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「ルハンスク州、完全占領されていない」知事投稿 ロシア軍が制圧を宣言したウクライナ東部ルハンスク州をめぐり、ハイダイ知事は 10 日、まだ州内が完全に占領されたわけではないとの考えを SNS への投稿で示した。 一部の地域で戦闘が続いているという。 ロシア軍は 3 日に州全域の掌握を発表し、ウクライナ軍も翌 4 日、最後の拠点都市とされていたリシチャンスクからの撤退を発表していた。 だが、ハイダイ氏によると、リシチャンスクから西約 15 キロの町ビロホリウカでは戦闘が続いている。 ロシア軍が複数回にわたって侵入したものの、ウクライナ軍がその都度、撃退しているという。 また、ハイダイ氏によると、ロシア軍は 3 月の始めにルハンスク州の大半を制圧したものの、この間にウクライナ軍は州内の防衛線を強化していた。 この防衛線があるおかげで、3 月以降はロシア軍が思うように前進できていない。 現在のロシア軍はリシチャンスクから西側の都市への攻勢を試みているが、ウクライナ軍にすべて阻まれている状態だという。 (asahi = 7-10-22) 「住民 34 人ががれきの下に …」 知事が SNS に投稿 ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は 10 日、「ドネツク州北部の町で、5 階建ての集合住宅がロシア軍の砲撃を受け、住民 34 人ががれきの下に生き埋めになった」と SNS に投稿した。 キリレンコ氏によると、11人が助け出されたが 6 人が死亡、5 人がけがをしているという。 生き埋めになった住民の中には、9 歳の子どももいるという。 (asahi = 7-10-22)ロシア、ウクライナ北東部でも併合を画策か 米シンクタンクが分析 ロシアはウクライナの南部などにとどまらず、北東部でも併合を画策している可能性が高い - -。 米シンクタンクの戦争研究所 (ISW) は 9 日に発表したウクライナ情勢の分析で、こんな見方を示した。 ISW が引用したロシア政府系ニュースサイトによると、ハルキウ州のロシア側占領当局が州の新たな「紋章」を取り決めた際、この当局の幹部が「ハルキウ州はロシアの領土に不可欠な一部分」と発言した。 紋章に帝政ロシアの国章「双頭のワシ」が描かれていることからも、ISW は「ロシアの指導部がハルキウ州の一部か全部を併合しようとしている可能性が高い」と見立てている。 州都ハルキウは 19 世紀にロシア帝国の都市として栄え、旧ソ連を構成した当時のウクライナ共和国でも、一時首都だった歴史を持つ。 (asahi = 7-10-22) ウクライナ軍、南部で本格反攻準備 住民に避難要請 ロシアの侵攻を受けるウクライナのベレシチュク副首相は 8 日、近くウクライナ軍が本格的な反攻作戦を開始するとして、南部ヘルソン州とザポロジエ州内の露占領地域の住民に即時の避難を呼びかけた。 火砲の使用が予定されており、巻き添えとなるのを避けるためだとした。 ウクライナメディアが伝えた。 ウクライナ国軍のマロムシュ大将も 8 日、同国メディアで、米欧から供与された兵器の習熟が完了しつつあると指摘。 「今後 3 - 4 週間で大規模な奪還作戦が始まり、南部から露軍を駆逐できるだろう」との見通しを示した。 米シンクタンク「戦争研究所」も 6 日、「ウクライナ軍がヘルソン方面で反攻を準備している」とする分析を公表している。 ただ、露軍も南部の占領地域で防衛線を構築。 ウクライナ軍が反攻を本格化させた場合、激しい戦闘が起きる見通しだ。 一方、ロシアが全域の制圧を目指す東部ドンバス地域(ルガンスク、ドネツク両州)のうち、ウクライナ側がなお 4 割超を保持するドネツク州では 8 日も攻防が続いた。 ウクライナ軍参謀本部は同日、同州の中心都市スラビャンスク方面に前進を図った露軍を撃退したと発表。 露軍が同州の複数の集落に砲撃を続けているとも発表した。 ロシアはドンバス全域を制圧後、ドンバスと南部の占領地域を「割譲」する条件でウクライナに停戦をのませる思惑だとみられる。 一方、ウクライナはドネツク州を死守する間に、南部の奪還を進める方針だ。 米 CNN テレビによると、米国は 8 日、ウクライナに対し、新たに高機動ロケット砲システム「ハイマース」 4 基と弾薬、155 ミリ榴弾砲用の高精度な新型弾薬 1 千発など、4 億ドル(約 540 億円)相当の追加支援を行うと発表した。 (sankei = 7-9-22) 米、高機動ロケット砲を追加支援 新型砲弾も ウクライナへ 【ワシントン】 米国防総省は 8 日、ウクライナに対し 4 億ドル(約 544 億円)相当の武器の追加支援を行うと発表した。 高機動ロケット砲システム (HIMARS) 4 基と新型の 155 ミリ口径の砲弾などが含まれる。 