氏は、ドローンとミサイルそれぞれ 5 発を破壊したとしたが、一部を防ぎきれなかったとみられる。 SNS に投稿した写真では、スーパーマーケットのガラスが粉々になっている様子がうつっている。

ドニプロは中部を代表する産業都市で、ロシアによる全面侵攻が始まる前には約 97 万人が暮らしていた。 最近はロシア軍による攻撃が相次いでおり、先月 28 日には 9 階建ての集合住宅で 1 人が死亡、12 人が負傷した。 また、今月 1 日にも、15 歳の少年を含む少なくとも 7 人が負傷していた。 ゼレンスキー大統領は 3 日、強固な防空システムと、ロシア領を攻撃できる長い射程の兵器の必要性を改めて強調。 パートナー国に「決断」を求めた。(ロンドン・藤原学思、asahi = 7-3-24)


ウクライナ保安局、クーデターを阻止と発表

ウクライナ保安局 (SBU) は 1 日、前日に計画されていたクーデターを阻止したと発表した。 SBU による SNS 「テレグラム」への投稿によると、首謀者らのグループは 6 月 30 日に首都キーウで暴動を起こし、その隙に議会を掌握して軍、政府指導部を追放する計画だったとされる。 同グループとロシアの関係は明らかでない。 SBU によると、これまでに容疑者 4 人が特定され、2 人が拘束された。 有罪となった場合、最大で禁錮 10 年の刑が科される。 武器と弾薬、携帯電話、パソコンなどが押収されたという。

検事総長室は、首謀者が定員 2,000 人のホールを借り、軍兵士や民間企業の武装警備員から議会襲撃チームを募っていたと述べた。 検察がほかにも容疑者を追っているかどうかは不明。 SBU によれば、首謀者はキーウや東部ドニプロなどから数人の共犯者を集めていた。 ウクライナでは最近、兵員が不足して欧米からの軍事支援も先行き不透明となるなか、ロシア軍がゆっくりと、着実に前進を続けている。 (CNN = 7-2-24)


ロシア軍、ウクライナ東部の 4 集落制圧と主張 過去 2 日間

ロシアによるウクライナ侵略で、露国防省は 1 日、露軍がウクライナ東部ハリコフ州の集落ステポバヤ・ノボセロフカと東部ドネツク州の集落ノボポクロフスコエを制圧したと主張した。 同省は 6 月 30 日にも、ドネツク州の集落スポルノエとノボアレクサンドロフカの制圧を発表していた。 露軍とウクライナ軍の間では現在、ドネツク州の小都市チャソフヤルと、ハリコフ州の国境地域の小都市ボフチャンスクを巡る攻防が焦点化している。 両都市ではウクライナ軍が露軍の前進を阻止していると伝えられている。 ただ、兵力で勝る露軍は、ウクライナ軍が両都市の防衛に注力している隙を突き、ウクライナ軍の防御が比較的手薄な地域で占領地域を拡大する作戦を進めているもようだ。

一方、ウクライナ軍は露軍に損害を強いることを主眼とした「守勢の戦術」を展開。 戦略的に重要性が低い地域での一定の後退は織り込み済みとされる。 ウクライナ軍は露軍に決定的な突破を許さないようにしつつ、追加動員や欧米諸国の軍事支援による戦力回復を待ち、将来的な反撃につなげる構想を維持している。 戦況の先行きについて、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)も 7 月 1 日、露軍は多大な損害と引き換えに少しずつ前進しているものの、ウクライナ軍もドローン(無人機)などを使って効果的に防衛しており、戦局の全体的な膠着状態は当面続くとする米国防総省高官らの分析を伝えた。 (sankei = 7-2-24)


ウクライナ北東部の郵便会社にロシア軍の攻撃 キーウでも被害

ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウの郵便会社で 6 月 30 日午後、ロシア軍による攻撃があり、従業員の男性 1 人が死亡し、生後 8 カ月の乳児を含む 10 人が負傷した。  クライナのゼレンスキー大統領やハルキウ州のシネフボウ知事が SNS に投稿した。 ゼレンスキー氏の投稿によると攻撃には「誘導爆弾」が使われたという。 シネフボウ氏はロシア軍が「民間人だけでなく、企業に対するテロを続けている」と非難した。 ウクライナの首都キーウのクリチコ市長の SNS への投稿によると、キーウ北部でも 30 日夕、ロシア軍が発射したミサイルの破片が落下し、アパートが破壊された。 住人が急性ストレスの症状で治療を受けたという。 (ブリュッセル・森岡みづほ、asahi = 7-1-24)


