... - 52 - 53 - 54 - 55 - 56 - 57 - 58 - 59 - 60 - 61 - 62 - ...
ウクライナ反転攻勢、東部で攻撃激化に直面 =国防次官 ウクライナのマリャル国防次官は 13 日、反転攻勢を進める部隊が東部の前線でロシア軍の新たな攻撃に直面していると明らかにした。 ウクライナの反転攻勢はアゾフ海へ南下しながら集落を奪還するとともに、5 月にロシア軍に占領された東部バフムト周辺を奪還することに重点を置いている。 マリャル氏によると、ウクライナ軍は数カ月にわたり防衛を続けてきた東部アブデーフカと近郊のマリンカに対する新たな攻撃に直面している。 国営テレビで「マリンカの状況はかなり厳しくなっている」とし、ロシア軍が砲撃を強めていると述べた。 バフムト奪還作戦では「安定した成功」を収めているという。 南部については、今月奪還したロボティネを確実に支配下に置いているとしつつ、周辺では非常に激しい戦闘が続いていると指摘。 同時に前進を遂げているとも述べた。 (Reuters = 9-14-23) ウクライナ、クリミアの防空システム破壊 ロイター通信は 14 日、ウクライナ情報機関筋の話として、ウクライナ保安局と海軍が同日未明、無人機とミサイルによる攻撃を実施し、ロシア占領下のクリミア半島西部イエウパトリヤ近郊に設置されたロシアの防空システムを破壊した、と報じた。 クリミア半島では 6 月に南部ヘルソン州のロシア軍占領地を結ぶ橋がミサイル攻撃を受け、8 月下旬には半島西端の岬に設置されたロシア軍の最新鋭の地対空ミサイル「S400」が破壊されている。 (asahi = 3-14-23) ウクライナ、クリミアのロシア海軍を攻撃 「修復不能」な被害 ウクライナ軍は、13 日未明にクリミア半島の港湾都市セバストポリにあるロシア海軍の資産および港湾インフラに対する攻撃を実施し、成功したとテレグラムで発表した。 最大規模の攻撃という。 ウクライナ軍がロシアやクリミア半島への攻撃を公式に表明するのは異例。 ウクライナの情報機関係者は、この攻撃により大型船と潜水艦は修理が不能なほど大ききく損傷したとの見方を示している。 (Reuters = 9-13-23) ◇ ◇ ◇ クリミアの火災は船舶修理工場か、ウクライナ・メディア ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島でセバストポリ特別市の「知事」を名乗るミハイル・ラズボジャエフ氏は13 日、ロシア黒海艦隊の母港がある同市に対して午前 3 時過ぎに攻撃があり、火災が起きていると SNS に投稿した。 現段階の情報ではミサイルによる攻撃とみられるとしている。 ウクライナのウニアン通信は 13 日、ロシアが実効支配する南部クリミア半島のセバストポリからの住民情報として、市内の湾の南側にある船舶修理工場が炎を上げながら燃えていると伝えた。 大きな爆発音が少なくとも 7 回響き、その都度、炎が立ち上がったという。 同通信によると、クリミア半島東端と対岸のロシア本土を結ぶクリミア橋の自動車道は通行止めになった。 (asahi = 9-13-23) 仏外務省「金正恩氏の訪問はロシアの孤立の証し」 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記のロシア訪問について、フランス外務省の報道官は 12 日、報道陣に「ロシアが国際的に孤立している証しだ」と述べた。 ロシアの地元メディアなどによると、金氏は 12 日午前に専用列車でロシアに入っており、13 日に極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地でプーチン大統領と会談する可能性がある。 仏外務省の報道官は記者会見で、金氏とプーチン氏の会談についてのコメントを求められ、「今回の訪問から我々が唯一分かることは、ロシアが北朝鮮と物資供給について話し合わざるを得ないほど孤立しているということだ」と述べた。 (asahi = 9-13-23) 「ウクライナのドローンを破壊」 ロシア国防省投稿 ロシア国防省は 12 日、南西部ベルゴロド州上空でドローン(無人機) 1 機を防空システムで破壊したと SNS で発表した。 ウクライナによるテロ攻撃の試みだとしている。 同州知事は同日、州内の複数地域にウクライナ軍による攻撃があったと SNS に投稿していた。 (asahi = 9-12-23) 中南部ザポリージャ州で奪還地域を強化 ウクライナ軍参謀本部 ウクライナ軍参謀本部報道官は 12 日、ウクライナ軍が中南部ザポリージャ州ロボティネの南部と南東部で成功を収め、奪還地域で陣地を強化していると述べた。 国防省のメディアセンターの SNS が伝えた。 また、ウクライナ軍は東部ドネツク州バフムートの南に進軍すると同時に、同州クリシチーイウカや東部ルハンスク州北部などでロシア軍の攻撃を阻止しているという。 (asahi = 9-12-23) ウクライナ、クリミア付近の海洋石油・ガス掘削施設奪還と発表 [キーウ] ウクライナの軍事情報当局 GUR は 11 日、軍が「ユニークな作戦」でクリミアに近い複数のガス・石油掘削海洋プラットフォームの支配権をロシアから奪還したと発表した。 「ボイコ・タワーズ」として知られるこのプラットフォームは、ロシアに 2015 年から占拠され、22 年 2 月にロシアがウクライナへ本格的な侵攻を開始してからは軍事目的で使用されていたという。 GUR は同プラットフォームの支配権を取り戻すことは戦略的に重要だったとし、「ロシアは黒海海域を完全に支配する能力を奪われ、これによりウクライナはクリミア奪還に大きく近付いた」としている。 ロシア側からは今のところコメントを得られていない。 ロイターは GUR の情報を独自に確認することはできなかった。 (Reuters = 9-11-23) ウクライナ、状態極上のドイツ製自走対空砲「ゲパルト」を実戦配備 ドイツ製のゲパルト自走対空砲は、レオパルト 1 戦車の車台にレーダー誘導式の 35 ミリメートル機関砲 2 門を装備した車両だ。 乗員は 3 名で、砲塔に砲手と車長、車台に操縦士が乗り込む。 ゲパルトは世界最高の自走対空砲と言っても過言ではないだろう。 車長を務めたことのある人物は、ゲパルトが備える S バンド(周波数 2 - 4GHz 帯)の捜索レーダーと Ku バンド(同 12 - 18GHz 帯)の追尾レーダーについて、鳥ほどの大きさの目標を捕捉・追尾できると述べている。 それぞれのレーダーの探知・追尾距離は 15 キロメートルとなっている。 もっとも、ゲパルトは最新兵器というわけではない。 ドイツのクラウスマッファイ・ベークマン(編集注 : 生産当時はクラウスマッファイ、ベークマンという別々の会社)は 1976 年後半に最初の 570 両を納入し、最後に納入したのも 1980 年のことだ。 つまり、最も新しいものでも 43 年物なのだ。 したがって、ゲパルトを現在運用するには何よりもまず、車両の状態が重要になる。 その意味で、ウクライナがとりわけ状態のよいゲパルトを入手できたらしいのは、ロシアとの戦争が続くウクライナにとってたいへん明るいニュースだ。 カタール軍が 2018 年から短期間使用し、ドイツが買い取ったとみられる 15 両だ。 ロシアがウクライナに全面侵攻してから 2 カ月後の 2022 年 4 月、ドイツはウクライナの戦争努力のため、改修したゲパルト 52 両を提供すると確約していた。 その後 2023 年 6 月、さらに 15 両の供与を表明した。 このほか米国も、第三国からゲパルトを 30 両買い取ってウクライナに引き渡す意向を示している。 第三国はのちにヨルダンと判明している。 このうちドイツからの供与分には、カタールが2022 年のサッカー・ワールドカップ(W 杯)中の空域防護用に取得した15 両のゲパルト 1A2 の一部、もしくは全部が含まれていた。 ドイツ政府がこれらのゲパルトの買い戻しに向けてカタール政府と交渉していることは、2 月に報じられていた。 7 月には、特徴的な砂柄の迷彩を施されたゲパルトが、ドイツのプトロス訓練場でウクライナのオレクシー・マケイエウ駐ドイツ大使が撮影した動画の背景に映っていた。 カタールから送られてきたものだったとみられる。 そして今月 8 日、ウクライナ国防省は、再塗装されたゲパルトが、ウクライナで実戦投入されたことを紹介する動画を公開した。 前出の元ゲパルト車長は、動画に登場するゲパルトの少なくとも 1 両に、カタールで使われていたタイプであることを示す特徴があるのに気づいている。 さらに、その車両について「信じられないほど状態がいい。 組み立てラインから出てきたばかりのようだ。」ともコメントしている。 繰り返しになるが、ゲパルトは状態が大事だ。 たとえば、ベルギーはこれまでのところ、自軍が 2006 年ごろに退役させたゲパルト 55 両をウクライナに提供する考えは示していない。 