ウクライナ東部に展開するロシア軍の補給線寸断を狙う。 国防総省高官は、新型砲弾について「非常に精密だ」と説明。 ウクライナ側は既に実戦投入した HIMARS でロシア軍に「効果的な反撃をしている」と述べた。 ウクライナ側への HIMARS 供与は今回と合わせて計 12 基となる。 (jiji = 7-9-22) ウクライナ奪還のズミイヌイ島にミサイル攻撃 ウクライナ南部オデーサ州のブラチュク報道官は 7 日、ロシア軍が同日未明、オデーサ州と同州沖合の黒海にあるズミイヌイ島にミサイル攻撃を加えたと SNS に投稿した。 ブラチュク氏によると、ロシア軍はオデーサ州内を 2 発のミサイルで攻撃した。 農業用貯蔵庫 2 棟が損壊したという。 また、ズミイヌイ島にかかる桟橋もミサイルで破壊されたという。 ズミイヌイ島はロシア軍が侵攻当初から占拠していたが、ウクライナ軍が 6 月 30 日、奪還したと発表していた。 (asahi = 7-7-22) ◇ ◇ ◇ ロシア、黒海要衝の島を空爆 = 撤退後に白リン弾 - ウクライナ ウクライナ軍のザルジヌイ総司令官は 1 日、南部オデッサ州沖合の黒海に浮かぶ要衝ズメイヌイ(蛇)島を、ロシア軍のスホイ 30 戦闘機が同日、白リン弾で攻撃したと明らかにした。 空爆の映像をフェイスブックで公表した。 ロシア軍は、侵攻直後からズメイヌイ島を占領していたが、ウクライナ側との激戦の末、6 月 30 日に撤退した。 ロシア側は、この撤退を「善意の印」と主張していた。 ザルジヌイ氏は 1 日の空爆について、この説明と矛盾する行為だとロシア側を非難した。 (jiji = 7-4-22) ◇ ◇ ◇ 黒海要衝の島、ロシアから奪還 ウクライナ成果も「戦争長期化」分析 【ロンドン】 ウクライナ軍は 30 日、黒海に浮かぶ要衝ズメイヌイ(蛇)島をロシア軍から奪還したと発表した。 ロシア国防省も声明で、守備隊の撤退を確認。 「穀物輸出の人道回廊をつくる国連の努力を妨害しないことを国際社会に示した」と述べ、善意の対応であると主張した。 同島では、ロシア軍が 2 月下旬の侵攻開始直後、ウクライナ軍の守備隊が「降伏要求」を拒否。 結果的に制圧されたものの、ウクライナ側は抵抗の象徴と見なした。 欧米が供与した対艦ミサイル「ハープーン」で攻撃するなど、奪還を試みていた。 ゼレンスキー政権は成果を得た形だ。 ロシア軍は 4 月に黒海艦隊の旗艦「モスクワ」もミサイル攻撃で失っており、黒海での劣勢は南部の戦況に影響しそうだ。 南部へルソン州ではウクライナ軍が反撃を強め、一部領土を奪還したとも伝えられる。 一方、ヘインズ米国家情報長官は 29 日、商務省の会合でウクライナ情勢報告を行い、ロシアのプーチン大統領がウクライナの大部分を占領することを依然目指しているとの見方を示した。 ただ、戦闘による損失で弱体化したロシア軍の動きは緩慢で、近い将来の目標達成は困難だとし「戦争は長期間にわたり続く」と分析した。 ロイター通信などが報じた。 (jiji = 6-30-22) ロシア軍がドネツク州で大規模砲撃、2 人死亡 受刑者や旧式兵器投入か - 編入へ 8 月住民投票も ロシア軍は 5 日、完全支配を目指すウクライナ東部ドンバス地方のうちルガンスク州を掌握したことを受け、残るドネツク州で侵攻を続けた。 事実上の州都クラマトルスクに近いスラビャンスクで大規模な砲撃があり、2 人が死亡したと、地元高官らが明らかにした。 ただ、短期での制圧は難しい情勢で、各地をミサイルで攻撃し、ウクライナ側の戦意喪失を狙っているもようだ。 5 日のロシア紙コメルサント(電子版)によると、プーチン政権はドンバス地方の占領を待って、8 月にも親ロシア派武装勢力にロシアへの編入に向けた住民投票を実施させたい考えという。 プーチン大統領は 4 日、ルガンスク州で戦果を挙げた将官 2 人に「ロシア連邦英雄」の称号を授与。 部隊が「休暇を取って英気を養う」ことを提案した。 別の部隊には任務続行を命じた。 ウクライナ軍はルガンスク州で、人的被害を最小限に抑え「戦術的撤退」を行ったと主張している。 ロシア軍も一定の損害を被っており、兵員や兵器の補充が課題となっているとみられる。 独立系メディアは 4 日、ロシア第 2 の都市サンクトペテルブルクの刑務所で、民間軍事会社「ワグネル」が戦闘員を集めていると報じた。 受刑者の親族は、戦闘員になれば「恩赦と生還時の 20 万ルーブル(約 49 万円)支給」が約束されていると話したという。 ウクライナ国防省が地元メディアに明らかにしたところでは、ロシア軍が極東サハリンなどから旧式兵器の搬入を試みているとの情報もある。 ウクライナ軍の 4 日の発表によれば、ドンバス地方に近い北東部ハリコフ州でも両軍が衝突。 