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60 年前のロシア軍戦車、ドニプロ川の橋頭堡攻撃試み撃破される?

ウクライナの海兵隊は 10 月 19 日にドニプロ川を渡河し、ロシア軍占領下の左岸(東岸)にある集落クリンキ付近に橋頭堡(きょうとうほ)を築いた。 ウクライナ軍南部司令部にとって橋頭堡の確保は、このところ停滞している南部反攻の戦線を維持し、いまだロシアが実効支配するヘルソン州南部へ攻勢をかける足場固めの一歩となる。 すなわち、クリミア奪還へ向けた第一関門だ。 それは、ロシア政府も承知している。 このたび、ヘルソン州南部に展開するロシア軍の自動車化狙撃連隊が、前進を続けるウクライナ海兵隊に機甲反撃を試みたらしいとの情報が、数週間ぶり浮上した。

だが、ロシアにとっては良いニュースとはいえない。 先週、ウクライナのドローンがクリンキの東方 3 - 5km 地点でロシア軍の T-62 戦車を撃破したというのだ。 単なる T-62 ではない。 1960 年代に製造された戦車を改良した「Obr.2022 型」だ。 ロシアは昨年、ウクライナ侵攻での戦車の損失が 1,000 両を 超えたため、重量 41 トン・4 人乗りの T-62 数百両を倉庫から引っ張り出して現役復帰させている。

一部の T-62 は大きな改良を施さないまま前線に送られた。 一方、暗視装置を元の型よりは新式の 1PN96MT-02 に換装し、T-62M Obr.2022 として戦線復帰した車両や、反応装甲を追加して T-62MV Obr.2022 となった車両もある。 T-62 Obr.2022 の作戦行動に関する情報はあまり多くないが、ロシアメディアは先週、ザポリージャ州のロシア軍部隊がこの型の戦車で訓練を行っていると報じていた。

この部隊の一部が西方のクリンキ方面にも配備された可能性がある。 独立系調査組織の紛争情報チーム (CIT) は、T-62 について「戦線の後方で確認される数が最近増えており、ヘルソン戦線の攻勢軸に増援として送られていることが示唆される」と指摘している。 ロシア軍がクリンキの橋頭堡を攻撃するにあたり T-62MV Obr. 2022 をどのように使ったか、全容は明らかになっていない。 ロシア軍は T-62、T-55、T-54 といった旧式戦車を即席の榴弾(りゅうだん)砲として運用し、ウクライナ軍の陣地への突撃には用いない傾向がある。

榴弾砲としてなら、T-62 の 115mm 主砲をめいっぱい高仰角にすれば 8km 先まで射程に入るだろう。 それだけ距離が離れていれば、ウクライナ軍の戦車やミサイルによる反撃も避けられるかもしれない。 クリンキ近郊でウクライナのドローンが撃破した T-62 は、おそらく最寄りのウクライナ軍陣地まで 3km か、もっと近くまで迫っていたと思われる。 クリンキ橋頭堡への直接攻撃を試みる合同部隊の一翼を担っていた可能性がある。 いずれにせよ、T-62 戦車はその作戦を生き延びることはできず、殺到したウクライナのドローンに破壊された。

この結果は驚くべきことではない。 ロシア空軍は地域制空権を握っており、40km 離れた場所からクリンキに滑空弾を撃ち込めるが、局所的にはウクライナ軍のほうが優勢だ。 ウクライナ軍は海兵隊が渡河に成功するまで数週間かけ、ドニプロ川左岸に展開していたロシアの防空網やドローンを妨害・制圧し、自軍のドローンを配備して監視、攻撃、補給任務を担わせている。 ロシア軍がクリンキ上空を哨戒飛行するウクライナのドローンを全て活動停止に追い込まない限り、橋頭堡への攻撃は今後も、大破し煙を上げる T-62 戦車と同じ運命をたどるだろう。 (David Axe、Forbes = 11-21-23)


ウクライナ南部で停電、ロシア軍がエネルギー施設を破壊 … ゼレンスキー氏「冬に向け攻撃はより強力に」

ウクライナ空軍は 19 日、ロシア軍がキーウや中部ポルタワ州などを無人機 20 機で攻撃したのに対し、15 機を迎撃したと発表した。 ロイター通信によると、中部チェルカーシ州で数軒の住宅が損壊した。 キーウなどへの無人機攻撃は 2 日連続となった。

前日の 18 日未明の攻撃では、南部オデーサ州のエネルギー関連施設が被害を受け、1 人が負傷したほか、同州や南部ザポリージャ州などで停電が発生した。 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日のビデオ演説で、「冬が近づくにつれ、ロシアの攻撃はより強力になるだろう」と警戒を呼びかけた。 一方、タス通信の 19 日の報道によると、露国防省はウクライナが発射したミサイル 2 発と無人機 31 機を迎撃したと主張した。 (yomiuri = 11-20-23)


