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米国務長官らキーウ訪問へ、米政権幹部では初 ゼレンスキー氏明かす ウクライナのゼレンスキー大統領は 23 日の会見で、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が首都キーウ(キエフ)を翌 24 日に訪問すると明らかにした。 実現すれば、ロシアのウクライナ侵攻後、初めての米政権幹部による訪問となるが、米側は訪問予定について明らかにしていない。 ゼレンスキー氏は、「明日、米国からブリンケン国務長官と(オースティン)国防長官が来る」と述べ、両氏と、ウクライナへの軍事支援について協議するとした。 ロシアがウクライナ東部への攻勢を強めるなか、米国はウクライナへの軍事支援を強化しており、バイデン大統領は今月 21 日、ウクライナへの 8 億ドル(約 1 千億円)の追加の軍事支援を表明した。 またオースティン氏は、26 日にドイツの米軍基地を訪れ、ウクライナへの軍事支援をめぐる国際会議を開く予定だ。 バイデン氏は、政権幹部をキーウに派遣することを検討していると表明していたが、具体的な調整内容は明らかにされていなかった。 ゼレンスキー氏の発言について、米国務省と国防総省は 23 日、取材に対し、それぞれ「コメントしない」と回答した。 またゼレンスキー氏は会見で、「安全上許せば、バイデン氏が来ることを期待している」と述べ、バイデン氏が今後キーウを訪問し、ウクライナへの支援を示すことに期待を寄せた。 欧州からは、ジョンソン英首相や欧州連合 (EU) の行政トップ、フォンデアライエン欧州委員長らが今月、キーウを訪問している。 (ワシントン = 清宮涼、asahi = 4-24-22) 苦戦続くロシア軍、士気・戦力低下は深刻 東部の戦闘、長期化の恐れ ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まって 2 カ月が経った。 今後は、東部ドンバス地方をめぐる戦いに焦点が移る。 苦戦が続くロシア軍は立て直しを図るが、どのような展開が想定されるのか。 「特別作戦の第 2 段階で、ロシア軍の任務はドンバス地方とウクライナ南部を完全支配することだ。」 ロシア中央軍管区のミンネカエフ副司令官は 22 日にこう述べた。 タス通信が伝えた。 侵攻の「第 1 段階」はロシア軍の「敗北」に終わった。 首都キーウ(キエフ)制圧を目指して約 1 カ月にわたり攻勢をかけたが、ウクライナ軍の抵抗に遭い、3 月末に完全撤退を余儀なくされた。 撤退した部隊はいったんロシア国内に戻り、補給や再編成を経た上で、いま東部ドンバス地方に再投入されている。 キーウ攻略失敗、原因は多岐に 今後の焦点は、ロシア軍が序盤の失敗を立て直すことができるかだ。 キーウ攻略に失敗した原因は多岐にわたる。 制空権を奪えないまま拙速に地上侵攻を進め、反撃に遭った。 多正面作戦で戦力も分散し、燃料や食料が前線に届かない補給面の問題も深刻だった。 だが米シンクタンク・ランド研究所のスコット・ボストン氏は「当初の苦戦はロシア軍の能力より、指導部の判断の問題だった。 ウクライナを甘く見ていた。 その失敗のすべてを繰り返すことはないだろう。」と警戒する。 地理はロシア軍に有利に働く。 東部はロシア側に近く、補給ルートが短くて済むためだ。 8 年前から戦闘が続き、地形も知り尽くしている。 本格的に攻撃を始める前に補給路を整える動きもみられ、「失敗の教訓を生かしているようだ」と米高官はみる。 部隊間の調整に手間取ったことを踏まえ、ウクライナ全域での戦闘の指揮もアレクサンドル・ドゥボルニコフ南部軍管区司令官 1 人に統一した。 容易ではない立て直し ただ、立て直しは容易ではない。 課題の一つが士気の低さだ。 ロシア兵の一部は侵攻を知らされずに投入され、序盤の敗戦により戦意の喪失も伝えられる。 キーウ周辺から撤退した勢力のなかには全滅寸前になった部隊もあり、再投入の有効性は見通せない。 ウクライナ情報当局によれば、東部に配置されるロシア兵が参戦を拒否するケースも相次いでいる。 報奨金を用意して兵士に参戦を促したり、参戦を拒んだ兵士の家族を脅したりと、ロシア軍の指導部が兵士の士気向上に苦慮する状況が伝えられる。 