... - 50 - 51 - 52 - 53 - 54 - 55 - 56 - 57 - 58 - 59 - 60 - ...

無人機「ロシア国内から」 空港攻撃、輸送機損傷

【キーウ】 ウクライナのブダノフ国防省情報総局長はロシア北西部プスコフ州の空港であった攻撃について、ロシア国内から出撃した無人機によるものだと指摘した。 情報総局が 1 日発表した。 ブダノフ氏は「われわれはロシア領内からも活動している」と述べたが、無人機攻撃を実行したかどうかは明らかにしなかった。 ロシアの抵抗勢力による攻撃の可能性もある。 ロシアでは 8 月 29 日から 30 日にかけて大規模な無人機攻撃があった。 ブダノフ氏は、プスコフ州の空港でロシア軍の大型輸送機イリューシン 76 の 4 機が損傷したことを明らかにした。 軍事貨物や空挺部隊の兵員輸送に使われていたため狙われたとの見方を示した。 (kyodo = 9-2-23)


ウクライナ軍、ロシア軍防衛線の一端を突破か 中南部でさらに前進

ウクライナ国防省は 8 月 30 日、同国軍が反転攻勢の焦点である中南部ザポリージャ州で前進を続けていると発表した。 約 2 カ月の攻防の末に奪還した同州西部ロボティネ村から南、東方向へ進み、ロシア軍の陣地に迫ったとみられる。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは 31 日、ウクライナ軍が南のアゾフ海までの間に設けられたとされるロシア軍の防衛線の一端を突破したと伝えた。 ウクライナがロボティネ奪還を正式に発表したのは 8 月 28 日。 30 日には米国のシンクタンク「戦争研究所 (ISW)」が、同村から約 8 キロ南東のベルボベ村の北西端に、ウクライナ軍の歩兵隊が到達したことが現地からの映像の分析で確認されたとした。

国防省は部隊が南に前進しているともしており、ロボティネから南 20 数キロの要衝トクマクをめざす作戦も続いているとみられる。 ロシア国防省はロボティネからの撤退を認めていないが、SNS 「テレグラム」上の主要な軍事情報チャンネルは、ウクライナ軍が味方の砲撃の支援を受けてベルボベやロボティネの南方に進んでいるとした。

ロシア軍の損失は不明 増援送るとの見方も

ウクライナ公共放送「ススピーリネ」は 30 日、ウクライナ軍が支援国から供給された砲撃システムでロシア軍の火砲を攻撃し続けた結果、砲撃能力で両軍の差がなくなったとする軍参謀本部高官の見方を伝えた。 ISW は、ロシア軍が残った火砲を前線から離れた場所に移さざるを得なくなっていると分析している。 この間の戦闘でロシア軍がどれほどの損失を被っているかは不明だ。 同軍は隣接するヘルソン州や北東部のルハンスク州から増援部隊を送り込み、態勢を立て直すとの見方もある。 (喜田尚、ワシントン = 下司佳代子、asahi = 9-1-23)


南部戦線のウクライナ軍、巧みな布陣でロシア軍に揺さぶり

ウクライナ南部ザポリージャ州で要衝ロボティネをロシア軍の支配から解放したウクライナ空中機動軍(空挺軍)の旅団は、メリトポリに向けて南下するルート上の次の目標となる集落ノボプロコピウカ攻略に向けて、まずその東にある別の集落ベルボベの奪還を進めている。 ベルボベを解放したうえで、そこからノボプロコピウカを側面から攻撃する狙いとみられる。 これは戦いの進め方として賢明だ。 というのも、ウクライナ軍が 6 月上旬に広い範囲で反転攻勢を始めて以降、こうした戦術はいくつかの重要な戦闘で功を奏してきたからだ。

ロボティネでの 1 カ月にわたる戦いは、ウクライナ軍の反攻の転換点になった。 ウクライナ軍の旅団はロシア軍が設けた地雷原や塹壕をじわじわ進んでいき、第 58 諸兵科連合軍などの敵部隊を徐々に損耗させていった。 ウクライナ軍は自軍の車両を 1 両撃破されるにつき、ロシア軍の車両を 1 両撃破した。 攻撃側と防御側の重装備の損失比率が 1 対 1 というのは、通例に反する数字である。 伝統的に、攻撃する側の軍隊が勝利するには防御する側の軍隊の 3 倍の兵力が必要とされ、勝った場合も防御側の 3 倍の損害を被ると想定されてきたからだ。

ウクライナ軍が攻撃する側であるにもかかわらず、損失が同等なのは、砲撃戦でウクライナ側がさらに優勢になっていることから説明できる。 西側製の榴弾砲やロケットランチャーを多数装備するウクライナ軍の砲兵部隊は、クラスター弾や誘導弾も使うようになっている。 特筆すべきは、ウクライナ軍の砲兵は自軍の榴弾砲やロケットランチャーを 1 門撃破されるごとに、ロシア軍のこれらの兵器を 3 - 4 門撃破していることだ。 8 月 23 日、ぼろぼろになったロシア軍の連隊がロボティネから敗走し、ウクライナ陸軍の第 47 機械化旅団が廃墟にウクライナ国旗を掲げたとき、次に何が起こるかは自明だった。 ロボティネの高台からは、次の目標であるノボプロコピウカが目と鼻の先に望めただろうから。