ウクライナで増大する小型ドローンの脅威、双方がネットなどで防衛

ロシアとウクライナの 1 年 10 カ月に及ぶ戦争では、擲弾を落としたり爆発物を巻きつけたりしている小型ドローンがあちこちで使われている。 双方の軍の歩兵隊はその脅威を認識しており、機甲部隊や砲兵部隊の仲間から知恵を拝借した防衛手段を塹壕に導入している。 参考になるのが、米シンクタンクの外交政策研究所のアナリスト、ロブ・リーがネットで公開した画像だ。 ウクライナ軍のぬかるんだ塹壕を覆うネットや、ロシア軍の塹壕の出入り口を覆う金属製のメッシュなどが見られる。

歩兵らは小型ドローンがいかに危険なものであるかを理解している。 特に、スピードがあり、遠隔から操作する一人称視点 (FPV) のモデルは要注意だ。 いかに危険かは、ここ数週間で繰り広げられたドローン攻撃からも明らかだ。 FPV ドローンを塹壕襲撃兵器として飛ばしているロシア軍のドローン部隊は、塹壕を保持していたウクライナ軍の歩兵を数人殺害し、命拾いした歩兵らを散り散りにした。

一方のウクライナ軍は、ドローンを使って移動中のロシア軍戦車に擲弾を投下し、損傷させた。 その後、動けなくなった戦車を回収しに来た戦車にも擲弾を落とした。 また、バイクで疾走するロシア軍の防空兵 2 人を FPV ドローンで追い詰めた。 別のウクライナ軍のドローンは、ロシア軍の歩兵部隊が大破した装甲車の中に隠れるところを観察。 爆発物を搭載した2 機目の FPV ドローンが、装甲車の開いたハッチから入り込んで爆破した。

米シンクタンクの戦略国際問題研究所の非常勤上級研究員を務めるサミュエル・ベンデットは、爆発物を搭載した小型ドローンは「あらゆるところにいる」と話す。 そのため、当然のことながら、ドローン防衛も至る所で見られる。 「ドローンや FPV タイプの無人航空機 (UAV) に対するさまざまな防衛手段、例えばコープケージ(鳥かご装甲)やスラット装甲、丸太やそれに類するものが使われている。(ベンデット)」

この手の防衛手段は車両に施されることが最も多いが、今後はそれに限らないかもしれない。 歩兵が身を守るものを求めているからだ。 「両軍とも、高まるばかりの FPV ドローンの脅威にできるだけ早く適応しようとしている」とベンデットは指摘する。 覆いやネット、ケージはあくまで、受動的な応急処置としてのドローン対策だ。 両軍とも、根本的なドローン対策は能動的に撃ち落とすこと、そしてドローンを飛び立たせないようにすることだとわかっている。

そのため、トラックに積まれた機関銃や、さらには射撃スキルの高い兵士に散弾銃を持たせるといった即席の防空手段が増加。 両軍の電子戦部隊の活動も活発化している。 ウクライナ軍が最近得た最も大きな戦果は、ドニプロ川を渡ってロシア軍が支配する南部ヘルソン州に橋頭堡(きょうとうほ)を構築したことだ。 これはウクライナ軍の電子戦部隊がロシア軍の無線通信を妨害し、約 24km にわたってロシア軍のドローンが安全に飛行できない空域を確立したからこそ実現した。

両軍のすべての歩兵小隊が防空網と電波妨害装置を持たないかぎり(非常に多くの小隊が配備されていることを考えると実現の可能性は低い)、歩兵部隊は塹壕に身を潜め、ネットや覆いを設置し続けるだろう。 常在するようになったドローンの脅威から身を守るのに役立つものなら、何でも使うはずだ。. (David Axe Forbes = 11-20-23)


ロシア軍の歩兵戦闘車、自軍兵を誤って轢いた直後に撃破される

2007 年、ジョージア(当時の表記はグルジア)はウクライナから BMP-1U 歩兵戦闘車を 15 両購入した。 BMP-1U は旧ソ連で開発された BMP-1 をウクライナが独自に改良し、火力性能などを強化したモデルだ。 1 年後、ロシアはジョージアに軍事侵攻し、ほどなくしてロシア軍部隊は BMP-1U をすべて鹵獲したとみられる。 ロシアはこれらの BMP-1U を点検したあと、どこかにしまっていたらしい。 15 年後、ロシア軍はその一部あるいは全部を引っ張り出し、前線向けの部隊に配備してウクライナの戦場に送った。

そのうち少なくとも 1 両が今月、ウクライナ東部ドネツク州アウジーイウカ周辺のウクライナ軍陣地に対して、自殺も同然の直接攻撃を仕掛けた。 結果は笑劇のようなものだった。 BMP-1U の乗員は、ウクライナ軍のミサイルを食らいそうだと感づいたのか、あわてて BMP-1U をバックさせる。 だが、そこにはロシア軍の歩兵が、車両を盾にするようにして身を隠していた。 兵士少なくとも 1 人は、13 トン、9 人乗りのこの車両に轢かれてしまう。 死にはしなかったかもしれないが、おそらく重傷を負っただろう。 数秒後、ウクライナ軍の対戦車ミサイルが  MP-1U に撃ち込まれる。 戦場で起きたドタバタの、笑うに笑えないようなオチだった。

多くの人は一連の出来事のブラックジョークのような面に注目するだろう。 たしかに、ウクライナの戦場で機械化歩兵の乗り物になっているこの車両は、戦争の非情さを物語ることにもなった。 1991 年にソ連が崩壊したあと、ウクライナ軍は旧ソ連軍から BMP-1 を 2,500 両あまり引き継いだ。 BMP-1 は現在も、武装を強化した BMP-2 に次いでウクライナ軍で2番目に多い歩兵戦闘車となっている。