南部州にミサイル攻撃、7 人死亡 30 人以上けが、インフラ被害

【キーウ】 ウクライナ南部ザポロジエ州の州都ザポロジエ近郊で 29 日、ロシア軍によるミサイル攻撃で子ども 2 人を含む 7 人が死亡、30 人以上がけがを負った。 インフラ設備や集合住宅が被害を受けた。 非常事態庁などが発表した。 ゼレンスキー大統領は「毎日このような攻撃に苦しんでいる。 決断の遅れは、人命の損失を意味する。」とし、防空装備の供与加速を友好国に訴えた。 東部ドネツク州でも 29 日、集落などにミサイル攻撃があり 6 人が死亡した。 国営通信社ウクルインフォルムは、南部ヘルソン州で無人機攻撃が激化し「州都ヘルソン近郊を中心に前例のない事態に陥っている」との州当局者の話を伝えた。 (kyodo = 6-30-24)


ウクライナ、クリミアでロシアの宇宙通信施設を破壊と発表 事実なら露軍に打撃

ウクライナ国防省は 28 日、ロシアの実効支配下にある南部クリミア半島で過去 1 週間内に、ロシアの「長距離宇宙追跡通信センター」を破壊したと発表した。 同省などによると、巨大なパラボラアンテナを備える同センターは、露軍がミサイル誘導などに利用するロシアの衛星利用測位システム「グロナス(米国の GPS に相当)」の重要部分を担っていたという。 同センターの破壊が事実であれば、ウクライナにとって露軍のミサイル攻撃能力や人工衛星による情報収集能力を低下させた形。 ロシア側は 28 日までに同センターへの攻撃に言及していない。

これに先立ち、米政府系メディア「ラジオ自由」は 24 日、クリミアで 23 日に爆発が起き、24 日に撮影された衛星写真から、同センターが所在するクリミア西部ビチノで火災が起きたもようだと報道。 露軍の偵察衛星やグロナスを構成する人工衛星の制御を担っていた同センターが攻撃されたとの見方を示していた。 露独立系英字メディア「モスクワタイムズ」も 24 日、同センターがウクライナ軍の長距離地対地ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」による攻撃を受けたもようだと伝えていた。 一方、前線の戦況を巡り、露国防省は 28 日、東部ドネツク州バフムト北方の集落ラズドロフカを制圧したと主張した。 (sankei = 6-29-24)


EU、ウクライナと安全保障協定 攻撃受けた際の緊急支援体制作る

欧州連合 (EU) は 27 日、ロシアの侵攻を受けるウクライナと安全保障協定を締結した。 ウクライナのゼレンスキー大統領が EU 本部を訪れ署名した。 EU はウクライナに兵器や軍事訓練、資金などの提供を継続することを確約し、ウクライナが攻撃を受けた際に支援を緊急協議する体制を作る。 ウクライナは EU 加盟に向け、法の支配などを強化する。

協定は EU からの長期的な軍事装備の提供のほか、防衛産業間の協力拡大、サイバー攻撃対策での協力強化、地雷除去の支援など 9 分野にわたる。 今後、ウクライナが新たに攻撃を受けた場合などに、EU はウクライナ政府と 24 時間以内に協議し、必要な支援を決める。 相互防衛義務などはないものの、関係強化でウクライナの防衛力を高め、ロシアの侵攻を抑止する狙いもある。

米国では議会の混乱で総額 608 億ドル(約 9 兆 7,700 億円)のウクライナ支援が滞り、戦況悪化につながった。 また 11 月の米大統領選でウクライナへの支援に消極的なトランプ前大統領が当選した場合、米国の支援が減少する可能性がある。 こうした状況から支援の持続性強化に重点を置いた。 EU 加盟国はこれまでウクライナと2国間で軍事支援などの協定を結んでいる。 EU も 500 億ユーロ(約 8 兆 6,000 億円)のウクライナ支援や、ロシア中央銀行の凍結資産運用益を支援に活用することも決めた。 今回の協定でそれらを補完し、支援が滞らないようにする。

