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最初のウクライナ部隊が歩兵戦闘車の訓練を完了 米国防総省 米国防総省のライダー報道官は 17 日、ウクライナ軍の最初の部隊が今週、ドイツにある米軍施設で、さまざまな戦力を組み合わせた複合訓練を完了したと明らかにした。 訓練には、米国が 1 月に提供を表明したブラッドレー歩兵戦闘車が使われたという。 米軍は 1 月から、ウクライナ軍が戦場で効果的に動けるように訓練を拡大している。 声明によると、約 635 人のウクライナ兵が約 5 週間にわたり、射撃技術などの基本から医療訓練、分隊、小隊、中隊、大隊の訓練を終えた。 追加の訓練も進んでいる。 ブラッドレー歩兵戦闘車を使う部隊と、自走榴弾(りゅうだん)砲を使う部隊が 2 週間前から大隊レベルでの複合訓練を始めており、双方あわせて約 710 人のウクライナ兵が参加。 来週には、米国が提供するストライカー装甲車の訓練を受ける最初の部隊と、別の野戦砲兵部隊が訓練を始める。 こちらには計約 890 人が参加予定という。 ブラッドレー歩兵戦闘車やストライカー装甲車は兵士を安全に前線に運ぶことができ、火力も備えた装甲車両で、米国が 1 月にウクライナへの提供を表明した。 春の攻勢に役立つことが期待され、米陸軍主導での訓練を急いでいる。 (asahi = 2-18-23) 領土面で譲歩すれば「ロシアは戻ってくる」 英公共放送 BBC は 16 日、ウクライナのゼレンスキー大統領が、侵攻を続けるロシアとの和平協定で自国の領土を譲り渡す可能性を否定した、と伝えた。 単独インタビューで語ったという。 BBC によると、ゼレンスキー氏は、ロシアに領土面で譲歩することは、ロシアが「(侵攻で)繰り返し戻ってくること」を意味する、との考え方を示した。 「肝心なのは、誰に対して(譲歩)するかだ。 (ロシア大統領)プーチンと? 信頼関係がない。 彼と対話? 信頼関係がないからノーだ」とも述べたという。 「最新型の武器が和平を早める。 武器はロシアが理解する唯一の言語だ。」とも語り、西側諸国からの早期の軍事支援の重要性を強調したという。 また、ゼレンスキー氏はロシアの同盟国ベラルーシがウクライナ侵攻に「加わらないことを望む」とした上で、ベラルーシがロシアの侵攻に加わっても「我々は戦い、生き残る」と述べた。 ベラルーシが、自国の領土をロシアに攻撃拠点として再び使わせることは「大きな過ち」になるとも警告した。 ベラルーシのルカシェンコ大統領が 16 日の会見で、自国が攻撃されない限り、ロシアによるウクライナ侵攻に参戦することはないと述べた、とベラルーシ国営のベルタ通信が先立って伝えていた。 (asahi = 2-17-23) イスラエル外相、2 億ドル支援を表明 イスラエルのコーヘン外相は 16 日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問し、ゼレンスキー大統領と会談した。 ロシアのウクライナへの軍事侵攻後、イスラエルの政府高官がキーウを訪れるのは初めて。 会談後、コーヘン氏は、ウクライナでのイランの脅威に対して、国際社会は「具体的なステップ」を取る必要があると双方が一致した、とツイートした。 イラン製の無人機によるロシアの攻撃が念頭にあるとみられる。 ゼレンスキー氏は、「様々な分野での二国間協力について議論した」とテレグラムに投稿した。 コーヘン氏はクレバ外相とも会談。 会談後の声明で、イスラエルがウクライナのインフラ整備などに 2 億ドル支援することや、空襲への早期警戒システム開発を後押しすることを明らかにした。 イスラエルは、隣接する敵対国のシリアにロシアが大きな影響力を持つことから、米欧主導のロシアへの制裁に参加していない。 ウクライナは従来の人道支援に加え、ミサイル防空システムの提供を含む軍事協力を再三求めてきたが、イスラエルは応じてこなかった。 昨年 12 月末にネタニヤフ政権が発足。 ネタニヤフ氏はロシア・ウクライナ関係の「再検討」に言及していた。 だが、イスラエルメディアによると、コーヘン氏はこの日、ロシアについて言及しなかった。 (asahi = 2-17-23) ロシア軍とワグネルの死者は「4 万 - 6 万人」 英国防省が分析 英国防省は 17 日、ロシア軍と民間軍事会社「ワグネル」がウクライナ侵攻以降、17 万 5 千 - 20 万人の死傷者を出しているとする分析を発表した。 