とはいえ、ノボプロコピウカへの部隊の進め方は、ロシアがウクライナに対する戦争を拡大してから 1 年 7 カ月経つなか、ウクライナ軍が戦場で経験を積んできていることを物語っている。 ウクライナ空挺軍の第 46 空中機動旅団と第 82 空中強襲旅団は、そのまま南に進軍するのではなく、東へ方向転換した。 これはウクライナ海兵隊のやり方に倣ったものとみられる。 海兵隊の旅団は、ロボティネから東へ 100 キロメートルほどにある集落ウロジャイネを解放するにあたって、やはり側面から攻撃し、ロシア軍の守備隊の補給を断っていた。 ベルボベのロシア軍守備隊は 1 個自動車化狙撃連隊と 1 個特殊部隊旅団、3 個予備大隊で構成される。 7 個連隊が置かれているノボプロコピウカの守備隊よりもかなり小規模な兵力だ。

ロシア軍はウクライナ軍の第 46、第 82 旅団による強襲を阻むべく、ノボプロコピウカの部隊の一部をベルボベに移すことができる。 他方、戦線を安定化させる必要からやむにやまれず東部から南部へと急派させているらしい、精鋭の第 76 親衛空挺師団の部隊をベルボベに配置することもできるだろう。 ただ、第 76 親衛空挺師団はロシア軍が温存している最後の師団だ。 ベルボベの増援に回せば、ロシア軍が南部戦線のほかの拠点に充当する部隊はもうなくなることを意味する。

ロシア軍が急場しのぎの策として、ベルボベにノボプロコピウカの守備隊の一部を配置転換したとすればどうなるか。 その場合、第 46、第 82 旅団が選ばなかったことをするチャンス、つまりノボプロコピウカへ南進して北側から直接攻撃するチャンスが、ロボティネやその周辺に展開しているウクライナ軍のほかの旅団に与えられるだろう。 その旅団には、戦い慣れしている第 47 機械化旅団や第 65 機械化旅団が含まれる。

つまり、空挺軍の両旅団の行動はメリトポリに向けた主要な攻撃になる可能性もあれば、より西で行われる実際の主要な攻撃を支援する陽動になる可能性もある。 どちらになるかはロシア軍の選択しだいだ。 ノボプロコピウカの守備隊は動かさず、ベルボベの防御線が現在の兵力で持ちこたえることに望みをかけるか。 それとも、ノボプロコピウカからベルボベに増援部隊を送り、ノボプロコピウカの防衛線はより少ない兵力でも持ちこたえると期待するか。 ウクライナ軍は巧みな布陣によって、ロシア軍をどちらにしても危険がともなう二者択一に追い込んでいる。 (David Axe、Forbes = 9-1-23)


ロシア国防省、ブリャンスク州でドローン撃墜と発表

ロシア国防省は 31 日、南西部ブリャンスク州で同日正午ごろ、ドローン(無人航空機)を撃墜したと発表した。 同州では午前中にボゴマス知事が市民の通報で発見されたドローン 3 機が撃墜されたと SNS に投稿しており、これでこの日州内で撃墜したと発表されたドローンは 4 機になった。 30 日夜にも 2 機のドローンの撃墜が発表されていた。 (asahi = 8-31-23)


「クリミアでミサイル撃墜」親ロシア派幹部が投稿

ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島で「首長」を名乗る地元の親ロシア派幹部セルゲイ・アクショノフ氏は 30 日夜、同半島に飛来した巡航ミサイルをロシア軍が撃墜したと SNS に投稿した。 別の親ロシア派幹部は落下したミサイルの残骸で送電設備が損傷し、復旧活動が続いているとしている。 また、ウクライナと国境を接するロシア・ブリャンスク州のアレクサンドル・ボゴマス知事は州内で同夜、ウクライナの攻撃型ドローン(無人航空機) 2 機がロシア軍によって撃墜されたと SNS に投稿した。 死傷者や建物などの破壊はないとしている。 (asahi = 8-31-23)


ドネツク州スラビャンスク市の施設に砲撃、警備員死亡 市当局

ウクライナ東部ドネツク州北部の都市スラビャンスク市当局によると、31 日午前 0 時ごろ、郊外の村にある農業関連企業の施設がロシア軍の砲撃を受け、警備員が死亡した。 周辺では 4 回にわたって爆発音が響いたという。 スラビャンスクはドネツク州内のウクライナが拠点とする都市の一つ。 5 月に民間軍事会社ワグネルを中心とするロシア軍が制圧し、今も激しい攻防戦が続くバフムートから北西約 30 キロの距離にある。 (asahi = 8-31-23)


プーチン氏、トルコの大統領と会談へ ロイター

ロイター通信は 31 日、トルコのエルドアン大統領が 9 月 4 日にロシア南部のソチを訪問し、プーチン大統領と会談すると報じた。 同通信は、トルコ当局者の話として、黒海を通じたウクライナからの食料輸出の協定について議論する予定だと伝えている。 協定はロシアの侵攻下でウクライナからの安全な食料輸出を保証するため、国連とトルコの仲介により昨年 7 月に結ばれた。