ウクライナは人権に関する改革や犯罪捜査の強化など、EU 加盟に向けた取り組みを加速させる。 ゼレンスキー氏は「私たちがこの困難な時代に結束し続け、世界により強い欧州を見せることができたことに感謝したい」と述べた。 (ブリュッセル・宮川裕章、mainichi = 6-28-24)


ロシア軍の精鋭空挺旅団が壊滅か 北東部ボウチャンシク

ロシア軍が 5 月 9 日の対独戦勝記念日に合わせてウクライナ北東部で始めた攻勢は、ウクライナ側の国境地帯を広く深く占領して、国境から 40km のハルキウ市に重砲を近づけることが狙いだったのかもしれない。 あるいはもっと野心的に、ハルキウ市自体に進軍することまで司令部は目論んでいたのかもしれない。 だが、どちらも実現しなかった。 攻勢開始から 2 週間のうちに、ロシア軍のおよそ 3 万人規模の攻撃部隊は国境から数 km の小さな都市ボウチャンシクで行き詰まった。

そしてこのほど、ウクライナ軍の機械化旅団や海兵旅団、空中強襲旅団など数個旅団の一部からなる防御部隊は、ロシア軍の精鋭空挺旅団を撃破したもようだ。 ウクライナの有名な通信員、ハンドルネーム「ニコラエフスキー・バニョク(編集注 : テレグラムではロシア語で投稿している)」の報告によると、ロシア空挺軍の第 83 独立親衛空中襲撃旅団は 3 週間にわたる展開で大きな損害を出したあと、ボウチャンシクから撤退した。

バニョクは「第 83 空中襲撃旅団は戦闘能力を回復するため、全体が緊急に後方に引き下がった」と書き、「人員の損耗が多すぎて、彼らは戦うことができない。 『500』があまりに多い。」と続けている。 「500」というのは、ロシア軍の用語で戦闘を拒む兵士を指す番号だ。 事実だと確認されれば、7個の連隊や旅団で構成されるロシア軍の新編北部集団軍にとって痛ましい損失になる。 ボウチャンシクでのロシア軍の損耗は、さらにかさむ可能性もある。 1 個大隊(数百人規模)の生き残った兵士らが、2 週間にわたり、市中心部にある骨材工場で身動きがとれなくなっているからだ。 孤立したこの部隊はもう長くはもたないかもしれない。 ウクライナ空軍はこの工場を精密滑空爆弾で爆撃し、徐々に瓦礫に変えている。 第 83 空中襲撃旅団は、2022 年 2 月の戦争拡大前に 4 万人規模の兵力だったロシア空挺軍の十数個旅団のひとつである精鋭旅団だ(少なくとも以前はそうだった)。 数年前の 2019 年には、軽量の装甲車両をパラシュートで投下して戦闘に入る演習も行っていた。 ウクライナでは、第 83 旅団はパラシュートを捨て、初めから地上で BMD 歩兵戦闘車や BTR 装甲兵員輸送車などに乗る機械化旅団として戦ってきた。 2023 年には南部でウクライナ軍の攻撃に応戦し、今年春には数百 km 移動して東部チャシウヤールの攻略戦に加わった。 戦勝記念日攻勢がボウチャンシクで阻まれて失速すると、ロシア軍の司令部は第 83 旅団に対し、北へ転戦して北部集団軍を増援するよう命じた。 第 83 旅団の部隊は 6 月 12 日までにボウチャンシクの前線に現れた。 ウクライナ軍のドローン操縦士、コールサイン「Kriegsforscher (クリークスフォルシャー)」は、北部集団軍は 16 日ごろ「第 83 旅団の空挺兵 17 人を用いた」と振り返っている。 Kriegsforscher によると、ウクライナ軍の精鋭部隊である第 82 独立空中強襲旅団が迫撃砲でこれらの空挺兵を攻撃し、4 人を死亡させ、10 人を負傷させた。 第 83 旅団はボウチャンシクに到着するや、早々に大きな損害を出したわけだが、信じがたいことに、ロシア側はその旅団に一段と攻撃を強化させた。 「彼らはまず、第 83 旅団の突撃大隊を投入した。 この大隊が損害を被ると、旅団の残りをすべて投入した」と Kriegsforscher は説明している。 第 83 旅団の兵士たちにとって状況は残酷なものだった。 オレグ・ベスニンというロシア兵は 12 日ごろ、自身の携帯電話で撮影した動画で「これ以上は耐えられない」と訴えている。 「3 日間、食べ物も水もない。 支援もない。 この先どうすればいいのかわからない。」と喘ぎながら状況を説明している。 後ろには、負傷した仲間の兵士 2 人が横たわっていたようだ。 バニョクの報告どおりなら、2 週間後、定員2000人の第83旅団は、戦うのを拒んだとされる兵士を含め、あまりに多くの人的損耗を出し、もはや大規模な戦闘を行うことが不可能になった。 第 83 旅団は戦場から退却するしかなかった。 バニョクは、第 83 旅団とは「バイバイ」だと絵文字で表現し、代わりのロシア軍部隊にも同様の運命が待っているだろうと予言している。 ロシア軍の歩兵はボウチャンシクで消耗の罠にはまり、急激に犠牲を膨らませている。 (David Axe、Forbes = 6-28-24)


