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ウクライナ北東部でロシア軍再び攻勢か

ロシア軍が撤退したウクライナ北東部スーミ州で 16 日、ロシア軍がウクライナとの国境線の突破を図っているとウクライナのウニアン通信が報じた。 同通信によると、ロシア軍は迫撃砲、てき弾発射機、機関銃、自動小銃で攻撃しているという。 ロシア軍の占拠中には、民間人 100 人以上が死亡したとされ、手を縛られ、拷問の形跡があった遺体も見つかったという。 (asahi = 5-16-22)


志願兵の 19 歳女子大学生が戦死

19 歳のウクライナ人女子大学生がロシア軍との戦闘で戦死したと、ウクライナの国営通信社が 16 日報じた。 ロシア軍の侵攻当日に郷土防衛に志願し、その後は射撃手として軍務にあたっていたという。 この女性はアレクサンドラさんといい、ロシア軍の侵攻前までは、大学で出版物の印刷技術などを学んでいた。 同通信によると、戦死したのは今月 5 日という。 (asahi = 5-16-22)


ロシア軍、オデーサをミサイル攻撃

ウクライナのウニアン通信は 16 日、南部の港湾都市オデーサ(オデッサ)州で、ロシア軍のミサイル攻撃により観光施設が粉砕され、複数の建物が破壊されたと報じた。 現地では救助隊が救助にあたり、捜査当局が(戦争犯罪の)捜査に従事しているという。 ロシア軍による攻撃で民間人にも負傷者が出た模様で、これまでに 2 人の大人が負傷し、子ども 1 人が重傷を負ったという。 (asahi = 5-16-22)


「マリウポリ製鉄所に白リン弾か焼夷弾」

ロシア軍が包囲し、ウクライナ部隊が抵抗を続けるウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」をめぐり、同市のアンドリュシチェンコ市長顧問は 15 日、重いやけどを負わせる白リン弾か焼夷弾をロシア軍が使い、製鉄所を攻撃した疑いがあると SNS で主張した。 燃焼時の温度は 2 千度以上で消火も極めて難しいとし、「地獄が地上に降りてきた」と記している。 製鉄所内には重傷を負った兵士が多数いるとされ、ウクライナ政府は負傷兵の退避に向けてロシア側と交渉を続けている。 (asahi = 5-15-22)


ドンバス地方への攻撃「勢い失い、大幅に遅れ」 英国防省

英国防省は 15 日にツイッターで発表した戦況分析で、ウクライナ東部ドンバス地方に対するロシア軍の攻勢が「勢いを失い、予定より大幅に遅れている」との認識を示した。 ロシア軍はここ 1 カ月間、支配地域を実質的に拡大できないまま、戦力を著しく消耗し続けているという。 国防省の分析によると、ロシア軍は 2 月に投入した地上戦力の 3 分の 1 を失った可能性が高い。

橋を架けるための装備が一貫して不足しているといい、これが足かせになっているという。 戦況の監視や偵察に必要な無人機は、ウクライナの対空兵器の脅威にさらされている。 英国防省は、架橋装置や無人機の不足でさらに作戦が遅れるとの見通しを示している。 英国防省によると、ロシア軍の部隊は士気も低下しており、すぐに交代や再編成を図ることも難しい。 こうした理由から、英国防省は「ロシア軍が今後 30 日間のうちに侵攻速度を劇的に上げることは考えにくい」と結論づけている。 (asahi = 5-15-22)


軍事施設にミサイル直撃、州知事「完全に破壊された」

15 日朝にウクライナ西部リビウ州であったミサイル攻撃の被害について、コジツキー州知事は同日午前、隣国ポーランドとの国境に近い同州ヤボリウ地区の軍事施設がミサイル 4 発の直撃を受け、完全に破壊されたと SNS で説明した。 けが人はないという。 リビウ州のポーランド国境近くでは、3 月にも軍事訓練施設が 30 発以上のミサイル攻撃を受け、35 人が死亡している。 (asahi = 5-15-22)


ロシア軍、第 2 都市ハルキウから完全撤退か 反撃に対応できず被害

ロシアが侵攻しているウクライナの北東部にある第2の都市ハルキウをめぐり、米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は 13 日、ロシア軍が「完全撤退することを決断したようだ」との分析を公表した。 ウクライナ軍もロシア軍がハルキウから撤退しつつあるとの認識を示している。 ハルキウは人口 140 万人を超える重工業都市で、ロシア軍が侵攻の初期に包囲していた。 戦争研究所の分析は、「ウクライナはハルキウの戦いに勝利したとみられる」と評価。 この数日、ウクライナ軍の反撃に対して陣地を守る動きがほぼみられないという。