うち死者は 4 万 - 6 万人に上るとしている。 同省は、昨年 9 月にロシアが「部分的動員」を発令して以降、死傷者が大幅に増加したと分析。 死傷者数に占める死者数の割合は、現代の基準では高いと指摘し、その理由について「部隊の多くできわめて限られた医療しか提供されていなかったため」としている。 (asahi = 2-17-23) ウクライナ各地にミサイル 32 発、西部の重要インフラも標的 ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」は、ロシア軍が 15 日夜から 16 日朝までにウクライナの各地に 32 発のミサイル攻撃を行い、ウクライナ軍がそのうち 16 発を撃墜したと報じた。 ウクライナのイエルマーク大統領府長官と空軍が発表した内容だという。 同メディアによると、ロシア軍は北部や西部、中部の各地を攻撃した。 中部ドニプロペトロウスク州では民間人 1 人が死亡し、7 人が負傷。 西部リビウ州では重要なインフラ施設が攻撃されたという。 (asahi = 2-16-23) ウクライナ、ロシア気球を撃墜と発表 ウクライナ当局は 15 日、首都キーウ上空でロシアのものとみられる気球 6 機を確認し、その大半を撃墜したと発表した。 当局は、気球は偵察用の機材を搭載していた可能性があり、ウクライナの防空能力を確認し、消耗させるために飛ばされたとの見方を示した。 残骸を慎重に調査するとしている。 ウクライナ当局は昨年 2 月のロシアによる侵攻開始以来、領空内でロシアの気球をたびたび確認している。 ウクライナの隣国モルドバも 14 日、ロシアとの緊張が高まる中で気象観測気球に似た飛行物体を確認したため、領空を一時閉鎖した。 (AFP/時事 = 2-16-23) ロシア軍の "信じがたいミス" がまた発覚 … 最新兵器「Tor-M2DT」がウクライナ軍に破壊されたウラ事情 Forbes Japan (電子版)は 2 月 7 日、「ロシア、北極圏用防空車両をウクライナに派遣するも吹き飛ばされる」との記事を配信した。 ジャーナリストのデイヴィッド・アックス氏の署名原稿を日本語に翻訳したものだ。 Forbes が伝えた「北極圏用防空車両」とは、「Tor-M2DT」という短距離・地対空ミサイルシステムのこと。 記事によると製造されたのは 12 台だといい、ロシア軍にとっては虎の子の最新兵器だ。 (デイリー新潮 = 2-16-23) 「Tor」は地対空ミサイルシステムの総称になる。 ミサイルとレーダーを 1 台の車両に搭載したこが特徴とされ、敵の戦闘機、攻撃機、ヘリコプター、ドローンなどを撃墜するための兵器だ。 軍事ジャーナリストが言う。
Tor-M2DT が開発されたのは、ロシアにとって「北極海航路」が国益に直結しているからだという。 近年、地球温暖化の影響で、夏季であれば北極海の一部を船が航行できるようになった。 「北極海航路を使えば、ロシアは北方で産出される液化石油ガス (LNG) などを、ヨーロッパ側にもアジア側にも海路で輸送することが可能になります。 その北極海航路の防空を担うために、Tor-M2DT が開発・配備されました。 ちなみにアメリカは、『航路の自由を保障するため、むしろミサイルシステムは不要』と配備に反対を表明しています。(同・軍事ジャーナリスト)」 国営テレビ局が詳報 ロシア軍は昨年末、Tor-M2DT をウクライナ戦争の最前線に投入した。 だが、"軍事の常識" に照らし合わせると、専門家でも首をひねるようなことが多々あったという。
おまけにロシア軍は「Tor-M2DT がウクライナに向かう」と大宣伝したのだ。 国防省が運営する国営テレビネットワーク「ズベズダ(Zvezda)」が詳報した。
"ターミネーター" の末路 士気が上がったのは、むしろウクライナ軍だ。 ズベズダの報道などで Tor-M2DT の投入を知り、周到に準備しながら待ち構えていた。 そして何が起きたのか - - Forbes の記事から紹介しよう。
ウクライナ軍は Tor-M2DT が爆発・炎上する様子をドローンで撮影、動画を Twitter などで公開した。 これは今でも視聴が可能だ。 ロシア軍が自軍の動きを不用意に広報し、多大な損失を被ったのは、これが初めてではない。
昨年の 5 月 18 日、ロシア国営の RIA ノーボスチ通信は「ウクライナ東部に BMPT−72 を投入する」と報じた。