南東部ザポロジエ州では、米国が供与した高機動ロケット砲システム (HIMARS) が既に実戦投入されている。 一方、米 CNN テレビが伝えたところによると、6 月末にロシア軍が撤退した黒海に浮かぶ要衝ズメイヌイ島に、ウクライナ国旗が運び込まれた。 「部隊の上陸を待って掲揚される見通し」というが、今月 1 日にロシア軍のスホイ 30 戦闘機が白リン弾で空爆を加えており、今後も標的となる可能性がある。 ロシア軍が占領する南部ヘルソン州では 4 日、親ロシア派が州政府を発足させたと発表し、トップにロシアの飛び地カリーニングラード州高官を務めた連邦保安局 (FSB) 出身者が就任した。 ロシアへの編入をめぐる住民投票を後押しする狙いがありそうだ。 (jiji = 7-6-22) 100 兆円の復興計画 各国が貢献の意思示す ウクライナ復興会議 ロシアの軍事侵攻で大きな被害を受けているウクライナの復興について話し合う国際会議が 4 - 5 日、スイス南部ルガーノで開かれた。 7,500 億ドル(約 101 兆円)の復興資金が必要とのウクライナの計画に対し、各国が貢献する意思を示した。 会議はスイスとウクライナ両政府が共催し、日米欧など約 40 カ国のほか、欧州連合 (EU) など国際機関の代表が参加した。 会議では「ルガーノ宣言」を採択。 インフラの復興にとどまらず、ウクライナの社会、経済全体の改革につなげるための原則を示した。 復興資金の使途に透明性をもたせて汚職対策に取り組むほか、企業や市民社会など多様な関係者が参加し、環境への配慮など持続可能性も追求する。 (asahi = 7-5-22) ハルキウ、ミコライウなどでもミサイル攻撃 ウクライナでは 5 日、北東部でロシアと国境を接するハルキウやスーミ近郊、黒海に近い南部ミコライウなどでもロシア軍によるミサイル攻撃が相次いだ。 各地の行政当局者らが SNS に投稿した。 ハルキウでは午前 2 時ごろ、ミサイルが市内の学校施設を直撃したという。 けが人などはなかった。 スーミ州では午前 4 時ごろ、州都スーミ北西のショストカ地区に 2 発のミサイルが着弾、火災が起きた。 ミコライウでも朝、ミサイル攻撃があり、救助隊や医療関係者が出動したが、詳細は伝わっていない。 同市では昼前にも空襲警報が発令された。 (asahi = 7-5-22) ウクライナ軍、リシチャンスクから撤退か 米シンクタンク「戦争研究所」は 2 日、ウクライナ東部ルハンスク州でウクライナ側の最後の拠点となっているリシチャンスクを、ロシア側が掌握したとの分析を発表した。 さらに「ロシア側がルハンスク州全土を今後数日のうちに支配下に置くだろう」との見方を示した。 同研究所は、リシチャンスクの市内のウクライナ軍について、2 日時点で「ほんの少しか、まったく残っていないとみられる。 この結果、ロシア軍が街を掌握した。」と指摘した。 (asahi = 7-3-22) ロシア軍、非人道的兵器のクラスター爆弾使用の疑い 市長が SNS に ロシアが制圧を目指すウクライナ東部のドンバス地方では、2 日も激しい戦闘が続いた。 ドネツク州スラビャンスクでは、ロシア軍の攻撃で 4 人が死亡。 クラスター爆弾の使用が疑われている。 スラビャンスクのリャフ市長は 2 日、前夜のロシア軍の攻撃で 4 人が死亡、7 人が負傷したと SNS に投稿。 非人道的な兵器とされるクラスター爆弾で街が攻撃されているとも記した。 米シンクタンク戦争研究所 (ISW) は、ルハンスク州のリシチャンスクでは、ロシア軍が南と南西に攻撃を仕掛けてリシチャンスクを取り囲み、ウクライナ軍の兵站ルートを切断しようとしていると分析。 オデーサ州やミコライウ州などではロシア軍がミサイル攻撃を続けているとした。 ISW はさらに、ロシア政府が軍の供給問題に関する連邦法の改正を提案したことを取り上げた。 法改正によってロシア企業は「特別軍事作戦」に関する国の命令を拒否できなくなるなどとし、「経済分野における特別措置」が導入されたと指摘している。 一方、ドネツク州の親ロシア派勢力が自称する「ドネツク人民共和国」の捜査当局は、英国籍の 2 人をウクライナ軍の防衛に参加したとして「雇い兵になった罪」で起訴した。 ロシア国営タス通信などが報じた。 6 月には英国籍とモロッコ籍の 3 人が「雇い兵になった罪」などで起訴され、「最高裁判所」で死刑判決を受けた。 (リビウ = 丹内敦子、asahi = 7-2-22) オデーサの民間施設ミサイル攻撃、死者計 20 人に 1 日未明にミサイル攻撃を受けたウクライナ南部オデーサの集合住宅と保養施設をめぐり、ウクライナの国営通信社は同日、集合住宅で 16 人、保養施設では子ども 1 人を含む 4 人の計 20 人が犠牲となったと報じた。 負傷した 38 人は現在、病院に搬送され、治療を受けているという。 (asahi = 7-1-22) ロシア軍が「空洞化」と英国防省 退役者で将校補充か - ウクライナ、戦いつつ撤退も 英国防省は 28 日、ロシア軍がウクライナ侵攻作戦で急速に戦力を消耗していると分析し、軍の「空洞化」が進んでいるとの見方を示した。 ロシア軍は死傷するなどして戦線を離脱した幹部の不足を補うため、退役将校や予備役を登用。 東部ドンバス地方などでは戦闘能力が低下したまま消耗戦を展開しているが、「長期的には持続不可能」とみられている。 ウクライナ軍によると、ロシア軍は 24 - 28 日に巡航ミサイル 130 発以上を発射した。 27 日には中部クレメンチュクの商業施設に旧ソ連製の長距離対艦ミサイルが着弾し、市民約 20 人が死亡。 報道によれば、29 日にも南部ミコライウで集合住宅が攻撃され、少なくとも 3 人が死亡した。 東部の要衝セベロドネツクを制圧したロシア軍は、隣接するリシチャンスクの攻撃に移行している。 米シンクタンク「戦争研究所」は報告書で、ウクライナ軍が「戦いながらの撤退」を行っている可能性が高いと分析。 近くリシチャンスクを放棄し、西方のセベルスクやスラビャンスク、クラマトルスクを拠点として態勢を立て直すことも視野に入れていると指摘した。 同研究所は、ロシアが国民総動員をかけずに消耗した戦力を補充する方策を模索しているとも分析した。 米国防総省高官の話として、特に深刻化している将校の不足を補うため、退役者や予備役に依存しつつあるとの見方を示した。 一方、タス通信は 29 日、ロシア占領下にあるウクライナ南部ヘルソン州当局がロシアとの併合の是非を問う住民投票実施に向け、準備を始めたと報じた。 ロシア当局は 28 日、協力を拒んだとして、州都ヘルソンのコリハエフ市長を拘束した。 (jiji = 6-30-22) スウェーデンとフィンランドが NATO 加盟へ、トルコ同意との情報 北大西洋条約機構 (NATO) のストルテンベルグ事務総長は 28 日、スウェーデンとフィンランドの NATO への加盟が認められる見通しとなったと発表した。 両国の加盟に難色を示していたトルコのエルドアン大統領が同日、スウェーデンのアンデション首相とフィンランドのニーニスト大統領とマドリードで会談した。 同席したストルテンベルグ氏は会談後の記者会見で、トルコが懸念を示していた両国のテロ対策について、進展がみられたと明らかにした。 同氏によると、両国が課していたトルコに対する武器輸出の制限や、トルコが「テロ組織」とみなす「クルディスタン労働者党 (PKK)」の扱いなどについて、両国がトルコの懸念を踏まえた対応をとることを記した覚書が交わされたという。 軍事的中立を保ってきた両国は、ロシアによるウクライナ侵攻で国民の懸念が高まり、5 月に NATO への加盟を申請。 加盟には、全 30 加盟国の同意が必要で、トルコだけが難色を示していた。 ストルテンベルグ氏は、覚書によって「加盟への道が開けた」と語った。 (asahi = 6-29-22) ロシア、編入問う住民投票を準備か ウクライナ南部ヘルソン州 ウクライナ南部ヘルソン州の親ロシア派幹部は 29 日、ロシア国営タス通信に「ヘルソン州はロシア連邦に入り、その構成体となる決断を行う」と述べ、ロシアへの編入を問う住民投票の準備に入ったことを明らかにした。 投票実施の前提となる居住者調査を始めたという。 2014 年にロシアが併合したクリミア半島に接するヘルソン州はロシア軍が 3 月に大半を支配下に置いた。 ロシアは占領したウクライナ南部でロシア語教育や通貨ルーブルの流通など地域の「ロシア化」を進める方針。 親ロシア派幹部はロシアの大手銀行の支店開設を準備していることも明かした。 (asahi = 6-29-22) ドイツとオランダ、自走砲を追加提供 ドイツの国際公共放送「ドイチェ・ウェレ (DW)」によると、ドイツとオランダは 28 日、ウクライナに対し、ドイツ製自走砲「PzH2000」をさらに計 6 両提供することを明らかにした。 北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議が始まったマドリードで両国の国防相が発表した。 両国はすでに同じ自走砲をドイツが 7 両、オランダが 5 両、それぞれ提供している。 ウクライナのレズニコウ国防相が 21 日、ドイツから自走砲を受け取ったことを明らかにし、近く戦線に投入するとしていた。 DW によると、追加提供を発表したドイツのランブレヒト国防相は提供可能な「PzH2000」をすべて提供することになったとし、「我々はやるべきことを最大限にやった。 ウクライナ支援は必要だ。」と語った。 (asahi = 6-29-22) ブルガリア、ロシア外交官 70 人を国外追放に 東欧のブルガリア政府は 28 日、同国に駐在するロシア人外交官 70 人を国外追放にすると発表した。 