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東部でロシアの攻撃排除 = 南部戦線でも前進と主張 - ウクライナ軍

【ロンドン】 ウクライナ東部でロシア軍と戦うウクライナ軍部隊の報道官は 27 日、東部戦線では過去 24 時間でロシア軍の砲撃 544 回と空襲 4 回があり、両軍兵士が直接銃火を交える戦闘も 7 回発生したと明らかにした。 ウクライナ軍は東部でロシア軍の激しい攻撃を退け、前進を続けているとしている。

報道官は、ドネツク州バフムト近郊の二つの重要な集落付近で「敵の激しい攻撃を押し返した」と強調。 「敵は失った占領地を奪還しようと集中攻撃を仕掛けたが、成功していない」と主張した。 南部戦線でも、反転攻勢を続けるウクライナ軍がアゾフ海に向け南下を試み、ザポロジエ州のトクマクを目指し部隊を進めているとされる。 ロイター通信によると、ウクライナの軍事アナリストは「(ウクライナ部隊の)過去数日の多大な努力がロシア軍に非常に深刻な問題をもたらした」と指摘。 一方で、「部隊がトクマクに着くまでは突破口を見いだしたとは言えない」と慎重な見方も示した。 (jiji = 9-29-23)


ウクライナ反攻、南部で前進 新たな集落に到達 露は損耗拡大か

ロシア軍に対するウクライナ軍の反攻で、露軍事メディア「ウォーゴンゾ」は 28 日までに、ウクライナ軍が反攻の主軸である南部ザポロジエ州で集落ノボプロコポフカ付近に到達したと交流サイト (SNS) で報告した。 ノボプロコポフカは、ウクライナ軍が 8 月下旬に奪還した集落ロボティネから当面の奪還目標である小都市トクマクへの進出ルート上に位置。 ウクライナ軍が南部で徐々に前進していることが示された。 米シンクタンク「戦争研究所」も 26 日付の戦況分析で、ノボプロコポフカ付近での戦闘に言及。 露軍は練度の低い部隊を戦闘に投入し始めたとし、この地域で露軍の主力を担ってきた精鋭の空挺部隊の損耗拡大を示唆していると指摘した。

一方、東部ドネツク州の戦況に関し、ウクライナのゼレンスキー大統領は 27 日、詳細への言及は避けつつ「ウクライナ軍が前進している。 他の狙いも実現しつつある。」と SNS で表明した。 ウクライナ軍は南部での反攻で、露軍支配下にあるアゾフ海沿岸の「陸の回廊」を分断し、露軍の補給路を断つことで南部一帯の解放を目指している。 ウクライナ軍はアゾフ海沿岸の主要都市メリトポリやベルジャンスクの奪還に向け、両都市への進出ルート上に位置するトクマクを奪還したい考えだ。 東部では、ドネツク州バフムト周辺で、この州の全域制圧を狙う露軍との戦闘を続けている。 (sankei = 9-28-23)


ドネツクでロシア軍が攻撃

ウクライナ東部ドネツク州で 27 日、ロシア軍による攻撃があり、1 人が死亡、4 人が負傷した。地元の検察当局が SNS で明らかにした。   戦車や誘導弾を使った攻撃はコスチャンティニウカなど複数の市や村を標的にし、20 軒以上の家屋やガス管、送電線が破壊されたという。 けが人には 76 歳と 81 歳の高齢者の女性が含まれていて、医療機関に搬送されたという。 (asahi = 9-28-23)


ウクライナ軍の東部攻勢、その内側を単独取材

暗闇の中、ウクライナ兵 2 人が身を寄せ合ってドローン(無人機)の操縦装置をのぞき込んでいる。 彼らの顔を照らすのはスクリーンの光だけだ。 「おお、何か燃えているな」と 1 人が口にする。 2 人は先ほどロシア軍の目標に向けて爆弾を投下したばかりだ。 この夜間攻撃はウクライナ東部の激戦地バフムート近郊における攻勢の一環で実施されたもので、CNN はその様子を単独取材した。

「まず我々がロシアの最前線をたたき、味方が敵に向けて前進する。」 「グルーブ」のコールサインで知られるドローン操縦士の一人はそう語った。 ウクライナの地上部隊は西側の暗視装置を装備しており、夜間作戦で優位に立つ。 ただ、ウクライナ軍の対地攻撃機は暗闇での運用には適していない。 そこで出番となるのが、「コード 9.2」の愛称を持つドローン部隊だ。 「これらのドローンは夜間でも日中のように見通すことができる」、「歩兵部隊を見つけ、車両や火砲など破壊する必要があるものを全て攻撃する。(グルーブ)」

彼らが使用しているのはウクライナ製の無人機「バンパイア」だ。 バンパイアは 6 枚の回転翼を備えたヘキサコプターで、軍に戦場で使うテクノロジーを供給するデジタル変革省主導の取り組みの一環として、ウクライナ政府が調達した。 「各ドローンには夜間でも効果的に稼働できるよう、熱画像カメラが搭載されている。 搭載可能重量は最大で 15 キロに上る。」 ウクライナの副首相兼デジタル変革相を務めるミハイロ・フェドロフ氏は 8 月、バンパイア 270 機を前線に送る方針を発表した際、テレグラムの動画でそう語っていた。