だが、ロシアは国連との覚書に盛り込まれた、ロシアからの穀物輸出の障害となる金融制裁などの緩和が実現していないことなどに不満を示し、7 月に離脱。 輸出に使われてきたウクライナの港を攻撃している。 トルコ側はエルドアン氏がプーチン氏に協定への復帰を促し、8 月にプーチン氏をトルコに招く意向を示していた。 ただ、プーチン氏がそれに応じる見込みが立たず、自らの訪問で事態の打開を目指す考えとみられる。 トルコ外務省によると、同国のフィダン外相は 31 日からロシアを訪れる予定で、首脳会談に向けた協議を行うとみられている。 (asahi = 8-31-23)


英国防省「侵攻以来、最大のロシア本土への攻撃」

29 日夜から 30 日未明にかけてロシア国内の 5 州で相次いだドローン(無人航空機)攻撃について、英国防省は 31 日、ウクライナ侵攻が始まって以来最大のロシア本土に対する攻撃だったとの見解を明らかにした。 「多くのドローンは標的に到達した」とし、「ロシアはウクライナ国境とモスクワとの間の防空態勢について、再考を迫られている」との見方を示した。 同省は、ロシアの防空態勢はドローンの発見、破壊に難点を持つことが明らかになったと指摘。 過去のドローン攻撃をきっかけに、ウクライナへのミサイル攻撃の出撃基地を遠方へと移動させてきたが、国境から 650 キロ離れたノブゴロド州内の空軍基地への 23 日の攻撃や、30 日の西部プスコフ州の軍民共用空港に対する攻撃で、さらなる対応が必要になっているとした。 (asahi = 8-31-23)


ウクライナ軍、「数週間内に反転攻勢のブレイクスルーがある」 - - 元米欧州軍司令官

<大地がぬかるむ秋と凍結する冬を前に、ウクライナ軍は決定的な突破口を切り開けると予想>

ウクライナ軍の反転攻勢はウクライナ南部でじわじわと進んでいるが、いまだにゼレンスキー政権が望む決定的な前進、つまり軍の士気を一気に高めた昨年 9 月のハルキウ奪還のようなブレイクスルーは実現していない。 このままでは、はかばかしい戦果を挙げられないまま、秋雨により大地がぬかるみ、さらには冬季の凍結で攻勢が阻まれる季節に突入しかねない。 だが米欧州軍司令官を務めたベン・ホッジス元米陸軍中将はそれまでにウクライナ軍が大きな突破口を切り開く可能性があると、本誌に語った。

「今の感触では数週間以内に(ハルキウ並みの)ブレイクスルーがありそうだ。」

ウクライナ政府は軍が反攻に手間取っている理由として、地雷原や塹壕などの強固な防御を慎重に避けながらロシアの戦力を削がなければならないためだと、以前本誌に説明したが、この戦術の正しさがこれから証明される可能性があると、ホッジスは言う。

数カ所突破で戦況が激変

ロシア軍は 1,500 キロに及ぶ戦線の全域に地雷を敷設しているが、「それを全て突破する必要はない」と、ホッジスは言う。 「2、3 カ所か、多くても 4 カ所貫通できればいい。 それだけで戦況はがらりと変わり、はるかにダイナミックな攻勢が可能になる。」 本誌はこの見解についてロシア国防省にメールでコメントを求めている。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、反転攻勢の進捗が「期待したより遅い」ことを認めた。 西側諸国はウクライナに成果を出すよう圧力をかけ、今年に入って各国が行なったような大量の武器供与を来年も繰り返すのは難しいと警告している。

NATO の軍事的支援の強化を求めるウクライナに以前から理解を示してきたホッジスは、西側諸国に辛抱強く待つよう呼びかけている。

「情報を守る点では、ウクライナ人は私の知る誰よりもよくやっている。 いわゆるオプセク、つまり作戦上の情報セキュリティに関しては規律が徹底している。 何が起きているのか、誰が何をしているのか、それぞれの部隊がどういう状況にあるのか、われわれは知らないし、知る資格もない。」

つまり、誰もが限られた不確かな情報に基づいて結論を出しているわけだ。

「ペンタゴンの助言は不要」

米国防総省内では、東部から南部まで前線沿いの複数地点に兵力を分散して攻撃を始めたウクライナ軍の戦術が間違いだったという批判も聞かれる。 ウクライナ軍は、激戦地となったドネツク州のバフムト、ザポリージャ州とドネツク州にまたがるウロジャインとスタロマイオルスケ地域、ザポリージャ州のロボティネ村などで前線突破を試みてきた。 大きな進展もあった。 ウクライナ政府の発表によると 8 月 28 日、ウクライナ軍はロボティネ村の奪還に成功した。 ロシアの地雷原を超え、さらに南の要衝トクマクへに進軍する突破口を開いたのだ。

こうした攻撃はいずれも一定の戦果を挙げてきたが、いまだに決定的な突破口は切り開かれていない。 反転攻勢の究極的な目標は、ウクライナ南部のロシアの支配地域に延びる、クリミア半島とロシア西部を結ぶ「陸の回廊」を断ち切ることだ。 作戦の進捗が遅れているため、秋までにこの目標を達成することは望めないとの悲観論も浮上している。

