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ウクライナ軍、激戦地ドネツク州で約 45% を掌握

ウクライナ戦況の今後も占うとされる激戦地となっている東部ドネツク州のキリレンコ知事は 22 日、州内でのウクライナ軍の掌握地域は約 45% になっていることを明らかにした。 ラジオ局の取材に応じ、これら地域では交戦が今なお続いているとした。 また、ウクライナ軍の制圧地域内にある計 112 の都市や村落では 4 月からガス供給がなく、現在は停電にも襲われているとも述べた。 これら地域の生活環境などは非常に困難となっていると認めた。 同州内の残る 55% の地域は完全に破壊され、占領者の支配下にあると指摘した。

知事は、州外に逃れていない住民は通常、前線地帯に沿ってある退避所にとどまり、人道支援物資や食料を入手していると説明。 ただ、この受け取りも極めて激しい砲撃や空爆が原因で非常に危険な状況になっているとした。 住民は絶えず、逃避を促されているともした。 破壊の度合いが激しい同州アウディーイウカ市では砲撃の被害を避けられた建物はないとも断言。 同市に現在も残っている民間人は約 2,000 人とも明かした。 キリレンコ氏によると、ロシア軍は 22 日、ドネツク州で住民 4 人を殺害し、5 人を負傷させた。 (CNN = 6-23-22)


ドネツク激戦、親ロシア派兵士 55% 死傷か … 英国防省「異常な水準」

【キーウ(キエフ) = 深沢亮爾】 英国防省は 22 日、ロシア軍の後押しを受けているウクライナ東部ドネツク州の親露派武装集団の死傷者数が、兵士数全体の約 55% に上っているとの試算を明らかにした。 東部ドンバス地方(ドネツク、ルハンスク両州)を巡る激戦で、露軍側の人的消耗が「異常な水準になっている」と分析した。

英国防省の分析は、ドネツク州の武装集団が 16 日時点で戦死者数が 2,128 人、負傷者数が 8,897 人となっていると発表したデータに基づくもの。 ドネツク州の武装集団の戦死者数は、露国防省が 3 月 25 日を最後に更新していない露軍兵士の戦死者数 1,351 人を上回る。 ウクライナ軍は兵士の死傷者数が 1 日あたり最大 1,000 人に上っているとされ、消耗戦の激しさをうかがわせる。

一方、米国の政策研究機関「戦争研究所」は 21 日、ロシア空挺軍の司令官が交代したと指摘し、司令官の大幅な入れ替えに着手している可能性があるとの分析を明らかにした。 侵攻作戦を統括するアレクサンドル・ドボルニコフ総司令官が解任されたとの情報にも触れ、露軍がドンバス地方で攻勢を強める中での司令官の交代は、露軍の指揮命令系統が機能していないことの表れと評価した。 (yomiuri = 6-23-22)


ウクライナ軍が一斉反撃、黒海の要衝奪還作戦 東部戦線で兵力増強 ドイツ製自走砲を配備

ウクライナ軍が一斉反撃に出た。 東部の要衝セベロドネツクで兵力を増強、ドイツ製自走式 155 ミリ榴弾砲も配備され、黒海の要衝ズメイヌイ島(蛇島)では対艦ミサイル「ハープーン」や空挺部隊による奪還作戦が実施された。 ロシア軍の侵攻開始からまもなく 4 カ月だが、プーチン大統領の野望は果たされないままだ。 セベロドネツクにつながるドネツ川の橋は破壊されており、ウクライナの援軍は空気注入式のいかだで川を渡った。 兵器不足に悩むウクライナに欧米製兵器が実戦投入された。 ドイツが提供した自走式榴弾砲「パンツァーハウビッツェ 2000」は 30 - 40 キロ先の敵を攻撃可能とされる。

英国防省によると、ウクライナ軍が 17 日、欧米供与のハープーンで黒海の露海軍のタグボートを攻撃したという。 ボートは、露軍が要塞化したズメイヌイ島に人員や武器を輸送していた。 ウクライナ軍は同島を集中攻撃し、甚大な打撃を与えたと発表。 ロシア国防省は、ウクライナが同島に弾道ミサイルを発射し、攻撃用無人機の支援で空挺部隊が上陸を試みたが、上陸を阻んだとしている。