さらに、複数の将官が不振を理由に相次いで解任されたと、ウクライナ情報当局は伝える。 米戦争研究所は「後任の指揮官は経験が浅く、クレムリンが設定した無理な目標を達成するよう強いプレッシャーを受ける可能性が高い」と指摘している。 ロシア軍の戦力低下も深刻だ。 米国防総省は、2 月の侵攻開始時に集結させた戦力(人員・装備含む)と比べて 75% まで低下したと分析する。 軍事情報サイト「Oryx」によれば、戦車などの喪失数もウクライナ軍より圧倒的に多く判明している。 南東部マリウポリではウクライナ軍の抵抗が続くが、ロシアは一方的に「掌握」を宣言して攻撃中止を命じた。 英国防省は、ロシアが地上戦で自軍に犠牲が出ることを嫌い、ドンバス地方に兵士を振り向ける思惑があったとみる。 ウクライナ国家安全保障防衛会議のダニロフ書記は 22 日、AP 通信に取材に対し、マリウポリに配置されていたロシア軍精鋭部隊のうち 12 - 14 隊が、東部ドンバス地方への転戦に向けて動き出したことを明らかにした。 ロシア軍はドンバス地方の全域支配を優先するとみられる。 だが、東部でもウクライナ軍の抵抗は強く、現時点では目立った進軍はみられていない。 5 月 9 日の戦勝記念日までに東部を支配下に収めるのは難しいとの見方が強まっている。 予想されるのは数カ月以上の長期化だ。 ロシア軍の拠点から離れたキーウ攻防戦とは異なり、ドンバス地方には親ロ派支配地域が広がる。 「両軍が足場を固め、長期化する現実的な可能性がある」と米国防総省の高官はみる。 ジョンソン英首相は 22 日、戦争が来年末まで継続し、ロシアが勝利する「現実的な可能性がある」との見方を示した。 (ワシントン = 高野遼、asahi = 4-23-22) 米国、ウクライナへの軍事支援めぐる会議を開催 20 カ国以上参加へ 米国は 26 日、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの軍事支援をめぐり、ドイツにある米軍基地で、同盟国などとの国際会議を開く。 米国防総省のカービー報道官は 22 日、20 カ国以上が会議に参加するとの見通しを明らかにした。 会議はオースティン国防長官が主催し、ドイツ西部にある米軍ラムシュタイン空軍基地で行う。 カービー氏によると、北大西洋条約機構 (NATO) の加盟国以外も含め 40 カ国以上を招待した。 20 カ国以上がすでに参加を表明したという。 参加国の詳細は明らかになっていないが、防衛相や軍関係者が参加することを予定している。 会議では、ロシア軍によるウクライナ東部への攻撃についての分析を行うほか、ウクライナへの軍事支援を安定して続けることなどを議題とする。 カービー氏は「終戦後の環境におけるウクライナの長期的な防衛の必要性についても話す」としている。 (ワシントン = 清宮涼、asahi = 4-23-22) 掌握宣言後なおも製鉄所に攻撃 ウクライナに危機感「全滅まで続く」 2 万人を超える犠牲者が出たとされ、ロシア軍が掌握したとの認識を示したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリで、ロシア軍の攻撃がなお続いている。 ウクライナ側は抵抗する姿勢を崩していない。 製鉄所に逃れた市民や負傷兵らも含め、激戦地からの避難は見通せない状況だ。 マリウポリは、ロシアが進軍したウクライナ東部と、2014 年に併合したクリミア半島を結ぶ位置にある要衝で、最大の激戦地の一つ。 ロシアは 21 日に同市を「解放した」とし、ウクライナ側の抵抗拠点であり、市民のシェルターにもなっている製鉄所「アゾフスターリ」について、プーチン大統領は、最終的な攻撃は「意味がない」として中止を命じていた。 だが、マリウポリのアンドリュシチェンコ市長顧問は同日夕、「今、まさしくアゾフスターリが爆撃を受けている」と SNS に投稿。 内部には 1 千人の市民、500 人の負傷兵が身を隠しているとされるが、同氏は「製鉄所にいる人を全滅するまで(ロシアは)攻撃をやめないと思う」と危機感をあらわにした。 (asahi = 4-22-22) 米空軍が新たに開発のドローン、ウクライナに提供へ … 「東部地域でのニーズに合う」 【ワシントン = 田島大志】 米政府は 21 日、ウクライナに対する 8 億ドル(約 1,020 億円)の追加軍事支援を発表した。 