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ウクライナ南部でさらに前進、メリトポリ目指し - ウクライナ軍 ウクライナのゼレンスキー大統領は同国東部の前線を視察した。 ロシアの防衛線突破を目指した反転攻勢が続く中、同国軍は南部でさらに前進したと報告した。 ウクライナ南部オデーサ州のドナウ川沿いのイズマイル港がロシア軍の軍用ドローンの攻撃を受けて、少なくとも 1 人が死亡した。 州知事が 6 日、ソーシャルメディアのテレグラムで明らかにした。 ウクライナの穀物輸出にとって重要なイズマイルは以前から攻撃の対象とされてきた。 ウクライナの首都キーウも夜から朝にかけてミサイル攻撃を受けた。 ただ同市の軍当局は全てのミサイルを撃墜したと明らかにした。 ウクライナ軍によると、部隊はロシア軍が支配する南部サボリージャ州の要衝メリトポリを目指しており、奪還した集落ロボティネのさらに南に前進した。 米シンクタンク、戦争研究所 (ISW) によれば、歩兵部隊は同地域の対戦車障害物を越えて進んだ。 (Bloomberg = 9-6-23) ウクライナが前線での成果報告、ロシアは「反転攻勢は失敗」と分析 [モスクワ] ウクライナ軍は 5 日、対ロシア戦の最前線で前進し、強固な防衛態勢を敷いていると明らかにした。 一方、ロシアのショイグ国防相は同日、ロシア軍が占領するウクライナ南部ザポロジエ州の一部で情勢が緊迫していると認めつつも、ウクライナの反転攻勢は完全に失敗しているとの見方を示した。 東部ウクライナ軍の報道官は国営テレビに「われわれはバフムトで攻勢を強めている。 (バフムト南西にある)クリシチウカで 1 メートルずつ前進している。」と語った。 また、ウクライナ軍は昨年奪還した北方のリマン付近で猛攻に耐えたとも述べた。 参謀本部は、ロシアが 2014 年に一方的に併合したクリミアと占領した東部を結ぶ陸橋を遮断するため、ウクライナ軍が南部メリトポリに向け移動していると明らかにした。 一方、ロシア国防省によると、ショイグ国防相は「ウクライナ軍はどの戦線でも目標を達成していない。 最も緊迫しているのはザポロジエの戦線だ。」と述べた。 ウクライナのアナリストは、村落を次々と占領する作戦は成果を上げているが、今後については冬までの 2 カ月間、作戦を続行できるかどうかにかかっていると指摘した。 (Reuters = 9-6-23) 英主力戦車、ウクライナで破壊 初の戦闘不能か 【ロンドン】 英主要メディアは 5 日、ロシアがウクライナの前線で英国供与の主力戦車チャレンジャー 2 を破壊したと報じた。 チャレンジャー 2 が攻撃で戦闘不能になるのは初めての可能性が高いとしている。 乗っていた 4 人は無事だったという。 ウクライナ南部ザポロジエ州のロシア側幹部が、ロシア軍の第 1 防衛線に近い同州ロボティネ近郊でチャレンジャー 2 を破壊したと通信アプリに投稿していた。 英国は今年 1 月、14 両のチャレンジャー 2 をウクライナに供与する方針を発表。 BBC 放送によると、ウクライナの前線で確認されるのは今回が初めてだった。 (kyodo = 9-6-23) ロシアが初めて Su34 戦闘爆撃機から極超音速ミサイル「キンジャール」を発射、その戦術的意味は
ロシア軍が初めて、極超音速ミサイル「キンジャール」を戦闘爆撃機「スホーイ 34 (Su34)」から発射したと、ロシア国営メディアが報じた。 これはウクライナ戦争における、ロシア空軍の大きな戦術転換を意味する可能性がある。 ロシア国営タス通信は 9 月 4 日、「空爆の際に Su34 爆撃機が極超音速ミサイルのキンジャールを使用した」と報じた。 「ダガー」や「キルジョイ」の別名でも知られるロシアのキンジャールは、2022 年 2 月にロシアがウクライナへの本格侵攻を開始した後すぐに、ミサイル攻撃に使われるようになった。 ロシア国営メディアの報道によれば、キンジャールが初めて使われたのは 2022 年 3 月半ば。 ウクライナ空軍はこれまで幾度か、ロシア軍がウクライナ領内への攻撃にキンジャールを使用したと報告しているが、ロシア軍が使用するほかの種類のミサイルに比べれば頻度は少ない。 空対地ミサイルのキンジャールは一般に、Su34 ではなく、旧ソ連時代の迎撃戦闘機「ミグ31K」から発射されてきた。 ロシア国営メディアの複数の報道は、ロシア軍が保有する超音速長距離爆撃機「TU22M3」と「Su34」が、キンジャールを搭載できるよう改造された可能性があると示唆している。 