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ウクライナ、レオパルト 2 戦車を続けて 3 両失う 主力旅団入れ替えの影響か

ウクライナ軍はここ数日で、貴重なレオパルト 2 戦車を立て続けに 3 両失った。 オープンソース・インテリジェンス (OSINT) アナリストのアンドルー・パーペチュアによると、今週オンラインに出回った動画で、南部ザポリージャ州でレオパルト 2A4 が 2 両損傷し、ほか 1 両は遺棄されたことが確認されたとのことだ。 ウクライナ軍が今年 6 月上旬、ザポリージャ州やドネツク州の複数の軸で満を持して反転攻勢に乗り出して以来、西側から供与された戦車の損害としては最も大きなものになった。

もっとも、全体として見れば、ウクライナ軍はこれまで西側製戦車をうまく保ってきたと言える。 ウクライナ軍はドイツ製のレオパルト 2A4 (40 両)、レオパルト 2A6 (21 両)、レオパルト 1A5 (20 - 30 両余り)、スウェーデン製の Strv 122 (10 両)、英国製のチャレンジャー 2 (14 両)、米国製の M1A1 エイブラムス(31 両)などを保有し、レオパルト 1 やレオパルト 2 は今後さらに西側から供与されることになっている。

これら合計で 150 両ほどにのぼる西側製戦車のうち、ウクライナ軍が 4 カ月以上にわたる激戦で失ったのはレオパルト 2A4 を 5 両、レオパルト 2A6 を 3 両、チャレンジャー 2 を 1 両と、わずか 9 両にとどまっている。 ウクライナの陸軍や空中機動軍の部隊は概して、西側製戦車を慎重に運用してきた。 言い換えると、最も有効な時と場所を選んで使ってきた。

ただ、反攻開始後間もない頃には、そうでない使い方をしたこともあった。 たとえば陸軍の第 47 独立機械化旅団は 6 月上旬、ロシアの占領下にあるザポリージャ州メリトポリの北約 80km に位置するマラトクマチカの南で、ロシア軍の設けた地雷原に複数のレオパルト 2A6 を突進させ、むやみに高いリスクにさらした。

攻撃は失敗に終わり、第 47 旅団はレオパルト 2A6 を少なくとも 1 両失っている。 マラトクマチカでの手痛い失敗のあと、第 47 旅団や西側製戦車が配備されているほかの旅団、具体的に言えば、レオパルト 2A4 を保有する陸軍の第 33 独立機械化旅団、Strv 122 を保有する第 21 独立機械化旅団、チャレンジャー 2 を保有する空中機動軍の第 82 独立空中強襲旅団は、それらの戦車を夜間に運用するようになった。 また、ある程度離れた距離からロシア軍の陣地を砲撃する任務にあてた。

こうして、ウクライナ軍は西側製戦車を活用しつつ、保ち続けることができた。 慎重な運用と、ポーランドやドイツにある修理工場の頑張りのおかげで、ウクライナ軍の旅団はこの夏、西側製戦車に関してはフルの戦力に近い状態で戦い続けられた。 ここ数日、西側製戦車の損失が重なった(3 両のレオパルト 2A4 のうち 2 両はロシア軍のドローンにやられた)理由を説明するのは難しいが、より積極的な使われ方をした結果である可能性はある。メリトポリに向かう反攻軸ではこのところ、レオパルト 2A4 を運用する唯一の旅団である第 33 旅団が、最も激しい戦闘を担うケースが増えているもようだ。

以前はこの軸では第 47 旅団が反攻を主導していた。 ウクライナ軍参謀本部は最近、第 47 旅団を休息や再装備のために前線から引き揚げさせ、一部の大隊については東部アウジーイウカ周辺の増援に回している。 アウジーイウカ周辺では、攻撃してくるロシア軍の縦隊をウクライナ軍が破壊し続け、ロシア軍をこれまでで最大に近いペースで損耗させている。

後ろに下がったり東に向かったりした第 47 旅団と入れ替わるかたちで、第 33 旅団が前に出てきたのかもしれない。 第 33 旅団が今後さらに攻撃を進めていくにつれて、おそらく戦車の損失は拡大するだろう。 レオパルト 2 の連続損失で慰めになる点があるとすれば、第 33 旅団や近傍の旅団が引き続きメリトポリに向けて前進していることだろう。 通信アプリ「テレグラム」のロシア側のあるチャンネルは「敵の活動は 3 カ月間弱まっていない」と述べている。 3 両の戦車の乗員は戦死したのかもしれない。 だが、もしそうだとしても、彼らの犠牲はけっして無駄にはならない。 (David Axe、Forbes = 10-27-23)


ヘルソン州にロシア軍が攻撃し、2 人死亡 13 歳の少年も

ウクライナ南部ヘルソン州のプロクジン知事は 26 日、ロシア軍が同州のドニプロ川沿岸の住宅地に計 35 発の誘導爆弾を投下し、13 歳の少年を含む 2 人が死亡、4 人が負傷したとSNSで伝えた。 同氏は州内で 24 時間のうちに、ロシア軍よる攻撃が計 51 回あったとしている。 (asahi = 10-26-23)


