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ウクライナ、東部アウディーイウカで防戦続く … ロシア軍が 4 万人集中し 1 日 60 回超攻撃

ロイター通信によると、ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州アウディーイウカの周辺を包囲するため、約 4 万人の兵力を集めて猛攻を仕掛けている。 ウクライナ軍の防戦が続いている模様だ。 エストニア公共放送は 10 日、同国軍関係者の見方として、露軍はアウディーイウカを含むウクライナ東部に 1 日 60 回超の攻撃を仕掛け、主導権を握っていると伝えた。

エストニアは北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国で、国境を接するロシアへの警戒を強めている。 エストニア軍高官は、アウディーイウカの戦況について、ウクライナ軍が持ちこたえているが、兵力に余裕がある露軍が制圧する可能性に言及した。 アウディーイウカの制圧は前線への補給を容易にし、露軍にとって戦略的な価値があるとも語った。 (yomiuri = 11-12-23)


旧式のレオパルト 1A5 約 200 両を手に入れるウクライナ、求められる新戦車戦術

レオパルト 1 戦車が次々とウクライナに送られている。 ドイツ、デンマーク、オランダのコンソーシアムが、ロシアと戦うウクライナにドイツ製レオパルト 1A5 戦車 100 両を供与すると発表してから 9 カ月が経つ。 この間、コンソーシアムとして、またデンマークだけで計 95 両のレオパルト 1 が追加された。 ドイツは 11 月 1 日に新たな支援を発表し、そこには追加のレオパルト 1A5 が 20 両含まれている。 第 1 弾の 20 両ほどのレオパルト 1A5 はすでにウクライナに到着し、新設の第 44 機械化旅団内の中隊に配備されているようだ。

ウクライナは 1980 年代に生産された軽量のレオパルト 1A5 を 195 両以上受け取ることになっている。 これはウクライナ軍が運用する西側式の戦車としては群を抜いて多いものとなりそうだ。 ウクライナ軍が保有する戦車でレオパルト 1A5 より多いのは、ウクライナ国産の T-64 と、ウクライナが 1991 年に 旧ソ連から引き継いだか、欧州の同盟国から最近入手した各種の T-72 だけだ。 これらのレオパルト 1A5 の供与は、危険ではあるがチャンスだ。 ウクライナ軍が待望の反攻を開始してから 5 カ月が経つ。 同盟国は最高の戦車であるレオパルト 2 を 85 両供与すると約束し、ウクライナは受け取った 71 両を戦線に投入。 そして少なくとも 13 両を失っている。

こうした損失を補うものが必要だ。 北大西洋条約機構 (NATO) に加盟しているどの同盟国も、これ以上レオパルト 2 を手放そうとはしていない。 また、英国にも追加でチャレンジャー 2 戦車をウクライナに送る気配はない。 英国はチャレンジャー 2 を 14 両送り、ウクライナはそのうちの 1 両をすでに失っている。 そして米国はといえば、供与を約束した 31 両の M1 エイブラムス戦車を 2 倍、3 倍、10 0倍に増やすことは簡単にできるかもしれないが、米議会の共和党議員は、ロシアのプーチン政権をますます擁護しており、ウクライナへの追加の軍事支援を遅らせるか、あるいは阻止する可能性さえある。

ウクライナが自国での戦車生産を再開しない限り、ドイツのレオパルト 1、チェコの T-72、ポーランドのさまざまな旧ソ連スタイルの戦車だけが、ウクライナが大量に受け取ることができる戦車だ。 戦車の生産には巨額の投資が必要であることを考えると、ウクライナで生産が再開される可能性は低い。 砲手は EMES-18 が計算する間、十字線を敵に合わせ続けるだけでいい。 その後、仰角を算出するためにレーザーを発射し、そして撃つ。 追跡、しばしの時間、炎とすべてが矢継ぎ早に展開される。 誘導が外れても、レーザーを発射する手間をかけずにまた撃つことができる。

EMES-18 の使いやすさ、ひいてはレオパルド 1A5 の射撃速度は有名だ。 今では最新の戦車はすべて、仰角と誘導を自動調整する射撃管制システムを備えているが、そのほとんどは両方の調整にレーザーからのデータを用いる。 そして、射撃管制システムの多くは EMES-18 よりも遅い。 T-64 は自動装填装置を搭載しているにもかかわらず、通常 1 分間に 8 発も撃てない。 人間が装填し、高速の射撃管制を行うレオパルト 1A5 は 1 分間に 10 発は撃てるだろう。

レオパルト1A5の最大の弱点は、現代の水準からすると装甲が薄いことだ。 重量 70 トンのレオパルト 2 は、より大型の主砲の搭載と装甲の強化を念頭に開発が行われた。 レオパルト 1A5 は軽量で、レオパルト 2 の半分強ほどしかない。 軽いのは主に装甲が薄いためで、最も厚いところでも 70mm しかない。 これはレオパルト 2 の装甲の 10 分の 1 だ。 レオパルト 1A5 を運用するブラジル軍はこの問題に戦術で対処している。 同軍の将校アドリアーノ・サンティアゴ・ガルシアは 2020 年に米陸軍の軍事専門誌『アーマー』に「持っているもので戦う」と書いている。