また、米国防総省によると、ウクライナ軍はハルキウ東部でロシア軍を大きく後退させたのに続き、この数日でハルキウ北部のロシア軍部隊も国境近くにまで押し返したという。 ウクライナ軍参謀本部も 14 日に発表した戦況分析で、ロシア軍が積極的な戦闘行為をせず、ハルキウから自軍を撤退させることに集中していると明らかにした。 ゼレンスキー大統領は 13 日深夜、SNS に投稿したビデオ演説で、ハルキウのあるハルキウ州を徐々に奪還できているとの認識を示し、「我々が(国民の)誰も敵の下に取り残さないことを示すものだ」と強調した。

英国防省が 12 日にツイッターで発表した分析によると、ロシア軍はハルキウを包囲後に大きな損失を被り、部隊の補充と再編成を図る必要が生じていた。 ロシア軍がウクライナ東部での作戦を優先させたため、ハルキウ州にいる部隊の戦力がウクライナ軍の反撃に対してもろい状態になったのが損失の要因だという。 英国防省は「ハルキウ州からのロシア軍撤退は、ウクライナの主要都市群を攻略できなかったことを暗黙のうちに認めたものだ。 ロシア軍はそれらの都市で限定的な抵抗しか予想していなかった」と指摘。 撤退したロシア軍部隊は再編成されたうえで、ウクライナ東部での作戦に関わる可能性があるとしている。

ハルキウからのロシア軍撤退が報じられていることをめぐり、ロシア側からは目立った反応は出てきていない。 攻防の焦点はロシア軍が掌握を目指す東部ドネツク、ルハンスク両州に移りつつある。 ウクライナ軍が 14 日に発表した戦況分析によると、両州では過去 24 時間の間にウクライナ軍がロシア軍の攻撃を 10 回撃退し、激しい攻防が続いている模様だ。 ドネツク周辺などではロシア軍がウクライナ軍に「最大限の損失」を与えようと航空機やロケット砲などを使い、攻撃を活発化させているという。 ロシア軍は 3 月下旬の時点でドネツク州の半分以上、ルハンスク州の 93% を制圧したと発表している。

ただ、米国防総省高官は 13 日、ロシア軍が戦力を追加投入しているにもかかわらず、東部ドンバス地方での戦いで目立った成果を得られていないとの見方を示した。 ロシア軍は一部の将官が命令を拒むなど、士気の低下が引き続き課題となっているという。 南東部マリウポリでは、ウクライナ部隊が抵抗を続ける製鉄所「アゾフスターリ」をロシア軍が引き続き包囲し、大規模な砲撃と空爆を加えている。 ウクライナの公共放送「ススピリネ」によると、ベレシュチュク副首相は 14 日、製鉄所内にいる重傷を負った兵士と医療関係者計約 60 人の退避について、ロシア軍との交渉を続けていることを明らかにした。

一方、米国防総省は 13 日、オースティン国防長官がロシアのショイグ国防相と電話で協議したと発表した。 両者の協議は、ロシアによるウクライナ侵攻後初めて。 発表によると、オースティン氏は即時の停戦を求めるとともに、両国間の連絡ルートを維持することの重要性を強調した。 米側は 2 月から継続して協議を呼びかけてきたが、ロシア側が応じたことで、このタイミングで対話が実現したという。 米側は即時の停戦を求めたが、ロシア側の行動や発言に変化をもたらす結果は得られなかったという。 今後は、両国の対話が継続されるかが焦点となる。 (ワシントン = 高野遼、asahi = 5-14-22)


渡河作戦失敗のロシア軍、防御戦に移行か 長期化決断

ロシアによるウクライナ侵攻で、同国のベレシチュク副首相は 13 日、東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に籠城するウクライナ部隊の救出について「結果は全ての人を満足させるものにならないかもしれない」とし、退避は困難との認識を示した。 同国のゼレンスキー大統領もロシアとの交渉は困難だと認めた一方、「部隊が退避できるよう可能な限りのことをする」と表明した。

ベレシチュク氏は 13 日、SNS (交流サイト)上で「敵との交渉は非常に困難だ。 戦争は冷徹な現実であり、奇跡は起きない。」と述べた。 同氏は 12 日、一部の重傷者の退避と引き換えにロシア兵捕虜を返還する交渉を露側と行っている - と明らかにしていたが、交渉の停滞を示唆した形だ。 製鉄所内にはウクライナ部隊「アゾフ大隊」などに所属する数百人から 1,000 人の兵士らが籠城し、多数が負傷しているとされる。

一方、ロシアはアゾフ大隊を「ネオナチ」だとして敵視。 交渉での退避は認めす、降伏しない限り攻撃を継続するとしている。 プーチン露大統領は 13 日、電話会談したドイツのショルツ首相に「製鉄所から民間人は全て退避した」と述べ、攻撃を正当化した。

戦況に関し、英国防省は 13 日、露軍が東部ルガンスク州のドネツ川を渡る作戦に失敗し、少なくとも 1 個大隊戦術群に相当する戦力を失ったとの分析を公表。 主目標とするドンバス地域で露軍は「前進を達成できていない」と指摘した。 ウクライナメディアによると、同国のアンドルシフ内務省顧問は、露軍が電撃的なキエフ制圧を狙った作戦の第 1 段階、東部で占領地を拡大する第 2 段階に失敗し、現在は防御線を構築して占領地を維持する「第 3 段階に入った」と指摘。 「ロシアは作戦の長期化を決断した」と分析した。 (sankei = 5-14-22)