ロシア、新編成向けの兵士採用の可能性「極めて低い」 ISW 分析

米国のシンクタンク「戦争研究所 (ISW)」は 26 日(現地時間 25 日)、「ロシアは計画する新編成に必要な兵士を確保できないだろう」と分析した。 ISW によると、ロシア国家安全保障会議副議長のメドベージェフ氏は 25 日、1 日あたり 1,600 人以上が兵士の契約を結び、今年に入ってから約 38 万 5 千人がロシア軍に入隊したと主張。 また、ロシアが 2024 年に大規模な軍事改革の一環として、新しい軍事組織を設立する意向だと発表したという。

だが、ISW は「ロシアがこれらの編隊を完全に配置できる可能性は極めて低い」との見方を示した。 東部ドネツク州アウジーイウカ近郊での戦闘で、ロシア軍の大きな損害が続いているとの分析も明らかにした。 (asahi = 10-26-23)


インフラ攻撃の報復警告 ゼレンスキー氏

【キーウ】 ウクライナのゼレンスキー大統領は 25 日、ロシアが冬場に電力インフラを攻撃した場合「今年は守るだけではなく対抗する」と述べ、報復攻撃を警告した。 昨冬は電力インフラが集中攻撃を受けたものの反撃には至っていなかった。 ウクライナは最近、欧米供与の長射程兵器により、南部クリミア半島やザポロジエ州などロシア支配地域への攻撃を強めている。 ゼレンスキー氏は「敵はクリミアの艦隊を移動させ、航空機もウクライナ国境から遠ざけている」として、ロシアが攻撃を警戒しているとの見方を示した。 ロシアは 25 日に西部フメリニツキー州を無人機で攻撃、フメリニツキー原発の管理棟などが損傷した。 (kyodo = 10-26-23)

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ロシア軍がウクライナ西部の原発狙い攻撃 ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍が原子力発電所を狙った攻撃を仕掛けたと明らかにしました。 ウクライナのエネルギー省は、西部のフメリニツキー原発周辺に25 日未明、ロシア軍の無人機の攻撃があったと発表しました。 原子力発電所の管理棟と窓ガラスが破損し 20 人が負傷したほか、周辺地域で一時的に停電が起きたということです。 ゼレンスキー大統領は「原発を狙った」と非難し、ロシアへの制裁強化が必要だと述べました。 一方、ロシア大統領府はプーチン大統領の指揮のもと、大規模な核抑止の演習を実施したと発表しました。 大陸間弾道ミサイルのほか、原子力潜水艦から弾道ミサイルなどを発射したということです。 (テレ朝 = 10-26-23)


ロシア軍の攻勢弱体化 損害拡大で再編成か 東部ドネツク州

ロシアによるウクライナ侵略で激戦が続く東部ドネツク州アブデエフカを巡る攻防に関し、ウクライナ軍のシュトゥプン報道官は 25 日までに露軍の攻勢が弱まっていると報告した。 シュトゥプン氏はその理由を、露軍が過去 1 週間に同州だけで約 3,000 人の死傷者を出し、部隊の再編成に着手したためだと指摘した。 ウクライナメディアが伝えた。

ドネツク州全域の制圧を狙う露軍は今月、同州の州都ドネツク近郊の都市アブデエフカへの攻勢を強化。 露軍は同州バフムトの制圧後、周辺でウクライナ軍に足止めされていることから、別の進軍ルートとしてアブデエフカの突破を狙っているとみられる。 ただ、米シンクタンク「戦争研究所」や英国防省によると、露軍はアブデエフカ周辺でもウクライナ軍の抗戦に遭い、大きな損害を出して目立った前進を達成できていない。

一方のウクライナ軍も、反攻の主軸とする南部ザポロジエ州方面で 8 月下旬に集落ロボティネを奪還したものの、露軍の防衛線に直面。 当面の奪還目標とする小都市トクマク方面に前進できておらず、戦局は南部・東部とも膠着の度を増している。 (sankei = 10-26-23)


ロシア軍、アウジーイウカ周辺で 1 個旅団分の兵力失う

ウクライナ軍が南部と東部で待望の反転攻勢を開始してから 4 カ月後、ロシア軍は形勢の挽回を図った。 ロシア軍の第 2 諸兵科連合軍とそこに配属されている親ロシア派地支配地域「ドネツク人民共和国」の部隊は 10 日、東部ドネツク州ドネツク市の北西に位置するウクライナ軍の要衝アウジーイウカ周辺を攻撃した。 1 個 2,000 - 3,000 人規模の旅団少なくとも 3 個が参加した。

ロシア軍の部隊は、ウクライナ側がアウジーイウカの北と南に周到に設けたキルゾーン(撃破地帯)に直接進入した。 以後 2 週間にわたり、ロシア側は次から次に攻撃を仕掛けた。 だがその都度、ロシア軍の縦隊はウクライナ側の地雷やドローン(無人機)、砲撃によってつぶされた。 ロシア軍の損害はこれまでに、装甲車 100 両以上、戦死・戦傷者計数百人にのぼっている。 死傷者は数千人規模に膨らんでいる可能性もある。 ロシア軍がある区域で 1 日に出している車両や人員の損害としては、2022 年 5 月に東部ルハンスク州でドネツ川の渡河に失敗した時や、その半年後、ドネツク州ブフレダールでウクライナ軍の守備隊を急襲しようとした時に並ぶ激しさになっている。