大晦日の惨事 専門家が首をひねるのは、ロシア軍の学習能力がゼロだということだ。 デイリー新潮は 1 月 10 日、「HIMARS でロシア軍の徴集兵 400 人死亡 背景に『兵士のパーティー情報漏れ』というお粗末」との記事を配信した。
昨年、「ロシア軍の弾薬庫が爆発」というニュースが何度も伝えられたが、今は減少傾向にある。
バフムート防衛戦は「戦略的に健全」 米戦争研究所 米シンクタンク「戦争研究所 (ISW)」は 14 日の戦況分析で、ウクライナ東部ドネツク州バフムートでのウクライナ軍の防衛戦について、米国の軍事関係者が優先度が低い作戦とみているとの報道について触れたうえで、この作戦は「戦略的に健全な取り組み」と相反する見方を示した。 米紙ワシントン・ポストは、米国の防衛計画担当者らが「ウクライナ軍がバフムート防衛と春の反撃を同時に始めることは、現実的ではない」と話し、バフムート防衛よりも春の反撃を優先するよう主張している、と報じた。 これに対し、ISW は、ウクライナ軍のバフムート防衛によって、ロシア側が精鋭部隊を投入して消耗戦を行うことになり、「ロシア軍を弱体化させている」と評価。 また、ロシア軍がウクライナの反撃を受けずにバフムートを占拠していたら、ロシア軍の作戦はさらに拡大していた可能性があるとして、「ウクライナにとってコストのかかることだが、戦略的には健全」、「将来のウクライナの反撃に有利な条件となる可能性が高い」とした。 (asahi = 2-15-23) 「攻勢」ロシア軍に大損害 = ウクライナ東部ウグレダル ロシア軍が既に「大規模攻勢」を仕掛けているとみられるウクライナ東部ドネツク州で、ロシア軍の損害が顕著となっている。 州北部の重要拠点バフムトと並んで州西部ウグレダル周辺が激戦地となり、ウクライナ軍当局 者は 13 日、「ロシア軍は過去 1 週間だけで戦車 36 両を含む装甲車両 130 両を失った。 戦車大隊 1 個分に等しい」と地元メディアに述べた。 英国防省によると、ロシア軍の 1 日当たりの戦死者数は、最も多かった昨年 2 月のウクライナ侵攻開始時の規模に近づいている。 ロシアの民間軍事会社「ワグネル」は最近、「受刑者の戦闘員の募集は完全停止した(創設者プリゴジン氏)」と説明しており、軍全体の兵員確保に苦慮すれば、プーチン政権が否定している動員「第 2 弾」が現実味を帯びる。 (jiji = 2-15-23) 「まるで射撃場の七面鳥」、ドネツク州の激戦地で大損害被るロシア軍 今後の攻勢に向け暗雲も ウクライナ・キーウ : 現場は大混乱に陥っている。 戦車は強引に向きを変えた後で爆発するか、一直線に地雷原へ突っ込んでいく。 兵士らは四方八方に走り回り、中には体に火がついた者もいる。 戦車にひかれた死体も見えている。 複数のロシアの軍事ブロガーがこの惨状を失敗、さらにはそれ上回る言葉で形容した。 これらの場面はウクライナ軍のドローン(無人機)が過去 2 週間、東部ドネツク州の町ブフレダール周辺を上空から撮影したものだ。 現地ではロシア軍による襲撃が立て続けに失敗している。 ブフレダールでのこのような失態は、ロシア軍の指揮系統や戦術が慢性的な機能不全に陥っていることを示唆する。 同軍は春季の攻勢に向けた準備を進めているが、ドネツク州からルハンスク州にかけて伸びる前線の他の場所でも同様の苦戦を強いられれば、より多くの領土の掌握を図るクレムリン(ロシア大統領府)の計画は失敗に終わる可能性がある。 CNN が現場を特定した約 20 の動画には、基本的な戦術上の大失策が映っている。 現場の地形は障害物のない平地で、高台にいるウクライナ軍の弾着観測者は砲撃についての指示を出すことができる。 地雷原の存在もロシア側の被害に拍車をかける。 ある動画では地雷原に進入した戦車が爆発。 その後、歩兵戦闘車とみられる車両も同じ運命をたどった。 別の動画にはウクライナ軍のドローンが小型の爆発物を複数の戦車に向けて落とす様子が映っている。 戦車は開けた場所で動かず、じっとしている。 現場は放棄された装甲車両の墓場と化している。 動画はウクライナ軍が公開し、CNN と軍事の専門家が分析した。 その内容によると、少なくとも二十数台のロシア軍の戦車及び歩兵戦闘車が数日のうちに無力化もしくは破壊された。 衛星画像からは、現場の樹木限界線に沿って集中攻撃が行われたことが分かる。 ロシア軍の戦車はこの地点で前進を試みていた。 ロシア国防省はブフレダールへの攻撃について、計画通り進んでいると主張。 プーチン大統領は 12 日のテレビ放送のために記録した演説の中で、攻撃を主に担う第 155 海軍歩兵旅団の働きを称賛した。 (CNN = 2-14-23) ロシア軍が「大攻勢」開始か 戦果急ぐ、ウクライナ正念場 ウクライナのゼレンスキー政権が、ロシア軍の大規模攻勢が既に始まりつつあるとの認識を示している。 ウクライナ東部ドネツク州の重要拠点バフムト周辺では、ロシア側の包囲が一段と進行。 西側諸国の主力戦車が今春、ウクライナ軍に配備されるまでが正念場とみられ、激しい攻防が続きそうだ。 ロシアが当初、「最低ライン」として目指したドネツク州の完全制圧は進んでいない。 今月 24 日の侵攻開始 1 年を控え、プーチン大統領は 21 日に年次教書演説を予定しており、戦果を急いでいるもようだ。 「ロシア軍は始めたと言わないだけで、既に大攻勢に出ている。」 ウクライナのダニロフ国家安全保障・国防会議書記は 11 日、地元テレビにこう述べた上で「われわれは撃退している」と説明。 朝鮮半島分断のようなシナリオを念頭に、プーチン政権で「二つ目のウクライナをつくる計画が進行中だ」と警戒を促した。 実際、戦闘は激しさを増している。 英国防省は 12 日、過去 2 週間のロシア軍の戦死者数が、昨年 2 月以来の多さになったと指摘。 1 日平均で昨年 6 - 7 月は約 170 人だったが、1 月は 701 人、今月は 824 人に増えたというウクライナ側のデータを紹介した。 原因としてロシア側の「訓練不足」などを挙げており、投入された予備役や元受刑者も死傷したとみられる。 独立系メディアによると、ロシア各地で招集された予備役らは最近、窮状を動画で告発。 後方支援という予想に反し、親ロシア派武装勢力の配下に置かれ、突撃を命じられたと訴えた。 こうした中、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のエブゲニー・プリゴジン氏は 12 日、バフムトの北約 6 キロの町クラスナヤゴラを「制圧した」と主張した。事実なら、ウクライナ軍は補給・退避ルートの一つを絶たれ、苦戦を強いられている可能性がある。米シンクタンクの戦争研究所も、クラスナヤゴラはロシア側の支配下にあると分析した。 (jiji = 2-14-23) モルドバで「破壊工作」計画 = ロシアのハイブリッド戦か - ウクライナが情報提供 旧ソ連構成国モルドバのサンドゥ大統領は 13 日、記者会見し、隣国ウクライナからロシアによる「モルドバ破壊工作」の情報提供があったと確認し、その詳細を公表した。 デモをたきつけて政権転覆を図るため「訓練を受けた軍人が民間人を装う」、「政府機関を襲って人質を取る」ことが計画されていると明かし、警戒を促した。 情報が信頼できるとすれば、破壊工作は軍事力と非軍事力を組み合わせたロシアの「ハイブリッド戦争」とみられ、プーチン政権による 2014 年のウクライナ南部クリミア半島「併合」作戦と酷似。 モルドバは親ロシア派とサンドゥ氏ら親欧米派の対立が続いてきた点もウクライナと重なり、同国に対する侵攻の延長線上に位置付けられている可能性がある。 サンドゥ氏が説明したところでは、破壊工作はロシア人やベラルーシ人、セルビア人らをモルドバに入国させ、実行させる計画。かつての内政の混乱を背景に、サンドゥ政権に反発する「一部の内部勢力」も利用する恐れがある。 プーチン政権の目的の一つは、モルドバが昨年 6 月に「候補国」となった欧州連合 (EU) の加盟プロセスを止めることだという。 (jiji = 2-14-23) ロシア軍が「少しずつ優勢に」 ウクライナ東部バフムート周辺で徐々に支配地域を拡大 「壁のそばから離れないで。 素早く動いて。 一列で。一度に数人ずつ。」 戦闘で荒廃したウクライナ東部バフムートの軍事拠点へ私たちを案内するウクライナ軍の護衛兵から、細切れの指示が飛んだ。 ここはかつて、スパークリングワインで有名な街だった。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの東部の街を「我々の要塞」と呼んでいる。 ロシア軍はこの 6 カ月、バフムートを占領しようとしてきた。 そしていま、侵攻開始から丸 1 年となる今月 24 日を前に、ロシア軍はバフムートを破壊すべく猛攻を強めていると、ウクライナ側はみている。 私たちはウクライナ兵の指示に従い、がれきが散乱する凍った通りを急ぎ足で進んだ。 頭上には澄んだ青空。 ロシア軍の無人ドローンにとって、理想的な天候だ。 私たちが道路を横断した直後、背後にロシア軍の砲弾が 2 発落ちてきた。 