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ウクライナ軍、激戦の東部戦線でロシアをしのぐドローン攻撃の可能性

ロシアはウクライナに全面侵攻してからの 2 年で驚くべき損失を被ったにもかかわらず、それでもなおウクライナを上回る戦車や大砲、兵力を保有している。 ロシアがウクライナより多く持っていないのはドローン(無人機)だ。 爆発物を搭載した 1 人称視点 (FPV) ドローンの攻撃を丹念に追跡している公開データによると、ウクライナは安定して月 300 機の FPV ドローンで攻撃していることが確認されており、この数はロシアを上回っている。

ウクライナ軍は昨年 8 月以来、少なくとも 8,273 機の FPV でロシア軍を攻撃している。 重量約 900g のこれらのドローンは約 450g の爆薬を搭載して最長約 3.2km 飛行する。 一方、ロシア軍が同期間に使用した FPV は少なくとも 6,059 機だった。 確認されている数をはるかに上回る FPV 攻撃が行われている可能性が高い。 だが、いずれにせよ、両軍が投入している FPV の数には明らかに差がある。 この差により、ウクライナ軍は同国東部の廃墟と化したアウジーウカの西方でロシア軍のこの冬の攻勢を食い止めることができた。

ロシア軍は、兵力で劣り、大砲も不足していたアウジーウカのウクライナ軍守備隊(第 110 独立機械化旅団といくつかの付属部隊)を滑空爆弾で攻撃し、歩兵による波状攻撃を加えた。 最終的に守備隊は第 47 独立機械化旅団、第 3 独立強襲旅団、第 53 独立機械化旅団の援護を受けながら西に撤退した。 ウクライナ軍はアウジーウカから数km 西に位置する村々の防衛はあきらめ、さらに西のベルディチやオルリウカ、トネニケといった村々で防御線を再び築いた。

後方に池などの水域がある有利な地形で、第 47、第 3、第 53 旅団は戦車や大砲、迫撃砲、そして最も重要なことにドローンで反撃に転じた。 かなりの数のドローンだ。 ロシアの軍事ブロガーは「ウクライナ軍がアウジーウカ方面で保有しているドローンの数は桁外れだ」とぼやいた。 このブロガーは、アウジーウカ西方に展開するウクライナ軍の旅団が、同方面のロシア軍の第 2、第 41 諸兵科連合軍が出撃させる兵士と同数のドローンを飛ばしていると推定した。 これが本当なら、ウクライナ軍はこの方面だけで数千機のFPV ドローンを備蓄していることになる。

この主張は数字によって裏づけされている。 増え続けている小さな民間の工房と提携することでウクライナ軍は昨年、FPV の製造を急速に拡大した。 今では 1 機あたりわずか数百ドルで、毎月少なくとも 5 万機の FPV を入手している。 目標は今年、FPV 100 万機を投入することだ。 ロシアの宣伝者らは、自国の産業はもっと多くのドローンを製造していると主張する。 月に 10 万機、あるいは 30 万機という目を疑うような数字を並べている。

騙されてはいけない。 確かに、ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトによると、規模でウクライナをしのぐロシアのドローン産業は、ウクライナにとって「簡単な解決策のない複雑な問題」を突きつけている。 だが、規模の大きなロシアのドローン産業が戦闘に投入できる状態のドローンを必要とされるときに前線に届けるという、重要な役割を果たしているかは定かではない。 ウクライナのドローン産業界はまさにそうしており、そのためウクライナ軍は一貫してロシア軍より多くの FPV を出撃させている。

問題の 1 つは、ロシア製ドローンの多くが出来が悪く、信頼性に欠けることだ。 ロシアのある従軍記者は、ロシア製 FPV で最高モデルである「ピラニア」や「グール」は、私財を投じて愛好家が作ったものだと指摘した。 これらのモデルは、ウクライナ軍が運用する米国製 M1 エイブラムス戦車 2 両を攻撃し、動けなくさせたかもしれない。 だが、政府資金で賄われ、軍事請負業者によって製造されたドローンは「低品質」でウクライナ軍の電波妨害に弱く「接近時にひっくり返る」傾向があるとこの記者は主張。 ドローン大手を腐敗させたのは「縁故主義とロビー活動」だと非難した。

ロシアがウクライナより多くのドローンを製造していても、使えるものでなければ意味がない。 ロシア大統領府が国営のドローン企業を改革しない限り、そして改革するまで、ウクライナ軍はより多くの優れた FPV を配備し続けるかもしれない。 航続距離約 3.2km、重量約 900g の FPV は、射程 24km、重量約 45kg の砲弾に完全に取って代わることはできない。 だがドローンは大砲の在庫が少ない場合の効果のある一時しのぎの兵器だ。 ウクライナの大砲の在庫は、米議会のロシア寄りの共和党員が昨年 10 月以来、対ウクライナ支援を妨害しているために、非常に少なくなっていることを忘れてはいけない。