長距離砲撃が可能な榴弾砲 72 門と大量の砲弾を供与するのが柱で、東部地域でのロシア軍との激しい地上戦を想定した武器供与となる。 支援額は侵攻開始後で計約 34 億ドルとなった。 米空軍が新たに開発した「フェニックス・ゴースト」と呼ばれる戦術無人機(ドローン)も 121 機以上を提供する。 供与済みの無人機「スイッチブレード」と同様、体当たりする形で軍用車などを攻撃するタイプだ。 ジョン・カービー国防総省報道官は 21 日の記者会見で「東部地域でのウクライナ軍のニーズに非常によく合うと判断した」と説明した。 米軍がウクライナ国外で約 50 人のウクライナ兵に訓練を実施することも明らかにした。 米政府高官によると、榴弾砲は射程 20 - 30 キロで、短時間で大量の砲撃ができる。 距離が離れた露軍の砲撃部隊や、前線部隊の後方に控えている補給部隊を直接狙うことが可能になるという。すでに 18 門を供与しており、今回の支援では、砲弾 14 万 4,000 発と牽引車両 72 台も提供する。 バイデン大統領は 21 日の演説で、経済的な支援策として 5 億ドルの追加供与とウクライナ難民を最大 10 万人受け入れる具体策を表明。 追加制裁として、ロシアに関係する船舶の米国への入港禁止も打ち出した。 演説では「プーチン(大統領)への圧力を強め、さらに世界で孤立させる」と訴えた。 (yomiuri = 4-22-22) ロシア国防省の研究施設で火災、6 人死亡 … ウクライナ攻撃で使用のミサイル開発 タス通信によると、モスクワ北西のトベリ州にある露国防省の研究施設で 21 日に火災が発生し、6 人が死亡、24 人が負傷した。 施設は露軍がウクライナ侵攻に投入している短距離弾道ミサイル「イスカンデル」や、防空ミサイルシステムの開発に携わっており、出火の背景に関心が集まっている。 露捜査当局は出火原因について、配線の老朽化に伴う漏電の可能性を指摘した。 この日は、露中部イワノボ州にある大規模な化学工場でも火災が発生した。 負傷者は伝えられていない。 露軍は、ウクライナと隣接する自国領が「ウクライナ軍の攻撃を受けた」などと主張してきた。 だが、21 日の 2 件の火災については、ウクライナを名指しする声は上がっていない。 (yomiuri = 4-22-22) 「マリウポリを解放した」 ロシア国防相がプーチン氏に報告 ロシアのショイグ国防相は 21 日、プーチン大統領にウクライナ南東部マリウポリを「解放した」と報告した。 ロシア国営ノーボスチ通信が伝えた。 ショイグ氏は「(マリウポリの)製鉄所に立てこもる約 2 千人は確実に包囲した」とも話した。 一方、プーチン氏はウクライナ兵が抵抗を続けてきた製鉄所「アゾフスターリ」の制圧を目指す攻撃は「意味がない」と話し、見送るよう求めた。 ロシア軍はウクライナ兵らに投降を求める最後通告を突き付けていたが、即座には攻撃せず、様子を見る考えとみられる。 (asahi = 4-21-22) 「狂気の戦争」、「ロシア人の 9 割反対」 病身のオリガルヒが痛烈批判 この狂気の戦争から利益を得る人は一人もいない - -。 ロシアの大手インターネット銀行の創業者が 19 日、インスタグラムにこう投稿し、ウクライナ侵攻を始めたプーチン政権を痛烈に批判した。 「罪のない人々や兵士が死んでいる」として、欧米にも「(ロシア大統領の)プーチン氏に出口を示し、この虐殺を止めてほしい」と求めた。 「もちろん、Z を書くバカはいるが …」 投稿したのはティンコフバンクの創業者で、オリガルヒ(新興財閥)のオレク・ティンコフ氏。 ロシア軍についても、「将軍らは二日酔いで目が覚め、くそのような軍隊だと理解した。 国のほかのことがくそで、汚職で卑屈、権力に従属するような体質なのに、どうして軍隊が素晴らしくなれるのか」と嘆いた。 また、「政府の役人やその家族は、夏に地中海に行けなくてショックを受けた。 企業家は残りの財産を守ろうとしている。」と、その姿勢を疑問視した。 一方で、「もちろん、(ロシア支持を意味する) Z を書くバカはいるが、どの国にも 10% いる。 ロシア人の 90% が戦争に反対している。」と指摘した。 