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「4 倍返し」でロシアの大砲を破壊、ウクライナは砲撃戦に勝利しつつある

ロシアがウクライナで全面戦争に乗り出してから 1 年 5 カ月、そしてウクライナが待望の反転攻勢を始めてから 1 カ月あまり経つなか、ウクライナ軍は重要な戦いに勝利しつつある。 大砲を撃ち合う砲撃戦だ。 戦場でどちらが勝つかは砲撃戦で決することが多い。 ウクライナが 6 月上旬、南部と東部で複数の攻撃軸に沿ってロシアに対する反抗を開始してから、戦車や戦闘車両に関しては両軍とも同じくらい大きな損害を出している。 その裏で、大砲の損害は不均衡になっている。

まず前者について確認しておくと、ウクライナ軍とロシア軍はザポリージャ州とドネツク州南部でともに戦車や戦闘車両を確認できるだけで 150 両強失っている。 損失数はウクライナ側のほうが 170 両前後とやや多いが、一般に攻める側は守る側よりも不利なので当然の結果とも言える。 防御する側は地面を掘ればいいが、攻撃する側は往々にして、開けた土地を前進していかなくてはならない。 ところが大砲の損害は両軍の間で偏りがある。 観測筋によると、ウクライナの反抗開始後、ロシア側が榴弾砲やロケット砲を 32 門破壊されているのに対して、ウクライナ側の損害は 8 門にとどまっている。 つまり、ウクライナが大砲を 1 門失うごとにロシアは 4 門失っている。

全体の規模やこれまでの経緯も踏まえておこう。 ロシアは全面戦争を仕かけた時点で、榴弾砲やロケット砲をおよそ 5,000 門保有していた。 ウクライナの保有数はその 3 分の 1 だった。 ロシア側はそれだけ、失う対象となる数も多かったということになる。 とはいえ、1 年半近くにわたって激戦が続くなかで、ロシアの大砲での優位性は崩れてきている。 ウクライナ軍はこの間、ロシア軍の榴弾砲やロケット砲を 600 門破壊した。 対して、ロシア軍によるウクライナ軍の榴弾砲やロケット砲の破壊数は 200 門にとどまっている。

言い換えると、ロシアの大砲の損害はウクライナの 3 倍に達している。 さらに留意しておくべきなのは、ウクライナ側はこれまでに、西側諸国から 1,000 門を超える榴弾砲やロケット砲を取得していることだ。 損失分をはるかに上回る数だ。 また、双方とも、保管庫に眠っていた古い榴弾砲やロケット砲も引っ張り出して使っているのはいうまでもない。 こうして、ウクライナは反抗を始めた 6 月 4 日時点で、少なくとも数字としては大砲類を 2,500 門超そろえていた。 ロシア側は 4,500 門ほどだった。 以後、ウクライナ側はロシア側の 4 倍のペースで相手の榴弾砲やロケット砲を破壊し、相手の優位性を着々と切り崩してきた。

砲撃戦では、敵が最も強力な火力を発揮するのを防ぐために、敵の大砲に向かって砲撃する。 ある戦闘の砲撃戦に勝利した側は、たいていその戦闘で勝利する。 だからこそ、ウクライナがロシアの榴弾砲やロケット砲を着実に破壊し続けていることに、自由なウクライナを支持する人たちはこれほど鼓舞されているのだ。 ウクライナが砲撃戦で徐々に優勢になりつつある理由は明らかだろう。 西側から、より信頼性や精度が高く、射程も長いシステムを供与され、ウクライナ軍の 13 個の砲兵旅団・ロケット砲兵旅団が能力を大幅に向上させたためである。

ウクライナ側が取得した装備で最も重要なのは、ドイツやノルウェー、英国、米国から提供された多数の対砲レーダーかもしれない。 対砲レーダーは、飛んでくる敵の砲弾やロケット弾を発見し、弾道の解析によって発射地点を割り出し、味方の榴弾砲やロケット砲による反撃を指示する。 小型ドローンとも連携して運用されているこれらのレーダーによって、ロシア軍の砲兵の任務は危険きわまりないものになっている。 彼らは砲撃を行ったあと、ウクライナ軍の砲兵による反撃をかわすために、即座に場所を移動しなくてはならない。 もちろん、大砲レーダーやドローンはロシア側も保有しているが、明らかにウクライナ側のものより効果が低い。

開戦当初、ロシア軍の砲撃統制システムはウクライナ軍よりも優位にあった。 だが、1 年後にはそれが逆転していた。 すでに今年春時点で、ロシア軍が苦境に陥っていたのははっきりしていた。 というのも、ウクライナ軍の南部の司令部は 4 月中旬、砲撃によってドニプロ側左岸のロシア軍砲兵部隊を一掃する作戦で「めざましい戦果」を報告しているからだ。 同じ司令部は現在、南部反攻の主要な攻撃軸を統括している。 これらの攻撃軸でロシア軍はウクライナ軍の 4 倍のペースで大砲を失っている。 (David Axe、Forbes = 7-13-23)