だが、BMP-1 には欠陥、それも大きな欠陥がある。 装甲の厚さがわずか 6mm ほどと防御が弱いうえに、主砲の 73mm 低圧滑空砲は打撃力も不足しているのだ。 そこで、ウクライナの砲銃科学技術センターは、一部の BMP-1 の砲塔を、はるかに強力な 30mm 機関砲を搭載した新しい砲塔に取り替えた。 これには BMP-1 の火力を強化する以外に、剰余分を輸出するにあたって車両の価値を高める狙いもあったとみられる。 こうして誕生したのがBMP-1U だった。 ただ、砲塔の大型化にともない、歩兵の定員は 8 人から 6 人に減っている。

ロシアはジョージアで鹵獲した BMP-1U を就役させず、保管することにした。 その理由を理解するのは難しくない。 BMP-1U のシュクバル砲塔はウクライナ製の部品でできており、中隊が 15 両程度しかない BMP-1U を運用しようとすれば、一部は修理用の部品取りに回す必要が出てくるからだ。 ロシア軍が今年、こうした兵站面の困難を受け入れてでも BMP-1U を再就役させたのは、歩兵戦闘車を切実に必要としていることの表れだ。 ロシアが 2022 年 2 月、ウクライナに対する全面戦争を開始した時点で、ロシア軍では BMP-1 が 600 両、BMP-2 が 2,800 両、BMP-3 が 400 両ほど現役だった。

それから 1 年 9 カ月にわたって繰り広げられてきた激しい戦闘で、ロシア軍はBMP-1少なくとも500両を含め、BMPを2000両以上失った。さらに、ロシアの占領下にあるドネツク市近郊のウクライナ軍の防御拠点であるアウジーイウカの攻略に向けて、ロシア軍第 2 諸兵科連合軍が大規模な攻撃を始めてからの 5 週間で、損耗率は著しく上昇している。 第 2 諸兵科連合軍などの部隊は連日、壕に深く入ったウクライナ軍の第 110 独立機械化旅団や第47独立機械化旅団などの部隊に対して、戦車やその他の戦闘車両、歩兵部隊などを投入している。その兵力は数個旅団分の規模だ。

にもかかわらず、ロシア軍はアウジーイウカの両翼でごくわずかしか前進できていない。 兵士は大量に死亡し、車両も数百両破壊された可能性がある。 旧ソ連で製造され、ウクライナで改良され、ジョージアに売却され、ロシアに鹵獲され、ウクライナに投入され、そして自軍の兵士を轢いたあげく破壊されたBMP-1U は、車両の墓場のようになっているアウジーイウカ周辺で、またひとつ墓標を立てることになった。

もっとも、恐怖にかられて運転操作が雑になってしまった車両乗員は、この BMP-1U の操縦士だけではない。この戦争ではロシア側でもウクライナ側でも、焦った操縦士が、下車した仲間の兵士を車両で轢いてしまう映像がこれまでもたくさんあった。 戦争では誰もが常におびえている。防御力が心もとないBMP の乗員はとくにそうかもしれない。BMPの乗員は、爆発があれば即死する危険が常につきまとうのだ。 (David Axe、Forbes = 11-19-23)


ウクライナ、南部ロシア支配域に複数の橋頭堡 ドニエプル川渡河

[キーウ] ウクライナ軍は 17 日、南部ヘルソン州のロシア支配地域で、ウクライナ軍がドニエプル川東岸の陣地からロシア軍を押し出し、複数の橋頭堡を築いたと発表した。 ウクライナ軍がドニエプル川の渡河に成功し、重装備や物資を対岸に輸送できるようになったことで、ロシアが 2014 年に一方的に「併合」したクリミアへの直接的な陸路が開かれる可能性がある。

ウクライナ海軍は、一連の「成功」を収めたとし、複数の橋頭堡を築き、ドニエプル川東岸で作戦を実施したと表明。 ウクライナ軍参謀本部のアンドリー・コバリョフ報道官は「ウクライナ軍部隊はドニエプル川左岸(東岸)でロシア軍を撃退し、地歩を固めた」と述べた。 ウクライナのゼレンスキー大統領はこの日、ウクライナ軍がドニエプル川で高速艇などを使った作戦を実行している様子を撮影した画像を公表。 「力強い前進に感謝する」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。

ウクライナ軍のこの日の発表に対し、ロシアは今のところ反応していない。 ウクライナのイェルマーク大統領府長官は 14 日、米シンクタンクのハドソン研究所で、ウクライナ軍がドニエプル川東岸で足場を確保したと表明。 15 日にはロシアが任命したヘルソン州の責任者、ウラジーミル・サルド氏がウクライナ軍がドニエプル川の渡河に成功し、ヘルソン州のロシアが支配する地域に入ったと認めていた。 (Yuliia Dysa、Olena Harmash、Reuters = 11-18-23)