ティンコフ氏は電気製品やレストランなどの事業で財を築き、2006 年にティンコフバンクを設立した。 ただ、病気のため 20 年に経営から退き、現在は英国のロンドンに住んでいるとみられる。 同銀行は今回の件に関し、「ティンコフ氏はグループの経営に関与していない」とする声明を出した。 ウクライナ侵攻をめぐっては、ロシアの富豪層の中から戦闘の停止を望む声が出ている。 アルミ王と呼ばれるオレク・デルパスカ氏は「平和が大切だ。 対話をできるだけ早く始める必要がある」と SNS に投稿。 アルファバンク創業者のミハイル・フリードマン氏も「この危機は人命を奪い、何百年も兄弟国と呼ばれた二つの国に損害を与えるだろう」と社員へのメールで表明していた。 (asahi = 4-21-22) 露軍ドンバス攻勢は「大規模作戦の前触れ」 米分析、戦力の 25% 喪失 【ワシントン = 渡辺浩生】 米国防総省高官は 19 日、ロシア軍が東部ドンバス地域で開始した攻勢について、「ロシアが計画するより大規模な作戦の前触れ」との見方を示した。 高官は、同地域の玄関口に位置するイジュム南方、ドネツクの南西部で露軍による限定的な攻撃の開始を確認。 露軍は連日、ロシア西部から補充を終えた戦闘部隊を投入し、ウクライナ東部での総力戦へ態勢固めを続けていると分析した。 高官はまた、ウクライナ国内の露軍の戦力は兵員や兵器を合わせ侵攻開始時点の 75% に低下したとの概算を示した。 侵攻「第 2 段階」の東部作戦に移行前に 25% が失われたことになる。 ただ、露軍が「緒戦における補給の失敗から学び、適応しようとしている」との分析を示した。 一方、西側諸国のウクライナへの軍事支援は拡大を続ける。 ロイター通信などは 19 日、バイデン米大統領が近日中に追加支援を発表する予定と報じた。 13 日に発表した 8 億ドル(約 1 千億円)と同程度の規模になるとみられる。 また、国防総省のカービー報道官は 19 日、ウクライナが軍用機や機体の部品を米国以外の国から供給されたと明らかにした。 国名の言及は避けたが、ウクライナは東欧諸国に旧ソ連製戦闘機の供与を求めていた。 航空戦力の増強は制空権維持の援軍となる。 同省高官は、兵器は連日欧州に空輸され、ウクライナ側に届けられていると強調。 東部の前線に補給する責任はウクライナ側にあるとしたが、その能力を持っているとし、「ドンバス地域の領土を守るため必要な装備を得られるよう支援を続ける」と強調した。 (sankei = 4-20-22) ウクライナ、ロ軍の前進撃退 = 高い士気を維持 - 英国防省 【ロンドン】 英国防省は19日のウクライナ戦況報告で、ロシア軍がウクライナ東部ドンバス地方の各地で砲爆撃を強化する一方、ウクライナ側は「ロシア軍による多数の前進の試みを退けている」との見方を示した。 報告によると、ロシア軍はこれまでと同様、周辺環境や後方支援、技術面のそれぞれで課題を抱えており、ウクライナ軍は高い士気を維持しながら抵抗を続けている。 (jiji = 4-20-22) 東部ドンバス、ウクライナ外相「数千もの戦車や戦闘機が参加する第 2 次大戦のような戦いに」 ロシア軍が 19 日、ウクライナ東部ドンバス地方の全域制圧に向け攻撃をさらに強めた。 兵士が身を隠す森林や市街地などが少ないドンバス地方では、首都キーウ(キエフ)近郊などでの戦闘でウクライナ軍が多用した奇襲が通用しにくく、戦車などの激しい地上戦になるとみられる。 ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官は 18 日、自身の SNS に「戦争の第 2 段階が始まった」と書き込んだ。 ドミトロ・クレバ外相は 4 月上旬、ドンバス地方の攻防について「数千もの戦車や装甲車両、戦闘機などが参加する第 2 次世界大戦のような戦いになる」と述べた。 ロシア軍は早期のキーウ攻略に失敗し、戦車約 500 両を失ったとされる。 それでも世界の軍事力を分析しているグローバル・ファイアーパワーによると、ロシア軍の戦車保有総数は約 1 万 2,000 両で、約 2,600 両のウクライナ軍を大きく上回る。 さらにドンバス地方はロシアに隣接しており、キーウ攻略の時のように補給が困難になることもないとみられる。 