ウクライナの大砲危機は終わりつつある。 チェコはウクライナ向けの 100 万発の砲弾の購入を仲介した。 購入の大半が欧州のコンソーシアムによるもので、第 1 弾がウクライナに向かっているはずだ。 また、米共和党員が譲歩し、さらに 100 万発の砲弾の購入にあてられるかもしれない米国の追加支援法案を承認する可能性もある。 自由なウクライナを支持する人々にとってうれしいのは、砲弾が追加生産される見込みであることだ。 ウクライナ軍は砲弾不足の影響を抑制するために FPV ドローンの生産を増強し、ロシア軍よりも FPV で優位に立った。

だが砲弾不足が解消されても、ウクライナ国内の工房ではなお毎月何万機もの信頼性の高い FPV ドローンが製造されるだろう。 こうして、ウクライナの一時しのぎのドローンは余剰となり、火力面でかなり優位に立つ可能性がある。 (David Axe、Forbes = 3-12-24)


「ロシアはクリミア制御失敗」 大統領代表、奪還を主張

【キーウ】 ウクライナ政府でクリミア政策を統括するタミラ・タシェワ大統領常任代表が 11 日までに共同通信のインタビューに応じ、ロシアは実効支配する南部クリミア半島を「制御できていない」と述べ、ロシア軍施設を狙ったウクライナ軍の作戦が成功しているとの認識を示した。 欧米の支援を得られれば「軍事的に取り戻すことが可能だ」と訴えた。 ロシアが 2014 年にクリミア併合を宣言してから 18 日で 10 年。 タシェワ氏はロシアがクリミアを軍事拠点化して 22 年以降の侵攻を進めたと批判し「領土だけでなく安全保障の問題だ」として奪還の重要性を強調した。 (kyodo = 3-11-24)


ロシアが北朝鮮から輸入した砲弾の半数以上が不良品の可能性、ロシア兵が死傷するケースも ウクライナ軍高官が指摘

ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア軍が北朝鮮から輸入した砲弾や弾道ミサイルなどを使用していることが分かっているが、現時点でロシアが輸入した北朝鮮製砲弾の半数以上が不発弾で、残りの大部分も劣化している可能性があることが明らかになった。 砲弾が砲身の中で爆発し、ロシア軍兵士が死傷するケースがあったという。 ウクライナの報道機関「インタファクス・ウクライナ」はヴァディム・スキビツキー・ウクライナ国防省情報総局副局長(少将)の発言として、「ロシアが北朝鮮から輸入した 150 万発の砲弾は 1970 年代から 80 年代のものだ」と報じた。

そのうえで、同副局長は「そのうちの半分は機能せず、残りは使用前に劣化している部分を修理する必要がある」と明らかにした。 昨年 12 月、ウクライナ軍のセルヒー・シャプタラ参謀総長(当時)もフェイスブックで、「前線部隊の報告によると、砲弾は非常に粗雑で、ロシアの大砲や迫撃砲の砲身の中で爆発することが多かったようだ」と述べている。

さらにインタファクス・ウクライナは 2 月 16 日、ウクライナのアンドリー・コスチン検事総長が、ロシアがウクライナに対して使用した北朝鮮の弾道ミサイルは少なくとも 24 発になったと述べたと報じている。 同氏は発射された 24 発のミサイルのうち、比較的精確だったのは 2 発だけだったとし、他は住宅地に落ちるなど、ミサイルの精度に疑問があると語った。 このようにウクライナ側は北朝鮮がロシアに武器や砲弾を供給しているとたびたび主張しているが、ロシアは否定も肯定もしていない。 しかし、ウクライナ軍が 2 月に公開したロシア軍発射の砲弾の破片には北朝鮮で使われているハングル文字が書かれており、砲弾が北朝鮮製であることは明らかだという。 (News Post/Seven = 3-11-24)


ロシア軍連隊、アウジーウカ西方で最後の大攻勢か 1 日で車両 84 両失う

オープンソース・インテリジェンス (OSINT) アナリストのアンドルー・パーペチュアは、開戦から 2 年を過ぎたウクライナとロシアの戦争の約 965km におよぶ前線で撃破または放棄された車両を確認するのに、毎日何時間もかけてソーシャルメディアや衛星画像、その他の情報源にあたっている。 平均してパーペチュアは 1 日に数十両の新たに大破したロシア軍の車両と、同様に破壊された少数のウクライナ軍の車両を確認している。 この数は、独立系 OSINT サイト「オリックス」が開戦からの 700 日間で数えた両軍の車両損失数と一致している。 オリックスの集計ではロシア軍は 1 万 4,000 両、ウクライナ軍は 5,000 両を失った。

3 月 2 日はパーペチュアにとって多忙を極めた日の 1 つになったが、その前日あたりには何が起きたのだろうか。 忙しさでいえば、2 月 3 日にわずかに及ばなかった。 パーペチュアはこの日、1 日としては最多となる 103 両の撃破または放棄された車両を確認した。 70 両がロシア軍、33 両がウクライナ軍のものだった。 3 月 2 日にパーペチュアが確認した車両は 97 両で、うち 84 両がロシア軍のものだった。 ロシア軍が 1 日に失う平均の 4 倍だ。 一方、ウクライナ軍の損失は 1 日平均の 2 倍だった。

