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ゼレンスキー氏、中国は「戦争を支持」と批判 平和サミット不参加

ウクライナのゼレンスキー大統領は 2 日、シンガポールで開かれた「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ,、英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)」で記者会見し、今月スイスで開く「ウクライナ平和サミット」に参加しない方針の中国を批判した。 ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、ロシアを支援すれば「戦争が長引く」と述べ、ロシア寄りの姿勢をやめるよう求めた。

平和サミットは各国首脳級がウクライナ和平の道筋を協議する場で、ウクライナが開催を強く求めてきた。 ゼレンスキー氏は演説で、平和サミットについて「世界情勢に関与し、一つの戦争に対して団結するために参加してほしい」と各国に呼びかけた。 その後の会見では、「アジア諸国に現状を知ってもらい、戦争の終結を支持してもらいたい」と述べた。 一方で、「残念なことにロシアが中国の影響力を使い、中国の外交官も平和サミットを妨害しようとしている」と話した。 また「アジア諸国にはこれまでも軍事支援ではなく、政治的・人道的な支援を求めてきた」とも述べた。

バイデン米大統領の参加も確認できず

ロシ

アに対する軍事支援の可能性が指摘されている中国については、「中国がロシアを支援すれば戦争は長引く。 それは中国を含めた世界全体にとって良くないことだ」と語った。 また、平和サミットは「戦争終結への道」だと強調し、現在 100 以上の国と国際機関が出席する予定だと明かした。 不参加とされる中国については「ロシアを支持するだけでなく、戦争を支持している」と批判した。 バイデン米大統領の参加については、現時点では確認できていないとし、「参加を期待している」と述べた。

ゼレンスキー氏のアジア安全保障会議への参加は、1 日に急きょ発表された。 ロシアによる侵攻が長期化するなか、ウクライナ支援の機運を高める狙いもあったもようだ。 ゼレンスキー氏は 2 日、米国のオースティン国防長官らと会談しウクライナへの今後の軍事支援について協議した。 同会議は 3 日間の議論を終えて2日閉幕した。(シンガポール・村上友里、浪間新太、asahi = 6-2-24)

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ゼレンスキー大統領が演説 各国に「平和サミット」へ参加を呼びかけ

ウクライナのゼレンスキー大統領は 2 日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で演説した。 スイスで今月開かれる「ウクライナ平和サミット」に言及し、各国に「世界情勢に関与し、一つの戦争に対して団結するために参加してほしい」と呼びかけた。

ウクライナ平和会議、注目の中国は「参加難しい」 外務省明らかに

ゼレンスキー氏は演説で、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、「野蛮な力が世界を支配するべきではない」と述べ、「外交は、国際的な不和が戦いに発展するのを防ぎ、最も攻撃的な当事者を抑制する、思いやりのある強い手段であるべきだ」と語った。 その上で、各国首脳級で和平の道筋を協議するために今月 15、16 日にスイスで開かれるサミットについて、「一部の国の首脳が参加を表明していないことは残念だ」とし、「我々は世界のためにあらゆる戦争を克服し、外交が機能する経験を生み出す」と述べて、サミットの意義を強調した。 サミットには 90 カ国以上の代表が出席予定であることが確認されているが、ロシアとの関係を強め、動向が注目されていた中国は「参加は難しい」と表明している。

米国防長官との会談も

今回ゼレンスキー氏が演説したアジア安全保障会議は、アジア太平洋地域を中心に各国の国防相らが集まって安全保障上の課題を議論する国際会議で、5 月 30 日から 6 月 2 日まで開かれた。 ゼレンスキー氏は、主催団体が参加を発表したのと同じ 1 日にシンガポールに到着した。 ゼレンスキー氏は演説に先立ち、会議に参加した米国のオースティン国防長官やインドネシアのプラボウォ次期大統領と会談した。 会議にロシアの代表団は参加しなかった。 (シンガポール・浪間新太、asahi = 6-2-24)


ウクライナの無人艇群、クリミアで小型艇 4 隻を撃沈・損傷 補給つぶし続く

ウクライナはロシアが拡大して 2 年 4 カ月目に入る戦争で、ロケット弾や巡航ミサイル、自爆型の水上ドローン(無人艇)によってロシア海軍黒海艦隊の大型艦を十数隻撃沈するか大破させた。 これは全体の 3 分の 1 にあたる数だ。 当然のことながらロシア海軍の指揮官たちは残りの大型艦を失うことを懸念し、それらをロシア占領下クリミア半島の港から引き揚げさせ、表向きにはより安全とされるロシア南部の港に移した。

一方で、掃海艇や上陸用舟艇、哨戒艇といった小型艇はクリミアに残していた。 数十艇あるとも考えられるこれらの小型艇は、クリミア周辺水域での日常的な任務で中心を担っている装備だ。 そのためウクライナ側はこれらの艇も攻撃目標とし、占領下の水域からの排除をめざしてきた。 最新の襲撃は、黒海艦隊の小型艇隊にとって最も大きな被害になった可能性がある。 ウクライナ国防省情報総局 (HUR) の特殊部隊「グループ 13」は 5 月 30 日未明、数百 kg の爆薬を積んだ全長 5.5m マグラ V5 人艇の群れをクリミア西部のブジカ湾に向かわせた。

