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ウクライナ兵の死 「プーチンやその周辺がうそをついた 30 万人でも 15 万人でもない」 ウクライナ国営通信によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 25 日、キーウで記者会見を行い、2022 年 2 月に侵略を始めたロシア軍との戦闘で、「ウクライナ兵 3 万 1,000 人が死亡した」と明らかにした。 ウクライナはこれまで自軍の被害をほとんど発表しておらず、異例の発言だ。 ゼレンスキー氏は死者数について、「プーチン(露大統領)やその周辺がうそをついた 30 万人でも 15 万人でもない」と強調した。 米メディアは昨年 8 月、複数の米政府高官の見方として、ウクライナ軍は 7 万人近くが死亡したと報じていた。 ウクライナ軍は戦闘の長期化で、兵士の補充が課題となっている。 そうした推計よりも少ない死者数を公表することで、追加動員への国民の反発を和らげる狙いがありそうだ。 負傷者数については、ロシア側を利するとして言及しなかった。 また、ゼレンスキー氏はロシア軍について「約 18 万人が死亡した」と主張し、ウクライナ軍の死者よりも圧倒的に多いと紹介した。 ロシア軍の今後の動向としては「初夏か、5 月の終わり。」に攻勢を強めるとの見方も明らかにした。 「戦争がどういう形で終わるかは、今年(の戦い)にかかっている」とも訴え、兵器や弾薬不足に悩まされるウクライナ軍への支援継続を改めて訴えた。 ウクライナが期待する米国による追加の軍事支援は、米議会下院で多数を占める野党共和党の反対で、法案成立の見通しが立っていない。 (yomiuri = 2-26-24) ウクライナ軍 ロシア中部 最大級の製鉄所を無人機で攻撃か ウクライナ軍はロシア中部にある最大級の製鉄所を無人機で攻撃したとみられ、軍事侵攻が長期化する中、無人機を利用した攻撃の応酬が続いています。 一方、ロシアでは来月、大統領選挙が行われますが、プーチン政権は一方的に併合したウクライナ南部の州で、期日前投票を始めたと主張し、支配を既成事実化するねらいがあるとみられます。 ウクライナ空軍は 25 日、ロシア軍が無人機でキーウ州や東部、南部などに攻撃を仕掛け、18 機のうち 16 機は撃墜したと発表しました。 一方、ウクライナのメディアは情報筋の話として 24 日、ロシア中部リペツク州にあるロシアで最大級の製鉄所に対し、ウクライナ側が無人機の攻撃を行い、大規模な火災が起きたと伝えました。 製鉄所ではロシア軍のミサイルや無人機など兵器の材料が製造されていると指摘していて、地元の州知事も SNS で製鉄所で火災が起きたとしています。 ウクライナ軍はことしに入ってロシア側の石油関連施設などに対しても、各地で無人機による攻撃を仕掛けているとみられ、侵攻が長期化する中、無人機を利用した攻撃の応酬が続いています。 一方、ロシアでは来月 15 日から 17 日にかけて大統領選挙の投票が行われ、プーチン大統領の勝利が確実視されています。 ロシアの国営メディアは、選挙管理委員会の話として軍事侵攻のあと、一方的に併合したウクライナ南部のザポリージャ州で、25 日から期日前投票が始まったと伝えました。 プーチン政権は一方的に併合したウクライナの 4 つの州で、選挙だとする活動を強行することで、支配を既成事実化するねらいがあるとみられます。 (NHK = 2-26-24) ウクライナ軍 総司令官が前線訪問 "徹底抗戦を" ウクライナ軍のシルスキー総司令官は 25 日、前線を訪問して東部の激戦地での戦闘に貢献した兵士たちを表彰したと明らかにし、軍事侵攻を続けるロシアに対し徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。 ウクライナ軍のシルスキー総司令官は 25 日、SNS でウメロフ国防相とともに前線の指揮所を訪問したと発表しました。 