この惨状は納得のいくものだろう。 2 月の車両損失が多かったのは、ウクライナ軍が拠点を置いていた東部ドネツクの北西に位置するアウジーウカをめぐり激戦が繰り広げられたためだ。 結局、4 カ月にわたるアウジーウカの戦いは多大な犠牲を払ったロシア軍の勝利に終わった。  ロシア軍の第 2、第 41 諸兵科連合軍は弾薬不足に陥ったウクライナ軍の守備隊から廃墟と化したアウジーウカを奪おうとする中で兵士 1 万 6,000 人を失った。 負傷者は数万人、車両の損失は約 700 両にのぼる。 ウクライナ軍側の犠牲になった兵士の数はおそらく 4 桁だ。

ウクライナ軍の第 110 独立機械化旅団は 2 月中旬にアウジーウカから撤退した。  ロシア軍はアウジーウカに留まらず、アウジーウカの数km 西にある集落群を過ぎてさらに西へと後退したウクライナ軍を追って攻撃を続けた。 ロシア軍はその過程で多くの死傷者を出しながらもステポベ、ラストチキネ、セベルネをすぐに制圧した。 それらの集落のさらに西に位置するベルディチやオルリウカ、トネニケといった村々で、ウクライナ軍の第 47 独立機械化旅団、第 3 独立強襲旅団、第 57 自動車化旅団は戦いながらの撤退から積極的な防衛に切り替え、戦車や大砲、迫撃砲、ドローン(無人機)で反撃に転じた。

米国からの支援はなかったものの、欧州の同盟国が提供する弾薬の増加で強化されたウクライナ軍の旅団はロシア軍の前進を食い止めた。 米国はロシア寄りの共和党議員らが昨年 10 月に支援法案の採決を阻止した直後からウクライナに追加支援を送れずにいる。 米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は 2 月 18 日、こうした展開を予想していた。 「アウジーウカ制圧で人員と装備に多大な損害を被ったロシア軍は、備えができている守備陣地に陣取る態勢が立て直されたウクライナ軍の部隊と対峙したとき、おそらく勢いのピークを迎えるだろう」と ISW は書いている。

その証拠はアウジーウカ西方の野原や道路、樹林帯に散見される。そこには何百両もの大破したロシア軍の車両と、それよりずっと少ないウクライナ軍の大破した車両がある。 パーペチュアが 3 月 2 日に確認したロシア軍の 84 両の損失は、アウジーウカ西方でのロシア軍の最後の大攻勢を少なくとも今のところは意味しているのかもしれない。 (David Axe、Forbes = 2-10-24)


チェコ主導、ウクライナに弾薬 80 万発供給へ 戦況に危機感

中欧チェコのパベル大統領は 7 日、各国から資金支援を得て、ロシアから侵攻されているウクライナに 80 万発の弾薬を供給すると明らかにした。 複数の欧州メディアが報じた。 米国の軍事支援が滞る中、ウクライナは弾薬不足に陥っており、ウクライナ支援に熱心なチェコが主導して弾薬の供給計画を進めていた。 パベル氏は 2 月、ウクライナ向けの 155 ミリ砲弾 50 万発と 122 ミリ砲弾 30 万発の調達先を見つけたと発表し、各国に購入資金の提供を呼びかけた。 ウクライナには欧州連合 (EU) が 3 月末までに 100 万発の弾薬を提供する計画だったが、EU 域内の生産能力が追いつかず、半分程度にとどまる見通し。 このためチェコは欧州外からの調達先を探していた。

「プラハの春」経験、ウクライナ支援に熱心なチェコ

ロイター通信などによると、パベル氏は 7 日、十分な購入資金が集まったと説明し、数週間後には弾薬を送り始めることができるとの見通しを示した。 ドイツやフランス、ノルウェーなど計 18 カ国が資金を出すという。 米国もウクライナ支援予算が枯渇して兵器の供与が滞り、ウクライナ軍は弾薬の節約を強いられている。 チェコは、チェコスロバキアだった 1968 年に起きた民主化運動「プラハの春」がソ連軍などの軍事侵攻で鎮圧された歴史もあり、ロシアから侵攻されるウクライナには同情的で、熱心に支援している。 (ベルリン = 寺西和男、asahi = 3-8-24)


群れでロシア艦艇を追い立て仕留める ウクライナ無人艇の恐るべき「群狼戦術」

ウクライナの水上ドローン(無人艇)が今週、新たにロシア海軍黒海艦隊のミサイルコルベット「セルゲイ・コトフ」を撃沈したと報告された。 ウクライナ側はこれまでに、黒海艦隊の大型艦の 4 分の 1 を沈めることに成功している。  ウクライナの水上ドローンのどこが危険なのかも徐々に明らかになりつつある。 衛星を介して制御される水上ドローンは、ロシア艦艇の停泊地に単独または少数のグループで侵入を試みているのではなく、ちょうど第二次大戦中にドイツ海軍の潜水艦(U ボート)隊がしたように、夜間、狼のように群れを成して敵艦に襲いかかっているのだ。