ロシア側の航空機が迎撃を図ったが、少なくとも数艇がそれを切り抜け、湾内に到達した。 ロシア側の射撃手はあわてて射撃を始め、曳光弾をやみくもに撃ちまくったが、襲撃を止めることはできなかった。 マグラはロシア連邦保安庁 (FSB) 所属の KS-701 哨戒艇 4 隻を立て続けに攻撃した。 HURは、2 隻を撃沈し、ほか 2 隻を損傷させたと報告している。

FSB が黒海で運用する KS-701 は約 20 艇なので、一度の攻撃で 5 分の 1 が一時的もしくは恒久的に失われたことになる。 特筆すべきは、ウクライナは同じ日にクリミアで、国産のネプトゥーン(ネプチューン)巡航ミサイルか米国製の ATACMS 弾道ミサイル、あるいは両者を組み合わせた攻撃で、ロシアのフェリー 2 隻も損傷させていることだ。 これらのフェリーは、ロシア本土からケルチ海峡経由でクリミア東部に物資を補給するのが主な任務だった。

クリミアに残るロシアの海上戦力は、少しずつ肉を削がれるような痛々しいやり方で死に至らしめられつつある。 全長 8.5m の KS-701 は軽武装で派手さこそないものの、有用な装備だ。 HUR は、ロシア側は KS-701 を「クリミア近辺の水域の哨戒や兵站のために用いていた」と説明している。 ロシアは直近では昨年 9 月にも KS-701 を失っていた。 自軍の部隊向けの積み荷を降ろしていたときに、ウクライナのドローン(無人機)から誘導ミサイルで攻撃され、被弾したもようだ。 型艦ならミサイルや無人艇が命中しても場合によっては生き延びられるかもしれないが、排水量 4t 程度の KS-701 にそのチャンスはない。

KS-701 は言ってみれば、ロシア南部からクリミアに運び込まれる物資用の水上輸送車のようなものだ。 それ自体がロシア本土からクリミアへ物資を運ぶのではなく、クリミアに運ばれた物資を最終目的地まで届ける「ラストワンマイル」の輸送がその役割だ。 ウクライナは、巡航ミサイルや ATACMS でクリミアへの主要補給手段である大型揚陸艦やフェリー、橋、鉄道をたたき、無人艇で最終運搬用の小型艇をつぶしている。 うして、クリミアの兵站を根元と先端の両方から断ち切ろうとしている。 (David Axe、Forbes = 6-2-24)


ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

ウクライナ特殊部隊「グループ 13」が水上ドローンでロシア軍の哨戒艇 2 隻を破壊。 緊張感あふれる攻撃の様子が映像に収められていた。

ロシアの支配下にあるクリミア半島で、ウクライナ軍の水上ドローンがロシア軍の艦船を攻撃した瞬間を捉えた新たな動画が公開された。 頭上のヘリや前方の艦船からの銃撃によって海上にいくつも激しく水柱が上がるなか、それを回避しながら進むドローンが、最後には標的の艦船に突撃・自爆する緊張感あふれるシーンが収められている。 ウクライナ国防省情報総局 (GUR) は 5 月 30 日、ウクライナの特殊部隊「グループ 13」が水上ドローンを使ってロシア軍の哨戒艇 2 隻を「破壊した」と発表している。

GUR がインターネット上に投稿した短い動画には、少なくとも 1 隻の水上ドローンがヘリコプターの攻撃を受けているとみられる様子が映っている。 暗視カメラで撮影されたと思われる動画の続きには、1 隻の船舶が向かってくるドローンに向かって発砲し、その後少なくとも 1 隻の水上ドローンが静止している船舶を攻撃する直前までとみられる様子が映っている。 GUR によれば、ロシア軍はさまざまな固定翼機やヘリコプター、小火器を使ってクリミア西部を狙った水上ドローン攻撃に対抗したという。 本誌はウクライナ側の報告および動画について独自に確認を取ることができず、この件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

ウクライナ軍の水上自爆ドローン「マグラ M5」

ロシア国防省は 27 日、ロシア海軍の黒海艦隊が過去数日間で「黒海北西部でウクライナの無人艇 4 隻を破壊」したと発表した。 これに先立ってロシア政府は声明を出し、ロシアの防空システムが(クリミア半島の北西に位置する)アゾフ海の上空で、ウクライナ軍が発射した陸軍戦術ミサイル (ATACKMS) 8 発を迎撃し、黒海の上空でドローン 8 機を迎撃したと述べていた。

GUR は水上自爆ドローン「マグラV5」を開発し、クリミア半島にあるロシアの資産を狙った攻撃に頻繁に使用している。 マグラ V5 はこれまでに、黒海でロシア軍の複数の艦船を撃沈させてきた。 GURは声明の中で、2024 年に入ってから「グループ 13」の水上ドローンがロシア海軍のミサイル搭載コルベット艦「イワノベツ」、大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」、ロシア海軍のコルベット艦 1 隻と高速哨戒艇 1 隻を破壊したと述べた。 (NewsWeek = 6-1-24)