「我々はぶれない」 バイデン氏が演説、結束強調

米国のバイデン大統領は 12 日、北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議の日程を終えた後、ビリニュスで演説した。 「我々はぶれない。 我々のウクライナへの関与が弱まることはない。 今日も明日も、必要な限り自由のために立ち上がる。」などと述べた。 バイデン氏は民主主義の価値や自由の尊さに触れながら、NATO の結束を強調した。 また、ウクライナに侵攻したロシアの非人道性を強調した後、「残念ながら、ロシアはこれまでのところ、外交的な結果に関心を示していない。 プーチン大統領はウクライナよりも長く生き延びられると、いまだに信じ込んでいる。」と語り、停戦交渉の難しさも示唆した。

中心部にあるビリニュス大学内で演説した。 米国、リトアニア、ウクライナの国旗を手にした人々が「USA!」、「ウクライナに栄光を!」などと声を上げ、会場は熱気に包まれた。 友人と演説を聴いた人権保護 NGO 幹部のヨラテ・ヨシュカイテさん (36) は「リトアニアはベラルーシに隣接し、ロシアとも地理的に近い。 脅威を感じているので、バイデン氏が平和のメッセージとともに来てくれたことはよかった。 ただ、ウクライナの NATO 加盟については、正式な招待か、それに代わる強力な約束を求めていたので、首脳会議自体には失望している」と話した。 (asahi = 7-13-23)


岸田首相らがウクライナ支援に関する G7 共同宣言を発表

北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議が開かれているリトアニアの首都ビリニュスで 12 日、主要 7 カ国 (G7) 首脳らがウクライナ支援に関する共同宣言を出した。 ウクライナへの長期的支援について約束し、各国が今後、ウクライナと二国間で交渉して内容を詰める。 岸田文雄首相は「世界のどこであっても力による一方的な現状変更は許してはならない」などと述べ、「G7 はこれからもウクライナに寄り添っていく」と宣言した。

バイデン米大統領は「言うつもりのなかったことを言わせて欲しい。 欧州でも北米大陸でも、この男が立ち上がってウクライナを支援してくれると思っていた人はほとんどいなかったはずだ」と述べ、岸田首相に感謝を述べた。 その上でバイデン氏は「ウクライナの将来は NATO の中にあることにすべての同盟国が同意した」、「G7 は我々の支援が将来にわたって続くことを明確にした」などと述べた。 ゼレンスキー大統領は「ウクライナの代表団は、安全保障に関する重大な勝利を祖国に持って帰ることができる」などと語り、感謝を述べた。 (asahi = 7-12-23)


NATO 会議でもロシア攻撃 = 半年分の占領面積、ウクライナ奪還

北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議で対ウクライナ支援が焦点となる中、同国の首都キーウ(キエフ)などに 11 日未明、ロシアの攻撃があった。 ウクライナ空軍によると、全土にイラン製ドローン 28 機が飛来し、うち 26 機を撃墜。 落下物で住宅などに被害が出たが、死傷者はいないという。

米シンクタンク戦争研究所の 10 日の報告によれば、ウクライナは反転攻勢を開始した 6 月 4 日以降、253 平方キロを奪還。 ロシアはウクライナ東部の要衝バフムトの攻略に手間取り、今年に入って占領した面積は 282 平方キロにとどまっているという。 同研究所は「ロシアが過去 6 カ月間で占領したのとほぼ同じ面積を、ウクライナ軍は 5 週間で解放した」と分析した。 一方、ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は 10 日、侵攻開始から 5 月末までの 15 カ月間で、ロシアの戦死者が約 4 万 7,000 人に達したという推計を伝えた。公開情報から「少なくとも約 2 万 5,000 人が戦死した」とする英 BBC 放送などの独自集計を踏まえつつ、統計上の予想を実際の死者数が上回る「超過死亡」の概念も加味して算出した。 (jiji = 7-12-23)


ゼレンスキー氏、NATO 加盟へ「決断」訴え 宣言に日程なく不満も

ウクライナのゼレンスキー大統領は 11 日夕、北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議が開かれているリトアニアのビリニュスで演説し、「NATO はウクライナに安全を与える。 ウクライナは(NATO という)同盟をより強固なものにする」と訴えた。

ゼレンスキー氏は、リトアニアのナウセーダ大統領らとともに、ウクライナの NATO 加盟の支援を目的とするイベントに参加した。 ゼレンスキー氏は早期加盟への道筋を示すことを求めていたが、11 日にまとまった NATO 首脳会議の首脳宣言では、具体的な加盟の日程は盛り込まれなかった。 ゼレンスキー氏は演説前にツイッターで「加盟招待や加盟国にすることの用意もないようだ」と不満を示していたが、演説では「今日、私は決断を信じ、パートナーを信じ、強い NATO を信じ、ここにやってきた」と強調。 「この信頼を確信に、私たち全員が期待する決断への確信にしてもらいたい」と改めて訴えた。 (asahi = 7-12-23)