ウクライナ軍、待ち伏せ作戦でロシアの弾薬輸送車列を攻撃

昔ながらの待ち伏せ戦術だ。 車列の先頭と最後尾を爆破し、他の車両とその乗員を残骸で挟んで動けなくする。 そして生き残った者を狙い撃ちする。 完璧に事が運ばなくても、この戦術は壊滅的な打撃を与える。 ウクライナ軍は 2022 年 3 月に首都キーウ近郊のブロバルイでロシア軍の戦車連隊を撃破するためにこの戦術を実践した。 今年 2 月にはブフレダールでも繰り返した。

そして 11 月 11 日あたりには、南部ヘルソン州のフラドキウカで再びこの戦術を実行した。 数十台のロシア軍のトラック(ウラルとカマズ)の車列がおそらく前線へと弾薬を運搬していたところ、ウクライナ軍のロケット弾が車列の先頭と最後尾で爆発した。 ロケット弾はウクライナ軍が運用する米製の高機動ロケット砲システム (HIMARS) から発射された M30 だったと伝えられている。 M30 は 1 発あたり 18 万個のタングステン球破片を目標に浴びせる。 ほんの一握りの破片でトラックに穴を開け、積み荷を破壊できる。

積み荷が弾薬であれば二次爆発も予想される。 フラドキウカを走行していたロシア軍の輸送部隊の多くはロケット弾による奇襲を免れた。 「この攻撃により、ロシア軍の隊員たちはパニックに陥り、攻撃を免れた車両へと散り散りになった」と独立調査機関コンフリクト・インテリジェンス・チーム (CIT) は記述している。 しかし、ロケット弾とその後に続く二次爆発によって、トラック 16 台が破壊され、ロシア兵 25 人が死亡したと報じられている。

この待ち伏せ作戦は、ほんの数週間前であれば不可能だったかもしれない。 射程約 64km の M30 を装填したウクライナ軍の HIMARS は、ロシアが占領する南部ヘルソン州全域を攻撃できるが、発射するには衛星やドローン、地上の部隊が合図を送る必要がある。 今回の攻撃は明らかに偵察ドローンと連携を取っていた。 ドローンは上空に留まり、ロケットが降り注ぐ中、被害の程度を見極めた。

ウクライナ軍のドローンはますますヘルソン州全域を自由に飛び回るようになっている。 これはウクライナ軍が今夏、同州の制空権を獲得するために苦難に耐えた結果だ。 ウクライナ軍のパイロットや砲手、ドローン操縦士、電子戦の専門家らはロシア軍の防空網に揺さぶりをかけ、ドローンの運用が妨げられないよう、ロシア軍の電子戦システムを標的にした。

現在、ウクライナ軍はヘルソン上空でドローンを自由に飛ばせる。 「フラドキウカでの今回の攻撃は、ウクライナ軍のドローンがロシア軍の後方の奥深くまで入り込むことができるため可能になった面もある」と CIT は指摘。 「一部の親ロシア派のブロガーによると、これはロシア軍の電子戦が不十分なためだという」とも説明した。

たとえ地理的な制約があったとしても、制空は重要な成功要因だ。 ウクライナ軍の海兵隊は 10 月中旬からドニプロ川を渡り始め、クリンキという集落をロシア軍から奪取。 そこに築いた橋頭堡(きょうとうほ)はヘルソン州南部へのウクライナ軍のさらなる進軍につながる可能性がある。 この地でウクライナ軍が前進するごとに、すぐ近くのクリミア半島を占領しているロシア軍の支配力が緩んでいく。

ロシア軍の部隊とその輸送車列はもはや、ヘルソン州でウクライナ軍のドローンの監視と、そのドローンから発射の指示が送られる大砲やロケット弾による砲撃を免れたまま、平野を横断することはできない。 バイクで別の場所に移動しようとして狙われた防空部隊や、ウクライナ軍がフラドキウカで爆破したトラックの不幸な乗員たちがいい例だ。 「ウクライナ軍はクラスター弾を使って絶えず砲撃してくる。 最も重要なことは、投下物を搭載した FPV (1 人称視点)ドローンや UAV (無人航空機)の大群を四六時中飛ばし、負傷者の避難や弾薬の輸送を妨げていることだ」と、あるロシアの従軍記者は書いた。

フラドキウカの待ち伏せ攻撃でロシア側にとって慰めとなるものがあるとすれば、それはもっとひどい結果になった可能性もあったということだ。 最初のロケット攻撃が車列全体を立ち往生させることに成功していたら、犠牲者はもっと多かったかもしれない。 ロシア軍が最も憂慮すべきなのは、数台のトラックを失ったことではない。 ウクライナ南部、特にヘルソンでのロシア軍の補給線に対するウクライナ軍の攻撃がエスカレートしている点だ。

ロシア軍の連隊が、ウクライナ軍の海兵隊をクリンキからドニプロ川の向こうに押し返すために、戦車などを使った反撃を計画できないのには理由がある。 ロシア軍はこれらの連隊への補給に苦労している。 「敵が橋頭堡周辺の上空をどれほど厳重に支配しているか想像してみてほしい」と、あるロシア軍兵士はSNSでつぶやいた。 (David Axe、orbes = 11-17-23)