振り返ると黒煙が上がっていた。 私たちは進み続けた。 無差別なのか、それとも私たちを狙ったものかは分からない。 バフムートでは動くものすべてが標的だ。 兵士だろうが、民間人だろうが。 何時間たっても砲撃の音は止まない。 上空ではロシアの戦闘機が轟音を立てている。 私たちから最も近い場所にいるロシア軍との距離はわずか 2 キロだ。 市内の一部では市街戦も起きている。 気温が氷点下にまで落ち込み、弾薬が少なくなっている中、ウクライナ軍はこの街をまだ維持している。 「あらゆる種類の弾薬、特に砲弾が不足している」と、ウクライナ陸軍第 93 機械化旅団のミハイロ大尉は言う。 大尉のコールサインは、「多言語を話す者」などを意味する「Polyglot」だ。 「西側同盟国の暗号化された通信機器や、部隊移動用の装甲兵員輸送車も必要だ。 それでもこちらは何とかやっている。 限られた資源でいかに戦うか。 これがこの戦争で得た大きな教訓のひとつだ。」 弾薬をめぐる問題は、ウクライナ軍が 60 ミリ迫撃砲でロシア軍の陣地を狙う場面で明らかになった。 1 発目は大きな音を立てて飛び出したが、2 発目は発射されなかった。 煙がシューシューと音を立てながら立ち上った。 兵士が「不発だ」と叫び、迫撃砲部隊は避難場所に逃げ込んだ。 この弾薬は外国から送られてきた古いものなのだと、兵士は私たちに説明した。 バフムートの戦いは、大きい戦争の一部であると同時に、それ自体がひとつの戦争だ。 ロシアの侵攻開始以来、特に激しい戦闘の多くがここで起きている。 ロシア軍は 1 メートル、また 1 メートルと前進している。 1 人、また 1 人と犠牲者を出しながら。 ロシアの悪名高い民間雇い兵組織「ワグネル・グループ」の戦闘員が次々とこの戦地へ送り込まれている。ロシア人の遺体が散乱しているとの報告もある。 ロシア側は現在、バフムートに通じる主要道路を実質的に支配しており、残されている裏ルートは細い補給線のみだ。 「(ロシアは)昨年 7 月からこの街を奪おうとしている」と、第 93 機械化旅団の広報担当イリナ氏は言う。 「いま、少しずつ向こうが勝ちつつある。 向こうの方が資材が豊富なので、長期戦になれば向こうが勝つだろう。 いつまでかかるかは言えないが。」 「それまでに、向こうが資源を使い果たすかもしれない。 頼むからそうなってもらいたい。」 私たちは、敵に見つからないよう慎重に隠された発射拠点から、バンカーへと移動した。 ここでは発電機がうなり、ストーブが温かい。 兵士たちは居場所が察知されないよう、煙が外へもれないように気を配っている。 戦争という日常の一部だ。 ここで出会った兵士たちの間には、この先も戦い続けるという、静かな決意が漂っていた。 「(ロシアは)我々を街から撤退させるために包囲しようとしているが、うまくいっていない」と、迷彩服姿のイホル指揮官は話す。 「街は我々の支配下にある。 砲撃を受け続けても、輸送手段は機能している。 当然こちら側も損失を被っているが、何とか持ちこたえている。 勝利に向かって進み続けるという、その選択肢しかこちらにはない。」 しかし、選択肢はほかにもある。 手遅れになる前にバフムートから撤退することだ。 しかし、現場で街を防衛する兵は、この案を歓迎しない。 「本部からそうした命令があれば、仕方ない、命令は命令だ」と、ミハイロ大尉は言う。 「だが街から撤退する必要があるなら、何のためにこの数カ月持ちこたえたんだ? いや、撤退はしたくない。」 ミハイロ大尉は、バフムートのために命を落とした人々についても語った。 「ただウクライナを愛していた、勇敢で善良な男たちが大勢いた」と。 何より、バフムートを防衛してきた部隊が撤退した場合、ロシアにクラマトルスクやスロヴィヤンスクといったウクライナ東部の大都市への進攻の道を与えてしまう。 ロシアは、東部ドンバス地方や南部の前線地帯で攻撃の手を強めている。 ウクライナ当局は、すでにロシアの新攻勢が始まっていると指摘する。 ロシア政府は侵攻開始 1 周年となる 2 月 24 日に向けて、歩を進めている。 「ロシアは日付や、いわゆる『戦勝記念日』というものに強くこだわっているので」と、ミハイロ大尉は言った。 しかしバフムートをめぐる消耗戦はロシアを疲弊させるかもしれないと、ウクライナのヴィクトル司令官は話す。 長身で細身のヴィクトル司令官はバンカーで、ロシア製の弾倉を手に取った。