南部戦線では、ウクライナ軍がヘルソンの奪還を目指し前進するが、東部ハリコフ州では露軍が攻撃を継続するなど、各地で激戦が続いている。 (ZakZak = 6-23-22)


ロシア、ドンバス地方に予備兵投入か

英国防省は 22 日、ロシア軍がウクライナ東部ドンバス地方に多数の予備兵を投入しようとしている可能性が高いとする分析を SNS に公表した。 ドネツク州とルハンスク州からなるドンバス地方の制圧を目指すロシア軍は目下、ルハンスク州の要衝セベロドネツクを包囲すべく、激しい砲撃を続けている。

また英国防省は、ロシア軍と共に戦う武装勢力「ドネツク人民共和国」が発表した情報として、同勢力の兵士が今年に入って 6 月 16 日までに 2,128 人死亡し、8,897 人が負傷したとした。 ロシアは 3 月 25 日に自軍の死者数を 1,351 人と発表して以来、新たな情報を明らかにしていない。 英国防省は、ドネツク人民共和国の兵士のうち死傷した兵士の割合が約 55% に上ると指摘。 ロシア側はドンバス地方で「驚くほどの消耗戦を強いられている」とした。 また、ロシア側とウクライナ側の双方にとって、予備兵部隊を編成し、前線に配備する能力が、戦いを有利に進める上でますます重要になっていると述べた。 (asahi = 6-22-22)


ウクライナ、対艦ミサイルで攻撃成功 ロシアの黒海制海能力減退

【ロンドン】 英国防省は 21 日、黒海で武器や兵員輸送に当たっていたロシア船に対し、ウクライナ軍が欧米から供与された対艦ミサイル「ハープーン」を使用し、損害を与えたと明らかにした。 ウクライナ軍の情報として伝えた。 ハープーンによる攻撃を成功させたのは初めてという。 このロシア船は救難タグボート「ワシリー・ベフ」。 ウクライナの国営通信は先に、海軍が 17 日、ロシア軍占領下のズミイヌイ島に向け兵士や武器弾薬を運搬中だった同船に攻撃を加え、最大で乗員の 70% に損害を与えたと報じていた。

ウクライナ軍は 4 月、国産の対艦ミサイル「ネプチューン」でロシア黒海艦隊の旗艦「モスクワ」を沈没させたと伝えられている。 他にも複数の艦艇に打撃を与えてきたとみられる。 英国防省はワシリー・ベフ攻撃を含め、ウクライナの沿岸防衛力の向上で、ロシアの黒海北西部の制海権掌握能力は大きくそがれたと分析している。 (jiji = 6-21-22)


ウクライナ軍の東部支配は化学工場のみ 州知事「非常に困難な状況」

ロシア軍はウクライナ東部ルハンスク州全体の掌握を目指し、一段と強い攻勢をかけている模様だ。 同州のハイダイ知事は 20 日夜、ウクライナ軍が守りを固める同州の主要都市セベロドネツクの工業地帯で戦闘があり、ウクライナ軍が支配しているのは化学工場「アゾト」のみだ、と SNS に投稿した。 ハイダイ氏の投稿によると、ロシア側は十分な兵力で大規模な攻撃を始めているといい、ルハンスク州の前線全体が「非常に困難な状況だ」とした。

セベロドネツクから川を挟んで西隣にあるリシチャンスクでは「一日中、大規模なロシアの砲撃に苦しんでいる」とし、「犠牲者の数は不明だ」とつづった。 ロシア軍はリシチャンスクとその南西のバフムートを結ぶ高速道路に沿って進軍しているといい、その周辺の集落は「絶え間ない砲撃を受けている」という。 ウクライナメディア「ウクライナ・プラウダ」によると、マリャル国防次官は「敵の計画は 26 日までに暫定的にルハンスク州の境界線に到達することだ」との見立てを示した。 (asahi = 6-21-22)


東部の攻防 ゼレンスキー大統領「部隊は踏みとどまっている」

ロシア国防省は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握を目指す中、ウクライナ側の州内の拠点となっているセベロドネツクについて、郊外の集落を掌握したと発表しました。 一方、ウクライナのゼレンスキー大統領はセベロドネツクなどでウクライナ軍の部隊が踏みとどまっていると強調し、東部を中心に激しい攻防が続いているものとみられます。

