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ウクライナ反攻、目標果たせず 南部斬り込み部隊は東部に転戦 【キーウ】 米紙ワシントン・ポストは、ウクライナが 6 月から行った対ロシア反転攻勢を分析した 4 日の特集記事で、南部ザポロジエ方面に斬り込み部隊として投入された「第 47 機械化旅団」が当初の目標を果たせないまま東部に転戦した経緯を報じた。 「膠着 ウクライナの失敗した反転攻勢」と題した記事によると、ウクライナは米英と共に反転攻勢の一環としてザポロジエ州の拠点都市メリトポリからアゾフ海に抜けるラインを確保し、ロシアの補給路を遮断する作戦を立てた。 第 47旅団は突破口を開く部隊として新設され、兵士らはドイツで戦車操縦などの訓練を受けた。 7 割は戦場で経験のない兵士で司令官は 28 歳の若者だった。 (kyodo = 12-6-23) 4 キロ離れたロシア指揮官に命中 … ウクライナを興奮させた「狙撃新記録」 ウクライナ軍の 50 代の狙撃手が 4 キロほど離れたところにいたロシア軍を狙撃するのに成功した。 4 日(現地時間)の米日刊ウォールストリートジャーナル (WSJ) によると、ウクライナ保安局 (SBU) 防諜部隊所属のビアチェスラフ・コバルスキイ氏は先月 18 日、ウクライナ東部ヘルソン地域で木を切る作業をしていたロシア軍指揮官に向けて銃を撃った。 1 万 2,470 フィート(約 3.8 キロ)も離れていたが命中し、ウクライナ軍はこの場面を映像で公開した。 コバルスキイ氏の記録は従来の世界最長記録より 850 フィート(約 260 メートル)も長い距離だ。 従来の記録はカナダ特殊部隊員が 2017 年に記録した 1 万 1,600 フィート(約 3.5 キロ)だった。 遠距離狙撃の成功と同時にこの時に使用された銃がウクライナ産という点で、ウクライナ軍の士気をさらに高めていると、WSJ は伝えた。 ロシアの侵攻直後に志願入隊したコバルスキイ氏は今年 58 歳で、欧州と北米の長距離射撃大会で優勝した前歴がある。 コバルスキイ氏はロシア軍を狙撃したことに後悔はないとし、ロシア人がウクライナ人の能力を知ることになったと語った。 ロシア軍指揮官の生死が確認されていないという点で、コバルスキイ氏の世界新記録主張に懐疑的な反応もあると、WSJ は伝えた。 (韓国・中央日報 = 12-6-23) ロシアの改造自爆ドローン、ウクライナの 4G 通信網を利用 ロシアは自爆型ドローン(無人機)のシャヘドに、4G 対応モデムとウクライナの通信用 SIM カードを搭載し、民間の携帯通信網を利用できるようにして、より賢く、一層危険なものにしている可能性がある。 だが、ロシアによる通信網拝借がうまくいくなら、ウクライナがそれを真似できないはずがない。 民間の 4G に接続するドローンは、ウクライナよりもロシアにとって危険なものだ。 ウクライナ空軍の技術者らは、ウクライナ軍が最近撃墜したロシア軍のシャヘドの残骸を調べた際、奇妙なものを発見した。 ロシア軍はウクライナに侵攻してから 1 年 9 カ月の間に、重量約 200kg の自爆型ドローンをウクライナの都市に向けて数百機も飛ばしてきた。 夜空に溶け込むように黒く塗られたシャヘドはそのうちの 1 機だった。 ウクライナ軍が見つけた奇妙なものとは、ウクライナの通信会社キーウスターの SIM カードと 4G モデムのセットだ。 プロペラ駆動のシャヘドにモデムは必要ないはずだった。 衛星で誘導されるシャヘドは自律的に飛行するため、長距離飛行中に映像などのデータを操縦士に中継する必要はない。 だが、シャヘドが映像を中継できれば、操縦士はドローンの飛行コースを調整し、最も脆弱な標的に向かわせることができるかもしれない。 敵の 4G 携帯通信網の利用は、ドローンを操縦士とつなげる最も安上がりで簡単かつ、ハッキングや妨害が最も難しい手法かもしれない。 また、モデムと SIM のセットは自律飛行を補助する装置である可能性もある。 無線基地局を経由することで、ドローンは自らの位置を三角測量で割り出し、衛星への依存を減らすことができる可能性がある。 そうであれば、ウクライナによるロシアの衛星回線妨害という問題を解決できる。 シャヘドに追加された目的が何であれ、ウクライナ空軍はすでにそれを知っていた可能性がある。 「必ずしも何かを把握しているかどうかを公表する必要はない」と空軍報道官のユーリー・イフナットは述べている。 そして、モデムと SIM のシャヘドへの搭載は、4G 通信を活用した独自の自爆型ドローン製造へとウクライナを促すことで、最終的にロシア側に損害を与えることになるかもしれない。 