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ロシア軍指揮官は「ネズミのように逃げ出し」、戦闘を拒んだ兵士たちは捕らえられた

指揮官が逃げ出し、戦闘を拒否したロシア兵は捕らえられ、地下室で身柄を拘束され、連絡が途絶えている

ウクライナで戦うロシア軍の指揮官らが前線から「ネズミのように逃げ出し」、配下の兵士たちは戦うことを拒否したという情報が報じられた。 ロシアの独立系ジャーナリストによるテレグラムチャンネル「アストラ」によると、9 月 19 日、所属ジャーナリストの元にエフゲーニャという女性が接触してきた。 彼女の夫はロシア軍の兵士としてウクライナで戦う「エフゲニー P」で、所属部隊の指揮官から負傷した仲間と共にウクライナ東部の戦闘に参加するよう命じられたが、当の指揮官らはウクライナからの激しい砲撃を受けると部隊を見捨てて逃げ出したという。

「アストラ」によれば、エフゲニー P はロシア軍の第 27 独立自動車化狙撃旅団に所属し、5 月にウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊での戦闘の際に砲弾の破片で負傷し、病院に搬送されたものの治療は施されなかった。 彼はその後、「リハビリ」のために帰還させられ 1 カ月を自宅で過ごした後、再びウクライナの戦地に派遣された。 同旅団の兵士たちは、ウクライナ東部「スバトベの方角」に連れて行かれ、「生活に最低限必要な物資も手段もないまま森の中に置き去りにされた。」 そしてウクライナ側からの攻撃の標的にされると、「指揮官や将官など、責任ある立場にある者は部下を見捨ててネズミのように逃げ出した」という。

「指揮官の敵前逃亡」は初めてではない

置き去りにされて戦闘を拒否したエフゲニーP ら複数の兵士は、指揮官に捕らえられ、ウクライナ東部ドンバス地域のザイツェボにある建物の地下で身柄を拘束された。 「アストラ」のテレグラムチャンネルは以前にも、ロシア軍に動員された兵士 300 人が、前線に戻ることを拒んだという理由で、ザイツェボの地下室で身柄を拘束されていると報じたことがある。 エフゲニー P は 9 月 18 日に妻エフゲーニャに自らの苦境について連絡してきたが、その後、連絡がつかなくなったという。 本誌はエフゲーニャの主張について独自に裏付けを取ることはできず、この件についてロシア国防省にメールでコメントを求めたが、返答はなかった。

ロシア軍の指揮官がウクライナの戦場から逃げ出したことが報じられたのは、今回が初めてではない。 2022 年 11 月には、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が発令した部分動員令によって徴兵された別の兵士が、ロシア軍の上官が戦闘から逃げ出したと主張した。 この告発を行った兵士オレクシー・アガフォノフはロシアの反体制メディア「Verstka」に対して、ウクライナ東部ルハンスク州のマキイフカ近郊で、ウクライナ側から砲撃を受けたと証言。 自身が所属する大隊は 2022 年 11 月 2 日、塹壕を掘って防衛陣地を守るよう命令を受けたが、ウクライナ軍による砲撃が始まると、指揮官は兵士たちを見捨てて逃げ出したと語った。

部分動員令で徴兵された兵士らは「戦いたくなかった」

「私たち兵士は現地に投入されるとすぐに塹壕を掘るよう命じられた。 1 つの大隊につきシャベルは 3 本しかないが、最善を尽くして掘り続けた。 朝になると敵の砲撃が始まった。 迫撃砲やミサイルなどが飛んできた」とアガフォノフは言った。 「砲撃が始まると、上官たちはすぐに逃げ出した。 私たちは砲撃が止んだ隙に塹壕を掘って隠れようとしたが、すぐにヘリコプターで居場所を特定されて撃たれた。」 アガフォノフは、プーチンが 2022 年 9 月 21 日に発令した部分動員令の一環として徴兵された者たちは、そもそも戦闘に参加したくなかったのだ、と説明した。 (NewsWeek = 9-21-23)


ロシアは「世界への脅威」 ゼレンスキー氏、国連で演説

ウクライナのゼレンスキー大統領は 19 日、国連総会で一般討論演説を行った。 同国に侵攻しているロシアが世界の食料やエネルギーの供給を脅かしており、ウクライナだけでなく多くの国に影響を及ぼしていると指摘し、国際社会に反ロシアでの結束を訴えた。 ゼレンスキー氏が国連総会に対面出席するのは初めて。 同氏は演説で、ロシアによるウクライナ産穀物の輸出妨害で食料価格の上昇、ひいては世界的な飢餓が懸念されており、ロシアは食料供給を武器化していると批判。 ロシアが自国産の天然ガスと石油に頼っている欧州各国への供給を止めようとしている点も併せて指摘した。

また、ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所をロシア軍が占領していることにも言及し、放射能漏れが懸念される状況にあってロシアが原子力も武器化していると訴えた。 一方、ロシアによるウクライナの子どもの連れ去りについては「ジェノサイド(集団殺害)」という言葉を用いてロシアを非難。 「ロシアに連れ去られた子どもはウクライナを憎むことを刷り込まれ、家族とのつながりをなくす。 これは明らかにジェノサイドだ。」と断じた。