つまり今回の報道は、ロシア軍が新たなタイプの軍用機にキンジャールを搭載するのに成功したことを初めて示した。 キンジャールは「無敵ではない」 英シンクタンク「王立統合軍事研究所」のシッダールト・カウシャル研究員は、キンジャールを搭載できるよう Su34 を改造することは、ロシア軍にとって「理に叶っている」と指摘した。 カウシャルはまた、Su34 の改造によって多くのミグ 31 がキンジャールの母機としての役割から解放され、前線で迎撃機としての役割を果たすことができるようになるだろうと本誌に述べた。 「ミグ 31 に搭載されている長距離レーダーや R37 迎撃ミサイルは、ロシア軍にとって、ウクライナの航空機を封じ込めるための有用なツールであることが分かっている」と彼は言う。 ミグ 31 のレーダーは巡航ミサイルを識別・撃退する機能を備えているとも言われているという。 「従って、今後ミグ 31 が航空機や巡航ミサイルによる攻撃に対する防御に用いられるケースが増えるかもしれない。 とりわけクリミア駐留のロシア軍に対するウクライナからのミサイル攻撃の脅威がより深刻になれば、その可能性は高まるだろう」とカウシャルは主張した。 ロシアはキンジャールについて、音速の 10 倍の速さで飛ぶことができる「誰にも止められない」次世代兵器のひとつだと豪語してきた。 だが西側の専門家の一部は、キンジャールを「極超音速」ミサイルだとするのは誇大表現だとし、キンジャールはロシアが主張しているほど無敵な兵器ではないと指摘している。 軍事専門家のデービッド・ハンブリングは以前、本誌に対して、キンジャールは軌道修正能力に限界があり、あらゆる兆候が、真の極超音速兵器というよりも「単なる空中発射弾道ミサイルであることを示している」と述べていた。 だがロシアが「きわめて限られた数の」キンジャールしか保有していないとしても、その発射装置がこれまでよりも増えれば、「ロシアがキンジャールを一斉に発射して(ウクライナの)防空システムを圧倒しようとする可能性が出てくる」とハンブリングは 4 日、本誌に語った。 「ロシア政府が国民に対して、自国の技術は今も発展を続けていると納得させるための『いいニュース』を欲しがっているということも、今回の報道の背景にあるのかもしれない。」 だがウクライナ軍はこの数カ月で、複数のキンジャールミサイルの撃墜に成功したと発表している。 ロシアも脆弱性に困惑? ウクライナ空軍の司令官であるミコラ・オレシュク中将は、ウクライナは 2023 年 5 月初旬にミグ 31K から発射された「無敵のダガーを撃墜」することに成功したと発表。 その後に米国防総省が、ウクライナ軍が運用する米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」がロシアのキンジャールを迎撃したと確認。 これについて「ロシア国防省のある高官」はロシア国営メディアで「希望的観測」だと一蹴した。 ウクライナは 6 月半ばまでに、24 を超える「キンジャール」を撃墜したと発表。 イギリス国防省は 5 月半ばにソーシャルメディアへの投稿の中で、ロシアは「キンジャールの脆弱性に驚き、困惑している可能性が高い」と指摘していた。 (エリー・クック、NewsWeek = 9-5-23) 反攻 4 カ月目は防衛線突破を阻止したロシアに軍配、ウクライナは装備を失い過ぎた RUSI
英国王立防衛安全保障研究所 (RUSI) の最新報告によれば、ウクライナ軍は装備に大きな損失を被っている上、欧米諸国が提供する訓練は彼らの戦闘に適していない。 RUSI は、9 月 4 日に発表した報告書で、「反転攻勢を急いだあまりの装備損失は、持続不可能なレベルに達している」と述べた。 この報告書は、ウクライナがロシア占領地の奪還を目指す反攻の 4 ヵ月目に突入する今、ウクライナが直面する課題に焦点を当てている。 報告書によれば、ウクライナ軍が前進すればするほど、領土解放にはさらなる攻勢が必要になる。 戦争が冬から来年へと長引くなかで、ロシアの侵略に対抗しウクライナを支援し続ける西側諸国のコミットメントが必要だという。 RUSI の分析は、東部ドネツク州と南部ザポリージャ州の境界に位置するノヴォダリウカ村とリヴノピル村での 2 週間にわたる戦術行動に基づいている。 報告書によれば、ウクライナ軍の装備の損失率は甚大で、「外国から供与された装甲戦闘車両がなければ、人的損失ももっと大きなものになっていただろう」と述べる。 