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ウクライナ、ロシアの防衛線突破 米報道、クリミア攻撃強化

【キーウ】 米 CNN テレビは 25 日、反転攻勢を進めるウクライナ軍が南部でロシア軍の第 1 防衛線を突破し、南部ザポロジエ州の要衝トクマクに向け前進しているとみられると報じた。 南進するにつれ、ロシアが 2014 年に併合したクリミア半島への攻撃を強化していると指摘した。 ウクライナ軍参謀本部は 25 日、ザポロジエ州の 2 方面で前進したと発表した。ウクライナ軍は、アゾフ海付近の重要都市メリトポリに通じるロボティネに進軍したことを公表していた。 (kyodo = 8-26-23)


ロシア軍がウクライナ北東部などで攻撃激化の可能性 英分析

英国防省は 26 日、ウクライナ軍が東部バフムートや南部でロシア軍を圧迫している一方で、北東部ハルキウ州クピャンスクから東部ドネツク州リマンにかけての地域で、限定的ではあるがロシア軍が前進しているとの分析を SNS に投稿した。 同省は、ロシアが今後 2 カ月でこの地域での主導権を取り戻そうと、攻撃を激化させる現実的な可能性があるとし、ハルキウ州を流れるオスキル川まで西に進み、東部ルハンスク州周辺には緩衝地帯を設けることを目指していると予測している。 (asahi = 8-26-23)


ウクライナ、ロシアの主要ミサイル基地を爆破 クリミアへの攻勢強める

ロシア軍は、2014 年 2 月にウクライナ南部のクリミア半島を併合した後、クリミア西部のタルクハンクト岬に大規模なミサイル基地を設置した。 ロシア軍はその基地に、S-400 地対空ミサイルシステムやバスチオン対艦巡航ミサイルシステム、そしてポッドレット K1 など一連のレーダーを配備した。 ポッドレットを活用すれば S-400 システムは約 400km 先の空中の標的を狙うことができ、黒海西部全域をカバーする。 一方、バスチオンは 300km ほど離れた艦船を攻撃でき、陸上の標的を狙うことも可能だ。 タルクハンクト岬は、黒海とクリミア全域のロシアの防衛の要と言っても過言ではない。 ウクライナ軍が 23 日にこの基地を爆破したのは、そのためだ。

何が起こったのか、正確なところは不明だ。 現地時間 23 日午前 10 時ごろ、一連の爆発が基地を揺るがしたことはわかっている。 ウクライナ空軍が巡航ミサイルのストームシャドーあるいは S200 弾道ミサイルで基地を攻撃したというのは十分あり得る。 また、ドローン(無人機)や工作員が攻撃を実行した可能性もある。 ロシアの占領に伴って追放されたマリウポリ市長の顧問を務めるペトロ・アンドリュシチェンコは、バスチオンが攻撃を受けたと主張。 ウクライナの情報総局は、S-400 システムとその要員が全滅したとの見解を示した。 また、クリミアに配備されているポドレット K1 などの大型レーダーが攻撃を免れたとは考えにくい。

情報総局は「ロシアの防空システムにとって手痛い打撃であり、クリミアにおける今後の展開に深刻な影響を与えるだろう」と指摘した。 開始から 2 カ月半がたつウクライナ軍の反転攻勢の目的は、ロシアに占領されているウクライナ南部の黒海まで約 80km 前進すること。そしてロシアとクリミアをつなぐ陸上のルートを断ち、クリミアに展開するロシア軍の補給を、攻撃を受けやすい船舶や航空機頼みにさせることだ。 クリミアを孤立させることで、そこに駐留するロシア軍を物資不足に追い込み、最終的なクリミア解放に向けて有利な条件を整えられる。 ウクライナのオレクシー・レズニコウ国防相は「戦わずに」クリミアを解放するのが理想だと語っている。

だがそれは、ロシア軍の駐屯地を事実上封鎖したときのみ実現する。封鎖すればクリミアに配備されている空と海の防衛が遮断される。重要なミサイルやレーダーの基地が破壊されれば、封鎖はより現実的になる。 クリミアにあるロシア軍基地へのウクライナ軍の攻撃はエスカレートしている。 海からは爆発物を積んだ無人艇がロシア海軍基地に群がり、空からはドローンやストームシャドー、S200 がロシア空軍基地や兵站施設、橋をめがけて飛んでくる。 ウクライナ軍のドローンやミサイルの標的であるロシア軍の空と海の防衛が崩れるにつれ、攻撃はさらにエスカレートすることが予想される。 (David Axe、Forbes = 8-25-23)


ノルウェー、ウクライナへの F16 供与決定 = 報道

[オスロ] ノルウェーが米国製の戦闘機「F16」をウクライナに供与することを決定した。 ノルウェーのテレビ局 TV 2 が 24 日、関係者の話として報じた。供与する機数は不明。 ノルウェー外務省は現時点でロイターのコメント要請に応じていない。 供与が確認されれば、ノルウェーはオランダとデンマークに続き、ウクライナへの F16 供与を発表した 3 番目の国なる。 ノルウェーのストーレ首相は 24 日、ウクライナのゼレンスキー大統領とキーウ(キエフ)で会談。 対空ミサイルなどの供与を発表したが、F16 に関する言及はなかった。 (Reuters = 8-25-23)