レオパルト 1A5 に関していえば、それはかなり高精度の砲で敵軍を狙撃できる位置に戦車を置くと同時に、反撃から戦車を守るためにあらゆることを行うことを意味する。 「有利な場所を確保すること」、「カモフラージュを使うこと」とガルシアは強調した。 戦車長は自分たちの車両の操縦方法を研究しなければならない」とガルシアはいう。 「射撃が可能な地点で守られながら敵の陣地に接近し、陣取ったり、ダメージを与えたりするために、安定した、意気のあった操作で姿を消す。」

ウクライナ軍がやってはいけないのは、これまでレオパルト 2 で頻繁に行ってきた歩兵の支援なしに、小さなグループでロシア軍の陣地へ直接乗り込むという作戦だ。 200 両というのはかなりの数だが、適切に配備しなければ、すぐに失ってしまうだろう。 (David Axe、Forbes = 11-12-23)


ウクライナ軍、露揚陸艇 2 隻撃沈 クリミア西部

ウクライナ国防省情報総局は 10 日、ロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島西部のウズカヤ湾で海上ドローン攻撃を行い、露海軍の揚陸艇「アクラ」、「セルナ」の計 2 隻を撃沈したと発表した。 両揚陸艇が沈没したことを示す写真も公表した。 同情報総局は、両揚陸艇が黒海海域で露軍の防空を担っていたと指摘。 両揚陸艇の喪失で露軍の防空力がさらに低下するとした。

ロシアの侵略を受け、海軍力で劣るウクライナは海上ドローンの開発・製造に着手。 8 月以降、黒海海域で露大型揚陸艦や哨戒艦、燃料タンカーなどに損傷を与えた。 ウクライナは同時期、クリミア周辺に露軍が配備していたレーダーや防空システムを相次いで無力化しており、一連の攻撃が成功した背景には露軍の制海力の低下があると分析されている。

一方、激戦が続く東部ドネツク州アブデーフカの防衛戦を巡り、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は 10 日、過去 1 カ月間に露軍に約 1 万人の人的損害を与えたほか、露軍の戦車や装甲車計 350 両、スホイ 25 攻撃機 7 機を撃破したと明らかにした。 ウクライナメディアが伝えた。 (sankei = 11-11-23)


ウクライナの新たな突破口候補に ドニプロ川左岸で海兵隊が前進続ける

西側の多くの専門家や政治家がウクライナでの戦争は「膠着状態」に陥っていると断じ、ウクライナはロシアと停戦交渉をすべきだと主張している。 ウクライナの子どもたちを連れ去り、ウクライナの都市を爆撃し、ウクライナの市民を殺害しているロシアと。 そんななかで、ウクライナの海兵隊は攻撃に乗り出した。 3 週間前、海兵隊部隊はウクライナ南部ヘルソン州の広いドニプロ川を渡り、ロシアの支配下にある左岸(東岸)側の集落クリンキに橋頭堡(きょうとうほ)を確保した。

クリンキから、さらに南へと海兵隊部隊は前進している。 それを通じて、ウクライナ軍の 5 カ月にわたる反転攻勢を拡大してみせている。 ロシアの指導者ウラジーミル・プーチンの体制をなだめたいらしい、外国の識者らの言い分を否定するかのように。 次に何が起こるかは誰にもわからない。 一方、海兵隊のクリンキ渡河に先立って何が起きていたかは徐々に明らかになりつつある。 ウクライナ軍は、ヘルソン州のロシア軍部隊を電波と補給の両面で孤立させ、強襲渡河作戦に向けて精鋭部隊を転用し、そのうえで、ヘリコプター部隊による大胆な掩護も行いながら複数の軸で攻撃に出た。

クリンキ作戦は、舟艇に乗り込んだ最初の海兵隊部隊がドニプロ川を越える数カ月前、つまり夏にはもう始まっていた。早くも6月、ウクライナ軍がドニプロ川左岸に強力な電波妨害装置をいくつも展開していると伝えられている。 これは、幅 20 キロメートル弱の範囲に、爆薬を積んだロシア側の FPV ドローン(無人機)が安定して活動できず、かつウクライナ側のドローンは活動できる区域をつくり出すためだった。

「ウクライナ側は、川を移動できる強力なドローンジャマー(ドローンの通信に使われる電波を妨害する機材)を複数投入するとともに、これらのジャマーに干渉されない周波数帯域を使うやや大型の FPV ドローンを配備した」元米国防契約管理局 (DCMA) 品質監査官で、電子戦に詳しいトレント・テレンコはそう解説している。

並行して、ウクライナ軍は無人機や有人の軍用機でロシア軍の電波妨害装置を見つけ出しては破壊していった。 そのため、ロシア軍はウクライナ軍のドローンがドニプロ川上空を飛行するのを妨げられなくなった。 ウクライナ側がロシア側の電波妨害装置を精密攻撃で破壊した証拠はいくつもある。 そうした装置には、トラックに取り付けられた移動式タイプもあった。

ウクライナ軍は電子面の対航空作戦を進めるかたわら、南部ザポリージャ州のメリトポリやトクマクを経てヘルソン州南部に通じるロシア軍の補給線の遮断にも取り組んだ。 ウクライナの陸軍や空中襲撃軍(空挺軍)の部隊はこの夏、多くの損害を出しながらもザポリージャ州ロボティネを突破し、ロシア軍の要衝となっているトクマクに向けて前進した。 その結果、ロシア軍の兵站はウクライナ軍の長距離兵器の射程内にゆうに入るようになった。