「軍はこれらを使って装甲車や戦車、敵の防御施設、要塞、弾薬庫を破壊する」という。 これこそ、グルーブや彼の部隊が行っていることに他ならない。 ドローンの暗視カメラを使って録画され CNN に提供された動画には、ロシアの複数の装甲車に向けて爆弾を投下する場面が映っている。 ロシアの近代戦車「T90」を破壊した最近の攻撃の様子も確認できる。 T90 はウクライナに配備中の戦車の中では比較的新しく、性能も高度な部類に入る。

ドローン攻撃のペースが上がる中、他の部隊も戦場に加勢している。 強力な火砲の音が響き渡り、米国から供与されたクラスター弾をロシアの陣地に次々と浴びせる。 グラート多連装ロケットシステムから発射された飛翔体は、風切り音を立てて空を埋め尽くす。 そこに迫撃砲部隊も加わり、フレアの助けを借りてロシア軍に狙いを定める。 歩兵戦闘車は高速でロシアの前線に突入する。 まさに包括攻撃の様相だ。 「フリント」のコールサインで知られるコード 9.2 の指揮官は司令部で取材に応じ、作戦の準備に何週間もかけたことを明らかにした。

「我々は 1 カ月以上にわたって準備を進めてきた」とフリント。 そう語る間にも、部下がロシアの陣地に投下する弾薬を準備していた。 「これは連合攻撃だ」とフリントは付け加え、バフムート南郊への攻勢は最近の戦果を踏まえて立案されたものだと説明した。 この地域ではウクライナがロシアの支配下にあった重要な領土を奪還することに成功している。

南部の攻勢、東部の戦果

ウクライナ政府は供与された西側装備品の大部分を南部に集中させている。 南部のウクライナ軍は 2 本の軸に沿って前進しており、オリヒウからメリトポリに向かう軸が一つ、ベリカノボシルカからベルジャンスクに向かう軸がもう一つとなる。 ロシア軍の陣地に突入するウクライナ軍を支援するため、ドイツ製のレオパルト 2 戦車や米国のブラッドレー歩兵戦闘車も南部に送られた。 最終目標は黒海に到達し、クリミア半島につながるロシアの補給線を寸断することだ。 現時点ではクライナの進軍は緩慢で控え目なものにとどまっており、奪還したのは南部にあるいくつかの小村に過ぎない。

南部攻勢に比べると、ウクライナ東部での作戦について語られることは少ない。 東部ではロシア軍が昨冬バフムートに猛攻を仕掛けて以降、ウクライナ軍がゆっくりとではあるが着実に領土を奪還している。 「我々は東部の防衛線を突破しつつあり、攻撃も加えている」とグルーブは語る。 ロシアの冬季攻勢に大きく貢献した傭兵集団ワグネルはこの地域に戻ってきたという。 「確かにワグネルも展開している」、「彼らは素早く指揮官をすげ替え、ここに戻ってきた。」 グルーブの見方では、ワグネルの存在にはロシア側の人員不足を補う狙いもある。 「(ロシアは)周辺地域から部隊をかき集めてこの地域に投入している」、「この地域にはそれほど多くの人員が残されていない。」

それでも、現状は緩慢な消耗戦が続く。 東部では南部前線に比べ高度な西側装備品の数が少なく、ウクライナ軍は体より頭を使わざるを得ない状況にある。 「我々は頻繁に作戦を変更している。」 指揮官のフリントはそう説明する。 「ボクシングのようなものだ。 まずボディーを攻撃した後、狙いを頭に切り替える。」 (CNN = 7-27-23)


ウクライナ軍が南部で前進、ロシアの防衛線を「限定的な突破」か

ウクライナ軍は、南部戦線でロシアが築いた防衛線に対して前進したと明らかにした。 ウクライナは 4 カ月にわたって反転攻勢を続けている。 ウクライナ軍参謀本部によると、同国軍はサポリージャ州のベルボベ村の付近に達し、ロシアが占領するさらに南部のトクマク、メリトボリ方面に向けて進軍している。 米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は、状況は流動的だとしつつ、ベルボベ西部でウクライナ軍が「限定的な突破」を果たしたと指摘した。 「ウクライナ軍は敵を圧迫し、陣地を固めている」とウクライナ参謀本部は 24 日、説明した。

ゼレンスキー大統領は秋から冬にかけて反攻を継続し、ロシア軍に圧力をかけ続ける意向を示している。 ウクライナ軍は 6 月に反攻を開始。 だが、東部のドンバス地方から南部のドニプロ川河口にまで伸びる戦線で、なかなか前進できないでいた。 ロシア軍はウクライナ軍の反応に備えて数カ月を費やし、地雷原や溝、「竜の歯」と呼ばれるコンクリート製障害物などから成る重層的な防衛線を構築していた。 秋の深まりもウクライナ軍の進軍を阻むとの見方もあるが、同国当局者は戦闘継続を確約し、こうした懸念を否定した。 ミリー米統合参謀本部議長は先週、「気候的に戦闘に適した日数はまだたくさん残っている」と述べ、ぬかるんだ地面は凍結し、冬も攻撃を続けることが可能になるとの見方を示した。 (Daryna Krasnolutska、Kateryna Choursina、Bloomberg = 9-26-23)