ロシア将官また戦死か = ウクライナ反攻で 2 人目

ロシアの独立系メディア「バージニエ・イストーリー」は 11 日、ウクライナの攻撃により、占領下の南部ザポロジエ州ベルジャンスクでロシア軍の将官が戦死したと伝えた。 公式確認されていないが、同州では将官(少将)が 6 月中旬に死亡したとされ、6 月上旬の反転攻勢開始後では 2 人目とみられる。 死亡したのは、南部軍管区(司令部ロシア南部ロストフナドヌー)のオレク・ツォコフ副司令官(中将)。 昨年 2 月の侵攻開始から数えて将官戦死の情報が 11 人目となる中、同メディアは「(階級に職責を加味すると)ツォコフ氏が最高位の可能性がある」と指摘した。 (jiji = 7-12-23)


ワグネルが撤退したバフムトで一体何が起きているのか?
 現地で戦うウクライナ軍の副司令官に聞いた

6 月上旬に始まったとされるウクライナ軍による反転攻勢から 1 か月。 ロシアが掌握を宣言した東部の拠点バフムトでは、プリゴジン氏率いる民間軍事会社ワグネルが撤退したあと、ウクライナ軍が前進しているという見方が出ている。 現地で 7 か月前から戦っているウクライナ軍の中で最も大きな旅団の 1 つ、第 3 独立襲撃旅団のマクシム・ジョリン副司令官にいまの戦況を聞いた。

ワグネルに代わってロシア正規軍部隊がバフムトに

「今、私たちの旅団はバフムト付近で襲撃という軍務を遂行しています。 毎日のように敵の陣地の襲撃を行い、その陣地から敵を追いだして先に進んでまた襲撃を行うのです。」

ジョリン氏によると、バフムトにはいま、ワグネルに代わってロシア正規軍の部隊がいるという。

「ワグネルはロシアの部隊の中で最も成果を上げた部隊の一つだったと認めざるを得ません。 今の相手は襲撃と進軍ではなく、防衛に従事するロシア正規軍の部隊です。」

そのロシア正規軍に対する戦い方は、市街戦ではなく包囲戦だとジョリン氏は語る。

「市街戦は最も難しい戦闘の一つとして知られていますが、私たちの今の目的は、人員の損失を減らすために市街戦を避けて周辺の小さな集落を制圧しバフムトを包囲することです。 市街戦は大きな損失を伴うためです。 バフムトの南と北で進軍を行い、敵が投降するか逃げるかの選択肢しかない状況を作ろうとしています。」

市街戦ではなく包囲戦でロシア軍を追い詰めている

バフムト市を解放するという今のミッションが始まったのは 4 月の下旬頃。 ジョリン氏の部隊が展開する包囲を目的とした戦いは、ロシア軍を追い詰めているだけでなく、他の部隊のウクライナ兵に心理的な変化を起こしているという。

「ロシア軍は私たちの勢いに耐えられません。 我々第 3 旅団は防衛を続けるだけでなく、敵を陣地から追い出すことも可能だということを見せました。 私たちに見習って他の部隊も進軍するようになり、敵はウクライナ軍の部隊の圧力と勢いに耐えられなくなりました。 敵はバフムトの南と北で陣地を失い、部隊が破壊されています。 ウクライナ軍の部隊の中で『私たちも進軍できるし領土を解放できる、敵を陣地から押し出すことが出来る』という心理的な変化が起きたのです。」

ロシア側は兵力を 5 万人に増員 … しかし我々は敵の数を恐れない

ジョリン氏は「ウクライナ軍が優勢だ」と語るが、ロシア兵約 5 万人がバフムトに集中しているという報道もある。

「私たちが進軍を始めてから敵は増員を検討し始めました。 当初ここにいた部隊だけで抵抗できなかったので、増やしたのです。 あらゆる部隊がここに移動してきて、私たちの進軍を引き留めようとしていますが、あまり成功していません。」

ロシア側が増員を始めたのは、ワグネル部隊が撤退しウクライナ軍の反転攻勢が始まる前の 5 月下旬頃。 予備軍や複数の空挺部隊のほか、ワグネルと同様に受刑者を集めた部隊などがいるのだという。 しかし、敵の数は問題ではないとジョリン氏は強調した。

「敵のほうが兵力や兵器、弾薬が多いという状況下で戦うのはもう慣れてきました。 そのため、目の前にいる敵の数を見ても恐れません。 敵の数はウクライナ軍のペースに影響を与える可能性はありますが、我々はいずれすべての領土を解放します。 敵の数を恐れません。」」 (TBS = 7-12-23)


ウクライナ復興に高速鉄道? 構想浮上で日本に熱視線
 駐日大使「日本が他国助けた経験計りしれない」

ウクライナのセルギー・コルスンスキー駐日大使が2023年7月10日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で開いた記者会見で、ウクライナに高速鉄道を導入する構想について「非常に興味深いプロジェクトのひとつ」だと期待感を示した。ウクライナ復興の一環として浮上した報道に対する質問に答えた。 「まだ何も決まっていない」と話しているが、首都キーウから数時間で国内のあらゆる都市に移動できる環境が整えば「ウクライナを変えることになるだろう」とも述べた。