クリミア奪還へ、地上作戦に言及 ウクライナ部隊、一時上陸も

【キーウ】 ウクライナのブダノフ国防省情報総局長は 24 日、ロシアが 2014 年に併合した南部クリミア半島の奪還に向けた地上作戦の可能性に言及した。 ウクライナの部隊は同日、クリミア半島西端の海岸に一時上陸し、ウクライナ国旗を掲げた。 ロシア側との戦闘もあったという。 ウクライナメディアが伝えた。 24 日はウクライナの独立記念日で、ロシアの侵攻開始から 1 年半の節目と重なった。 ゼレンスキー大統領はビデオ声明を発表し、独立は「一人一人にとって価値あるもので、そのために戦っている」と強調した。 (kyodo = 8-25-23)


ウクライナ軍、南部の集落ロボティネを解放 突破に勢い

ウクライナの陸軍と空中機動軍(空挺軍)の部隊が、南部ザポリージャ州の集落ロボティネをロシア軍の支配から解放した。 ウクライナ軍は 11 週間前、南部と東部のいくつかの主要な軸でロシア占領軍に対する反転攻勢を始めた。 ロボティネを経て、アゾフ海近くの都市メリトポリに向かう軸はその 1 つだ。 そしてこのほど、ウクライナ陸軍第 47 機械化旅団の兵士は、ロボティネ中心部にある建物の上にウクライナ国旗を掲げた。

T0408 道路に沿ってメリトポリに到達するには、まだ 80 キロメートルほど前進する必要があるが、ウクライナ側には勢いがある。 ロボティネの次の主要な拠点はトクマクで、ここのロシア軍陣地を落とせば、メリトポリ、さらにアゾフ海沿岸まで一気にたどり着けるだろう。 ウクライナ軍部隊が沿岸部まで進み、ロシアの占領下にあるクリミア半島への陸路の補給線を断ち切る考えであるなら、ここ、つまりメリトポリに続く道路沿いの野原や細い樹林帯でそうする可能性がある。 この方面の反攻は 2 つの旅団が主導している。 第 47 機械化旅団と、空挺軍の第 82 空中強襲旅団である。

第 47 機械化旅団は 6 月上旬にロボティネ方面の攻勢を開始した。 第 47 機械化旅団とパートナーの陸軍第 33 機械化旅団は、最初の数日で大きな損害を出した。 6 月 8 日、ロボティネの北にロシア軍が設けた地雷原を突破しようとして、レオパルト 2A6 戦車、M-2 歩兵戦闘車、レオパルト 2R 重地雷処理車といった保有する最高の車両 20 数両失ったのだった。 第 47 機械化旅団はこの大きな失敗から立ち直り、戦い続けた。 レオパルト 2 や M-2 の優れた暗視装置を生かし、夜間に攻撃を仕かけた。 突撃大隊がロシア軍の掘った塹壕に突き当たると、M-2 が 25 ミリ機関砲で制圧射撃を行い、歩兵は手榴弾を投げながら突進した。

他方、チャレンジャー 2 戦車やマルダー歩兵戦闘車、ストライカー装甲車を擁する強力な部隊である第 82 空中強襲旅団が戦闘に参加したのは、つい先週のことである。 第 47 機械化旅団が M-2 数十両を失うなど大きな損害を被り、攻撃が鈍るおそれが出るなか、第 82 空中強襲旅団の加勢によってウクライナ側は火力を大幅に増強し、攻撃の勢いを保った。 陸軍と空挺軍の部隊がメリトポリに向かう軸で周到に進めている攻撃は、ロボティネの東 100 キロメートルほどに位置するモクリ・ヤリー川渓谷沿いで、海兵隊部隊が戦車とトラックを駆使して行っている電撃戦ほど派手ではないが、それに劣らない結果を出している。

米国の一部識者の間では、ウクライナによる反攻は「失敗している」だとか「停滞している」だとか、あるいは兵力や火力の「割り当てを間違っている」などとする見方が散見される。 だが、ロボティネの解放は真実を浮き彫りにした。 ウクライナ軍はゆっくりと、だが着実に、ロシア軍をウクライナから追い出しているのだ。 ロシア軍はウクライナ東部ルハンスク州西部の都市クレミンナ方面の 1 つの軸で「反・反攻」を行っているが、これまでのところほかの軸でのウクライナ軍の前進を頓挫させるにはいたっていない。

反攻が頂点に達し、ウクライナに対するロシアの 19 9カ月におよぶ戦争が新たな局面を迎えるまでに、ウクライナ軍が自国をどれだけ解放できるかは、ウクライナの予備兵力の質に左右されるかもしれない。 反攻開始から 10 週目に、消耗した第 47 機械化旅団の増援のため予備の第 82 空中強襲旅団が投入された。 しかし、20 週目にはどの旅団が第 82 空中強襲旅団の増援にあたることになるのだろうか。