これらのゲパルトは最も改修が加えられていないタイプで、整備状態も最も悪いのが一因だろう。 元車長も、ベルギーで保管されているものは「自分なら最初には選ばない」と書いている。 もう 1 つ、同じくらい大事なのが砲弾だ。 ゲパルトに搭載されている機関砲用の新たな弾薬の生産は、最近までスイスが独占していた。 だがスイスは「中立」を理由にウクライナへの武器再輸出を認めていない。 そこで、ドイツ政府は自国企業のラインメタルにお金を払い、新たな生産ラインをつくってもらった。 先週、最初の生産分がウクライナへ送られている。 (David Axe、Forbes = 9-11-23) バフムート近接の村、一部をウクライナ軍が掌握か ウクライナ国防省のハンナ・マリャル次官は 11 日、5 月にロシア軍が制圧を宣言した東部ドネツク州バフムートの南に近接するオピトネ村の一部を掌握したと述べた。 記者会見での発言を、軍報道センターが SNSで伝えた。 ウクライナ軍は 6 月に反転攻勢を始めて以来、ドネツク周辺でロシア軍への攻撃を強めている。 マリャル氏はウクライナ軍がバフムートから南に 3.5 キロ離れたクリシチウカ村でも作戦を成功させたとし、反転攻勢開始以来、奪還した地域は計 49 平方キロメートルにのぼると述べた。 (asahi = 9-11-23) ゼレンスキー大統領「7 日間で我々は前進した」 ウクライナのゼレンスキー大統領は 10 日夜のビデオ演説で「この 7 日間で、我々は前進した」と語った。 中南部ザポリージャ州や東部ドネツク州のバフムート周辺で動きがあったとした。 一方、ドネツク州バフムート近郊では、NGO 団体の車両がロシア軍の砲撃を受け、スペイン人の団体代表とカナダ人の職員が死亡したことが 10 日に明らかになった。 ゼレンスキー氏は 2 人に追悼の意を示し、「人命を重んじ、テロを阻止して悪を打ち負かすことが人類の共通の道徳的義務であると信じる世界中の人びとにとって、ウクライナに対する攻撃が自分たちにもいかに身近なものかと、それを改めて確認するものになった」と訴えた。 (asahi = 9-11-23) ウクライナ政府「GDP 成長率は 3 - 4% 見込み」 ウクライナのスビリデンコ第 1 副首相兼経済発展貿易相は 10 日、今年の国内総生産 (GDP) の成長率について「3 - 4%」になるとの見通しを示した。 ヤルタ欧州戦略会議での発言を、ウクライナの国営通信社・ウクルインフォルムが伝えた。 スビリデンコ氏によると、農業などの主要産業で改善がみられるという。 穀物については、黒海を通じた輸出がロシアの反対で滞っているが、「代替ルートで状況が改善されると信じている」という。 ウクライナ国家統計局の 4 月の発表によると、ロシアによる侵攻が始まった 2022 年の GDP 成長率は前年比 29.1% 減だった。 (asahi = 9-11-23) 13 日、露朝会談 ロシア側の関係者が確認 ロシアの経済紙 RBC は 11 日、近くウラジオストクを訪問するとみられる北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記とロシアのプーチン大統領の会談が 13 日に行われる、と SNS で伝えた。 ロシア側の関係者が確認したという。 同紙によると、韓国メディアが首脳会談が 13 日に開かれると報道。 ウラジオストクで開催中の東方経済フォーラムのロシア代表団の情報筋が確認した。 「会談はフォーラムの枠内ではない」とも述べたという。 (asahi = 9-11-23) 国連特別報告者「ロシアの侵攻、拷問や残虐行為と同義に」 拷問などに関する国連人権理事会の特別報告者を務めるアリス・ジル・エドワーズ氏が 10 日、1 週間のウクライナ訪問を終え、声明を発表した。 「ロシアの侵略は拷問や非人道的な残虐行為と同義語になりつつある」と強い言葉でロシアを非難した。 エドワーズ氏は、ロシア当局がウクライナの市民や捕虜に残虐な行為をしているとの報告が相次いでいることを指摘。 「無作為でも偶然でもなく、情報や自白を引き出すための国家政策の一環として、組織化されたものだ」と訴えた。 具体的には、▽ 耳や性器に電気を当てる、▽ 模擬死刑として銃口を向ける、▽ おぼれ死にさせようとする、▽ レイプや殺人をすると脅す - - などの証言が寄せられたといい、「加害者は、最高レベルの地位にある人物も含めて、裁判を受けなければならない」と主張した。 エドワーズ氏はオーストラリア出身の弁護士。 