具体的な場所は明らかにされていませんが、前線の状況について報告を受けたほか、激戦のすえ撤退した東部アウディーイウカや、バフムトなどでの戦闘に貢献した兵士たちを表彰したとしています。 これに先立ち、シルスキー総司令官はロシアによる侵攻が始まってから 2 年となる 24 日に、声明でこれまでの戦闘を振り返り「第 2 次世界大戦以降、ヨーロッパで最大の戦争になった」と指摘した上で、ウクライナが一部の領土を奪還し持ちこたえてきたとたたえました。 その一方で、去年 6 月に始めた反転攻勢については「残念ながら、客観的な状況により、望ましい結果をもたらせなかった」として思うように進まなかったことを認めました。 そして「ウクライナのすべての町や村が多くの市民が犠牲になった首都近郊のブチャや、アウディーイウカなどのようにならないよう戦い続けている」と強調し、空での攻撃を強めるなどロシアに対し徹底抗戦する姿勢を改めて示しました。 (asahi = 2-25-24) ウクライナ軍が A-50 を撃墜した後、さらにロシアの Il-22M を撃墜したとされる ウクライナ軍は、ロシアの重要な指揮・制御および無線中継航空機である Il-22M を撃墜することで、空中防衛においてさらに重要な成果を上げました。 約 3,500 万ドルと評価されるこの航空機の喪失は、現在の紛争の文脈におけるロシア空軍の作戦能力に対する深刻な打撃となっています。 Il-22M は、ロシア空軍の重要なアーセナルであり、空中部隊の調整と軍の異なる部門間の効果的な通信において重要な役割を果たしています。 ロシアはこの紛争を 12 機の Il-22M の艦隊で開始しましたが、最近の損失、特に A-50 の撃墜を含めて、その数は大幅に減少しました。 この最新の事件は、ウクライナ軍が戦略的空中目標の迎撃と破壊においてますます効果的であることを示しています。 Il-22M の喪失は、ロシアにとって物質的な後退だけでなく、ウクライナの空域で増大する課題に直面しているその空軍の士気に対する打撃でもあります。 (Redacao、Carro e Motos = 2-24-24) ロシアの早期警戒機 A50 撃墜、ウクライナ空軍が発表 今年 2 機目 ウクライナ空軍のオレシチュク司令官は 23 日、アゾフ海上空でロシア軍の早期警戒管制機「A50」を撃墜したと SNS に投稿した。 ウクライナ空軍は 1 月 14 日にも A50 をアゾフ海上空で撃墜しており、撃墜は今年 2 機目。 キーウ・インディペンデントによると、A50 は防空システムや誘導ミサイルの探知、戦闘機の標的の調整などのために使われ、重要な役割を果たしている。 (asahi = 2-24-24) 野外集合のロシア軍部隊に連日のロケット砲攻撃、計 120 人超死亡 ウクライナに全面侵攻して 2 年経つロシア軍の連隊や旅団は、白昼、前線から 15 - 30km 程度しか離れていない開けた場所に部隊を集合させるという悪い癖がある。 それは訓練のためのこともあれば、軍の幹部らによる閲兵のためのこともある。 前線から 15 - 30km というのは、ウクライナ軍の米国製高機動ロケット砲システム (HIMARS) の主弾薬である M30、M31 ロケット弾の射程にゆうに収まる距離だ。 だから、ウクライナ軍がこうした部隊集合を 2 日間で 2 回、おそらくドローン(無人機)で発見し、砲撃を加えたのは驚くべきことではない。 ロシア側にはそれぞれ 60 人超の死者が出たもようだ。 最初の攻撃は 20 日、ウクライナ東部ドネツク州の村トリジウシケに集まっていたロシア軍の第 39 独立自動車化狙撃旅団の部隊に対して行われた。 現地では当時、第 29 諸兵科連合軍の指揮官オレグ・モイセーエフ少将の演説を控え、歩兵の 2 個中隊と指揮官である G・ムサエフ大佐が整列していた。 ウクライナ軍のドローンが上空に到着し、HIMARS がロケット弾を発射したとき、モイセーエフは現地へ向かう途中だったと伝えられる。 西方のブフレダル方面の前線は、部隊が集合していた場所からわずか 30km ほどの距離だ。 HIMARS は、GPS (全地球測位システム)誘導の M30/31 ロケット弾を最長約 90km 先の目標に向けて発射できる。 