ウクライナ側はドンバス地方での戦闘激化に備え、戦車や戦闘機などの緊急供与を米欧に求めてきた。 米国防総省のジョン・カービー報道官は 18 日の記者会見で、ウクライナに供与する「155 ミリ榴弾砲」の訓練を数日以内に始めると明らかにした。 米政策研究機関「戦争研究所」は 18 日、ロシア軍はキーウ近郊から 3 月末に撤退させた部隊の立て直しが不十分なまま、ドンバス地方への攻撃に着手した可能性を指摘した。 兵士の間で出征を拒否する動きが相次いでいるほか、入隊してからの期間が短く経験不足の兵士も交じっているとの情報もある。 露国防省によると、ロシア軍の制圧地域は 3 月 25 日時点でルハンスク州の「93%」、ドネツク州の「54%」だった。 ロシアは 5 月 9 日の旧ソ連の対独戦勝記念日までのドンバス制圧を目標にしているとみられる。 しかし「戦争研究所」は「ロシア軍が劇的な成功を収めることはできないだろう」と予測する。 (yomiuri = 4-20-22) ロシア軍、ウクライナ東部の都市制圧 防衛軍は撤退 = 州知事 [キーウ] ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は19日、ロシア軍が同州クレミンナ市を制圧したと発表した。ウクライナ軍は同市から撤退したという。ロシア軍によるウクライナ東部での新たな攻撃開始以降、都市制圧が確認されたのは初めてとみられる。 ガイダイ知事は記者会見で「クレミンナ市はロシア軍の支配下にある。ロシア軍が同市に攻め入り、(ウクライナの)防衛軍は撤退せざるを得なかった。 防衛軍は新たな場所に陣取り、ロシア軍と戦い続けている」と語った。 ロシア軍がいつクレミンナ市を支配下に置いたのかは言及しなかったが、ロシア軍が「あらゆる方面」から攻撃してきたと述べた。民間人の死者数は公式統計で約200人だが、「実際にはもっと多い」という。 (Reuters = 4-19-22) 州知事「まるで地獄」 ウクライナ東部でロシア "総攻撃" 開始 … 1 日で街 1 つ制圧 ウクライナ東部ドンバス地方で、ロシア軍が大規模な攻撃を開始しました。
ルハンシク州のルビージュネは、戦闘が激化した地域の 1 つです。 砲撃音は街の郊外でも響いています。
郊外の民家は、ウクライナの守備隊が使っていたといいますが、すでにその姿はありません。
ロシア軍が攻勢を強めた地域は、この街だけではなく、東部の広範囲に及んでいます。 ルビージュネのすぐ西側にあるクレミンナや、その南に位置するポパスナ、さらにはハルキウ州の南部でも激しい戦闘が確認されたといいます。 なかでも深刻なのが、クレミンナです。
これまでも激しい戦闘が行われてきたクレミンナですが、18 日夜からロシア軍が猛攻を仕掛け、街は一気に制圧されたとみられます。 ルハンシク州の知事によりますと、占領したロシア軍は民間人の車を銃撃し、4 人が死亡したといいます。 知事は "まるで地獄だ" と表現しました。
クレミンナの制圧によって、ロシア軍はさらなる進軍も可能になったという見方も出ています。
すぐ目の前まで迫りつつある戦火。 ロシアの進攻先とされる地域には、今も 7 万人の一般市民がいます。 "攻撃が始まる前に今すぐ避難を" ドンバス地方の各地で、当局が呼び掛けています。
徹底抗戦の構えを改めて示した最高司令官。 ただ、南東部で孤立したマリウポリの状況は、一刻を争う状態です。 マリウポリのアゾフスタリ製鉄所の内部とされる映像。 工場の地下シェルターと思われる場所には、高齢者や女性、小さな子どもが目立ちます。
この映像は、製鉄所を守備するアゾフ連隊が撮影し、SNS に投稿されたものです。 このようなメッセージを世界に向けて。
市民と兵士、合わせて 2,000 人ほどがいるという製鉄所。 アゾフ連隊の別の司令官に話を聞いて分かったのは、もう "ギリギリ" だということです。
ロシアの侵攻開始以来 2 カ月の間は、この製鉄所から市街地に出撃し、押し寄せるロシア軍と交戦していました。 ただ、最近になって戦況は悪化。 製鉄所内での籠城戦を余儀なくされたのは、1 週間ほど前からだといいます。 地下シェルターは空爆に耐えることを想定した頑丈なものですが、援軍がこなければ状況は悪くなる一方です。