国連では、「拷問やその他の残虐で非人道的な、または品位を傷つける取り扱いや刑罰に関する特別報告者」を務めている。 (asahi = 9-11-23) ロシア、キーウに無人機攻撃 ウクライナ軍「26 機を破壊」 [キーウ] ウクライナ当局によると、首都キーウ(キエフ)で 10 日未明、ロシアによる 30 機以上のドローン(無人機)を使った攻撃があり、3 つの地区に破片が落下した。 深刻な被害は出ていないが、4 人が負傷したという。 キーウ州のクラフチェンコ知事はインフラ施設1カ所と住宅8棟が被害を受けたとフェイスブックに投稿した。 ウクライナ空軍はキーウや周辺地域を狙った無人機 33 機のうち 26 機を破壊したと明らかにした。 ロシアはこの攻撃についてコメントしていない。 (Tom Balmforth、Reuters = 9-10-23) ウクライナ、占領地域にロシア兵 42 万人余り駐留 - 国防省が分析 ウクライナの軍事情報機関によると、ロシアはクリミアを含む占領地域に 42 万人を超える兵士を駐留させ、ウクライナ軍による領土奪還を阻止しようとしている。 ビクトル・ピンチュク財団が毎年キーウで開催しているヤルタ欧州戦略フォーラムで、ウクライナ国防省情報総局の幹部バディム・スキビツキー氏はロシア部隊の数は「強力」だと語った。 この数字にはロシアが置いた占領当局の警備をサポートする「特殊部隊」は含まれていないという。 ロシアは 2014 年にクリミア半島を一方的に編入し、22 年 2 月に始めた全面的な軍事侵攻の一環として、さらにドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソンの4州を併合。 クリミア以外では、ロシアはどの地域も完全には掌握していない。 (Daryna Krasnolutska、Bloomberg = 9-10-23) ウクライナ、供与された西側製戦闘車両数千台の修理が問題に ロシアがウクライナに侵攻してからの 1 年半あまりで、ウクライナを支援する国々は 3,000 両を超える近代的な戦車や戦闘車両、装甲車を供与することを約束した。 そして今、ウクライナの同盟国はこれらの車両の修理に注意を向ける必要がある。 ロシアとウクライナの戦争が 3 年目に突入しようとする中、迅速な修理が大きな違いを生むかもしれない。 何千両もの西側製の軍用車両は前線で戦うウクライナ軍旅団のおおよそ半数に配備された。 配備にあたっては北大西洋条約機構 (NATO) スタイルの訓練が実施され、ウクライナ軍の参謀本部や地域司令部にまったく新しい考え方をもたらした。 旧ソ連が設計した車両を厳格に運用し、旧ソ連の戦い方に従っていたころ、ウクライナ軍の指揮官たちは、車両を失うことは乗員に加えて車両に乗っている歩兵を失うことでもあると思い込んでいた。 だが西側製の車両は「人間のことを考えて設計されている」と、英国製のチャレンジャー 2 に乗り込んでいるウクライナ軍の乗員は語った。 装甲は頑丈で、耐火構造になっており、そして壊滅的に爆発しないように設計された弾薬庫を備えたこれらの車両は、乗員もろとも破壊されるというよりは、乗員に大きな被害を与えずに機能停止する傾向にある。 予想されていた南部での反攻が 3 カ月目に入り、ウクライナ軍の旅団は多くの車両損失を被っているものの、そうした車両にいた人員をそれほど失っていないのはそのためだ。 乗員や中にいた歩兵は動けなくなった車両から脱出する。 そして戦闘に参加し続けるために後方に逃げながら別の車両に乗り込む。 その間、乗っていた車両は修理される。 ウクライナ軍兵士のオレクサンドル・ソロンコは「乗っていた米国製の M2 ブラッドレー歩兵戦闘車に砲弾 2 発が直撃したものの難を逃れた兵士と話をしたことがある」と SNS に書いている。 車両は損傷しても兵士を守る能力があることは、ウクライナ軍の人的資本である訓練で得た技能と経験を維持する効果がある。 だがこれは、戦闘で損傷した車両を修理し、最前線にいるウクライナ軍の旅団の戦力を維持するのをサポートする責任をウクライナの同盟国に課してもいる。 アナリストのジャック・ワトリングとニック・レイノルズは、英国王防衛安全保障研究所のウェブサイトで発表した最新の研究で、車両のつくりの変化による思考の転換を指摘している。 「ウクライナ軍の兵士はある 1 つの根本的な理由で、西側供与の車両は旧ソ連製のものよりも圧倒的に優れていると述べている。 それは乗員が生き延びられるということだ」と 2 人は書いた。 