成功率を上げるため、攻撃地点を 1 つに絞り、兵力と兵器をそこに集中するよう、米高官がウクライナ政府に求めたと、ニューヨーク・タイムズが今月伝えた。 ホッジスによると、こうした提案は「全くもってナンセンス」だ。 「ペンタゴンの批判には心底うんざりしている。」 第 2 次世界大戦中にドワイト・アイゼンハワー将軍がノルマンディー上陸作戦を命じたときに、「ペンタゴンの『天才戦術家たち』がいなかったのは幸いだった」と、ホッジスは皮肉る。

航空戦力なき戦い

ホッジスはさらに、ウクライナ軍が反転攻勢の開始後 2 カ月を掛けて、ロシア軍の航空戦力に決定的なダメージを与えた意義を強調する。 「これは侮れない。 ウクライナ軍は地上部隊を空から支援できないからだ。 われわれなら制空権を確保せずに兵士を前線に送り出したりはしない」が、ウクライナには今のところ他に選択肢がない。 ホッジスは 1991 年の湾岸戦争を勝利に導いた「砂漠の嵐作戦」を例に挙げ、戦いにおいて航空戦力がいかに重要か想像してほしいと述べた。

「米軍主導の多国籍軍は 6 週間連続で 10 万回もの空爆でイラク軍をたたいてから、有名な『左フック作戦』(前線の後方のサウジアラビアからイラク領内を攻撃)と 4 日間にわたる地上戦を展開したのだ。」 米国防総省高官や米軍関係者はオフレコではいら立ちを見せているが、公式発言ではウクライナに理解を示している。 マーク・ミリー米統合参謀本部議長は「計画より時間が掛かっている」としながらも、「ウクライナ軍は限定的ながら前進している」と認めた。

アメリカは「紛争が膠着状態に陥っているとは思っていない」と、ジェイク・サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は述べ、こう続けた。 「この反転攻勢を通じて領土を奪還するウクライナの試みを、アメリカは引き続き支持する。 ウクライナは秩序立った組織的なやり方で領土を取り戻そうとしていると、われわれは考えている。」 米国防総省のサブリナ・シン副報道官は 8 月 29 日の記者会見で、反転攻勢の進捗について、ウクライナは「引き続きじわじわと前進しており、今後も何カ月かこの戦いを続けるだろう」との見方を示した。 (デービッド・ブレナン、NewsWeek = 8-31-23)


ロシア 6 州に無人機攻撃 ウクライナ、最大規模か

タス通信などによると、29 日深夜から 30 日未明にかけて、ロシア北西部プスコフ州やウクライナ国境の西部ブリャンスク州、モスクワ州など計 6 州にウクライナの無人機(ドローン)攻撃があった。 昨年 2 月の侵攻開始以来、ロシア領内に向けられた無人機攻撃としては最大規模とみられる。 プスコフ州西部の空港では、駐機していた軍の大型輸送機イリューシン 76 が少なくとも 2 機損傷し火災を起こした。 同空港は終日、民間機の発着を取りやめた。 ブリャンスク州には 4 機以上の無人機が飛来、防空システムで撃墜された 1 機が連邦捜査委員会の建物にぶつかり屋根などが損傷した。 ボゴマス州知事はテレビ塔が狙われたと表明した。 (kyodo = 8-30-23)


キーウに集中攻撃、2 人死亡 … ロシア北西部の空港では大型輸送機 2 機炎上

ウクライナの首都キーウの軍当局によると、ロシアが 30 日未明、無人機の一群やミサイルでキーウを集中攻撃した。 企業の敷地内に破片が落ち、男性警備員 2 人が死亡した。 今春以降のキーウへの攻撃では最大規模だという。 ワレリー・ザルジニー総司令官は 30 日朝、キーウや南部オデーサ州などで巡航ミサイル 28 発や無人機 16 機の攻撃が確認され、無人機 1 機を除いて撃墜したと明らかにした。

一方、タス通信によると、露北西部プスコフ州の空港で 30 日未明、無人機攻撃があった。 軍用飛行場にあった大型輸送機「IL (イリューシン) 76」 4 機が損傷し、うち 2 機は炎上した。 空港は滑走路の状態を確認するため、同日の離着陸を全て停止した。 露国防省は 30 日、黒海艦隊の航空機が同日未明、最大 50 人のウクライナ軍特殊部隊員を乗せた高速艇 4 隻を黒海で撃破したと発表した。 首都モスクワ郊外や西部リャザン州、カルーガ州などでもウクライナの無人機攻撃があったが、いずれも露側が撃墜したという。 (yomiuri = 8-30-23)


ロシア軍攻撃、ドネツク州とスーミ州で計 3 人死亡

ウクライナの東部ドネツク州で 30 日、ロシア軍による攻撃があり、男性 2 人が死亡した。 現地メディア「キーウ・インディペンデント」が伝えた。 報道によると、ドネツク州の村にある農場をミサイルが直撃し、44 歳と 59 歳の男性が死亡した。 同州の検察は、ロシア軍が地対空ミサイル「S300」を使ったとみている。 他にも州内で 7 人が負傷したという。 また、北東部スーミ州では同日、82 歳の女性が、自宅を砲撃され死亡した。 女性の住む集落は、ロシア国境から 10 キロ未満の場所にあるという。 (asahi = 8-30-23)