ただ、ドイツ海軍による「群狼(ウルフパック)戦術」とは少し違う点もある。 U ボートは確かに何隻かで群れになって移動していたが、攻撃は各艦の艦長が目標や方法を選んで個別に行っていた。 それに対して、ウクライナの水上ドローンの操縦士たちは攻撃自体も緊密に連携して実施しているとみられる。 ロシア艦艇にスウォーム(群)攻撃を仕掛けたり、さらには追い立てたりもしているらしい。 こうした連携戦術は、満載排水量 1,700t 超のセルゲイ・コトフに対する攻撃でもまざまざと示された。 6 隻ほどと思われる水上ドローンは夜の闇に紛れてこのコルベットを襲った。 セルゲイ・コトフの乗組員は最初、艦尾の方向から水上ドローンが接近してくるのに気づいて、機関銃を射撃している。

攻撃の様子を捉えた映像の分析によると、射手がこれらの水上ドローンに気を取られているのに乗じて、2 番目の水上ドローングループが無防備な左舷側から襲来する。 左舷側に寄ってきたこれらの水上ドローンは、実際は攻撃しなかったようだ。 代わりに、セルゲイ・コトフをクリミア南東部フェオドシヤのすぐ沖合に追い立てている。 すると、そこにはまた別の水上ドローングループが待ち構えていた。 そして、このグループがセルゲイ・コトフを攻撃したようだ。

ウクライナの水上ドローンは前回、黒海艦隊の艦艇を攻撃したときにも似たような戦術を用いている。 目標は満載排水量約 4,100t の揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」だった。 ツェーザリ・クニコフの乗組員の証言として伝えられるところによれば、クリミア南部沖で 2 月 14 日にあったこの攻撃では、水上ドローンはツェーザリ・クニコフを追い立てたりはせず、艦体の片側に集中的な攻撃を仕掛けた。 「戦闘は 20 分続いた」とこの乗組員は振り返っている。

「水上ドローン 10 隻のうち 4 隻は破壊された。 だが 5 隻目がツェーザリ・クニコフの艦尾に直撃し、艦は動けなくなった。 それから 6 隻目、7 隻目、8 隻目、9 隻目の水上ドローンが、艦の転覆を狙って左側の中央部や船尾近くに順次直撃した。」 「9 隻目の水上ドローンは前のドローンが開けた穴に一部入り込み、ほぼ(艦体の)内部で爆発した」という。 10 隻目の水上ドローンは、襲撃を監視するため離れたところにとどまっていた。 このドローンは最後に、ツェーザリ・クニコフの生存者の救助にあたっていたタグボートに突っ込もうとして失敗したとされる。

ウクライナの水上ドローンは概念実証の段階からだんだん成熟し、非常に有効な海上拒否手段へと進化してきているので、これらの説明もウクライナ側の戦術を捉えきれていないかもしれない。 いずれにせよ、ウクライナ側は 2022 年 2 月以来、ロシア海軍の揚陸艦 4 隻、巡洋艦 1 隻、潜水艦 1 隻、補給艦 1 隻、哨戒艇・上陸用舟艇数隻、ミサイルコルベット 2 隻を爆破したり撃沈したりしている。 うち 3 隻の撃沈は水上ドローンによるこの 2 カ月ほどの戦果だ。 群れになって襲いかかり、爆発する水上ドローンは目下、黒海艦隊にとって最大の脅威になっている。 (David Axe、Forbes = 3-8-24)


ロシア西部の燃料タンクで 2 日連続火災 「ウクライナ軍のドローン攻撃」と主張

ウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州のスタロボイト知事は 6 日、州内のミハイロフスキー精鉱工場の燃料・潤滑油貯蔵タンクが同日、2 回にわたりウクライナ軍のドローン(無人機)攻撃を受け、火災が発生したと交流サイト (SNS) で発表した。 死傷者は出ていないとした。 所有企業によると、同工場はロシアと旧ソ連圏で最大の鉄鉱石精製工場の一つ。

ウクライナメディアによると、同国国防省の消息筋は「露軍の兵站の弱体化を狙った作戦だった」と攻撃を認めた。 これに先立つ 5 日にも、クルスク州に隣接する露西部ベルゴロド州の非常事態当局が、州内の燃料貯蔵タンクで火災が発生したと発表。 露オンラインメディア「マッシュ」は消息筋の話として、燃料貯蔵タンクがウクライナ軍のドローン攻撃を受けたと伝えた。 負傷者はなかったという。

ウクライナ軍は最近数カ月間、露国内の燃料関連施設を標的としたドローン攻撃を激化。 弾薬不足などで前線での苦戦が続く中、兵站に打撃を与えて露軍の前進を困難にする思惑があるとみられている。 一方、ウクライナ南部オデッサ市の港湾インフラが 6 日、露軍のミサイル攻撃を受け、民間人 5 人が死亡した。 攻撃は同市でのゼレンスキー大統領とギリシャのミツォタキス首相の会談直前に行われた。 露国防省は同日、「オデッサにあるウクライナ軍の水上ドローンの格納庫を破壊した」と主張した。 (sankei = 3-7-24)