ウクライナの調査グループ「フロンテリジェンス・インサイト」は「1 週間半の間にロシア軍は 1 個旅団規模の兵力を失った」と報告している。 第 2 諸兵科連合軍が当初この攻撃に投入した人員・装備の 3 分の 1 が失われたということだ。 対照的に、ウクライナ側の守備隊は車両を数両しか失っていない。 ただ、歩兵部隊は比較的大きな損耗を被っている可能性がある。 ウクライナの映画監督で現在は兵士として前線で戦うオレフ・センツォフは、ある接近戦についてこう述べている。 「オーク(編集注 : ロシア軍のことを指す)どもからは歩兵・装甲部隊が次から次に波のように押し寄せてきた。」

「自分たちは幸運だった。 あの日は何度も幸運に恵まれた。 (歩兵戦闘車の M2)ブラッドレー 2 両の掩護を受けて包囲から脱出できた時も。 けれど、この作戦に参加した者が皆これほど幸運だったわけではない。」 アウジーイウカ攻略戦はロシア軍の大失敗になっているわけだが、リソース不足が原因ではない。 たしかに第 2 諸兵科連合軍はDIY の歩兵戦闘車や、試作品だった装甲兵員輸送車、博物館に展示してあってもおかしくないレベルの古い装甲兵員輸送車なども少なからず投入してはいる。

だが、ロシア側が作戦で用いている装備の大半は近代的なものだ。 たとえば T-80 戦車、BMP-2 歩兵戦闘車、BTR-82 装甲兵員輸送車などである。 地上部隊はかなりの規模の近接航空支援も得ている。 独立した調査グループ「コンフリクト・インテリジェンス・チーム(CIT)」によると、アウジーイウカのウクライナ軍陣地とされる場所に対して、ロシア軍の戦闘機が UMPK (汎用滑空修正モジュール)誘導爆弾を使って空爆を加えている。

重量が 1,350kg 以上もあるこの強力な滑空誘導爆弾は、ウクライナ軍が駆使している小型の滑空爆弾ほどエレガントで精確ではないかもしれない。 それでも、ウクライナの軍人オレクサンドル・ソロニコによれば、重たい弾薬が詰め込まれたこの爆弾はウクライナ軍部隊の間で「最大の恐怖のひとつ」になっているという。 とはいえ、ウクライナ側は壕を掘って身を隠し、爆薬を積んだ一人称視点 (FPV) ドローンの装備も十分整えている。 アウジーイウカへの主要な接近ルートに地雷を埋めている点も重要だ。 さらに、火力支援を行う砲兵部隊は米国製やトルコ製のクラスター弾の供給も受けている。

ロシア側の攻撃はほぼ毎回、同じパターンをたどっている。 ウクライナ側のドローンが上空から監視するなか、縦隊が前進してきて地雷を踏み、混乱に陥る。 そしてドローンが照準を合わせて攻撃し、クラスター弾が降り注ぐ。 アウジーイウカのウクライナ軍守備隊は持ちこたえている。 「(ロシア側は)攻撃を続けているが、大きな戦果は得られていない」と CIT は説明している。「(ウクライナ側)はこれまでどおり防御陣地を維持し、反攻は試みていない。」

ウクライナ側が反攻に出ていないという点は非常に重要だ。 第 2 諸兵科連合軍はアウジーイウカへの攻撃を通じて、ウクライナ軍の反攻の中心となっている南部の前線からウクライナ軍の旅団を引き剥がそうとしている可能性があるからだ。 これまでのところウクライナ側はその手に乗っていない。 ウクライナ軍は南部に配置している第 47 独立機械化旅団の一部をアウジーイウカへの増援に回したとみられるが、現在の反攻を停止してまでアウジーイウカでの戦いにより多くのリソースを割こうとはしていない。 ここでの戦いはドローンや地雷、大砲で制する構えだ。

「ウクライナの防衛者たちがみせた抵抗と技量は、ロシア側が作戦で想定していたものよりもはるかに手ごわかった」とフロンテリジェンス・インサイトは解説している。 もっとも、戦いは終わっていない。 第 2 諸兵科連合軍も増援を得ており、攻撃の手を緩めていない。 CIT はウクライナ側にとって「状況は依然として非常に厳しい」とも指摘している。 (David Axe, Forbes = 10-25-23)


ロシア軍機が次々に撃墜「侵攻の初期以来」の損害に 温存していたのになぜ? ウクライナの "切り札" 実は複数

現地報道によると、10 月以降の 10 日間だけでも、ロシア軍の攻撃機である Su-25 が少なくとも 5機撃墜されています。 今回のようにロシア攻撃機の撃墜が相次いだのは、ウクライナ侵攻初期以来のことです。 10 月に入ってからロシア軍の損害が増加した理由としては、近接での航空支援を再開していることが関係しています。 侵攻初期こそ、ロシア空軍はウクライナの防空網に入って攻撃をしていましたが、その後の地上部隊の支援に関しては、機体の損失を恐れ、防空網の外から射程延長用の滑空装置を備えた無誘導爆弾を使って攻撃を行っていました。

しかし、ウクライナ東部の要衝アウディイウカで大規模な地上戦が行われている影響などで、地上部隊をより強力に支援するために、短距離で無誘導ロケットを用いて近接での地上攻撃が可能な Su-25 が前線に投入されるケースが増えていると考えられます。 Su-25 は、小火器での被弾のみならず、一部対空ミサイルの攻撃にも耐えられるように設計された装甲を持った攻撃機です。 しかし、同機の撃墜実績を多くもつアメリカ製の携帯式の対空ミサイル「スティンガー」を用いることがウクライナで定番化。侵攻初期から損傷を与えていましたが、それが再燃しています。