EU、ウクライナに 11 億ユーロ相当の弾薬提供 2 万 5 千人の訓練を完了

欧州連合 (EU) のボレル外交安全保障上級代表は 30 日、スペイン・トレドで開かれた防衛相会合後の会見で、ロシアによる侵攻を受けるウクライナに対し、計 11 億ユーロ(約 1,755 億円)相当の弾薬類の提供を完了したと明らかにした。 ボレル氏は、弾薬 22 万 4 千発とミサイル 2,300 発を提供したと表明。 さらに、ウクライナへの援助資金を確保するため、2024 - 27 年に毎年 50 億ユーロ(約 7,980 億円)の基金を各国に提案しているとした。 ウクライナ兵の訓練については、すでに 2 万 5 千人に実施。 10 月末には、年内の目標とした 3 万人に達するとの見通しを示した。 ボレル氏は、目標を 4 万人に引き上げるよう提案するとし、米国製戦闘機 F16 についても「EU としてパイロットの訓練に何らかの形で貢献できるか検討していく」と語った。 (asahi = 8-30-23)


ウクライナ軍 50 人乗せた高速艇 4 隻を撃破 ロシア国防省

ロシア国防省は 30 日未明、黒海海域でウクライナ軍の特殊作戦部隊を最大 50 人乗せた高速艇 4 隻を撃破した。 同省が SNS への投稿で明らかにした。 (asahi = 8-29-23)

〈編者注〉 おそらく情報漏洩でしょう。 待ち伏せ反撃では如何ともできません。 ウクライナにとっては、敏腕パイロット 3 人を失なった事故に続く再びの悲劇です。


ロシア北西部の空港で大規模なドローン攻撃 州知事が SNS 投稿

エストニアとの国境に近いロシア北西部プスコフ州の空港で 30 日、大規模なドローン攻撃があり、ロシア軍の IL76 輸送機 4 機が損傷した。 死傷者は出ていないが、被害の詳細は明らかになっていない。 州知事が 30 日に SNS に投稿した内容を国営タス通信が伝えた。 プスコフ州のミハイル・ベデルニコフ知事は SNS に、火災が発生した空港の映像とともに「国防省が、空港へのドローン攻撃を撃墜している」と投稿した。 被害の規模については調査中で、「詳細な情報は、危機管理センターの会議後に発表する」としている。 滑走路の損傷など、空港の被害状況が明らかになるまで、この空港からのフライトは全て欠航するという。 (asahi = 8-29-23)


米国、ウクライナに 2.5 億ドルの追加軍事支援発表

米国防総省は 29 日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して、防空能力の強化や追加の砲弾の提供など最大 2 億 5 千万ドル(約 360 億円)相当の追加軍事支援をすると発表した。 米軍の在庫から提供するため比較的早く戦場に届き、6 月から続くウクライナ軍の反転攻勢に役立てられる見通しだ。 今回の支援には、空対空ミサイル「サイドワインダー」や、高機動ロケット砲システム「ハイマース」用の追加の砲弾、155 ミリと 105 ミリの榴弾砲の砲弾、地雷除去装置、対戦車ミサイル「ジャベリン」のほか、小火器向けの弾薬 300 万発以上が含まれる。 ロシアが昨年 2 月にウクライナへの全面侵攻を始めてから、米国がウクライナに提供した軍事支援は総額で 430 億ドル(約 6 兆 2,500 億円)を超える。 (asahi = 8-29-23)


ウクライナ国防次官「バフムートで順調に前進」

ウクライナ国防省のハンナ・マリャル次官は 29 日、ウクライナ軍が、激戦地の東部ドネツク州バフムート方面で「順調に前進している」と述べた。 ウクライナのテレビ局に語った内容を、同国の国営通信社「ウクルインフォルム」が伝えた。 報道によると、マリャル氏は、ウクライナ軍がバフムートの南側にそって移動し、バフムートにロシア軍を閉じ込めるような形になっていると説明。 「我々の状況は、すべての方面でかなりダイナミックに進展している」と述べた。 (asahi = 8-29-23)


押されるロシア軍がたまらず予備投入 失敗なら大損害の「全賭け」に

ロシア軍はウクライナ南部ザポリージャ州の戦線への増援を急いでいる。 ウクライナ軍による重要な攻勢軸での大きな突破を阻もうと必死の様相だ。 増援部隊はロシア空挺軍の第 76 親衛空挺師団から送られる模様だ。 米フィラデルフィアにある外交政策研究所のアナリスト、ロブ・リーによれば、第 76 親衛空挺師団は「おそらくロシア最高の師団であり、比較的消耗が少ない」という。 同師団は今年初め、ロシア軍が現在も限定的な攻撃を続けているウクライナ東部ルハンスク州西部の都市クレミンナ方面を攻撃したのを最後に、実戦から遠ざかっていた。

第 76 親衛空挺師団の再配置は、ウクライナ軍が南部と東部の複数の軸で同時に始めた反転攻勢が、ここへきて勢いを増していることを物語る。 ここ数週間の間に、ウクライナ海兵隊はウクライナ東部ドネツク州南部の集落ウロジャイネからロシアの守備隊を排除し、ウクライナ陸軍と空中機動軍(空挺軍)の部隊はそこから西へ 100 キロメートルほどにある、南部ザポリージャ州のモクリ・ヤリー川渓谷沿いの集落ロボティネを解放した。