ウクライナはロシアに比べて小さく、ロシア軍の長距離弾はすでにウクライナ全土を射程に収めている。 つまり、ロシアは携帯通信を活用したドローンを切実に必要としているわけではない。 対照的に、ウクライナ側の縦深攻撃兵器は、国境から約 560km 離れたロシアの首都モスクワまでしか飛ばないものがほとんどだ。 ウクライナが生産できる重量約 180kg のプロペラ駆動のドローンは、砲弾 1 発分の爆薬を搭載して 24 時間飛び続けることが可能で、おそらく航続距離は数千 km だ。 極めて長い距離を飛行させるとなると、誘導とデータの共有が課題となり得る。 だが、ドローンが携帯通信網に接続していれば問題はない。 ロシアの SIM カードを密かに十分入手することで、ウクライナは携帯通信活用の自爆型ドローンを独自に生産し、ロシア領土への攻撃の範囲を大幅に広げることができるかもしれない。 (David Axe、Forbes = 12-6-23) ロシアに大規模ドローン攻撃か、国防省は 41 機撃墜と発表 ロシア国防省は 5 日、未明から朝にかけて、ウクライナのドローン(無人機)計 41 機による攻撃が試みられた、と SNS テレグラムに投稿した。 ロシア軍がドローンを全て撃退したと主張している。 事実であれば、ウクライナ側からの攻撃として最近ではかなり大規模なものといえる。 投稿によると、ロシア軍は防空システムでドローン 26 機を破壊し、アゾフ海上空やロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島上空を飛行していた 15 機についても迎撃した。 テレグラムの複数の情報チャンネルによると、クリミア半島では爆発音が繰り返し聞こえ、クリミア半島とロシアを結ぶクリミア橋が一時的に閉鎖された。 (asahi = 12-5-23) ウクライナ、ロシア支配下のルガンスク石油貯蔵施設を攻撃と発表 ウクライナ軍は 4 日、ロシアが支配するウクライナ東部のルガンスクにある石油貯蔵施設を前日に攻撃したと発表した。 ウクライナ軍は対話アプリ「テレグラム」に「攻撃は成功した」と投稿。 ただ詳細は明らかにしなかった。 これに先立ち、ロシア通信 (RIA) はこの日、ロシアが任命した当局者の話として、ルガンスクの石油貯蔵施設がウクライナ軍による武装ドローン(無人小型機)の攻撃を受けたと報じていた。 攻撃を受け火災が発生したが、その後鎮火したとしている。 (Reuters = 12-5-23) ロシア軍少将が死亡か、ウクライナ侵略開始後「将官」 7人目 … 死亡の状況は情報錯綜 ロイター通信によると、ロシア南西部ボロネジ州知事は 4 日、ウクライナに侵略しているロシア軍の少将が死亡したことを SNS で明らかにした。 英 BBC ロシア語版などの集計によると、昨年 2 月の侵略開始後、露軍将官の死亡は 7 人目という。 少将はウクライナ侵略に歩兵などの部隊を派遣している露海軍北方艦隊に所属する。 少将が死亡した状況を巡っては情報が錯綜している。 ウクライナの英字ニュースサイト「キーウ・インディペンデント」などは、東部ハルキウ州イジューム周辺で地雷を踏んで死亡したと伝えている。 少将が副司令官を務めていた部隊が配置された南部ヘルソン州ドニプロ川東岸で死亡したとの見方もある。 露軍は侵略初期に将官を相次いで失った。 兵士の士気低下などで、自ら前線での戦闘に参加し死亡した事例もあった。 今年 6 月には南部ザポリージャ州で、ウクライナ軍の大規模な反転攻勢に対する防衛戦を指揮していた少将が戦死した。 (yomiuri = 12-5-23) ウクライナ軍最大の砲弾、米国が 5 千発をギリシャから調達か ウクライナ軍は 1991 年のソ連崩壊時にソ連軍から約 100 門の 2S7 を受け継いだ。 クライナはそのうちの約 20 門を売却。 残りは、同国軍がりゅう弾砲を小口径のものに統一したため、倉庫行きとなった。 2014 年にロシアがウクライナ南部クリミア半島に侵攻したことで、すべてが変わった。 ウクライナ軍は埃をかぶっている国内各地の倉庫を開け、古い兵器を多く引っ張り出した。 その作業はロシアが昨年 2 月に再びウクライナに侵攻すると加速した。 ウクライナ軍は当初、十数門ほどの 2S7 を復帰させ、侵攻から最初の 6 週間にわたり首都キーウの防衛に役立てた。 2S7 は、前方にいる監視員の合図や、ロシア軍部隊が通過するのを見かけた愛国心のある民間人から時々もらう電話によって発射された。 一方で、まだ保管されていた 70 門ほどの 2S7 の多く、あるいはすべての修復が進められた。 