ロシア軍、「バイク突撃」戦術のギア上げる 犠牲も増大

2 年 4 カ月あまりに及ぶ消耗戦で装甲車両の在庫が払底してきているロシア軍は、少し前に考え出したアイデアにますますすがっている。 前線の部隊に安価なオフロードバイクを配備するという、例の筋の悪いアイデアのことだ。 オフロードバイクに乗って戦闘に入るロシア兵が増えるほど、その際に死傷する兵士も増えることになる。

OSINT (オープンソース・インテリジェンス)アナリストのアンドルー・パーペチュアが確認したものだけでも、撃破されたロシア軍のオートバイ数は今年 2 月に 5 台、3 月に 1 台だったのが、4 月に 13 台、5 月には 56 台と増え、6 月は第 1 週だけで 9 台を数えている。 このほかに、損傷したり遺棄されたりしたオートバイ数も累計で数十台にのぼっている。 損害の大半はウクライナ側のドローン(無人機)によるものだ。 「ロシアがオートバイ攻撃で出している人的損失の数には心底おそれいる」とパーペチュアはコメントしている。

オートバイによる突撃というアイデアは第一次大戦以降、各国の軍隊が試しては放棄してきたものだが、ロシア軍は多大な損失を被りながら、ここへきてそれに一段と大きく賭けようとしているようだ。 ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター (CDS) は 26 日の作戦状況評価で、ウクライナ東部ドネツク州クラスノホリウカ付近で戦闘を行っているロシア軍の第 5 独立自動車化狙撃旅団が、オートバイ小隊を試験的に編成したと言及している。

エストニアの軍事ブロガー、WarTranslated が紹介・翻訳しているところによれば、ロシアの戦争特派員アレクサンドル・スラドコフは、このオートバイ小隊は「大隊の戦闘オートバイ部隊に加えて」つくられたものだと強調している。 「必要な貨物の輸送や負傷者の後送」がその任務だといい、ほかの旅団や連隊でも同様のオートバイ部隊が組織される見込みだとしている。 だが、これらの部隊はおそらく直接戦闘任務も担うのだろう。 実際、装甲車両が枯渇してきているロシア軍の指揮官は、部隊をオートバイでウクライナ側の陣地に対する直接攻撃に向かわせるケースがますます増えている。

ロシア軍が最近、ウクライナ南部とみられる戦場で行った攻撃作戦では、まず第 1 波として戦車などの装甲車両の車列が突撃してきた。 それがウクライナ側の大砲やドローンによる防御の壁に阻まれると、第 2 波として徒歩やオートバイで歩兵が送り込まれた。 結果は悲惨なものだった。 ウクライナ軍のドローン操縦士、コールサイン「Kriegsforscher (クリークスフォルシャー)」は「一度に大砲 6 門が彼らの陣地に砲撃を加えたこともあった」と振り返っている。