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向けて、ウクライナ側の州内の拠点となっているセベロドネツクを包囲しようと攻撃を続けていて、ロシア国防省は 19 日、ルハンシク州の親ロシア派勢力とともに、セベロドネツク郊外の集落を掌握したと発表しました。 また、ロシア軍は、東部ハルキウ州にあるウクライナ軍の戦車の整備施設を短距離弾道ミサイルの「イスカンデル」で攻撃したほか、東部ドニプロペトロウシク州ではウクライナ軍の施設を巡航ミサイル「カリブル」で攻撃し、ウクライナ軍の将校など 50 人以上を殺害したなどと発表しました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は 19 日に動画を公開し「ドンバス地域では激しい戦いが続いている。 ロシア軍はそこで最も多くの大砲を使っている」と述べたうえで、セベロドネツクや隣接するリシチャンシクなどでウクライナ軍の部隊が踏みとどまっていると強調しました。 さらに「侵略者はハルキウ方面やザポリージャ州にも兵力を集中している。 彼らは燃料のインフラ施設を攻撃し燃料事情を悪化させようとしている」と指摘し、東部ハルキウ州や南東部ザポリージャ州でロシア軍が戦力を集中しているという見方を示しました。

また、EU = ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会がウクライナの「加盟候補国」としての立場を認めるよう加盟国に勧告し、今週、首脳会議で協議される見通しであることを念頭に「われわれはロシアの敵対的な行動がウクライナだけでなく、ほかのヨーロッパの国々に対しても、まさに今週強まると予想すべきだ」として、ロシアからの圧力に警戒を呼びかけました。 (NHK = 6-20-22)


親露派政権を倒した 24 歳の英雄、東部戦線で戦死 … ひまわり手向け涙の葬列

ウクライナの首都キーウ(キエフ)の中心部にある独立広場で 18 日、東部イジューム近郊で戦死した兵士の葬儀が行われ、多くの市民が集まった。 亡くなったのはロマン・ラトゥシュニさん (24)。 親露派政権が倒れた 2014 年の「マイダン革命」の抗議活動の中心人物で、その後も多くの社会活動に携わってきた。 葬儀には数百人のウクライナ国旗などをまとった市民らが集まり、バラやひまわりなどの花をひつぎに手向け、涙を流しながらロマンさんとの別れを惜しんだ。 キーウ市のソフィア・コズロブスカさん (18) は「彼は私たちの世代の英雄でした。 戦争で若い命が失われるのはとても悲しい」と無念さをにじませた。 (yomiuri = 6-20-22)


ルハンスク州知事「ロシア軍のシナリオ通りには進んでいない」

ウクライナ東部ルハンスク州の激戦地セベロドネツクをめぐり、ハイダイ州知事は 19 日、ロシア軍が大部分を支配しているとの見方を SNS で示した。 ただ、ロシア軍も損害が大きく、いつ勝利できるかという具体的な見通しを示せなくなっているとも指摘した。 ハイダイ氏は、ロシア軍はここまで 4 カ月を費やしながら、ルハンスク州の部分的な区域をいまだに攻略できないでいると指摘。 ウクライナ東部をめぐる戦いは、ロシア軍のシナリオ通りには進んでいないと強調した。 (asahi = 6-19-22)


ウクライナ軍、戦車やミサイルなど「50% を失った」 … 損害情報を積極的に開示

【キーウ(キエフ) = 深沢亮爾】 ウクライナ軍のウォロディミル・カルペンコ地上部隊後方支援司令官は、ロシア軍とのこれまでの戦闘で、歩兵戦闘車約 1,300 台、戦車約 400 両、ミサイル発射システム約 700 基など、それぞれ最大で 50% を失ったと明らかにした。 15 日付の米軍事専門誌「ナショナル・ディフェンス」とのインタビューで語った。 ゼレンスキー政権は最近、戦死者数を含めた損害に関する情報を積極的に開示している。 米欧に武器供与の加速を促す狙いとみられる。

ウクライナ海軍は 17 日、黒海を航行中の露軍のタグボートをミサイル攻撃し、装備や兵士の増強を阻止したと発表した。 このミサイルについてロイター通信は、米国などが 6 月に追加の軍事支援で初めて供与を決めた地上配備型の対艦ミサイルシステム「ハープーン(射程 100 キロ超)」だったと伝えた。 東部戦線は 17 日も露軍の激しい攻撃が続き、セベロドネツク近郊リシチャンスクでは 17 日、空爆で多数の死傷者が出た模様だ。 ルハンスク州知事によると、人道支援に使われる高速道路が不通となった。 (yomiuri = 6-18-22)