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アゾフスターリ、重傷の 38 人とロシア人捕虜交換で交渉

ロシア軍が包囲し、ウクライナ部隊が抵抗を続けるウクライナ南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」をめぐり、同国のベレシュチュク副首相は 12 日夕、内部にいる負傷兵のうち重傷の 38 人について、ロシア人捕虜の解放と引き換えに退避させる交渉をロシア側と進めていることを SNS で明らかにした。 ベレシュチュク氏によると、38 人はけがが重く、横たわっている状態だという。 製鉄所内には約 500 人の負傷兵が残っているとされ、ベレシュチュク氏は彼らの退避に向けた交渉について「段階的に取り組んでいる。 38 人を(ロシア人捕虜と)交換してから次に進む」と SNS に記し、段階を踏みながら退避させていく考えを強調した。 (asahi = 5-12-22)


露軍、東部ドンバス地域で渡河作戦失敗か ウクライナ軍が反撃

[デルガチ(ウクライナ)] ウクライナ軍が 13 日に公開した映像によると、ロシア軍の東部ドンバス地域における渡河作戦はウクライナ軍の反撃に合い失敗したもようだ。 ロシア軍は苦戦する東部で再び攻勢を強めようとしている。 英国防省は、東部ルガンスク州セベロドネツクの西方を流れるドネツ川を横断しようとするロシア軍をウクライナ軍が阻止したと発表した。

ウクライナ軍の映像では、一部が水没した橋の近くに破壊された軍用車両や戦車などが映し出されている。 ロイターは現時点で英国防省の発表および戦闘の発生場所や時期を確認できていない。 英国防省によると、ロシアはセベロドネツクやイジューム周辺に軍事力を投入し、スロビアンスクおよびクラマトルスク方面に突破口を開き、ドンバス地域を占領しようとしているという。 (Reuters = 5-14-22)


ロシアの電力会社、フィンランドへの送電停止へ

ロシア国営電力会社「インター RAO」は 13 日、フィンランドへの送電を 14 日に停止すると発表した。 フィンランドの系列会社「RAO ノルディック」が声明を出した。 北欧や西欧の電力会社などが参加する電力取引市場「ノルドプール」で販売された電力料金の未払いを理由としている。 フィンランドは 12 日、米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構 (NATO) に近く加盟申請する意向を表明し、ロシアが反発していた。

RAO ノルディックは 13 日の声明で、「ノルドプールで 5 月 6 日以降に販売した電力の料金が支払われていない。 異例の事態で、20 年以上の取引の中で初めてのことだ」とし、「残念ながらロシアからの電力供給を 14 日から中止せざるを得ない。」と述べた。 ただ、料金未払いとフィンランドの関係は説明していない。 (mainichi = 5-14-22)

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フィンランド加盟申請、NATO は歓迎 極寒の地での軍事作戦秀でる

フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は 12 日、北大西洋条約機構 (NATO) について、「フィンランドはただちに加盟申請しなければならない」と共同声明で明言した。 ロシアの脅威がウクライナ侵攻で現実のものとなり、欧米の安全保障の枠組みが強化される方向になった。 「手続きはスムーズで早いだろう。 フィンランドは(すでに)欧州・大西洋地域の安全保障に貢献している最大のパートナー国の一つだ。」 ストルテンベルグ NATO 事務総長は 12 日、加盟の意思表明を歓迎した。 実現すれば北極圏から地中海までNATO諸国が南北ひとつながりになってロシアへの防衛ラインが築かれる。

NATO の拡大は 1949 年の創設以来 9 回目。旧ソ連を盟主としたワルシャワ条約機構の構成国だったポーランドやハンガリーが加盟した 99 年、旧ソ連から独立したバルト 3 国などが続いた 2004 年以来の大きな転換点といえる。 フィンランドは最新鋭の F35 戦闘機の導入を進めているほかサイバー防衛にも貢献でき、同じく加盟申請を検討中のスウェーデンと同様、極寒の地での軍事作戦に秀でているという。

両国は、合同演習などを通じて NATO 軍との相互運用ができる態勢を強化し、アフガニスタンやバルカン半島での作戦に加わった実績もある。 「中立」を保ってきたとはいえ、「一部の加盟国より防衛力が高い」との見方すらある。 両国は同時に加盟を申請するとみられており、既存の 30 カ国が協議して全会一致で「招待」を決定すれば加盟が事実上固まる。 その後、政治体制や軍事技術などが NATO が求める水準に達しているかどうかなどを詰め、各国の国内手続きを経て正式に 31、32 番目の加盟国となる。