ハルキウにまたミサイル攻撃 ウクライナ第 2 の都市、5 人死亡

ロシア軍によるミサイルやドローン(無人機)攻撃が相次ぐウクライナ第 2 の都市、北東部ハルキウで 31 日午前 0 時ごろ、5 階建て集合住宅がミサイル攻撃を受け、地元当局によると少なくとも 5 人が死亡、25 人が負傷した。 現場では救助活動が続いており、死者、負傷者が増える可能性がある。 ウクライナの公共放送「ススピーリネ」などによると、攻撃を受けたのは市内南西部の住宅で、3 階から 5 階が破壊され、炎上した。 現場で救助作業が始まった直後、同じ場所に 2 発目のミサイルが着弾。 負傷者には救急隊員らが含まれている。

ハルキウ州のシネフボウ知事は、攻撃には地上から発射される地対空ミサイル「S300」が使われたとしている。 ハルキウに対してはこの数カ月、住宅や民間インフラを狙った同様の攻撃が相次ぐ。 特に昨年末から停滞していた米国の武器支援が再開された 4 月以降、ロシア軍は攻撃を激化。 5 月 23 日には国内最大の印刷工場が破壊され、勤務中の 7 人が死亡。 25 日には、買い物客でにぎわう大型ホームセンターに誘導弾が撃ち込まれ、少なくとも 16 人が犠牲になった。 攻撃後、救助作業が始まった直後に再び同じ場所をミサイルで狙う手法も繰り返されている。 (asahi - 5-31-24)


"ウクライナへの F16 戦闘機供与、核のシグナルとみなす" ロシア外相

ロシアのラブロフ外相は、欧米諸国によるウクライナへの F16 戦闘機の供与を "核のシグナル" とみなす考えを示しました。 ラブロフ外相は 30 日、ロシア・メディアのインタビューに対し、F16 戦闘機が核兵器を搭載できることから、欧米諸国によるウクライナへの F16 戦闘機の供与は、NATO による核のシグナルとみなす考えを示しました。 また、「アメリカと NATO が手段を選ばないことをわからせようとしている」と批判したということです。

F16 戦闘機をめぐっては、ウクライナがこれまで再三、供与の必要性を訴えていて、ベルギーは 28 日、F16 戦闘機 30 機を 2028 年までにウクライナに供与すると発表しました。 ベルギーのデクロー首相は、今年中に最初の戦闘機の供与を目指すとしたうえで、供与された戦闘機については「ウクライナ領内で使用されるべきだ」としています。 (日テレ = 5-30-24)


ウクライナ、開戦以来最悪の状況に直面 = BBC 国際編集長

ウクライナでは夏が始まったばかりだが、危険な情勢だ。 第 2 の都市で、ロシアに近い北東部の高地にあるハルキウは、あらゆる意味で空からの攻撃に対して無防備なのだ。 25 日午後にはこの街で、ホームセンターなどが入る複合商業施設が誘導爆弾 2 発に破壊された。 買い物客で混雑している時間帯のことだった。 建物が燃え、その黒煙がハルキウ市内を覆う中、ショッピングセンター内に入る別の店のマネージャー、アンドリー・クデノフさんは、惨状を呆然と見ていた。

「ロシア人はすべてを焼き払おうとしている。それでも、私たちは諦めない。」 「気候が暖かくなって、庭仕事の季節が始まったので、たくさんの人が来ていた。 店には培養土や苗が並んでいた。」 クデノフさんは携帯電話を取り出し、攻撃前のホームセンターの写真を次々とスクロールした。 「こんなにきれいな花がたくさんあった。 軍人など 1 人もいない。 みんな民間人だった。」 数十人が負傷し、少なくとも 15 人の死亡が確認された。 行方不明のままで、遺体が見つからない人もまだ大勢いる。

どのような戦争でも、市民はかつての生活の名残を守ろうとする。 園芸センターが燃えている間、カップルは犬の散歩をしていた。 ハルキウ中心部の壮麗な広場では、空襲警報のサイレンや携帯アプリのアラートを無視して、カフェが営業していた。 オペラハウスの階段では、10 代の少年たちがスケートボードでジャンプの練習をし、少女たちは携帯電話で TikTok のダンスを録画していた。 オペラハウスの奥深く、コンクリートの地下室では、オーケストラが音楽祭に向けて、たとえ戦争でも中止されていない音楽祭に向けて、リハーサルをしていた。

市民はストイックなまでに落ち着き払っている。 だからといって、ロシアが 2 年以上前に全面侵攻を開始して以来、ウクライナが最悪の危機に直面していることは、隠しようもない。 園芸センターへの攻撃は、ウクライナ北東部や東部戦線、そして南部ヘルソン周辺に相次ぐ攻撃の一環だった。 ウクライナの自衛能力は、他力本願だ。 ここハルキウなど複数の都市で何が起きるかを決めるのは、そして全長 1,000 キロ以上に及ぶ前線がどうなるかを決めるのは、ウクライナに協力する西側諸国なのだ。 さらにもうひとつ、戦争の流れを変えつつある戦略的要素がある。 つまり、戦場で学習し適応する能力が、ロシアにはあるのだ。

ロシアはウクライナの弱点(特に防空で顕著だ)に乗じた攻撃を、実行している。 ロシアの工場は、自分たちより経済規模が大きく進んでいる西側先進国が、ウクライナのために武器や弾薬を製造するよりも大量に、武器や弾薬を造っている。 開戦 1 年目には、もしかしてロシアを押し戻せるかもしれないという期待があった。 それが今となっては、ロシア軍がもうこれ以上ウクライナの奥深くへ進軍してこないよう、必死になって食い止める、厳しい苦戦が続く。

始まりの終わり?