「侵攻への国民支持は減っている」 ノーベル平和賞のロシア紙編集長

2021 年のノーベル平和賞を受賞したロシアの独立系リベラル紙「ノーバヤ・ガゼータ」のドミトリー・ムラトフ編集長は 17 日、ロシアのウクライナ侵攻について「国民の支持は減っている」との見方を明らかにした。 ロイター通信のインタビューに答えた。

ロシアの街では、あちこちで侵攻への支持を示すアルファベットの「Z」を書いた看板などが掲げられていた。 だが、ムラトフ氏によると、今では見られなくなっている。 ロシア政府内部でも、人々のうち 25 - 30% は侵攻を支持していないとの見方があるという。 ただ、ムラトフ氏は、経済制裁で生活水準が落ちれば、ロシアの人々は権力に反旗を翻すとの見方には疑問を呈した。 ムラトフ氏の見立てでは、人々は逆に「やればできる」との気持ちを奮い立たせ、第 2 次世界大戦時のように窮乏に耐えるだろう、という。 (asahi = 6-18-22)


EU の 4 首脳がウクライナ訪問 EU 加盟候補国認定を支持

フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの各首脳は 16 日、ウクライナの首都キーウでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。 4 首脳はウクライナの欧州連合 (EU) 加盟の意向を支持し、「今すぐに」候補国として認定したいと述べた。 ドイツのオラフ・ショルツ首相はキーウでの共同記者会見で「ウクライナは欧州の家族の一員だ」と述べた。 一方で、ウクライナはなお、加盟のための条件を満たす必要があると指摘した。 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は EU 27 カ国に対し、ロシアの侵攻に勝利するまでウクライナを支持するべきだと強調した。

ゼレンスキー大統領は、ロシアの侵攻は「統一された欧州」に対する戦争だと説明。 「最も効果的な武器」は一致団結だと述べた。 その上で、ウクライナがより効果的に自衛し、2 月 24 日の侵攻開始以来ロシアに占領されている領土を解放できるよう、より多くの重火器を早急に送るよう再度訴えた。 ルハンスク州の広範囲な制圧を目指すロシア政府にとって、セヴェロドネツクと双子都市のリシチャンスクの掌握は、ここ数週間の主要な軍事目標だ。

ショルツ独首相とマクロン仏大統領、イタリアのマリオ・ドラギ首相、ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領のウクライナ訪問は、侵攻開始以降では今回が初めて。 4 人はこの日、数週間にわたってロシアに占領され荒廃した、キーウ近郊のイルピンを訪れた。 ウクライナ政府は、ロシア軍がイルピンや近隣のブチャなどの村で数百人の市民を殺害し、戦争犯罪を犯したと非難している。 ロシア側はこれを否定している。

欧州委員会は 17 日にも、ウクライナを EU 加盟候補国として推薦するかの見解を発表する見通し。 EU 加盟国は 23 日と 24 日の首脳会議でこの件を議論することになっている。 加盟国の中には、ウクライナの EU 加盟に懐疑的な国もある。 フランス、ドイツ、イタリアという EU の重鎮による支援の言葉が、こうした国の立場を揺るがす可能性もある。 ただし、候補国への認定は加盟への道のりの一段階に過ぎず、加盟までは何年もかかる可能性がある。

ウクライナ当局は仏独伊について、武器供給が遅く、ロシアのウラジミール・プーチン大統領をなだめることに力を入れ過ぎていると、繰り返し批判してきた。 マクロン仏大統領は 6 月初め、「ロシアに屈辱を与えない」ことや、プーチン大統領が自らの「根本的な間違い」から抜け出す道筋を残すのが、何より大事だと述べ、ウクライナ側の反発を買った。

こうした中、現在はロシアの安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は 16 日、ツイッターで EU 首脳を批判。 「カエルやレバーヴルストやスパゲティが好きなヨーロッパの人たち」はキーウを訪問するのが大好きだが、「一文の得にもならない」と、仏独伊を侮辱する言葉を並べた。 (BBC = 6-17-22)