「この兵站回廊はウクライナによる(ロシア占領地の)解放が進むごとに狭くなっていく」と、ワシントン D.C. にある欧州政策分析センター (CEPA) の上級研究員ジャン・カルバーグは説明している。 カルバーグは「冬が近づくにつれて、メリトポリ以西の兵站の状況はますます悪化していく可能性が高い」とも予想している。 ただ、状況はすでに悪いとみられ、ロシア軍はドニプロ川左岸の部隊への補給に苦慮している。

東部ドネツク州から転戦してきたウクライナ海兵隊の第 35、第36、第 38 各海兵旅団の部隊は、10 月 19 日からクリンキ一帯に上陸し始めた。 その直後、左岸に配置されているロシア軍の自動車化狙撃連隊には、逆襲して海兵隊部隊を川の中に押し戻せたかもしれない機会があった。 だが、クリンキに進んできたロシア軍の車両は、ウクライナ軍のドローンの餌食になった。 T-72 戦車少なくとも 1 両もやられている。 ロシア側の反撃が失敗するごとに、ウクライナ軍が舟艇や水陸両用車両でより多くの兵士、あるいはより重い装備を渡河させる機会が広がっていった。 もしかすると浮橋(ふきょう)も使われたかもしれない。

渡河作戦は空からの攻撃にきわめて弱いが、ヘルソン州のドニプロ川上空で航空優勢を確保しているのはロシア側でなくウクライナ側だということがすぐに明らかになった。 ウクライナ軍は超低空でのロケット弾攻撃のために Mi-24 攻撃ヘリコプターも投入した。 ロシア側のある観察者は Mi-24 による攻撃を「大胆な戦術」と評している。 ヘルソン州でのこの反転攻勢は 2 カ月目に入り、さらに拡大・加速している。 ロシア側の情報筋は今週、ウクライナの海兵隊部隊がクリンキの西方の 2 つの集落、ポイマとピドステプネで新たに上陸したと報告している。

冬が近づいている。 ウクライナでは冬になると地面がぬかるむ。 東部のバフムートやクレミンナ、アウジーイウカの周辺では黙示録的な機械化戦が繰り広げられてきたが、今後、車両の車輪が泥にとられるようになると沈静化に向かうかもしれない。 クリンキの海兵隊部隊にとっては、泥はさほど問題にならないだろう。 彼らは 10 - 15 人のチームで主に徒歩で前進するので、天候が悪化しても反攻を継続できそうだ。

ウクライナ軍の将官オレクサンドル・タルナウスキーは、CNN のインタビューでこう語っている。 「前進する際に天候は深刻な障害になり得る。 しかし、わが軍の部隊の前進方法を考えた場合、車両を使わず前進することがほとんどなので、この段階の反攻に大きな影響があるとは思わない。」 (David Axe、Forbes = 11-11-23)

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ロシア、ウクライナによるドニエプル川東岸での橋頭堡建設を阻止

[モスクワ] ロシア軍は 10 日、ドニエプル川東岸とその近隣諸島で橋頭堡を築こうとするウクライナ軍の試みを阻止し、この 1 週間で約 500 人のウクライナ兵を殺害したと発表した。 ロイターはロシア国防省が声明で発表したこの情報を独自に確認することはできていない。 ロシア国防省の声明によると、ウクライナ南部ヘルソンで戦闘が発生したという。 (Reuters = 11-11-23)


ウクライナ優位揺らぐ無人機戦闘、ロシアが大量配備で主導権握る地域も

[ドネツク州・ウクライナ] ウクライナ軍の攻撃用小型無人機(ドローン)操縦士の間で、今までロシアに対して築いてきた優位が覆されつつあるとの懸念が広がっている。 ロシア側が資金と資源を無人機に投入し、戦場に大量配備し始めたからだ。 ウクライナが機動性の高い「FPV (一人称視点)無人機」をいち早く活用したことは、ロシアの侵攻に対して最も大きな成功を収めた低コストの防衛戦略になった。 しかしロシアも次第に無人機の有効性を学び、活用範囲を拡大している。

両国とも FPV 無人機に搭載したカメラの映像を毎週のように公開。 そこに映るのは数百ドルで製造されたこの無人機が、ずっと高額な敵の戦車やレーダーシステムを破壊する光景だ。 こうした中でドネツク州東部バフムト近くの戦場で活動するウクライナ第 80 独立空中強襲旅団所属の無人機操縦士らは、ロシアがより組織的な供給態勢と多くの予算を駆使して主導権を握り出したと明かした。 「コムラード」と名乗る 34 歳の操縦士は「ロシアの無人機は昼も夜もずっと飛び回っている。 彼らが偵察や監視、攻撃用の無人機を量産化していることが分かる」と語った。

バフムト近郊の戦場だけでロシアとウクライナの FPV 無人機戦力の全体的な比較は難しい。 ただこの操縦士の実感としては、前線における「戦力比」はロシアがウクライナのほぼ 2 倍だという。 同旅団のベテラン下士官は、狙うべき敵の数に対して自分たちの保有する無人機が絶対的に不足していると嘆いた。 ある専門家は、ロシアが国内防衛産業の設備増強に加え、各種ボランティア団体の生産も通じて FPV 無人機の大幅な増産に動いていると分析。 「今年は無人機を戦場に大量投入するというロシアの努力にとって重要な節目だったし、来年はもっと取り組みが強化されるはずだ」と述べた。