2 人によると「西側の車両では、たとえ車両が任務遂行不能になったとしても、乗員が車両を離れて生き延びられることが重視されている」という。 「これとは対照的に、旧ソ連の古い車両では装甲が損なわれることは通常、車両内にいる乗員らにとっても致命的だ。 兵士の命を守ることは二の次となっている。」 道徳的、倫理的な配慮はさておき、この違いが重要なのはロシア軍がウクライナ軍を数で上回っているからだ。 ワトリングとレイノルズは「ロシア軍の規模はウクライナ軍より大きいため、兵士の経験の蓄積と存命はウクライナ軍にとって戦略的に不可欠だ」と指摘した。 (David Axe、Forbes = 9-10-23) ロシアは既に「敗北」、国力も「衰退の過程に」 西側当局者 西側政府の当局者は 9 日まで、ウクライナでの戦争に触れ、ロシアは征服を狙った初期のもくろみに失敗しており、敗北を喫した状態に既にあるとの見方を示した。 記者団への背景説明で述べた。 前線におけるウクライナ側の戦果は、ロシアの侵略にあらがう全般的な成功を読み解く目安とはなり得ないとも主張した。 ウクライナ側が約2カ月前に着手した反転攻勢は、ロシア軍側の十分な防御態勢もあり、段階的にしか進展していない状況にある。初期の見立てより遅々としているが、ロシアは既に支配地をめぐる戦いで負けていると指摘した。 制圧地域をめぐる戦いは非常に長引くだろうとしながらも、戦況の分析あるいは侵攻でロシアが見据えていた目標の達成の有無などに基づくのなら、「ロシアは(既に)敗れた」と断じた。 「ロシアの力は弱まっている。 衰退の過程をたどっている。」とも言い切った。 ロシアが奪った(ウクライナの)領土を保持し得るなら、それは勝利を意味するとの考え方はばかげているとも断言。 「ロシアは(侵攻で)北大西洋条約機構 (NATO) の結束を強めさせ、フィンランドとスウェーデンが新たに加盟する勢力圏拡大の機会を招いた」と続けた。 「ウクライナを NATO 加入への道に導き、欧州連合 (EU) にも合流させる可能性も生じさせた」とも説いた。 「仮にあなたがプーチン(大統領)なら、トランプ前米大統領が次の大統領選で勝利することにまず賭けるだろう。 ただ、これには長い時間がかかる。」とも話した。 ロシアの民間軍事企業「ワグネル」の創始者プリゴジン氏による反乱行動にも触れ、「ウクライナでの戦争がうまく進んでいたのなら起きてはいなかった」とも結論づけた。 ウクライナのゼレンスキー大統領は最近、今年 6 月半ばに踏み切った反攻は前進を果たしているとの認識を表明。 ウクライナ軍は先に、反攻の主要戦場の一つとなっている中南部ザポリージャ州でロシア軍の「第 1 防衛線」を突破したとの戦果も発表していた。 (CNN = 9-9-23) ロシア軍の重要拠点トクマクの攻略戦 ウクライナ軍を待ち受ける困難とは 反攻開始から 3 か月で強固な防衛線を突破したウクライナ軍。 ザポリージャ州のロボティネを奪還し、ロシア軍の重要拠点トクマクの攻略が視野に入ってきました。 一方、「戦術的な撤退」に追い込まれたロシア軍も南部戦線を支えるために新たな動きを見せています。 ここからの戦いは、どのような困難が待ち受けているのでしょうか。 ウクライナの軍事専門家と最前線で戦う部隊に聞きました。
ロシア軍の重要拠点トクマクから 23 キロ離れた地点に展開しているというウクライナ軍の前線部隊。 ここまで 15 キロの防衛地帯を突破するのに 3 か月かかりましたが、トクマク奪還を目指す戦いについて、軍事アナリストのゼルジニョフ氏に聞くと …、
ゼルジニョフ氏は、更に大きな壁があると言います。 最近、トクマク周辺に投入されたロシアのエリート部隊です。
困難を極めるというトクマクの奪還。 ロシア軍の防衛戦を突破し、最前線で戦う部隊の兵士は何を思うのでしょうか。 タブリヤ方面軍のシュトゥプン報道官です。