プーチンの誤算、傷だらけでクリミア半島から逃げ出す黒海艦隊

陸ではウクライナ軍を押しているロシアだが、黒海ではドローン攻撃による大きな被害が続出。 ロシアが誇る黒海艦隊も大損害を被って東に逃げている

ロシアがウクライナへの本格的な侵攻を開始してから 2 年以上。 ロシアのウクライナにおける最大の戦利品であったクリミア半島に対する支配には、亀裂が入りかけている。 ここ数週間、ウクライナ本土の戦いではロシア軍がかなりの犠牲を払いつつも大きな勝利をおさめているが、対照的に「ウクライナは黒海の戦いにほぼ勝利した」と、ロバート・マレット退役米海軍副提督は本誌に語った。

2022 年 2 月以来、ウクライナ軍の攻撃でロシアの黒海艦隊はかなりの損失を被っている。 2014 年にロシアがクリミア半島を併合して以来、ウクライナはこの半島の奪還を誓っている。 過去 10 年間、ロシアはクリミア半島の黒海沿いの軍港を利用し、ロシアの勢力を越えてウクライナ南部にまで投射するつもりでいた、と元ウクライナ海軍大尉のアンドリー・リジェンコは言う。 だが、クリミア周辺でのウクライナの攻撃が成功しているため、ロシアの計画は頓挫しかけている。

ロシアは開戦後早い時期にウクライナ製と思われるネプチューン・ミサイルの攻撃で旗艦モスクワを失った。 2023 年 9 月には英仏製ストームシャドー・ミサイルの華々しい攻撃でロシアのキロ級潜水艦が破壊された。 ウクライナ海軍のドローンは今年 2 月、ロシアの誘導ミサイル搭載コルベット艦イワノベッツを破壊し、上陸用艦船数隻の撃沈に成功している。

失われたロシアの優位性

2 月中旬、ウクライナは、ロシアのセバストポリ海軍基地の南東に位置するクリミア南部の都市アルプカの近くで、大型揚陸艦シーザー・クニコフを撃沈したと発表した。 この攻撃によって、元から数が少なかったロシア軍の揚陸艦の艦隊がさらに縮小した。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は攻撃の直後、「今日、われわれは黒海の安全を強化し、国民のモチベーションを高めた」と述べた。 この種の艦船を失ったため、ロシア軍の上陸作戦はかなり難しくなる、とリジェンコは本誌に語った。

ウクライナは、ロシアのフェオドシャ港や、クリミア半島とロシアのクラスノダール地方を結ぶ重要なクリミア大橋など、クリミア東部まで攻撃範囲を拡大している。 3 月 5 日未明、ウクライナ国防省情報総局 (GUR) は、ロシアのプロジェクト 22160 哨戒艦 4 隻のうちの 1 隻であるセルゲイ・コトフに、ウクライナ国産のマグラ V5 水上ドローンが突っ込んでいるように見える映像を公開した。 ウクライナによると、同船はロシアが占領するクリミアとロシア南西部を隔てるケルチ海峡の近くにいた。 地元情報筋はクリミア大橋が一晩閉鎖されたと伝えた。

GUR はソーシャルメディアへの投稿で、この艦船は「船尾、右側面、左側面に損傷を受けた」と付け加えた。 イギリスのグラント・シャップス国防相は昨年 12 月、ロシアは過去 4 カ月で黒海艦隊の 20% を失ったと述べ、「ロシアの黒海における優位性は、今や疑わしい」と、語っている。

じりじりと東に移動

海軍のドローンと西側から供与された巡航ミサイルを駆使するウクライナの執拗な攻撃は、ロシア海軍を黒海の東に押しやり、クリミア半島周辺のロシア占領地域の安全を脅かしている。 「ロシアは東に移動するしかない」と言うのは、ウクライナ軍トップの元特別顧問で、現在はアメリカン大学キーウ校の学長を務めるダニエル・ライス。 だが、そうすることでロシアはクリミアに対する支配力を失うことになる、と彼は本誌に語った。

ロシアは黒海東部の港湾インフラの拡張を余儀なくされているが、それはクリミア周辺の施設(セヴァストポリにある基地や軍港など)が危機に瀕しているからだ、とマレットは言う。 ロシアは、ロシア領内と国際的に認められている黒海の港湾都市ノボロシスクにクリミアの資源の一部を移している。 一部報道によれば、ロシアはジョージア領内で事実上の独立状態にあるアブハジアのオチャムチレ港に新たな軍事基地を計画しているともいう。 そうなれば、黒海におけるロシアの部隊はウクライナの海岸線からさらに遠ざかることになる。 ロシアは新型の主要艦船をクリミアに留めておくことを非常に警戒するようになり、数隻をノボロシスクに移した、とリジェンコは言う。