「エイブラムスはすでにウクライナに」ゼレンスキー大統領明らかに 世界最強 米軍主力戦車到着

世界最強とされるアメリカ軍の主力戦車「エイブラムス」がウクライナに到着した。 ウクライナのゼレンスキー大統領が 25 日、自身の SNS で明らかにしたもので、ゼレンスキー大統領は「朗報だ。 エイブラムスはすでにウクライナにいる。」と述べ、ウクライナ軍の増強につながると歓迎した。 エイブラハムは、高い攻撃力はもちろん、最高時速 68km のスピードを誇り、「世界最強」といわれていて、ウクライナには 31 両が供与される。 31 両すべてがウクライナに届いたのかはまだ分からないが、アメリカのニューヨーク・タイムズは、今回の到着が第1陣で、予定より数か月早く届いたと報じている。 ウクライナの反転攻勢の加速につながるとされているが、特殊燃料やメンテナンスが必要で、その実効性は不透明。 (FNN = 9-26-23)


ウクライナ反転攻勢、突破に必要な三つの条件とは 米シンクタンク

ロシア軍へのウクライナ軍の反転攻勢をめぐり、米シンクタンク戦争研究所 (ISW) は 24 日、ウクライナ軍が中南部ザポリージャ州北部からアゾフ海方面への南進を目指している南部戦線で、重要な突破口を開くための三つの条件を指摘した。 ISW は、@ ロシア軍がザポリージャ州西部の防衛を維持するのに必要な予備兵力も戦闘力も有していない、A ウクライナ軍が、ロシア軍の戦闘力を消耗させた後も前進するのに十分な戦闘力を保持している、B 現在の戦闘区域の後方にあるロシア軍の防衛陣地が、これまでほど綿密に地雷などで要塞(ようさい)化されていない - - を条件に挙げた。

そのうえで、@ に関連し、「ロシア軍は同州西部に兵力を十分に配備しておらず、ウクライナ軍はより迅速に陣地を突破できるはずだ」と指摘。A と B については不明としている。 また、ISW はウクライナ軍の反転攻勢が現在、「きわめて活動的な段階にある」と指摘。 ウクライナ軍が同州オリヒウ方面でロシア軍の陣地を突破するなど戦術的な進展も報告されているが、「確信を持って展開を予測できない」と述べた。 (根本晃、asahi = 9-26-23)


黒海艦隊司令官が死亡か、ウクライナが発表 ロシアは否定

ロシア占領下のウクライナ南部クリミア半島セバストポリで 22 日にあったロシア黒海艦隊司令部への攻撃で、ウクライナ軍の特殊作戦部隊は 25 日、黒海艦隊の司令官を含む 34 人が死亡し、105 人が負傷したと SNS で発表しました。 司令官についてウクライナのゲラシチェンコ内相顧問は同日の SNS 投稿で、この攻撃で死亡した司令官はソコロフ提督だとしていますが、ロシア側メディアが否定するなど情報は錯綜しています。 (asahi = 9-26-23)


南部オデーサ州に攻撃、ホテルで火災

ウクライナ軍南部作戦管区は 25 日、ロシア軍のドローン 19 機とミサイル 11 発を夜間に破壊したと発表した。 テレグラムで明らかにした。 一方、同管区によると、南部オデーサ州の港の建物に大きな被害が出たという。 ホテルで火災が起き、ミサイルによって穀物貯蔵倉庫も破壊された。 オデーサ郊外の民家や会社の倉庫も被害を受けた。けが人はいないという。 (asahi = 9-25-23)


ヘルソンでロシア軍の攻撃相次ぐ 2 人が死亡

ウクライナ南部ヘルソン州のプロクジン知事は 24 日、ロシア軍が州都ヘルソンの民間施設などを空爆し、49 歳の女性が負傷したと明らかにした。 地元メディアのキーウ・インディペンデントや同知事の SNS への投稿によると、民間のインフラ施設と、工業地域が空爆 2 発の標的になったという。 この日、ヘルソン州では別の場所でもロシア軍による攻撃があったといい、67 歳の男性を含む 2 人が死亡し、3 人が負傷したという。 3都ヘルソンは一時ロシア軍に占領されたが、昨年 11 月にウクライナ側が奪還。 しかし、ロシア軍はドニプロ川を挟んだ向かい側から攻撃を繰り返している。 (asahi = 9-25-23)


ザポリージャ戦線、ウクライナが「第 3 防衛線」突破 … 車両の通過も可能に

ウクライナ南部でロシア軍への反転攻勢を指揮するウクライナ軍将官のオレクサンドル・タルナフスキー氏は 23 日、米 CNN のインタビューで「ザポリージャ戦線」で露軍が築いた「第 3 防衛線」を突破し、前進を続けていると述べた。 タルナフスキー氏によると、ウクライナ軍が要衝のトクマク奪還に向けた足がかりとなるロボティネ近郊の村ベルボベでの戦闘で露軍の「第 3 防衛線」を破ったと明かし、「大きな突破口になる」との見方を示した。

米政策研究機関「戦争研究所」などは 21 日、ウクライナ軍が露軍の第 3 防衛線の一部を突破した可能性を指摘していた。 現場の指揮官は米紙ワシントン・ポストに対し、歩兵はすでに 2 - 3 週間前に第 3 防衛線を越えており、最近になって車両の通過も可能になったと語った。 激しい露軍の抵抗で、ウクライナ軍の前進は「ゆっくりしたもの」という。 一方、露軍は 23 日、ドネツク州の村やスムイ州の住宅地を砲撃し、市民 2 人が死亡した。 (yomiuri = 9-24-23)