ウクライナの戦闘序列には、まだ戦闘に投入されていない旅団がいくつかある。 陸軍の第 61 機械化旅団のほか、国家親衛隊や領土防衛隊の数個旅団などだ。 また、支援国は、損失分を埋め合わせるストライカーや M-2 数十両のほか、M-1 エイブラムス戦車、レオパルト 1 戦車、F-16 戦闘機など、ウクライナに対する兵器の大規模な追加供与を調整している。 さらに重要なのは、ウクライナの砲兵部隊が、およそ 1,000 キロメートル近くにわたる前線で安定した弾幕を張り続け、自軍の攻撃部隊を直接支援すると同時にロシア軍の砲兵部隊を攻撃目標にしていることかもしれない。 これらの部隊は北大西洋条約機構 (NATO) 式の大砲やロケットランチャーを装備し、米欧製の弾薬を提供されている。

ウクライナ軍の砲兵は、ロシア側によって味方の大砲を 1 門撃破されるごとに、敵の大砲を 3 門以上撃破している。 ロシア軍の最も危険な兵器を見定めて攻撃しているウクライナ軍はこれまでに、ロシア軍が開戦時点で保有していた 2S4 チュリパン迫撃砲の 3 分の 1 を破壊した。 ロシアの砲撃力低下は、ロシアの防御を弱め、ウクライナの攻撃を強めそうだ。 米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は「ウクライナ軍部隊はロボティネエリアでの前進によって、ロシア軍の築いた第 2 防衛線への攻撃開始に近づく」と指摘し、このエリアでの第 2 防衛線は第 1 防衛線に比べると弱い可能性があるとの見解を示している。 (David Axe、Forbes = 8-24-23)


ウクライナ軍、地雷原突破で熱探知カメラを駆使 ドローン搭載も

ウクライナ軍の反転攻勢の進展を阻むとされるロシア軍がばらまいた数千規模の地雷対策として、ウクライナ軍が地雷を突き止める赤外線画像を活用する実験的な技術を投入して、突破を図る戦術を展開している。 ロシア軍の地雷でウクライナ軍は多くの兵士を既に失っている。 前線展開のウクライナ軍の取材を許された CNN は、熱探知カメラを積むドローン(無人機)が日暮れ時に飛ばされていることを確認。 ロシア側の地雷原の上空に浮かんだカメラは、数十規模の熱源を探り出していた。 このドローンは市販もされている種類の物だった。

熱源の一部は爆弾などで出来た穴に由来していたが、多くは地表の下に潜んでいる地雷のものだった。 日中時に輝く太陽が原因だった熱源は日没になってもまだ消えず、熱探知カメラには明瞭に残っていた。 ウクライナ軍の前線部隊はこのカメラを備えるドローンを再三利用している。 値段は 1 機約 5,000 ドル(約 72 万 5,000 円)と比較的安価となっている。 だが、地雷の探知任務は過酷だ。 ウクライナ側の公式の推定数字によると、地雷が拡散する広さ 18 万平方キロの土地に 1 平方メートルあたり最多で 5 個の機雷がしばしば埋められるなどしているという。

中南部ザポリージャ州にあり、激しい攻防が起きているロボティネ村近く。 第 15 国家警備隊は CNN の取材に、ドローンなどを駆使して地雷の一部を見つけ出す方途は効果的だと認めた。 CNN に提供された画像を見ると、地雷を処理し、少なくとも一部の土地への進入に伴う危険性を排除した様子がうかがえた。 北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国はここ数カ月間、反攻を手助けする兵器などをウクライナへ大量に提供しているが、ドローンなどを使った地雷処理は比較的、ハイテクとは言えない創意工夫を生かした新たな手法となっている。

ロボティネ村近くの前線に張るドローン班は、展開する場所の周辺は地雷だらけであることを CNN に証言した。第 15 国家警備隊の隊員は、並木がある場所に入った際、53 個までの偽装爆弾を見つけたとも説明。 手榴弾 1 個だけではなく、複数の手榴弾を積み重ねるような仕掛けを施していたという。 別の隊員は、前線での(地雷処理などの)任務はつらい感情を伴うとも打ち明けた。 「こわさを覚える多くの瞬間がある。 任務に就くたびに恐怖心を踏み越えることになる。 ほかに誰がこんな作業をやるだろうか。 誰もいない。」とし、「ほかの誰かを送り出して、彼に何かかが起きたら、自分を許すことが出来ないだろう」と続けた。

英国に拠点があり、地雷対策に取り組む団体「ヘイロー・トラスト」の報道担当者によると、熱源を探し出して処理する方法は同団体の地雷除去の専門家たちがアフリカ・アンゴロで導入し、一応の成果を確認したともいう。 地雷の熱源は夜明けや夕暮れ時にはっきり見えるとし、外部気温との温度差の反映が原因とした。 (CNN = 8-24-23)


ロシア首都モスクワのビジネスセンターにまたドローン攻撃 ウクライナ国境沿いの州では 3 人死亡

ロシアではドローンによる攻撃が相次ぎ、首都モスクワの中心部にまたドローンが飛来したほか、ウクライナと国境を接する西部の州では 3 人が死亡しました。 ロシア国防省は 23 日、ウクライナがドローン 3 機でモスクワへの攻撃を仕掛けたと発表。 うち 1 機は電子戦システムにより制御を失い、モスクワ中心部のビジネスセンター「モスクワシティ」に建設中のビルに衝突したということです。