ウクライナ軍の砲手たちはいま、修復された 2S7 を使い、ドローン(無人機3 )からの合図に従って砲撃を行っている。 2S7 は、理想的な条件下であれば約 100kg の砲弾を 37km 先まで飛ばす。 だが発射速度は速くなく、1 分あたり 1、2 発にとどまる。 これは乗員 14 人が支援車両から砲弾を運び、油圧アームを使って 1 回につき 4 発装填するという手間があるためだ。 それでも、前線に展開する大隊が絶えず火力支援を求めるため、2S7 は時に何時間も砲撃を続け、反撃の砲撃をかわすために砲の位置を変えるときだけ中断することもある。 ウクライナの防衛産業によると、昨年の侵攻後間もない時期にキーウを防衛するのに使われた2S7 はそれぞれ、1 日あたり約 50 発の砲弾を発射した。 それから 1 年半にわたる激戦で、ウクライナ軍は 2S7 を少なくとも 5 門失い、ロシア軍から 1 門鹵獲(ろかく)した。 第 43 旅団は 2S7 を 75 門保有している可能性がある。 これまでに発射した砲弾はおそらく数万発にのぼる。 ウクライナは 122mm と 152mm の砲弾を生産しているが、203mm の砲弾は生産していないようだ。 だが幸運なことに、米国と旧ソ連の 203mm りゅう弾砲はいずれもルーツが英国にあるため、米国製の砲弾も 2S7 で問題なく使用できる。米陸軍は 1994 年に203mm りゅう弾砲を退役させた。 だが、米軍は 203mm の砲弾をあまり備蓄していなかった。 そのため、米国がこれまでに在庫からウクライナに供与した 203mm 砲弾はわずか 1 万発だ。 ウクライナ軍が保有する 2S7 の数で割ると、1 門当たり 133 発となり、激戦 3 日間分にしかならないだろう。 米国は、自国の備蓄が少ないことから、他国から 203mm 砲弾を調達しようと試みている。 ギリシャ軍は米国製の古い 203mm りゅう弾砲をまだ使用しており、大量の砲弾を保有していると報じられている。 ウクライナ内外の産業界が 203mm 砲弾の新たな生産ラインを確立するという大胆な取り組みを行わない限り、戦争 3 年目突入が見えてくる中で、第 43 旅団にとって最良の砲弾供給源はギリシャ軍かもしれない。 他に 203mm りゅう弾砲を運用している国の大半は中東とアジアで、砲弾を手放す気はないだろう。 米国がギリシャから購入する量は、砲弾不足を長期的に解決するには少なすぎ、応急処置のようなものだ。 だが、新たに 5,000 発の砲弾を手に入れるか、それとも全く手に入れないかの選択を迫られれば、第 43 砲兵旅団はもちろん砲弾を手に入れる方を選び、少なくとももう数週間は砲撃を続けるだろう。 (David Axe、Forbes = 12-5-23) ウクライナ軍の新たな戦車旅団がついに登場 配備される戦車は? ロシアがウクライナで戦争を拡大して 22 カ月目に入るなか、ウクライナ軍の新たな戦車旅団がようやくお目見えした。 第 5 独立戦車旅団である。 正確に言えば、第 5 戦車旅団は 2016 年に編成されていた。 しかし、6 年間はほとんど名ばかりといっていい存在だった。 2022 年 2 月にロシアの全面侵攻を受けると、ウクライナ軍はやっと第 5 戦車旅団の大隊に人員と装備を充当し始める。 だが、それも遅々として進まなかった。 戦闘が激しさを増し、ウクライナ側でも損害が積み重なるなか、ウクライナ軍参謀本部は新兵や新しい装備の補充で既存の旅団を優先したからだ。 表向きには第 5 戦車旅団は 2022 年、ウクライナ南部のクリビーリフの守備に従事したことになっている。 だが実際のところ、旅団の実体はまだほとんどなかった。 それがついに変わった。 訓練中の第 5 戦車旅団員の公式写真が初めて公開されたことで明らかになった。 写真が最近撮影されたものだとわかるのは、辺りが雪に覆われているからだ。 写っている第 5 戦車旅団の兵士たちは冬用の迷彩服をしっかり身にまとい、AK 型アサルトライフルを構えている。 第47独立機械化旅団など、より新しい旅団の兵士は米国設計の M16 自動小銃を装備しているが、第 5戦車旅団では違うようだ。 ただ、肝心の戦車はこれらの写真に写っていない。 昨年、第 5 戦車旅団がポーランド供与の T-72M1 戦車やオランダ供与の YPR-765 装甲兵員輸送車を取得するという観測が流れた。 だが 2023 年現在もなお、そうした計画があるのかどうかは不明だ。 ウクライナ軍は、整備されて無償供与されたT-72 戦車を数百両保有しており、一部を第 5 戦車旅団など新しい部隊に割り当てることもできるだろう。 