ペトコフ首相は、追放の対象者が「ブルガリアの国益を損ねる仕事をしている」と理由を述べた。 ブルガリアメディアが伝えた。 対象となったロシア外交官は 7 月 3 日午前 0 時までに出国しなければならないという。 ブルガリア外務省によると、ブルガリアに駐在するロシア人外交官の数は今後、在ロシアのブルガリア人外交官の数と同じ 23 人に制限される。 ブルガリアの現政権はロシアのウクライナ侵攻を非難している。 ロシアからの天然ガス代金の支払いをロシア通貨のルーブル建てにするよう要求されたが、これを拒否。 ロシア側からガス供給を止められた。 (asahi = 6-29-22) ショッピングモールにミサイル、死者 16 人 … ゼレンスキー氏「ロシアは世界最大のテロ組織」 【キーウ(キエフ) = 深沢亮爾】 ウクライナ中部ポルタワ州の都市クレメンチュクのショッピングモールで 27 日、ミサイル攻撃があり、非常事態庁は、死者が 16 人、負傷者が 59 人に上っていると明らかにした。 ウクライナ側はロシア軍による意図的な攻撃だとして強く非難している。 東部のハルキウ州などでも住民の犠牲を伴う民間施設への攻撃が相次いだ。 ショッピングモールでは攻撃があった 27 日午後から深夜まで、救助活動が続いた。 火災は 1 万平方メートル以上に及び、建物全体が崩れかけているという。 モールには当時、1,000 人以上がいたとされ、死傷者数はさらに増える可能性がある。 ウクライナ空軍は、高精度攻撃が可能なロシアの超音速爆撃機「Tu22M3」による攻撃との見方を示している。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 27 日夜、ビデオ演説で、誤爆ではなく意図的に民間施設を狙ったとの見解を示した上で「ロシアは世界最大のテロリスト組織となった」と非難した。 一方、ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連第 1 次席大使は 27 日、ツイッターへの投稿で、ウクライナ側の主張に「すでに著しい矛盾点がある」として、露軍の関与を否定した。 ロシア側が「でっち上げだ」とする首都キーウ近郊ブチャでの民間人虐殺にも言及し、ウクライナによる「新たな挑発行為だ」と主張した。 27 日には、ハルキウ州ハルキウとルハンスク州の拠点都市リシチャンスクでも民間施設が攻撃され、知事らが SNS で明らかにしたところによると、死傷者はそれぞれ、少なくとも 22 人と 29 人に上っている。 (yomiuri = 6-28-22) ウクライナ軍、敗北も「目標達成」 ロシア部隊消耗、次はドネツク州 ロシア軍の激しい攻撃にさらされたウクライナ東部の要衝セベロドネツクが 25 日、陥落し、ウクライナ軍はルガンスク州の支配権を喪失しつつある。 5 月にアゾフスタリ製鉄所から精鋭部隊が投降して幕を閉じた南東部マリウポリ包囲戦に続く敗北。 一方で「ロシア部隊を消耗させる主目標を達した(米シンクタンクの戦争研究所)」とも評価されている。 ロシア軍は 5 月にセベロドネツクへの攻撃を本格化させたものの、一進一退の戦闘は長期間に及んだ。 今後、東部ドンバス地方を構成するドネツク州の制圧も目指すとみられるが、泥沼の地上戦で民間人の犠牲者や双方の戦死傷者がさらに増える恐れがある。 プーチン大統領は 2 月下旬、侵攻に先立ち、ドンバス地方を一部占拠してきた二つの親ロシア派を「独立国家」として承認。 その領土は 2 州全域に及ぶと強弁し、支配の拡大に向けて作戦を命令した。 ロシア軍はキーウ(キエフ)州を含む北部から撤退後、東部に戦力を振り向けた。 セベロドネツクはルガンスク州の事実上の州都として、ドネツ川対岸のリシチャンスクと共にウクライナ軍が死守していた。 今回の動きは、有利な陣地に移り、新しい重火器を手にするための「戦術的撤退(米国防総省当局者)」とみられている。 ロシア軍による制圧は「戦争の転換点にはならない(戦争研究所)」とも言われる。 ロシア側は、欧米の軍事支援が効果を出す前に、ドネツク州の事実上の州都クラマトルスクまで戦線を伸ばしたい考え。 頓挫している停戦交渉の再開の可能性をにらみつつ、ドンバス地方をめぐる戦闘は「時間との闘い」にもなっている。 プーチン氏は 5 月 9 日の戦勝記念日の演説で、ドンバス地方を「歴史的な土地」と表現した。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、2 月下旬の侵攻開始前の状態までロシア軍を押し戻すことができれば「勝利と見なす」と強調しているが、支配地域や人命が奪われているのが実情。 「重火器の数で 10 倍」とされたロシア軍との戦力差を埋めるべく、欧米の兵器・弾薬供与のさらなる充実を訴える声が一層強まりそうだ。 (jiji = 6-27-22) ロシア国債「デフォルト」に 利息支払いが国外保有者に届かず ロシアは外貨建て国債の利払い猶予期間が 26 日に終わり、デフォルト(債務不履行)状態に陥った。 ロシアの外貨建て対外債務不履行は、ロシア革命の最中の 1918 年以来。 5 月 27 日に期日を迎えたドル建て債とユーロ建て債の利息計約 1 億ドル(約 135 億円)が、30 日間の支払い猶予期間に入っていた。 ロシア側は資金的な支払い能力も支払う意思もあるとして、ベルギーにある国際決済機関「ユーロクリア」へ送金したと主張している。 しかし、米ブルームバーグ通信によると、ウクライナ侵攻をめぐる西側の制裁によって、期日までに利息が国外の国債保有者に届かず、債務不履行と見なされた。 ユーロクリアは、ロシア資金の扱いについてコメントはしなかったが、あらゆる制裁を順守すると述べた。 ロシアのアントン・シルアノフ財務相は 1998 年以来初のデフォルトに至った状況について、「茶番だ」と批判した。 ボリス・エリツィン政権末期の 1998 年、ロシア政府はルーブル建て国内債務の不履行を宣言したが、対外債務は不履行にならなかった。 ロシアの外貨建て対外債務不履行は、1918 年以来。当時はロシア革命の最中で、旧ソ連の初代指導者ウラジーミル・レーニンが帝政ロシア時代の債務履行を拒否した。 予想されていた事態 ロシア国債のうち約 400 億ドル(約 5 兆 4,000 億円)がドルやユーロなど外貨建てで、その約半分を国外の投資家が保有している。 国債のデフォルトは国債発行国の信用を大きく損なうだけに、ロシア政府はこれまで、すべての利息支払いを期限内に確実に実行するとし、それを実現させてきた。 しかし、2 月 24 日のウクライナ侵攻を機に西側諸国が、国際金融ネットワークへのロシアのアクセスを制限したことから、ロシア国外の投資家への支払い手続きが滞り、いずれこうした事態になると広く予想されていた。 とりわけ米財務省が、債権者がロシアからの利払いを受け取れるように実施していた、制裁の特別免除措置を 5 月 25 日で終了させ、継続しないと決定した時点で、今回のデフォルトは不可避とされていた。 ロシア政府も、デフォルトは避けられないと受け止めていた様子で、6 月 23 日には今後の対外債務返済はロシアの連邦証券保管振替機関 (NSD) 経由でルーブル建てで行うと発表していた。 債務契約が、ドルなど外貨建てでの返済を定めていた場合も、ルーブルで支払うとした。 ロシアのシルアノフ財務相は国債デフォルトに至った状況を「茶番だ」と批判した 国営 RIA ノーヴォスチ通信は、外国の投資家が支払いを受け取れない可能性があるとシルアノフ財務相が発言したと伝えた。 財務相はその理由について、外国の決済機関などがロシア関連の取引を禁止しているうえ、外国人投資家がロシアからの支払い受け取りを禁止されているからだと説明したという。 ロシアには支払い能力も意思も十分にあるため、現状は本当のデフォルトではないと財務相は強調。 RIA ノーヴォスチ通信によると、「これはまったくデフォルトには当たらないと、分かる人は全員理解している」、「この状況全体が茶番に見える」と、財務相は述べたという。 デフォルトは通常、政府が返済を拒んだり、経済悪化のため返済資金が調達できなかったりした時に起きる。 国債の債務不履行は象徴的にその国の信用に打撃を与えるものの、ロシアが直ちに受ける実際の影響は少ない。 債務不履行に陥った国は通常、追加融資が得にくくなるものの、ロシアはすでに制裁によって西側から資金調達できなくなっている。 加えて、ロシアは化石燃料輸出で 1 日 10 億ドルの収入を得ているとされる。 シルアノフ財務相は 4 月の時点で、債務を増やす予定はないとしていた。 (BBC = 6-27-22) 要衝セベロドネツク制圧、ロシア強める攻勢 キーウにもミサイル攻撃 ウクライナに侵攻したロシア軍は、東部ルハンスク州の要衝セベロドネツクを制圧し、州全体の支配に向けて攻勢を強めている。 東部以外への攻撃も続けており、26 日朝には首都キーウ(キエフ)がミサイルで攻撃され、ウクライナ側によると、少なくとも 1 人が死亡した。 ウクライナのゲラシチェンコ内相顧問は、26 日朝のキーウ市内へのミサイル攻撃で、少なくとも男性 1 人が死亡したと地元メディアに語った。 同市のクリチコ市長は、7 歳の少女と母親を含む 4 人が病院に収容されたとしている。 少女と母親はがれきの下から救出されたという。 ニュースメディア「ウクライナ・プラウダ」によると、ミサイルは 9 階建ての集合住宅に命中し、7 階から上が破壊されて火災が発生した。 死亡した男性の妻は、まだがれきの下に取り残されているという。 カスピ海上空からミサイル発射か インタファクス・ウクライナ通信は、ミサイルがカスピ海上空から発射されたとするウクライナ空軍の見方を伝えた。 