現場の目の前の建物に住んでいるという人は …、

「爆発の音で目が覚めました。 とても怖かったです。 (爆発の衝撃で)窓が勝手に開いてしまいました。(市民)」

「モスクワシティ」では先月末と今月はじめにもドローンが墜落し、ビルが損傷していました。

同じ日にウクライナと国境を接する西部ベルゴロド州もドローン攻撃を受け、州知事によると、住民 3 人が死亡したということです。 また、この日、ロシアが一方的に併合したクリミア半島の西部では爆発があったということです。 ウクライナ国防省情報総局は SNS に映像を投稿、ロシア軍の地対空ミサイルシステム「S400」が破壊されたとして、「ロシアの防空システムにとって痛い打撃だ」と指摘しました。 一方、ウクライナ国家警察は北部スーミ州の学校がロシア軍の攻撃を受け、4 人の死亡が確認されていると明らかにしています。 (TBS = 8-24-23)


ウクライナ、ロシアの最新鋭迎撃システムを破壊か  現地メディア報道

ウクライナ国防省情報総局は 23 日、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島にある地対空ミサイルシステム「S400」を破壊したことを確認した、と明らかにした。 現地メディア「ウクライナ・プラウダ」が報じた。 S400 は、航空機や巡航ミサイル、弾道ミサイルなどを幅広く迎撃できる。 ロシアが配備している最新鋭のシステムだ。 ウクライナ国防省情報総局は、こうしたシステムは数が限られているとしたうえで「ロシアにとって手ひどい打撃だ」と説明しているという。 (asahi = 8-23-23)


ロシア、墜落機にプリゴジン氏か 遺体確認とワグネル関係者

ロシア非常事態省は 23 日、小型ジェット機がモスクワ北西のトベリ州内で墜落し、乗客乗員 10 人全員が死亡したとみられると発表した。 航空当局は、6 月に反乱を起こした民間軍事会社ワグネルの創設者エブゲニー・プリゴジン氏の名前が搭乗名簿にあると明らかにした。 タス通信が伝えた。 ワグネル関係者が管理しているとみられる通信アプリ「プリゴジン 2023」は、プリゴジン氏が同機に乗っており遺体が確認されたと投稿した。

小型機はモスクワからロシア北西部サンクトペテルブルクに向かっていた。 プリゴジン 2023 の投稿によると、ロシア軍出身のワグネル幹部ドミトリー・ウトキン氏も共に死亡した。 連邦捜査委員会は、安全規則違反の疑いで捜査していると発表した。 プリゴジン氏はレストランの経営などで財を成し、2014 年にワグネルを創設した。 昨年 2 月に始まったロシアのウクライナ侵攻に部隊を派遣したが、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長らロシア軍側と対立。 2 人の解任を要求して今年 6 月 23 日に反乱を起こし南部軍管区司令部を占拠した。 (kyodo = 8-23-23)


墜落は「公開処刑」か プーチン氏、プリゴジン氏の反乱問題にけじめ

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が搭乗したとみられるビジネスジェット機が墜落した事件の背景には何があるのか。 笹川平和財団主任研究員の畔蒜(あびる)泰助氏(ロシア政治)に聞きました。

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が搭乗していたビジネスジェットの墜落は、事故ではなく、プーチン政権による「けじめ」であり「公開処刑」だったと考えるのが自然だろう。 プリゴジン氏が反乱を起こした直後は、ワグネルの部隊がベラルーシに移ることで一件落着のような感じもあった。 だが、プリゴジン氏がロシアに入国し、アフリカに行ったという話もあるなど「野放し」のような状態にあるのは明白だった。 ウクライナ侵攻で政権内を始めロシア国内の様々な所に負荷がかかっているさなか、反乱を起こしたプリゴジン氏は紛れもない重罪人なのに、なぜそれを容認するのか。 「裏切り者は許さない」というプーチン氏の統治手法からすればむしろ謎で、プーチン氏の指導力に疑問符が付く状態だった。

その理由として考えられてきたのは、「汚れ仕事」を担ってきたワグネルやプリゴジン氏をプーチン政権が、まだ必要としていたのではないかということだった。 数日前には、ウクライナ侵攻で一時、総司令官を務めたスロビキン航空宇宙軍司令官が解任されたとの報道があった。 スロビキン氏はプリゴジン氏に近いとされ、反乱に関与した疑いで拘束されたとも伝えられていた。 おそらくプーチン政権はプリゴジン氏なしでも問題ないと判断したのではないか。 この二つの「処分」のタイミングが合った理由はそこにあると考えられる。

プーチン氏には、ショイグ国防相ら軍主流派主導でワグネル問題に対する決着をつけたことになる。 反乱問題にけじめをつけ、忠誠心を再確認し、統治の揺らぎをもう一度引き締め直すという意図があったのだろう。 プーチン氏は、プリゴジン氏の反乱を政権側に通報したワグネル幹部のアンドレイ・トロシェフ氏を新たなワグネルのトップに提案したとされている。 今後、「ワグネル」のブランドは残るとしても、トロシェフ氏を中心にロシア軍との一体化が進んでいくと考えられる。