爆索で地雷原開削、米国製「アサルト・ブリーチャー」がウクライナに

米国は、保有する最も強力な装甲障害処理車両のうち、少なくとも 1 両をひそかにウクライナに供与していた。 おそらく実際は数両供与しているだろう。 11 月 3 日はウクライナの「ロケット部隊・砲兵の日」と「工兵部隊の日」だった。 ウクライナ大統領府が記念に公開した公式写真には、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領らとともに、さまざまな戦闘工兵装備も写っていた。 その 1 枚に、米国製のアサルト・ブリーチャー・ビークル (ABV) 1 両の姿もあった。

ABV は M1 エイブラムス戦車の装甲車体に、地雷などを掘り起こすプラウ(鋤)やドーザーブレード用のマウント、地雷を爆破処理する爆索(爆薬付きロープ)の発射機などを取り付けた、重量 55 トンの地雷・障害物除去車両だ。 乗員 2 人、1 両 400 万ドル(約 6 億円)の ABV は、埋設された地雷を掘り起こして安全に爆発させたり、壕を埋めたり、対戦車用の盛り土を崩したりできる。 乗員は車両の厚い装甲で守られるので、乗ったまま作業可能だ。 開削した場所は目印に小さな旗が立てられ、そこを戦車やその他の戦闘車両が安全に通過できる。

地雷などを除去できる工兵車両にはいろいろな種類がある。 ロシアがウクライナでの戦争を拡大した 2022 年 2 月時点で、ウクライナ軍の工兵部隊は旧ソ連製の障害物除去車両を保有していた。 戦争が年をまたいで続き、ウクライナ軍が南部で反転攻勢を準備するなか、西側の支援国はウクライナに数十両の障害物除去車両を供与した。 それには、フィンランドやノルウェー、韓国で製造された最高峰の車両も含まれる。

ところが奇妙なことに、米国の ABV は、西側が供与を表明した装備一覧には名前がなかった。 米国はウクライナに工兵車両や支援車両も大量に供与してきたが、ABV は除外していたようだった。 米陸軍は最近、米海兵隊から ABV を数十両譲り受け、これらはすべて陸軍にとって余剰分となっていたはずだというのに。 ABV は障害物除去車両としては最も防御力が高く、最も汎用性が高い部類に入る。 地雷除去専用車やブルドーザー、掘削機など、汎用性の低い車両なら 4 - 6 台必要になる作業を 2 両でこなせる。

「現場の指揮官たちは(ABV は)現在使用している、あるいはこれまで使用してきた装備よりも防御力が高く、障害物を処理する地点の車両数も減らせると話しています。」 ABV 用のプラウを製造している英ピアソン・エンジニアリングの担当者、ランダル・フラックはそう述べている。 米海兵隊の ABV 整備士ジョナサン・マリー兵長は、ABV を使えば地雷原の処理を、下車した工兵が手でやるより 10 倍速く行えると説明している。

とりたてて発表もせず、米国はウクライナに ABV を少なくとも 1 両、おそらく 6 両(1 個中隊分)は送っていた。 ウクライナへの軍事支援についてホワイトハウスが定期的に行っている発表のなかでは、「地雷除去装備」というあいまいなカテゴリーに含まれていた可能性が高い。 こうした装備がウクライナ軍にとって必要なのは明白だ。 ウクライナ軍は 9 月、南部ザポリージャ州でロシア軍の第 1 防衛線を突破したが、その奥にはさらに第 2、第 3 の防衛線が築かれている。 1000km 近くにおよぶ前線のほかの防御区域では、地雷や塹壕、対戦車障害物からなる第 1 防衛線もまだ突破できていない。

ABV がウクライナ軍のどの旅団に配備されたのかは不明だ。 だが、どの旅団がそれを必要としているかは明らかだ。 ウクライナ軍が保有する西側製重装備のうち、最高のものを数多く運用している第 47 独立機械化旅団は、6 月上旬に南部で反転攻勢を始めた当初、フィンランドから供与されたレオパルト 2R 重地雷処理車全 6 両も配備されていた。 しかし第47旅団は 6 月 9 日、ザポリージャ州の集落マラトクマチカの南で稠密な地雷原を突破するのに失敗し、レオパルト 2R も 3 両遺棄することになった。 残りのレオパルト 2R は時折目撃されているものの、現在は生き残っている数がゼロに近づき、運用不能になりつつある可能性がある。

ABV は、プラウや厚い装甲などレオパルト 2R にある装備をすべて備えるうえに、レオパルト 2R にない爆索発射機も組み込まれている。 爆索は発射して着弾後、起爆させることで、数百m 先の地雷原を処理できる。 第 47 旅団(編集注 : 現在は東部アウジーイウカの防衛戦に投入されている)は数少ないレオパルト 2R を ABV で置き換えることで、6 月に損耗した地雷処理能力を回復させ、さらには増強することができるだろう。 (David Axe、Forbes = 11-17-23)


ウクライナ、黒海の主導権をロシアから奪還 = ゼレンスキー氏

[キーウ] ウクライナのゼレンスキー大統領は 16 日、ウクライナは水上無人機(ドローン)を活用したことで黒海の主導権をロシアから奪還し、ロシアの海軍艦隊と軍艦を撤退させたと述べた。 同時に、トルコなどの黒海沿岸国の支援に謝意を表明した。 ゼレンスキー大統領は「世界で初めて水上ドローンの編隊が投入された。 投入されたのは黒海で、投入したのはウクライナだ」とし、その結果「ウクライナは黒海の主導権をロシアから奪還することができた」と対話アプリ「テレグラム」に投稿した。