沿岸のロシア南部アストラハンから離陸した戦略爆撃機「TU95」など、複数の戦闘機が射程 5,500 キロのミサイルを発射したとみられるという。 また、ウクライナの原子力企業「エネルゴアトム」は 26 日、ミサイルが「原子力発電所の上空を低空で通過した」と SNS で明らかにし、「ウクライナだけでなく、欧州全体の安全を脅かし続けている」と非難した。 ロシアは 25 日にも各地にミサイル攻撃を仕掛けており、米シンクタンク・戦争研究所は「ロシア軍は、異常に大規模なミサイル攻撃を行った」と指摘。 地上や空、海上から 50 発以上を発射し、キーウや西部リビウなどが攻撃されたとしている。 また、ウクライナの国営通信「ウクルインフォルム」は 26 日、隣国ベラルーシがロシア軍の支援を続けており、25 日にあったロシアによるミサイル攻撃の一部は、ベラルーシの領土から発射されたと報じた。 タス通信などによると、ロシアのプーチン大統領は 25 日、ベラルーシに対し、核兵器を搭載可能な短距離弾道ミサイル発射装置「イスカンデル」を数カ月以内に提供する方針を示した。 ロシア軍、リシチャンスクへの攻勢強める ロシア軍は東部では、制圧したセベロドネツクに続き、川を挟んで隣接するリシチャンスクへの攻勢を強めている。 ロシア国防省は 26 日、ショイグ国防相がウクライナに展開するロシア軍を視察したと発表した。 視察の日時や場所には触れていない。 ルハンスク州のハイダイ知事は 26 日、「空爆で破壊され、リシチャンスクはほとんど認識できないほどだ」とするウクライナ軍当局者のコメントを SNS に投稿した。 ウクライナ軍参謀本部によると、ロシア軍がリシチャンスクで「ウクライナ軍を包囲しようとしている」とし、リシチャンスク近郊の複数の地域で砲撃や空爆を受けているという。 米シンクタンク戦争研究所は 26 日、ロシア軍はすでにリシチャンスク郊外の鉱山や工場などに到達したと報告。 ウクライナ軍の陣地は「戦略的価値がある」とした一方で、「ロシアの侵攻が続き、反撃能力は制限される可能性が高い」と分析。 ウクライナ側の守勢が続くとの見通しを示した。 (福山亜希 = リビウ、喜田尚、asahi = 6-26-22) ロシア総司令官の更迭、英国防省が確認 ウクライナは米供与 HIMARS の使用開始 【キーウ(キエフ) = 深沢亮爾】 ロシア軍に侵攻されているウクライナ軍部隊の報道官は 25 日、自国軍部隊が東部ルハンスク州の要衝セベロドネツクから撤収していることを明らかにした。 同州の全域制圧を目指す露軍は、最後の拠点都市となるリシチャンスクへの攻勢を一段と強めている。 ウニアン通信によると、ウクライナ内務省系の部隊報道官は撤収理由について「兵士の命を優先し、安全な場所に移動して反撃に備えるためだ」と説明。 撤収情報は安全上の理由から 24 日まで伏せていたという。 ウクライナ軍が拠点にしてきた「アゾト化学工場」の地下施設に避難しているとされる住民 500 人超の安否は不明だ。 州知事は、露軍の攻撃が 24 日も続いたと SNS で明らかにした。 露国防省は 24 日夜、セベロドネツクとドネツ川を挟んで隣接するリシチャンスク周辺の 11 集落を制圧し、市の南側を封鎖したと発表。 タス通信によると、露軍が後押しする親露派武装集団の幹部は 24 日、「1 週間半でリシチャンスク一帯を制圧できる」と述べた。 一方、英国防省は 25 日、侵攻作戦を統括してきたアレクサンドル・ドボルニコフ総司令官が更迭されたとの情報を確認した。 5 月末に米メディアなどで更迭説が伝えられていた。 英国防省は空挺軍司令官が更迭されたとの分析も示し、露軍側に指揮命令系統の混乱が続いている可能性がある。 ウクライナの内務相顧問は 24 日、SNS に投稿した動画で米国が供与した高機動ロケット砲システム (HIMARS) の使用開始を明かした。 ウクライナ国防省情報総局トップは英テレビに対し、「8 月になれば、戦闘の風向きは劇的に変化する」と述べ、反転攻勢に期待感を示した。 (yomiuri = 6-25-22) ウクライナ国防省、ベラルーシ領からの攻撃は「ロシアの挑発」 ウクライナ国防省の情報総局は 25 日、ロシアの爆撃機が隣国ベラルーシの領空からウクライナに向けてミサイルを発射したと SNS に投稿した。 ベラルーシ領内から航空機を使ってウクライナを直接攻撃した初めての事例としている。 情報総局はロシア側の狙いについて、「ウクライナとの戦争にベラルーシを引きずり込むための挑発だ」との見方を示している。 情報総局によると、発射が行われたのは 25 日、ウクライナ国境から 50 - 60 キロ離れたベラルーシ南部の町ペトリコフの近辺。 ロシア南西部カルーガ州から飛び立った 6 機のロシア軍爆撃機「Tu22M3」が、12 発の巡航ミサイルを発射した。 