ただ「スティンガー」は 2023 年 7 月以降、在庫が減少しており、ウクライナ政府が追加での供給を求めています。 その数はまだ十分には揃っていないと見られているようです。 しかし、「スティンガー」の減少でウクライナ軍の防空能力が落ちたというわけでもありません。 より高性能の対空ミサイルであるイギリス製 AIM-132 「アスラーム」の供給も始まっています。 この対空ミサイルは携行できませんが、ウクライナ軍は移動式の地上発射台に搭載し、既に使用しているようです。

また、今後はアメリカから対空ミサイルの AIM-9 「サイドワインダー」と、それを使用した地上発射システムも供給されるとみられており、ロシア空軍がウクライナ軍を地上攻撃するリスクはさらに高まるとみられています。 (乗りものニュース = 10-25-23)


「時間の問題でクリミア全域が射程内に」ゼレンスキー大統領

ウクライナのゼレンスキー大統領は 24 日、ロシアが 2014 年に併合し実効支配する南部クリミア半島について「全域が(ウクライナ軍の)射程内に入るのは時間の問題だ」と述べた。 ウクライナ軍がクリミア半島のロシア軍に対してミサイルやドローン(無人航空機)による攻撃を強めていることを背景に「ロシアのテロリストたちにはもはや、安全な基地もクリミアへの確実な通路もない」との見方を示した。

同日チェコの首都プラハで開かれた会議「第 2 回クリミア・プラットフォーム議会サミット」でのオンライン演説を、ウクライナのニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」などが伝えた。 ゼレンスキー氏はロシア軍がクリミア半島に母港を置く黒海艦隊の艦船を徐々に東の本土側に移動させているとし、「ロシアはもう黒海西域を支配することはできない」とも語った。 (asahi = 10-24-23)


効果絶大?ウクライナ軍が初投入の「エイタクムス」英国防省が影響を分析

ロシア軍が損失を短期間に補填するのは困難な状況

イギリス国防省は、2023 年 10 月 20 日に更新したウクライナ紛争の戦況分析で、ロシア軍が使用している南部ベルジャンシクと東部ルハンシクの飛行場が攻撃された可能性があると発表しました。 ベルジャンシクでは 9 機、ルハンシクでは 5 機のロシア軍ヘリコプターが破壊された可能性が高いとしています。 この攻撃をめぐっては、ウクライナ国防省が 10 月 17 日に飛行場攻撃「ドラゴンフライ作戦」が成功したと発表。 長距離陸軍戦術ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」を使用したことを示唆していました。

「ATACMS (エイタクムス)」は、ウクライナがアメリカに供与を求めていた長距離の地対地ミサイルで、既に活躍している高機動ロケット砲システム「HIMARS(ハイマース)」などから発射することが可能です。 今回、ウクライナ軍の攻撃目標となったベルジャンシクは、ロシア軍が南部戦線の主要な作戦基地として使用しています。 イギリス国防省は、ロシア空軍の固定翼機による近接航空支援が「極めて貧弱」だと指摘。 ウクライナ軍が反攻を続ける中、ロシア軍は占領地の防衛線を維持するために、ヘリコプターによる支援に依存するようになっているといいます。

また、今回の損失は、ロシア軍の更なる防衛・攻勢の実施能力に影響を与える可能性が非常に高いと分析しています。 ロシアの軍事生産の逼迫状況を考慮すると、機体の損失を短期 - 中期的に補填するのは難しいとのこと。 長期間の戦闘による疲労とメンテナンスの問題に悩まされているロシア軍の機体と搭乗員に、更なる圧力が加わる可能性があると分析しています。 さらに、今回の攻撃によってロシアが作戦基地と指揮拠点を最前線から離れた場所に移転せざるを得なくなり、兵站にかかる負担が増す可能性があるとしています。 (乗りものニュース = 10-24-23)


ロシア、最大 19 万人戦闘不能か 英国防省分析、動員で兵力増強

【キーウ】 英国防省は 22 日、ウクライナ侵攻を続けるロシア軍の 15 万 - 19 万人が、昨年 2 月の侵攻開始以来、死亡や重傷により戦闘不能になったとの分析を発表した。 戦場に復帰可能な負傷者を含めると損害は 24 万 - 29 万人に上ると推定した。 この数字には東部ドネツク州バフムトで戦った民間軍事会社ワグネルの戦闘員は含まれていないとしている。 英国防省は、ロシアが昨秋に部分動員に踏み切るなどして兵力を増やしていることが「犠牲を伴いながらも攻撃を実行し、占領地を防衛できる主な要因となっている」と指摘した。 (kyodo = 10-23-23)


1 週間でロシア兵 6,000 人死亡か = ウクライナ試算、激戦地アウディイウカ

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は 21 日、東部ドネツク州の激戦地アウディイウカ方面で過去 1 週間にロシア兵 5,000 - 6,000 人が戦死したという試算を示した。 独立系放送局「ドシチ(雨)」の番組で語った。 アウディイウカは、親ロシア派の拠点都市ドネツクから北に約 15 キロの最前線に位置し、ロシア軍が今月に入って総攻撃を仕掛けている。 ウクライナ軍は包囲されつつも徹底抗戦しており、ロシア軍は多大な犠牲を覚悟で制圧を目指している可能性がある。 ポドリャク氏はロシア側の狙いについて「(ウクライナや西側諸国に)心理的(圧迫)効果をもたらし、自軍は人的損害を気にせずに戦えると示すことだ」と指摘した。 (jiji = 10-23-23)