一方ウクライナ側は、より航続距離が長く大型の偵察用ないし攻撃用無人機の生産には政府が直接予算を拠出しているが、小型無人機の大半は民間からの買い上げと個人の寄贈に頼っている。 政府は現在、一部の FPV 無人機の供給に乗り出したものの、第 80 独立空中強襲旅団の操縦士らの話では、民間頼みという構図はまだ続いているという。 (Max Hunder、Reuters = 11-10-23)


ロシア占領下のドネツク、ウクライナ側が建物を精密攻撃で破壊

ウクライナ国営通信によると、ウクライナ国連代表部のメンバーは 8 日の国連安全保障理事会の会合で、ロシアの占領下にある東部ドネツクの建物を精密攻撃で破壊したと明らかにした。 建物が無人機の組み立てや操縦士の訓練を行う軍事拠点だったとして、紛争時の文民保護などを定めた「ジュネーブ条約の規定に沿うものだ」と強調した。 タス通信によると、会合はロシアの要請で開催された。 ワシリー・ネベンジャ露国連大使は「市民を狙った攻撃で、国際人道法違反だ」と主張した。 ドネツクの親露派勢力は、市街地への攻撃で少なくとも市民 55 人が負傷したと発表しており、国際世論を意識した情報戦の様相を呈している。

一方、ウクライナ軍は 8 日、露軍のミサイルが南部オデーサ付近の港で荷積みをしていたリベリア国旗を掲げた民間船に命中し、1 人が死亡、4 人が負傷したと発表した。 ウクライナ政府高官の SNS への投稿によると、船は鉄鉱石を中国に運ぶ途中だったという。 ロシアは今年 7 月にウクライナ産穀物を黒海経由で輸出する合意から離脱した後、オデーサなど黒海に面する輸送拠点への攻撃を繰り返している。 (yomiuri = 11-10-23)


ウクライナの EU 加盟、交渉開始を勧告 欧州委「90% 以上達成」

ウクライナが申請している欧州連合 (EU) への加盟について、EU の行政を担う欧州委員会は 8 日、交渉開始を勧告した。 12 月に開かれる EU 首脳会議に諮られ、加盟 27 カ国が全会一致で賛成すれば、ウクライナとの加盟交渉が始まる。 同日、記者会見に臨んだフォンデアライエン欧州委員長は「必要なステップの 90% 以上を達成した」と強調。 EU が求める司法改革などの分野におけるウクライナの取り組みが、大幅に改善したと評価した。 これを受けてウクライナのゼレンスキー大統領は「今日、全欧州の歴史が正しい一歩を踏み出した。 ウクライナ人はこれまでも、そしてこれからも『欧州』という家族の一員だ」とコメントした。

欧州委員会がこの日まとめた報告書では、EU が改善を求めていた七つの項目のうち、「憲法裁判所の改革」、「司法改革の継続」、「資金の洗浄(マネーロンダリング)の防止」、「メディア分野の改革」の四つで履行が完了したと判断された。 汚職防止など残る 3 項目については、来年 3 月までに完了を求めるという。

汚職防止、オリガルヒ … 残された課題は

報告書では、特に司法改革について、憲法裁判所判事の選考で透明性の高いシステムを確立したことで、汚職捜査と有罪判決が大幅に強化されたと指摘。 フォンデアライエン氏は「進展は目覚ましいものだ。 2014 年のユーロマイダン革命から、ウクライナが EU 加盟を熱望していることは明らかだった。 10 年間の『闘い』の結果だ」とたたえた。

改善が必要と判断されたのは、「汚職の防止」、「オリガルヒ(新興財閥)の影響力の制限」、「少数民族に関する法改正」の 3 項目。 とりわけ、ウクライナの加盟を語る上で「急所」と言える汚職対策は、「ある程度の進展はあった」とされたが、汚職を専門にする検事総長と対策局長が新たに任命されなかったことを欧州委は問題視。 汚職対策に取り組む部局の人員を増やし、職員が職務に就く以前に取得した資産も、同様に調査対象とすることを求めた。

加盟交渉の開始は、12 月に開かれる EU 首脳会議に諮られる。 27 カ国の全会一致のため、加盟国の要望次第では、北マケドニアやアルバニアのように数年、交渉が始まらない可能性もある。 欧州委員会はこの日、ウクライナのほかに、モルドバにも交渉開始を勧告し、ジョージアを新たに「加盟候補国」として承認した。 (ブリュッセル = 牛尾梓、asahi = 11-9-23)


ウクライナ海兵隊、ドニプロ川左岸に装甲車両運搬 新たな前進へ橋頭堡広げる

ウクライナ軍はここ数日の間に、南部ヘルソン州で米国製の軍用車両「ハンビー」 1 両を遺棄した。 ロシア軍部隊はそれを破壊し、焼失させた。 だがこの損失は、自由なウクライナを支持する人たちにとってむしろ朗報だ。 理由はこのハンビーが乗り捨てられていた場所にある。 そこはドニプロ川の左岸(東側)だったのだ。 ドニプロ川の左岸地域はほとんどがロシアの支配下にある。 ウクライナ軍部隊は 10 月下旬以降、波状的な襲撃を通じてドニプロ川左岸に狭い橋頭堡(きょうとうほ)を築いていた。 ハンビーがドニプロ川左岸にあったということは、ウクライナ軍がこの広い川を渡らせて、橋頭堡との間で車両を行き来させるのに成功したことを意味する。