この数週間に、ウクライナ軍の少なくとも 4 個旅団(第 28、30、54 各独立機械化旅団と第 79 独立空中強襲旅団)が、突っ込んで自爆する FPV (一人称視点)ドローンや、擲弾(てきだん)を投下するドローンでロシア軍のバイク兵を攻撃している。 一部の部隊がオートバイに取り付けている即席の装甲は、残念ながらあまり役に立っていないようだ。 ロシア軍が新たに編み出したオートバイ戦術については、個々の兵士を空中から発見されて攻撃される前に素早く目的地にたどり着かせることで、ロシアの戦争努力に寄与するのではないかという見方もこの春にはあった。

実際には、バイク兵は砲撃やドローン攻撃に対して救いようがないほど脆弱であり、犠牲者は増える一方となっている。 しかし、使える装甲車両があまりに少ないロシア軍にとって選択肢は限られる。 そこそこ新しい BMP 歩兵戦闘車を入手できる幸運に恵まれなければ、ロシア軍の部隊は 50 年物の MT-LB 装甲牽引車や、俗に「ゴルフカート」と呼ばれている中国製の全地形対応車 (ATV)、あるいはオフロードバイクでどうにかするしかないだろう。 ほかにもうひとつ、徒歩で戦闘に赴くという選択肢があるが、これはオートバイで乗り込む以上に危険だ。 (David Axe、Forbes = 6-28-24)


白昼のビーチに「クラスター子弾の雨」が降る瞬間 クリミアで数百人の海水浴客が逃げ惑う緊迫映像

この攻撃で少なくとも 4 人が死亡、100 人以上が負傷したとロシア当局が発表 ロシアはこの攻撃を「アメリカの責任」として非難している

観光客で賑わうクリミアのビーチをミサイルが襲う映像がソーシャルメディアに公開された。 この映像は、6 月 23 日に複数の爆発に見舞われたクリミアのセヴァストポリにあるビーチを捉えている。 防犯カメラが記録した映像には、数百人の人々が海から急いで逃げる子が映っており、その直後にクラスター弾の襲撃が始まった。 映像には、MGM-140 ATACMS の一部とみられる M74 子弾が海面に飛び散り、ロシアからの観光客が海岸に向かって逃げる様子が映っている。 いくつかがビーチを直撃し、砂浜や近くの建物で爆発が発生した。

ロシア当局は、この事件でクリミアの民間人に「多数の犠牲者」が出たと発表し、4 人が死亡、100 人以上が負傷したと伝えている。 この事件は、ロシアの防空システムがクラスター弾頭を搭載したミサイルを迎撃し、そのうちの 1 発が軌道を変えたために起きた。 ロシア国防省は、発射された 5 発のミサイルのうち 4 発を撃墜したと述べ、さらに「防空システムの衝撃を受けて最終段階でコースを変えたもう 1 発が、市街地の上空で弾頭が爆発した」と付け加えた。 「5 発目のアメリカ製ミサイルの破片弾頭が空中で爆発したことにより、セヴァストポリの民間人に多数の死傷者が出た」と付け加えた。

本誌はロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。 ロシアはこの攻撃をアメリカの責任だと非難している。 クレムリンの報道官は、「この攻撃に使用されたATACMS ミサイルはアメリカが供給し、(アメリカの技術者が)プログラムしたものであり、ロシアの民間人が殺害されたことに対してアメリカの関与がある」と述べ、「アメリカの直接的な関与によりロシアの民間人が殺害されるという事態は無視できるものではない」と警告した。 米国務省の報道官はこの主張を否定し、「ばかげていて誇張されている」と述べた。 (テオ・バーマン、NewsWeek = 6-26-24)


ウクライナ軍、クリミアの宇宙通信施設を ATACMS で攻撃 衛星誘導にも利用か

高い山があり、晴れの日が多く、無線通信の混雑があまり起こらず、南方に位置するウクライナ南部クリミア半島は、ソ連の宇宙通信システムにとって理想的な場所だった。 1959 年、クリミア西部イェウパトリヤ(エフパトリア)で、ソ連の大規模な宇宙通信施設の建設が始まったのはそのためだ。 施設は 10 基の巨大な上方指向型パラボラアンテナのほか、電源施設、管制センターなどから成る。