33 歳のブラジル人 → 実はロシアのスパイ オランダで摘発、潜入防ぐ

オランダ内務省は 16 日、同国のハーグにある国際刑事裁判所 (ICC) に入り込もうとしたロシアのスパイを摘発し、「母国だ」と主張したブラジルに送還したと発表した。 何年もの時間をかけて「偽の人生」の物語をつむいでいたという。 ICC はロシアによるウクライナでの戦争犯罪を捜査しており、オランダ側は「深刻な脅威を防いだ」としている。

発表によると、スパイは 33 歳のブラジル人を装ったが、実際は 36 歳でロシア軍参謀本部の情報総局 (GRU) とつながりがあった。 4 月にブラジルから入国しようとした際に摘発し、即座に帰国させた。 戦争犯罪の捜査をする ICC にインターンとして入り込み、情報源を確保したり、情報システムへのアクセスを試みたりする可能性があった、という。 オランダ当局はさらに、このスパイが身分を偽るうえで、記憶に刻むためにつづっていたとみられる「自分史」を公表した。

両親が不仲になり、レストランなどで演奏するミュージシャンの母親に育てられたこと。 母親が病気になり、洋服を仕立てて販売するおばと暮らした部屋には型紙や生地があふれていたこと。 寄宿舎のような住まいの間取り、天井や床の様子や家賃、幼稚園や学校の園児や生徒の数、人気があった先生 …。 オランダ当局によると、この「自分史」は 2010 年ごろに作成されたとみられる。 固有名詞が含まれているほか、事実も織り交ぜられており、第三者には検証が難しいという。 こうしたスパイは長い時間を費やして訓練され、外国人になりすましてロシア人がアクセスできない情報の入手をはかるという。 ただ、摘発されたスパイの「自分史」は、ブラジルで使われるポルトガル語で書かれていたものの、文法上のミスが複数あったとも指摘した。 (ブリュッセル = 青田秀樹、asahi = 6-17-22)


ウクライナ、死傷者 1 日 1,000 人 ロ軍も「第 1 次大戦のような消耗戦」 - 東部要衝で必死の抗戦

ウクライナ軍は東部ルガンスク州の残る拠点都市セベロドネツクの防衛に向け、必死の抗戦を続けている。 米メディアによると、ウクライナ側は 15 日、同国軍の死傷者数が 1 日当たり最多 1,000 人に上っていると明らかにした。 一方、米軍幹部は、ロシア軍が物量でウクライナ軍を圧倒しているものの、「第 1 次大戦のような深刻な消耗戦」が続いているとの見方を示した。

米シンクタンク戦争研究所によると、ロシア軍はセベロドネツクとその周辺で激しい攻撃を続けているが、15 日時点でウクライナ軍が立てこもる化学工場を制圧できていない。 ただ、ウクライナ軍は外部との通信がほぼ遮断されて孤立し、多方向から攻撃を受けているという。 ルガンスク州のガイダイ知事は 16 日、セベロドネツクでウクライナ軍が抵抗を続けているとした上で、「市内には民間人約 1 万人が取り残されている」と懸念を表明した。 (jiji = 6-16-22)


独仏伊首脳がウクライナ訪問 G7 サミット前に連帯演出

【ベルリン = 南毅郎】 ドイツのショルツ首相とフランスのマクロン大統領、イタリアのドラギ首相は 16 日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問した。 3 氏ともロシアの侵攻開始後で初の訪問で、ゼレンスキー大統領と会談する予定だ。 今月下旬に独南部で開く主要 7 カ国首脳会議(G7 サミット)を前に、ウクライナへの支援継続で連帯を示す狙いがある。 ゼレンスキー氏との会談では武器供与を含むウクライナへの支援やロシアに対する制裁強化などを話し合うもようだ。 ロシア軍による海上封鎖で穀物の輸出が難しくなっている問題も議題になるとみられる。

ゼレンスキー氏はツイッターで 15 日、ショルツ氏から G7 サミットへの招待を受けたと明らかにした。 同氏は、その後の北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議にも参加する見通しだ。 独紙によると、イタリアを交えた訪問はフランス側から持ちかけられた。 ウクライナの欧州連合 (EU) 加盟に前向きなイタリアが加わることで支援に消極的との批判をかわす狙いも透ける。 EU のフォンデアライエン欧州委員長やジョンソン英首相などが訪問済みで、ショルツ氏らにはウクライナ訪問を求める声が強まっていた。