これら 2 つの勝利によって、ウクライナ軍は南部での 2 つの主要な目標に向けて数キロメートル前進した。 ロシア軍による占領からの解放をめざすドネツク州マリウポリとザポリージャ州メリトポリの 2 都市である。 ロシア軍はウクライナ南部クリミア半島への陸上補給路を守る目的から両都市の支配を維持しようとしている。 結果は、どちらが予備の戦力を最大限有効に使えるかで決まりそうだ。 ウクライナ軍南部司令部はロボティネ周辺の突破のために、数少ない予備部隊の1つである第 82 空中強襲旅団を投入した。 そして今度は、ロシア側が数少ない予備部隊の1つを展開させようとしている。

X (旧ツイッター)で「Tatarigami_UA」というハンドルネームで投稿しているウクライナのある予備役将校は、第 76 親衛空挺師団のクレミンナ方面からロボティネ - トクマク - メリトポリ軸への移動をいち早く指摘した 1 人だ。 26 日には「ロシアの軍事教義では第 76 親衛空挺師団は少なくとも名目上は戦略予備の一部とされていて、今回の動きの重大さが際立つ」とも書いている。

Tatarigami が第 76 親衛空挺師団について「名目上」は予備部隊とわざわざ記しているのは、各数千人規模の3個歩兵連隊を擁するこの師団は実のところ、ロシアが2022年2月にウクライナに全面侵攻して以降、大半の期間において前線に配置されてきたからだ。 第 76 親衛空挺師団は拡大戦争初期の数週間はウクライナの首都キーウ周辺で戦い、2022 年春にはブチャでのウクライナ市民虐殺に関与したと伝えられる。 ウクライナ中北部から撤退したあとは T-90、T-72 両戦車や BMP-2、BMD 両歩兵戦闘車とともに東部に転進した。 半年後の 2022 年 8 月、第 76 親衛空挺師団はウクライナ軍の当時の反攻(現在のものとは別)を食い止めるべく、ウクライナ南部ヘルソン州に一時的に大隊を移した。

第 76 親衛空挺師団は昨秋、ウクライナ軍がドニプロ川北側(西岸)の大半の地域を解放するのを阻止できなかったものの、ウクライナ軍が 1 マイル(約 1.6 キロメートル)進むごとに代償を払わせている。 10 月下旬、同師団の砲兵部隊は、ドニプロ川の北 30 キロメートルほどにある集落コストロムカの郊外で、ウクライナ第 35 海兵旅団の縦隊を壊滅させた。 ロシア軍がウクライナ南部でウクライナ軍の攻撃を阻むために第 76 親衛空挺師団を投入するのは、過去 1 年で 2 回目になる。 これはロシア側にとっては「全賭け」を意味する。 前出の Tatarigami は、これによって「ロシア軍の作戦能力が強化される」一方で、失敗すれば「迅速展開に向けて戦闘即応態勢にある予備が決定的に損なわれる」との見方を示す。

米首都ワシントンにある戦争研究所 (ISW) は、ロシア軍がある方面で防御をさらに増強しようとすれば、別の方面の防御を犠牲にするだろうと指摘している。 「大規模な作戦予備が不足しているために、ロシア軍司令部は横方向の部隊移動を強いられ、前線のどの方面を優先させるべきか決断を迫られるだろう。」 つまりこういうことだ。 ウクライナ軍が南部で勢いを維持できれば、ロシア軍は南部を守るか、それとも東部を守るかという難しい選択を余儀なくされる。 おそらく両方を行うことは不可能だろう。 (David Axe、Forbes = 8-28-23)


ウクライナ海軍、改良対艦ミサイルでクリミア攻撃 ロシア軍の S-400 破壊

ウクライナ海軍は、クリミア半島西部に配備されているロシア空軍の S-400 地対空ミサイルシステムを爆破した際、対艦ミサイルのネプチューンを対地攻撃モードで使用したと報じられている。 重量 1 トンのネプチューンが地上の標的を攻撃できることは驚くにあたらない。 ウクライナのルチ設計局は、ロシアの対艦ミサイル Kh-35 をモデルにしてネプチューンを設計した。 米国の対艦ミサイル、ハープーンを意識して設計された Kh-35 も、対地攻撃モードを備えている。

ロシア軍がウクライナ南部クリミア半島に侵攻してから 2 年後の 2016 年、ロシア空軍は同半島西部のタルクハンクト岬に S-400 地対空ミサイルシステムを配備した。 S-400 をポッドレット K1 レーダーと併せて使うと約 400km 先の航空機やミサイルを探知して攻撃でき、オデーサ港以西の黒海をカバーできる。 S-400 やポドレットレーダー、そしてバスチオン対艦巡航ミサイルシステムなどタルクハンクト岬にある兵器は、ウクライナが今年、長距離攻撃能力を拡大して以来、攻撃対象の主な候補となっていた。 ロシア軍を遠くから攻撃するため、ウクライナはハープーンに加え、英国のストームシャドーやフランスのスカルプといった空中発射式の巡航ミサイルを獲得した。