南部で塹壕突破したウクライナ部隊、次に待つのは危険な平野横断

ロシアに占領されているウクライナ南部ザポリージャ州のメリトポリまで伸びる約 80km の軸に沿って攻勢をかけているウクライナ軍の旅団は、べルボベの西、トクマクの北に広がるロシア軍の主要な防衛線を突破した。 第 82 空中強襲旅団と、共に戦っている部隊に属するマルダー、ストライカー、BMP の各歩兵戦闘車はここ数日で、防衛線の一番外側にある塹壕の周辺を駆け回り、「竜の歯」と呼ばれる戦車の進行を妨げるコンクリート製の障害物を縫うように通り抜け、べルボベに向かって進んだ。 べルボベではロシア軍の 3 個連隊と付属の特殊作戦部隊、そして予備兵が必死の防衛戦を展開している。

「スロビキン・ライン」と呼ばれる第 1 防衛線の突破は、ウクライナ側にとって困難なものだった。 ロシア航空宇宙軍の総司令官を解任された設計者のセルゲイ・スロビキンにちなんで名づけられたスロビキン・ラインは、地雷と障害物、塹壕で構成される軍事要塞だ。 これを突破したウクライナ軍の部隊を待ち受けるのは、さらなに困難なものかもしれない。 9 月 20 日までにスロビキン・ラインに入ったウクライナ軍の車両部隊と歩兵は、同ラインの外側の塹壕からべルボベ村の端まで約 1.6km にわたって広がる平野に出た。 そこにあるのは、大砲でところどころ木が失われた樹林帯や、最近死んだ者を含むロシア兵が多数いる塹壕以外には何もない。

つまり、身を隠す場所がほぼないのだ。 ウクライナ軍の部隊がべルボベに入り、最西端の建物で安全を確保するには、ロシア軍のドローンに監視される中を少なくとも 1.6km 東に進まなければならない。 その間、ロシア側はドローンに搭載された小型爆弾や、ドローンからの照準アシストを受けた大砲でウクライナ部隊を容易に攻撃できる。 これが楽勝だと強がる者はいない。 あるウクライナ軍将校は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに「われわれは突き進んでいる」と説明。 「われわれは相手を撃破している。 しかし、その代償は …。」と言葉を詰まらせた。

ウクライナ軍の損失は大きく、今後さらに拡大することは間違いない。 歩兵と乗員合わせて最大 11 人が乗れるウクライナ軍のストライカーは、大砲に攻撃された。 BMP は歩兵分隊がその上に乗っている間にドローンで爆破され、生存者は近くの樹林帯に避難した。奪ったロシア軍の塹壕で休んでいたウクライナ軍の疲弊した歩兵隊は、手榴弾ほどの大きさの爆発物を積んだロシア軍の一人称視点 (PFV) レーシングドローンの攻撃を受けた。

ウクライナの軍人オレクサンドル・ソロニコの説明によると、南部の戦場には草原や畑、樹林帯が広がっており、「高低差はわずかで、村や小川がある。地雷原も広がる。 武装した攻撃部隊や避難チーム、航空偵察隊、歩兵偵察隊など、誰であってもその動きは遠くからでも見える」という。 「敵は以前から準備していた」ともソロニコは指摘する。 「装備や兵士は遠くからでも発見され、狙われる。 両軍とも、陣地や部隊配置の場所が限られていることを理解している。 樹林帯の中には十中八九、撃つ標的がいる。」

ウクライナ軍がロシア軍陣地の制圧に成功すると、砲撃はさらに激しくなる。 ロシア軍の航空機の乗員や砲兵は、ウクライナ軍に渡るかもしれないという想定で、かつての自軍の陣地を攻撃するためにあらかじめ位置を登録しているからだ。 ソロニコによると、重さが 1,360kg 以上あるロシア空軍の衛星誘導の滑空弾は、ウクライナ軍が最も恐れているものだ。 誘導弾の KAB は 1 発で数 m の深さの穴を開け、数 km 離れたところにいる無防備な歩兵を殺すことができる。 ロシア側は「爆弾を惜しみなく使っている」という。

要塞を突破し、平野を横断する際に直面するあらゆる危険について、ウクライナ軍は少なくともその対処法を知っている。 第 82 旅団、そして第 46 空中機動旅団や第 47 機械化旅団などメリトポリ軸に沿って戦う部隊は、べルボベを攻撃するにはまず、北西に数km離れたロボティネを解放しなければならなかった。 ロボティネの塹壕は、べルボベの塹壕と同じくらい大きな障害だった。 それを突破するために、ウクライナ軍は砲兵隊を先頭にして徒歩で移動した。 次のロシア軍の陣地を制圧するために払うことになりそうな犠牲を慎重に計算しながら、ゆっくりと前進した。

ベルボベの解放という次の大きな任務には、少なくともウクライナ軍の第 9 軍団が細心の注意を払っているはずだ。 同軍団は南部戦線で最も装備の整った多くの旅団を擁する強力な編隊だ。 ロボティネをめぐって戦った数週間、南部の旅団は装甲車の大部分を、最初の大隊がスロビキン・ラインを突破した日に示されたそのチャンスのために温存していた。 以前ならウクライナ軍は徒歩で前進していたかもしれないが、今や高性能の歩兵戦闘車であるマルダーとストライカーに乗って進んでいる。