ウクライナ軍、年内にもロシア軍の防衛線全体を突破する可能性 米シンクタンク「戦争研究所 (ISW)」は 7 日、米国防総省の情報機関である米国防情報局 (DIA) 幹部の話として、ウクライナ軍が年内にもウクライナ南部で、地雷や塹壕で固められたロシア軍の防衛線全体を突破する可能性があるとの見方を紹介した。 DIA のトレント・モール分析部長が 6 日の英経済誌エコノミストのインタビューで、ウクライナ軍がウクライナ南部のロシア軍の第 1 防衛線を突破し、第 2 防衛線に近づいていることを挙げ、今年中にもロシア軍の防衛線全体を突破する可能性があると分析したという。 ウクライナ国防省は 8 月 28 日、ロシア軍との攻防が続いていた中南部ザポリージャ州の村ロボティネを奪還したと発表。 ハンナ・マリャル次官は 1 日、ウクライナ・テレビの番組で「これまで乗り越えられなかった一線を乗り越えた」として、ロシアの第 1 防衛線を突破した意義を強調していた。 (asahi = 9-8-23) ロシア軍設置の「竜の歯」突破 ウクライナ軍が反転攻勢で成果 ウクライナのゼレンスキー大統領は、反転攻勢を続けるウクライナ軍が南部と東部で大きな戦果を上げたと明らかにしました。
アメリカの戦争研究所によりますと、ウクライナ軍は南部ザポリージャ州のベルボベ付近で、ロシア軍が敷設した「竜の歯」と呼ばれる対戦車ブロックの防衛ラインを突破し、町の中心部に迫っています。 一方、ロシアメディアによりますと、南部ロストフ州のロストフナドヌーでドローン 2 機が墜落し、1 人がけがをしています。 (テレ朝 = 9-8-23) ウクライナ各地にロシアのミサイル攻撃 ウクライナ各地で 8 日朝、ロシア軍のミサイル攻撃があり、少なくとも 1 人が死亡した。 地元当局などが SNS で発表した。 ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州クリビーリフの当局者は 8 日朝、市の行政庁舎にロシア軍のミサイル攻撃があり、1 人が死亡、9 人が負傷したと SNS に投稿した。 また、ウクライナ非常事態庁の SNS によると、同日朝、北東部スーミ州の集合住宅にロシア軍のミサイル攻撃があり、20 以上の住居や車が被害を受けたという。 中南部ザポリージャ州ザポリージャ市でもロシア軍による攻撃があり、1 人が負傷したと地元市長代理が同日朝、SNS に投稿した。 (asahi = 9-8-23) マスク氏、ウクライナ軍の対ロシア攻撃の際に通信遮断 CNN 報道 米起業家イーロン・マスク氏が昨年、ウクライナによるロシア軍への奇襲攻撃を止めようと、自社の通信サービス「スターリンク」の衛星通信網を切断するよう、エンジニアに命じていたことが 7 日、明らかになった。 米 CNN が 12 日に発売される伝記の内容として報じた。 12 日発売の伝記は、米著名作家ウォルター・アイザックソン氏によるもの。 CNN によると、この出来事は、爆発物を搭載したウクライナの潜水型ドローンが、クリミア半島の沿岸でロシアの艦隊に近づいた際に起きた。 アイザックソン氏によると、マスク氏は「ロシアが核兵器で応戦するのではないかとの強い恐怖に駆られた」と説明。 通信を失ったドローンは陸に打ち上げられた。 ウクライナのフェドロウ副首相兼デジタル変革相はマスク氏に、再接続を頼み込んだという。 マスク氏はアイザックソン氏に「スターリンクは良いこと、平和なことをするもので、ドローン攻撃のためのものではない」と語ったという。 マスク氏はロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、時折ロシア寄りの姿勢を見せている。 昨年 10 月には、ツイッター(現 X)上で「クリミアをロシアの一部とする」などの項目を盛り込んだ和平案についてアンケートを実施していた。 同月には、ウクライナへのスターリンクの無償提供停止を示唆したが、このときは批判が広がり、無償提供を続ける意向を示していた。 米ブルームバーグ通信によると、ウクライナ軍は昨年 12 月時点で約 2 万 2 千台のスターリンク端末を保有している。 また、米国防総省は今年 6 月、ウクライナ向けにスターリンク端末の購入契約を結んだことを明らかにしていた。 (ロンドン = 藤原学思、asahi = 9-8-23) ロシア軍司令部近くで爆発、ウクライナがドローン攻撃か ウクライナ軍がロシア領内を空から攻撃する作戦を続ける中、同国南部ロストフ州ロストフナドヌーにあるロシア軍司令部近くで 7 日、ドローン(無人機)攻撃による爆発があった。 ソーシャルメディアに投稿され、CNN が地理情報を確認した映像には軍基地付近でのドローン攻撃が映っている。 同州のゴルベフ知事は、防空隊がロストフナドヌー上空でドローン 2 機を迎撃し、1 人が負傷、車数台が損傷したと SNS 「テレグラム」への投稿で明らかにした。 ゴルベフ氏によると、残骸が墜落した現場周辺では「非常事態モード」が発令され、100 人近い住人に一時的な滞在先が案内されたという。 