2022 年 2 月にウクライナ全面侵攻を命じた時、迅速に勝利するものと、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は予想していた。 アメリカが率いる北大西洋条約機構(NATO) も同様だった。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、西側は脱出の機会を提供したものの、大統領はこれを断った。 クレムリン(ロシア大統領府)も、アメリカ国防総省をはじめとする NATO 各国の防衛省も、ロシアが 2014 年に始めたウクライナ併合の作業が、これで完了するのだろうと予想していた(ロシアは 2014 年にクリミア半島を占領・併合したほか、ウクライナ東部のドネツク州とルハンスク州で分離主義者の勝利を仕掛けた)。

ウクライナ軍の戦いぶりは 2014 年の時点では、惨憺たるものだった。 その力量はその後、改善されてはいたものの、シリア内戦への介入を成功させたロシア軍は、あまりに強大に見えていた。 2022 年 2 月にロシア軍がウクライナになだれこんだ時、仮にウクライナが戦い続けるとしてもせいぜいが、NATO 提供の兵器で反乱軍を組織するくらいしか無理だろう、それが最善の形だろうと予想されていた。

実際、ロシアはウクライナ領の奥深くを占領した。 東部ドンバスと南部クリミアを結ぶ「陸橋」となる地域だ。 それでも、首都キーウ制圧を目指したロシア軍の作戦は失敗に終わった。 プーチン大統領にとって、実に屈辱的な大失態だった。 首都キーウ攻防戦は 2022 年 3 月末までにロシアの敗戦で終わり、クレムリンは部隊に後退を命令した。 ウクライナは戦える。 NATO 各国はこのことを認識した。 ウクライナは実は、予想もしなかったほど有用な同盟国だと明らかになった。 プーチンのロシアとの対立が激化する中で、西側にとって歓迎すべき新しい選択肢をウクライナが提供したのだ。

ウクライナへ送られる武器の威力が、少しずつ増していった。 それでも、ジョー・バイデン米大統領のためらいを克服するのは、いまだに厄介な作業だ。 アメリカと NATO 諸国が自国軍で直接介入すれば、あるいはウクライナに最新の軍事技術を提供すれば、第 3 次世界大戦につながりかねないと、バイデン氏は恐れているのだ。 NATO 各国の空軍ですでに退役予定の、老朽化したアメリカ製 F-16 戦闘機をウクライナに提供するべきだとの説得を、バイデン大統領はようやく受け入れた。 しかし、F-16 はいまだに実戦配備されていないため、ロシア空軍の攻撃範囲は拡大を続けている。

プーチン大統領は、核兵器を使うぞと繰り返し脅している。 しかしこれは、はったりに過ぎないと、西側のアナリストの大半がそう考えている。 ロシアに欠かせない同盟国は中国で、その中国は、核兵器の使用を一切望まないと、態度を明示している。 東アジアにおける核軍拡競争など、中国はまったく望んでいないのだ。 東アジアで西側に属する日本と韓国が仮に、状況が十分に脅威だと判断して従来の政策を変更するなら、両国には核兵器を造れるだけの技術がある。

バイデン大統領は今も、プーチン大統領のはったりをはったりと呼んで、手の内を見せろと迫るつもりはない。 アメリカは供給する兵器システムの使い方を制限し続け、ウクライナ軍がロシア国内の標的を攻撃することを禁じている。 ゼレンスキー大統領は、このせいでウクライナは片腕がきつく縛られている状態だと考え、兵器の使用制限を変更するよう強く促している。 それでも昨年の夏までには、西側で現役の戦車や装甲車が見事なほどずらりとウクライナでそろった。 NATO はバルト海から英ヨークシャーに至る各地の演習場で、何千、何万人もの兵士を訓練した。

一大攻勢を仕掛けてロシアの戦線を突破し、ドンバスとクリミアを結ぶ陸路を寸断しようという計画だった。 この作戦は失敗した。 ロシアの防衛はあまりに強固で、空からの援護がない限り、NATO 式に調整された「全軍」方式の戦いを仕掛けても、成功するはずがなかった。 ウクライナはそもそも、資金と武器をよそに依存している。 これがウクライナ独特の弱点だ。 ウクライナが直面している敵は、兵器のほとんどを自国で造り、はるかに多くの人口を抱えている。 1 億 4 千万人を超えるロシアの人口は、ウクライナの約 3.5 倍だ。 戦死者が数万人にのぼる戦争において、人口の違いは意味を持つ。

アメリカでは、国内政治がウクライナ情勢に介入した。 バイデン大統領は連邦議会に、ウクライナへの追加援助 600 億ドルを含む「安全保障のための追加予算」を要求したが、これは議会で何カ月も滞った。 主にドナルド・トランプ前大統領を支持する勢力が、メキシコ国境での不法移民対策強化など、国内問題のための予算増強を求めていたからだ。 ウクライナへの追加支援を含む追加予算案がバイデン大統領の署名を得て成立するには、4 月 24 日まで待たなくてはならなかった。