各ロケット弾には 18 万 2,000 個のタングステン調整破片が詰まっている。 生存者が撮影した動画や写真にはロシア兵らの多数の遺体が横たわっている様子が見える。 攻撃を受けてムサエフを含む将兵 65 人が死亡したとされる。 生存者の 1 人は大量殺戮の現場を撮影しながら「野外に並ばせやがって。 クソ指揮官どもが。」とののしっている。 ロシア軍がすぐには失敗から学ばないからといって非難しないようにしよう。 翌 21 日、ロシア軍の 2 個部隊がまたぞろ訓練や点検のため野外に集まった。 場所は南部ヘルソン州のドニプロ川左岸(東岸)の村クリンキにあるウクライナ海兵隊の橋頭堡から、南へ 30km ほどしか離れていないオレシュキー砂丘国立自然公園。 第 328 親衛空挺連隊や第 810 親衛海軍歩兵旅団、第 81 自走砲連隊の部隊からなる 2 つのグループが集合していた。 ウクライナ軍のドローンがそれを見つけ、砲(こちらも HIMARS だったかもしれない)が狙いを定めて火を吹いた。 ロシア軍部隊には 60 人かそこらの死者が出たとされる。 不用意に部隊を集合させたために大きな犠牲を被ったロシア軍だが、今後については安心を望めるもっともな理由がある。 ウクライナ軍が 35 基ほど保有している HIMARS 用の M30/31 ロケット弾の最大の供給国は米国であり、その米国からウクライナへの援助は議会のロシア寄り共和党議員らの手で阻まれているからだ。 これらの米国製ロケット弾もいずれ枯渇する。 そのとき、ロシア軍部隊が白昼、ドローンの航続距離内やロケット弾の射程内の開けた場所にたむろするのは、今よりはるかに安全になっているだろう。 (David Axe、Forbes = 2-23-24) 130 日間の激戦アウディウカ攻防、勝ったのは撤退したウクライナ軍だった アウディウカは、ロシアが 2022 年 2 月 24 日にウクライナに侵攻して以来、何度も攻撃されてきた。 しかし、陥落されたことはなかった。 今回注目されているアウディウカの戦いは、ウクライナ軍による 2023 年 6 月からの反転攻勢が停止し膠着した 10 月の初めから、ロシア軍が全力に近い戦力を投入して、大攻勢を始めたものである。 ロシア軍は連日、多くの犠牲者を出しても、次から次へと兵士を送り込み、アウディウカ守備部隊への攻撃を停止することなく、4 か月以上も続けた。 そして、弾薬不足もあり、ウクライナ軍アウディウカ守備部隊は 2 月中旬、約 130 日の戦いの後、ついに撤退した。 アウディウカの戦いについて今回は、両軍のアウディウカでの 4 か月を超える戦いを見て(米国戦争研究所資料参照)、ロシア軍とウクライナ軍の戦いそのものについて考察する。 具体的には、両軍の戦術的行動、その狙い、戦術行動の変更とその理由、作戦目標の達成度、撤退作戦と航空支援作戦などについてだ。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 世界が激変する懸念 二つの大きな連合の出現がもたらすもの ロシアによるウクライナ侵攻から 24 日で 2 年を迎える。 今後について専門家はどう見るのか。 米ジョンズ・ホプキンス大教授で米シンクタンク「戦略国際問題研究所 (CSIS)」の戦略研究の議長も務めるエリオット・コーエン氏は、ロシアや中国などの連合がさまざまな紛争で助け合う事態に懸念を示す。 米国はロシアがウクライナに侵攻した前後は素晴らしい対応をした。 機密情報を積極的に同盟国などと共有し、何が起きるかを正確に伝えた。 ただ、実際の軍事支援では消極姿勢が目立った。 供与する兵器や軍装備品の種類や量はウクライナが求めるものと違った。 高機動ロケット砲システム「ハイマース」などの強力な兵器を供与するタイミングも遅すぎた。 ロシアの反応を気にしすぎたからだ。 もっと積極的かつ効果的に対応していれば現在の戦況は違っていただろう。 戦争の戦略的な目標から言えば、ロシアは既に敗北している。 ウクライナ人はロシアを永遠に憎むだろう。 