ロシア軍は、製鉄所内のウクライナ兵に対し、日本時間 19 日午後 8 時 - 午後 10 時までに製鉄所から出て行くよう、降伏勧告をしました。 その期限が過ぎましたが、降伏したなどという情報は入ってきていません。 ロシア側はこんな言葉でも脅しをかけています。
ウクライナ精鋭部隊「アゾフ連隊」 マリウポリでロシア軍急襲 ウクライナ軍の精鋭部隊「アゾフ連隊」は、南部の港湾都市マリウポリでロシア軍を急襲する様子を撮影したとするドローン映像を 18 日までに公開した。 アゾフ連隊は 2014 年に極右活動家らによって創設され、当初はウクライナ東部の親ロシア派武装勢力に対抗する部隊として配備された。 その後、内務省の指揮下にある国家警備隊に統合された。 (AFP = 4-19-22) ウクライナ東部 2 州掌握へ ロシア軍が攻勢 西部もミサイル攻撃 ロシア軍が侵攻を続けるウクライナで 18 日、西部リビウの軍事施設などが攻撃を受け、地元の州知事は 7 人が死亡したと発表するなど、各地でロシア軍のミサイル攻撃が続いています。 一方、ロシア軍は、東部の要衝マリウポリで降伏を迫りながら完全掌握を目指し、第 2 の都市ハルキウでも攻撃を続けていて、東部 2 州の掌握を急ぎたい考えとみられます。 ロシア国防省は 18 日、東部ハルキウ州や、南東部ザポリージャ州などで 16 の施設をミサイルで攻撃し、指揮所や弾薬庫などを破壊したとしたほか、ハルキウ州のイジューム近郊でウクライナ軍のミグ 29 戦闘機を撃墜したなどと発表しました。 さらに西部リビウ州のコジツキー知事は、日本時間の 18 日午後、リビウにある軍事施設や自動車整備の施設が合わせて 4 発のミサイル攻撃を受け 7 人が死亡したと明らかにしました。 一方、ロシア軍は、東部の要衝マリウポリの完全掌握に向けて、ウクライナの部隊が拠点とする製鉄所を包囲したと主張したうえで「武器を置いた者は命を保証する」などと呼びかけ、日本時間の 17 日夜までに武装を解除して降伏するよう要求しました。 ただ、ウクライナ側は、降伏の要求に応じておらず、ロシア国防省は、「これ以上、抵抗を続ければ全滅させる」と警告していて、ロシア軍による攻撃がいっそう激しくなるおそれがあります。 またウクライナ東部では、17 日には、第 2 の都市ハルキウの中心部などでもロシア軍による砲撃があり、地元の州知事は 5 人が死亡、20 人がけがをしたことを明らかにしました。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 17 日に公開した動画で、「一般の住宅地や民間人に対する攻撃で意図的なテロ行為にほかならない」と強く非難しました。 ロシア軍は、要衝マリウポリに対し、降伏を迫りながらこの都市の完全掌握を目指すとともにハルキウやその周辺のイジュームからさらに南下し、北側からと南側から挟み込む形で、東部 2 州の掌握を急ぎたい考えとみられます。 "人道回廊 2 日連続で開くことできず" ウクライナ副首相 ウクライナのベレシチュク副首相は 18 日「人道回廊」と呼ばれる住民の避難ルートを 2 日連続で開くことができなかったと SNS 上で明らかにしました。 この中で副首相は「ロシア軍が東部などで攻撃とルートの封鎖を続けていて、安全上の理由から避難ルートを開くことができない」と、ロシア側の攻撃が避難を妨げていると批判しました。 「人道回廊」と呼ばれる避難ルートは、先月からウクライナ側とロシア側の停戦をめぐる交渉の成果の 1 つとして運用が始まり、一時は 1 日で 1 万人以上の市民が避難しました。 しかし、副首相によりますと、避難できた人は、今月 16 日にはウクライナ全土で合わせて1400人ほどにとどまっています。 中でもロシア軍の激しい攻撃が続く東部マリウポリでは、避難ルートについて、ICRC = 赤十字国際委員会の支援チームが今月 1 日、安全が確保できず引き返したと発表するなど、住民の避難が難航しています。 (NHK = 4-18-22) ウクライナ東部各地で攻撃続く ロシア側にも多数の犠牲か ウクライナでは 17 日、東部の各地でロシア軍の攻撃が続いた。 ウクライナ第 2 の都市ハルキウの保健当局は同日、新たに 5 人が死亡し、13 人がけがをしたと発表した。 このほか、南部ミコライウなどでも終日爆撃が続いたほか、東部ドンバス地方での大攻勢に向けた動きも激化しているとされる。 