ウクライナ軍はそうした兵士の多くを失うだろう。 だが、車両が設計通りに機能すれば、最も破壊力のある攻撃を受けた場合を除いて乗員や搭乗の兵士を守ることができる。 {装甲は危険を伴う特定の目的を果たすものだ」、「これらの行動は人命を救うため正当化される」とソロニコは説明する。 たとえストライカーやマーダーが燃えても、歩兵はベルボベまで 1.6km 続く平野で戦い続けることができるかもしれない。 (David Axe, Forbes = 9-23-23)


ウクライナ軍が「新たな防衛線突破」 ザポリージャ州統括の司令官

ウクライナ中南部ザポリージャ州の戦線を統括するウクライナ軍の作戦グループ「タウリヤ」のタルナウスキー司令官は 23 日、米 CNN に、現地の部隊が 8 月末に奪還したとされるロボティネ村から東に約10 キロのベルボベ村で再びロシア軍の防衛線を突破したと語った。 ウクライナ軍はロボティネ村を奪還し、ロシア軍が地雷原や障害物などで何重にも敷いた防衛線の一端を突破したとされる。 その直後にベルボベ村の近くまで進撃し、攻防が続いていた。 ただ、タルナウスキー氏はインタビューで、ウクライナ軍の前進が「望まれているほどに速くない」と反転攻勢に時間がかかっていることも認め、「大事なのは現在の勢いを失わないことだ」と述べた。 (asahi = 9-23-22)


ウクライナ軍のセバストポリ攻撃で「幹部含む数十人の死傷者」

ロシア占領下のウクライナ南部クリミア半島セバストポリで 22 日に起きたウクライナ軍によるロシア黒海艦隊司令部への攻撃で、ウクライナの特殊作戦部隊は 23 日、「幹部を含む数十人が死傷した」と SNS に投稿した。 投稿によると、今回の作戦名は「カニのわな」。 ロシア海軍の幹部が会議のために集まっているところを狙い、ウクライナ空軍に情報を提供した結果、「時間通りに、正確に」攻撃が実施されたという。 英 BBC は、英仏から提供された長射程の巡航ミサイル「ストーム・シャドー(仏名・スカルプ)」が使われたと報じている。 ロシア側は攻撃を受けたことを認めているが、死傷者については明らかにしていない。

ウクライナ国防省情報総局トップのブダノウ氏は米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ (VOA) のウクライナ語放送の取材に対し、「少なくとも 9 人が死亡し、16 人が負傷した」とコメントした。 VOA は黒海艦隊のソコロフ提督が死傷者に含まれているかどうかも確認したが、回答はなかったという。 ウクライナ軍は、2014 年に併合されたクリミア半島の奪還をめざし、同地での大規模攻撃を続けている。 13 日にロシアの大型揚陸艦と潜水艦を、14 日にはロシアの最新鋭地対空ミサイル「S400」をそれぞれ破壊していた。 (asahi = 9-23-23)


バイデン大統領が長距離ミサイル供与を伝達

米 NBC ニュースは 22 日、バイデン米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に、長距離地対地ミサイル「ATACMS (エイタクムス)」を供与する意向を伝えた、と報じた。 ATACMS は、射程が最大 300 キロほどあり、前線から離れたロシアの補給拠点を攻撃するのに有効だと期待されている。 ウクライナ側が以前から供与を求めていた。 米政府はこれまで、米軍の在庫が限られることや、英仏がすでに別の長距離ミサイルを提供したことなどを理由に、決定を保留してきたが、検討していること自体は認めていた。 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、数週間以内に少数の ATACMS を送り、その後さらに追加で供給するという。 ブリンケン国務長官は 22 日、ニューヨークでの記者会見で「きょう発表することはない」と述べた。 (asahi = 9-23-23)


ウクライナ、ロシア黒海艦隊司令部をミサイル攻撃 兵士 1 人行方不明

ロシア占領下のウクライナ南部クリミア半島セバストポリで「セバストポリ特別市知事」を名乗る親ロ派幹部ミハイル・ラズボジャエフ氏は 22 日、ウクライナ軍が黒海艦隊の司令部をミサイルで攻撃したと SNS に投稿した。 ロシア国防省は、ミサイル 5 発を防空システムで撃墜したと発表。 司令部の建物が損傷し、兵士 1 人が行方不明になっているという。 ラズボジャエフ氏によると、司令部の消火作業が行われているという。 SNS 上には、周辺住民が撮影したとみられる、被害を伝える映像が複数投稿されている。 ロシア国営タス通信は、「がれきが数百メートルにわたって散乱しており、多数の救急車が現場に向かっている」と報じた。 ウクライナメディアは、「複数回の爆発音が聞こえた」とする住民の証言を伝えている。 (根本晃、asahi = 9-22-23)


装甲車、防衛線を初通過 = 南下作戦「重大な節目」 - ウクライナ軍

【ベルリン】 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ) は 21 日、ウクライナ軍が攻勢を仕掛けている南部ザポロジエ州で、装甲車両が初めてロシアの主要防衛線を通過したと現地部隊の将校の話として伝えた。 ただ、突破口は小さく、ロシア軍の激しい抵抗を受けているという。 南部戦線では、塹壕や「竜の歯」と呼ばれる対戦車障害物による防衛網の先に戦闘車両を運べず、ウクライナの進軍ペースが上がっていない。 今回の成果は占領下の南部クリミア半島とロシア本土を分断する南下作戦の「重大な節目 (WSJ)」になるとみられている。 (jiji = 9-22-23)