同時にウクライナは、空軍が対地攻撃用に改良した地上発射の防空ミサイル S-200 などの遠距離攻撃兵器を開発。海軍も、2022 年 4 月にロシア海軍の巡洋艦モスクワを撃沈したことで知られるネプチューンに同様の改良を加えた。 亜音速で低空飛行するネプチューンは、Kh-35 やハープーンと同じように対地攻撃に適している。 米ボーイングは 1990 年代後半、第 1 世代では対艦モードのみだったハープーンに対地攻撃モードを持たせるため、次世代モデル「ブロック II」のレーダーシーカー(目標捜索装置)に GPS 補強型慣性航法装置を追加した。

船舶は周囲の平らな水面よりレーダー信号をはっきり反射するため、船舶を攻撃するにはレーダーシーカーだけで十分だ。 これに対し、地上の標的は建物や木々、起伏のある地形に囲まれている。 だが、レーダー誘導ミサイルに GPS を搭載すれば、複雑な地形も識別してミサイルを誘導できる可能性が高まる。 ルチ設計局は賢くも、ネプチューンに最初から GPS を搭載していた。 だが設計局は最近、対地攻撃モードを可能な限り洗練するためにミサイルのシーカーにさらに手を加えたようだ。 ウクライナ当局者は今春、オンラインメディアのザ・ウォーゾーンに「(改良が)終われば、ネプチューンは約 360km 先の標的を攻撃できる」と説明。 改良の完了は「とても近い」と語った。

射程が 360km あれば、ネプチューンを比較的安全なオデーサから発射し、クリミアにあるロシア軍の駐屯地の大半を攻撃できる。 8 月 23 日の S-400 に対する攻撃は、ウクライナ軍が怒りを込めて改良型のネプチューンを使用した初の事例かもしれない。 ロシア空軍関係者は、最高の防空システムである S-400 がなぜネプチューンを迎撃できなかったのかと自問しているに違いない。

改良されたネプチューンを使った攻撃は今回の S-400 が最後ではないだろう。 ロシアの占領に伴って追放されたマリウポリ市長は、23 日の攻撃でバスチオンが破壊されたと主張したが、その後、バスチオンが被害を免れたことが明らかになってきている。 だが、ウクライナ軍はクリミアに駐留するロシア軍への攻撃をエスカレートさせており、次はバスチオンが標的になるかもしれない。 (David Axe, Forbes = 8-28-23)


ウクライナ軍、南部でロシア軍の "最も強固な防衛線" 一部突破か

領土奪還を目指すウクライナ軍は南部ザポリージャ州でロシア軍の最も強固な防衛線の一部を突破したとも伝えられ、今後、南部でのさらなる前進につなげられるかが焦点です。 南部での反転攻勢を続けるウクライナ軍について、ロイター通信は 26 日、南部ザポリージャ州のロボティネを奪還したとする部隊の指揮官の話として、ウクライナ軍がロシア軍の最も強固な防衛線の一部を突破したという見方を伝えました。 部隊の指揮官はロイター通信の取材に対し「われわれは地雷が埋められた主要な道路を通過した。 ここからはより早く進むことができる。」と述べて進軍のスピードが今後、早くなると自信を示しました。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も 26 日に「ウクライナ軍は最も困難と考えられているロシア軍の防衛線を突破して前進している」と分析しています。 一方で「ウクライナ軍にとって次のロシア軍の防衛線もすでに射程圏内にある。 ただ、次の防衛線はこれまでよりはぜい弱かもしれないがそれでもかなりの難関になる」として、ウクライナ軍は今後も対戦車用の障害物や地雷などによる防衛線を突破する必要があるとも指摘しています。 反転攻勢の遅れも指摘される中でロボティネを奪還したとするウクライナ軍が今後、南部でさらなる前進につなげられるかが焦点です。

ウクライナ軍部隊指揮官 "少しずつ前進もロシアは常に兵補充"

ウクライナ南部で反転攻勢の作戦に参加しているウクライナ軍の指揮官が NHK のオンライン取材に応じ、一部の地点では、ロシア軍が構築した第 1 の防衛線を突破するなど少しずつ前進していると明らかにしました。 その一方で「ロシア側は常に兵力を補充している」と述べて警戒感を示し、ウクライナ側としては消耗を抑えて兵力を温存しながら着実に作戦を進めていくと強調しました。 今月 24 日、NHK の取材に匿名で応じたのは、ウクライナ軍の「第 71 独立猟兵旅団」に所属する偵察部隊の指揮官で、この部隊は現在、反転攻勢の焦点となっている南部ザポリージャ州で戦闘に参加しているということです。

指揮官は、部隊の詳しい位置は明かせないとしつつ、前線の状況について「いくつかの地域で成功し、成果が増えている。 ロシア軍の 1 つ目と 2 つ目の防衛線の間で戦闘が行われているところもある」と述べ一部の地点では、第 1 の防衛線を突破するなど、少しずつ前進していると明らかにしました。 ただ、ロシア軍の防御について「地雷が密集している。 手薄な部分を探しているところだ」と述べたうえで「ロシア側は常に兵力を補充している」と述べ、ロシア軍は、適宜、兵士を入れ替えるなど戦力を維持、増強しているとして警戒感を示しました。

また「敵は、航空戦力において優勢であるだけでなく電子戦のシステムや無人機においても優位に立っている」として、ウクライナ軍の通信が妨害され、部隊間のコミュニケーションにも問題が生じていると明らかにしました。 一方、ウクライナ軍の戦い方に関して指揮官は、偵察や攻撃の手段として無人機が重要な役割を担っているとして「無人機なしでの作戦は考えられない。 ただ、航続時間は 20 分ほどで機材の損失も激しい」と述べ、一層の無人機の確保が必要だと強調しました。