NATO の盟主、米国のブリンケン国務長官は 4 月末、米下院外交委員会の公聴会で、加盟申請を決断すれば「我々は強く支持する」と明言している。 これまでのところ、両国の加盟そのものに表だって反対する声はない。 NATO は 6 月にマドリードで首脳会議を予定しており、こうした場などで「招待」を決定し、1 年半前後かかることが多かった。 その後の手続きは年内に終わるのではないかとの見方が多い。 欧州連合 (EU) 加盟国で政治的な問題はなく、軍事面でも高水準だとされるためだ。

NATO に加盟すれば、両国は、北大西洋条約第 5 条のもと米英仏の核保有国も含めた NATO 全体に守られることになる。 1 国が攻撃が受ければ NATO 全体が攻撃されたと見なす集団安全保障の仕組みだ。 ただし、手続きが終わるまでの間はリスクが大きくなる。 NATO が接するロシアとの地上の国境はいま 1,215 キロ。 それがフィンランド国境を加えると 2,500 キロに達する。

どう備えるか。 サキ米大統領報道官は 5 日、「懸念に対処する方法を見いだすことができると確信している」と述べ、何らかの形で安全保障の提供に協力する意向を示した。 英国のジョンソン首相は 11 日、スウェーデンとフィンランドを訪れ、それぞれとの防衛協力の宣言にサインした。 第三国から攻撃を受けた場合、相互に軍事支援する内容だ。 NATO 加盟手続き中の対応を先取りする動きといえる。 (ブリュッセル = 青田秀樹、ワシントン = 高野遼、asahi = 5-12-22)


最新鋭ロシア艦船に新たな損害か ウクライナが炎上と発表

ウクライナ南部オデッサ州当局は 12 日、オデッサ沖の黒海海域で、物資輸送や測量を担うロシア海軍の最新鋭の後方支援艦「フセボロド・ボブロフ」がウクライナ軍の攻撃により炎上したと発表した。 ロシア軍はオデッサへのミサイル攻撃を続け、オデッサをめぐる攻防が一層激化している。 ウクライナ部隊が籠城する南部マリウポリの製鉄所でも戦闘が続いている。

オデッサ州当局によると、フセボロド・ボブロフはロシアが実効支配する南部クリミア半島の海軍基地に向け曳航(えいこう)された。 ウクライナメディアによると、同艦にウクライナ軍の最新対艦巡航ミサイル「ネプチューン」が命中したとの情報もある。 露軍は黒海に面した要衝オデッサを掌握し、ウクライナを内陸に封じ込めるとともに、隣接するモルドバ国内の親露分離派地域「沿ドニエストル」への回廊を確保する思惑とされる。 ただ、ウクライナ軍の抵抗は強固で、4 月に露黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を撃沈。 今月上旬には哨戒艇や上陸艇など複数の露艦艇を撃破したと発表した。

一方、露国防省は 12 日、オデッサのレーダー施設を破壊したと発表。 オデッサ市長は露軍のミサイル攻撃で市内中心部の歴史的建造物、ボロンツォフ宮殿が損傷したと明らかにした。 露軍が占領したオデッサ沖のズメイヌイ島周辺でも、島の奪還を目指すウクライナ軍と露軍との戦闘が続いている。 東部では、マリウポリの製鉄所に籠城するウクライナ部隊「アゾフ大隊」が 12 日、SNS (交流サイト)上で「露軍の襲撃を撃退した」と発表。 一方で「露軍の空爆や砲撃が絶え間なく続いている」とも述べた。 露国防省は同日、東部ハリコフ州やドネツク州で弾薬庫やレーダーをミサイルで破壊したと主張した。 (sankei = 5-13-22)


ロシア、略奪穀物を輸出か エジプトなどで寄港拒否

【カイロ】 米 CNN テレビは 12 日、ロシアが侵攻したウクライナから大量の穀物を略奪し、実効支配するクリミア半島を経由して地中海沿岸の各国へ輸出を試みていると報じた。 ウクライナの事前通報を受け、穀物を積んだロシアの貨物船は寄港を拒まれたという。 穀物の出所を偽装するため、他の船に積み替えて再び輸出を図る恐れもあるとしている。

報道によると、約 3 万トンの穀物を積載した貨物船が、クリミア半島セバストポリを 4 月下旬に出港。 黒海からボスポラス海峡を通って地中海に達し、エジプト北部アレクサンドリアに向かったが入港を拒否された。 その後、レバノンのベイルートでも拒まれ、現在はロシア軍基地があるシリア北西部ラタキアに係留しているという。 ロシアとウクライナは世界屈指の小麦輸出国。 世界最大の小麦輸入国でもあるエジプトやレバノンなど中東諸国では、ロシア軍のウクライナ侵攻に伴い調達が滞り、深刻な物価高騰に見舞われている。