報告書は、「ウクライナ軍は、装甲車両隊を常に回収、修理、維持し続けることが重要だ」と続ける。 ロシア軍は防衛線突破を阻止 だが「このやり方での進軍には時間がかかる。」 ウクライナ軍が 5 日ごとに約 640 - 1,000 キロ前進する間、ロシア軍は態勢を整えてしまう。 ロシアの軍隊も火力や戦車の損失率は高いが、彼らはウクライナの反攻初期に十分に相手の装備に損失を与え、ウクライナの機動力を低下させることに成功した、と RUSI はみる。 要するに、ロシアはウクライナ軍の防衛線突破を阻止する戦術的成功を収めた、ということだ。 ロシア軍は装備に大きな損失を被りながらも、地雷原を拡大し、電子戦 (EW) の守備範囲を広げ、火力の指向をより精密にするなどの適応をした。 ウクライナ軍にとっても、「遠隔地雷探知ツールの開発は非常に有益だった。」 しかしウクライナ軍の反攻は大隊と旅団レベルの人材不足に制約されており、スタッフの訓練が「大きな助けになる」という。 ただしこれはウクライナの組織に合ったものでなければならず、「NATO の方法を教えるのでは役に立たない」と指摘する。 キーウ・インディペンデント紙は先週、NATO で訓練を受けたウクライナ兵士が、より装備の整ったロシア軍に立ち向かう際に「自らの力不足を感じている」と証言している。 ハルキウの北部戦線で戦う第 32 独立機械化旅団の一兵士は、NATO の将校は現地の実情を理解していないと述べました。 軍事分析センター「ディフェンス・エクスプレス」の責任者セルギー・ズグレツは、NATO の訓練が市街戦に焦点を当てているため、敵を塹壕から排除する方法、突撃部隊の組成、それを砲兵やドローンと連携させる方法など、必要なスキルに対する関心が足りないと述べました。 RUSI は、ウクライナの反攻には相手を火力で制圧することが必要であり、弾薬生産と予備品の適切な供給が優位性の確保に不可欠だとする。 また「2024 年の優勢を確実なものとするためには、ウクライナを支援する西側諸国が、冬季およびその後の本格戦闘シーズンの準備を支援する必要がある」と付け加えた。 (ブレンダン・コール、NewsWeek = 9-5-23) ウクライナ、ロシアのドローンが NATO 加盟国ルーマニアに落下と発表 ウクライナは 4 日、隣国ルーマニアの領内にロシアのドローン(無人機)が落下したと発表した。 ロシアがルーマニアとの国境沿いにあるウクライナの都市を攻撃中に、起きたとしている。 ウクライナのドミトロ・クレバ外相は、キーウでの記者会見後、同国の主張を裏付ける証拠写真があると記者団に述べた。一方、ルーマニアはウクライナの説明を否定している。 BBC ヴェリファイ(検証チーム)は、クレバ氏が証拠だとする画像が本物か確認できていない。 ロシアのドローンが迎撃されたためではなく、ルーマニア領内に落下したのならば、偶発的なこととしても、北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国にロシアの兵器が直接落ちた初のケースとなる。 昨年 11 月にはポーランドにミサイルが着弾し、ウクライナは当初、ロシアのミサイルだと主張した。 しかしその後、ウクライナの防空ミサイルだった可能性が高いとされた。 トルコとロシアが首脳会談 こうした中、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は 4 日、ロシアの都市ソチを訪れ、ウラジーミル・プーチン大統領と会談した。 エルドアン氏は、ウクライナが黒海からの穀物輸出を安全に行うための協定を復活させるよう、プーチン氏にはたらきかけた。 ロシアはこの協定を 7 月に離脱した。 プーチン氏は、西側諸国がロシアの農産物に対する制裁を解除するまで、復活はないと述べた。 また、ロシアはアフリカ 6 カ国に対し、穀物を無償提供し「輸送も無償で行う」計画を進めているとした。 穀物輸出が問題の中心 ドローン落下をめぐりウクライナとルーマニアの主張が対立しているが、その核心にも、行き詰まり状態の穀物輸出の協定がある。 ロシアは、ウクライナがドナウ川経由で穀物を輸出するのを阻止しようと、川沿いのウクライナ港湾施設を 1 カ月以上にわたって攻撃している。 黒海に代わるルートを確保させないのが、ロシア側の狙いとみられる。 3 日夜には、ロシアはイズマイル港を攻撃。 その前日にも、近くのレニ港をドローンで攻撃した。 今回、ウクライナは 1 機以上のドローンがドナウ川を越えてルーマニア国内に落下したと主張。 