ハルキウでは市街地が爆撃され、消防車が出動した。 消防隊は住宅の消火活動に追われた。 AFP 通信の記者によると、爆撃によって街中で火災が起きたほか、建物の屋根が壊れて道路にがれきが多数落下したという。 首都キーウへの侵攻を止めて以降、ロシア軍はハルキウを含む東部への攻勢を強めている。 ハルキウはロシアとの国境から 21 キロしか離れていない。 15 日には、ハルキウの住宅地が爆撃に見舞われて 10 人が亡くなった。 16 日にも、2 人が死亡している。 ソ連の英雄の胸像が引き倒される こうした中、ハルキウ市内では、第 2 次世界大戦で活躍したソヴィエト連邦の英雄、ゲオルギー・ジューコフ将軍の胸像が何者かに引き倒された。 ソーシャルメディアで拡散された動画には、胸像が路上に引き倒されている様子が映っている。 https://twitter.com/nexta_tv/status/1515631573592424448 極右政党ナショナル・コーと関連のある軍部隊のリーダー、コンスタンティン・ネミチョフ氏が、自らの部隊分がやったと発表。 同氏のテレグラムアカウントに投稿された動画では、胸像がトラックで引きずられた後、ゴミ捨て場に置き去りにされている。 市当局は長い間、この胸像の撤去に反対していた。 ジューコフ将軍はスターリングラードの戦いやクルスクで功績を収め、第 2 次世界大戦におけるソ連の最も偉大な司令官とされている。 今回のような方法で胸像が撤去されたことは、多くのロシア人から深刻な挑発行為と受け止められるとみられている。 ミコライウで連日ロケット弾攻撃 南部ミコライウや周辺地域でも、ロシア軍のロケット弾による攻撃が続いている。 ミコライウ州のヴィタリイ・キム知事は BBC の取材に対し、ウクライナ軍はロシア軍が港湾都市オデーサに侵入するのを防いでいると説明した。 キム知事によると、ミコライウでは 17 日の朝から断続的に攻撃が続いており、市内の 1 区域に電力を供給している電線が破壊されたという。 市街地に向かっていた BBC の取材チームも、爆発音を聞いている。 同地域の軍報道官も、ロシア軍は配電網や住宅、遊び場などをさまざまなミサイルで攻撃していると語った。 ミコライウを守っているウクライナ軍は、戦略的港湾都市であるオデーサを含む南東部がロシア軍に制圧されるのを防いでいる。 キム知事は、ここ数日の攻撃にもかかわらず、ロシア軍は前線を動かさせていないと語った。
ミコライウ周辺では 4 日前に主要な水道管が爆破されて以来、水の供給が止まっている。 井戸水が大半の人々の飲み水を供給しているが、衛生面では水道は機能していない。 ドンバスは明け渡さないとゼレンスキー大統領 首都キーウ近郊で敗退して以降、ロシアは東部に軍隊を集結させ、親ロシアの分離派が支配するドンバス地方に重点を移している。 これについてウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、同国はドンバス地方で戦っており、「明け渡すつもりはない」と語った。 CNN が 17 日に放送したインタビューでゼレンスキー氏は、紛争を止めるためにロシアにドンバスとウクライナ東部の一部を占領させるという考えを一蹴した。 さらに、「ウクライナとその国民は明確だ。 我々は他人の領土を要求することはないが、我々の領土を手放すつもりもない」と述べた。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がドンバス占領と言う時、ウクライナの古い石炭と鉄鋼の産地について言及している。 ルハンスクとドネツクという、南のマリウポリ郊外から北の国境まで続く東部の2つの大きな地域全体を意味しているとされる。 ロシアでさらに司令官が死亡 ロシアの国営タス通信は、同国第 8 軍副司令官のウラジーミル・ペトロヴィッチ・フロロフ少将が、ウクライナでの戦争で死亡したと報じた。 このニュースは、サンクトペテルブルクのアレクサンドル・ベグロフ市長も認めている。 ベグロフ市長は、「ウラジーミル・ペトロヴィッチ・フロロフ氏が、ウクライナのナショナリストとの戦いで英雄的な死を遂げた」と述べた。 「フロロフ氏の犠牲によって、ドンバスの子供や女性や高齢者は爆発音を聞かなくて済むだろう。 