ロシア、ウクライナ東部アブデーフカや南部ヘルソン州で攻撃強化

ロシア軍は 22 日、東部ドネツク州の町アブデーフカと南部ヘルソン州への攻撃を強めた。 一方、ウクライナ軍参謀本部はアブデーフカ周辺で 20 近いロシア軍の攻撃を撃退したと発表した。 アブデーフカは、ロシアが支配するドネツク市とドンバス地方の一部地域の奪還に重要な場所と見なされている。 ウクライナ国防省情報局の報道官は、アブデーフカが重要な意味を持つのは事実だと国内テレビに指摘。 「占領軍がドネツクとルガンスクの全土を占領すると宣言して緊張を高めたのは今回が初めてではない。  彼らの計画は失敗している。」と語った。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、アブデーフカと近郊の町マリンカの状況について「特に厳しい。 ロシア軍による多数の攻撃を受けているが、われわれは拠点を維持している」と語った。 ロシア軍はアブデーフカについて言及しなかったが、5 月に占領したドネツク州バフムトで東側のウクライナ軍陣地に対する作戦が成功したと発表した。 ヘルソン州のプロクディン知事は、州内の複数の村が砲撃を受け、ヘルソン市内の輸送や食料生産拠点も攻撃されたと述べた。 (Reuters = 10-23-23)


ウクライナ東部ハルキウで 6 人死亡 ロシア軍ミサイルが郵便施設を直撃

ウクライナ東部のハルキウで 21 日、ロシア軍のミサイルが郵便施設を直撃し、6 人が死亡しました。 東部ハルキウの地元検察当局によりますと 21 日、郵便関連の施設に2 発のミサイルが着弾し、6 人が死亡、少なくとも 14 人がけがをしたということです。 当時、空襲警報が発出されましたが、その直後にミサイルが着弾したため、職員らは逃げ遅れて犠牲になったということです。 ゼレンスキー大統領は、「民間人を狙った攻撃が行われた」と批判しています。

ゼレンスキー大統領は、南部ヘルソンなどを訪れ、司令官らと戦況について協議しました。 アメリカの戦争研究所は東部で焦点となっているアウディーイウカの攻防について、ロシアが前進を続ける一方で、ペースは落ちているとしていて、ウクライナ側の抵抗が続いているとみられます。 (日テレ = 10-22-23)


ロシア、24 時間で戦車 55 両・兵士 1,380 人損失か アウジーイウカ攻勢継続

ウクライナ侵攻を続けるロシア軍はつい最近、4 日間で戦車 8 両を含め、少なくとも 68 両の装甲車を失った。 1 年 8 カ月に及ぶウクライナ侵攻でロシア軍は苦戦しているが、そうした中でも今回の損失は特に大きい。 同期間にウクライナ軍が被った損失は、ロシア軍の 10 分の 1 とみられている。 68 両という損失車両の数は、オープンソースの情報を分析しているアンドルー・パーペチュアがソーシャルメディアに投稿された写真や動画で確認したもののみが含まれている。 ロシア軍の実際の損失は、これよりもかなり大きいことはほぼ間違いないだろう。

この戦闘についてウクライナ軍参謀本部は、19 日から 20 日にかけた 24 時間で戦車 55 両を含む 175 両もの装甲車を破壊したと発表した。 昨年 2 月以来、ロシア軍が 1 日に失う戦車は平均してわずか 3 両だった。 同軍はまた、アウジーイウカ上空で少なくとも戦闘機 5 機を失ったと報じられている。 兵士の死傷者数は車両の損失に比例している。 ウクライナ軍参謀本部は、20 日までの 24 時間でロシア兵 1,380 人が死亡したと発表。 ロシアの侵攻以来、双方における 1 日の犠牲者数としては最多規模だ。

ロシア側の犠牲者増加の要因は明らかだ。 ここ数週間、各兵力最大 2000 人の 7、8 個の連隊と旅団が、ウクライナで最も防御が固められている都市のひとつであるアウジーイウカを包囲し、防御を切り崩そうと試み続けるも、失敗している。 ウクライナ東部ドンバス地方にあるアウジーイウカは、ロシアの占領下にあるドネツクの北西に位置している。 ロシア軍は連日、戦車や戦闘車両の長い隊列を組んで挑んでいる。 来る日も来る日も地雷原を突っ切り、ミサイルで狙われるキルゾーンに入り込み、大砲の砲撃を受け、そして爆発物を積んだドローンの餌食になっている。 それでもなお、ロシア軍は部隊を送り続けている。

これは、ウクライナ側のアウジーイウカ守備隊を側面から攻撃して切り崩し、最終的には撃破することを目指したものだが、失敗続きのこの作戦にロシア軍がなぜこれほどの兵力と車両を投入するのかは、はっきりしない。 ウクライナ軍はアウジーイウカに少なくとも 2 個の旅団と連隊、付属の大隊を展開している。 ロシア軍の指揮官らは、ウクライナ軍が 6 月に始めた南部での反転攻勢の強化を阻止するために、ウクライナ軍の旅団を多大な犠牲を伴う戦いに引き込もうとしている可能性がある。 ウクライナ軍はこの反攻作戦で、ロシアが占領しているメリトポリの北側に伸びる軸と、さらに東側のモクリヤリ川沿いに伸びる軸で、少なくとも約 16km 前進した。