ソ連の広大な宇宙通信網の一部を構成していたこの施設は「NIP-16」と呼ばれる。 NIP-16 は 1960 - 70 年代の月探査機や火星探査機との通信用に設計されていたが、その後、当初の 0.92GHz 帯に加え複数の周波数帯域に対応するように設備が拡張された。 現在はロシアのリアーナ電子情報収集 (ELINT) 衛星システムのロトス S 偵察衛星や、ロシア版 GPS の GLONASS (グロナス)の衛星との通信も行われているとみられる。

ロシア軍が2014年にクリミアを占領した際、ロシア政府がNIP-16をその熟練職員数百人を含めて管理下に置いたのは、そうした通信機能のためだ。昨年12月以降、ウクライナの前線から150kmかそこら南にあるこの貴重な宇宙通信施設を、ウクライナ軍が少なくとも2回ミサイルで攻撃したのも、おそらくそのためだろう。

直近の攻撃は 23 日に行われた。 ウクライナ軍は NIP-16 に向けて米国製の ATACMS 弾道ミサイルを少なくとも 4 発を発射した。 敷地では火災が発生し、夜どおし続いた。米プラネット・ラブズ社の 24 日の衛星画像には、広大な施設の地面に爆発の跡らしいものが見える。 NIP-16 とその代替困難な科学機器が損傷したとすれば、科学者たちはぞっとするに違いない。 この施設は、ソ連や米国などが宇宙探査に大量のリソースを投入していた時代に、ソ連海軍の徴集兵らによって建設された。

ただ、NIP-16 は正当な軍事目標でもある。 もとともあった無線送信機 8 基と無線受信機 2 基は一時的に稼働を停止しているのかもしれないが、ほかの無線機は、リアーナやGLONASS の衛星を含む偵察・監視や通信、航行用の衛星との間で信号の送受信を行えるからだ。 GLONASS の衛星は、ロシア軍最強の航空弾薬である滑空爆弾、通称「KAB」の誘導にも利用されている。 ロトス S 衛星は、海上の艦艇などの軍事目標から発せられる電磁波を探知し、その位置を特定する。 黒海西部からのロシア海軍艦艇の駆逐に寄与してきたウクライナの自爆型水上ドローン(無人艇)からの信号も傍受している可能性がある。

もっとも、NIP-16 は手ごわい目標だ。 その無線アンテナや発電機、管制センターは 2 カ所の広大な敷地に点在する。 また、主要なハードウェアであるパラボラアンテナは頑丈につくられている。 ロシアの宇宙開発史に詳しいロシア人ジャーナリストのアナトリー・ザクの解説によれば、古い鉄道橋の一部や退役した潜水艦の艦体、廃棄された戦艦の回転機構などが再利用されたという。

ウクライナ側が NIP-16 に深刻な損害を与えるには、攻撃をさらに加える必要があるかもしれない。 補足しておけば、NIP-16 を破壊してもロシアの衛星通信能力が完全に喪失されるわけではなく、一部が失われるだけだ。 ロシアの宇宙通信施設は、NIP-16 ほどウクライナの前線に近いものはないとはいえ、ほかの場所にもある。 (David Axe、Forbes = 6-25-24)


ウクライナ、ロシア製油所など 30 カ所超攻撃 = ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は 24 日、ウクライナがロシアの製油所や石油貯蔵施設 30 カ所以上を攻撃したと発表した。 ウクライナは今年に入ってロシアの製油施設への攻撃を強化。 ロシア軍への石油供給の妨害や戦争資金源の抑制を狙っているとみられる。 これ以上の詳細は明らかにされていない。 (Reuters = 6-25-24)