ウクライナ軍の重装備がドニプロ川を渡河していることを示す証拠は、燃えていたハンビーだけではない。 7 日、ロシアの空挺兵らしい人物は通信アプリ「テレグラム」の人気チャンネルで、ウクライナ側は「左岸に移ってきただけでなく、岸辺のいくつかの陣地を奪い、複数の集落の一部を支配した」とこぼしている。 「(ウクライナ側は)陣地を保持し、ドニプロ川を越えて装甲車両を運び込んでいる」ともこの人物は述べている。 ドニプロ川を渡る車両が増えるごとに、ウクライナ軍が橋頭堡を保持し、拡大するチャンスは高まることになる。

ウクライナ軍が 5 カ月におよぶ反転攻勢で新たな戦線を開いたというのは、現段階では時期尚早かもしれない。 だとしても、そういえる日が来るのは遠くないだろう。 ウクライナ軍は 2022 年末、ドニプロ川右岸のヘルソン州北部一帯を解放した。 以来、ドニプロ川を越えて小規模な襲撃をたびたび仕かけてきた。 通常は、ロシア兵数人を殺害もしくは捕虜にし、ロシア側にある程度の損害を与えたあと、砲撃やドローン(無人機)による攻撃が始まりそうな頃合いに撤収する。

だが、10 月 19 日に始まった渡河作戦は違った。 今回ドニプロ川を渡ったウクライナ軍部隊は撤収せず、左岸にとどまった。 ウクライナ海兵隊第 38 独立海兵旅団の一部とされるこの部隊は、作戦開始から 10 日後、まだ左岸にいるばかりか、川沿いにある集落クリンキ周辺で支配区域を広げている。 5km ほどの細長いこの集落はにわかに、ウクライナ軍によるヘルソン州での主要な攻撃地点になった。

ロシア海軍歩兵隊(海兵隊)の第 810 独立親衛海軍歩兵旅団に所属するある隊員は、旅団が置かれている状況を「非常に困難」と表現している。 「(ウクライナ側は)ひっきりなしに私たちを砲撃してくる。クラスター弾も使っている。 そして何より、FPV (1 人称視点)ドローンや投下物を搭載したドローンの大群を 24 時間用いている。」

ウクライナ軍がドニプロ川左岸の橋頭堡をどのように保持・拡大してきたかは、写真や動画、その他ソーシャルメディアの投稿を見ればすぐわかる。 画像では舟艇や水陸両用車両が確認できる。 おそらく浮橋(ふきょう)も使われただろう。 ウクライナ側、ロシア側どちらの情報筋も、ウクライナ軍がこの区域のドローン運用で優位に立っているとの見方を示している。 ウクライナ側はまず、ロシア軍のドローンをジャミング(電波妨害)する。 その後、偵察や射弾観測、爆撃、補給のために自軍のドローンを展開させている。

ドローンによる補給というのは珍しいやり方だ。 「兵士たちはヘルソン州の(ドニプロ川)左岸のかなり深くに行っているので、ガソリンを水路や陸路で運ぶのは難しい。 これでは命が危ない。」とウクライナ軍のあるドローン操縦者は書いている。 「私たちが購入したドローンは 15kg の積載能力があり、無線機用の電池、モバイルバッテリー、食料、水などを彼らに届けることができる。」

対岸の守備隊のもとに必需品を届けるドローンもあれば、橋頭堡に反撃してくるロシア軍車両に擲弾(てきだん)を投下するドローンもある。 最近は T-72 戦車にも 1 発お見舞いしている。 ロシア側はこれまで、ウクライナ側のドローンの飛行を阻むことも、砲撃を封じることも、また作戦の裏をかくこともほとんどできていない。 ワシントン D.C. にある戦争研究所 (ISW) は「ワグネル系チャンネルを含む複数のロシア側情報筋は、ヘルソン方面、なかでもクリンキ近辺で、ロシア軍の対砲兵や電子戦、指揮統制の能力が不足していると不満を示している」と報告している。

ウクライナの海兵隊部隊がクリンキに上陸した直後、ロシアの海軍歩兵部隊には、反撃して川の向こうに押し戻せたかもしれない機会があった。 だが、ロシア側はそうしなかった。 あるいはしようとして失敗した。 ウクライナ側は、ヘルソン州南部に占拠地を得た。 ここを起点に、ロシアが支配する地域をさらに深く攻撃していくことができるだろう。 (David Axe、Forbes = 11-9-23)


ウクライナ軍の装甲車、ドニプロ川の渡河作戦に成功か … 東岸への橋頭堡の確保が焦点

ロシアのウクライナ侵略の戦況を SNS で発信するロシアの軍事ブロガーの間で、ウクライナ軍の水陸両用の装甲車が、南部ヘルソン州ドニプロ川の渡河を試み、露軍が占領する東岸に初めて渡ったとの指摘が出始めている。 今後、橋頭堡(きょうとうほ)の確保に発展するかどうかが焦点となる。 ウクライナ軍は 10 月中旬以降、これまでにない規模で渡河作戦に乗り出し、露軍と激しい戦闘を展開している。