その上で、ロシアは 2022 年 2 月のウクライナ全面侵攻開始当初から黒海沿いの港湾を封鎖し、ウクライナからの穀物輸出を阻害してきたが、ウクライナは力の均衡を変えることができたとし、黒海に面するトルコ、ブルガリア、ルーマニア、モルドバの支援に謝意を表明。 「黒海沿岸の国々の協力とパートナーの支援で、世界の食料市場の安定を取り戻せることが示された」とした。 (Reuters = 11-16-23)


ウクライナの渡河作戦、高官「東岸に足場築いた」、「クリミアの非武装化に進んでいる」

ロイター通信によると、米国を訪問中のウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官は 14 日、米政策研究機関「ハドソン研究所」で講演し、南部ヘルソン州ドニプロ川東岸で、ウクライナ軍が拠点を確保したことを明らかにした。 ウクライナ軍は 10 月から、ロシア軍が占領するドニプロ川東岸への渡河作戦を始めたが、拠点確保を公式に認めたのは初めて。

イェルマーク氏はドニプロ川東岸で「足場」を築いたと述べ、「一歩ずつ、(ロシアが一方的に併合した)クリミアの非武装化に向けて進んでいる。 我々の反転攻勢は進展している」と強調した。 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 14 日、SNS への投稿で、露軍との戦闘が続く東部アウディーイウカでは露軍に多くの被害が出ていると明らかにし、「露軍がアウディーイウカで兵士を失えば失うほど、全体の戦況は敵に不利になっていく」と徹底抗戦を続ける姿勢を示した。 (yomiuri = 11-16-23)


アウジーイウカ攻防戦、ロシア軍の車両損失はウクライナ側の 14 倍

ウクライナ軍の第 47 独立機械化旅団を主力とする部隊は 6 月上旬、南部ザポリージャ州のロシア軍陣地を攻撃し始めるとすぐ、想定以上に密度の高い地雷原にぶつかった。 以後 5 カ月にわたる激しい戦闘で、ウクライナ軍部隊はザポリージャ州で重要な集落をいくつか解放し、ロシア軍が要塞化した主要防衛線の最も外側のラインも突破した。 ただ、主な 3 つの攻勢軸で前進できた距離は 15 - 20km ほどにとどまっている。

とはいえ、ウクライナ軍はこれらの戦果を歴史の先例に反するかたちで収めている。 通例では、攻撃側の軍隊の人員や装備の損耗は防御側の 3 倍にのぼるとされる。 だが、ザポリージャ戦線で攻める側であるウクライナ軍の損耗は、守る側のロシア軍と同程度にとどまっている。 対照的なのが、東部ドネツク州でのロシア軍の戦いぶりだ。 ロシア軍第 2 諸兵科連合軍隷下の数個旅団は 10 月 10 日、ウクライナ軍の防御拠点であるアウジーイウカに向けて攻撃を開始した。 アウジーイウカはウクライナ軍の第 110 独立機械化旅団などが守備しており、その後、西側の高性能兵器を擁する第 47 旅団が増援に投入された。

アウジーイウカ戦役の最初の 4 週間で、攻撃側のロシア軍は防御側のウクライナ軍の 14 倍もの車両を失った。 これも歴史の先例に反している。 ザポリージャ戦役でのウクライナ軍と反対に、こちらではロシア軍が攻撃側としても異例なほど損害を膨らませているのだ。

ロシアがウクライナで拡大して 22 カ月目になる戦争で、両軍の装備の損失(撃破・損傷・遺棄・鹵獲)をソーシャルメディアに投稿された写真や映像から集計しているオープンソース・インテリジェンス (OSINT) アナリストらによると、ザポリージャ州での車両損失数は 11 月 10 日時点でウクライナ軍が 518 両、ロシア軍が 600 両となっている。 他方、アウジーイウカ方面では同日時点で、ウクライナ軍の損失がわずか 16 両なのに対して、ロシア軍の損失は 221 両に達している。

損失の内訳にも違いがある。 ザポリージャ州ではウクライナ軍の場合、歩兵による急襲に用いている装甲トラックを多く失った。 ロシア軍のほうは、戦車や補給用トラックの損失が比較的多い。 戦車はウクライナ軍のドローン(無人機)や大砲の犠牲になり、トラックは次第に防御が弱まっている補給線を移動中に破壊されている。

アウジーイウカ方面では、壕に入っているウクライナ軍は全体の車両損失数自体が少ない。 ただ、第 47 旅団は貴重なレオパルト 2A6 戦車を 1 両失っている。 一方のロシア軍はあらゆる装備を失っていて、とりわけ戦車や歩兵戦闘車の損失がかさんでいる。第 2 諸兵科連合軍は戦車や歩兵戦闘車を無謀にも正面から突っ込ませ、案の定、失敗するということを繰り返している。