ウクライナ軍がクリミアにミサイル攻撃、4 人死亡 140 人超負傷 … 露は「兵器供与した」と米国批判

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアのセバストポリ市当局は 23 日、ウクライナ軍のミサイル攻撃で 4 人が死亡、140 人以上が負傷したと明らかにした。 露国防省は、米国がウクライナに供与したクラスター弾搭載の長射程地対地ミサイル「ATACMS」による攻撃で民間人に被害が出たと非難した。 同省によれば、ミサイル5 発中 4 発を迎撃したが、1 発が空中爆発し、被害が出たという。 同省は、攻撃の責任はウクライナと「ウクライナに兵器を供与した米国にある」と批判した。

一方、ロシア軍は連日、ウクライナ北東部ハルキウ州ハルキウを攻撃している。 ロイター通信によると、22 日は誘導装置が付いた滑空爆弾を使った攻撃で住宅が破壊され、少なくとも 3 人が死亡、50 人以上が負傷。 23 日にも攻撃があり、1 人が死亡、10 人が負傷した。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 23 日に SNDS で、ウクライナの最新の防空システムなどによって「ロシアの攻撃は阻止できる」と訴えた。 (yomiuri = 6-24-24)


ロシアがウクライナ北東部の住宅地攻撃 - 電力施設空爆の数時間後

ロシア軍は 22 日午後、ウクライナ北東部ハルキウ(ハリコフ)の住宅地を滑空爆弾で攻撃した。 その数時間前には、既に運営に支障が出ている電力施設に対しミサイルやドローン攻撃が相次いだ。 攻撃があったのはハルキウ市内で最も人口が密集している地区の一つ。 少なくとも 3 人が死亡、37 人が負傷したと、ハルキウ州知事がテレグラムで明らかにした。 同国公共放送ススピーリネのウェブサイトによると、3 階建ての集合住宅が被害を受けた。 救助活動と復旧作業が続けられている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、誘導弾による攻撃は「パートナーによる大胆な決断の必要性」を示していると X (旧ツイッター)に投稿した。 これに先立ちウクライナの国有電力網運営会社は、エネルギー重要施設が 3 月以降で 8 回目となるロシアのミサイル攻撃を受け、事前に予定していた計画停電を延長すると明らかにした。 ウクライナ西部リビウと南東部ザポリージャの送電網施設が夜間にロシアの空爆を受けた。 ウクライナ西部のイバノフランコフスク市もミサイル攻撃を受けた。 エネルギー産業のエンジニアなどを養成する大学の建物に被害が出た。

ロシア国防省は、国内エネルギー施設にウクライナが損害を与えようとする取り組みへの対応だとし、空爆を確認した。 西側諸国から供与された武器が保管されている弾薬庫も攻撃対象となったと、テレグラムで明らかにした。 その後、ハルキウへの攻撃に関するコメントはない。 (Kateryna Chursina、Bloomberg = 6-23-24)


ハルキウ州で 3 人死亡、56 人負傷 ロシア軍が滑空誘導爆弾で攻撃

ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウの中心部で 22 日午後、ロシア軍による攻撃があり、23 日未明までに 3 人が死亡し、12 - 17 歳の少女 3 人を含む 56 人が負傷した。 地元当局が発表した。 当局によると、ロシア軍は 4 発の「滑空誘導爆弾」を投下。 市内のバスターミナルに近い 5 階建ての集合住宅に命中した。 他にカフェや商店といった民間の建物が被害を受けたといい、検察は新たな戦争犯罪として捜査している。

この爆弾は翼があり、標的まで正確に飛ぶような性能を備えたもので、現在のウクライナ側の防空体制では迎撃が難しいとされる。 ゼレンスキー大統領によると、ロシアは 6 月だけでこの爆弾を 2,400 発以上使用。 そのうち約 700 発がハルキウ州で使われたという。 ゼレンスキー氏は SNS で「ロシアによるテロ行為は止めなければならないし、止められる。 パートナーたちによる断固とした決断が必要だ」と主張。 ビデオ演説では、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の供与や、F16 戦闘機の操縦士の訓練の加速といった協力を支援国に呼びかけた。

ハルキウ州では 5 月 10 日にロシアが新たな地上侵攻を始め、国連機関によると、5 月だけで 400 人を超える死傷者が確認された。 ホームセンターへの攻撃では 19 人が亡くなり、滑空誘導爆弾はここでも使われていた。 (ロンドン・藤原学思、asahi = 6-23-24)