ウクライナ・ロシアの最終決戦、要衝トクマクでの攻防および戦法を徹底解説

  1. 圧倒的優勢から劣勢に至った経緯

    ロシア軍は侵攻当初、圧倒的に優勢であった。 ロシア軍の戦力は、ウクライナ軍に対して、戦車・歩兵戦闘車は 4 倍、装甲車は 5 倍、火砲は 2 倍、戦闘機は 8 倍、総じて、ロシア軍はウクライナ軍の約5 倍の兵力であった。 当時 5 倍という圧倒的に優位であった保有戦力のうち、特に地上軍兵器を見ると、今年の 9 月 20 日の段階で戦車等の残存率は 30%、火砲は 0% にまで損耗している。 ロシア軍は、野外に保管していた地上軍兵器から、錆などによる損傷が少ないものを見つけ出して(それは全体の一部)、改修して前線に送っている。

    また、他国から輸入もしている。 火砲の損耗が 100% に達しているにもかかわらず、現在、火砲の射撃が実施できるのは、このためである。 ロシア軍は今、この残存している兵器でしか戦えない。 そのため、防御戦闘に移らざるを得なかったのである。 一方、当初劣勢であったウクライナ軍は損害を出してはいるが、米欧からロシア軍よりも優れた兵器を供与され、その数量は十分とはいえないものの、戦力はアップしている。 このことを考慮して、ロボティネからトクマクあるいはその到達ラインまでの戦いを考察する。

  2. 冬到来までの最終決戦に ATACMS 投入か

    米国マーク・ミリー統合参謀本部議長は 9 月 10 日、ウクライナのロシア軍に対する反転攻勢について、「活動の妨げとなる厳しい冬の到来までに残された期間は 30 日あまり(30 - 45 日ほど)だ」との見解を示した。 ミリー議長は、攻勢の進展ペースが期待されていたよりも遅いことを認めつつ、「激しい戦争は依然続いている」と述べた。 「ウクライナ軍は今も努力を継続し、着実に前進している。」 また「成し遂げようとしていることのための戦闘を終えていない」と加えた。 ということは、6 月からのウクライナ軍反攻による決戦は、10 月いっぱいということになる。

    このミリー議長の発言は、次のように解釈できる。 「この時期までに、ウクライナ軍の戦闘の進展がある程度の目途が着くようにしなければならない。」 「そうでなければ、この戦いはずるずると長期戦になってしまう。 だから、今、ATACMS (Army Tactical Missile System、長射程地対地ミサイル)を供与する、しなければならない。」

  3. ウクライナ軍攻勢から3か月後の今

    トクマクまでの戦いは、両軍にとって天下分け目の最終決戦といってよい。 このため両軍は、他の正面ではバフムトの南部において攻撃の進展があるものの、概ね現状の接触線を維持しておいて、ロボティネからトクマクあるいはその目標線までの戦いで決戦を行っている。 ウクライナ地上軍の攻撃の形態としては、突破口を開き、突破口拡大の努力をしている。 拡大の動きは、突破した個所では陣内の戦闘を行い、さらに前進する。 突破できていない箇所では、その地のロシア軍陣地を撃破するために、攻撃を継続している。

    ウクライナ軍の今の勝ち目は、米欧から供与されてきた優れた精密誘導ロケット(砲弾)、クラスター弾、戦車・歩兵戦闘車、自爆型や監視型の無人機、対戦車兵器、地雷処理装置などを保有することだ。 これらを装備する戦力で、周到に準備して、戦力(部隊)も十分に投入して、防御するロシア軍を徐々に撃破することだ。 そして、少しずつではあるが確実に前進できている。 交戦している部隊も交代できるので、休養がとれている。

    これに対し、ロシア地上軍の主力は、交代ができずに休養もとれず、疲弊している。 精強とされる空挺師団や諸兵連合軍(戦力不明)を、9 月頃から北部戦線からこの正面に戦力投入して、増強している。 その空挺師団は、次の防御ラインに入って準備するのではなく、もうすでに現在の接触線に投入されて戦っている。 ロシア軍は、部隊をフルに使わなければならないほど、戦力がないのだ。

  4. ロシア軍防御陣地に突破口が形成

    ロシア軍は、各種軍事情報を総合すると、トクマク正面に概ね 5 個連隊(一部旅団)で以下のことを準備し、攻撃部隊を直接阻止するために戦ってきた。

      陣前に障害を構築する。
    1. 防御陣地に、直接照準射撃を行う戦車・歩兵戦闘車や対戦車ミサイルを配置する。
    2. 防御陣地の後方に迫撃砲を、さらにその後方に火砲を配置する。
    3. 障害で止まるウクライナ軍攻撃前進部隊に対して、火砲・迫撃砲が間接照準射撃を行う。
    4. 攻撃ヘリや戦闘機はウクライナ軍防空兵器の射程外から対地攻撃を行う。

    ロボティネからトクマクまでは、@ と A が幾重にも構成されている。 ロシア軍は、9 月以降 3 個連隊の増援を受け合計 8 個連隊で戦っている。 それらの部隊はロシア軍の旅団や連隊という組織名ではあるが、新たな部隊と交代もできず疲弊し、多くが訓練も不十分な新兵が多く補充されているだけである。 ウクライナ軍から突破口を形成されているロシア軍の陣地には、北部戦線から転用した部隊を予備に入れて、攻撃部隊の攻撃を阻止している。