ウクライナ軍がどのように損失を抑えているのかを理解するのは難しくない。 ウクライナ軍は、6 月に反転攻勢を始めた直後に大きな損害を被った。 それに学んだ指揮官たちは、攻撃のペースを落とし、各戦場で大砲やドローンを入念に配備したうえで、ロシア軍陣地を側面から攻めるようにしている。 ウクライナ軍が南部の主要な反攻軸で十数kmかそこらしか前進できていないのは、慎重に戦いを進めているからだ。 ロシア軍によるアウジーイウカ周辺での反・反攻の進め方は、その対極にある。

ウクライナ軍の指揮官たちは明らかに、戦闘で被る自軍の損害を気にかけている。 ロシア軍の指揮官たちは明らかにそれを気にかけていない。 この違いが戦争の結果にどう影響するかは簡単には答えられない。 (David Axe、Forbes = 11-16-23)


EU 外相「生産能力はある」 弾薬 100 万発の供給目標

欧州連合 (EU) の外相にあたるボレル外交安全保障上級代表は 14 日、EU 国防相会合後の記者会見で、ウクライナに対して来年 3 月までに計 100 万発の弾薬を提供するという EU の目標について「弾薬の生産能力はあり、必要なのはウクライナへの弾薬生産の優先順位を上げることだ」と述べた。 加盟国がこれまでに供与できたのは、計 30 万発にとどまっている。 そのため、ドイツのピストリウス国防相はこの日の会合で「100 万発は達成できないだろう」と述べていた。 ボレル氏は少なくとも 18 万発がすでに発注されており、「今年か来年に納品される」とした。 (asahi = 11-15-23)


英国防省「ロシアのレーザー誘導弾改良、冬の戦況を左右」

英国防省は 14 日、ロシアがレーザー誘導弾の生産を増やし、悪天候時の性能も改良すると発表したことについてSNSで言及し、通常兵器を十分に生産できていないことが背景にあるとの見方を示した。 改良が進んだレーザー誘導弾をロシアが入手できるか否かは、この冬のウクライナでの戦況を左右する重要な要因だと指摘。 ロシアがレーザー誘導弾の生産効率化を図ろうとしている、と分析した。 (asahi = 11-14-23)


レオパルト 2 戦車と M2 歩兵戦闘車、ヒットエンドラン戦術でロ軍の進撃阻む

ウクライナ軍の第 47 独立機械化旅団には、ドイツとポルトガルから今年初めに供与されたレオパルト 2A6 戦車 21 両のうち、まだ 17 両が残っているとみられる。 砲身の長い 55 口径の主砲を備えた重量 69 トン、乗員 4 人のこのハイテク戦車は、ロシアがウクライナで拡大して 22 カ月目になる戦争で使われている戦車としては、最高の部類に入るものだ。 ただ、ウクライナ軍ではもともと数が少なかったうえ、このところ損失が続き「絶滅危惧種」の戦車にもなっている。

だが、第 47 旅団唯一の戦車大隊はそんなことなど気にするそぶりも見せていない。 戦車兵たちは相変わらず積極的に戦い続けている。 第 47 旅団の 5 カ月におよぶ最初のローテーション中、ずっとそうだったように。 その期間、第 47 旅団は、ウクライナ軍が 6 月初旬に南部で始めた反転攻勢で最初の(そして大きな損害を出した)攻撃の 1 つを主導していた。 南部のザポリージャ州で 4 カ月にわたって主力として戦った第 47 旅団は、10 月に東部のドネツク州に転戦した。 1 カ月にわたり、ロシア軍の数個旅団による猛攻にさらされているウクライナ軍の防御拠点、アウジーイウカの守備隊に加勢するためだ。

第 47 旅団は南部で生き延びてきた 18 両のレオパルト 2A6 のほか、100 両かそこらの米国製 M2 ブラッドレー歩兵戦闘車 100 両を引き連れてきた。 アウジーイウカの脆弱な北面に到着するや、さっそく戦闘を開始し、ほどなくしてロシア軍の砲撃でレオパルト 2A6 を 1 両失った。 ロシア軍の歩兵が果敢にも撃ち込んだロケット推進式てき弾 (RPG) が、ついていたというべきか、装甲の薄い側面に命中したのだった。 一部始終を見ていた「ヴォヴァ」というロシア軍のドローン操縦士は「レオパルトがやられたぞ」と無線で叫んでいる。 「レオパルトが初めてやられた!」

だが、仲間の 1 人はもう少し冷静だった。 炎上するレオパルト 2A6 から脱出する乗員たちに罵声を浴びせるヴォヴァに対して「声がでかいぞ。 レオパルトはまだたくさんいる。」とたしなめた。 はたして、第 47 旅団は以後もアウジーイウカ周辺で反撃を続けている。 M2 とレオパルト 2A6 が急襲チームを組み、ロシア側の陣地に近づいては数発射撃し、猛スピードで走り去るという攻撃を繰り返している。

レオパルト 2A6 はこうしたヒットエンドラン戦術に向いている。 レオパルト 2A6 は速い。 さらに重要なのは、後進するのも速いことだ。 レオパルト 2 のような北大西洋条約機構 (NATO) 式の戦車は、基本的にリバースギアが充実している。 対してソ連式の戦車は、ガスタービンエンジン搭載の T-80 戦車のような例外はあるものの、概して後進速度は遅い。