ワグネルは現在、ウクライナには展開しておらず、この問題がウクライナでの戦況に大きく影響することはないだろう。 前線ではウクライナ側の進軍が認められる場所もあるが、年末までに大きく反撃するのは難しいとの見方もある。 年が明ければ最大のウクライナ支援国である米国で大統領選に向けた動きが始まる。 ウクライナ支援は米国の世論を二分する問題となっており、今後の対応が注目される。 (聞き手・星井麻紀、asahi = 8-24-23)


ウクライナ軍 占領集落からの住民避難に成功

激戦が続く南部ザポリージャ州ロボティネで撮影された映像から住民の女性が兵士にキスをして感謝を伝える様子が映されています。 また、避難したことを家族に電話で伝える人の姿もあります。 ウクライナのマリャル国防次官は 22 日、ロボティネの住民を避難させることに成功したと発表しました。 アメリカのシンクタンクの戦争研究所は、この地域への進軍によりウクライナ軍がロシアの地雷原を越えて作戦を開始できる可能性が出てくると、作戦の重要性を評価しています。

一方でニューヨークタイムズは、アメリカ政府の高官がウクライナ軍の戦力は「分散しすぎている」と反転攻勢に対する見解を示したと報じました。 10 日に開かれたビデオ会議でアメリカのカボリ陸軍大将がウクライナのザルジニー総司令官に対し、一つの戦線に戦力を集中させるよう促したということです。 (テレ朝 = 8-23-23)


モスクワ中心部のビジネス街で爆発音、煙も発生 = ロシア通信社

ロシアの通信社 RIA によると、モスクワ中心部のビジネス街で 23 日未明に爆発音が聞こえ、煙が発生した。 ビジネス街はクレムリン(ロシア大統領府)から 5 キロの距離にある。 (Reuters = 8-23-23)


モスクワ空港でフライト停止、ウクライナが無人機攻撃 = タス通信

ロシアのタス通信によると、首都モスクワの空港で 23 日未明、航空便の運航が停止された。 ウクライナのドローン(無人機)攻撃を受けたという。 モスクワ周辺の主要空港ではここ数日、ウクライナの無人機攻撃により航空便の離発着停止が繰り返されている。 (Reuters = 8-23-23)


ロシア軍にクリミア撤退要求 ウクライナ高官

【キーウ】 ウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記は 22 日、ロシアが併合した南部クリミア半島について「ロシア軍が撤退を考えないのであれば、軍事的に奪還することになる」と主張した。 ウクライナメディアが報じた。 (kyodo = 8-23-23)


ウクライナ軍の反攻は進展している = 国防次官

[キーウ] ウクライナのマリャル国防次官は 22 日、武装面でも数的にも上回るロシア軍を押し返せると証明しただけでもウクライナ軍の反転攻勢は進展したと語り、反攻の進展が遅すぎるという見方を一蹴した。 ウクライナ軍は 6 月初旬に開始した反転攻勢で、ロシアの広大な地雷原や塹壕に直面している。 米政府当局者は先週、同軍が南東部ザポロジエ州の要衝メリトポリを奪還できる公算は小さいとの見方を示していた。

マリャル氏はウクライナ軍の前進を距離で測るのは間違っているとし「重要なのは、人数も武器も少ないにもかかわらず、前進しているという事実だ」と述べた。 また、ウクライナ軍が作戦を加速させるよう西側が圧力をかけているとは認識していないと語った。 マリャル氏は、特にウクライナ東部での消耗戦を強調。 航空優勢を誇るロシア軍は毎週 40 万 - 50 万発、ウクライナの約 10 倍の砲弾を発射できると述べ、ウクライナが対ロシアで軍事力の均衡に近づくには西側の支援が必要だとの考えを示した。 (Reuters = 8-23-23)


ロシア、スロビキン司令官を解任 国防省内で異動と報道

ロシア紙 RBK 電子版は 22 日、ウクライナ侵攻作戦の統括副司令官を兼務していたロシア航空宇宙軍のスロビキン総司令官が解任されたと伝えた。 軍人事に詳しい複数の消息筋の話としている。 国防省内で別の職責に異動するという。 スロビキン氏は今年 6 月末に起きた民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏による反乱の直後から所在不明になっていた。 欧米メディアは、反乱計画を事前に知っていた疑いで取り調べを受けたなどと報じていた。 ある消息筋は RBK に、スロビキン氏は現在「短期の休暇中だ」と説明したという。 スロビキン氏は昨年 10 月に侵攻作戦の統括司令官に任じられていた。 (kyodo = 8-23-23)