    時には、攻撃してくるウクライナ軍に対して機動打撃を実施している。 トクマクまでを防御するロシア軍の部隊には、交代できる予備の部隊もない。 接触線でのこれまでの戦闘要領、戦争研究所の情報などから判断すれば、次の防御ラインには、これまで接触線で戦っている部隊が後退して戦うものと見られる。

  5. ロシアの陣内戦闘に対する突破口拡大作戦

    現在のトクマク正面の戦闘では、ウクライナ軍は概ね 10 個旅団(各種情報を総合した見積もり)で第 1 線の強い陣地を突破している。 第 1 線の陣内で戦闘を行っている箇所もあれば、第 1 線を突破できないで阻止されている箇所もある。 今後、予備の 5 個旅団が現在戦闘している部隊の援護を受けながら、超越して進み、突破口拡大のための攻撃を実施するだろう。 ロシア軍の第 1 線陣地から陣内の戦闘において、ウクライナ軍は以下のように戦うだろう。
    1. ロシア軍の火砲に対して、ウクライナ軍の精密誘導ロケット(砲)弾を使って攻撃する。 対砲レーダーや無人機で発見すれば、数分以内に攻撃して破壊する。
    2. 迫撃砲に対しては、発見すればウクライナ軍の通常の火砲で破壊する。 スイッチブレードなどの小型の自爆型無人機(ドローン)で攻撃する。
    3. ロシア軍の第一線陣地の戦車や対戦車ミサイル等に対しては、クラスター弾を含めた通常の火砲射撃により破壊する。

    @、A、B により、ロシア軍陣地を十分に破壊する。 ウクライナ軍はそれらの戦果を見届けて、米欧から供与された「レオパルド戦車」や「M1 エイブラムス戦車」、「ジャベリン対戦車ミサイル」などでも直接攻撃する。 この場合、ロシア軍の陣地についている戦車や対戦車ミサイルから撃破される場合もある。 C ロシア軍の防空ミサイルに対しては、ロシア製戦闘機「MiG-29」を改造して搭載している対レーダーミサイルで攻撃している。 ウクライナ軍の 6 月からの反攻作戦では、その数は増加している。 ウクライナ軍に「F-16」戦闘機が供与されれば、撃破の速度は速くなる。

    D ロシア軍の戦闘機や攻撃ヘリが、ウクライナ軍の防空ミサイルの射程外からミサイルや爆弾で攻撃を行っている。 ウクライナ軍は、ロシア軍の戦闘機等に対して、何もできてはいない。 これらを撃墜するための F-16 と搭載する長距離空対空ミサイルが、できる限り早く欲しいところである。 このような戦いの中で、ウクライナ軍は攻撃衝力(攻撃を継続する力)を与え続け、徐々にロシア軍の陣地を突破し、南下していくだろう。 だが、その戦果を獲得するためには、現在保有する戦力だけでは多くの時間を要することになる。 ロシア軍が防御を諦めれば戦闘の進展は早くなるが、予備戦力を投入されれば突破拡大には時間がかかり、ウクライナ軍の犠牲も多くなる。

  6. ATACMS が供与された場合の戦闘

    米欧から供与された優れた兵器を保有するウクライナ軍は、対砲兵戦闘でも極めて有利に戦っている。 だが、量的にはロシア軍を圧倒できるものではない。 ロシア軍は陣前の障害と陣地を使い、多正面から戦力を転用し、戦闘を継続している。 ただ、ウクライナ軍を完全に阻止できず、徐々に後退している。 ウクライナ軍としては、この戦闘の進展速度を速められる兵器が欲しい段階にきている。 その兵器が ATACMS 短距離弾道ミサイルである。 ATACMS は、直径 610 ミリであり、射程は 140 - 300 キロまでの 4 種類がある。

    これまで供与されてきた GMLRS (Guided Multiple Launch Rocket System = 誘導型多連装ロケット砲システム、直径 227 ミリ)よりも射程が長く、爆発威力ははるかに大きい。 これは、どのように運用されるのか。 ATACMS は、ロシア軍の防御陣地や司令部などのコンクリートの建物を破壊することが可能だ。 弾頭の直径が 155 ミリ砲弾よりも 4 倍あり、その威力は大きい。 ロシア軍のイスカンデルミサイルの直径 950 ミリよりも威力は小さいが、陣地やコンクリートの建造物を破壊することが可能だ。

    これにより、クリミア半島にあるロシア軍の海軍・空軍基地施設、クリミア半島とつなぐ橋を破壊するだろう。 特に、海空軍部隊の司令部、兵舎、飛行場や港湾施設は機能できなくなるまで破壊されることになる。 ATACMS をロシア軍の防御陣地に使用すれば、その破壊力で陣地そのものを破壊することができる。 防御する兵士たちは、1 発の破壊力を見た瞬間に恐怖で撤退するか、あるいは無秩序に逃亡する可能性がある。 つまり、ロボティネからトクマクまでの攻撃速度がかなり早くなることが予想される。