したがって、ある戦闘で後退することになった場合、ロシア軍の戦車乗員は難しい選択を迫られる。 ギアをリバースに入れて後進するとしよう。 この場合、最も装甲が厚い正面を敵側に向けたままにできる。 だが、速度は 5 キロ弱しか出ず、前進時の最高速度の 10 分の 1 ほどでのろのろと動くことになる。 他方、旋回して高いギアで走り去るとすればどうか。 この場合、旋回には時間がかかるうえ、最も装甲が薄い後部を敵側にさらす格好になる。 つまり、どちらにしても、ロシアの戦車は退却時にはきわめて脆弱になるのだ。

対照的にレオパルト 2A6 は、最も防御力が高い正面を敵側に向けたまま、時速 30 キロ強で後退できる。 第 47 旅団のレオパルト 2A6 も先週、ミサイルで武装した M2 少なくとも 1 両と組んでアウジーイウカ周辺のロシア軍陣地を襲撃した際、そうした機敏な動きを見せている。 ロシア軍のドローンが上空から監視するなか、ウクライナ軍のレオパルト 2A6 と M2 のチームは、敵からの砲撃をぎりぎりのところで交わしながら、ロシア軍側に向けて突進する。 だが、M2 は敵弾を食らって動けなくなる。 レオパルトは数発射撃し、バックして急いで後退する。 その後、損傷した M2 のもとには別の M2 が救援に駆けつけ、牽引して運び去ろうとしている。

この戦闘で双方にどれくらいの人的損害が出たのかを評価するのは難しい。 また、ウクライナ側が襲撃の目的を達成できたのかを判断するのも同様に難しい。 とはいえ、ロシア側のウォッチャーたちが言っていることは注目に値する。 「ロシアの複数の軍事ブロガーは、ウクライナ軍部隊が 10 日、アウジーイウカ方面で逆襲し、以前失っていた複数の陣地を取り戻したようだと述べている」とワシントン D.C. にある戦争研究所 (ISW) は報告している。 ISW によれば、ある軍事ブロガーは「ウクライナ軍部隊は失った陣地を取り戻すために、一貫して反撃を試みている」とも言及している。

機械化部隊による機動的な襲撃は、ウクライナ軍がアウジーイウカ周辺でロシア軍の前進を頓挫させる方法の 1 つだ。こうした襲撃が続けられているのも、ひとえに第 47 旅団がなお積極的に攻撃していく姿勢だからだ。 何カ月も前線で戦い続け、保有する戦車が減ってきているにもかかわらず。 ただ、そこでレオパルト 2A6 の急速バック性能が果たしている役割も軽視すべきではないだろう。 第 47 旅団の戦車兵がヒットエンドランできるのは、すばやく比較的安全なかたちで後退し、敵の攻撃から逃れられるからなのだ。 (David Axe、Forbes = 11-14-23)

ウクライナ、ロシア占領地域や国内で破壊工作活発化 … 貨物列車爆破や自動車爆発など

ロシアの侵略を受けるウクライナは最近、ロシアの占領地域や露国内で露軍の関係施設や鉄道の爆破などの破壊工作を活発化させている。 反転攻勢が進まない中、局地的な破壊工作で揺さぶりをかける狙いのようだ。

ウクライナ国防省情報総局は 12 日に SNS への投稿で、ロシアが一方的に併合を宣言した南部ザポリージャ州メリトポリで行われた 11 日の露軍の会合で爆発があり、少なくとも 3 人の将校が死亡したと明らかにした。 地元の抵抗運動のメンバーらが実行したという。 米政策研究機関「戦争研究所」はウクライナの公共放送局の報道を引用し、ロシアのモスクワ南東にあるリャザン州で 11 日に貨物列車が爆発して脱線した事故について、ウクライナの情報総局が関与したと指摘した。 情報総局は、東部ルハンスク州で 8 日に親露派政治家が死亡した自動車爆発にも関与した。 (yomiuri = 11-13-23)


"冬に向けて無人機やミサイルなどを" ゼレンスキー大統領が露軍戦術に警戒呼びかけ

ウクライナのゼレンスキー大統領は 12 日のビデオ演説で、ロシア軍は冬に向けて無人機やミサイルなどを生かした戦術をとるとの見方を示し警戒を呼びかけました。 12 日夜に公開されたビデオ演説で、ゼレンスキー大統領は、「ロシアがインフラに対する無人機やミサイルによる攻撃の数を増やす可能性に備えなければならない」と述べました。 ロシアが冬に向けて、兵器数の優位を生かして地上戦から無人機やミサイルなどを多用する戦術に切り替えようとしているとみて警戒を呼びかけたとみられます。

こうした中、ウクライナメディアの取材に応じたセレズネフ元ウクライナ軍参謀本部報道部長も 12 日、ロシアは自らの兵器生産能力と北朝鮮からの供給によって、蓄積があり、「冬に向けて天候が悪化するとミサイル攻撃などに切り替える可能性が高い」と述べました。 こうした中、ロシア軍は 11 日、キーウ州の弾薬庫を攻撃したと発表していて、キーウの軍事行政トップも SNS に「52 日間の長い休止の後、敵はミサイル攻撃を再開した」と投稿しました。 (日テレ = 11-13-23)

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