行くところに行けば、バフムートにもまだ人々の暮らしが残っている。 寄付された食料を通り過ぎ、「不屈センター」と呼ばれる避難所の扉をくぐると、強い熱と光に包まれる。 かつてボクシングクラブだった場所を生活支援センターに作り替えたもので、地元住民が携帯電話を充電したり、温かな食べ物や、他人との交流でひと息をつくために使われている。 私たちが訪れた時、「不屈センター」は混雑していた。 ストーブの周りには高齢の女性たちが集まり、若い男の子が 2 人、リングに座ってテレビ画面にくぎ付けになり、戦闘ゲームをしていた。 水も電気もないバフムートに、約 5,000 人が残っている。 多くが高齢で、貧しい境遇だ。 ウクライナ人の同僚が暗い表情で、「一部は親ロシア派で、ロシア人が来るのを待っている」とつぶやいた。 心理学者のテティアナさん (23) は、弟妹の面倒を見ながら、ここでは誰もが自分自身の闘いをしていると話した。 テティアナさん自身は、86 歳の祖母が移動できず、自分を頼りにしているため、バフムートに残っているという。 「多くの人が神に祈ることでどうにかやっている」とテティアナさんは話す。
外界では、この壊れた街をめぐる闘いが激化しており、爆撃の音がドラムのように鳴り響く中、私たちはバフムートをあとにした。 (オーラ・ゲリン、BBC = 2-13-23) ロシア軍 戦闘激化で "死傷者急増" か … 去年 6 - 7 月比 "4 倍以上" 英国防省が分析 イギリス国防省は 12 日、ロシア軍の直近の一日当たりの死傷者が平均で 824 人に上っているという分析を発表しました。 これは、去年 2 月の侵攻開始直後以来の多さで、去年の 6 月から 7 月のころと比べると、4 倍以上の人数だということです。 死傷者が急増している背景についてイギリス国防省は、訓練を受けた兵士が不足していることや、前線で兵器が足りなくなっているためだと分析しています。 (テレ朝 = 2-13-23) 大規模攻撃に「ロシアは戦力不足」 ウクライナ情報当局 【キーウ】 ウクライナ国防省情報総局のチェルニャク報道官は 11 日までに、侵攻 1 年となる 24 日に向けてロシアが大規模攻撃に出るとの観測について「ロシアには大規模攻撃を仕掛けるだけの十分な戦力が不足している」と述べ、否定的な見方を示した。 地元メディアに対して語った。 チェルニャク氏は、ロシアが既に精密誘導ミサイルの8割を使っており、追加生産もうまくいっていないと指摘。東部で作戦を続けているものの、ベラルーシを攻撃拠点として首都キーウ(キエフ)制圧を再び狙う可能性は「今後数週間はないだろう」と述べた。 (kyodo = 2-12-23) ウクライナ空軍、ドローン撃墜を発表 ウクライナ空軍は 11 日、ロシア軍による 10 日夜の攻撃で使用された計 20 機のイラン製ドローン「シャヘド 136」、「シャヘド 131」を撃墜したと SNS で明らかにした。 同空軍によると、ドローンはアゾフ海方面から来て、ウクライナの複数の地域でインフラ施設を攻撃。 同空軍が 10 日午後 6 時から同 11 時 55 分にかけて撃墜にあたったという。 (asahi = 2-11-23) ウクライナ中部のインフラ施設 3 カ所にドローン攻撃 ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州の当局者は 11 日、ロシア軍が 10 日夜から 11 日未明にかけてイラン製ドローンで同州内のインフラ施設 3 カ所を攻撃してきたと SNS で発表した。 攻撃を受けた施設はいずれも大きな損害を受け、火災が発生したが、すでに消火しており、死傷者はいないという。 (asahi = 2-11-23) ロシア、主力戦車の半数喪失か 米高官 米国のセレステ・ウォランダー国防次官補(国際安全保障問題担当)は 10 日、ロシアの主力戦車の半数がウクライナ軍に撃破または鹵獲された可能性が高いとの見方を示した。 ウォランダー氏は、米シンクタンク「新米国安全保障センター」のバーチャルイベントで発言した。 ロシアが 2022 年 2 月にウクライナ侵攻を開始してからの具体的な戦車の喪失数には言及しなかった。 一方、ウクライナには、支援国から西側製主力戦車が続々と届くことになっている。 (AFP/時事 = 2-11-23) ロシアのミサイルが領空侵犯、モルドバが避難 モルドバ国防省は 10 日、ロシア軍のミサイルが同国の領空を侵犯したことを確認したとして、「強く非難する」と発言した。 