ウクライナ軍はまた、ドニプロ川の左岸や東部バフムートの南でも前進している。 アウジーイウカの攻撃が本当にウクライナ軍の戦力を引き付けることを意図したものだとすれば、それはおそらく失敗している。 「ウクライナ当局はすでに、アウジーイウカへの攻撃は戦力を引くための作戦だと認識しており、この軸にウクライナ軍が兵士を過度に投入することはないだろう」と米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は指摘した。

もしかするとこの攻撃は、引き付けの作戦ではないかもしれない。 ロシアは単に、冬の到来を前にして、大規模な攻撃の機会が減少する中で勝利を収めようと必死になっているだけなのかもしれない。 アウジーイウカの戦いで重要なのは、アウジーイウカ自体ではない可能性がある。 それはある意味、筋が通っているものの、実際には無意味な行為だ。 ISW は「仮にアウジーイウカを掌握したとしても、ドネツク州の他の地域へ進軍する新たなルートが開かれることはない」と説明している。

だが、ロシアがアウジーイウカを象徴的な価値のために狙ったのだとすれば、それはひどい誤算だった。 多くの血が流れた作戦が始まって 2 週間が経過した今、アウジーイウカが象徴しているのは、ロシア兵の死と大破した戦車だけだ。 攻勢の初日にロシア軍は撤退することもできただろう。 ISW の推定では、ロシア軍は少なくとも 45 両の戦車や装甲車両を失った。 だが、ロシア軍は攻勢を続けた。 中隊や大隊が全滅しても、指揮官たちは気にしなかったようだ。

その意味で、ロシア軍のアウジーイウカでの作戦は、今年初めの東部ドネツク州ブフレダールでの作戦と不気味なほど類似している。 ドネツクの南西約 40km に位置するブフレダールでは、ロシア軍の海兵隊が数週間、ひっきりなしにウクライナ軍の守備隊に猛攻撃をかけた。 ウクライナ側は、突撃隊を砲撃。 ある交差点には、ロシア軍がウクライナ軍の攻撃に対応できなかった痕跡が残されていた。 ウクライナ軍が数週間にわたってロシア軍に対する待ち伏せ攻撃を繰り返したこの交差点には、破壊された十数両の戦車や戦闘車両の残骸が散らばっていた。

激戦を経たブフレダールはいま、ウクライナ側にある。 ロシア軍が制圧しようとできる限りの攻勢をかけているにもかかわらず、アウジーイウカも同様だ。 この戦いがどうなるかは分からない。 ロシア軍は昨冬、ブフレダールの占領に失敗し、2 つの海兵隊旅団の大部分を無駄に失った。 だが春には、ドネツクの北約 48km に位置するバフムート周辺での戦いで、それより多くの犠牲を払いつつも、勝利を収めた。 ウクライナ軍の旅団は時間を稼ぎ、ロシア軍に死傷者を出しながらバフムートから撤退したため、ロシア側にとってこの勝利は割に合わないものとなった。

キルゾーンが待ち受けるアウジーイウカに連隊を投入し続ければ、ロシア軍は最終的には同市を制圧できるかもしれない。 だが、大きな損失を被った状態では、約 970km に及ぶ前線での作戦に支障をきたしかねない。 「この速い死傷ペースが続く限り、ロシア軍は効果的な攻勢をかけるのに必要とされる水準を満たせるよう、新兵を十分に訓練することができなくなる」と英王立防衛安全保障研究所は指摘している。 (David Axe、Forbes = 10-22-23)


<「東部でロシア軍に甚大被害」 ゼレンスキー大統領が声明/p>

【キーウ】 ウクライナのゼレンスキー大統領は 20 日の声明で、ロシア軍が攻勢を仕掛けている東部ドネツク州アブデーフカなどで敵軍に甚大な被害を与えたと述べた。 ロシア軍はアブデーフカに大規模兵力を投入しているとされ、戦闘が激化している。 ウクライナメディアによると、南部クリブイリフで 20 日、ロシア軍のミサイル攻撃があり、60 歳の男性が死亡した。

マルタ外務省は 20 日、ウクライナが和平実現に向けて提唱する「平和の公式」について協議する会合を 10 月 28 - 29 日に開くと発表。 各国政府の外交顧問らが集まるという。 平和の公式を巡る会合は 6 月にデンマーク、8 月にサウジアラビアで開かれた。 (kyodo = 10-21-23)


ウクライナのミサイル「ATACMS」は残念だが戦車を破壊できない

米国がウクライナに供与したばかりの M39 「ATACMS」弾道ミサイルは、飛行場に駐機しているヘリコプターを破壊して連隊の戦力を削いだり、補給部隊に打撃を加え、防空網に穴を開けたりすることができる。 だが、M39 にできないこともたくさんある。 その 1 つが、防御力が高い戦闘車両の破壊だ。 理由は明快で、M39 の弾頭からは擲弾(てきだん)サイズの子弾が 1,000 発ほどばらまかれるが、運良く命中した場合でない限り、子弾には 1 発で戦車に深刻なダメージを与えるほどの威力はない。