ロシアのウクライナ侵攻から 4 カ月が迫るなか、今回の訪問時期には各国の複雑な事情も絡んでいる。 ドイツではシュタインマイヤー大統領が 4 月にウクライナ訪問を計画したものの、同国側から拒否された。 同氏はメルケル政権下で外相を務めた人物で、ロシアとのガスパイプライン計画「ノルドストリーム 2」を支持するなど対ロ融和を進めた張本人との責任論が出ている。 大統領の訪問拒否で、一時期はショルツ氏の予定も見通しが立たずにいた。

フランスではマクロン氏が 19 日に国民議会(下院)決選投票を控える。 物価高による政権批判で 1 回目投票では支持が伸び悩んでおり、各種世論調査によると与党連合が過半数割れを起こす恐れもある。 外交で点数を稼ぎ、支持率上昇につなげたい考えだ。 マクロン氏のもう一つの狙いは停戦交渉時にフランスが交渉のテーブルに中心メンバーとして参加することだ。 フランスや EU に有利な条件を引き出す思惑があり、もしこうした努力を怠れば中国やトルコなど EU 外の国が交渉の主導権を握ると懸念している。 そのために批判されながらもロシアのプーチン大統領との電話協議も継続的に実施しており、ゼレンスキー氏とも連絡を密にしてきた。

イタリアにとっては、EU での存在感を高める好機でもある。 独仏がロシアに一定の配慮を見せるのに対し、イタリアは厳しい姿勢を見せる。 ドラギ首相は「平和」か「エアコン」か選ぶ必要があると伊国民に呼びかけ、ロシア産エネルギーの禁輸などの制裁は必要との立場だ。 ウクライナ危機に迅速に対応するため、EU の意思決定で多数決制への移行も主張。 5 月にはイタリア独自の和平案もまとめ、国連のグテレス事務総長に提出した。

6 月 26 - 28 日に独南部のエルマウ城で開催する G7 サミットではウクライナへの支援とロシアへの制裁強化が主要議題になる見通しだ。 ロシアの侵攻が長引くなか、ウクライナは戦車やりゅう弾砲などの重火器の追加供与を求めている。 (nikkei = 6-16-22)


米国、ウクライナに追加軍事支援 1,300 億円

【ワシントン = 坂口幸裕】 米政府は 15 日、ロシアが侵攻を続けるウクライナに追加で 10 億ドル(約 1,300 億円)相当の武器を供与すると決めた。 ロシア軍による黒海封鎖でウクライナからの穀物輸送が滞っている事態を打開するため、地上配備型の対艦ミサイルシステムを新たに送る。 食糧価格の高騰を和らげる狙いがある。 バイデン米大統領は 15 日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議し、追加の軍事支援を説明した。 米ホワイトハウスは 15 日に声明を発表し、首脳協議で「ウクライナの民主主義を守り、ウクライナを守るという約束を改めて確認した」と記した。

ロシアがウクライナに侵攻した 2 月 24 日以降、米政府が決めたウクライナへの軍事支援は総額 56 億ドルになる。 今回の支援では地上配備型対艦ミサイルシステム「ハープーン」 2 基を盛った。 5 月下旬にデンマークが提供を決めており、ウクライナが求めてきた。 米国による武器支援に含めるのは初めてになるもようだ。 ロシアによるウクライナ侵攻で穀物価格は上昇している。 ロシアが黒海に面したウクライナ南部オデッサ港を封鎖し、トウモロコシ輸出が世界 4 位、小麦が世界 5 位である同国からの出荷が停滞しているのが一因だ。 ウクライナ沿岸に対艦ミサイルを配備し、ロシアに対抗する。

米国務省高官によると、現在ウクライナの食糧貯蔵庫には 2 億人から 4 億人を賄える 2,000 万トンの穀物が出荷できないままになっている。 アフリカや中東などに向かう予定の穀物が含まれているとみられ、国連などは飢餓の深刻化を懸念している。 ウクライナ東部で戦闘を想定して 4 月以降から供与してきた 155 ミリりゅう弾砲をさらに 18 門送る。 すでに約 300 門の譲渡を決めている最大射程 30 キロメートルほどのりゅう弾砲を拡充する。 弾薬も 3 万 6,000 発を追加する。