ロイター通信によると、モルドバ外務省はロシア大使を呼び出し、「昨今のモルドバに対する非友好的な態度や行為は我々にとって明らかに受け入れ難く、拒絶する。 多数の人的・物的被害をもたらす隣国への軍事攻撃をやめるよう求める」と抗議したという。 ルーマニア国防省も同日、ロシア軍のミサイルがモルドバの領空を侵犯したことを確認したと発表した。 同省によると、ミサイルはロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島近くの黒海を航行する艦艇から発射されたという。 ウクライナ軍は、ロシアのミサイルがルーマニアの領空を通過したと発表したが、ルーマニア側はミサイルが自国の領空には入っていないとの見方を示した。 (asahi = 2-10-23) ロシアのミサイルがルーマニアの領空通過か ウクライナ軍トップのザルジニー総司令官は 10 日、ロシアの巡航ミサイル 2 発がウクライナと隣接するモルドバの国境を越え、ルーマニアの領空を通過したと SNS に投稿した。 ザルジニー総司令官によるとミサイルは同日朝に発射されたもので、午前 10 時 18 分にモルドバの国境を越え、同 33 分にルーマニアの領空を通過したという。 ミサイルはその後、3 国の国境が交差する地点を越えて、ウクライナの領空に入った。 ルーマニアは北大西洋条約機構 (NATO) に加盟している。 (asahi = 2-10-23) ザポリージャにミサイル攻撃、1 時間で 17 発着弾か ウクライナ中南部ザポリージャの市当局によると、同市内の電力関係施設などに 10 日早朝、ロシア軍のミサイル攻撃があった。 1 時間の間に 17 発が着弾し、「ミサイルの数では侵攻開始以来、最大の攻撃」になったという。 同市内で、緊急停電が広がった。 死傷者などの情報は伝えられていない。 ウクライナ空軍は、ロシア軍の巡航ミサイル「カリブル」 5 発と自爆型攻撃ドローン(無人航空機)を撃墜したとしている。 ニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」によると、ロシア軍はこの日、黒海の艦船から「カリブル」を発射、アゾフ海の東岸からドローンを発進させたという。 また、ウクライナ国境に近いロシア西部の都市や、部分的に占領したザポリージャ州南部からウクライナ側支配地に向け、地対空ミサイル「S300」を発射。 巡航ミサイルの発射には戦略爆撃機「Tu95」も使われたという。 ウクライナ国内のほぼ全土に空襲警報が発令された。 (asahi = 2-10-23) オランダ国防相、戦闘機供与は「議論の必要ある」 オランダのオロングレン国防相は 9 日、ウクライナから F16 戦闘機の供与を求められたと明かし、「米国などと議論する必要がある。 結果を真剣に考えなければならない。」と述べた。 オランダ放送協会 (NOS) が伝えた。 NOS によるとオロングレン国防相は、ウクライナが F16 戦闘機を保持する可能性は排除されていないとしつつ、供与については「一夜で起こることではない」と話した。 提供には米国政府の許可だけでなく、パイロットの訓練も必要になることから、容易ではないと考えているという。 ウクライナのメディア「キーウ・インディペンデント」によると、オランダ政府はこれまで、要請があれば F16 戦闘機の提供を検討すると話していた。 (asahi = 2-10-23) EU 首脳会議にゼレンスキー氏出席 戦闘機提供と EU 早期加盟が焦点 ウクライナのゼレンスキー大統領は 9 日、ブリュッセルで開かれた欧州連合 (EU) 首脳会議に出席した。 ロシア軍の侵攻と戦うための兵器供与やウクライナの EU 加盟に向けた手続きを加速するように加盟国の首脳らに直接、訴えるのが狙いだ。 西側諸国で慎重論が根強い戦闘機の提供に向けた議論も焦点になる。 ゼレンスキー氏は 9 日午前、英国に続いて事前の予告なしに訪れたパリから、マクロン仏大統領とともに大統領専用機でブリュッセルに向かった。 首脳会議前の欧州議会での演説では「ウクライナが倒れれば、欧州の暮らしも消える」と支援の継続を呼びかけた。 これに先立つ 8 日には日中にロンドンでスナク英首相、夜にパリでマクロン氏とショルツ独首相と相次いで会談。 「我々が長距離砲や戦闘機を早く手に入れれば、それだけ早くロシアの侵略も終わる」として、3 カ国の各首脳に戦闘機や長距離ミサイルの提供を求めた。 ゼレンスキー氏と EU は今月 3 日にもキーウで首脳会議を開いた。 