さらに米国からM1A1 エイブラムス戦車を 31 両受け取っているし、ドイツ、オランダ、デンマークが共同で 200 両近くの供与を約束しているレオパルト 1A5 戦車も届き始めている。 これらの M1A1 とレオパルト 1A5 はウクライナ軍で 6 - 7 個大隊分に相当する。 ウクライナ軍の機械化旅団は普通、30 両ほどの戦車を保有する 1 個戦車大隊を擁する。 戦車旅団の場合は 3 個戦車大隊が置かれる可能性がある。 これまで、レオパルト 1A5 を運用していることが確実にわかっているのは第 44 独立機械化旅団だけで、M1A1 の配備先は皆目見当がつかない。 第 5 戦車旅団は観測どおり T-72M1 を運用する可能性もあれば、レオパルト 1A5や M1A1 が配分される可能性もあるだろう。 いずれにせよ、ウクライナ軍の南部司令部と東部司令部はこの新旅団を歓迎するに違いない。 両司令部は戦闘の大半を担っており、第 5 戦車旅団の前線展開も監督することになるはずだ。 第 5 戦車旅団が動員できるようになるまで、ウクライナ軍に戦車旅団は 4 個しかなかった。 ウクライナ軍に 100 個程度ある地上戦闘旅団の大半は、戦車を少なくとも数両は保有している。 通常は 1 個戦車中隊もしくは 1 個戦車大隊が置かれ、前者は戦車を十数両、後者は 30 両ほど配備される。 だが、単一の指揮下に多数の戦車を運用するのは戦車旅団だけだ。 機動的で防護のある火力である戦車を集中的に運用することで、戦車旅団は激しい接近戦で最も有効な旅団になる。 全面侵攻直後の数週間、ロシアの野戦軍が首都キーウに向かって進撃してきた時、ウクライナ軍の第 1 独立戦車旅団は首都の北およそ 100km にあるチェルニヒウで防御を固めた。 そこで、はるかに大規模なロシア軍部隊を撃退した。 第 1 戦車旅団の T-64BV 戦車は、ロシア側の戦車との接近戦でとりわけ強力なことを証明してみせた。 しかしその後、戦争は陣地戦の様相を強め、爆発物を積んだドローン(無人機)が飛び交い、大量の地雷が埋設された防御線で大きな突破口を切り開くのに双方とも苦戦するようになった。 そうしたなかで、ウクライナ軍の戦車ドクトリンも進化してきた。 戦車はしだいに遠距離で戦うようになる。 前線から 1.5 - 3km くらい離れた場所から、りゅう弾砲のように高射角で射撃するのだ。 「この技法の価値は、戦車が砲に必要な防御や遮蔽のない状態で機動しながら、広い範囲に集中的に砲撃を加えられる点にある」と英王立防衛安全保障研究所 (RUSI) は 2022 年の研究で喝破している。 精確で迅速な射撃統制システムや有効な 105mm ライフル砲を備えたレオパルト 1A5 は、図らずもこうした間接射撃の役割に適している。 さらに重要なのは、レオパルト 1A5 は装甲が薄いという点だ。 T-72 に比べると半分ほどの厚さしかない。 接近戦に向いた防御が不十分なレオパルト 1A5 は、敵と距離をとって戦うのが望ましいのだ。 第 5 戦車旅団についても、戦車の大群で敵陣に突撃するといった、劇的な装甲攻撃を近く、あるいはいつか開始すると期待すべきではない。 むしろ、T-72 やレオパルト 1A5、あるいは M1A1 などを、間接攻撃向けに少しずつ投入するほうが蓋然性は高いだろう。 (David Axe、Forbes = 12-5-23) ロシア兵捕虜、ウクライナの戦闘は「悪夢」 雪が静かに降りしきるウクライナ東部の非公開の場所で、ロシア軍の歩兵たちはガレージの床で身を寄せ合っていた。 手は汚れ、顔は疲れ切っていた。 彼らはドネツク州アウデーフカ市での激戦中にウクライナ軍に捕らえられた。 今は前線か ら遠く離れ、捕虜収容施設に送られるのを待っている。 アウデーフカを主なターゲットとしたロシア軍による秋の攻勢は、敵に捕虜を絶えず送り込む結果になっている。 捕虜になった兵士の多くは、道に迷い間違ってウクライナの陣地に入りこんだと話している。 ロシアでは自発的投降は犯罪だ。 彼らの仲間の多くはもっと不運な目にあっている。 アウデーフカ周辺の野原や工場地帯には、正面攻撃でウクライナの陣地を襲撃するために送り込まれたロシア軍歩兵の遺体が散乱している。 ロシアは多くの死傷者を進攻の代償として受け入れている。 ロシア軍はアウデーフカ近郊に徐々に攻め入るとともに、周辺の田園地域を掌握してアウデーフカを包囲しようとしている。 ウクライナ側はロシアの攻撃を「肉の波」と呼んでいる。 防衛にあたって大砲やドローン(無人機)、地雷、戦車で相手に多くの人的損害は与えているものの、ロシア兵の数の多さに苦戦している。 ウクライナの推定では、ロシアは現在 40 万人を超える兵士をウクライナに駐留させている。ロシアは兵士の数を一切公表していない。 