一方、ルーマニアはそうしたことはなかったとしており、両国の言い分が異なっている。 ルーマニアのルミニツァ・オドベスク外相は、「もちろんリスクはある。 私たちの国境のすぐ近くで起きたことだからだ。」と述べた。 「ロシアは皮肉にも民間インフラを攻撃し続けており、ウクライナに穀物を輸出させていない。」 「もちろん事故が起こるリスクはあるが、差し当たり、そうしたことにはなっていない。」 これに対し、ウクライナのクレバ外相は怒りをあらわにしながら、何が起きたのかは「極めて明白だ」と発言。 ウクライナのパートナーの中には争いに巻き込まれるのを避けようと、事実上、見て見ぬふりをしている国もあるとした。 ウクライナが「証拠」公開 BBC ヴェリファイは、ルーマニア領内でのドローン落下の様子だとされる静止画像と動画を検証している。 画像は 4 日朝、ウクライナ外務省のオレグ・ニコレンコ報道官がソーシャルメディアで公開した。 画像も動画も、森に覆われた川岸で夜間、火の玉が上がっている状況を示している。 ただ、暗闇の中、離れた場所から撮影されたもので、解像度も低く、かなり質が悪い。 ところどころぼやけたところもあり、細部が不明瞭だ。 そのため、BBC ヴェリファイはウクライナの主張が事実か確認できない。 爆発がドローンによるものか、別の原因によるものなのか、判断できない。 (BBC = 9-5-23) 露軍第 2・第 3 防衛線は脆弱 ウクライナ軍、突破に自信 ロシア軍に対するウクライナ軍の反攻で、主軸の南部ザポロジエ州で露軍の第 1 防衛線を突破したウクライナ軍部隊のシュトゥピン報道官は、露軍の第 2、第 3 防衛線は第 1 防衛線に比べて脆弱だと指摘し、さらなる前進に自信を示した。 ウクライナメディアが 3 日伝えた。 シュトゥピン氏は、地雷原や対戦車兵器、要塞などで構築された露軍の 3 層の防衛線について、全体の強固さを 100 とした場合、「第 1 防衛線は 60、第 2 防衛線は 20、第 3 防衛線は 20 だ」と指摘。 第 1 防衛線の突破では、地雷除去車などが砲撃の標的にされたため地雷除去を手作業で行ったが、比較的脆弱な第 2 防衛線以降では地雷除去車や部隊の運用が容易になると説明し、前進の速度が上がる可能性を示唆した。 シュトゥピン氏はまた、露軍が第 1 防衛線を突破された後、本来は攻撃用である精鋭の空挺部隊を防衛に回しており、露軍の予備兵力が減りつつある表れだとの認識を表明。 「わが軍の弾薬量や露軍の出方などにもよるが、われわれはさらに前進し、アゾフ海まで南下できると期待している」と述べた。 米国やウクライナ国防省によると、ザポロジエ州北部から南下を開始したウクライナ軍は最近、同州の一部地域で露軍の防衛線を突破。 交通の要衝トクマクの奪還を次の主要目標にしているとみられている。 ウクライナ軍は、トクマクやさらに南方の主要都市メリトポリ、ベルジャンスク方面に前進し、露軍の支配下にあるアゾフ海沿岸の「陸の回廊」を分断することで露軍の補給路を断ち、南部一帯の奪還につなげる戦略を立てている。 (sankei = 9-4-23) ウクライナ軍、30 両のレオパルト 2A4 戦車が集結 9 月 1 日にソーシャルメディアで公開された動画には、どうやらウクライナ軍の一個大隊に属する約 30 両のレオパルト 2A4 戦車が映っている。 白昼堂々、ウクライナ国旗などを掲げた戦車が整然と並んでいる。 重量 61 トン、乗員 4 人のレオパルト 2A4 の周りを乗員たちは気楽に臆することなく歩き回っている。 装甲大隊を構成しているこれらの戦車がロシア軍の大砲の射程圏内に入っていないのは明らかだ。 この動画がいつどこで撮影されたのかはわからないが、ウクライナ南部のどこかで最近撮影されたものと思われる。 ウクライナの技術者たちはレオパルト 2A4 に国産の爆発反応装甲 (ERA) コンタークトのブロックを徐々に取り付けている。 ERA は砲弾やミサイルが命中すると外側に向かって爆発するため、爆風の向きを部分的にそらす。 ERA が取りつけられたレオパルト 2A4 を、一部の人は「レオパルト 2A4V」と呼ぶ。 動画のレオパルト 2 戦車はすべて A4V だ。 数週間前であれば、ERA を搭載したレオパルト 2 を大量に並べることは不可能だっただろう。 技術者らはつい最近、追加の装甲を施した。 ウクライナは今春、120mm 滑腔砲を搭載した 1980 年代に生産されたレオパルト 2A4 を 40 両受け取った。 カナダやデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、スペインなどが供与した。 伝えられたところによると、ウクライナ軍参謀本部はこれらの戦車の大半を新設の第 33 独立機械化旅団に配備した。 同旅団は待望の南部反攻作戦で第 47 独立機械化旅団を支援。 反攻が始まってからの 3 カ月で 21 両のレオパルト 2A6 のうちの 3 両を、そして A4 は 2 両のみ失った。 第 47 旅団と支援する旅団は、最近解放されたロボティネからロシアが占領するトクマク、そして最終的にはメリトポリへと伸びる約 80km の軸に沿って戦っている。 ウクライナの同盟国は 3 種類のレオパルト 2 を計 85 両供与することを約束した。 A4 と A6、そしてかなりの装甲が施されたスウェーデンのストリッツヴァグン (Strv) 122 だ。 A4 は来年輸送される予定の 14 両を除いてすでにウクライナに到着している。 ウクライナが失ったとされる 5 両を差し引くと、66 両のレオパルト 2が現在運用されている。 その約半数が、先の動画のために南部前線の後方の 1 カ所に集結していた。 18 両の A6 は 6 月初旬から戦闘に従事しており、動画に映っていないのは当然だ。 一方、10 両の Strv 122 は 160km 以上離れたウクライナ北東部クレミンナの西方で防衛戦を戦っている。 映像に映っていないのは A4 が 8 両だけだ。 その 8 両の戦車がどこにあるのかを推測するのは難しくない。 ほぼ間違いなくポーランドにあり、戦闘で損傷したため修理中だ。 それらの一部にはこれから ERA のブロックが取り付けられると思われる。 結局のところ、動画はウクライナ軍がまだほぼすべてのレオパルト 2 を保有していることを示している。 第 33 機械化旅団は無傷で、装甲を強化した戦車を反攻に再投入する準備が整っているようだ。 (David Axe、Forbes = 9-4-23) ウクライナ国防相解任へ ゼレンスキー大統領表明 汚職疑惑で引責か ウクライナのゼレンスキー大統領は 3 日夜のビデオ演説で、ロシアによる侵攻前から国防相を務めるレズニコウ氏を解任し、後任に国有財産基金トップのルステム・ウメロウ氏を起用する考えを明らかにした。 レズニコウ氏は今年初めに国防省の汚職疑惑が報じられ、監督責任を追及する声が上がっていた。 ゼレンスキー氏はレズニコウ氏について、「この 550 日以上にわたる全面戦争を経験してきた。 しかし、国防省には新たなアプローチや、軍や社会全体との新たな交流の形が必要だ」と述べ、人事刷新の必要性を強調。 議会に近く人事案の承認を求める。 ロイター通信などによると、レズニコウ氏は侵攻開始前の 2021 年 11 月に国防相に任命された。 弁護士で軍事経験はほとんどないが、西側諸国の軍事援助の確保に貢献してきた。 ただ、ウクライナ軍は 6 月上旬に領土奪還を目指す反転攻勢に着手したが、ロシア軍の抵抗に阻まれ、大きな成果が出せていない。 一方、国防省をめぐっては、特定の企業から相場よりはるかに高い価格で軍の食料を購入していたとの汚職疑惑が報じられ、副大臣が 1 月に辞任した。 レズニコウ氏も引責辞任するとの見方が出ていた。 地元メディア「ウクライナ・プラウダ」は 8 月、政府関係者の話として、ゼレンスキー氏がレズニコウ氏の後任を探していると伝えていた。 ゼレンスキー氏は、欧米の継続的な支援を得るとともに、国民に腐敗対策に取り組む姿勢を示す狙いもあるとみられる。 演説でゼレンスキー氏は、「今後はウメロウ氏が国防省を率いるべきだ。 議会はこの人物をよく知っており、支持することを期待する。 秋は強化の時だ。」とも述べた。 ロイター通信によると、ウメロウ氏はクリミア・タタール系の政治家で 41 歳。 昨年から国有財産基金を率い、黒海を通じた穀物取引問題など難しい交渉の一翼を担ってきたとされる。 (ブリュッセル = 玉川透、asahi = 9-4-23) ゼレンスキー氏の後援者とされた富豪を起訴 ウクライナ当局、拘束も ウクライナ保安局 (SBU) は 2 日、「オリガルヒ」と呼ばれる新興財閥の一つを率いたウクライナ有数の富豪、イーホル・コロモイスキー氏を資金洗浄(マネーロンダリング)と詐欺の罪で起訴したと発表した。 コロモイスキー氏は 2019 年の大統領選で、ゼレンスキー氏の主要な後援者とみなされたことで知られる。 