かつて同じ国家だった人々が憎悪の感情を抱き続けることはロシアにとって大きな損失だ。 欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構 (NATO) は拡大し、ロシアが望んできた西側諸国との経済的な強い結びつきもなくなった。 ロシアは中国との関係強化に努めているが、従属的なものになる危険性もはらむ。 誰もが持つべき大きな懸念は、世界に二つの大きな連合が出現したことだ。 一つはロシア、中国、イラン、北朝鮮による連合だ。 南アフリカなどの国々からも一定の支持を得ている。 もう一つは、米欧の民主主義国家に日本、韓国、オーストラリアなどを加えたものだ。 この構図は今後も続く。 前者の連合に事実上の同盟関係が生まれ、さまざまな紛争で助け合う方向に進めば、世界は激変する。 中国はウクライナ侵攻から教訓を得ている途中だ。 残念ながら核の脅威が有効だと認識しただろう。 ロシアが核の使用をちらつかせたことで、米国が抑止されたと考えているからだ。 また、台湾を占領するのであれば最初の 1 週間以内に政府を制圧するのが非常に重要だと学んだだろう。 ウクライナ支援に懐疑的なトランプ前米大統領が仮に再選されても、予測不可能でロシアの利益になるかは分からない。 ただ、ウクライナ支援が滞れば、同盟国などは米国は頼りにならないと考えて軍備強化などの「自立」を考えるだろう。 ロシアはあらゆる戦争犯罪を繰り返しながら隣国を理不尽に一方的に侵略した。 ロシアの野望を打ち砕くことは、力によって国際秩序の変更を考える他国への警告になる。 (聞き手・鈴木一生、mainichi = 2-23-24) EU、ロシアのドローン企業に制裁 侵攻 2 年に合わせ第 13 弾 欧州連合 (EU) の加盟国は 21 日、ロシア軍がウクライナへの攻撃で使用しているドローン(無人機)の生産に関与している企業などを対象とする、第 13 弾となる制裁案で合意した。 ロシアがウクライナに侵攻して 2 年を迎える 24 日までに正式承認される見通し。 今回の制裁は、戦争で荒廃したウクライナが正念場を迎えている中でのものとなる。 東部の要衝アウジーイウカが陥落するなど、このところウクライナ軍の苦戦に対して懸念が高まっている。 EU のある外交官は CNN に、約 200 の個人・企業が制裁リストに加えられ、これまでで最大規模となると明らかにした。 この外交官によると、ロシア軍事複合体に届けられ、最終的にはウクライナの戦場で使用されることになるドローン部品の調達ネットワークを制裁対象とする。 ロシア国内および第三国に拠点を置く企業が含まれる。 EU の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は今回の制裁を歓迎し、EU は「制裁の回避や防衛・軍事セクターに関与している企業に対してさらなる措置を講じる」と述べた。 (CNN = 2-22-24) ロシア軍「最凶ドローン」発射装置が「ハイマース」で破壊される ウクライナ国防省が映像公開 ウクライナ国防省は 2024 年 2 月 20 日、ロシア軍の「ランセット」自爆ドローンの発射装置を高機動ロケット砲システム「HIMARS (ハイマース)」で破壊したと発表。 その映像も公開しました。 「ランセット」自爆ドローンは、敵地上空まで飛行し、目標が特定されるまで待機。その後目標に向かい、急降下して爆発するように設計されています。 目標を発見するための非武装小型ドローン「オルラン 10」と合わせて配備されることが多く、ウクライナ軍の装甲車両などに被害を与えています。 ロシア軍がウクライナ侵攻に投入した兵器の中では、最も猛威を振るっている新兵器の一つとして、ウクライナ軍の大きな脅威となっています。 「ハイマース」は、ロケット弾の発射装置を搭載した車両で、アメリカがウクライナに供与した兵器です。ウクライナ軍は「ハイマース」で、主にロシア軍の弾薬集積所や兵站拠点などを攻撃し、戦況に影響を及ぼすほど絶大な効果を上げました。 それだけでなく、ロシア軍の自走砲や自爆ドローン発射装置、指揮所、訓練場など、様々な目標に対して使用しているようです。 (乗りものニュース = 2-22-24) ウクライナで使用の北朝鮮製ミサイル 残骸から日米などの企業部品 英国の調査組織「紛争兵器研究所」は今月、ウクライナで使われた北朝鮮製の短距離弾道ミサイルに、多数の米国企業の電子部品が使われていたとする報告書を公表した。 日本企業の製品も使われていたという。 研究所は 1 月 2 日にウクライナ北東部ハルキウに着弾したミサイルの残骸を分析した。 過去に調査したミサイルの残骸と比較し、ミサイルが北朝鮮製であることを確認した。 短距離弾道ミサイル KN23 か KN24 の可能性があるという。 ミサイルの航法装置などに使われていた電子部品のマークなどを調べたところ、290 点以上が北朝鮮の国外で製造されたものだった。 米国、ドイツ、シンガポール、日本、スイス、中国、オランダ、台湾に本社を置く企業 26 社を特定したという。 (asahi = 2-21-24) アウディーイウカ制圧後、ロシア軍の攻撃は激減、戦線維持に不安 <ロシア軍がアウディーイウカを掌握し、ウクライナ軍は撤退した。 しかしロシア軍部隊は力を使い果たしている?> ウクライナ東部の激戦地、ドネツク州アウディーイウカを制圧した後、周辺でのロシア軍による攻撃が大幅にスローダウンしていることが、現在の戦況を示す地図と共に報告されている。 ロシア軍に莫大な損失を強いた数カ月にわたる激戦を経て、ウクライナ軍は 2 月 17 日、アウディーイウカからの撤退を発表した。 ロシアのメディアはこれを、ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ全面侵攻において、2023 年 5 月にドネツク州バフムトを制圧して以来最大の成果だと盛んに喧伝している。 アウディーイウカ制圧から数日経った現在、ロシア軍は、部隊の再編成と市街からの撤収作業を行っているが、ロシア軍による攻撃は大幅に減少している。 これは、ウクライナのタヴリースク部隊のドミトロ・リホヴィ報道官が伝えたものだ。 同報道官は、この地域におけるロシア軍の爆撃など上空での活動が、以前よりかなり少なくなっていると指摘した。 複数のウクライナ軍幹部は、同国部隊は、事前に準備され要塞化された、新たな防衛線まで退却したと述べた。 アメリカのシンクタンク、戦争研究所 (ISW) は 2 月 19 日、ロシア軍はおそらく、しばし戦闘を休止したのちにアウディーイウカ方面で再び大規模な攻撃作戦に出るか、あるいは、前線の他の区域から応援部隊を移送し、アウディーイウカ付近の戦線が限界点(攻勢をもはや継続できなくなる状況)に達するのを防ごうとする、との見方を示した。 増援はあるか ロシア軍は、増援に使える予備隊を前線の他の場所に保有しているが、ISW では、今のところロシア軍司令部が、これらの兵力をアウディーイウカに向けて移動させている兆候は見当たらないとしている。 ISW によって作成された最新版の地図の 1 つは、2 月 17 日に投稿された位置情報を手かがりに、ロシア軍がアウディーイウカの北、西、南東で前進している状況を示している。 さらにこの地図からは、アウディーイウカでウクライナ軍が防衛線を敷いていたコークス工場をロシア軍が制圧したことや、ウクライナの防衛線が現在、侵攻前には 3 万人が暮らしていたこの町の西に設けられていることもわかる。 ウクライナ軍のリホヴィ報道官は、ロシア軍司令部が今後まもなく、アウディーイウカ付近に駐留する部隊を、前線の他の区域に移動させるだろうと述べた。 一方、ウクライナ軍ホールツィツャ部隊の報道官、イリヤ・イェヴラッシュ大尉は、実際に移動が実行に移されるまでには、少なくとも 1 週間はかかるだろうと述べた。 アウディーイウカを制圧するために、ロシアは何万人もの兵士の命と大量の軍装備品の喪失という代償を支払った。 対するウクライナ軍も、多くの兵士を失ったとみられている。 一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 2 月 19 日夕刻の演説で、西側からの追加軍事支援が遅れていることに、ロシア軍が「乗じている」と発言した。 