「占領された土地でロシアによって数十万という子どもが誘拐され、後に強制的に連れ去られたという証拠がある」などとした。 ゼレンスキー氏は世界各国の首脳を前に、ロシアのウクライナ侵攻がウクライナだけの問題でないことを強調。 「侵略者を打ち負かすために団結して行動し、持てる能力とエネルギーの全てをこうした難題の解決に注がなければならない」などと述べ、協調した取り組みを呼び掛けた。 (CNN = 9-20-23)


ロシアの攻撃受け製油所火災 = 要衝近郊では「戦術的成功」 - ウクライナ

【カイロ】 ウクライナ軍参謀本部は 20 日、19 日夜から 20 日朝にかけてロシア軍がドローン攻撃を仕掛け、ウクライナ空軍が領内に飛来した 24 機のうち 17 機を破壊したと発表した。 ウクライナからの報道によると、ドローンは中部ポルタワ州、北東部スムイ州、東部ドニプロペトロウシク州などに到達。 ポルタワ州では製油所で被害が出た。 ポルタワ州の地元当局高官は通信アプリ「テレグラム」に「ロシアは繰り返しポルタワを攻撃した」と投稿。 「防空システムがロシアのドローン攻撃にうまく対応した」ものの、同州クレメンチュクの製油所で火災が発生したと明らかにした。 製油所は操業を一時停止した。 死傷者の報告はないという。

ウクライナは 15 日以降、東部ドネツク州の要衝バフムト近郊の集落奪還を相次いで発表した。 英国防省は 20 日の戦況分析で、この前進を「戦術的成功」と評価し、「南側からバフムトに通じる主要補給路の一つにウクライナ軍は近づくことになる」と分析した。 一方、ロシア通信は同国国防省の発表として、19 日にウクライナに近いベルゴロド州とオリョール州にドローンが飛来したと報じた。 いずれも撃墜されたという。 (jiji = 9-20-23)


ウクライナ、占領された領土の 54% を奪還 米軍トップ

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は 19 日、ウクライナ軍はこれまでにロシアに占領された自国領土の 54% 超を解放したと明らかにした。 ミリー氏はドイツのラムシュタイン米空軍基地で開催された、ウクライナへの軍事支援国 54 カ国で構成する「ウクライナ防衛コンタクトグループ」の会合に出席。 その後臨んだ記者会見で、ウクライナのこれまでの成果と「一つ一つの領土の奪還」は「ウクライナ国民と軍の勇敢さ、そして途方もない犠牲」によるものだと称賛した。

「ウクライナは引き続き慎重かつ着実にロシアの占領からの解放を進める」とも指摘した。 また、「これまでにウクライナはロシアに占領された自国領土の 54% を解放し、戦略的な主導権も維持している」と明らかにした。 ミリー氏の広報官によると、同氏が言及した 54% の領土は昨年 2 月の侵攻以降に解放された土地を指しており、キーウ州やハルキウ州、ヘルソン州の周辺が含まれる。 (CNN = 9-20-23)


ロシア軍に「ウクライナ製」戦闘車両が登場 ジョージアでの鹵獲品

1991 年のソ連崩壊後、ウクライナ軍はソ連軍から BMP-1 歩兵戦闘車 (IFV) を 2,500 両以上引き継いだ。 重量 13 トン、定員 11 人(乗員 3 人、歩兵 8 人)のこの車両は、ウクライナ軍の保有する歩兵戦闘車としては今もなお、武装を改良した後継車種の BMP-2 に次いで多い。 とはいえ、BMP-1 にはいくつか欠点がある。 しかも大きな欠点だ。 BMP-1 は鋼製装甲の厚みがわずか 6mm 強しかなく、防御力が弱い。 さらに攻撃面でも、主砲の 73mm 低圧滑腔砲は打撃力が不足している。

そこで、ウクライナの砲銃科学技術センターは一部の BMP-1 の古い砲塔を、はるかに強力な 30mm 機関砲を備える新たな砲塔で換装し、火力を強化した。 これには、余剰な BMP-1 を輸出するにあたって価値を高める目的もあったとみられる。 新たな砲塔は元のものより大型で、スペースを確保するために 2 人分の座席が取り除かれている。 同センターは改修後の定員 9 人のモデルを「BMP-1U」と名づけた。 このほど、この「ウクライナ製」BMP-1U が、ウクライナの戦線のロシア側で駆り出されていることが、ロシアのプロパガンダ(宣伝)動画で確認された。 2008 年にジョージア(当時の呼称はグルジア)であった出来事の思わぬ余波と言えるだろう。

ジョージアはウクライナから BMP-1U を 15 両購入し、2007 年に受け取って就役させていた。 その 1 年後、ロシアがジョージアを侵略した。 ロシア軍部隊はその過程で、ジョージア軍のBMP-1U をすべて鹵獲したようだ。 ジョージアは 2011 年に BMP-1U を再び調達している。 ロシア側は奪い取った BMP-1U を、ある程度の時間をかけて調べたらしい。 15 年後、ロシア軍は元ジョージア軍のBMP-1U の一部あるいはすべてを前線の部隊に配備した。 ロシア軍はウクライナ軍の BMP-1U も 2 両鹵獲している。 (David Axe、Forbes = 9-20-19)