ミサイルはウクライナの首都キーウ(キエフ)周辺のキーウ州、北部チェルニヒウ州、北東部スーミ州に撃ち込まれたという。 情報総局はまた、ペトリコフから東に約 50 キロ離れた都市マズィルにロシアの工作員部隊が到着したと主張。 この部隊がミサイルに対するウクライナ側の報復を装うため、民家や学校、病院を爆破することを企てており、これによってウクライナとベラルーシの間に争いを引き起こそうとしている可能性があるとした。 (asahi = 6-25-22) 中西部ジトーミル州には約 30 発 ウクライナのニュースサイト「TSN」は 25 日、前日の 24 日夜から翌朝にかけ、ウクライナ各地の 8 つの州に向けて少なくとも 60 発のミサイルが発射されたと報じた。 各地の地元当局者の情報を総合した結果だとしており、2 人が死亡したほか、負傷者も複数いるという。 TSN によると、発射された数が最も多かったのは中西部ジトーミル州の約 30 発。 州都ジトーミルの市長によると、市周辺の軍事施設に着弾し、軍関係者 1 人が死亡した。 市長は「ミサイルは(隣国の)ベラルーシ領内から発射された」との見方も語っているという。 北東部ハルキウ州では激戦地イジュームの周辺に着弾し、59 歳の女性が死亡した。 北部チェルニヒウ州にも 20 発のミサイルが飛来し、TSN は、ベラルーシ領内の航空機などから発射されたとの見方を報じている。 西部リビウ州でも、州都リビウの西郊にある軍事施設に 4 発のミサイルが落ちた。 首都の周りにあるキーウ州のほか、南部ミコライウ州にもミサイルが飛来したとみられるという。 (asahi = 6-25-22) 中部ドニプロペトロウスク州に砲撃 女性が負傷 ウクライナのウニアン通信は 25 日、ウクライナ中部ドニプロペトロウスク州の町が前日の 24 日夜にロシア軍の砲撃を受け、60 歳の女性 1 人が負傷したと伝えた。 家屋 1 軒も損壊したという。 ウニアン通信が伝えた地元の軍当局者の話によると、攻撃があったのは州都ドニプロの南西約 130 キロにある都市クリビーリフの近郊。 二つの町がロシア軍の砲撃を受け、このうち一つの町で 60 歳の女性がけがをしたという。 (asahi = 6-25-22) ウクライナ軍、セベロドネツクから撤収 州知事が表明 ロシア軍の侵攻が続くウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は24日、同州の重要都市セベロドネツクに立て籠もるウクライナ軍に撤収命令が出たことを明らかにした。ウクライナメディアが報じた。ドネツ川を挟んで対岸にあるリシチャンスクにもロシア軍が迫っており、両市が包囲される危険性が高まっていた。 セベロドネツクからの撤収により、ロシア軍がルガンスク州を完全に支配する可能性が強まった。ウクライナ東部の完全制圧を目標とするロシアのプーチン政権にとっては象徴的な意味を持つ。 ただ、ロシア軍はルガンスク州攻略に大量の補充部隊を投じたとみられ、今後も攻勢を続けられるかには疑問の声もある。 ウクライナメディアによると、ガイダイ氏は 24 日朝のインタビューで、セベロドネツク市内のインフラが完全に破壊され、住宅の約 9 割が損害を受けたことを明かし、「(市内に立て籠もる)意味はない」と指摘。 撤収時期は明かさなかったが、市内の部隊は「新たな陣地まで後退し、そこで戦闘活動を行うよう命令された」と話した。 ロシア軍は 5 月末にセベロドネツク市内に侵入し、激しい砲撃を繰り返してきた。 ウクライナ軍の部隊は市西側のアゾト化学工場内に籠城(ろうじょう)を余儀なくされ、対岸のリシチャンスクとの間の橋を破壊された後は補給や住民避難も困難になっていた。 ロシア軍は 20 日にはリシチャンスク南東の防御線も突破し、周辺の集落を相次いで制圧。 すでに同市の南端に迫っている模様だ。 リシチャンスクと後方を結ぶ補給路も激しい攻撃を受けており、ロシア軍と共に攻勢を続ける親露派武装勢力幹部は 23 日、「2、3 日のうちにリシチャンスクの包囲が完了する」との見方を示した。 ガイダイ氏は同日、リシチャンスクからの撤収の可能性も示唆した。 ただ、ルガンスク州の攻略でロシア軍も多大な損害を被っている模様だ。 米シンクタンク「戦争研究所」は 23 日、セベロドネツクやリシチャンスクが陥落した場合も「戦争の大きな転換点にはならない」と指摘。 ウクライナ軍が両市周辺にロシア軍の相当量の人員や装備を引き込むことで、ロシア軍の全体の戦闘能力を低下させたと分析し、「ロシア軍の攻勢は今後数週間で失速し、ウクライナ軍に反撃を始める機会を与える可能性がある」と予想した。 (モスクワ・前谷宏、mainichi = 6-24-22) |
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