「日本の役割は、他国ができるような小さなものではなく...」

ウクライナに高速鉄道を導入する構想は、産経新聞が6月28日の紙面の1面トップで「ウクライナ 新幹線構想」の見出しで報じた。6月16〜18日に三重県志摩市で開かれた先進7か国国(G7)交通相会合に、ウクライナのクブラコフ副首相兼インフラ相も参加。協議の場でクブラコフ氏から「『日本の新幹線の技術を学んで鉄道の高速化を図りたい』との趣旨の発言」があった、と伝えている。

構想について事実関係の確認を記者から求められたコルスンスキー氏は、クブラコフ氏が会合に参加できたことを感謝する一方で「まだ何も決まっていない」と説明。ウクライナの復興で日本に何ができるかについて議論が行われている段階だとして、

「私が思うに、日本の役割は、他国ができるような小さなものではなく、大規模なインフラプロジェクトにあるのではないか。」

との見立てを披露した。 この 100 年間で 1 回の戦争、3 回の震災から復興を果たしてきた日本の歴史に言及しながら、「日本が他国を助けた経験は計りしれない」とも発言。 その上で、

「私たちの観点からすると、ウクライナの高速鉄道は非常に興味深いプロジェクトのひとつ。」

だと述べ、その意義を次のように説明した。

「ウクライナの地理を考えれば、高速鉄道を導入するのは非常に合理的だ。キーウから 700 - 900 キロという距離は、新幹線にとってはそれほど長くはなく、片道 2 - 3 時間で行ける。 ウクライナを変えることになるだろう。」

東海道新幹線の場合、東京 - 新大阪間の約 550 キロを 2 時間半ほどかけて結んでいる。 北東部にある首都キーウから西部にある第 2 の都市、ハルキウまでの距離は 400 キロ程度。 仮に構想が実現すれば、キーウから数時間で全国どこにでも移動できる日が来る可能性もある。 林芳正外相は 6 月 21 日にロンドンで開かれた「ウクライナ復興会議」で、23 年末から 24 年初めの「適切なタイミング」で「日ウクライナ経済復興推進会議」を東京で開き、「日本の官民を挙げてウクライナの復旧・復興を力強く後押しする」ことを表明している。 コルスンスキー氏は、この会議に「おそらくウクライナ政府からも企業からも非常に大きな代表団が参加することになる」と指摘。 構想の進展に期待していた。 (工藤博司、J-cast = 7-11-23)


ドイツ、ウクライナに 1 千億円相当の追加軍事支援を発表

ドイツのピストリウス国防相は 11 日、ウクライナに対して 7 億ユーロ(約 1,080 億円)相当の追加の軍事支援を提供すると発表した。 地対空ミサイル「パトリオット」 2 基や、ドイツ製の旧式戦車「レオパルト 1」 25 両、戦闘車両「マルダー」 40 両など。 ピストリウス氏は声明で、ロシアの攻撃に対して「ウクライナの耐久力を強化するのに大きく貢献する」としている。 (asahi = 7-11-23)


フランス、ウクライナに長射程ミサイル提供へ 方針を転換

フランスのマクロン大統領は 11 日、リトアニアで始まった北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議の会場で記者団の取材に応じ、ウクライナに新たに長距離ミサイルを提供する考えを示した。 これまではミサイルがロシア領内に向けて使用される恐れがあるとして提供の可能性を否定してきたが、方針を転換した。 マクロン氏は首脳会議の会場に到着した際、取材に応じた。 仏メディアによると、フランスが新たに提供を決めたのは「ストーム・シャドー」で、英国がすでにウクライナに提供したものと同型の長射程巡航ミサイル。 射程は 250 キロ以上とされ、戦闘機から発射するため、パイロットが前線から離れた地点からの攻撃が可能になる。

マクロン氏は今回の決定について、「ウクライナが自国の領土を守れるようにするという、我々の方針の明確さと一貫性を維持する」として、ロシア領内への攻撃が目的ではないという考えを示した。 首脳会議で焦点となるウクライナの早期加盟をめぐっては、加盟国間の意見の違いが表面化している。 マクロン氏はこの点について問われ、「我々にとって重要なことは、ウクライナへの支援と NATO の結束のメッセージを送ることだ」と答えるにとどめた。 (asahi = 7-11-23)


ロシア軍、未明にキーウ空爆 NATO 首脳会議の開幕直前

[キーウ] ウクライナ軍は、ロシアが 11 日未明、ウクライナの首都キーウを空爆したと通信アプリ「テレグラム」で明らかにした。 キーウへの空爆は今月 2 度目という。 ウクライナはロシアが発射したイラン製ドローン(無人機)「シャヘド」を全て撃墜。 現時点で負傷者や被害は報告されていない。 ウクライナ空軍によると、キーウでは 1 時間にわたって空襲警報が発令された。 ウクライナ東部の別の地域では 1 時間以上にわたって空襲警報が鳴り響いたという。 北大西洋条約機構 (NATO) は 11 日からリトアニアで首脳会議を開き、ロシアのウクライナ侵攻について協議する。 (Reuters = 7-11-23)