EU が間を置かずに同氏をブリュッセルに招待した背景には、ウクライナとの結束を強調する狙いがあるとみられる。 一方、ウクライナ側は侵攻開始から 1 年を前にしたロシアの大規模攻勢を警戒し、EU 加盟国からの兵器供与の加速を訴えている。 ドイツは主力戦車「レオパルト 2」の最初の引き渡しを 3 月から 4 月にも行う見通しだが、ウクライナ側はさらに、戦闘機と長距離ミサイルを求めている。 ただ、パイロットの訓練に時間がかかることなどから、西側諸国は戦闘機の提供に慎重だ。 マクロン氏は戦闘機提供の可能性について「排除されない」とする一方、9 日の首脳会議前の取材では「短期的な必要性に集中するべきだ」と述べるにとどめた。 ゼレンスキー氏は、ウクライナが目指す EU への早期加盟についても今年中の交渉開始を求めており、ブリュッセルでの首脳会議で加盟国の首脳に直接訴えかけるとみられる。 (パリ = 宋光祐、asahi = 2-9-23) へルソン州で 3 人死亡、前日に 39 回の砲撃 ウクライナ南部ヘルソン州は 9 日、SNS のアカウントで、前日の 8 日にロシア軍から計 39 回の砲撃を受け、3 人が死亡、4 人が負傷したと投稿した。 民間エリアが多連装ロケット砲や迫撃砲によって攻撃された。 負傷者には 15 歳の少年もいたという。 (asahi = 2-9-23) 北部チェルニヒウ州でロシア軍が空爆、住民 2 人死亡 ロシアと国境を接するウクライナ北部チェルニヒウ州で 8 日、ロシア軍による空爆があり、住民 2 人が死亡したとウクライナ軍当局者が SNS で明らかにした。 インタファクス・ウクライナ通信が報じた。 当局者によると、ロシア軍機 2 機が同日午後 4 時ごろ、ロシア国境に近い都市の工業用建物を空爆したという。 ほかに 2 人が重傷を負って入院しているという。 同州当局者によると、ロシアとの国境付近では砲撃が絶えず、この 1 週間で 200 回以上の爆発があったという。 (asahi = 2-9-23) 北東部ハルキウ州でロシア軍が相次いで砲撃 ウクライナ北東部ハルキウ州のシネフボウ知事は 8 日、州都ハルキウ東郊の村がロシア軍の砲撃を受け、住民 2 人が死亡したと SNS への投稿で明らかにした。 インタファクス・ウクライナ通信が報じた。 シネフボウ氏によると、亡くなったのは 48 歳の男性と 45 歳の女性という。 同州の別の都市でも同日、ロシア軍の砲撃で 7 階建ての集合住宅と 2 階建ての民家がそれぞれ破壊され、少なくとも市民 5 人が負傷した。 「現在、レスキュー隊が救助作業に当たっている」とシネフボウ氏が SNS で伝えた。 (asahi = 2-9-23) ゼレンスキー大統領「ウクライナに戦闘機を、自由のための翼を」 … イギリスを訪問し演説 【ロンドン = 池田慶太】 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 8 日、英国のスナク首相と会談するため首都ロンドンを訪問した。 英政府は会談に先立ち、ウクライナが北大西洋条約機構 (NATO) 基準の戦闘機を将来運用できるように、ウクライナ空軍に対して戦闘機の操縦訓練を実施すると発表した。 昨年 2 月のロシアによるウクライナ侵略開始後、ゼレンスキー氏の外国訪問は米国やポーランドを訪れた昨年 12 月以来となる。 ゼレンスキー氏は英空軍機でロンドンの空港に到着し、スナク氏が出迎えた。 ゼレンスキー氏は国会議事堂内のホールで上下両院議員らを前に演説し、「ウクライナに戦闘機を。 自由のための翼を。」と訴え、米欧各国に戦闘機の支援を呼びかけた。 また、強力な対露制裁を継続するよう求めた。 ゼレンスキー氏はその後、バッキンガム宮殿でチャールズ国王と面会した。 ウクライナが求める F16 戦闘機など西側戦闘機の供与を巡っては、米独などが慎重な構えを見せている。 英政府内でも慎重意見はあるが、ウクライナの要請を踏まえ、訓練のみを先行実施する方針を決めた。 戦闘機訓練の実施について、スナク氏は声明で「今後数年にわたりウクライナに寄り添う英国の長期的な誓約を強調するものだ」と述べた。 ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は 8 日にパリに移動し、マクロン仏大統領と面会するという。 (yomiuri = 2-8-23) |
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