ロシア、ウクライナ発電施設への「大規模」攻撃開始

ウクライナは22日、同国西部と南部の発電施設に対してロシアが前夜から「大規模」攻撃を開始したと明らかにした。 ウクライナのエネルギー省は、「南部ザポリージャ州と西部リビウの(国営電力会社)ウクルエネルゴの施設で、設備が損傷した」とし、ザポリージャ州では従業員2人が負傷して入院したと補足した。 発電施設に対する大規模な複合攻撃は、この3か月で8回目だという。  ロシアは侵攻開始から2年以上が経過する中、発電施設に標的を絞ってミサイルと無人機による攻撃を実施。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領によれば、既に発電能力の半分が失われ、ウクライナ側は計画停電や欧州連合からの電力輸入を余儀なくされている。 (AFP/時事 = 6-22-24)


米、ウクライナに防空ミサイル優先供与 パトリオットなど他国先送り

米ホワイトハウスのカービー広報補佐官(国家安全保障担当)は 20 日、ロシアの侵攻を受けるウクライナの防空を強化するため、地対空ミサイルシステム「パトリオット」や「NASAMS (ネイサムス)」で使うミサイルを追加供与すると明らかにした。 ウクライナへの提供を優先するため、すでに計画が進んでいた他の国への納入を遅らせるという。 カービー氏は「夏の終わりから秋にかけての戦争の重要な局面で、ウクライナはミサイルの備蓄を維持する必要がある」とし、「困難だが必要な決断だった」と述べた。 影響を受ける具体的な国は明かさなかったが、おおむね理解を示していると説明した。

ロシアはミサイルやドローン(無人航空機)でウクライナの民間インフラなどへの攻撃を繰り返しており、ゼレンスキー大統領は防空支援を訴えてきた。 米国は今回の決定を通じ、今後 1 年半にわたって数百発規模のミサイルをウクライナに優先して提供する。 ミサイルだけでなく、発射装置やレーダーなどを含むシステム全体の追加供与についても、欧州各国と協議している。 (ワシントン・下司佳代子、asahi = 6-21-24)


ロシア軍のミサイル攻撃でウクライナ東部 4 州の 21 万 8,000 人以上の電力供給止まる

ロイター通信などによると、ウクライナを侵略するロシア軍は 20 日、ウクライナ東部ドニプロペトロウシクなど 4 州をミサイルなどで攻撃した。 火力発電所 1 か所が損傷するなどの被害を受けた。 エネルギー省によると、攻撃の影響で、4 州で 21 万 8,000 人以上が電力供給を受けられない状況になった。 国営電力会社ウクルエネルゴは20 日、計画停電の規模を予定よりも拡大すると発表した。 ウクライナ軍は露軍が発射したミサイル 9 発のうち 5 発、無人機 27 機の全機を撃墜したと発表した。

露軍はエネルギー施設への攻撃を繰り返しており、ウクライナの発電能力は大きく低下している。 英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」によると、民間エネルギー企業トップは17日、現状のままであれば、電力需要が高まる冬に1日6〜7時間しか電気が使えなくなると警告した。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 20 日夜のビデオ演説で、電力供給の維持を図る方針を強調した。 (yomiuri = 6-21-24)


ウクライナの無人機 114 機、一晩で無力化 ロシア国防省

ロシア国防省は 21 日、夜間にウクライナのドローン(無人機) 114 機を無力化したと発表した。 少なくとも 1 人が死亡した。 声明によると、ロシアの対空防衛システムがウクライナの無人機計 114 機を迎撃。 「クリミア半島および黒海上空で 70 機、クラスノダール地方上空で 43 機、ボルゴグラード州上空で 1 機」を撃墜した。

クラスノダール地方のベンヤミン・コンドラチェフ知事は、ウクライナの無人機攻撃を受けたユズニー付近で、暖房施設の従業員 1 人が死亡したとテレグラムで明らかにした。 また同地方のセベルスキ地区では、石油精製所の管理棟数棟も被害を受けたという。 ウクライナはここ数か月、ロシア領内への攻撃を強化。 特にエネルギー施設を標的にしている。 (AFP/時事 = 6-21-24)

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