ロシアがアウデーフカを奪えば、ドネツク州東部でのさらなる進攻に道が開ける。 また、ウラジーミル・プーチン露大統領にとってプロパガンダでも勝利を得られる。 今夏のウクライナの反転攻勢が突破口を開けず、ロシアが再び勢いづいていると主張することができるからだ。 間に合わせの収容施設にいる捕虜はほとんどが 30 代から 40 代で、いつまで拘束されるか分からない状態にある。 ロシアとウクライナの捕虜交換はここ数カ月間停滞している。 しかし、ガレージに座ったロシア兵の中には安堵の表情を浮かべる者もいた。 彼らにとってはアウデーフカの殺りくが終わったからだ。 一部の兵士がウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ) の取材に応じ、ウクライナで戦うロシア軍に加わった動機や事前に受けた短い訓練、大勢の犠牲を伴う襲撃を命じられた後の部隊の士気の低さについて語った。 WSJ は彼らの身元を確認したが、記事では名字は伏せている。 アウデーフカでの戦闘はまるで「動物の悪夢」だった。 ウラル山脈に近いペルミ出身の元工場労働者で、お金欲しさから 10 月に入隊したセルゲイはそう話す。 以前の仕事は月給 3 万ルーブル(約 4 万 8,000 円)だったが、軍からは 10 万ドルを提示されたという。 訓練は枝拾いなどの雑務がほとんどだったという。 戦闘準備ではアサルトライフルから弾倉二つ分の弾薬を発射したり、理論中心の応急処置講習を受けたりした。 最前線に立つとは思っておらず、後方でトラックを運転するだけだと考えていたという。 彼の部隊はアウデーフカにすぐに送られ、市の北側のウクライナ軍が掌握する樹木線を攻撃するよう命じられた。 しかし、この攻撃はウクライナの装甲車によって後退させられた。 部隊はぬかるんだ野原一帯に遺体を残したまま、出発地点まで退いた。 (Marcus Walker、The Wall Street Journal = 12-5-23) 反転攻勢は消耗戦へ「恩恵受けるのはロシア」 ウクライナ側の危機感 ロシア軍からの領土奪還を目指すウクライナの反転攻勢が始まって 4 日で 6 カ月が経過した。 ただウクライナ軍は当初狙った進軍を果たせず、目標達成に見通しが立たない。 国際的な関心が中東情勢の緊迫に移る中、ロシアは自国に有利な消耗戦に持ち込む狙いだ。 ウクライナは戦略の仕切り直しを迫られている。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 1 日公開された AP 通信のインタビューで「我々は望んだ結果を得られていない。 これは事実だ。」と認め、「だからといって我々はあきらめるべきだ、降伏すべきだということにはならない」とくやしさをにじませた。 ウクライナ軍の反転攻勢は今年 6 月、始まった。 部隊をアゾフ海まで南進させてロシア軍の占領地を分断することを目標に、6 万人ともされる新戦力を国内外で訓練。 昨年 2 月の侵攻開始後間もなく占領された中南部ザポリージャ州や同州と境界を接するドネツク州南西部、今年 5 月に占領された同州バフムート周辺への攻撃を一斉に開始した。 しかし、ロシア軍の最初の防衛線を突破したとされた 8 月末以降は前進が止まった。 前進は 10 数キロ ドローンの効果得られず 焦点だったザポリージャ州西部でもこれまでに前進できたのは十数キロにすぎない。 制空権の劣勢を埋め合わせるため活用したドローン(無人航空機)も、ロシア軍が妨害電波などの電子戦技術を改良し、当初ほどの効果は得られなくなった。 行き詰まりが明らかになった 10 月には、双方が打開に動いた。 ロシア軍が中旬から、占領地拡大を阻むウクライナ側の拠点となってきたドネツク州の工業都市アウジーイウカへの大規模攻撃を開始。 一方、ウクライナ軍はヘルソン州で歩兵部隊にドニプロ川を渡らせ、東岸のロシア軍占領地に上陸させた。 しかし、ウクライナ軍はアウジーイウカで持ちこたえる一方、ヘルソン州のドニプロ川東岸の川沿いでの陣地確保にとどまっている。 ウクライナ軍トップのザルジニー総司令官は英誌「エコノミスト」への投稿で「戦いは、第 1 次世界大戦のように、静止して互いを消耗させる『陣地戦』に移行した」との見解を示し、「その恩恵を受けるのはロシアだ」と認めた。 ロシア、再び人海作戦に 背景には、ロシア軍が再び兵士の人命をいとわない「人海作戦」を始めたことがある。 英国防省は 11 月 27 日、東部のロシア軍の攻勢で過去 6 週間に大量投入されたロシア軍兵士の死傷者数が侵攻開始以来、最大規模になったと分析した。 