死を待ったり、家を離れたり、これが最期だと別れを言ったりすることもないだろう。」 しかし、ウクライナで起きている爆撃のほとんどはロシア軍によるものだ。 ウクライナ侵攻が始まって以来、ロシアの将軍や高級将官の死亡が何度も報告されている。 このような上官が戦場に近づいて自らを危険にさらすことは異例なことから、西側の情報筋は、一部地域でひどく停滞していた作戦をある程度機能させるために前線に出たのだろうとみている。 巡洋艦「モスクワ」で船員死亡か = 報道 ウクライナのミサイルによって沈没した黒海艦隊の旗艦「モスクワ」をめぐっては、約 40 人のロシア人船員が死亡、数十人が負傷、行方不明になっているとされる。 ロシア国防省は今のところ、死傷者数について何も発表していない。 ロシアの独立系新聞「ノーヴァヤ・ガゼータ」の欧州版は 17 日、同艦に乗っていたとされる海兵の母親の話を掲載した。 それによると、海兵が巡洋艦モスクワから電話をかけてきて、ウクライナ領海内で、陸地から発射された 3 発のミサイルで撃たれたと言ったという。 「息子が電話をしてきて、自分の見た光景に泣いていた。 とても恐ろしかった。」と、この母親は語っている。 この海兵は何を目にしたか詳細は話さなかったが、爆発によって多くの海兵が手足を失っていたと話したという。 同紙は、安全性の観点からこの母親と海兵の名前を明かしていないが、この海兵が巡洋艦モスクワに乗船していたことを示す書類を確認しているとしている。 巡洋艦モスクワについてロシア国防省は 16 日、乗船していたとする船員が、セヴァストポリ港で司令官と会っている動画を公開した。 ロシアは、同艦が母港セヴァストポリへ曳航中に、「荒れた海」が原因で沈んだと主張。 一方、ウクライナは同国製の対艦ミサイル「ネプチューン」で攻撃したと発表している。 ウクライナとロシア、犠牲者発表に差 侵攻開始以来、ウクライナは定期的にロシア側の死者数を発表しているが、ロシア側はあまり頻繁には発表していない。 しかし紛争が 8 週目にさしかかった今、双方とも恐ろしいほど高い数字を示している。 ただし、どちらも BBC は検証できていない。 ウクライナ国防省はフェイスブックへの投稿で、ロシアの侵攻が始まった 2 月 24 日以降、約 2 万 300 人のロシア兵が死亡したと発表した。 一方ロイター通信によると、ロシアはウクライナ軍が被った「回復不能な損失」は 2 万 3,367 人に上るとしている。 ただし、この損失が死者だけなのか、負傷者も含むのかには言及していない。 また、自軍の損害をどの程度オープンに認めるかも、双方に違いがある。 ウクライナは定期的に発表している。 15 日に行われた CNN のインタビューでゼレンスキー大統領は、開戦以来最大で 3,000 人のウクライナ兵が死亡したと語った。 対するロシアは、数字を公表することに消極的だ。 ロシアの国防省は 3 月 25 日、これまでに 1,351 人のロシア兵が戦闘で死亡したと発表した。 教皇フランシスコ、ミサで戦争に言及 キリスト教カトリック教会の教皇フランシスコは、17 日のイースター(復活祭)のミサでウクライナでの戦争に言及した。 ウクライナの平和を求める人々の訴えに耳を傾けるよう指導者に求め、同国を「残酷で無意味な」紛争に引きずり込んだロシアを批判した。 ヴァチカンのサンピエトロ広場では、2019 年以降、新型コロナウイルスによる制限でイースターのミサが開かれていなかった。 この日、2 年ぶりに 5 万人を前にミサを行った教皇は、「わたしたちも戦争の中で迎えたこの復活祭を信じられない思いで見ている。 わたしたちは、あまりにも多くの流血と暴力を見てきた。」と語った。
その上で、ウクライナは「残酷で無意味な戦争に引きずり込まれ、暴力と破壊によって傷めつけられている」と述べた。 ヴァチカンで復活祭の前日に行われたミサには、マリウポリのイヴァン・フェドロフ市長とウクライナの議員 3 人が参列した。 ローマ教皇庁によると、教皇はこのミサの前に、ウクライナ代表団と個人的に面会したという。 フェドロフ氏は 3 月、ロシア軍に拘束されたが、その後、捕虜交換で解放された。 マリウポリは現在もロシアの占領下にある。 (BBC = 4-18-22) |