M39 は重量 2 トン、全長 4m の弾道ミサイルだ。 固体ロケットモーターと、950 個の M74 子弾を内蔵する弾頭を搭載している。 1990 年代に製造されたこのミサイルは、装軌式の M270 多連装ロケットシステム (MLRS) や装輪式の高機動ロケット砲システム (HIMARS) から発射されれば慣性誘導のもとで最大約 160km 飛ぶ。 米陸軍には、ロケットモーターの寿命が切れているか切れそうになっている M39 の在庫が数百発ある。 バイデン政権はここ数週間で、おそらく固体ロケットモーターを検査した後に、非公開の数の M39 をウクライナに密かに送った。

16 日夜から翌朝にかけて、ウクライナ軍が運用する HIMARS 3 基から M39 が 1 発ずつ、ロシアに占領されている南部ベルジャンシクの郊外にある飛行場に向けて発射された。 M39 はロシアの防空網近くを猛スピードで通過し、飛行場北側の駐機場に 3000 発近くの M74 をばらまいた。 そして、そこに駐機していたロシア空軍の攻撃ヘリのミル Mi-24 とカモフ Ka-52 を爆破した。

ウクライナ軍はヘリコプター 9 機を破壊したと主張し、アナリストらは 6 機の破壊を確認した。 いずれにせよ、損失は大きかった。 ロシアがウクライナに侵攻して 1 年 9 カ月目に入る中、通信アプリ「テレグラム」のロシアの人気チャンネル「ファイターボンバー」は今回の攻撃について「これまでで最も深刻な攻撃の 1 つ」と評している。

M39 と、M39 の弾頭にある重量 450g ほどの M74 子弾は表面がさほど強固でない標的を攻撃するのに最適だ。 M74 は鋼鉄とタングステンで覆われている。 「着弾して爆発すると、子弾は高速で飛び散る大量の鋼鉄片となり、トラックのタイヤやミサイル弾、装甲の薄い車両、レーダーアンテナなどの標的に威力を発揮する」と米陸軍少佐のジェームズ・ハットンは陸軍教訓センターの出版物に書いている。

だが 100 万ドル(約 1 億 5,000 万円)もする M39 を戦車連隊への攻撃で無駄に使ってはいけない。 「装甲車に対しては効果がない」とハットンは強調する。 確かに、M74 をばらまくと戦車の照準装置にダメージを与える可能性があり、うまくいけば戦車上部の薄い装甲を貫通してエンジンをへこませるかもしれない。 だが戦車に追加の装甲が全体的に施されていれば、効果は期待できない。

米陸軍が 1990 年代後半に誘導式の対戦車弾 13 発を搭載できる ATACMS ミサイルの新型を開発したのには、それなりの理由がある。 陸軍は最終的にこの新型ミサイルの実用化を中止したが、それは他の ATACMS の派生型の戦車破壊能力が突然向上したからではない。 コスト削減のためだった。 バイデン政権は、自国の「軍事面の即応性を危険にさらすことなく」ウクライナに ATACMS を供給すると強調している。 それは、ロケットモーターの寿命が切れているか切れそうになっている M39、そして重量約 226kg の弾頭を搭載する M48 が供与の対象となることを意味しているようだ。  新しい M57 は米軍に残る。

M39 と M48 があれば、ウクライナ軍が運用する 60 基ほどの M270 と HIMARS で発射するものの選択肢が増える。 M39 の M74 子弾は、ロシア軍の飛行場や兵站施設を吹き飛ばすことができる。 M48 はハープーン対艦ミサイルから借用した貫通弾頭で掩体(えんたい)壕を爆破し、建物を崩壊させることができる。 だがロシア軍の戦車が攻めてきたら、ウクライナ軍は別の弾薬で狙うかもしれない。 (David Axe、Forbes = 10-20-23)


ロシア軍のヘリを 9 機も破壊? ウクライナ国防省が飛行場攻撃に成功と発表

アメリカが供与した地対地ミサイル「ATACMS」を使用か

ウクライナ国防省は 2023 年 10 月 17 日(火)、ロシア軍が使用している南部ベルジャンシクと東部ルハンシクの飛行場への攻撃を成功させたと発表しました。 ウクライナ軍は、一連の攻撃を「ドラゴンフライ作戦」と命名し、ロシア軍のヘリコプター 9 機と防空システム 1 基、特殊車両、弾薬庫、滑走路を破壊したとしています。 この攻撃では、ウクライナがアメリカに供与を求めていた地対地ミサイル「ATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)」が使用された可能性が指摘されていますが、ウクライナ国防省は明言していません。

ウクライナ国防省は翌日の 10 月 18 日(水)、この ATACMS について「実力を証明した」と発表。 夜間に目標へ向けて発射する動画を公開しています。 (乗りものニュース = 10-20-23)


ウクライナ軍、ドニプロ川東岸のロシア軍陣地に攻撃か

米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW、ワシントン)」は 18 日、ウクライナ軍とロシア軍がドニプロ川をはさんでにらみ合う南部ヘルソン州で、ウクライナ軍の歩兵部隊が 17 日から 18 日にかけ、東岸のロシア軍陣地に攻撃を仕掛けたとの見方を示した。 映像の分析から、部隊がウクライナ支配下の州都ヘルソンから対岸へ渡り、ドニプロ川から南に 3 - 4 キロ離れた集落まで進んだことが分かったという。

ISW の分析に先立って、SNS テレグラム上のロシアの軍事情報チャンネル「リバリ」が 18 日、東岸でのウクライナ軍の攻撃に言及。 2 グループに分かれての攻撃で、ロシア軍が砲撃を加えて撃退したが、一部が工作活動のため現地に残ったともした。 (asahi = 10-19-23)