ウクライナ軍の兵士約 300 人が川岸から約 2 キロ・メートル東方の集落クリンキ一帯で活動しているとの情報もある。 約 46 万人のフォロワーを抱えるロシアの軍事 SNS は、ウクライナ軍が 5 日夕、装甲車をクリンキに移動させたと投稿した。 装甲兵員輸送車「BTR4」とみられる。 6 日以降も車両の渡河を試み続けているとの分析もある。 車両数や渡河の成否を巡っては情報が錯綜している。 ウクライナ軍の渡河作戦はこれまで小型艇を使ったものが中心だった。

ロイター通信によると、露軍は東部を中心に攻撃を継続しており、攻略を狙うドネツク州アウディーイウカ近郊のコークス工場に砲撃を加えた。 一方、ウクライナ国防省情報総局は 6 日、露軍が高精度のミサイルの生産能力を急速に増強しており、8 月に計 585 発だった長距離ミサイルの備蓄が急増し、計 870 発に増えたとの分析を明らかにした。 ウクライナ軍は露軍が冬場に電力など重要インフラ(社会基盤)へのミサイル攻撃を強化する可能性があるとみて警戒を強めている。 (yomiuri = 11-8-23)


F16 戦闘機、訓練が本格化 「切り札」投入は春以降

【キーウ】ウクライナへの F16 戦闘機の供与に向け、欧米によるウクライナ人操縦士の訓練が本格化してきた。 7 日にはオランダの 5 機が、ルーマニアの訓練拠点に到着。 デンマークや米国は既に訓練を開始した。 ウクライナは制空権を掌握するロシアに対抗する「切り札」として早期配備を急ぐが、実戦投入は訓練期間を経て来春以降となりそうだ。 これまでに F16 の供与を表明したのはオランダ、デンマーク、ノルウェー、ベルギー。 バイデン米大統領が 5 月、ゼレンスキー大統領との会談で、欧州同盟国による供与を認める方針を示したことで道筋が付いた。 (kyodo = 11-8-23)


ロシア軍艦を爆撃したウクライナ軍、「週末はいかがでしたか?」と皮肉

ロシア軍の艦船はウクライナの近くでは安全ではない。 桟橋や乾ドックにいるときでさえもそうだ。 もしかすると、桟橋や乾ドックにいるときは特にそうかもしれない。 ウクライナ空軍のスホーイ Su-24 爆撃機は、11 月 4 日土曜日、ロシアが占領するウクライナ南部クリミアの東端に位置するケルチの桟橋周辺に停泊していたロシア黒海艦隊のコルベット艦アスコルドに向けて、少なくとも 3 発の巡航ミサイル(英国製のストームシャドーかフランス製のスカルプ)を発射した。

ウクライナ政府が公開した映像からは、ミサイルがアスコルドをひどく損傷させたことがうかがえる。 全長約 67m のアスコルドは、ますます攻撃を受けるようになっている黒海艦隊の新鋭艦のひとつだ。 ウクライナ軍の戦略広報局は攻撃を認め、「ロシア軍の巡航ミサイル搭載可能なアスコルドは損傷した。 『ステルス』技術を用いたカラクルト級プロジェクトの最新艦だ。」と説明した。

ウクライナ空軍は、スカルプミサイルの写真を添えたソーシャルメディアへの投稿で「週末はいかがでしたか?」と皮肉を飛ばした。 アスコルドは、ウクライナ軍のミサイル搭載爆撃機の犠牲となった最新の例だ。同軍は9月13日にもクリミア西部セバストポリにあるロシア海軍基地をミサイルで攻撃し、乾ドックに入っていた潜水艦と揚陸艦を損傷させた。

大型の軍艦を持たないウクライナ軍との 1 年 10 カ月にわたる激戦で、ロシア黒海艦隊は少なくとも巡洋艦 1 隻、水陸両用艦 3 隻、潜水艦 1 隻、補給艦 1 隻のほか、数隻の哨戒艇や上陸用舟艇を失った。 そして今回はアスコルドだ。 損傷を免れている十数隻ほどのミサイル搭載可能なフリゲート艦やコルベット艦、そして対潜哨戒艇が、黒海艦隊に残された水上の戦力の大半を占めている。 だがこれらの艦船は、ウクライナ軍のミサイルやロケット、無人航空機 (UAV)、無人艇、工作員による攻撃を避けるために細心の注意を払わなければならない。

これらの脅威の中で巡航ミサイルが最も危険かもしれない。 重量 1.3 トン、射程約 250km の巡航ミサイルは二重貫通弾頭(タンデム弾頭)を搭載し、軍艦を内部から爆破することができる。ケルチは、ウクライナ南部のウクライナ軍の陣地から発射されるストームシャドーとスカルプの射程圏内だ。 GPS や地形照合、赤外線画像などで誘導される低空飛行のスカルプやストームシャドーが標的に命中すると、まず先端部分の信管が指向性爆薬が詰まった小型の弾頭を爆発させる。 この弾頭が地面やコンクリート、金属の表層に穴を開け、そこからミサイルが標的の内部に入り込むと、2つ目の弾頭が爆発する。

オスロ大学で兵器の拡散を研究しているファビアン・ホフマンは「この弾頭設計により巡航ミサイルは硬い標的物を貫通できる。 以前はレーザー誘導爆弾でのみ可能だった」と説明。 「そのため、ストームシャドーは表面が硬い標的に対して非常に有効な武器だ」と指摘した。 ウクライナ軍が、桟橋に停泊している、あるいは乾ドックに入っているロシアの軍艦を意図的に狙っているのは明らかだ。 動いていない軍艦は明らかに、航行中や作戦行動を取っているときよりずっと攻撃しやすい。