黒海はグレーゾーンに

「侵攻前のロシアの基本的な前提は、領空の支配と黒海における海軍力の支配の 2 つであったはずだが、どちらも失った」と、ライスは言う。 ウクライナは黒海経由で何百万トンもの穀物を輸出することにも成功している。 だが、これはウクライナがこの周辺地域を支配下においたことを意味するものではない。 ウクライナのせいで北西の隅では動きがとりにくくなっているとはいえ、ロシアは依然として黒海の大部分を支配している、とリジェンコは言う。 黒海の一部が「グレーゾーン」になり、どちらの国が支配しているとも言えなくなった段階だ、と彼は言う。 (エリー・クック、NewsWeek = 3-6-24)


ウクライナ、露哨戒艦を撃破と発表 水上ドローン攻撃で、クリミア半島付近

ウクライナ国防省情報総局は 5 日、ロシアの実効支配下にある南部クリミア半島東側のケルチ海峡付近で、露黒海艦隊の哨戒艦「セルゲイ・コトフ」を水上ドローン(無人艇)「マグラ V5」を使った攻撃により撃破したと発表した。 交流サイト (SNS) 上には、セルゲイ・コトフとみられる艦艇に水上ドローンが体当たりし、爆発を起こす様子を撮影したとする動画も投稿された。 発表によると、攻撃は 4 日から 5 日にかけた夜間に、情報総局とウクライナ海軍の共同作戦として実施した。 「セルゲイ・コトフの建造費は約 6,500 万ドル(約 98 億円)だ」という。

ロシアの全面侵攻後、海軍力で劣るウクライナはマグラ V5 の開発・製造に着手。 これまでに揚陸艦や哨戒艦など露軍の複数の艦艇を撃沈した。 先月 1 日と 14 日にも、露軍のミサイル艇「イワノベツ」と大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」をマグラ V5 でそれぞれ撃沈したと報告した。 ウクライナは現時点で、ミサイル攻撃による撃破なども含め、全面侵攻前に 70 隻超で編成されていた露黒海艦隊の艦艇の 3 分の 1 に当たる 30 隻弱を無力化したとしている。

ロシアの鉄道橋「爆破されて使用不能に」 ウクライナ当局

ロシア南部サマラ州のチャパエフスク近郊で損傷を受けた鉄道橋について、ウクライナ国防省の情報総局は 4 日、「爆破されて使用不能になった」と SNS に投稿した。 誰が爆破したかについては言及を避ける一方、この橋を通る鉄道路線によって「チャパエフスク市内の工場で生産される弾薬が運ばれている」とした。 情報総局はウクライナで特殊作戦を担う。 SNS には「鉄道橋は長期間にわたって使用不能になった」とも記した。 (asahi = 3-4-24)


ウクライナのドローン 38 機を撃墜、クリミア半島 ロシアが発表

ロシア国防省は 3 日、ウクライナ南部クリミア半島でドローン(無人機) 38 機を撃墜したと発表した。 クリミアはロシアが 2014 年に不法併合しており、ウクライナがドローン攻撃を仕掛けたとみられる。 オンライン投稿された動画には、クリミアの都市フェオドシヤの燃料貯蔵庫付近で起きたとされる爆発が映っている。 この攻撃で、クリミアとロシアを結ぶケルチ橋は一時閉鎖された。 ロシア当局は被害について発表していな 現地の人々は、窓ガラスが揺れたり車のアラームが鳴ったりしたと話している。 ウクライナも自軍の関与を発表していない。

ヘルソンなどでロシアによる攻撃

ウクライナ当局は 3 日、南部ヘルソン州でロシアによる攻撃があり、1 人が殺害され 3 人が負傷したと明らかにした。 また、東部ドネツク州クラホフ町でもロシアによる砲撃があり 16 人がけがを負ったとした。 前日 2 日には、南部の港湾都市オデーサのアパート群がロシアのドローンによって攻撃され、子ども 5 人を含む少なくとも 12 人が殺害された。 これを受け、オデーサ州は 3 日を喪に服す日とした。 このところ、ウクライナが西側諸国からの武器の入手に苦労する一方で、ロシアは東部の要衝アウディイウカを制圧するなど戦果を上げている。

ただ、ロシア側にも多大な犠牲が出ていると、イギリスの軍情報当局はみている。 2 月のロシア側の 1 日あたりの死傷者は 983 人で、2 年前にウクライナへの本格侵攻を始めて以来、最も多い月となったと分析。 死傷者の総数は 35 万 5,000 人を超えている可能性が高いとしている。 人数の算出方法は不明。 ロシアは死傷者数を発表していない。 一方、ウクライナの犠牲については、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領が先月 25 日、ロシアによる全面侵攻以降で兵士 3 万 1,000 人を失ったと説明した。 ゼレンスキー氏は同時に、ロシア軍の死者は 18 万人だとした。