SBU の発表によると、コロモイスキー氏は 13 - 20 年、支配下の銀行を通じ、5 億フリブニャ(約 20 億円)以上を国外に送金して資金洗浄した。 地元メディア「ウクライナ・プラウダ」によると、キーウの裁判所は 2 日、コロモイスキー氏を 60 日間、拘束するよう命じたという。 ゼレンスキー氏は 2 日夜のビデオ演説で、「法律は機能しなくてはならない」などと述べ、コロモイスキー氏の起訴に暗に言及した。 汚職や不正対策を徹底する考えを示すものだ。 コロモイスキー氏は、14 - 15 年の中部ドニプロペトロウスク州知事時代に「汚職に関与した」として、21 年に米国から制裁を科されている。 ゼレンスキー氏が大統領役で主演した人気ドラマ「国民のしもべ」はコロモイスキー氏所有のテレビ局で放送され、ゼレンスキー氏の大統領就任につながるきっかけとなった。 ゼレンスキー氏は就任前後、コロモイスキー氏との距離の近さが指摘されたが、影響を受けている事実はないと繰り返し否定してきた。 21 年には、オリガルヒらの政治関与を規制する法律を成立させた。 (根本晃、asahi = 9-3-23) ロシア、ドナウ川の港湾にドローン攻撃 穀物の代替輸出ルート 【キーウ】 ウクライナ当局は 3 日、ロシア軍が 2 日夜から 3 日未明にかけて南部オデッサ州を約 3 時間半、ドローンで攻撃し、ドナウ川にある港湾インフラが被害を受けたと明らかにした。 民間人 2 人が負傷した。 ロシアが黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意から 7 月に離脱後、ルーマニアとの国境を流れるドナウ川が輸出の主要代替ルートとなり、ロシア軍は川沿いの港湾施設に攻撃を続けている。 ウクライナ側は今回、ロシアがイラン製無人機シャヘド 25 機を投入し、うち 22 機を撃退したとした。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 2 日、「誰が何と言おうと軍は前進している」と通信アプリに投稿した。 (kyodo = 9-3-23) ウクライナ軍司令官「我々は今、最初と 2 番目の防衛線の間にいる」 ウクライナ中南部ザポリージャ州で西部の戦線を統括するウクライナ軍の作戦グループ「タウリヤ」のタルナウスキー司令官は、2 日にウェブ配信された英日曜紙「オブザーバー」のインタビューで「我々は今(ロシア軍の)最初と 2 番目の防衛線の間にいる」と語った。 新たに掌握した陣地で、南方に後退するロシア軍部隊との戦闘が続いているという。 ウクライナ国防省は 8 月末、部隊が地雷や塹壕などで何重にも築かれたロシア軍の防衛線の一端を突破したと発表。 タルナウスキー氏はここまでに 2 カ月以上要したことについて「ロシア軍の砲撃が激しく、地雷撤去は夜間の歩兵の作業に限られていた」と説明した。 タルナウスキー氏は「ロシア軍は最初の防衛線に 60% の時間と資源を割いていた」とし、今後はウクライナ軍が有利な立場に立つとの見方を示す一方、「勝利に近づけば近づくほど難しさは増す」とも語った。 タルナウスキー氏は昨秋 11 月の南部ヘルソン奪還を指揮。 6 月に始まった反転攻勢では、ザポリージャ州のアゾフ海にかけての地域で領土奪還作戦を担う。 (asahi = 9-3-23) ロシア軍の予備師団が南部戦線に 東部でのウクライナ軍失速も影響か ウクライナ軍の部隊は 8 月 30 日ごろ、南部ザポリージャ州の集落ベルボベ周辺で、ロシア軍が築いた 3 重の防衛線、通称「スロビキン・ライン」のうち、第 1 防衛線にあたる対戦車塹壕を越えたとみられる。 この部隊は小規模な偵察部隊だった可能性もあり、ロシア軍部隊から対人擲弾を撃ち込まれて撤収した可能性もある。 ウクライナ軍がザポリージャ州や隣のドネツク州で、満を持して反転攻勢を開始してから 3 カ月ほどたつ。偵察活動だったにせよ何にせよ、ロシア軍の支配下にあるベルボベの北西で目撃された今回の行動は、ウクライナ軍による南部での反攻が強まっていることをさらに示す動きだ。 ウクライナ軍は過去 2 週間で、ドネツク州南部のモクリ・ヤリー川渓谷にあるウロジャイネと、ザポリージャ州のベルボベのすぐ西にあるロボティネという重要な 2 つの集落を立て続けに解放した。 ロシア軍指導部は動揺したのだろう。 1 週間ほど前、残された最後の主要予備である空挺軍第 76 親衛空挺師団をウクライナ東部から南部へ移動させた。 第 76 親衛空挺師団は、各数千人の空挺兵を擁する前線任務担当の 3 個連隊を隷下に置くほか、T-90 戦車、T-72 戦車なども装備する強力な師団だ。 