ウクライナ軍が「戦果」として発表するロシア軍の兵士の死傷者数も、11 月は同軍がバフムート制圧のために受刑者を中心とする民間軍事会社「ワグネル」兵士らを大量投入した 3 月の死傷者数の 1.2 倍になった。 ロシアのプーチン政権は来年 3 月に大統領選を控えて国民が警戒する総動員体制はとれない。 しかし、地方にノルマを課すことで契約兵を集め、発表では 1 月以降の 11 カ月でその数が 45 万 2 千人と昨年秋の「部分的動員」の規模を大幅に上回った。 貧困層や受刑者などを標的にした「隠れ動員」もある。 一方、志願兵の士気の高さに頼ってきたウクライナは、戦争が長引けば長引くほど兵員維持の難しさが増すのが現実だ。 政権は動員体制の見直しを始めた。 欧米の支援疲れも徐々に現実になりつつある。 最大の支援国・米国ではバイデン政権がイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突の対応に追われている。 その上、共和党の一部議員の抵抗で今後の支援に必要な 614 億ドル(約 9 兆円)を含む予算計上の見通しが立たない。 新規調達の兵器をウクライナに提供する資金は底をつき、2 週間に 1 回程度のペースで続く軍事支援の 1 回あたりの金額は減ってきている。 欧州連合 (EU) 内では、ドイツが来年のウクライナへの軍事支援を 80 億ユーロ(約 1 兆 3 千億円)に倍増させる計画だ。 ただ、欧州の支援は合意形成や、表明から実施までに時間がかかっている。 EU は 3 月、加盟国からウクライナに 1 年間で計 100 万発の弾薬を提供するとしたが、11 月半ばまでに納入できたのは 30 万発にとどまった。 ロシアはこれまでに北朝鮮から 100 万発以上の弾薬を受け取ったとされる。 中東情勢に関心奪われ 欧米世論に働きかけ パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエル軍とハマスの戦闘が激化するにつれ、「注目がなければ支援も得られない」とするゼレンスキー氏は欧米世論への働きかけにも力を入れる。 傘下にウクライナ支援に懐疑的な姿勢のトランプ前大統領寄りの保守系テレビ局を持つ米フォックス社のラクラン・マードック新 CEO が 11 月にキーウを訪れると、会合にはゼレンスキー氏の右腕のイエルマーク大統領府長官ら政権幹部のほか、軍、治安機関の幹部も参加。 ロシアの侵攻による被害を詳細に説明した。 イエルマーク氏は同月半ば訪米し、共和党議員らと次々会談。 「ウクライナの戦場での結果は世界のすべての地域に決定的な意味を持つ」と訴えた。 (喜田尚、ワシントン = 下司佳代子、asahi = 12-4-23) 「SF 映画のような」ドイツ製戦闘車、2 個目のウクライナ空中強襲旅団が入手 ウクライナ空中機動軍(空挺軍)の第 25 空中強襲旅団が最近、重量級の戦闘車両を手にした。 先週ネットに出回った写真で、ドイツ製のマルダー歩兵戦闘車 (IFV) を運用していることが明らかになったのだ。 ドイツが供与した重量 31 トンのマルダーを入手した空中強襲旅団は、第 82 旅団に続いて 2 個目となる。 第 82 旅団がウクライナ南部で攻勢をかけている一方で、第 25 旅団は東部クピャンスク周辺で防御にあたっている。 ウクライナ軍の空中強襲旅団は、かつてはヘリコプターや輸送機で戦場に降り立つ訓練を行っていた。 だが、ロシアがウクライナに対して仕掛けた 1 年 9 カ月にわたる戦争の前線では、それは非現実的だ。 そこで空中強襲旅団は、実質的に機械化旅団となった。 第 25 旅団では、マルダーは旧ソ連製の IFV である BMD-2 に取って代わっているようだ。 これは大幅なアップグレードとなる。 BMD は、空輸できるよう、重量が 12.5 トンに抑えられた。 つまり、軽量で小型だ。 だが歩兵にとって、自らを戦闘場所へと輸送し、降りた後は戦闘を支援してもらう IFV に、軽さや小ささは必要ない。 マルダーは新しい車両ではない。 むしろ、世界の IFV の中で最古の部類に入る。 ドイツの防衛企業ラインメタルは 1969 年から、2,000 両以上のマルダーを生産した。 だがマルダーは走行速度や防御力、火力、能力のバランスが取れており、古いにもかかわらず今も世界最高峰の IFV だ。 乗員 3 人と歩兵 6 人を乗せ時速約 64km で走行が可能で、戦車に追随し、銃撃戦の最中に歩兵を降ろし、搭載する 20mm 砲で歩兵を支援することができる。 第 82 旅団のある兵士は、BMD と同じく旧ソ連が設計した IFV である BMP-1 やBMP-2 と比べると、マルダーは「(SF 映画シリーズの)『トロン』のようだ」と語った。