国連食糧農業機関 (FAO) 当局者は今月初め、ロシアがウクライナで穀物 70 万トンを略奪した可能性を指摘していた。 CNN はウクライナ当局者や関係者の話として、セバストポリからの穀物輸出量が侵攻後の 3 月と 4 月に急増し、ロシア船 3 隻が不法輸出に関与していると伝えている。 (jiji/nikkei = 5-13-22)


ゼレンスキー大統領「ロシアは病的、救いようがない」

ウクライナのゼレンスキー大統領は 12 日夜、SNS に投稿したビデオ演説で、「ロシア軍は今夜も学校を攻撃した。 こうした命令を下せるロシア軍の司令官たちは、ただただ病的だ。 救いようがない。」と述べた。 ゼレンスキー氏は「学校を攻撃して何が得られるというのか」とロシア軍を強く批判。 「侵略軍が破壊した病院、学校、大学、家、橋、オフィス …。 私たちはこれらすべてを再建する。」と誓った。 また、ゼレンスキー氏はロシア軍が 2 月 24 日に侵攻を始めて以来、570 の医療施設が攻撃を受け、そのうち 101 の病院が全壊したと明らかにした。 「愚行であり、野蛮な行為だ」と訴えた。 (asahi =5-13-22)


"末期症状" のプーチン政権 ロシア政府系サイトで批判記事 30 本掲載
国防関連施設などで不審な爆発や火災が多発

ロシアで "異変" が相次いでいる。 政府系ニュースサイトに 9 日、ウラジーミル・プーチン大統領への痛烈な批判記事が一時掲載されたと、米 CNN などが報じた。 ロシア国内では、国防関連施設などで不審な爆発や火災が多発しているうえ、ロシア軍にも相当な不満がたまっているとの指摘がある。 プーチン政権の「末期症状」とも考えられる。

ロシア政府系のニュースサイト「Lenta.ru」は、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の 9 日、所属するジャーナリスト名で、プーチン氏への批判を展開した。 CNN (10 日)によると、少なくとも 30 本もの記事が掲載されたが、直後に削除されたという。 批判記事では、「プーチン氏と取り巻きは戦後、法廷で裁かれる運命だ」との主張や、先月中旬、ウクライナ軍の攻撃で撃沈されたロシア黒海艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」について、実際の生還者数を偽っていたなどと記されていたとされる。

米ワシントン・ポストや、インドメディアのヒンドゥスターンニュースハブも、この批判記事について報じている。 ロシア政府は今年 3 月、「フェイクニュース」を拡散した場合、禁錮刑を科す法案を導入するなど、情報統制を強化してきた。 政府系サイトの批判は異例といえる。 さらに、ロシア西部の武器庫で爆発が起き、石油関連施設でも火災が発生するなど、国内で不可解な爆発や火災が相次いでいる。 プーチン政権に反発する破壊活動の可能性もある。

英国防省は 1 日、前線のロシア軍部隊への燃料や武器の供給に影響を及ぼす可能性があると公表した。 ロシア軍内部にも、燃料や食糧不足、人員の交代がないことに不満が広がっており、米国防総省は「(ロシア軍は)不満を募らせている」と指摘していた。

一連の異変をどう見るか。 拓殖大学海外事情研究所の川上高司教授は「ロシアから出される情報は精査することが難しい。 プーチン政権が弱体化しているという可能性も否定できず、崩壊が近いかもしれない。 一方で、ニュースサイトの情報は、西側諸国への偽情報の可能性もある。 今後もロシアからの情報については、さまざまな可能性を考えて精査する必要がある」と指摘した。 (ZakZak = 5-11-22)

〈編者注〉 フェイクニュース(実際は、リアルニュース)であれば、ハッカー集団「アノニマス」の犯行である可能性が一番高いのではないでしょうか? 9 日当日、ロシアの衛星 TV やニュースサイトをハッキングしており、所属するジャーナリストの個人情報を入手していたはずですから、可能であったろうことは否定できません。


「東部で顕著な進展見られず」米分析 ロシア、兵士の士気低下か

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、米国防総省高官は 9 日、東部でのロシア軍の進軍について「顕著な進展がみられない」との分析を示した。 ウクライナ軍の抵抗が奏功しているほか、ロシア軍が兵士の士気などに問題を抱えているとみている。

高官によると、ロシア軍は北東部ハルキウで数千人規模の地上部隊を展開しているが、ウクライナ軍が激しく抵抗している。 ウクライナ軍は引き続き、ロシア軍をハルキウから東に押し戻し、進軍を妨げている。 ロシア軍はハルキウを制圧し、東部ドンバス地方のウクライナ軍を包囲する狙いだったとみられるが、うまくいっていないという。 ロシア軍はハルキウ州イジュームでも砲撃や地上作戦を続けている。

ロシア軍の空爆は、南東部マリウポリや南部オデーサ、東部ドンバス地方の北方に集中している。 マリウポリへのミサイル攻撃には標的への誘導装置が付いていない無誘導爆弾の使用が多い。 高官は、電子部品への制裁により、ロシア軍が精密誘導兵器の補充に問題を抱えているとした。 マリウポリの包囲戦に加わっていた地上部隊がドネツク州内に北進する動きもある。 今後のドネツク州での戦闘に備える動きとみられる。 一方、いまだ 2 千人規模の地上部隊がマリウポリに残っているという。