西側からの支援に関しては、アメリカの支援パッケージが連邦議会で可決されず、先が見えなくなっている。 (ブレンダン・コール、NewsWeek = 2-21-24) アゾフ旅団がロシア軍陣地を「闇討ち」...暗視カメラが捉えた「近接戦闘シーン」が話題に <敵陣での大胆な攻撃の様子を捉えた暗視カメラの映像を、アゾフ旅団がテレグラムに公開した> ウクライナの旅団が、敵陣でロシア軍に夜襲をかけているとみられる動画が公開された。 ウクライナのアゾフ旅団がテレグラムに投稿したこの動画は、第 12 特務旅団の兵士が暗視カメラで撮影したもので、至近距離からの大胆な攻撃により、複数のロシア兵が殺害されているように見える。 動画のキャプションには「敵の背後から奇襲を仕掛けた」と書かれている。 この動画が、いつどこで撮影されたかは分かっていない。 ウクライナ軍は 2 月 19 日付の最新報告で、ロシア軍は 1 日で 1,290 人の兵士を失ったと述べた。 1 日の死傷者数としては、2024 年に入って最大となる。 ウクライナ軍参謀本部は、日々更新される報告において、ロシア軍の兵士と装備の損失に関する数字を発表している。 2 月 19 日付の最新報告によれば、ロシア軍は過去 24 時間で 1,290 人の兵士を失い、死傷者数の合計が 40 万 3,720 人となった。 さらにこの報告は、ロシア軍は開戦以来、6,498 両の戦車、1 万 2,232 両の装甲戦闘車両、9,733 基の自走榴弾砲、336 機の軍用ジェット機を失ったとしている。 本誌はこれらの数字について、独自に検証することはできなかった。 ロシアの波状攻撃を阻止 死傷者数の見積もりは情報源によってさまざまだ。 ウクライナの数字は通常、西側同盟諸国の数字を上回っている。 ロシアは自国の死傷者数に関する情報をほとんど公表していない。 ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は 22 年 9 月、開戦以来 5,927 人の兵士が命を落としたと発表した。 BBC ワールドサービスのロシア語版によれば、国防省はその後、3 回にわたって死傷者数を報告しており、さらに 162 人の兵士が失われたことを認めている。 ウクライナもロシアと同様、自国の死傷者数に関する情報を提供していない。 23 年 4 月にリークした米国防情報局 (DIA) の評価によれば、ウクライナは 12 万 4,500 - 13 万 1,000 人の死傷者を出しており、そのうち 1 万 5,500 - 1 万 7,500 人が死亡したとされている。 ショイグは 23 年 12 月、ウクライナは開戦以来 38 万 3,000 人以上の兵士を失ったと述べている。 本誌はこれらの数字についても、独自に検証することはできなかった。 アメリカのシンクタンク戦争研究所 (ISW) は 18 8日、ウクライナでの衝突に関する最新分析において、ロシア軍は現在、少なくとも 3 つの攻撃作戦を実行していると報告した。 その 1 つは、ウクライナ南部ザポリージャ州の重要な村であるロボティネ付近であり、ウクライナはロシアの波状攻撃を阻止したと発表している。 ウクライナの戦略コミュニケーション・センター (StratCom) は 18 日にテレグラムで、ロシア軍はロボティネにあるウクライナ軍の拠点を攻撃しようと「10 回試みたが失敗した」と述べている。 一方、ドネツク州の要塞都市アウディーイウカでは、数カ月にわたる戦闘の末、ウクライナが撤退を発表した。 ロシア側は、この地域を完全に掌握したと宣言している。 (イザベル・ファン・ブリューゲン、NewsWeek = 2-21-24) ウクライナがロシア軍のスホーイをまた撃墜、3 日で計 6 機の大戦果に ウクライナ空軍は最良の弾薬が絶望的なまでに不足している。 射程 145km ほどの米国製パトリオット地対空ミサイルシステムもそうだ。 もっとも、ウクライナ空軍がミサイルを浪費することはそもそもほとんどない。 