BMP-1 と BMP-2 は装甲が薄く、攻撃を受けると吹き飛んだり燃えたりしやすいことで不評を買っている。 第 82 旅団のマルダーは夏以降、南部での戦闘で使用され、高い生存能力を証明している。 マルダー 40 両のうち、同旅団がこれまでに失ったのはわずか 3 両だ。 損失が少ないということは、追加供与されるマルダーを損失の補填に当てるだけでなく、新しい旅団に回すことができるということだ。 ドイツは当初、マルダー 40 両をウクライナに供与することを約束。 半分をドイツ陸軍から、残りをラインメタルの余剰車両から調達するとした。 だが、ラインメタルはこの夏、状態が良いマルダーがもう 60 両あり、月 10 両のペースでウクライナに送ることができると説明した。 ドイツ政府はいま、使用可能なマルダー 100 両すべてを供与することを約束している。 ラインメタルやドイツ軍、あるいはマルダーを運用する他の軍が、どれだけ早く追加分を確保できるかは不明だ。 ウクライナ軍の旅団が機械化大隊を完全に装備するには、少なくとも 100 両の IFV を必要とする。 第 82 旅団は、まだ失っていない 37 両のマルダーを米国製のストライカー装輪式装甲車で補完している。 第 25 旅団はマルダーと共に、BMP-2 と、火砲をアップグレードしたBMP-1 を使い続けるようだ。 (David Axe、Forbes = 12-4-23) ロシアのドローンをハックして基地の場所特定、砲撃で爆破 ウクライ ウクライナ海兵隊の第 36 独立海兵旅団がこれまで、南部ヘルソン州のドニプロ川左岸(東岸)沿いの集落クリンキに橋頭堡(きょうとうほ)を確保し、拡大してこられたのには理由がある。 ほとんどがロシア側の占領下にあるドニプロ川左岸にあって、クリンキの上空だけはウクライナ軍の電子戦部隊とドローン(無人機)運用部隊が支配しているからだ。 それはまず、この空域からロシア側のドローンを排除し、続いてウクライナ側のドローンを一帯に配備することで実現された。 ウクライナの著名なドローン指揮官であるロベルト・ブロブディは、ヘルソン州で敵のドローンをつぶす方法のひとつを明かしている。ロシア側のドローンの映像を傍受し、それを利用して敵のドローン基地の場所を突き止める。 その位置情報を第 36 海兵旅団の砲兵に伝え、ドローン基地を精密攻撃してもらう - - というものだ。 ブロブディは最近ソーシャルメディアで共有された動画のなかで、このキルチェーン(目標の識別から破壊までの一連の措置)の一例を解説している。 冒頭のあたりで、ロシア側の FPV (一人称視点)ドローンが撮影した映像が映し出される。 ドローンはヘルソン州のどこかから発進しているようだ。 この映像はウクライナ側の電子戦部隊によって「即座に傍受された」とブロブディは説明する。 多くの FPV ドローンは前方カメラで撮影している映像を、広く使用されている無線周波数帯を使って、たいした暗号化もせずに操縦士側に送信している。 したがって傍受はかなり容易だ。 ウクライナ軍の電子戦部隊は、傍受したロシア側のドローン映像を第 36 海兵旅団のドローン運用部隊に中継した。 ドローン運用部隊は映像の送信先の位置を特定し、そのドローン発射地点と考えられる場所に偵察ドローンを飛ばす。 「準備が行われている間、われわれは(偵察ドローンからの映像で)あたりを見回すことができる」とブロブディは語る。 ここでの「準備」とは砲撃のことだ。 第 36 海兵旅団のドローン運用部隊は偵察ドローンからの映像に、ロシア軍の FPV ドローン基地だと確信する特徴を見つける。 ブロブディが指示棒で示しながら説明しているところでは、ひとつは無線アンテナ、もうひとつは、アンテナとロシア軍のドローン操縦士の作業場とみられる建物をつなぐケーブルだ。 次に起こったのはキルチェーンの最後として当然のことだった。 砲弾かロケットが撃ち込まれ、ロシア軍の FPV ドローン基地は爆破される。 鮮やかな作戦だ。 ブロブディは最近、ウクライナ軍が FPV ドローンによるロシア軍の車両に対する攻撃で、発見から破壊までわずか 80 秒という最速記録を打ち立てたことも紹介しているが、それに勝るとも劣らないほどの鮮やかさだと言っていいだろう。 (David Axe、Forbes = 12-4-23) ウクライナ軍のドニエプル川渡河、なお突破口にならず 専門家 ウクライナ軍は最近、ロシアが占領する南部ヘルソン州のドニエプル川東岸に進軍した。 数か月に及ぶ反攻の末に収めた戦果ではあるが、専門家は、強力な突破口には依然、なり得ないのではないかとみている。 