ウクライナ軍南部で "前進" ロシア側は "撃退" 激しい攻防か

領土の奪還を目指して反転攻勢を続けるウクライナ軍は南部の前線で成功を収め、前進したと主張する一方、ロシア側は撃退したと主張し、激しい攻防が繰り広げられているとみられます。 ウクライナ軍は東部ドネツク州や南部ザポリージャ州で反転攻勢を続けるとともに、東部ハルキウ州でロシア軍の攻撃を退けているとしています。 このうちザポリージャ州の主要都市メリトポリの北東およそ70キロに位置するロボティネについて、ウクライナのマリャル国防次官は 21 日「わが軍はロボティネの南東方面で成功を収めた」と SNS に投稿しました。 また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は 20 日の分析で「現地の映像からウクライナ軍が最近、ロボティネの東に進んだことがわかる」として、一定の前進があったという見方を示しています。

一方、ロシア国防省は 20 日、「ロボティネ付近でウクライナ軍の攻撃を 5 回、撃退した」と主張し、激しい攻防が繰り広げられているとみられます。 こうした中、ウクライナの首都キーウのクリチコ市長は、今月 24 日の旧ソビエトからの独立記念日について、「安全を考慮した」として、国の行事以外の大規模なイベントを中止とするよう指示したと明らかにしました。 ウクライナ国防省はこの日にロシアが挑発行為を行う可能性があるという見方を示していて、警戒感が広がっています。 一方、ロシア国内では、21 日も首都モスクワの近郊や隣接する州、さらにウクライナとの国境近くの地域に無人機が飛来したと地元の知事などが相次いで発表しました。 モスクワ周辺では無人機が連日飛来していて、ロシア側はウクライナによる攻撃だとして警戒を強めています。

ウクライナ国防次官「F16 はゲームチェンジャー」

オランダとデンマークがウクライナに対して F16 戦闘機の供与を相次いで決めたことについてウクライナのハブリロフ国防次官は NHK のインタビューに対して「現在はロシアが空で優位な状況にあるため我々にとって F16 戦闘機は重要な能力であり『ゲームチェンジャー』だ」と述べて、戦況を大きく変えることへの期待を示しました。 そのうえで、F16 が実際にウクライナに配備される時期について「パイロットや整備士の訓練が終わり次第で、訓練は半年かかる」と述べて、最初の配備は来年になるとの見通しを示しました。 (NHK = 8-22-23)


ウクライナ、ロシア北西部の基地の超音速爆撃機をドローンで破壊 22 日にもドローン攻撃

複数情報によると、ウクライナのドローン(無人機)攻撃によって19日、ロシア西部ノヴゴロド州のソルツイ 2 空軍基地で、超音速爆撃機「ツポレフ 22」が破壊された。 21 日にも、別のドローンがロシアの空軍基地を攻撃したとウクライナ当局が明らかにしたほか、22 日早朝にはロシア当局がモスクワ州やウクライナ国境に近い地域で攻撃ドローンを撃墜したと発表した。 19 日の攻撃について、ソーシャルメディアに投稿された複数の画像を BBC ヴェリファイ(検証チーム)が確認した。 空軍基地は、ノヴゴロド市の南東約 70 キロにあり、ロシア第二の都市サンクトペテルブルクの南約 280 キロにある。 ウクライナ国境からは、約 650 キロに位置している。

ロシア国防省は声明で、モスクワ時間 19 日午前 10 時頃に「ノヴゴロド州の空軍基地」で「ヘリコプター型無人航空機」による攻撃があったと発表。 「空軍基地の監視塔が無人機を察知し、小火器で撃墜した」として、「飛行機 1 機が損傷を受けたものの、このテロ行為による死傷者はなかった」と説明していた。 空軍基地の駐車場で火災が発生したが、これも直ちに鎮火されたと国防省は述べていた。 ただし、ソーシャルメディア「テレグラム」に投稿された複数の画像では、ツポレフ 22 の特徴的な機首をもつ機体が炎に包まれている様子が確認できる。 BBC ヴェリファイは画像を検証し、信ぴょう性が高いと判断した。

画像の検証には、機体の外見など視認できる手掛かりと、空軍基地の過去の衛星画像を比較した。 さらに、画像で燃える機体の残骸も、ツポレフ 22M3 に合致する。 降雨があり曇天だったという攻撃当時の気象条件も、複数の画像に映っている様子に一致する。 過去の衛星画像から、この空軍基地にツポレフ 22M3 が駐機していたことも確認できた。 爆撃機 1 機が破壊されても、ロシア空軍の威力に大きく響くわけではない。 ただし、ロシア領の奥深くまでドローンを飛ばして標的を攻撃するウクライナの能力が、このところ向上している様子がうかがえる。

7 月からたびたび、首都モスクワのビルがドローン攻撃を受けている。 ウクライナ国境からモスクワまでの距離は約 450 キロ。 ただし、ロシア国防省は 19 日の攻撃に使用されたドローンを「ヘリコプター型無人航空機」と呼んでおり、近くから飛来した安価な商用の装置だった可能性もある。 ツポレフ 22M3 は冷戦期に開発された可変翼の爆撃機で、北大西洋条約機構 (NATO) 側のコードネームは「バックファイア」。 冷戦後はシリア、チェチェン、ジョージアなどの紛争で多用され、ウクライナ侵攻が始まってからは複数の都市に対する攻撃に使われている。