この攻撃についてウクライナはコメントを出していない。 ロストフナドヌーはウクライナとの国境に近い。 今年 6 月、反乱を起こしたロシアの民間軍事会社ワグネルに一時占領された。 7 日にはロストフナドヌー以外へも攻撃があった。 首都モスクワのソビャーニン市長は同日、防空システムが作動し、モスクワ近くでドローンが迎撃されたと明らかにした。 ソビャーニン氏によると、残骸の落下による被害や死傷者はないという。 ウクライナはこのところ国境を越えた攻撃を活発化させている。 ロシア国内での戦争への支持を徐々に低下させ、またインフラを破壊する狙いがあるとみられる。 (CNN = 9-8-23) 東部戦線の「難局」続く、前進もわずか ウクライナ陸軍司令官 ウクライナのシルスキー陸軍司令官は 6 日、同国東部戦線の焦点の一つとなっているドネツク州バフムート市周辺の攻防に触れ、ウクライナ軍は塹壕などにこもって抵抗するロシア軍の駆逐を試みているものの激戦が続いていると述べた。 ロシア軍は今年 5 月、同市の攻略を宣言。 ただ、ウクライナ軍はここ数週間、市の南部や北西部の前線でわずかながらも突破口を開きつつある。 シルスキー司令官は、東部戦線の全般的状況に関して「難しい局面が続いている」との判断を SNS 上の声明で明らかにした。 「敵側はドネツク、ルハンスク両州の州境への到達を図る計画を捨ててはいない」とし、かたくなに反撃や交戦での主導権を握るための準備をしていると話した。 ロシア軍は北東部ハルキウ州のクピャンスク近くでは、「攻撃部隊(を投入するため)の最終的な準備を進めている」とし、「ウクライナ軍陣地に毎日のように砲撃や迫撃砲の攻撃を加えている」とした。 バフムートから北へ約 25 マイル(約 40 キロ)離れたドネツク州リマンでは部隊の補充を図っているとした。 その上でウクライナ軍の作戦上の主要な任務は、クピャンスクとリマン近くに築いた陣地を守り抜き、バフムートの前線への進撃とした。 (CNN = 9-7-23) ウクライナ、ロシア国土の 3 分の 1 射程のミサイル開発中 1991 年のソビエト連邦崩壊後、独立国となったウクライナは、自国の防衛の確立を急いだ。 早急に立てた兵器開発計画の中には、米国のトマホークに匹敵する地上発射型の長距離巡航ミサイルの生産計画が含まれていた。 1,600km 以上先の標的を攻撃できる自律型の精密兵器だ。 ユージュノエ設計局が進めていた「コルシュン」巡航ミサイル開発計画は、何ら成果を出すことはなかった。 だがコルシュンを完成させるために必要とする技術や専門知識は、まだ存在している。 ウクライナ国営企業ユージュマシュは直近では 2018 年にも、コルシュンの設計を積極的に宣伝していた。 そして今、ウクライナには、コルシュンをついに完成させなければならない理由がある。 19 カ月に及ぶロシアとの戦争だ。 これは単なる臆測ではない。 9 月 3 日にウォロディミル・ゼレンスキー大統領に解任されたオレクシー・レズニコフ前国防相は、最近のインタビューで、ロシア領土の奥深くを攻撃するため、2000km 先を狙える兵器が必要だと語った。 この射程はロシア国土の東西の幅のおよそ 3 分の 1 に相当する。 ウクライナはそのような兵器を開発しているのかと尋ねられたレズニコフは「そうだ」と答えた。 ウクライナ軍はすでに、偵察無人機(ドローン)にジェットエンジンを搭載したり、古い地対空ミサイルを対地攻撃用に改良したりなど、有り合わせのものでさまざまな縦深攻撃兵器を開発し、国境から約 400km 離れたロシアの空軍基地や司令部などを狙っている。 そうではなく、縦深攻撃用の巡航ミサイルがあれば、ウクライナ軍はずっと遠くの標的をより頻繁に、より正確に攻撃できるようになる。 もちろん、巡航ミサイルの性能はエンジンと誘導装置に左右される。 ユージュマシュはコルシュンに、国内のエンジンメーカー、モトール・シーチが製造した R-95 ターボエンジンを採用した。 現在は MS-400 と呼ばれる R-95 は新しいものではなく、1980 年代初めにはソ連の Kh-55 巡航ミサイルの初期モデルに搭載されていた。 だが R-95 はコンパクトで効率がいい。 推力は 900 ポンドあり、重量 2 トンのコルシュンを亜音速で 1600km 以上飛ばすことができる。 誘導機能ではユージュマシュは従来の慣性航法装置に衛星航法システムを組み合わせた。 同社がまだコルシュンを生産していない主な理由ははっきりしている。 それは、資金面の問題だ。 