高官は、ロシア軍の東部での進軍が遅い理由として、▽ 砲撃と部隊の移動の連携ができていない、▽ 天候により道路がぬかるみ、舗装道路しか進めない。▽ 燃料などの補給の問題を解決していない、▽ 指揮統制と部隊間の連携の問題 - - を挙げた。 さらに兵士の士気が低く、指示に従うことや移動を拒否する将校もいるという。 一方で、ロシアは地上部隊の増強を続けている。 高官は、ここ数日でロシアが数千人単位で地上部隊を増強したと明らかにした。 新たな部隊は東部や南部で確認されているという。 (ワシントン = 清宮涼、asahi = 5-10-22)


相次ぐ奪還 … 東部戦線に「変化」 見えてきたウクライナ "反転攻勢" の実態

華やかな軍事パレードの一方で、ウクライナ国内では「ある変化」が起きていました。 プーチン大統領が制圧を目指す東部地域では一度、占領されたものの、ウクライナ側が再び奪還する街が出ています。 番組では東部の要衝「イジューム」の副市長を取材、反転攻勢の実像が見えてきました。

「これはロシア軍がウクライナ侵攻に来た時に使った『ファシスト』のシンボルです。(ウクライナの軍人)」

ロシア軍から奪還した地域でウクライナ側は、その後、処理に追われていました。 東部戦線が今、大きく動いています。 ウクライナ政府は 4 月の最終週にハルキウ州内でロシア軍に占領されていた少なくとも 11 の村を奪還したと発表しました。 一体なぜ、ウクライナ軍が攻勢に出てロシア軍が苦戦を強いられているのか。

「平地であるため我々に対して大きなメリットになっています。 ロシア軍の戦車などを狙いやすいのは間違いない。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

番組は今後の鍵となるいまだロシア軍に制圧されている街、イジュームの副市長に話を聞きました。 ウクライナ語で「干しブドウ」を意味する 4 万 5,000 人ほどの小さな街、イジューム。 ウクライナ第 2 の都市ハルキウからは約 90 キロと近い位置にあります。 イジュームが制圧されて西側のマスコミが入れず、状況が分からないなかで、番組は副市長を取材しました。

「市内の約 8 割が破壊されています。 インフラも約 8 割の破壊が確認されています。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

まだ、1 万 5,000 人の市民が避難できていないなかで、日に日にロシア軍が増えていくと語っていた当時のマツォキン副市長。 このところ、近郊のハルキウ周辺でウクライナ軍が攻勢に出るなか、番組では再び話を聞きました。

「ハルキウ州とイジューム市の近くに反撃を行いました。 その反撃がけっこう強いです。 ほぼ毎日のように、占領されていた村が解放されています。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

ただ、マツォキン副市長によりますと、イジュームはいまだにロシア軍の制圧が続いていて、街やインフラが破壊されている状況は変わらないそうです。

「ウクライナ軍参謀本部の情報だと、現在 22 部隊で約 2 万人から 2 万 2,000 人のロシア軍がいます。 イジューム市内は約 1 万 5,000 人の民間人に対して 2 万人の占領者がいます。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

しかし、大きく変わったところが …。

「ハルキウ州では攻撃はまだ続いていますが、以前より静かになっています。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

マツォキン副市長から提供された映像では、地上に出て自宅周辺を歩き回る住民も …。

「地下室を出たところです。(イジューム市の住民)」

街には至る所に爆撃や銃撃の跡が …。

「地面には爆撃でくぼみが残っています。 あそこの破壊されたところはサロンでした …。(イジューム市の住民)」

「ロシア軍はイジューム市内に『刑務所』のようなものを作って、そこに連行された人はどうなっているのか分かりません。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

このような状況ですが、なぜウクライナ軍が攻勢に出ることができたのでしょうか。

「ここ最近、海外から頂いた武器が届きました。 オーストラリア、スロベニア、チェコ、ポーランドなどから色々と頂きました。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

ウクライナ陸軍が公開した映像では平原にある森の中に、よく見ると戦車の姿が …。 ウクライナ軍が攻撃し、爆破しました。

「彼らがいる所は見やすくて平地であるため、我々に対してメリットになっています。 ロシア軍の戦車などを狙いやすいのは間違いない。 反撃の成功を期待しています。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

2 万人のロシア軍がいるイジュームにはロシアのベルゴロド州からの補給ルートがあると言われています。 現在、ハルキウ周辺のウクライナ軍が攻勢に出ているため、その補給ルートを絶てばロシア軍がますます劣勢になり、イジュームの解放につながる可能性があるわけです。 マツォキン副市長は、こんな話も …。