その部隊はこのほどロボティネから南へ 20km ほどにある都市トクマクに到着し、さっそくロボティネのウクライナ軍部隊に対する砲撃を始めている。 しかし、第 76 親衛空挺師団は予備とはいえ、どうして東部から移動可能になったのだろうか。 また、ロシア軍指導部はなぜ、この師団を配置換えしても支障はないと判断したのか? ロシア軍に詳しい作家のトム・クーパーはこう推測している。 ロシア軍指導部がこのところ、ドネツク州のバフムート一帯の陣地を守りきれることに自信を深めているからではないかと。 ウクライナ軍の旅団が南部で反攻を開始したのと同時に、東部でもウクライナ軍の小規模な部隊が攻撃を始めたのを思い出してほしい。 陸軍の第 3 強襲旅団と第 5 強襲旅団を主力とするその部隊は、ロシア軍の重要な防御陣地が設けられていたドンバス運河を越え、バフムートの北と南の両面で数 km 前進した。 南部での攻勢にも重要な役割を果たしてきた。 クーパーが指摘しているとおり、「ウクライナ軍による過去数カ月の攻勢によって、ロシア空挺軍の 2 個師団がバフムートエリアに張り付けられてきた」からだ。 ウクライナ軍の攻勢を受けて、ロシア空挺軍の第 96 親衛空挺師団と第 108 親衛空挺師団はバフムート一帯から離れられなかった。 そのため、ロシア軍の東部の防御線に穴が開いた場合に、迅速に行動してそれを埋める「緊急出動部隊」の役割を果たせるのは、第 76 親衛空挺師団しかなかった。 ところが 2 週間くらい前に、バフムート周辺でのウクライナ軍の攻撃は鈍くなった。 ひどく鈍くなった、と言ってもいいかもしれない。 米航空宇宙局 (NASA) の火災検知衛星のデータによれば、バフムート周辺のホットスポットは 8 月 9 日ごろをピークに減少している。 一帯での戦闘が大幅に沈静化したことを示唆するものだ。 第 96、第 108 親衛空挺師団は以後、バフムートを危険にさらさずに連隊を自由に動かせるようになったとみられる。 おそらくその結果、第 76 親衛空挺師団は東部での作戦予備としては余剰になり、南部での防御のてこ入れに向かえる状態になったのだろう。 東部でのウクライナ軍の攻勢は、ロシア軍の予備を釘付けにすることで、南部での攻勢を間接的に支援していた。 それについてはウクライナ軍指導部も当然、初めから理解していたはずだ。 では、なぜここへきて東部での攻勢は鈍くなったのか? もしかすると、これまで攻撃を主導してきた第 3、第 5 強襲旅団は、休息や修理、そのほか数カ月にわたる激戦による損害の埋め合わせのために小休止しているのかもしれない。 ウクライナ軍には、これら前線の旅団の代えとなるほどの予備が、一時的ですらない可能性もある。 ロシアがウクライナに対する戦争を拡大してから 1 年 7 カ月。 およそ 1,000km におよぶ前線で両軍の戦力バランスが次々と変わることは、この戦いがいかに激しいかを裏書きしている。 双方とも常に、わずか数個の旅団や連隊が疲弊しただけで、勢いが相手側に移りかねない状態にあるのだ。 現在、南部ではウクライナ軍に勢いがある。 他方、クーパーの見解にしたがえば、東部では、少なくとも防御区域全体を不安定化させずに師団を配置転換できる程度には、ロシア軍に勢いがあるのかもしれない。 (David Axe、Forbes = 9-3-23) 兵の「使い捨て」で防戦するロシアを突破できるか 米軍元将官の見方 ウクライナの反転攻勢の開始から約 3 カ月が経ちました。 米陸軍退役少将で北大西洋条約機構 (NATO) の事務次長代理も務めた欧州政策分析センター (CEPA) のゴードン・デービス上級研究員は「年内に戦術的に重要な成果が期待できる」と語る一方、領土の奪還を加速させる突破口が開ける可能性は「五分五分」とみています。 ウクライナの反攻についてどう評価しますか。
領土奪還はまだ占領地の 1% 未満 今後のポイントは
欧米が訓練した、戦車と歩兵、砲兵など異なる戦力を組み合わせた作戦がうまくいっていないと指摘されています。
ロシア軍は兵士の使い捨てで対抗 ロシア側はどう対抗していますか。
突破口は開けるでしょうか。
欧米が提供する武器の量と種類が交渉のゆくえを左右 戦争の終わり方をどう考えますか。