クリミアの重要性

クリミアはロシアが空軍基地を置き、兵力を集中させ、訓練場所や黒海艦隊の拠点にもしていることから、ウクライナにとっては重要な標的となっている。 ウクライナは昨年の一時期、クリミア半島奪還のため大規模攻撃に出る考えだとみられていた。 ウクライナはロシアの黒海艦隊への攻撃を繰り返している。 これまでで最大の戦果は、2022 年 4 月にロシアの旗艦「モスクワ」を撃沈したことだ。 先月 14 日には、ロシアの大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」を撃沈したと発表した。 ウクライナはまた、ケルチ橋を狙った攻撃も何度も仕掛けている。 この橋はロシア軍にとって重要な補給ルートとなっている。

ウクライナは、クリミアを含めロシアに占領されたすべての領土を奪還すると繰り返し表明している。 (BBC = 3-4-24)


ロシアは戦闘機も捨て駒に? ウクライナ軍、1 日 1 機ペースで撃墜続ける

ウクライナ空軍は 2 日、ロシア空軍の Su-34 戦闘爆撃機を新たに 2 機撃墜したと発表した。 ウクライナ側が過去 2 週間に撃墜したと報告したロシア軍機は、これで Su-34 が 12 機、Su-35 戦闘機 2機、ベリエフ A-50 早期警戒管制機 1 機の計 15 機に達した。 ウクライナ軍による未曾有の連続撃墜は、ウクライナ側の防空部隊の勇敢さと技能、そしてソ連時代の古いレーダーやミサイルと西側の最新レーダーやミサイルを組み合わせた独自の統合防空システムの有効性を示すものである。

一方で、その裏には、できるだけ早い間にできるだけ大きな損害をウクライナ側に与えようとロシア側が躍起になっているという事情もある。 ウクライナ側がこれほど多くのロシア軍機を撃ち落としているのは、ロシア側が軍用機の爆撃任務の出撃をかつてないほど増やしていることが一因だ。

ウクライナの軍事アナリスト、アレクサンドル・コバレンコによると、ロシア空軍は2月29日、ウクライナの前線でSu-34やSu-35、Su-25攻撃機に計150回あまりの爆撃任務を行わせた。これより前にロシア軍機による爆撃が最も激しかったのは全面侵攻直後のキーウ方面への進撃時だったが、ロシア軍機によるこの日の1日の延べ任務回数は当時をさらに10回ほど上回り、過去最多になったもようだ。

各スホーイは計数トンの爆弾やミサイルを搭載しており、ウクライナ軍の地上部隊にとって深刻な脅威になっている。 半面、これらのスホーイは地上のウクライナ軍部隊の攻撃目標にされる。 「ロシア軍機の飛行がこれほど集中的に実施されているからこそ、私たちはロシア軍機をより頻繁に仕留めることができている」とコバレンコは解説している。 1 日 150 回超にのぼる爆撃任務の大半は、ロシア空軍に 100 機かそこら残存している Su-34 によって行われている。 ロシア空軍の典型的な攻撃任務には、衛星誘導の滑空爆弾を各 4 発搭載した Su-34 (複座) 2 機と、空対空ミサイルや対レーダーミサイルを搭載した護衛の Su-35 (単座) 1機が参加する。

ロシア軍が爆撃に用いているのは、重量 500kg か 1,500kg の粗雑な FAB 航空爆弾に衛星誘導装置や展開型の翼を付けた「UMPK」という滑空誘導爆弾だ(編集注 : ウクライナ側では「KAB」とも呼ばれている)。 Su-34 は高速で突っ込んで高度を上げ、最長約 40km 先の目標に向けてこの爆弾を発射できる。 命中精度もそこそこ高い。 スホーイは 40km 離れていれば、最も軽い部類の対空兵器に対しては十分に射程圏外ということになる。 しかし米国製のパトリオット地対空ミサイルシステムや旧ソ連で開発された S-200 地対空ミサイルシステムなど、より重量級の対空兵器の場合は十分に射程に入る。

もっとも、出撃したスホーイのほとんどは爆弾を投下して無事基地に戻っている。 この 2 週間の平均でも、ウクライナ側は前線近辺に出撃してきたロシア軍機全体の 100 分の 1 以下しか撃墜できていない。 生き残っているロシア軍機は 24 時間で計 100 発以上の滑空爆弾を投下できる。 コバレンコは 2 月 29 日に過去最多の 152 発を記録したと報告している。

これらの滑空爆弾には、1 発で掩蔽壕を粉砕したり建物を倒壊させたりできるほどの炸薬が詰め込まれている。 滑空爆弾は市街地の破壊兵器の 1 つだ。 ウクライナ東部の激戦地だったアウジーウカ方面を増援したウクライナ軍第 3 独立強襲旅団の軍人イーホル・スハルは、この爆弾は「どんな陣地も完全に破壊してしまう」と述べている。 アウジーウカ攻防戦は、ロシア軍のスホーイが市内に滑空爆弾を何百発も落とし、守備隊の補給や防御を不可能にした結果、2 月中旬にウクライナ側が撤収に追い込まれて終わった。

ロシア軍はアウジーウカ方面の作戦から、たとえ地上軍の統率力が低く、途方もない損害(この方面でのロシア側の人的損失は少なくとも 1 万 6,000 人にのぼったとされる)を出すとしても、攻撃時に破壊的な航空火力による掩護があれば最終的には勝利できるということを学んだようだ。 ロシア軍がこの戦法をとり入れたとわかるのは、滑空爆弾と歩兵の大軍でアウジーウカを落としてから 2 週間後、その西方などでも同様の戦い方を続けているからだ。