アメリカ軍にはかなりの装備補給能力があるが、それでさえ、ウクライナの兵器補充には何カ月もかかる。 それに対してその間、ロシアは長期戦に向けて国内経済を再編成した上で、武器や砲弾を猛スピードで作り続けているのだ。 ブリュッセルにある NATO 本部の高官は、「これは生産能力の戦争だ」と話す。 「ウクライナに何が必要か我々は承知しているが、その製造ペースにおいて、ロシアは我々に勝っている。」 西側の制裁は、ロシア経済に壊滅的な打撃を与えられずにいる。 ロシアは石油とガスの新しい市場を見つけたからだ。

ロシアはイランから無人機を、北朝鮮から弾薬を購入している。 中国は殺傷力のある兵器などの提供はしていないまでも、他の方法でロシアを助けているというのが、NATO の見方だ。 「ロシアの戦争遂行を中国が物的に支援しているのは、まぎれもない」と NATO 高官は私に話した。 「ロシアの国防産業基盤を立て直している。 それが大いに具体的に影響を及ぼしている。」 「工作機械やマイクロエレクトロニクス(超小型電子部品)は中国から来てそのまま直接、国防産業を強化し、強化された国防産業が戦車やミサイルをますます大量に製造している。」

「中国とロシアの関係性が変わることで、地政学的に巨大な変化が起きている。 中国はもう二度と、ロシアとの関係において二番手に甘んじない。 これは重大な変化のひとつだ。」

国境地帯

ヴィカ・ピスナさんは、舗装されていない道で車を走らせた。 ハルキウ市の北東にあるユルチェンコヴェの集落にようやく入ると、幼稚園が燃えていた。 そもそもユルチェンコヴェはロシアとの国境に近く、とても危険に思える場所にあるのだ。 「プロリスカ」という団体に参加する心理学者のピスナさんはこの 1 年、ロシアに脅かされる最前線の村に入っては、住民を避難させてきた。 幼稚園に子どもはいなかった。 他の国境沿いの村と同様、ユルチェンコヴェにも、わずかな数の高齢者や病弱な民間人が残っているだけだった。

幼稚園はもう何カ月も前に、もぬけの殻になったはずだ。 前庭では植物が生い茂り、滑り台やおもちゃが草に覆われ始めていた。 寝袋とわずかな所持品を積んだバイクに乗った男性(彼も脱出しようとしている様子だった)は、出火原因はわからないが、砲弾ではないと言った。 出火原因がなんだったにせよ、ひとけのない荒涼とした村では誰も、その火を消し止めようとしなかった。 炎は幼稚園の木造の壁とトタン屋根を覆い、パチパチと音をたてて燃え続けた。

ロシア軍は 5 月 10 日に国境を越えて以来、ウクライナのハルキウ州で攻勢を続けている。 プーチン大統領は、ウクライナがロシア・ベルゴロドの市民を殺害しているとして、市民保護のために緩衝地帯を設置すると述べた。 攻勢によって戦線は拡大し、ウクライナ軍はハルキウの守りを強化せざるを得なくなった。 そのため他の地域の防衛が手薄になっており、そこをロシアが突いてくる可能性もある。

私たちは、ヴィカさんと彼女のミニバスの後に続いて国境地帯に入った。 国境沿いの戦闘の中心で、今や壊滅的な被害を受けて瓦礫になりつつあるヴォヴチャンスクには近づかなかった。 数キロ離れた場所から見ても、ヴォヴチャンスクの町は地獄のように見えた。 灰色の雲がとぐろを巻き、あちこちに上がる巨大な火の手から黒煙の柱が立ち上る。 その間にも、次々と爆発が起きては、黒い煙が空に向かって渦巻き、ねじれているのだ。

ヴィカさんが作った名簿の、その一番上にリュボフさんの名前があった。出発の準備はもうできていて、所持品はいくつかの買い物袋に詰めてあった。それを運び出そうとヴィカさんが手伝うと、前庭の犬小屋の近くにつながれていた飼い犬が、見知らぬ人に向かって吠えた。 リュボフさんに鎖を外され、一緒にミニバスに乗せられて、犬はようやく落ち着いた。 「ペットと一緒に来るよう、勧めています」とヴィカさんは言った。 「何もかも失ったとき、ペットが一緒だと、慰めになります。」 「つらいです。 この家で暮らして、もう40 年以上になるので。」 リュボフさんはこう言う。 愛犬と荷物と一緒に、バスの中でぎゅうぎゅう詰めだ。

長年の家を離れることにしたのは、空爆のせいで?