リビウにドローン攻撃、1 人死亡

ウクライナ西部リビウ州知事は 19 日、州都リビウ市などがドローン(無人機) 18 機による攻撃を受け、1 人が死亡したと SNS で発表した。 知事によると、攻撃は同日未明に 2 時間半ほど続いた。 リビウ市の工業用倉庫が損傷し、がれきの下から男性の遺体が見つかったという。 (asahi = 9-19-23)


ヘルソンに攻撃、3 人死亡 州知事

ウクライナ南部ヘルソン州のプロクジン知事は 19 日、過去 24 時間にロシア軍による攻撃が 95 回にのぼり、3 人が死亡、11人がけがをしたと SNS で伝えた。 知事は、攻撃は迫撃砲、大砲、ドローン(無人機)、航空機によるもので、州都ヘルソン市では住宅地への砲撃があったと投稿した。 (asahi = 9-19-23)


ウクライナ中部に砲撃、1人負傷

ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州知事は 19 日、同州ニコポリ、マルハネツ、クリビーリフが未明にロシア軍の砲撃を受け、クリビーリフでは 71 歳の男性住民が負傷したと SNS で伝えた。 知事によると、砲撃により住宅 6 棟、送電線、ガス管などが損傷したという。 クリビーリフでは爆発が起き、火災が発生したという。 (asahi = 9-19-23)


16人死亡の爆発はウクライナのミサイルの誤作動か 米報道

ウクライナ東部ドネツク州コスチャンティニウカの市場などに今月 6 日、ミサイルが着弾し、民間人 16 人が死亡した事件について、米ニューヨーク・タイムズ (NYT) は 18 日、ロシア軍の攻撃ではなく、ウクライナ軍が発射した地対空ミサイルが誤って落下した可能性があると報じた。 NYT はミサイルの破片や衛星画像、目撃者の証言、SNS の投稿などを独自に分析。 ミサイルがウクライナ側から発射されていることが、防犯カメラや爆発地点と地上の被害状況から導き出したルートと一致する、などとしている。 ウクライナのミサイルが落下した原因については、誤作動や損傷などの理由が考えられるという。

ウクライナ軍当局者は、NYT の取材に対し、治安機関が調査しているとだけコメントした。 ロシア軍はこれまで、ウクライナ各地で繰り返し民間施設を攻撃してきた。 ウクライナのゼレンスキー大統領は攻撃から約 2 時間後、「ロシアのテロリスト」による攻撃だと SNS に投稿し、多数のメディアが報じていた。 (asahi = 9-19-23)


ウクライナ軍の精鋭旅団が猛攻、バフムート近郊のロシア軍旅団が全滅

ウクライナ軍の旅団が 8 月中旬に、ロシアが占領するウクライナ南部メリトポリに向かうルートの要衝であるベルボベでロシア軍の防衛線を突破したため、ロシアはパニックに陥った。 突破を受けて、ロシア軍は温存していた最後の精鋭師団である第 76 衛兵航空突撃師団をウクライナの東部から南部へと振り向けた。 だが、この配置転換により東部に展開するロシア軍は機動性のある予備兵力を失った。 これにより、ウクライナ軍は 9 月 15 日かその直前にアンドリーウカを解放した。 アンドリーウカはバフムートにいるロシア軍の補給線を支える重要な集落だ。

ウクライナ軍の指揮官らはロシア軍の指揮官らに難しい選択を迫り、その結果を利用した。 これは戦略的な傾向と一致している。 「ウクライナ軍の参謀本部はロシア軍の参謀本部よりはるかにまさっている」と米欧州陸軍の元司令官ベン・ホッジスは指摘した。 ウクライナ軍の精鋭部隊である第 3 強襲旅団がアンドリーウカのロシア軍第 72 自動車化狙撃旅団への攻撃を指揮した。 第 3 旅団はアンドリーウカを包囲してから、瓦れきの中を攻め込んだ。 そして 9 月 15 日にアンドリーウカの解放を発表する動画をネットに投稿した。 「電撃作戦の結果、アンドリーウカのロシア軍の守備隊は包囲され、主力部隊から切り離された。 そして壊滅した。」と第 3 旅団は述べている。

「アンドリーウカにいた歓迎されない『客人』は、第 3 強襲旅団によって排除されている」とウクライナ国防省はジョークを飛ばした。 2 日間にわたる激しい戦闘で、第 72 自動車化狙撃旅団の情報責任者や将校の多く、そして「ほぼすべての歩兵」を殺害したと第 3 旅団は主張した。 ロシア軍の死傷者と捕虜は 1,000 人以上にのぼった可能性がある。 戦闘は残酷で、第 3 旅団側の死傷者もかなりの数にのぼった。 「このような戦闘の結果のために、我々は高い代償を払う」と旅団は述べた。

戦闘はウクライナ軍が廃墟と化したアンドリーウカからロシア軍を掃討した最後の数時間が最も残酷だった。 ウクライナ軍のドローンがロシア軍兵士に投降を呼びかけた。 捕虜となったウクライナ兵とロシア兵の交換中にロシア軍の大砲が爆発したケースもあった。 アンドリーウカの解放は、約 8km 北に位置するバフムートにあるロシア軍の駐留地に圧力をかける。 「アンドリーウカの奪還と保持はバフムートの右側面を突破する手法であり、今後行うすべての攻勢を成功させる鍵だ」と第 3 旅団は説明した。