反転攻勢の遅れを指摘する声もあることについては、「ロシア軍のように大きな損失を出すことは受け入れられない。 装備をむだにできず、まずは兵士を大切にしなければならない。 ことを急ぐことは望ましくない」としたうえで「作戦は必ず成功する」と述べ、勝利に向けて兵士や装備の消耗をおさえて兵力を温存しながら着実に作戦を進めていくと強調しました。 (NHK = 8-27-23)


ウクライナ軍「キーウの幽霊」パイロットら 3 人 空中衝突で死亡

ウクライナ軍が各国から F16 戦闘機の供与の表明を受けて、パイロットの育成を急ぐ中、ロシア軍との戦闘で活躍し「キーウの幽霊」とも称されたパイロットを含む 3 人が任務中に死亡し、ウクライナ国防省は「悲劇的な損失だ」としています。 ウクライナ空軍は、北西部ジトーミル州の上空で 25 日、軍用機 2 機が任務中に衝突し、3 人が死亡したと SNS で明らかにしました。 発表によりますと、3 人の中には「JUICE」というコールサインで知られた著名なパイロットも含まれるということです。 このパイロットについて、アメリカの CNN テレビなどは、ロシアによる侵攻の初期に首都キーウなどの防衛を担い「キーウの幽霊」とも称された部隊の 1 人だと伝えています。

ゼレンスキー大統領は「ウクライナの自由な空を守った者たちを決して忘れない」と述べ、哀悼の意を表しました。 ウクライナ軍は、各国が F16 戦闘機の供与を表明する中、パイロットの育成を急いでいて、ウクライナ国防省は 3 人の死を「悲劇的な損失だ」としています。 一方、ウクライナ軍の反転攻勢は続いていて、イギリス国防省は 26 日に「東部バフムトと南部でロシア軍が圧力を受け、ウクライナ軍が徐々に前進している」と指摘しました。 ただ、東部のハルキウ州からドネツク州にかけては、ロシア軍が局地的に前進した地域もあるとしていて、ロシア軍がこの戦線で、今後 2 か月以内に攻勢を強める可能性があると分析しています。 (NHK = 8-27-23)


ウクライナ軍の反転攻勢 戦略めぐりアメリカと対立か 米有力誌

ウクライナ軍が進めながらも遅れが指摘されている反転攻勢について、アメリカの有力紙は、戦力をどの地域に集中させるべきかなど、戦略をめぐってウクライナとアメリカとの間で対立も見られると伝えています。 アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は 24 日、ウクライナの反転攻勢について、アメリカとウクライナが数週間前から激しく議論を交わしていると伝えています。 具体的には、アメリカの当局者の話として、「アメリカはウクライナ東部のバフムトに戦力を集中させるウクライナの戦略に強い不満を伝えた。 部隊は最も難しいとされる防衛線の突破に向けて南部に集結させるよう促してきた」と伝え、アメリカとしては戦力を分散させないよう警告してきたとしています。

こうした考えに対してウクライナ軍のザルジニー総司令官は「この戦いの本質を理解していない」とアメリカ側に伝えるなど、記事では、戦略をめぐってウクライナとアメリカとの間で対立も見られるとしています。 また、ウクライナに対してアメリカが続けてきたばく大な軍事支援について、「もう二度とできないだろう」とするアメリカの元当局者の話も交え、来年も同じような規模の支援を継続することは難しいという見方が出ていることも紹介しています。 (NHK = 8-26-23)


ウクライナ軍 クリミアで最大規模の無人機攻撃か

反転攻勢を続けるウクライナ軍は、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアで、最大規模の無人機攻撃を行ったとみられています。 ウクライナ軍は、南部ザポリージャ州などでの反撃を続けるとともに、クリミアへの攻撃も進め、ロシア側に対する揺さぶりを強めています。 ロシア国防省は 25 日、ロシアが一方的に併合したウクライナ南部クリミアに対し、ウクライナ側が 42 機に上る無人機で攻撃を仕掛けてきたものの、いずれも撃墜したと発表しました。 ウクライナ国防省の情報総局は地元メディアに対し、無人機でクリミア半島のロシア軍基地を攻撃したとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は 25 日、「ロシア側の専門家は、ここ数か月でウクライナによる最大の無人機攻撃だったとしている」と指摘しています。 クリミアをめぐっては、ウクライナ国防省の情報総局が 24 日、クリミア半島西側の岬に特殊部隊が上陸した作戦だとする映像を公開し、ウクライナの国旗を掲げたとしています。 ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、この作戦について地元メディアに対し「誰もクリミアの人々のことを忘れてはいないということだ。 特定の攻撃だけで終わることはない。 われわれの領土は返還されるだろう。」と述べました。

ウクライナ軍は、ロシア軍が防御を固める南部ザポリージャ州のロボティネ周辺などでも反撃を続けています。 ウクライナとしては、ロシアが死活的に重要だとするクリミアへの攻撃も進め、ロシア側に対する揺さぶりを強めています。 (NHK = 8-26-23)

... - 50 - 51 - 52 - 53 - 54 - 55 - 56 - 57 - 58 - 59 - 60 - ...