攻撃しやすいが、必ずしも容易ではない。 ロシアの発表が信頼できるならば(そうではなさそうな明白な理由がある)、ウクライナ軍は 11 月 4 日にケルチに向けてミサイル 15 発を発射したが、防空システムにより 13 発が撃ち落とされたという。 ウクライナ軍がまたクリミアとその周辺のロシア軍の防空、特に S-400 長距離地対空ミサイルシステムを狙っているのには理由がある。 防空網に穴を開けることは通常、巡航ミサイルによる攻撃を成功させるための前提条件だ。

4 日のケルチ上空には、ミサイルが飛来する黙示録的な光景が見られた。 「目撃者の映像には、上空でロシアの防空システムに狙われたウクライナ軍のミサイルと、地平線上に立ち上る煙が映っている」、「ミサイルの飛翔音と複数の爆発音も聞こえる」と、独立調査機関コンフリクト・インテリジェンス・チーム (CIT) は著している。

ある映像には、ミサイルがアスコルドやその周辺を攻撃している様子が映っている。 ウクライナ軍の戦略広報局が公開した写真は、排水量 800 トンのコルベットが受けた損傷をとらえたとされるものだ。 米シンクタンク、海軍分析センター (CNA) に所属するあるアナリストは「最低でも、上部構造を含む左舷側に深刻なダメージがある」との見解を示した。

ウクライナは黒海西部を支配し、ロシア海軍の艦隊がウクライナの港から穀物を運ぶ貨物船を妨害するのを防ごうとしている。 今回のアスコルドへの攻撃は、こうした取り組みに大きく寄与する。 また、ウクライナの一般市民にとっても安心材料となる。 黒海艦隊の中でアスコルドは陸上攻撃艦のひとつだ。 すでに試運転を終えて就役していたと仮定すると、ウクライナの都市に向けてカリブル巡航ミサイルを発射していた可能性が高い。 ウクライナ軍が、カリブルを発射する艦船を海上や港で損傷させたり破壊したりすることで、陸上の人々の命が救われる。 (David Axe、Forbes = 11-8-23)


「ロシア軍、弱体化続けてる」 拘束中のロシア軍事評論家、書簡で警鐘

過激派活動を呼びかけた疑いで拘束されているロシアの軍事評論家、イーゴリ・ギルキン氏(通称ストレルコフ氏)の妻が 6 日、ギルキン氏名義の書簡をインターネット上で公表した。 ギルキン氏は書簡でウクライナの前線の状況を分析し、「ロシア軍は前線で苦戦している」などと警鐘をならした。 ギルキン氏はロシアの連邦保安局 (FSB) 元大佐で、2014 年にウクライナ東部ドネツク州で親ロシア派武装勢力とウクライナ軍が武力衝突した際、親ロ派の司令官を務めた。 22 年 2 月のウクライナ侵攻以降、ロシア軍の苦戦について政権や国防省への批判を展開。 強硬派の代表格として注目を集めていたが、今年 7 月に逮捕された。

ギルキン氏の妻が公表した書簡は「10 月 26 日付」で「軍事・国内政治情勢の概要」と題されている。ギルキン氏は、ロシア軍がウクライナ軍の反転攻勢を「おおむね撃退に成功した」と評価する一方で、その後ロシア軍が攻勢に出ることに失敗し、戦果を挙げられていないと批判。 「ロシア軍は弱体化を続けている」と記している。 具体的にはいずれも要衝の北東部ハルキウ州クピャンスク方面や、ドネツク州リマン方面で進軍に失敗したとしている、と主張。 さらに激戦が伝えられている東部ドネツク州アウジーイウカについても、「成功は戦術的なものにとどまり、非常に深刻な人員と装備の損失をもたらした」と指摘している。

また、ギルキン氏はウクライナ軍が南部ヘルソン州でドニプロ川を渡河し、ロシア軍占領地の東岸で橋頭堡(きょうとうほ)の確立を目指しているとされることに関連し、「ロシア軍は新たな作戦上の危機を排除するため、残りの秋から冬にかけて守勢に回る必要がある」と強調。 ロシア軍が来春までに一層弱体化しているだろうとした。 (根本晃、asahi = 11-8-23)


ロシア軍ドローン操縦士、レオパルト 2 戦車の破壊を目撃 脱出乗員を見失う

ウラジーミルの略称である「ヴォヴァ」という名のロシア軍のドローン操縦士は、自軍の歩兵が珍しいことにウクライナ軍の貴重なレオパルト 2A6 戦車の 1 両に一撃を加えて破壊するのを間近で目撃した。 ロシアがウクライナに侵攻して 1 年 9 カ月近く経つが、戦車の損失のほとんどは 2 段階攻撃によるものだ。 まず、地雷や爆発物を搭載したドローンが戦車を動けなくする。そして大砲やドローン、あるいはその両方が止めを刺す。 ウクライナ軍は同盟国からこれまでに 71 両のドイツ製レオパルト 2 を受け取り、うち約 13 両を失った。 損失の大半は地雷とドローンによるものだ。