ロシア軍にとって最悪なのは、旅団がまるまる 1 個失われ、その損失を補うための予備の師団ももはやないことだ。 ロシアが第 76 衛兵航空突撃師団を東部に戻すとしても、南部の陣地が弱体化するだけだ。 予備師団を南に移動させることで、ロシア軍は東部でのリスクを取った。 これは賭けだった。 そしてこの賭けはウクライナ側にとって吉と出た。 (Forbes = 9-18-23)


バフムト近郊でまた集落奪還 = 東部要衝包囲へ「足場」 - ウクライナ軍

ロシア軍に対する反転攻勢を進めるウクライナのシルスキー陸軍司令官は 17 日、通信アプリ「テレグラム」への投稿で、東部ドネツク州の要衝バフムトの南方約 9 キロにある集落クリシチウカを奪還したと明らかにした。 ロイター通信が伝えた。 ウクライナ軍のスポークスマンは、クリシチウカ奪還がバフムト包囲に役立つと強調。 「われわれは今、足場を得た」とテレビ演説で述べた。 ゼレンスキー大統領も国民向け演説で「よくやった」と兵士らをたたえた。 クリシチウカは 1 月にロシア軍に占領されていた。 (jiji = 9-18-23)


ウクライナ軍の領土奪還「高いハードル」 米軍制服組トップ

米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は 17 日、ウクライナ軍はロシア軍に対する反転攻勢で「失敗」はしていないものの、領土奪還という大きな目標については「非常に高いハードル」に直面しているとの見方を示した。 ミリ―氏は、ウクライナ軍の反攻について「計画よりは遅いが着実に進展している」と指摘。 「失敗しているとの批判は承知しているが、失敗はしていない」とするとともに、ウクライナ軍には「かなりの戦闘力が残っている。 消耗していない。」と述べた。

南部海岸までの進軍やマリウポリ奪還などより野心的な目標達成の公算については予測を避け、「被占領地から 20 万人以上のロシア兵を軍事的に排除するには相当な時間がかかる。 非常に高いハードルだ。」との認識を示した。 一方、武器供与のペースが遅いとウクライナ側からも批判が出ていることに関しては、兵たんにも左右される問題だとし、「魔法の粉をまけば物資が直ちに現れるというわけにはいかない」と強調した。 (AFP/時事 = 9-18-23)


バフムト近郊で激戦続く = 東部で反攻強化 - ウクライナ

ウクライナのマリャル国防次官は 16 日、東部ドネツク州の要衝バフムト近郊で、ロシア軍との激しい戦闘が続いていると明らかにした。 バフムト南方の集落クリシチウカとクルデュミウカが激戦地となっており、クリシチウカ周辺で攻撃に「成功した」と通信アプリ「テレグラム」に投稿した。 ウクライナは東部戦線で反転攻勢を強めており、ゼレンスキー大統領は 15 日にバフムト南方の集落アンドリーウカを奪還したと発表。 ロシア国防省は 16日に奪還されていないと主張したが、ウクライナ軍高官は同日、ウクライナ兵が集落とされる場所に展開する動画を投稿した。

米シンクタンクの戦争研究所も 16 日付の分析で、「ウクライナ軍はバフムト方面での作戦を継続し、前進を続けている」と説明。 ウクライナ軍は南部ザポロジエ州でも攻勢を続けていると指摘した。 (jiji = 9-17-23)


東部ハリコフ州で 2 人死亡 ロシア軍は巡航ミサイル備蓄か

【キーウ】 ウクライナ東部ハリコフ州の村落で 16 日、ロシア軍の対戦車ミサイルが乗用車を直撃し、市民 2 人が死亡、1 人が負傷した。 同州の別の地域ではロシア軍のミサイル攻撃で民間人 5 人が負傷した。 弾道ミサイル「イスカンデル」による攻撃だったとみられる。 ウクライナメディアが報じた。 英国防省は 16 日、ロシア軍が今冬にウクライナの電力インフラを攻撃するため巡航ミサイルを備蓄している可能性があると分析した。 ロシア軍は昨冬も同様にインフラを破壊。 その後、巡航ミサイルの生産を増強する一方で、発射を減らしていると指摘した。 (kyodo = 9-17-23)


ウクライナが露セバストポリ海軍基地への攻撃で狙った大きな成果

ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島のセバストポリにあるロシア海軍のインフラをウクライナが攻撃し、揚陸艦と潜水艦が大きな損害を受けたようだ。  同海軍に多大な損失を与えたことはともかく、艦船を修理するのに使用される大型の乾ドック施設が損傷したことで、黒海における同海軍の活動能力があやしまれる事態になっている。 現代の戦争では、乾ドックは常に真っ先に狙われる。

乾ドックは船を浮かべ、それから水を抜いて船を修理することができる施設で、海軍の戦力を維持する上で必要なものだ。 重機械が複雑に組み合わさってできており、簡単に修理できるものではない。 米国は損傷したわけではない乾ドックを一新するために数十億ドルを費やしている。 攻撃による損傷の修復にかかる費用はかなりの額になるだろう。 ロシアが重要な軍事インフラの必要不可欠な施設を守れなかったことは驚くべき軍事的失敗であり、ロシアの防空が不十分であるか機能していない、あるいはその両方であることを示唆している。