ウクライナは南部で「顕著な進展」 = アメリカ政府高官 「厳しい戦い」とウクライナ外相 米ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報担当調整官は 9 月 1 日、ウクライナ軍がそれまでの 72 時間の間にザポリッジャの南で「顕著な前進」を実現したと述べた。 ウクライナのドミトロ・クレバ外相は同日、米 CNN に対して、ウクライナ軍は前進しているものの「厳しい戦い」だと話した。 米国家安全保障会議 (NSC) のカービー氏は記者団に対して、「ザポリッジャ周辺から南へ進む戦線で、ウクライナ軍がこの 72 時間ほどの間に顕著な進展を果たした」と話した。 さらに、「ロシアの第 2 防衛線に対して、(ウクライナは)一定の成果を上げた」と述べた。 「ただし、今後さらに南へ進軍しようとする中で、まだかなりの厳しい戦いが待っている」とウクライナは承知しており、ロシアが反撃するかもしれないことも、ウクライナはわかっていると、カービー氏は話した。 他方、ロシア国防省は 1 日、最大級の新型大陸間弾道ミサイル (ICBM) 「サルマト」を実戦配備したと発表した。 「サルマト」は 10 以上の核弾頭が搭載可能という。 実戦配備されたかどうか、第三者による確認はされていない。 ウクライナの反攻ペースで批判と反論 ロシアは 2014 年に併合したウクライナのクリミアと、昨年 2 月からの侵攻で制圧したウクライナ南部一帯を陸路として、ロシア本土から物資や兵員を運び込んでいる。 ウクライナはこの陸の回廊を寸断するため、南部に部隊を進める反転攻勢を今年 6 月から開始している。 しかし、その進捗のペースは期待したほど速やかではないと、ウクライナ政府も認めていると、カービー氏は述べた。 カービー氏は記者団に対して、状況を客観的に観察している者にとって、ウクライナ軍によるこの成果は「否定しがたい」ものだと述べ、ウクライナ軍の前進が遅いと匿名で批判する「当局者」たちの発言は、「ウクライナが確実に成功するようにする取り組み全般に対して、何の助けにもならない」と付け加えた。 反攻を続けるウクライナ側は北大西洋条約機構 (NATO) の加盟諸国に対して、戦車や地雷撤去装置のほか、アメリカ製 F-16 戦闘機の提供を引き続き強く要請している。 こうした中でクレバ外相は 31 日、スペイン・トレドで開かれた欧州連合 (EU) 外相会議に出席し、「反転攻勢のゆっくりとしたペースを批判することは、ウクライナの土地を 1 キロずつ進み解放するため毎日命を捧げているウクライナ兵の顔に、つばを吐くようなものだ」と記者団に述べた。 クレバ外相はスペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相と並んで、「(ウクライナの反転攻勢を)批判している全員に黙れと言いたい。 黙って、ウクライナへきて、自分で(ウクライナ領を) 1 センチでも開放してみろと言いたい。」と述べた。 この発言後に CNN のインタビューに応じたクレバ氏は、「もしウクライナが失敗しているなら、おそらく私が真っ先にありのままの真実を口にする。 しかし、私たちは失敗していない。 むしろ前進している。」と述べた。 さらに、ウクライナの反攻のペースを批判する人たちは、実際に戦っている兵士たちがどう思うか考えるべきだと述べた。 「仲間 2 人が死んで、自分も死にそうになって、地雷撤去のために 1 キロも腹ばいになって匍匐前進して、自分を犠牲にして、激戦でロシアの塹壕を奪って」、「それで電話を開いたらいろいろな頭のいい人たちが、自分たちは遅すぎる、自分たちの働きはお粗末だと言っているのを読んだとしたら、どう思うか?」とクレバ外相は話した。 外相はさらに、「アメリカを含めて、私たちを助てくれるパートナーたちは、事態が正しい方向に動いていると理解している。 悲劇や停滞などないというのも理解している。」、「ただこれは厳しい戦いなので、こうなっているだけだ。 厳しい戦いだ。」と述べた。 米紙ニューヨーク・タイムズは 8 月 22 日、複数の米政府関係者が匿名で、ウクライナの反転攻勢の作戦展開や部隊配置を批判する記事を掲載していた。 ウクライナ政府は 8 月 28 日、ザポリッジャ州のロボティネ集落を奪還したと発表した。 一方、ロシア軍はウクライナ北東部クピャンスク近くで、戦略拠点となる高所を掌握したと主張している。 北東部ハルキウでは、昨年 9 月にウクライナ軍が奪還した州都ハルキウから東の地域を再び制圧するため、ロシア軍が大部隊を集結させている。 (BBC = 9-2-23) |
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