「もちろん! すごく近くて。 100 メートルも離れていませんでした。 窓が全部、吹き飛んでしまった。」 ヴィカさんは、次に訪問した住民に、避難するよう説得しきれなかった。鉄製の門をたたくと、高齢の女性が開いたすきまから顔をのぞかせた。 「こんにちは。 エマさんですか?」 ヴィカさんはこう声をかけた。 エマさんと、家の中のどこかにいるらしい夫は、避難を受け入れなかった。 ヴィカさんは説得しようとした。

「この近くで昨日、砲撃があったんです。 とても危険です。 お二人とも、とても危険な状態です。 私たちは、お二人の移動をお手伝いできます。 ボランティアがいて、政府援助の申請をお手伝いしたり、医薬品とかいろいろなものが手に入るようお手伝いできます。 ぜんぶただです。 心のケアのお手伝いもできます。」

「ありがとう! ぜんぶありがとう! でも、行きません。」
「危機的な状況だからみなさんを避難させているんです。 戻りたければ戻れます。 でも今は、ここにいるのはとても危険です。 1 - 2 時間おきに砲撃があるので。 ここを離れた方がいい。 さらに砲撃を受けることになる。 ここは危険です。」
「わかってる。」
「ただです! ただで住居を確保できます。」
「私は行きません。」

エマさんは門を閉めた。

印刷所

5 月 23 日午後、ロシアが複数のミサイルで工場を攻撃してから 1 時間もたたないうちに、燃える印刷所の跡から遺体が運び出された。 この攻撃で 7 人が死亡した。 ウクライナは、限られた防空能力をどのように展開して活用するか、厳しい選択を迫られている。 印刷所を攻撃したミサイルは、迎撃されなかった。 印刷所の攻撃前後と最中、ずっと上空にいたロシアのドローンも撃墜されなかった。

消火活動と遺体捜索のため、消防士が建物に入った。 ハルキウ州警察のウォロディミル・ティモシェンコ本部長は建物の前で、怒りをこらえきれずにいた。 「ロシアのミサイルはすべて、標的に命中した。 迎撃されなかった。 なぜか。 ロシア・ベルゴロド州から飛んでくるミサイルの飛行時間は、約 40 秒だからだ。 このミサイルを迎撃できるのは、パトリオット防空システムだけだが、それがここにはない。」 ティモシェンコ本部長はロシアを「野蛮人と化け物の帝国もどき」、「この世の悪」と呼んだ。

攻撃の数日後、印刷所で働くオレナ・ルパクさんは、依然として病院でけがの治療を受けていた。 はたから見える皮膚のほとんどは、砲弾の爆発や破片による傷を負っていたし、炎が燃え移った髪の毛は焼け焦げていた。 自分が命拾いしたのは、印刷済みで積まれていた紙の山が自分の代わりに爆風を浴びてくれたからだと、オレナさんは考えている。 私たちの前で彼女は、こみ上げる感情に揺さぶられていた。 泣きじゃくりながら、笑顔を作ろうとして、自分に起きたことのすべてに深い心の傷を受けていた。

「前は何も怖くなかったのに、今ではハルキウにいるそれだけでも怖い。 ロシアがテロ国家などでありませんように、標的にするのは軍事施設だけだと、そう願っていたのに。 でも、民間人を攻撃したんです。」 「私たちを助けてくれて、アメリカに感謝したい。 ドイツや、世界中のいろいろな国に、支援してくれてありがとうと感謝したい。 でも私たちは無力で、私たちには何もない。 こんなに苦しんでいるのに … 自分で自分を守れない.。」

長い戦争

ウクライナの状態は実は、ルパクさんが恐れるほど、ひどくはない。 それでも、今月のハルキウにいれば彼女のように思うのは無理もない。 攻撃されたホームセンターで手足を負傷し、病院のベッドに横たわる男性たちも、同じようにおびえていた。 「正直言って、これからどうなるのかわからない。」 崩落した天井に両脚をつぶされたヴィタリィさんは、こう言った。 「早く終わってほしいけど、どうしたらいいのか。」 反対側のベッドではオレクサンドルさんが、ウクライナがロシアと何かしらの手打ちをするなど、ありえないと話した。 火の手から逃れようと 2 階の窓から飛び降りた彼は、ひどいけがを負っていた。

「ロシアを負かさないとだめだ。 あいつらは、悪意をもってここに来たんだから。」 開戦当初、陸軍や領土防衛隊に入ろうと各地にできた志願者の行列は、もうとっくにない。 あの当時に入隊した志願者のほとんどは、すでに死亡しているか、ひどい重傷のため戦うことができない。 ウクライナは今、もっと若い男たちを募集し、あるいは徴兵しようと、力を入れている。 前線にいる兵のほとんどが中年で、疲れ果てている。 ウクライナの将軍たちは、ロシア軍のように兵をむやみやたらと死なせたりはしない。 それでも死傷する兵士の数は相当のもので、ゼレンスキー大統領はその程度についてほのめかすだけだ。

ウクライナに協力する欧州諸国は、支援を強化しようとしている。 成功の度合いはさまざまだが。アメリカの追加支援パッケージは、現場に届き次第、大きく貢献するだろう。 おかげで、ウクライナはなおも戦い続けられる。 だからといってこの戦争に勝てるわけではないし、11 月にアメリカ大統領選が行われるまで、これが最後の追加援助になる。 もしもドナルド・トランプ前大統領が勝つなら、バイデン大統領ほどにウクライナを助けようとするかは、まったくの未知数だ。

ウクライナはドローン戦の新しい形を開拓し、自助もしている。 爆薬を積んだ無人の海上ドローンが、すでにロシアの戦艦を沈没させ、黒海を通る輸出ルートの再開を果たしている。 長く続く戦争では、その時々の勢いというのは行ったり来たりするものだ。 今では、ウクライナが新しい武器を手にするまでの猶予を好機と捉えたロシアが、激しく攻めに出ている。 今年の夏は危険だ。 そして、ひとつ重大な質問がこの夏、問われている。 つまり、ロシア軍はその規模と圧力と持久力によって、この戦争の戦略的方程式を変化させるほどの大敗を、戦場でウクライナにもたらせられるのだろうか - - ということだ。