だが今回の攻撃はロシアが必死であることをはっきりとさせてもいる。 クリミア各地に何回か攻撃を受け、ロシアはドックが標的になる可能性が高いことを知っていた。 だが、そうした脅威にもかかわらず、重要な黒海艦隊を維持するためにドックを使い続けた。 ロシアには他に行き場所がないのだ。 近代的な修理インフラを黒海沿岸に持っていないことは、黒海艦隊にとって深刻な問題だ。 修理ができる態勢がなければ黒海艦隊全体が数カ月のうちに作戦を展開できなくなり、事実上、機能しなくなる。

第二次世界大戦の教訓を無視

第二次世界大戦で連合軍は海軍インフラの重要な部分を無力化するのに注力した。 新たに建造されたドイツ海軍のティルピッツという恐るべき戦艦の脅威をなくそうと、英国はフランス西部のサン・ナゼール港にある大規模な乾ドックを破壊するのに莫大なリソースを投入した。 ドイツが国外で自軍の大型戦艦を修理できる唯一の乾ドックだったからだ。 この施設を破壊するため、英国は爆薬を満載した駆逐艦を乾ドックに体当たりさせて爆破した。 代償の大きな作戦だった。 この攻撃に参加した 612 人のうち、帰還したのはわずか 228 人。 169 人が死亡し、215 人が捕虜となった。 だが乾ドックは破壊された。 このドックが再び使用されるようになったのは、終戦から 5 年後の 1950 年のことだった。

巡航ミサイルであるストームシャドウの約 450kg ある弾頭は、サン・ナゼール港のドックを爆破するのに使われた 4 トンの爆薬の爆発力には及ばない。 だが、報じられたところによると、ウクライナは今回、精密攻撃ミサイルを最大 10 発使ったようだ。 乾ドック内の軍艦への攻撃はともかく、重要な乾ドックのポンプ室や扉、乾ドック自体にミサイルを1、2発撃ち込み、さらには替えがきかないこれらの施設の再稼働を難しくするのは簡単だっただろう。

ロシアは遠く離れたロシア南部のノボロシスク港にも利用可能な乾ドックを有している。 だがそれは浮き乾ドックで、設計上、乾ドックのように戦闘による損傷の修理や大規模な改修を効率的に行えない。 セバストポリはいま間違いなく攻撃にさらされており、ロシアがダーダネルス海峡とボスポラス海峡の軍艦の通過に関してトルコが持つ管理権を反故にするか、ロシア領の黒海沿岸のどこかに船底保守を行うドックや別の恒久的な乾ドック施設を建設するかにかなり必死に取り組んでいることをアナリストらは予想すべきだ。

大問題を抱える黒海艦隊

ロシアの防空管理能力の欠如により、ウクライナは黒海のロシア軍を少しずつ追い詰める新たなチャンスを手にしている。 そしてロシアは、艦船が大規模な修理を受けている間はかなり攻撃されやすいことを知っておくべきだ。 米国が 2020 年に失った 12 億ドル(約 1,770 億円)の水陸両用の強襲揚陸艦ボノム・リシャールは、修理を受けている艦船での消火活動の難しさを示した。 修理中の艦船に乗組員はおらず、燃えやすいものが多い。 そして往々にして火災を 1 カ所に閉じ込めることができないため、修理作業場での火災は最も消火が難しいものの 1 つだ。

今回の攻撃の対象は特に興味深い。 ロシアはここ数カ月で 2 隻目のロプーチャ級揚陸艦を失った。 アゾフ海を通ってクリミアに物資や装備を運ぶ能力を確実に失いつつあり、クリミアを切り捨てる可能性もある。 ウクライナはこれらの兵站支援船を標的にしている可能性がある。 ロシア海軍は黒海に数隻の古いアリゲーター級揚陸艦、数隻のロプーチャ級揚陸艦、そして1隻のイワン・グレン級揚陸艦を保有している。これらの艦船はそれ自体が陸上を攻撃し得る脅威的な存在だ。 ウクライナでの戦争が始まる前、さほど大型ではない揚陸艦 6 隻が黒海に向けて出航したとき、バルト諸国はパニックに陥った。

ロプーチャは最大10両の主力戦車と兵士約340人を輸送することができるため、これらの輸送船は、スペア部品不足で使われていないということでなければ、今年後半にクリミアがロシアから切り離されたときは重要な資産となる。 ディーゼル潜水艦のロストフ・ナ・ドヌーが今回の攻撃で失われた可能性があることはことさら興味深い。 ロシア海軍の黒海潜水艦隊は、海洋で周囲に脅威を与える中心的な存在だ。 気づかれることなく貨物船を撃沈したり、巡航ミサイルのカリブルを発射したりすることができる。 また、偵察を行い、奇襲部隊を上陸させることも可能だ。

建造されてわずか 10 年のロストフ・ナ・ドヌーは、比較的近代的なキロ級潜水艦だ。 今回の損失は痛手だが、修理のサポートを渇望している黒海艦隊がウクライナやグルジア、トルコ、その他の北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国にロシアが欲しがっている海域を譲り渡すという、今後の事態を暗示するものにすぎない。 (Craig Hooper、Forbes = 9-17-23)