「ロシア軍は兵士が着るものも足りないようで、普通の靴を履いている兵士までいました。 軍隊には燃料や弾薬だけではなく、服装や食料も提供する必要がありますが、現在ロシア軍には届いてない状態です。 食べ物さえ足りない人がこんなに大勢いることで、ますます危険性が高くなってくる。(イジューム市、ボロディミル・マツォキン副市長)」

約 2 万人の兵隊がいるというイジューム周辺のロシア軍は、すでに物資不足の状態 …。 このため、現地ではさらなる略奪を心配しているそうです。 防衛研究所の高橋室長は、ロシア軍の攻勢もあり、まだ予断を許さない状況としながらも …。

「イジュームのロシア軍部隊の補給線を完全に断てた場合には、イジューム周辺の部隊は壊滅的な打撃を受ける可能性があります。 そうなるとウクライナ側としてはそこを起点に、占領されたドンバス地域の反撃、奪回というものが可能性としては見えてくる。(防衛研究所防衛政策研究室・高橋杉雄氏)」 (テレ朝 = 5-10-22)


がれきの下から 44 人の遺体、知事「新たな戦争犯罪だ」

ウクライナ北東部ハルキウ州のシネグボフ知事は 10 日、同州イジュームの破壊された住宅のがれきの下から民間人 44 人の遺体が見つかったと、SNS に投稿した。 投稿によると、住宅は 5 階建てで、ロシア軍によって 3 月上旬に破壊されたという。 シネグボフ氏は「ロシア軍によるまた新たな戦争犯罪だ。 我々はすべての事件を記録し、彼らに報いを受けさせる。」と怒りをにじませた。 (asahi = 5-10-22)


製鉄所に民間人 100 人以上か

ウクライナに侵攻しているロシア軍が包囲する南東部マリウポリの製鉄所「アゾフスターリ」に、民間人がまだ 100 人以上残っている、とウクライナのメディアが報じた。 ウクライナの国営通信ウクルインフォルムが 9 日、ドネツク州のキリレンコ知事の話として伝えた。 テレビのインタビューで明かしたという。 製鉄所については、ゼレンスキー大統領が 7 日に「民間人の救出はほぼ完了した」と表明。 これまでに 300 人以上の女性や子どもが助け出されたとしていた。 製鉄所にはウクライナ内務省軍の部隊「アゾフ連隊」の兵士が負傷兵とともに残り、今もロシア軍に抵抗を続けている。 (asahi = 5-10-22)


ロシア衛星 TV にハッキング、「血まみれの手」と反戦メッセージ

[ロンドン] ロシアの衛星テレビで 9 日、モスクワの視聴者が見られるメニューが何者かに変更され、ウクライナ戦争に関するメッセージが表示されていたことが分かった。 ロイターは入手した画像で「あなたたちの手は血まみれだ」という文言を確認した。 メニュー画面はロシアの対ナチス・ドイツ戦勝記念日に撮影され、どのチャンネルも反戦スローガンが表示されている。

あるスローガンは「あなたたちの手は何千人ものウクライナ人と死んだ何百人もの子どもの血にまみれている」、「テレビも当局もうそをついている。 戦争に反対を。」となっている。 このスローガンは赤の広場で行われた戦勝記念日のパレードの直前に表示された。 経緯については今のところ不明。 インタファクス通信によると、ケーブルテレビでも同様のスローガンが表示された。 ハッキングされた後だったという。 ロシアのニュースサイトではプーチン大統領を批判する反戦記事が表示された。 こちらも経緯は不明で、すぐに削除された。 (Reuters = 5-10-22)


プーチン氏「祖国を守ることは神聖」 「戦争」宣言なし、苦戦影響か

ウクライナに侵攻中のロシアで 9 日、対ドイツ戦勝記念日を祝う大規模軍事パレードが開かれた。 プーチン大統領は演説で「北大西洋条約機構 (NATO) 諸国が(ウクライナに)軍事施設をつくって最新兵器を供給し、危険が増していた」と主張。 「やむを得ない、適時で唯一の決定だった」と侵攻を正当化した。 欧米で臆測が浮上していたウクライナへの「戦争」宣言はなかった。

プーチン氏は、ロシアでウクライナ侵攻を指す「特別軍事作戦」の言葉にも触れなかった。 現地で苦戦が続き、多数のロシア兵が犠牲になるなか、「勝利」と呼べる成果がないことが影響した可能性がある。 また、侵攻前から述べてきた核兵器使用を示唆する趣旨の発言もなかった。 悪天候のため航空機の飛行は中止となり、核戦争時に大統領らが搭乗して指揮をする航空機「イリューシン 80 (別名・終末の日の飛行機)」も飛ばなかった。