ウクライナと、ウクライナに協力する諸国は、ロシア軍には大量の人員と軍需品を費やしてやっと、ごく限られた領土を奪うだけの能力しかないと、そう見ている。 しかし、1 年前を振り返るといい。 昨年の今頃はウクライナの夏の攻勢について、あまりに期待し過ぎていた。 高望みしていた。 今のロシアはもっと強くなっている。 そして、ウクライナを当時より有利にする実質的な変化がない限り、ロシア政府は全力を尽くして、この戦争をさらに深掘りしてくるはずだ。  (BBC = 5-29-24)


ウクライナの「1 カ月で Su-25 攻撃機を 7 機撃墜」は水増しの疑い

ウクライナ軍の第 110 独立機械化旅団は 1 カ月足らずでロシア空軍のスホーイ Su-25 攻撃機を 7 機撃墜し、ロシアの航空戦力に壊滅的な打撃を与え、アウジーウカ攻防戦で喫した敗北にある程度の報復を果たした - - かもしれない。 だが、もっと可能性が高いのは、第 110 旅団は 1 カ月足らずでロシア空軍の Su-25 をせいぜい 2 機撃墜した程度で、ロシアの航空戦力に手痛い打撃を与えたものの決定的な打撃とは言えず、もう少し控えめな報復だった、というものだ。

第 110 旅団、ウクライナ国防省、さらにはウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領までもが、第 110 旅団の防空部隊によって 5 月 4 日、5 月 11 日、5 月 13 日、5 月 18 日、5 月 22 日、5 月 23 日、5 月 25 日に計 7 機の Su-25 が撃墜されたと発表している。 問題は、撃墜の証拠である可能性のあるものが今のところ 2 つしかないことだ。 5 月 13 日付けの、地上で何かが燃えているらしい画質の粗い写真と、5 月 26 日付けの、かなり遠方から撮影され、低空飛行している軍用機にミサイルが命中したところかもしれない動画である。 このほかに第 110 旅団が視覚的な「証拠」として提示しているものがもうひとつあるが、これはビデオゲームの映像だった。

だからといって、ロシアは今月、多くの Su-25 を失わなかったと断定することもできない。 ロシアはウクライナに対する戦争を拡大してから 2 年 3 カ月の間に、Su-25 を 29 機失ったことが確認されていて、その数がさらに増えた可能性もなくはない。 しかし、現時点では新たな損失は確認できていないのだ。 第 110 旅団は戦果を水増ししているのかもしれないが、そうしたくなる気持ちはわからなくもない。 第 110 旅団はウクライナ東部ドネツク州の最前線の都市アウジーウカを 1 年以上にわたり守備していた部隊であり、過酷な戦争を経験したため報いにはやっているとも想像されるからだ。

ロシア軍による爆撃が続くなか、第 110 旅団の 2,000 人ほどの将兵は廃墟に身を潜め、ロシア軍の攻撃を待ち構えていた。 果たして昨年 10 月、総勢 3 万人をくだらない数個旅団規模のロシア軍が、複数の方向から攻撃を仕掛けてきた。 ただ、結果はしばらくすると予測がつくようになった。 第 110 旅団は弾薬が絶望的なまでに不足してきたからだ。 弾薬不足は、ロシア軍がアウジーウカに対する攻撃に乗り出したのと同じ月に、米議会で一部の共和党議員が米国のウクライナ向け追加援助を妨害し始めたのが主な原因だった。

今年 2 月中旬、第 110 旅団は数百人にのぼるともみられる死傷者をあとに残して撤退し、アウジーウカの廃墟をロシア軍に明け渡した。 数週間の休息のあと、同旅団はアウジーウカ西方の新たな戦線に配置され、戦闘を待ち望んでいた。 第 110 旅団が 1 カ月で 7 機の Su-25 を撃墜できるというのは考えられないことではない。 4 月下旬、米議会でようやく追加支援が承認されると、米国防総省はただちに相当額の武器弾薬をウクライナに発送したからだ。 さらに、ロシア空軍の残存する 100 機かそこらの Su-25 は、ウクライナ側が弾薬不足に陥った半年の間に以前よりもはるかに攻撃的になってもいた。

とくに有名なのは、4 月中旬から数週間、Su-25 がウクライナ東部の最前線の都市チャシウヤール方面の前線のすぐ上空を頻繁に飛んでいたことだ。 こうした行動は以前にはみられなかった。 ウクライナ軍の防空弾薬が一時枯渇する前は、ロシア空軍機のパイロットはふつう、前線から数 km 離れた安全な空域からロケット弾を発射していた。 第 110 旅団は手持ちのミサイルが増え、付近にそれで狙える Su-25 も多くなっていたのかもしれない。 とはいえ、撃墜の証拠候補は 2 つしかなく、どちらも証拠として弱い。 (David Axe、Forbes = 5-29-24)