ロシア軍は現在、アウジーウカの西 8km ほどにあるトネニケ村を掌握しようとしている。 1 日に 30 発もの滑空爆弾でこの村を徹底的に破壊するという方法によってだ。 コバレンコは「敵はトネニケ村を地上から消し去っている」と説明している。 この 2 週間にウクライナ側が撃墜したロシア空軍のスホーイ 14 機のうち、トネニケ爆撃時に撃墜されたものが何機あったのかは定かでない。 とはいえ、5,000 万ドル(約 75 億円)の軍用機を数機、さらにはその搭乗員を犠牲にしてでも、民家 100 軒ばかりのこの小さな村を獲得しようとしているのは確かだ。

ロシアはこれを許容できる交換条件と考えているのかもしれない。 もしそうだとしても、そうした交換は持続可能なものではない。 ロシア空軍はすでに Su-34 の 4 分の 1 を失い、残っている機体や搭乗員も滑空爆弾攻撃が激化するなかで急激に疲弊している。 ロシアはこの局面で戦場の勝利を重ねることと引き換えに、何十年もかけて建設した空軍という短期間では再生不可能な軍事リソースを費やすことを選んだと言っても過言ではない。 そしてその勝利は、空軍というリソースが尽きればもはや繰り返すことができない。

軍事アナリストの間でも、ロシアはここへきて全力攻勢に出ているとの見方が多くなっている。 来年は現在よりも状況が不利になり、自軍の火力も落ちてくる可能性を見越して、いまのうちにできるだけ多くの領土を手に入れようとしているとの見立てだ。 「ウクライナの 2025 年の見込みについては、わたしはかなり楽観的だ。 ロシアはある意味増長し、絶え間なく攻勢をかけては多くの人員を失っている。」 米シンクタンク、戦略国際問題研究所 (CSIS) のロシア専門家であるマックス・バーグマンは先月そう語っている。

ただしバーグマンのこの評価は、米国からウクライナへの軍事援助が再開されることが前提になっている。 米議会のロシアにくみする共和党議員らによって昨年 10 月に援助が断たれるまで、米国はパトリオットミサイルを含め、ウクライナ軍が使う最高の兵器の最大の供与国だった。 米国の援助が再開すれば、ウクライナ軍は 1 日 1 機というペースでスホーイの撃墜を続けられるかもしれない。 そうなれば数週間のうちにロシア空軍の Su-34 戦力はもはや問題にならないほどまで消耗し、滑空爆弾の嵐も過ぎ去るはずだ。 (David Axe、Forbes = 3-4-24)


70 倍高価な中国製ロシア軍車両を制圧したウクライナの自爆ドローン

ウクライナ戦争の新しい「ゲームチェンジャー」に浮上した「FPV (First Person View、一人称視点)ドローン」が、70 倍も高価な中国製のロシア軍車両を制圧した。 2 日(現地時間)の親ウクライナブロガーによると、ウクライナ軍は FPV 自爆ドローンでロシア軍が運用中の中国製戦地型車両「DesertCross 1000-3」を制圧した。 関連の映像には FPV ドローンの攻撃を受けたロシア軍の姿が含まれていた。 中国製の戦地型車両デザートクロス 1000-3 は巡察、偵察、捜索および救助、物資輸送など軍事用として設計された。 積載容量がロシア製 AM-1 を上回る。

ロシアのプーチン大統領は昨年 11 月、ウクライナ国境付近の南部軍管区司令部を訪問した際、この車両を視察したが、ショイグ国防相はこの車両の需要を強調した。 当時、タス通信はロシア軍がこの車両の基本モデル 537 台を購入して配備し、2023 年 12 月 - 24 年 3 月に追加モデル 1,590 台を購入する計画だと伝えた。 デザートクロス 1000-3 の 1 台あたりの価格は基本モデルが 158 万ルーブル、オプション追加モデルが 210 万ルーブル水準。 ウクライナが運用中の FPV 自爆ドローン 1 機の価格が 300 - 500 ドル(約 4 万 5,000 - 7 万 5,000 円)であることを考慮すると、ウクライナ軍は 35 - 75 倍高いロシア軍用車両をドローン 1 機で制圧したということだ。

同日、ウクライナ陸軍もドネツク州の要衝地アウディイウカで第 3 突撃旅団が FPV ドローン 1 機でロシア軍歩兵 9 人が乗ったタンクを除去したと明らかにした。 FPV ドローンは、カメラ映像がバーチャルリアリティ (VR) ゴーグルを通じて伝送されて操縦席に実際に座ってドローンを扱うような印象を与える。 戦争の中盤からロシア・ウクライナ戦争のような主要戦場と紛争地域に登場し、現代戦のパラダイムを変えた「ゲームチェンジャー」兵器と評価される。 (韓国・中央日報 = 3-4-24)

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