そのため、在庫が減っているパトリオットを発射した場合、目標を撃ち落とし損ねることはめったにない。 だからこそ、ウクライナがより多くの弾薬を必死になって求め、政治的な努力を続ける状況にありながら、ウクライナ空軍はロシア軍の戦闘爆撃機をこの 3 日間で 6 機も撃墜したのだ。 これはロシア空軍が耐えられないほどの高い損耗率である。 「ロシア軍機はどんどん墜落している!」 ウクライナ国防省は19 日、そう戦果を誇った。 撃墜した 6 機は、複座のスホーイ Su-34 戦闘爆撃機 4 機と単座のスホーイ Su-35 戦闘機 2 機である。 Su-34 はロシア空軍最高の超音速攻撃機だ。 ウクライナでは最近、主に近接航空支援任務に投入されており、前線方面に高高度で機動展開し、40km ほど離れた距離から KAB 精密滑空爆弾を発射している。 超音速機の Su-35 は航空優勢を確保するための制空戦闘機で、Su-34 の護衛にあたる。 6 機のうち 3 機は、17 日にウクライナ東部アウジーイウカの東 100km あたりの上空を飛行中に撃墜された。 アウジーイウカから撤退するウクライナ軍部隊を滑空爆弾で攻撃するために、編隊を組んでいたもようだ。 ウクライナ国防省は、18 日に 4 機目のスホーイを撃墜し、19 日にさらに 2 機を南部のアゾフ海上空で撃墜したと主張している。 撃墜に使われたのは、すべてウクライナ軍のパトリオット 2 (PAC-2) 型だった可能性がある。 もっと言えばその可能性が高い。 ウクライナは米国とドイツから PAC-2 を計 3 基供与されている。 ウクライナ空軍はパトリオットを首都キーウ、南部、東部に 1 基ずつ配備している。 トラックに搭載する発射機は展開し、レーダーと接続したまま移動可能だ。 ロシア空軍はただちにスホーイが不足するわけではない。 オランダの OSINT (オープンソース・インテリジェンス)分析サイト「Oryx (オリックス)」の集計によれば、2 年にわたる激しい戦いのなかで撃破されたロシア空軍の Su-34 と Su-35 は、前者が 150 機中 25 機、後者は 120 機中 6 機となっている。 とはいえ、3 日で 6 機というここ数日の損耗率は、もしこのペースが続くとすればロシア空軍もとても持ちこたえられないはずだ。 ロシアがウクライナに全面侵攻した 2022 年 2 月以来、ロシア空軍はジェット機を 95 機失っている。 月に 4 機のペースだ。 しかし、過去 1 週間では月 60 機に拡大している。 保有するジェット機の総数が 1,000 機程度のロシア空軍にとって、月 60 機の喪失というのは破滅的だ。 英王立防衛安全保障研究所 (RUSI) の先週のレポートによれば、ロシア空軍にとってそれ以上に大きな痛手は経験豊富な航空機搭乗員の喪失かもしれない。 RUSI のアナリストであるジャック・ワトリングとニック・レイノルズは、ロシアの航空作戦は「重要な任務を遂行するのに十分な経験を積んだパイロットの利用可能数によって制約されている」と指摘している。 とはいえ、ウクライナ空軍が 1 日 2 機というペースでロシア軍機を撃墜し続けられるとは考えにくい。 米会議のロシア寄りの共和党議員らが米国によるウクライナへの援助を妨害し始めて 4 カ月たつなか、ウクライナ軍のパトリオットの在庫は「危機的な水準に落ち込んでいる(元ウクライナ内相顧問のアントン・ヘラシチェンコ)」からだ。 ウクライナ側はパトリオットをスホーイの撃墜だけに使うわけにもいかないだろう。 ウクライナ側は 1 発数百万ドルするパトリオットミサイルを、キーウやハルキウ、オデーサを狙うロシア側の弾道ミサイルの迎撃でも頼りにしている。 つまり、今回のようなスホーイ大量撃墜は今後はあまり期待できそうにない。 ウクライナ側には撃墜できるシステムはあっても、肝心のミサイル自体が足りない。 (David Axe, Forbes = 2-21-24) |
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