ウクライナ軍が南部で前進、ゼレンスキー氏「主導権握った」

ウクライナ軍は 9 日、南東部のロシア軍支配地域の奪還作戦で前進した。 ゼレンスキー大統領は放映されたインタビューの中で、進軍のペースがこれまで遅かったものの、ウクライナ軍が「主導権を握った」と述べた。 ロシア側によると、ロシア民間軍事会社ワグネルの部隊が 5 月に掌握した東部ドネツク州バフムト周辺で激しい戦闘が繰り広げられた。 ロシア南部チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長はメッセージアプリのテレグラムへの投稿で、チェチェンの特殊部隊「アフマート」がこの地域に配備されたと述べた。

ウクライナのマリャル国防次官は南東部の2つの地域で激しい戦闘があったとテレグラムに投稿。「われわれはこれらの地域で得た成果を固めている」と述べた。 ロシア軍がバフムトで守勢に立たされる中、ウクライナ軍が同都市の南側で「一定の前進」を遂げているという。 ゼレンスキー氏は米テレビ局 ABC のインタビューで、自身や軍司令官らが望むよりも進軍が遅いことを認めた上で、ウクライナ軍側に主導権があると述べた。 ウクライナの軍事アナリスト、デニス・ポポビッチ氏によると、ウクライナ軍はバフムトの南にあるクリシチウカ付近で重要な拠点を掌握した。 (Reuters = 7-10-23)

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ウクライナ軍、バフムートのロシア軍を「追い出した」

ウクライナ陸軍トップのシルスキー司令官は 10 日、激戦が続いていたウクライナ東部ドネツク州バフムートについて、ロシア軍を陣地から追い出し、攻撃で狙える状態になったと SNS に投稿した。 シルスキー氏は、「航空偵察によりロシア軍の対戦車ミサイルの場所が明らかになった」、「兵士たちは効果的に戦い、ロシア軍を撃破した」と伝えた。 (asahi = 7-10-23)


ロシア軍の死者 4 万 7 千人か 独立メディア

ロシアの独立系メディア「メドゥーザ」は 10 日、昨年 2 月のウクライナ侵攻開始以来、ロシア軍の死者が約 4 万 7 千人に上るという推測を発表した。 ソ連時代に約 10 年間続いたアフガニスタン侵攻の 3 倍、ロシアになってからのチェチェン紛争の 9 倍だとしている。 独立系メディア「メディアゾーン」や研究者と計算した。 重傷者を含めた兵力の損失は、少なくとも 12 万 5 千人になるとみている。 「ロシアの損失に関する最初の信頼できる評価だ」としている。 侵攻でのロシア兵の死者について、ロシア国防省の発表は昨年 9 月の 5,937 人が最後だ。 メドゥーザは「世論の反発を招きかねないという理由だけでなく、ウソが政権の基本戦略になっている」と批判している。 (asahi = 7-10-23)


クリミア半島上空でウクライナ軍のミサイル撃墜 クリミア橋を狙ったか

ロシアの独立系メディア「マッシュ」は 9 日、ウクライナが実効支配するロシア南部クリミア半島東部のケルチ上空で、ウクライナ軍のミサイルが撃墜されたと、映像とともに伝えた。 橋は一時、通行禁止になっており、クリミア橋が狙われた可能性があるという。 クリミア橋では昨年 10 月、4 人が死亡する爆発があった。 ウクライナの国防次官が 8 日、「273 日前にロシアの兵站を寸断するため、クリミア橋への最初の攻撃が行われた」として、爆発にウクライナ軍が関与したこと実質的に認めていた。 (asahi = 7-9-23)

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ウクライナ国防次官、クリミア橋爆破を認める

ウクライナのハンナ・マリャル国防次官が、「273 日前にロシアの兵站を寸断するため、クリミア橋への最初の攻撃が行われた」と、爆発へのウクライナ軍の関与を実質的に認めた。 ロシアのウクライナ侵攻 500 日にあわせ、ウクライナ軍の成功した作戦の一つとして言及した。 テレグラムチャンネルに投稿した内容を、独立系メディア「メドゥーザ」が 9 日、伝えた。

クリミア橋は、ロシアと、ロシアが実効支配するウクライナ南部クリミア半島とを結ぶ。 2022 年 10 月、この橋を走行中のトラックが爆発して道路が崩壊し、4 人が死亡した。 ロシア側は、ウクライナ国防省情報総局が首謀者だと主張し、犯行に関わったとされるロシア人やウクライナ人らを拘束した。 一方、ウクライナ側は関与を認めていなかった。 ロシア外務省のザハロワ報道官は、ウクライナ政府を「テロリスト政権」だとして SNS で批判した。 (asahi = 7-9-23)