クリミア橋防衛、ロシアの「負担」に = ウクライナの攻撃で - 英国防省分析

【ロンドン】 英国防省は 19 日のウクライナ戦況報告で、ロシア占領下にあるウクライナ南部クリミア半島とロシア本土を結ぶ「クリミア橋」について、「多方面での防御が必要とされ、(ロシアにとって)安全保障上の大きな負担になっている」と指摘した。 クリミア橋は繰り返しウクライナの攻撃を受けている。 ロシア本土とクリミア半島間を直接結ぶ唯一の橋で主要交通路であるクリミア橋を巡っては、7 月にウクライナの攻撃で損傷し死傷者も出た。 ロシア側は今月に入り「橋は予定より早く修復された」と発表したが、英国防省によれば「開通したものの使用は制限されたまま」で、半島に向かうトラックや燃料はフェリーでの移送を余儀なくされているという。

橋の防衛のため、他地域に配備するはずの防空システムや要員を割くことになり、ロシアの戦力はそがれている。 英国防省は「この巨大で脆弱な建築物を守るというロシア治安部隊の自信は、ウクライナ軍の巧妙な作戦によって揺らいでいる」と分析した。 一方、ロシアは 18 - 19 日にウクライナの東部、南部、北部の広範囲で空爆を実施。 ウクライナ軍の 19 日の発表によると、ロシア軍は弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンなどで軍事施設やインフラを攻撃した。 (jiji = 10-19-23)


ロシア軍がウクライナ軍の「鉄壁要塞」を攻撃 戦車部隊を投入するも損害続出か

イギリス国防省は 2023 年 10 月 17 日(火)、ウクライナ紛争の戦況分析を更新。 ロシア軍がウクライナ東部において、複数軸で協調しながら攻撃を開始した可能性が高いと発表しました。 イギリス国防省は、ロシア軍は東部ドネツク州の町アウディイウカを攻略するため、複数の機甲大隊を投入して町の包囲を目指していると指摘。 これは、2023 年 1 月以降にロシア軍が実施した最も大規模な攻勢となる可能性が高いとしています。

アウディイウカは、紛争が始まった 2014 年から最前線となっており、ウクライナ軍が防備を固めて要塞化しています。 ロシアにとっては、ドネツク州全域の制圧という目標を達成する上で、大きな障害になっているといいます。 イギリス国防省は、ここでウクライナ軍がロシア軍の進撃を阻止している可能性が高く、ロシア軍は大きな損失を被っていると分析しています。 短期的にはアウディイウカ攻略が成功する可能性はますます小さくなっており、進捗の遅さと死傷者の多さから、ロシア側のメッセージが「攻撃」から「積極防御」に変化した可能性が高いとしています。 (乗りものニュース = 10-19-23)


ロシア、黒海艦隊司令部都市でミサイル撃墜 被害なし = 市長

ロシアが 18 日、ウクライナから一方的に併合した南部クリミアのセバストポリでミサイルを撃墜したと、ラズボジャエフ市長がテレグラムに投稿した。 同市にはロシア黒海艦隊司令部が置かれている。 死傷者やインフラへの被害はなかったという。 国防省はその後、クリミア半島で改良型 S-200 地対空防衛ミサイル 2 発を撃墜したと発表した。 ロイターは発表を独自に確認できていない。 (Reuters = 10-19-23)


ウクライナ、米供与の長射程ミサイル「ATACMS」初使用

ウクライナのゼレンスキー大統領は 17 日、米国から供与された長射程の地対地ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」をウクライナ軍が使用したと明らかにした。 ゼレンスキー氏はビデオ演説で「米国に感謝する。 バイデン大統領との合意が履行されている。 ATACMS は極めて正確だ。」と述べた。 これに先立ち、米 CNN は複数の匿名の米政府当局者の話として、米国がウクライナに ATACMS を秘密裏に引き渡したと報道。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ) はウクライナが 17 日にロシア軍に対し初めて ATACMS を使用したと報じていた。

ウクライナ軍はこの日、ロシア軍が制圧しているウクライナ東部と南部の飛行場を攻撃し、ヘリコプターや防空ミサイル発射装置などを破壊したと発表。 具体的には、ルガンスク市とベルジャンスク市の近郊にある飛行場に「正確に狙いを定めた」攻撃を行ったと明らかにした。 ただ、ウクライナ軍が ATACMS を使用したとの報道については言及していない。

ロシア国防省はこの攻撃についてコメントしていないが、ベルジャンスク市があるザポロジエ州の親ロ派当局者は、ATACMS ミサイルによるクラスター弾が 17 日に現地で確認されたと述べた。 ロシアの軍事ブロガーも今回の攻撃に言及し、ATACMS による攻撃でロシア軍が兵士と装備を失ったと伝えている。 ウクライナのポドリャク大統領府顧問は戦争の新たな章が始まったとし、「国際的に認められたウクライナ国境内でロシア軍にとって安全な場所はもはやない」と X (旧ツイッター)に投稿した。

ロシアのアントノフ駐米大使は、ウクライナに ATACMS を供与する米国の決定は重大な過ちであり、深刻な結果をもたらすと警告した。 ロシアメディアによると、同大使は「意図的に市民から隠されていたこの措置の結果は最も深刻なものになるだろう」とし、「米国は北大西洋条約機構 (NATO) とロシアの直接衝突を推し進め続けている」と述べた。 (Reuters = 10-18-23)

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