ウクライナ、ロシア両国は 11 月半ば、ウクライナ軍がドニエプル川東岸に拠点を確保したと発表した。 ウクライナ軍は、ロシアの部隊を川岸から「3 - 8 キロ」押し戻したとしている。 6 月の反転攻勢開始から半年近くにわたってウクライナ軍は漸進してきたが、今回は小型高速艇でドニエプル川を渡り、重要な成功を収めた。 リトアニアに拠点を置くロシア軍ウオッチャーのマイケル・ナキ氏は、「ウクライナとしては、ドニエプル川東岸からさらに攻勢に出て、(ロシアが 2014 年に併合した)クリミア半島を目指すことが大きな課題となる」と語った。 ただ、「今後の戦況は両国がどのような決定を下すか次第であり、展開の予測は困難だ」とも話した。 ナキ氏は、ウクライナ軍は「東岸にかなりの橋頭堡(ほ)を築いた」とした上で、それをさらに拡大しようと試みているとの見方を示した。 (AFP/時事 = 12-3-23) ロシア軍、貴重なウクライナ攻撃機を破壊 … と思いきや実はダミー ウクライナ空軍はようやく教訓を得たようだ。 2 カ月ほど前にウクライナ南部の飛行場へのロシア軍の連続ドローン攻撃で貴重な戦闘機と攻撃機を 1 機ずつ失ったが、その後、 攻撃に弱い空軍基地にある本物の航空機を少なくとも 1 つの偽物とすり替えた。 11 月 30 日にネット上に出回った映像には、ロシア軍のランセット自爆ドローン(無人機)が、ウクライナ空軍のスホーイ Su-25 攻撃機らしきものを攻撃する様子が映っている。 だが映像をよく見てみると、電子光学誘導のランセットが撮影した映像の最後の部分からは、Su-25 の翼が胴体にある吸気口とうまく合体していないことがわかる。 どうやらランセットが爆破したのはデコイだったようだ。 膨張式や木製の模型、解体された廃車など、ロシアがウクライナに対して仕掛けた戦争では両軍ともあちこちでデコイを使用している。 ウクライナ空軍が中部ドニプロペトロウシク州クリビーリフ近郊のドウヒンツェベ空軍基地にデコイを設置したことは、同基地が攻撃を受けやすくなったことを同空軍がようやく理解したことを示している。 ドウヒンツェベ空軍基地は前線からわずか約 72km の距離にある。 ロシアが侵攻してからの 1 年半は、それだけ離れていれば十分だった。 ロシア軍の戦闘機が果敢に前線を越えて飛ぶことはほとんどない。 探知が容易な重爆撃機から発射される巡航ミサイルは飛行速度が遅いため、ウクライナ軍の部隊は前線からわずか約 80km の地点で作戦を展開している部隊でさえ通常、発射をだいぶ前に知ることができる。 対照的に、重量 11kg のプロペラで飛ぶランセットは消耗品で、探知が難しい。 今秋までドウヒンツェベ空軍基地が攻撃を受けずにいられたのは、ランセットの基本モデルであるイズデリエ 51 の航続距離が約 40km と短いことが幸いしていた。 その後、ロシアは新型のイズデリエ 53 を導入した。 航続距離が伸びたモデルで、約 72km 飛行できる。 ロシアの通信社スプートニクは、プロダクト 53 を「ランセットの進化の次の段階であり、設計者たちは阻止するのはまず不可能と見込んでいる」と伝えていた。 最初の数機のイズデリエ 53 は、ドウヒンツェベ空軍基地のウクライナ軍の連隊を驚かせた。 ランセットは 9 月 19 日かそれ以前に、基地内の壁に守られた場所にいたミコヤン MiG-29 戦闘機を爆破した。 続いて10 月 10 日かそれ以前には、2 機目のイズデリエ 53 が、同基地に駐機していた本物とみられる飛行可能な Su-25 を攻撃した。 このドローン 2 機による攻撃で、前線とクリビーリフの間に防空網の穴があることがはっきりした。 ウクライナは S-300 やパトリオット、ナサムス、IRIS-T、ゲパルトといった優れた防空システムの多くをキーウ、ハルキウ、オデーサなどの主要都市の周辺に集中させており、他の地域の部隊や基地はあまり守られていないことがある。 ウクライナ軍の領土防衛部隊は、第 1 次世界大戦で使用された古いマキシムを含む機関砲や機関銃で武装した機動対空砲部隊を編成することで、こうした防空の穴を埋めている。 これらの部隊は夜間も活動し、スポットライトや赤外線照準器で暗い空を見張っている。 ドウヒンツェベ空軍基地を守っているのは領土対空砲部隊なのか、それとも空軍の同様の部隊なのかははっきりしない。 能動的な防御はないようで、ウクライナ軍は受身的な防御を展開。 ロシア軍のドローンを本物の戦闘機から遠ざけるために、戦闘機のデコイを少なくとも 1 つ設置した。 (David Axe、Forbes = 12-3-23) |
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