アゾフ連隊隊員の一部、トルコから帰国 ロシア「合意違反」と反発

ウクライナ南部マリウポリでロシア軍に抗戦した後、捕虜交換の一環でトルコに留め置かれていたアゾフ連隊隊員の一部をウォロディミル・ゼレンスキー大統領が本国に連れ戻した。 ロシア側は「合意違反」だと反発している。 ウクライナ大統領府は 8 日、トルコとの交渉の末、アゾフ連隊隊員の一部の帰還を実現させたと認めた。 トルコ訪問中だったゼレンスキー大統領が、イスタンブール空港で隊員に面会した。

これについてロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ報道官は、「アゾフ連隊の(元)司令官がトルコからウクライナに帰還するということは、既存の合意を直接破ることにほかならない」と批判。 合意では、隊員は紛争終結までトルコ国内にとどめられることになっていたと指摘した。 報道官はまた、隊員の帰還は「(ウクライナの)反転攻勢が失敗」していることと関連があるとするとともに、来週の北大西洋条約機構首脳会議を控え「強い圧力」を受けているトルコが「連帯」を示したものだとの見方を示した。 (AFP/時事 = 7-9-23)


ウクライナ大統領、クリミア半島の支配回復を確信

ウクライナのゼレンスキー大統領は 8 日、訪問先のトルコ・イスタンブールで、自国がクリミア半島を再度統治下に置けることを確信していると述べた。 また、トルコによるウクライナの主権と領土の一体性への支持に謝意を表明した。 同日未明に行われたトルコのエルドアン大統領との共同記者会見で述べた。 エルドアン氏とはクリミア半島の状況について話し合ったという。

「クリミア半島はいまだにロシアが不法に支配下に置き、脅威と危険の橋頭堡として使用している。 いずれにせよ、我々は必ずクリミア半島への支配を回復する。(ゼレンスキー氏)」

クリミア半島は 2014 年にロシアが強制的に併合。 同国の黒海艦隊の拠点となっている。 昨年 2 月に起きたウクライナへの全面侵攻の際には、この地域からロシア軍がウクライナ南部へ攻め込んできた。 会見でゼレンスキー氏は、ウクライナによる北大西洋条約機構 (NATO) 加盟への意向にも言及。 トルコがこれを支持していると聞いて「うれしく思う」と明かした。 その上で、エルドアン氏とは NATO を背景とした両国の取り組みに関する重要課題について話し合ったと説明。 とりわけ来週リトアニアのビリニュスで開かれる NATO 首脳会議への準備が話題に上ったという。 同首脳会議では、ウクライナが最重要議題になるとみられている。 (CNN = 7-8-23)


米国がウクライナにクラスター弾提供を発表

米国防総省は 7 日、ウクライナに対し、国際的に禁止の動きがある「クラスター弾」を提供すると発表した。 不発弾による民間人への被害が懸念されるため、提供は不発率が低い新型に限定する。 通常の砲弾が枯渇しており、増産が追いつくまでの空白を埋める位置づけだと説明している。 ウクライナにはロシアが築いた地雷原がすでに存在し、いずれは不発弾や地雷の撤去作業が必要になるため、米国も支援していくとしている。

サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)はこの日の記者会見で「不発弾による民間人被害のリスクは認識しており、決定をできる限り先延ばしにしてきた」と述べた上で「しかしウクライナに十分な砲弾がないためにロシアの軍隊と戦車が入り込み、領土をさらに奪って人々を服従させることになれば、民間人被害のリスクが大きく、耐え難い」と語った。

今回の軍事支援にはほかに、地対空ミサイル「パトリオット」の追加ミサイルや、携帯式の地対空ミサイル「スティンガー」、155 ミリ榴弾(りゅうだん)砲 31 門と砲弾、ブラッドレー歩兵戦闘車 32 両、装甲車ストライカー 32 両などが含まれる。 昨年 2 月にロシアがウクライナに侵攻を始めて以来、米国がウクライナに提供した軍事支援は合計 413 億ドル(約 5 兆 8,700 億円)以上にのぼる。 (asahi = 7-8-23)


ロシア中部の爆薬工場で爆発、6人死亡 報道

ロシア中部サマラ州の爆薬工場で爆発があり、6 人が死亡、2 人が負傷した。 現地通信社が 7 日、伝えた。 爆発があったのは同州チャパエフスク市の産業用爆薬大手プロムシンテスの工場。 ロシア通信は救急当局の話として、「8 人が負傷し、うち 6 人が死亡した」と報じた。 「修理のため機器を解体」した際に爆発が起きたという。 工場を所有するプロムシンテスは 1997 年に設立されたものの、工場自体は 11 年に最後のロシア皇帝ニコライ 2 世によって開設された。 ロシアでは安全規則が守られないことが多く、工場などで事故が頻発し、死傷者も出ている。 ウクライナ侵攻開始後、多くの工場がフルスピードで稼働を続けている。 (AFP/時事 = 7-7-23)


ゼレンスキー氏が NATO 加盟国を歴訪、首脳会議控え支援求める … 7 日はトルコで首脳会談

【ベルリン = 中西賢司、ローマ = 倉茂由美子】 11 - 12 日の北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議を前に、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が加盟国の歴訪を始め、ロシアに侵略された領土を取り戻すため支援を要請している。 6 日には東欧チェコを訪れ、ペトル・パベル大統領と会談した。 チェコはウクライナにいち早く戦車を供与するなど積極支援を続けている。 パベル氏との会談では、NATO 首脳会議で議論するウクライナ支援について協議した模様だ。

ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は会談後の共同記者会見で「NATO 会議での決定は言葉だけでなく内容を伴ったものであるべきだ」と述べ、自国への「安全の保証」に向けた具体的な行動を要請した。 パベル氏は「ウクライナはさらなる支援を期待できる」と述べた。 これに先立ち、ゼレンスキー氏は 6 日、ブルガリアでルメン・ラデフ大統領らと会談し、防衛協力の強化や軍事支援の継続で合意した。 会談後、SNS で「より多くの武器を手に入れ、武器がより近代的であるほど勝利の輪郭は鮮明になる」と強調した。 7 日にはトルコでタイップ・エルドアン大統領と会談し、黒海経由の穀物輸出などについて協議する見通しだ。 (yomiuri = 7-7-23)


反攻は「計画通り」 ウクライナ軍総司令官、米軍トップに

ウクライナ軍トップのザルジニー総司令官は 6 日、米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長に、ウクライナの反攻は想定通り進行していると伝えた。 ザルジニー氏は「ミリー氏と電話で協議し、前線の戦況について伝えた。 ウクライナ軍兵士は積極的に攻撃を続けている。」とフェイスブックに投稿した。

ザルジニー氏は「反攻は計画通りで、主導権は我々が握っている」とも述べた。 また、米国のウクライナに対する継続的な支援についてミリー氏に感謝の意を示すとともに、武器や弾薬などウクライナ軍の要望も伝えたという。 米国の国防当局者が CNN に明らかにしたところによると、米国は 7 日にウクライナへの追加の軍事支援パッケージを発表する予定で、今回初めてクラスター弾が含まれる見込み。 (CNN = 7-7-23)


ウクライナ・リビウ住宅地に大規模ミサイル攻撃、4 人死亡

→ ワグネルのプリゴジン氏は現在ロシアに、ルカシェンコ氏発言
→ 戦車・重砲保有でロシアの優位性薄れる - データ分析

ウクライナ西部リビウの住宅地にロシアが大規模なミサイル攻撃を仕掛け、少なくとも 4 人が死亡、少なくとも 32 人が負傷した。 リビウはポーランド国境から約 60 キロの地点にあり、西側からの軍事支援を受け取る主要な供給ルートに位置する。 この攻撃に、ウクライナのゼレンスキー大統領は「強力な対応」をとると表明。 同国防空部隊は通信アプリ「テレグラム」で、黒海の艦船や潜水艦から発射された巡航ミサイル「カリブル」 10 発のうち 7 発を迎撃したと説明した。 ミサイルは当初、北に向かったが、急に西に方向を変えてリビウを襲ったという。 リビウは戦線から遠く、これまでミサイルの標的になることは少なかった。

ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者で、同国の軍指導部に対して反乱を起こしたエフゲニー・プリゴジン氏は現在ロシアにいると、ベラルーシのルカシェンコ大統領が明らかにした。 国営ベルタ通信によると、ルカシェンコ氏は 6 日、プリゴジン氏は「サンクトペテルブルクにいる」とミンスクで記者団に発言。 モスクワにも行った可能性があると述べた。 プリゴジン氏は 6 月 24 日の武装蜂起後、モスクワへの進軍を停止させることに合意。 その数日後、ルカシェンコ氏はプリゴジン氏がベラルーシ国内にいると語っていた。

ロシア銀行(中央銀行)のナビウリナ総裁はサンクトペテルブルクで開かれた金融会合で、ルーブル相場は貿易動向で「ほぼ決定されている」と述べ、今年 1 - 3 月(第 1 四半期)にロシアの経常黒字は昨年のピークに比べて 2 割に縮小したと指摘。この発言中にルーブルは昨年 3 月以来の 1 ドル = 93 ルーブル台に下落した。 一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、「投機筋のゲーム」が為替相場の大幅なボラティリティーを引き起こしている可能性があり、現在のルーブル安の要因であるかもしれないと述べた。 国営タス通信が伝えた。

ウクライナへの軍事支援に関する新たなデータが、同国軍とロシア軍の戦車・重砲・多連装ロケット弾発射システム (MLRS) 保有バランスが 1 年 4 カ月余り前のウクライナ侵攻開始時から大きく変わったことを示している。 ドイツのキール世界経済研究所が調査・集計する「ウクライナ支援トラッカー」の 6 日時点での最新データによると、これまでにウクライナに供与された戦車は 471 両で、今後さらに 286 両が到着する予定。 ただ支援国の戦車供与ペースは鈍りつつある。

ウクライナ支援トラッカーに、軍事情報サイト Oryx がオープンソース・インテリジェンス (OSINT) を利用して集計している兵器損耗データを重ねると、ロシア軍の戦車数が侵攻開始以来半減したのに対し、ウクライナ軍の戦車数が増えていることが分かる。 重砲と MLRS に関しても両軍の保有数の差は縮まった。 ただ戦車ほど大幅に縮小しなかった。