だがおそらく先週、ウクライナ東部ドネツク州アヴジーイウカ郊外でレオパルト 2A6 を動けなくして破壊したのは、どうやら地雷やドローン、大砲ではなかったようだ。 前述のヴォヴァは、発射物がレオパルト 2A6 の側面に突き刺さるのを空中停止させていたドローンのカメラ越しに目撃した。 2000 年代に入って生産が始まったレオパルト 2A6 は、古いタイプのレオパルト 2 派生型より装甲が厚く、砲身の長い強力な主砲を搭載している。

「戦車はロケット推進式てき弾 (RPG) にやられたと思う」とヴォヴァは無線チャンネルでつぶやいた。 RPG は携帯式のロケット弾で、使うには標的に近づかなければならない。 タンデム弾頭を搭載する最新の RPG が正しい角度で標的に命中すれば、戦車を破壊することができる。 確かに、何かが戦車に激しくぶつかった。 ドローンの映像には、レオパルト 2A6 から煙と炎が広がる様子が映っている。 戦車は損傷しただけでなく、おそらく破壊されたことがすぐさま明確になった。

「レオパルトがやられたぞ!」とヴォヴァは叫んだ。 「レオパルトが初めて粉砕された!」 レオパルト 2 に関しては、損傷と破壊を区別することが本当に大事だ。 レオパルト 2 は残存能力が高い。 地雷やドローンはレオパルト 2 を完全に破壊するのではなく、動けなくする。 ウクライナ軍の工兵らは何カ月もレオパルトを扱っており、損傷したレオパルトを回収して修理のためにポーランドやドイツに送ることに慣れている。

10 月下旬の攻撃直後の写真や映像を見ると、レオパルト 2A6 の内部が焼けたようだ。 このレオパルトは、ウクライナ軍が 5 カ月ほど前に開始したウクライナ南部の反攻作戦の数週間前に第 47 機械化旅団に装備された 21 両のうちの 1 両だ。 内部での出火は、装甲が比較的薄い戦車の側面を弾が突き破ってエンジンと燃料タンクに命中したことを示している。 これにより、戦車内部に火が燃え広がった。 多くの電子機器や精密光学機器を搭載している戦車にとって、内部が燃えるのは致命的だ。

攻撃を受けたこのレオパルト 2A6 は、ウクライナ軍が失った 13 両目のレオパルト 2 かもしれない。 懸念されるのは、これらの損失の半分がここ数週間で発生している点だ。 この間、第 47 旅団はロシア軍の攻撃からアヴジーイウカを守るために南部から北部に再配置され、同時にレオパルト 2A4 を装備した第 33 機械化旅団が南部の反攻で主導的な役割を担うようになったようだ。

13 両のレオパルト 2 の損失はウクライナ軍にとって残念なことだが、全体的な視点で状況をとらえることが大事だ。 ウクライナは英国から 14 両のチャレンジャー 2 戦車、米国から 31 両の M1 エイブラムス戦車、その他の同盟国から数百両の T-72 など旧ソ連式の戦車を手に入れている。 そして追加で 14 両のレオパルト 2A4 と、200 両近くのレオパルト 2 より軽量のレオパルト 1A5 が、損失補てんとしてウクライナに供与されることになっている。

戦車はウクライナ軍が何よりも必要としているものではない。 ロシア軍ドローン部隊のウラジーミルの仲間の 1 人は、この事実をよく理解しているようだ。 燃えているレオパルト 2A6 から脱出している乗員に向かってヴォヴァが罵声を浴びせると、この仲間は「ヴォヴァ、声が大きい」と無線越しにたしなめた。「レオパルトはまだたくさんいる。」

レオパルト 2A6 の乗員 4 人全員が偶然に近い車両への攻撃を免れたことは、この戦車の設計が基本的に堅牢なものであることを物語っている。 ヴォヴァのドローンが見守る中、第 47 旅団の米国製 M2 ブラッドレー歩兵戦闘車の 1 両が急いで駆けつけ、脱出した乗員を拾って駆け去った。 ウクライナ軍は戦車の乗員を拾った。 その車両を見失った。」とヴォヴァは嘆いた。 (David Axe、Forbes = 11-7-23)


ウクライナがミサイル攻撃、クリミアでロシア巡洋艦 1 隻を損傷

ウクライナ軍報道官は 6 日、米政府系「ラジオ自由欧州・ラジオ自由」の番組で、ロシアが一方的に併合した南部クリミア半島のケルチに対して 4 日に行ったミサイル攻撃で、露海軍の巡洋艦「アスコルド」を損傷させたと述べた。 同艦は高精度巡航ミサイル「カリブル」を搭載可能で、ウクライナ侵略に使われていた。 インターファクス通信によると、露国防省も 4 日にケルチで海軍の艦船 1 隻が損傷したと認めた。

一方、ウクライナ南部ザポリージャ州では 3 日、露軍のミサイルが、ウクライナ軍の式典会場に着弾し、ウクライナメディアによると、兵士約 20 人が死亡した。 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 5 日、SNSに「避けられた悲劇だった」と投稿し、国防省が再発防止に向けた調査に着手したことを明らかにした。 一方、6 日のロシア通信によると、ザポリージャ州の露占領地域の行政トップは、露南部のロストフ・ナ・ドヌーとクリミアを結ぶ鉄道建設が始まったと発表した。 同州を経由するという。 露本土と占領地域を結ぶ補給路を確保し、ウクライナの反転攻勢に備える狙いとみられる。 (yomiuri = 11-7-23)

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