クリミア半島解放の主要作戦に言及、ウクライナ大統領顧問

ロシアが強制併合したウクライナ南部クリミア半島への軍事攻勢をここに来て強める同国のポドリャク大統領府長官顧問は 16 日までに、半島を奪還するために注力するとした三つの主要な作戦に言及した。 SNS への投稿で、最初には半島の制空権の確保が必要と主張。 ロシア軍の軍事インフラなどの無力化を活発に進めるために欠かせない措置とした。 この狙いに沿って半島のエフパトリア町近くに据えられるミサイル迎撃手段や防空網の壊滅を図る作戦が遂行されているとした。 ウクライナの国防関係筋は最近、同町周辺の防空システムを攻撃したことも明かしていた。

ポドリャク氏は 2 番目の課題として、交戦が多い地域への大規模な予備役兵や資源の投入の続行を断ち切ることが重要と説明。 「クリミア半島とロシアに挟まれたケルチ海峡上に架かる橋など兵站を支える輸送網が破壊されている」とした。 最後の作戦については、ロシア海軍の黒海艦隊の残存勢力を半島の領海や以遠の海域から追い出し、黒海を国際的な管轄権が及ぶ場所として改めて位置づけることだと強調。 このためにロシア海軍の戦闘艦船や修理施設は標的になっているとした。

ポドリャク氏の今回の発言は、ウクライナ軍がここ数日間にクリミア半島で仕掛けている攻撃の一部を反映したものともなっている。 黒海艦隊の母港がある同半島セバストポリの艦船修理施設では 13 日、戦闘艦船 2 隻が被害を受けたとする攻撃が発生。 ロシアのウクライナ侵略が始まって以降、セバストポリ港を狙った最も大がかりな規模の攻撃とも指摘されている。(CNN = 9-16-23)


ウクライナ クリミア半島のロシア防空システムを破壊と発表

ウクライナ軍は、ロシアがクリミア半島に配備した防空システムを破壊したと発表しました。 ウクライナ海軍は 14 日、ロシア軍がクリミア半島に配備している「S-400」地対空ミサイルシステムの破壊に成功したと発表しました。 2 発の巡航ミサイルで S-400 の発射装置を攻撃したということです。 ウクライナ軍は 13 日にもセバストポリの造船所で修理中の揚陸艦と潜水艦を破壊するなどクリミア半島のロシア軍への攻撃を強めています。 CNN はウクライナ情報筋の話として、攻撃の狙いはクリミア半島を孤立させ、ロシアがウクライナ本土での軍事作戦の維持をより困難にすることが目的だとしています。 (テレ朝 = 9-16-23)


ウクライナ軍、3 週間でクリミアの S-400 防空システム 2 基破壊 残り 3 基

ロシア空軍は、同国が 2022 年 2 月にウクライナに侵攻する前の数年間で、高度な S-400 地対空ミサイルシステム 5 基をロシアの占領下にあるウクライナ南部クリミア半島に配備した。 ウクライナ海軍はここ 1 カ月足らずの間に、そのうちの 2 基を破壊した。 S-400 が 1 基破壊されるごとに、セバストポリを拠点とするロシア海軍の黒海艦隊を守るものは減る。 8 月 23 日にまずクリミア半島北西部のタルクハンクト岬にある S-400 が、そして 9 月 14 日には約 58km 南のエフパトリアにある S-400 が攻撃を受けた。

どちらの攻撃にも地上発射型の対艦巡航ミサイル、ネプチューンの最新型が使用されたと報じられている。 ウクライナが 2022 年 4 月に黒海艦隊の巡洋艦モスクワを撃沈したオリジナル型の弾頭の重さは約 150kg で、射程は約 305km。 改良された最新型の弾頭は約 350kg で、射程は約 362km だ。 ウクライナのルチ設計局は、GPS で誘導されるレーダーシーカー(目標捜索装置)をネプチューンに初めから組み込んでいた。 ミサイルは GPS 座標へと誘導され、座標地点に到達すると、レーダーが形状をもとに攻撃するべき目標を探す。

この GPS とレーダーの組み合わせにより、ネプチューンは海上でも陸上でも同じように目標を狙えるが、ルチ設計局の担当者は新型では誘導手法に手を加えたと明らかにしている。 追加されたのは赤外線シーカーの可能性がある。 改良が何だったにせよ、ネプチューンは有用な兵器となっている。 ネプチューンで狙うべきものを海軍に示す情報収集装置も同じだ。 対照的に、ロシア軍の防空システムはうまく機能していない。 少なくとも、低空を飛ぶ巡航ミサイルに対してはそうだ。

S-400 は、ロシアが持つ最高の長距離地対空ミサイルシステムで、本来であればネプチューンのようなミサイルを撃ち落とせるはずだ。 だが、実際には撃ち落とすどころか、逆にネプチューンに破壊されている。 レーダーとミサイルの相互支援ネットワークが崩壊しているため、ウクライナ軍がミサイルで S-400 を攻撃をするたびに、次の攻撃が成功する可能性が高まる。 米シンクタンクの戦争研究所は「クリミアにあるロシア軍の防空システムには、全体的な戦術的失敗があるのかもしれない」と指摘した。