演説の力点は、国民の愛国心への訴えに置かれた。 プーチン氏は冒頭、「祖国を守ることは常に神聖だった」と述べ、「いま我々の人々が(ウクライナ東部)ドンバス地方で戦っている。 我が祖国ロシアの安全のために。」と強調した。 対独戦争はロシアで「大祖国戦争」と呼ばれ、戦勝記念日は最も重要な祝日。 ロシアは今回の侵攻の目的は「ウクライナの『ネオナチ』らから住民を守るためだ」と主張しており、プーチン氏はこの日、「大祖国戦争の英雄たちが戦った土地で、世界からナチスらの居場所をなくすために戦っている」と侵攻を重ね合わせ、国民に支持を訴えた。

欧米批判も、深まる国際的孤立

モスクワ中心部の赤の広場でのパレードに参加した兵士は約 1 万 1 千人と前年より約 1 千人減ったが、ウクライナで戦った兵士も参加した。 プーチン氏は、欧米への強い不信感も改めて鮮明にした。

ロシアは昨年 12 月、ウクライナ国境周辺からのロシア軍撤退を求める欧米に対し、NATO の東方拡大停止を要求していた。 プーチン氏はこれを念頭に、安全保障に関して西側に提案し、誠実な対話を呼びかけたが、「すべて無駄だった。 NATO 諸国は聞く気がなかった。」と批判。 中でも米国に対しては、「特にソ連崩壊後に例外的な立場を主張しはじめた」とし、「でも私たちは違う国だ。 祖国への愛や伝統的価値などは捨てない。」と強く反発した。

民間人殺害などの残虐行為が明らかになるなか、ロシアの国際的孤立は深まっており、今年の式典に外国首脳の出席はなかった。 欧米や日本は国外資産の凍結など幅広い対ロシア制裁を科し、ウクライナへの武器供給などの支援も拡大した。 2014 年のウクライナ南部クリミア半島併合後をはるかに上回る厳しい反応だ。 首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどではロシア軍兵士の犯行とみられる多数の民間人の遺体が見つかり、ロシアの「戦争犯罪」を問う声も高まっている。 中国などの友好国や同盟国もロシアとの距離を慎重に見極めている。 (asahi = 5-9-22)


「侵攻以来、子ども 226 人が犠牲」 ウクライナ検察当局

ウクライナの検察当局は 9 日、ロシアの軍事侵攻以来、641 人以上の子どもが死傷したと伝えた。 亡くなった子ども 226 人、負傷した子どもは 415 人以上だという。 8 日に判明した亡くなった子どもに中には、13 歳の少女が含まれていた。 少女はハルキウ(ハリコフ)で車で移動中の 4 日、ロシア軍に砲撃され、死亡が確認されたという。 (asahi = 5-9-22)


ウクライナ軍、ロシア軍の最新鋭戦車を撃破 現地報道

ウクライナの「ウニアン通信」は 9 日、ロシア軍の最新鋭の「T90 型戦車」をウクライナ軍が撃破したと映像を添えて伝えた。 撃破した場所は、ウクライナ北東部のハルキウ(ハリコフ)方面で、上部が炎上したとみられる戦車の残骸が映されている。 (asahi = 5-9-22)


「マリウポリで 2 万 5 千人死亡」 アゾフ連隊が記者会見

ロシア軍に包囲されたウクライナ南東部マリウポリの製鉄所で抵抗を続けるウクライナ内務省軍の部隊「アゾフ連隊」のサモイレンコ将校は 8 日、マリウポリでこれまでに殺害された人は 2 万 5 千人にのぼり、大部分は民間人だとの見方を明らかにした。 8 日、オンライン形式で開いた記者会見で述べた。 アゾフ連隊で諜報部門を担当しているというサモイレンコ氏はまた、衛星写真の分析で存在が明らかになったマリウポリ近郊の集団墓地にも言及。 「衛星写真や地元住民の話によれば、集団墓地の長さは数百メートルで、1 万人以上が埋葬されている可能性がある」とした。 (asahi = 5-9-22)


プーチン氏肝いりの橋、ウクライナが将来的に攻撃? 内相顧問が言及

ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア橋」がロシア軍への供給路になっているとして、ウクライナ側から攻撃の可能性に触れる発言が出ている。 橋は全長 19 キロあり、開通時にロシアのプーチン大統領が自ら大型トラックを運転して渡った重要施設。 正当な根拠なく架橋した側のロシアは、破壊は「テロ行為だ」と強く牽制している。

「必ず破壊される。 問題は、それがいつになるかということだ。」 ウクライナのニュースサイト「チャンネル 24(8 日付)」によると、ウクライナのアンドルーシウ内相顧問はこう話し、橋を将来的に攻撃する可能性に触れた。 現状では遠距離から攻撃できる有効な武器がないとして、攻撃するには橋の沿岸に近づく必要があるとの課題も指摘した。

ロシアは2014年、ウクライナの親ロシア政権が市民の抗議デモで倒れたことをきっかけにクリミア半島を一方的に併合。 その 4 年後にクリミア橋を開通させ、半島への実効支配を強めた。 開通時の式典では、プーチン大統領が自ら大型トラックを運転し、ロシア側からクリミア側に渡るパフォーマンスを行った。 (asahi = 5-9-22)

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