ウクライナ検察によると、今年 1 月には東部ドニプロで集合住宅がミサイル攻撃され、30 人が死亡した。 この攻撃を実施したのが、ロシアの第 52 親衛重爆撃機航空連隊所属のツポレフ 22 だったという。 同連隊はソルツイ 2 空軍基地を拠点としている。 19 日の攻撃に続き、21 日にはウクライナ国防省情報総局が、ロシア・カルーガ州のシャイコフカ飛行場でロシアの軍用機がドローンに破壊されたと明らかにした。 ロシア国営メディアは攻撃があったことは伝えたものの、被害はなかったと伝えた。 さらに 22 日早朝には、モスクワ州西部のクラスノゴロスクとチャスツイで戦闘ドローン 2 機が撃墜されたと、モスクワのセルゲイ・ソビャニン市長が明らかにした。 国防当局によると、ウクライナ国境北東のブリヤンスク州でも 2 機を撃墜したという。 (BBC = 8-22-23)

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ドローンでロシア爆撃機炎上か = 独立系メディアが写真掲載

ロシアの独立系メディアは 20 日、北西部ノブゴロド州で 19 日にドローン攻撃があり、核兵器を搭載可能な Tu22M3 爆撃機が炎上したとみられると報道した。 ロシア国防省は発生時、ウクライナの「テロ」と主張した上で「軍用機 1 機が損傷を受けた」と認めていた。 この独立系メディアは、反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の陣営が創設した「シレナ(サイレン)」。 掲載された写真は読者から提供されたもので、シレナは「撮影場所を正確に確認できない」としながらも、Tu22M3 が配備されるノブゴロド州ソリツイ空軍基地の可能性が高いと伝えた。

国防省は 19 日、「ウクライナが回転翼を持つドローンでテロ攻撃を行った」と発表。 ただ、首都キーウ(キエフ)からソリツイ空軍基地までは直線距離で約 850 キロあり、ウクライナ領内からの攻撃かどうかには不明な点もある。 ウクライナのポドリャク大統領府顧問は最近、「ロシア国内に効果的な(破壊工作員)ネットワークを有している」と述べ、ロシア領内から攻撃を仕掛けるケースがあると示唆している。 (jiji = 8-22-23)


ウクライナ政府、「反転攻勢の遅れ」に反論

<「勝利はそう簡単には手に入らない」、「改善すべき点はない」とクレバ外相>

ロシアに対するウクライナの反転攻勢が始まって 2 カ月半。 ウクライナの外相は反攻の進みが遅いとの批判に対し、「われわれが改善すべき点は何もない」と反論している。 8 月 19 日発行のドイツ紙ビルトによれば、ウクライナのドミトロ・クレバ外相は「われわれが改善すべき点は何もない。 (反転攻勢は)成功し、楽観的な見方をしている人々の期待に応えるだろう。 そして懐疑派は面目を失うことになるだろう。」と述べた。 またクレバは「ウクライナを甘く見てもらっては困る。 焦ってはならない。 勝利にはそれなりの苦労が伴うものだ。」とも語った。

ウクライナは 6 月上旬、同国東部と南部でロシア軍に対する反転攻勢を一斉に開始した。 領土の奪還は徐々に進んでいるものの、そのペースはゆっくりだ。 16 日にウクライナのハナ・マリャル国防次官は、ドネツク州のウロジャイネという集落の奪還を発表したが、占領地の奪還はしばらくぶりのことだ。 ウクライナ政府は反転攻勢が遅々として進んでいないとの批判をこれまでやり過ごしてきた。 専門家によれば、ロシア軍の陣地の周囲は塹壕でがっちり固められているうえ、無数の地雷も埋まっている。

西側の支援が遅れたせい

6 月半ばにウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、反転攻勢のスピードについて「期待よりは遅い」ことを認める一方で、「人々の生命」がかかっていると述べた。 「ハリウッド映画と勘違いして、すぐに結果を期待する人もいるが、そういうものではない」とゼレンスキーは BBC に対して述べた。 7 月に入り、ゼレンスキーは CNN に対し、自分としては 6 月よりも前に反転攻勢を開始したいと思っていたが、西側の同盟諸国からの軍事支援を待たなければならなかったと語った。

「私は反転攻勢をもっと早くやりたかった。 もし開始が遅れれば、より広い範囲でわが国の領土に地雷が敷設されることになるのは自明だったからだ。」とゼレンスキーは CNN に述べた。 「敵に時間を与えれば、より多くの地雷を敷設して守りを固められてしまう。」 ウクライナは進軍を続けると考える人も多い一方で、高い死傷率にもかかわらず取り戻せた領土はごくわずか、という状況が今後も許されるのか疑問視する声もある。

ワシントン・ポストが 19 日に伝えたところでは、アメリカの情報当局は反転攻勢について、年内に南部の都市メリトポリの奪還まで進むことはないだろうと見ているという。 メリトポリの奪還は、2014 年にロシアに一方的に併合されたクリミアへの進軍のカギとなる。 一方で、米軍の制服組トップであるマーク・ミリー米統合参謀本部議長は、ロシア軍は士気の低さや死傷者数の急増に悩んでおり、ウクライナの反転攻勢は成功するとの考えを繰り返し表明している。 「2 カ月ほど前にも私は、この攻勢は長い時間がかかり、多くの血が流れ、進みは遅いだろうと述べた」とミリーはワシントン・ポストに語った。 「それがまさに現実のものとなっている。 長く、血みどろで進みは遅い、そして非常に困難な戦いだ。」 (エリー・クック、NewsWeek = 8-21-23)