レズニコフは「巨額を投資する必要がある。」と述べ、「もっと前にそうすべきだった」とも指摘した。 出遅れたとしても、何もしないよりはましだろう。 ウクライナはようやくコルシュンや同様の縦深攻撃ミサイルを完成させるために金を注いでいるとみられる。 完成して使えるようになれば、ウクライナ軍がロシア国内の標的を攻撃できる範囲は数百 km 拡大するはずだ。 (David Axe、Forbes = 9-7-23) アメリカ、劣化ウラン弾をウクライナに供与へ アメリカ政府は 6 日、問題視する声もある劣化ウラン弾をウクライナに供与すると発表した。 総額 10 億ドル(約 1,470 億円)以上の新たな軍事・人道支援パッケージの一環。 アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官はこの日、ウクライナの首都キーウを訪問し、年内に、アメリカが提供する戦車「M1 エイブラムス」で使用する 120 ミリ劣化ウラン弾を供与すると発表した。 ロシアはこの動きを非難している。 劣化ウランとは、核燃料の生成や軍事目的でウランを濃縮した際の残りを指す。 とても重い金属のため、戦車の装甲に使われる一方で、装甲や鋼鉄を貫く目的で砲弾などに利用される。 劣化ウラン弾は衝撃で鋭利になり、装甲を貫通する能力がさらに高まる。 また、接触時に発火する。 原子放射線の影響に関する国連科学委員会は、劣化ウランでの被曝で重大な中毒が引き起こされることはないとしている。 一方で、同じ国連傘下の国際原子力機関 (IAEA) は、劣化ウラン弾の破片を取り扱った場合に放射線を浴びる危険性があるとしている。 米国防総省の報道官は今年 3 月、アメリカがウクライナに劣化ウランを使用した砲弾を送ることはないだろうとしていた。 この直前には、イギリスがウクライナへの劣化ウラン弾の供与を発表していた。 アメリカは今回、対戦車システムや戦術航法装置、高機動ロケット砲システム「ハイマース」向けの砲弾なども供給するとした。 ブリンケン国務長官は、「新たな支援により、戦力の維持とさらなる攻勢を助ける」と述べた。 在米ロシア大使館は、この決定を「非人間性の表れ」だと非難。 アメリカが「ウクライナ軍のいわゆる反転攻勢の失敗を受け入れないことで、自らを欺いている」とした。 ウクライナの反転攻勢による領土奪還は 6 月以降、わずかとなっている。 しかし、南部ではロシアの第一防衛線を突破したと主張している。 こうした中、東部ドネツク州の前線に近いコスチャンティニウカで 6 日、攻撃があり、少なくとも 17 人が死亡した。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「平和な都市」に対する「意図的な」攻撃だとロシアを非難した。 ロシアはこの攻撃についてコメントしていない。 一方、ロシア南部ロストフ・ナ・ドヌとモスクワ近郊では、ウクライナのものとされるドローン(無人機)による攻撃が報告された。 ロストフのヴァシリー・ゴルベフ市長は、この攻撃で 1 人が軽傷を負い、複数の車が損傷したと述べた。 モスクワのセルゲイ・ソビャーニン市長によると、同市近郊の都市ラメンスコエを襲ったドローンは撃墜され、被害はなかったという。 一連の報告は、独立した検証・確認ができていない。 (BBC = 9-7-23) ロシア、ウクライナ東部攻撃 16 人死亡 米国務長官キーウ訪問中 [キーウ] ウクライナ当局によると、ロシアがウクライナ東部ドネツク州のコンスタンチノフカを攻撃し、少なくとも 16 人が死亡、多数の負傷者が出た。 ゼレンスキー大統領はこの攻撃を非難。 戦場に近い工業都市で市場、商店、薬局が攻撃されたとし、「このロシアの悪事は一刻も早く打ち破られなければならない」と述べた。 その後のキーウでの記者会見では、「平和な都市」に対する意図的な攻撃だったと考えているとし、「これはロシア連邦による新たなテロ攻撃だ。 彼らは意図的に市場を襲撃した。」と語った。 コンスタンチノフカは数カ月前から戦闘が激化しているバフムトから約 30 キロ離れている。 またキーウまでは約 560 キロの距離がある。 ブリンケン米国務長官はこの日、ウクライナへの支援姿勢を示すためキーウ入りした。 (Olena Harmash、Pavel Polityuk、Reuters = 9-7-23) |
... - 52 - 53 - 54 - 55 - 56 - 57 - 58 - 59 - 60 - 61 - 62 - ...