  7. 10 月末までにトクマクを奪回できるか

    ウクライナ軍は 10 月末の地表面が泥濘化するまでに、少なくともトクマクまでは奪回しておく必要がある。 できれば、メリトポリやベルジャンスクまで到達したいところだ。 ウクライナ軍が ATACMS を使用すれば、トクマクまでは確実に奪回できる。 ロシア軍が無秩序な撤退を行えば、アゾフ海まで到達できる。 これにより、ザポリージャ州、へルソン州およびクリミア半島とロシアとの分離を達成できる。 ウクライナとしては、最小限の戦争目的は達成できる。ロシア軍首脳部やウラジーミル・プーチン大統領は、大きな敗北感を受けるに違いない。 ロシアと2州およびクリミア半島の分断 ドンバス地方を奪回できるかどうかは、次の段階になるだろう。 バフムトの南部の都市を奪回したが、これは奪回の入り口に到達したばかりということだ。 (西村金一、JBpress = 9-22-23)


ウクライナ軍、クリミアの飛行場を攻撃 = ロシア軍に「打撃」

【イスタンブール】 ウクライナ軍は 20 日夜から 21 日未明にかけ、ロシアの占領下にある南部クリミア半島のサキ飛行場を攻撃し、ロシア側に「深刻な打撃」を与えた。 ウクライナのメディアが、同国の情報機関・保安局 (SBU) 筋の話として伝えた。 サキ飛行場には戦闘機が少なくとも 12 機配備され、ドローンの関連施設もあったという。 クリミア半島奪還を目指すウクライナ軍はこのところ、同半島にあるロシア軍の施設に対する攻撃を繰り返し、サキ飛行場はこれまでも標的になってきた。 (jiji = 9-21-23)


ロシア、ウクライナ各地に大規模空爆し 18 人負傷 インフラ損傷

[キーウ] ロシア軍は 21 日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を含む各地に大規模な空爆を行った。 少なくとも 18 人が負傷し、全土でインフラ施設が被害を受けた。 ウクライナのクリメンコ内相は早朝の空爆で北部キーウ州、中部チェルカスイ州、東部ハリコフ市で負傷者が出たとメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。 多数の州で爆発音が聞こえたとも述べた。 キーウのクリチコ市長は、9 歳の少女を含む 7 人が市内で負傷したと明らかにした。 市中心部にはミサイルの破片が落下し、インフラ施設や数軒のビルが損傷したという。

西部リビウ州のコジツキー知事によると、ポーランドとの国境から約 60 キロのドロホビッチ市にロシア軍が発射したミサイル 3 発が着弾したという。 内務省や地方当局は、東部ハリコフ州、西部のフメリニツキー、リブネ、リビウ、イワノフランコフスクの 4 州、中部ビンニツァ州で爆発があったとしている。 これとは別に、南部ヘルソン州のプロクジン知事は夜間にヘルソン市の寮がロシア軍の砲撃を受け、2 人が死亡したと明らかにした。 (Olena Harmash、Reuters = 9-21-22)


ゼレンスキー氏、撤退求めロシア批判 ラブロフ外相と論戦 安保理

【ニューヨーク = 平田雄介】 国連安全保障理事会は 20 日の公開会合でロシアのウクライナ侵略を巡る国連憲章の原則を討議した。 ウクライナのゼレンスキー大統領は「領土保全の原則」に沿った露軍撤退を求めてロシアを批判、独自の和平案も提示した。 ロシアはラブロフ外相が反論し、「民族自決の原則」を唱えて「住民投票」を通じた一方的な併合を正当化した。 ゼレンスキー氏の対面での安保理会合出席は昨年 2 月のロシアの全面侵攻後初めて。 議場でロシアの代表団と対面する異例の会合となった。 ロシア側はゼレンスキー氏の出席に反発したが、議長国アルバニアのラマ首相は「ロシアが戦争を止めれば、ゼレンスキー氏は安保理に来なくてすむのだ」と異議を却下した。

ゼレンスキー氏は演説で「ウクライナは自衛権を行使している」と強調し、ウクライナへの軍事支援や対露制裁は「国連憲章を守ることに資する」と訴えた。 ゼレンスキー氏はまた、自らの和平案「平和のフォーミュラ(公式)」が掲げる「領土保全」の具体的な内容を説明し、ウクライナ領からの「露軍と親露派勢力の撤退」を要求した。 さらに黒海とアゾフ海、クリミア半島とウクライナ本土の間に位置するケルチ海峡を含む全ての国境と排他的経済水域 (EEZ) の「完全な管理再開」を求め、これら 2 点の実施だけが停戦につながると述べた。

これに対し、ラブロフ氏はウクライナ南部クリミア半島や東部ドネツク、ルガンスク両州で「国連憲章が定める民族自決の原則に完全に則した住民投票が行われた」と語り、ロシアへの併合は住民の意思によるものだとの立場を強調した。 ラブロフ氏は、ゼレンスキー氏が演説を終えて退席した後、安保理の議場に姿をみせた。 会合には 62 カ国・地域の代表が参加。 岸田文雄首相やエクアドルのラソ首相、ガーナのアクフォアド大統領ら多数がウクライナへの連帯を示した。

他方、中国代表は「国連憲章は全ての国の正当な安全保障上の懸念を真摯に考慮している」とし、ウクライナを「脅威」とするロシアの主張に理解を示した。 拒否権を持つ常任理事国ロシアの反対により安保理がウクライナ問題に対応できないことから、安保理改革を求める声も続出。 ゼレンスキー氏は「拒否権」の規定を変え、国連総会の3分の2の賛成で覆せるようにすべきだと主張した。 (Sankei = 9-21-23)

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