北大西洋条約機構 (NATO) 加盟国首脳が来週、リトアニアで開かれる首脳会議に向け準備を進める中、バイデン米大統領は 5 日、ホワイトハウスを訪れたスウェーデンのクリステション首相を歓迎し、米国としてスウェーデンの NATO 加盟を全面的に支援すると述べた。 トルコのエルドアン大統領はスウェーデンの新たな対テロ法がクルド人武装組織を十分に取り締まるものではないとして、同国の NATO 加盟に反対している。 ロシアが占領するウクライナのザポリージャ原子力発電所が再び攻撃を受ける可能性を巡り、両国が非難の応酬を繰り広げ、懸念が強まっている。 (Bloomberg = 7-6-23)


反転攻勢「もっと早く始めたかった」、ゼレンスキー大統領が F16 など兵器供与加速を求める

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 5 日に米 CNN が放映したインタビューで、ロシアに対する大規模な反転攻勢に関し、「もっと早く始めたかった」と述べ、攻勢開始が遅れたことが苦戦の一因との認識を示した。 地上部隊の進軍は「空からの援護がなければ非常に厳しい」とも語り、米国製の戦闘機 F16 など兵器の供与を加速するよう求めた。 ゼレンスキー氏は、反攻開始が 6 月 4 日にずれ込んだ理由について、米欧からの兵器供与が予定通りに進まなかったためだと説明した。 6 日には南欧ブルガリアのソフィアを訪れ、支援を要請するとみられる。

ウクライナ空軍によると、露軍は 6 日未明、西部リビウに巡航ミサイル「カリブル」 10 発を発射し 3 発が着弾した。 州知事などによるとミサイルは重要施設や集合住宅を直撃し、4 人が死亡、37 人が負傷した。 露軍によるリビウ州への攻撃としては最大規模という。 一方、露政府は 6 日、露軍が占領する東部ドネツク州マキイウカの燃料施設や露西部ベルゴロド、クルスク両州などがウクライナの攻撃を受けたと主張した。 (yomiuri = 7-6-23)


「屋根に爆発物」と指摘されたザポリージャ原発、IAEA が立ち入りを要請

国際原子力機関 (IAEA) のラファエル・グロッシ事務局長は 5 日、ロシア軍が占拠を続けているウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所で爆発物の有無を確認するため、原子炉建屋の屋上などへの立ち入り調査を受け入れるよう要請したと発表した。 ウクライナ軍は、露軍が屋根に爆発物のようなものを仕掛けたと指摘している。 ザポリージャ原発には IAEA の専門家が常駐している。 IAEA によると、これまで爆発物は確認されていないが、原子炉建屋の屋上や冷却装置の一部なども調査する必要があるとしている。 グロッシ氏は声明で「軍事的緊張が高まる中、専門家による現場の状況確認が重要だ」と強調した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 5 日、軍司令官らと原発の安全確保について協議した。 5 日のビデオ演説で「関係各国と最大限の連携を図っている」と述べた。 一方、ロシアはウクライナ軍がザポリージャ原発への攻撃を計画していると主張している。 タス通信によると、露大統領報道官は 5 日、「ウクライナによる妨害行為の恐れがあり、状況は緊迫している」と語った。 (yomiuri = 7-6-23)


東部バフムート周辺で「攻撃に成功」 ウクライナ軍

ウクライナ軍は 5 日、戦闘が続くウクライナ東部バフムート近くで攻撃に成功していると明らかにした。 ウクライナ軍参謀本部の報道官によると、同軍はバフムートの南北でロシア軍に「圧力」をかけており、以前占領されていた場所からロシア軍を追い出し続けている。 報道官は「ウクライナ軍は部分的に成功しているクリシチウカ村のあたりで獲得した戦線を強化している。 敵は予備兵を投入して強く抵抗しており、大きな損失を被っている。」と説明した。

参謀本部は 5 日の戦況報告で、ウクライナ軍はバフムート地域のオリホボバシリウカ村とボフダニウカ村で航空機や大砲によるロシア軍の攻撃に対抗したと明らかにした。 報告によると、ロシア軍は「主にリマン、バフムート、アウジーイウカ、マリンカ方面に注力しており」、1 日で 40 の戦闘が行われた。 これらの町と、東部ルハンスク州ノボセリウスケの南方でロシア軍の攻撃を撃退したと主張した。 一方、南部ではウクライナの防衛軍は引き続きメリトポリとベルジャンスクの方面で攻撃を行っている。 戦況報告で「獲得した戦線を強化し、特定された標的に砲撃を加え、対砲兵射撃を実行している」と明らかにした。

参謀本部によると、ザポリージャとヘルソンの方面ではロシア軍は主にウクライナ軍の進軍阻止に戦力を注いでいる。 ロシア軍は 1 日で多連装ロケットシステムから 69 回攻撃を加え、空爆を 47 回行ったという。 (CNN = 7-6-23)

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