ウクライナ海軍の短期的な目標は明確で、セバストポリにいる黒海艦隊を空軍が攻撃しやすいようにすることだ。 13 日にウクライナ空軍の Su-24 爆撃機から発射された英国製のストームシャドー巡航ミサイルは、セバストポリの乾ドックに命中し、ドックに入っていたロプーチャ級揚陸艦とキロ型潜水艦を損傷させた。 ウクライナの攻撃がこれで終わりのはずがない。 黒海艦隊にはまだ数十隻の大型戦艦が残っており、ロプーチャ級揚陸艦とキロ型潜水艦と同じく、空から発射される巡航ミサイルに弱い。 そして今、艦船を守る S-400 は 13 日から1つ減っている。

ロシア空軍はクリミアにまだ 3 基の S-400 を配備しており、加えてロシア本土に予備のシステムを持っている可能性がある。 だが、防空網の隙を埋めようと既存のシステムを移動させたり、新しいシステムを投入したりすれば、これらも失われた 2 基のシステムと同じ運命をたどるかもしれない。 つまり、ネプチューンが撃ち込まれる可能性がある。 ロシアが持つ選択肢はあまり良いものではない。 侵攻から 19 カ月の間に、ウクライナ軍の司令官たちは恐るべき長距離攻撃兵器を着々と築き上げ、そして今、クリミアにいるロシア軍を崩壊させるためにそれを使っている。 米欧州陸軍の元司令官ベン・ホッジスの言葉を借りれば、「ウクライナ軍の参謀本部はロシア軍の参謀本部よりはるかにまさっている」のだ。 (David Axe、Forbes = 9-16-23)


ウクライナ反攻、東部で激戦続く 南部のロ軍に「大きな損失」

ウクライナ軍は 14 日、5 月にロシア軍に占領された東部バフムト周辺で反転攻勢を続け、南部ではロシア軍に大きな損失を与えた。 軍関係者が明らかにした。 ウクライナ側の話によると、東部の各地で激しい戦闘が繰り広げられたが、3 カ月に及ぶ反転攻勢で新たな突破口を開くことはできていない。 ウクライナのマリャル国防次官は、バフムトの南にある 3 つの村の周辺で進展を遂げているとメッセージアプリ「テレグラム」に投稿した。

ウクライナ南部の反転攻勢ではアゾフ海へ南下しながら集落を奪還する作戦を取ってきた。 マリャル氏は主要な町への攻撃でロシア軍が「大きな損失」を被った結果「自衛能力が著しく低下した」と述べた。 南部部隊の報道官、オレクサンデル・シュトゥプン氏は過去 2 日間でロシア軍が戦車 15 両と装甲車 12 両を失い、665 人の兵士が死亡したとテレビ番組で述べた。 (Reuters = 9-15-23)


露軍哨戒艦 2 隻損傷か 2 日連続 ウクライナの攻撃激化

ウクライナ軍は 14 日、同日朝に黒海でロシア海軍のワシリイ・ブイコフ級哨戒艦 2 隻を攻撃し、「一定の損傷」を与えたと発表した。 一方、露国防省は同日朝、ワシリイ・ブイコフ級哨戒艦の一隻「セルゲイ・コトフ」にウクライナ軍が海上ドローン(無人艇)5隻による攻撃を試みたが、阻止したと主張した。 損傷の有無は不明だが、露軍艦艇を標的としたウクライナ軍の攻撃が激化している。 ワシリイ・ブイコフ級哨戒艦は 8 月、ウクライナに向かっていたパラオ船籍の貨物船に警告射撃を行うなど、黒海での露軍の制海権確保を担っている。 露軍艦艇に対するウクライナ軍の攻撃には、自国にミサイル攻撃を続けるロシアの海軍力を低下させる狙いや、ウクライナ産穀物の海上輸送の安全を高める狙いがあるとみられる。

ウクライナメディアによると、同国国防省は 13 日にもロシアの実効支配下にあるウクライナ南部クリミア半島セバストポリの船舶修理工場を攻撃し、露軍の大型揚陸艦と潜水艦を損傷させたことを確認。 露国防省も同日、同工場がウクライナ軍のミサイルと海上ドローン攻撃を受け、艦艇 2 隻が損傷したことを認めた。 損傷したのは大型揚陸艦「ミンスク」とディーゼル潜水艦「ロストフナドヌー」だとみられている。 クライナ軍は 8 月にも黒海に面した露南部ノボロシースクの軍港を水上ドローンで攻撃し、露大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」を損傷させた。 (sankei = 9-15-23)

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クリミアに連日攻撃 水上ドローンで軍艦狙う

【キーウ】 ロシア国防省は 14 日、実効支配するウクライナ南部クリミア半島に対して同日早朝に無人機 11 機による攻撃があり、防空システムですべて撃墜したと発表した。 クリミアに基地がある黒海艦隊所属のパトロール艦「セルゲイ・コトフ」に対しても小型無人艇(水上ドローン) 5 隻による攻撃があり、いずれも撃退したという。