ロシア、ウクライナが南西部の鉄道駅にドローン攻撃と主張 モスクワへの攻撃は阻止と

ロシアは 20 日、ウクライナと国境を接する南西部クルスク州の鉄道駅がウクライナのドローン(無人機)攻撃を受け、5 人が負傷したと発表した。 同様にウクライナと国境を接するロストフ州にもドローン攻撃があったが、負傷者は報告されていない。 ロシアはまた、モスクワに向かっていたドローン 1 機を阻止したとしている。  このドローンはその後、人口の少ない場所へ墜落したという。 ロシア国内でドローン攻撃があったという主張は、ここ数カ月でその頻度を増している。

ウクライナ側は特定のドローン攻撃について関与を主張していない。 しかし、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は以前、「戦争は徐々にロシア領に戻りつつある。 ロシアにとって象徴的な中心地や軍の基地へ。 これは不可避で自然で、まったく公平なプロセスだ」と述べていた。 BBC が検証した動画では、ウクライナ国境から約 150 キロ離れたクルスク市の鉄道駅の窓ガラスが割れ、炎が上がっているのが確認できる。 ロシア国営通信社 RIA ノーヴォスチによると、ガラスの破片で 5 人が負傷。 駅の屋根や外壁、プラットホームが損傷した。 ロシア外務省は、クルスクでのドローン攻撃を「強く非難する」としている。 「ウクライナのナショナリストたちが文字通り、我々の共通の歴史に打撃を与えた」と、同省のマリア・ザハロワ報道官は声明で述べた。

モスクワに向かうドローンを「電子戦」で破壊と

ロシア国防省は独自の声明で、20 日午前 4 時ごろに「ウクライナ政府がモスクワのインフラに対するドローンを使ったテロ攻撃を企てたが、それを阻止した」とした。 モスクワに向かっていたドローンは「電子戦」によって破壊され、制御不能に陥り人口の少ない地域に墜落したという。 ロシアの航空当局は、モスクワ州のドモジェドヴォ国際空港とヴヌコヴォ国際空港へ向かうフライトが「一時的に制限された」と明らかにした。

ロシアによる侵攻が続くウクライナでは 19 日、北部の都市チェルニヒウ中心部にある劇場がロシア軍によるミサイル攻撃を受け、6 歳の少女ら 7 人が死亡した。 また、子供 15 人を含む 148 人が負傷したと、当局が明らかにした。 ゼレンスキー大統領は「このテロ攻撃について、目に見える回答でロシアに対応する」と約束していた。 (BBC = 8-21-23)

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ロシアの空軍基地に無人機攻撃、「テロ」で 1 機損傷 … モスクワ標的の攻撃も活発化

ロシア国防省などによると、露北西部ノブゴロド州のソリツイ 2 空軍基地が 19 日午前、無人機による攻撃を受けた。 同省は、ウクライナの「テロ攻撃」で露軍機 1 機が損傷したと発表した。 露南部ロストフ州の軍事施設にも 20 日、自爆型無人機 2 機が墜落した。 露本土への無人機攻撃が一段と活発になっている。 モスクワを標的にしたとみられる無人機攻撃も続いている。 モスクワ市長の発表などによると、モスクワ南郊で 20 日未明、露軍の防空システムが無人機を撃退した。 19 日午後にも無人機が郊外に飛来した。

ウクライナと国境を接する露西部クルスク州知事によると、州内の駅舎に無人機 1 機が墜落して火災が発生し、55人が負傷した。 一方、ウクライナ警察は 20 日、露軍による 19 日の北部チェルニヒウ中心部の劇場へのミサイル攻撃の死者が7人で、負傷者は 144 人に増えたと発表した。 劇場で開かれていた無人機の展示会に関する情報は関係者だけが知っていたことから、ウクライナ内務省は露側への情報流出の疑いがあるとみて調査している。 (yomiuri = 8-21-23)

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鉄道駅にドローンが衝突、5 人負傷 ロシア西部

ロシア西部クルスク州の州都クルスクで 20 日、鉄道駅の屋根にウクライナのドローン(無人機)が衝突し、5 人が負傷したほか、建物に被害が出た。 クルスク州のスタロボイト知事が明らかにした。 クルスク州はウクライナと国境を接しており、これまでもウクライナによるものとみられる攻撃に見舞われていた。 スタロボイト氏によれば、プラットホームのひとつが一時的に閉鎖された。 それでも、乗客は別のプラットホーム 2 カ所で乗り降りができるという。 スタロボイト氏は、5 人が軽傷を負ったと明らかにした。 爆発が起きた際には 50 人が建物の中におり、すぐに避難が行われたという。 スタロボイト氏によれば、クルスク州では今月に入り、ウクライナの砲撃が同州北部の集落の住宅に当たり、3 人が負傷していた。 (CNN= 8-21-23)

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