ウクライナ軍のドローン、1,800km 離れたロシア国内のレーダー基地を攻撃 … ドネツク近郊は「緊迫」

ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」などによると、ウクライナ軍は 26 日、ロシア南西部オレンブルク州オルスクのレーダー施設を無人機で攻撃した。 発射地点から約 1,800km 離れており、ウクライナ軍の無人機では最長飛行距離とみられるという。

一方、露国防省は 27 日、露軍がウクライナ東部ドネツク州と北東部ハルキウ州で計 2 か所の村を占領したと主張した。 ドネツク州の村は州都ドネツクの北西約 15km にあり、ウクライナ軍参謀本部は周辺の戦況が「緊迫している」と説明している。 ハルキウ州の村はクピャンスクから東へ約 20km に位置し、東部ルハンスク州との州境に近いという。

連日激しい攻撃を受けているハルキウ州の州都ハルキウでは 27 日、工業地帯が誘導爆弾による攻撃を受け、女性 1 人が死亡、少なくとも 12 人が負傷した。 州警察によると、菓子や農業機械のメーカーが攻撃を受けたという。 南部ミコライウ州スニフリウカでも 27 日、セルフサービスの洗車場が露軍のミサイル攻撃を受け、3 人が死亡、少なくとも 6 人が負傷した。 (yomiuri = 5-28-24)


ロシア軍の最新ミサイル艦を「ほぼ確実に撃沈」 ウクライナ軍の "複合攻撃" 成功か 英国防省が指摘

ロシア黒海艦隊のコルベット「ツィクロン」が撃沈

イギリス国防省は 2024 年 5 月 23 日(木)、ロシア黒海艦隊のカラクルト級(22800 型)コルベット「ツィクロン」が、ウクライナ軍による攻撃でほぼ確実に撃沈されたとの見解を発表しました。 ウクライナ軍は 5 月 19 日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島のセヴァストポリ港を攻撃。 この攻撃は、無人機とアメリカ製の長距離陸軍戦術ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」の複合攻撃で、コルベット「ツィクロン」を沈没に至らしめたとしています。

「ツィクロン」は、2022 年から黒海で活動していた 4 隻のカラクルト級コルベットのうちの 1 隻です。 カラクルト級コルベットは、「カリブル」巡航ミサイルやオーニクス対艦ミサイルを運用でき、小型ながら重武装の艦艇ですが、2023 年 11 月に 1 隻がウクライナ軍の攻撃で重大な損傷を受けています。 イギリス国防省は、ウクライナ軍による攻撃の成功後、残るカラクルト級コルベット 2 隻は海上試験を安全に行うためにカスピ海に移送された可能性が高いとしています。

今回の攻撃では、ロシア黒海艦隊の影響力に大きな変化が生じる可能性は低いと指摘。 ただ黒海で活動するロシア軍にとっては継続的な危険が生じ、複合攻撃を実施する際のウクライナの継続的な成功を浮き彫りにしているとの見解を示しています。 (乗りものニュース = 5-27-24)


ウクライナ・ハルキウにロシアの連続攻撃 16 人死亡、43 人が負傷

ウクライナ北東部ハルキウ州の州都ハルキウの大型ホームセンターで 25 日午後 4 時ごろ、ロシア軍による攻撃があった。 シネフボウ知事によると、26 日昼までに 16 人が死亡し、43 人が負傷した。 また、十数人の安否がわかっていないという。 地元当局によると、この攻撃には「滑空誘導爆弾」が使われた。 ここ数カ月間使われている兵器で、ウクライナ側の現在の防空態勢では迎撃が難しいとされる。 週末の店内には当時、200 人以上がいたという。 火災は 1 万 3 千平方メートルに及び、鎮火までに 16 時間超を要した。

また、この攻撃の約 3 時間後には、ハルキウ中心部にもロシア軍のミサイルが着弾した。 地元当局によると、地対空ミサイル「S300」がオフィスビルに直撃し、行政機関や商業施設も被害を受けた。 この攻撃では、14 歳の少年を含む 25 人が負傷したという。 ハルキウ州はロシアと国境を接し、ウクライナ第 2 の都市であるハルキウは国境から約 30 キロしか離れていない。 23 日にも、印刷会社がロシア軍の攻撃を受け、7 人が亡くなったばかりだった。

ウクライナのゼレンスキー大統領は 25 日夕のビデオ演説で、防空態勢強化の必要性を改めて強調。 「ロシアの戦闘機やミサイル、ドローン(無人機)を撃墜することは、真に平和を維持する措置だ」と主張した。 また、26 日午前には、23 日に被害を受けた印刷会社を背景に、「このような戦争を自力で止められる国はない」と英語で話す映像を SNS に投稿。 米国のバイデン大統領、中国の習近平国家主席を名指しして、各国首脳級で和平の道筋を協議するために 6 月 15、16 日にスイスで開かれる「平和サミット」に参加するよう呼びかけた。 これまでに、80 カ国以上の参加が確認されているという。

クレバ外相は 25 日のロシア軍の攻撃について「民間人に対する野蛮な戦争犯罪だ」と X (旧ツイッター)で非難。 支援国に対し、地対空ミサイル「パトリオット」の提供のほか、米欧から供与を受けた兵器をロシア領内で使うことの許可を求めた。(ブリュッセル・森岡みづほ、ロンドン・藤原学思、asahi = 5-26-24)

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