13 日には黒海艦隊の司令部があるセバストポリに巡航ミサイルや無人艇による攻撃があり、ウクライナ国防省情報総局のユソフ報道官は地元メディアに対し、大型揚陸艦と巡航ミサイル「カリブル」を積んだ潜水艦が損傷したと指摘。 ロシアにとって「重大な被害だ」と述べた。 ウクライナはロシアが 2014 年に併合したクリミアの奪還を目標に据え、攻勢を強めている。 14 日付のロシア紙「独立新聞」は、セバストポリがウクライナの巡航ミサイル攻撃を受けたのは初めてだと報道。 英スカイニューズ・テレビは 13 日、攻撃に英国がウクライナに供与した巡航ミサイル「ストームシャドー」が使われたと伝えた。 (kyodo = 9-15-23)


レオパルド 2A6 戦車は「夜の捕食者」、ウクライナ第 47 旅団の戦い方

ウクライナに供与されたドイツ製のレオパルト 2A6 は間違いなく最高の戦車だ。 夜間や明け方に活動し、移動しながら長距離砲を放つ。 「まるで猫のようだ」と、レオパルト 2A6 の装填手を務めるユリイはウクライナ国防省が公開したインタビューで語った。 戦車の乗員を特集しているシリーズの最新回で登場したユリイの発言は、重量 69 トン、乗員 4 人のレオパルト 2A6 が戦っている様子をとらえた映像から浮かび上がることを裏づけている。

そしてさらなる詳細が明らかになった。 ウクライナがドイツとポルトガルから入手した 21 両のレオパルト 2A6 は、ウクライナ軍の参謀が当初意図していた第 33 機械化旅団ではなく、おそらく第 47 機械化旅団が運用している。 第 47 旅団は当初、スロベニアが供与した M-55S 戦車を運用していた。 M-55S は旧ソ連の 1950 年代の T-55 戦車を大幅に改修したものだ。 同旅団は今春のある時点で、M-55S をレオパルト 2A6 と交換し、第 21 機械化旅団と第 67 機械化旅団が防衛戦を行なっている北東部に M-55S を送った。 6 月上旬にザポリージャ州とドネツク州で始まった待望の反攻作戦の初期段階では、レオパルト 2A6 の投入はあまり違いを生み出さなかった。

当時、第 33 旅団と第 47 旅団はいっしょになって戦っていた。 まずマラトクマチカ南方の地雷原の強行突破を試み、後に迂回路を見つけた。 レオパルト 2A6 を配備した効果はここ数週間で顕著になった。 30 両を超えるレオパルト 2A4 戦車を抱える第 33 旅団が数キロ後退したのは、戦車に爆発反応装甲を取りつける時間とスペースを確保するためだったようだ。 1980 年代に製造された 2A4 は 2000 年代製造の 2A6 よりも防御力が低い。 そのため、ウクライナ軍はまず 2A4 に装甲を取りつけた。

一部の人は装甲が加えられた 2A4 のことを「レオパルト 2A4V」と呼ぶ。 この改修作業のために、2A6 の少数部隊はマラトクマチカから南下し、ロシアに占領されているトクマク、さらに 80 キロ南のメリトポリに向かう道の要衝であるロボティネを経由して南下する歩兵部隊を支援するという大きな役目を担うことになったようだ。 歩兵部隊はしばしば米国製の M-2 ブラッドレー歩兵戦闘車で、しかも往々にして暗闇にまぎれてロボティネ周辺のロシア軍の防御に探りを入れた。

第 47 旅団の 3 つの歩兵大隊に装備されている M-2 には昼夜使える高性能の照準装置が搭載されており、ウクライナの戦場で最高水準の照準装置を備える 2A6 といい勝負だ。 ウラジスラフという名の 2A6 の砲手はインタビューで「4 - 5 キロ先、あるいはそれ以上離れたところでもはっきり見える」と語っている。 2A6 に搭載されている強力な 1,500 馬力のディーゼルエンジンと頑丈なトランスミッションに言及したウラジスラフは、スピードも「非常に重要だ」と指摘。 そして「時速 50 - 60 キロで走行できる」と語った。 加えて、ウラジスラフによると、主砲の複数軸による安定装置のおかげで、2A6 の乗員は荒地を移動しているときでも標的を難なく狙えるという。

2A6 の最大の特徴である精度の高い照準装置、スピード、優れた安定性を組み合わせれば、機敏なナイトハンターとなる。 装填手のユリイがいうところの「夜の捕食者」だ。 ユリイは「私たちは主に夜間と明け方に活動する」と語った。 夜間の戦闘は 2A6 の強みを際立たせる。 またロシア軍が暗闇での戦闘に苦慮していることもあって、少数の 2A6 部隊は敵の攻撃にさらされていない。 ウクライナ軍は供与された 21 両の 2A6 のうち、すでに 3 両を失っている。 ほとんどは地雷による損失だが、爆発物を搭載したドローンも大きな脅威だ。 第 47 旅団の戦車の乗員がこの 3 カ月、激戦をくぐり抜けてきたことを考えれば、その数はかなりすばらしいものだが、これ以上 2A6 が供与されることはないことにも留意すべきだろう。

ウクライナ軍が今後数カ月で手に入れる西側諸国製の戦車は、31 両の米国の主力戦車 M-1 エイブラムスと 150 両ほどの 40 年前のレオパルト 1A5 だ。 また、1A5 は現代の戦車に比べて装甲が薄い。 つまり、ウクライナ軍は徐々に減りつつある高速で移動しながら正確に遠距離砲撃ができる 2A6 を今のうちに有効活用すべきだろう。 (David Axe、Forbes = 9-15-23)

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