すでに供与を決定した「ハイマース」と呼ばれる高機動ロケット砲システムの弾薬も渡す。 射程は最大 70 キロメートルほどで、平地が多い東部ドンバス地方で攻勢を強めるロシア軍の砲撃に対峙する態勢を増強する。 オースティン米国防長官は 15 日、ベルギーで開いた米欧など約 50 カ国の国防相らとの会合でドイツ政府が多連装ロケットシステムと弾薬の提供を申し出たと明かした。 米英と足並みをそろえ、長距離ロケット砲を送る。 オースティン氏は会合後の記者会見で「ドンバスでロシアを撃退するために不可欠だ」と述べた。

米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長はロシア軍の砲兵や射程に触れ「数字では明らかにロシア軍が有利で、十分な戦力を持っている」と指摘。 一方、ロシアが直面する軍の補給体制や士気低下などの課題を挙げ「戦争は単なる数のゲームではない。 どう使うかが重要だ。」と訴えた。 バイデン政権はロシアによる攻撃で被害を受けたウクライナ国民を支援するため、追加で 2 億 2,500 万ドルの人道支援も実施する。 飲料水や食糧、医薬品、避難所の設営などを想定する。 (nikkei = 6-16-22)


ロシア、東部要衝の戦闘停止要求 「化学工場に兵士 2,500 人」

【キーウ】 激戦が続くウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツク市を巡り、同州で実効支配地域を広げる親ロシア派「ルガンスク人民共和国」の内務省幹部は 14 日、民間人も多数避難しているアゾト化学工場に「兵士 2,500 人がおり、うち 500 - 600 人は外国人雇い兵だ」と主張した。 ロシアのタス通信が伝えた。 ロシア国防省は 14 日、アゾト工場に残る民間人退避のため 15 日の日中に戦闘を停止するようウクライナ側に要求し、人道回廊を設置すると一方的に表明した。 親ロ派は工場内に最大 1,200 人の民間人が取り残されている可能性があるとした。 (kyodo = 6-5-22)


ゼレンスキー氏「ロシアが破壊したのはロシア語話す人々が住む街」

ウクライナ大統領府によると、同国のゼレンスキー大統領は 14 日、デンマークメディアとのオンライン記者会見で「ロシアは『ロシア語を話す人々を守る』という物語を編みだしたが、彼らが完全に破壊した街々の大半はロシア語を話す人々が住む街だ」と述べた。 ゼレンスキー氏はさらに「その結果、人々は今、ウクライナ語に切り替えている。 ロシアはなぜこんなことができるのかと驚いたからだ」と話した。 ゼレンスキー氏自身も、多くの人がロシア語を話す中南部クリビーリフの出身。 ゼレンスキー氏はまた、ロシアではプーチン大統領がすべてを決めていると指摘。 戦争を止めるには大統領同士の直接交渉が必要だと訴えた。 (asahi = 6-15-22)


プーチン大統領 "敗戦必至" と米分析
ウクライナ東部で猛攻も「壮大な目標達成する能力ない」 国内では「美しすぎる検事」が解任も

ロシア軍はウクライナ東部ドンバス地方の要衝セベロドネツクなどで包囲攻撃を強化した。 プーチン大統領は東部にとどまらず、広範な地域の制圧に固執するが、米国防当局者からは「目標達成は困難」との分析や、「プーチン氏の敗北」との予測が相次いでいる。

露軍はセベロドネツクなどで攻撃を強化、ルガンスク州の全域制圧へ向け攻勢に出ている。 ウクライナ軍の砲弾不足もあって東部では露軍が優勢だが、米国のカール国防次官は 14 日、「プーチン氏は全土ではないにせよ、かなり広範な領土の掌握を目指しているとみている」と述べた。 ロイター通信が報じた。 プーチン氏は帝政ロシアのピョートル大帝と自身を重ね、旧ソ連時代の領土を取り戻す野望を隠さない。 ただ、カール氏は「ロシアにこうした壮大な目標を達成する能力があるとは思えない」とし、プーチン氏は戦術目標を狭めざるを得なくなっていると述べた。

米誌ニューズウィークは、「プーチンは敗戦しつつある」との記事で、米国防情報局 (DIA) 高官の「露軍は日ごとに弱体化しており、強化の見通しはほとんどない」との分析を伝えた。 首都キーウやハリコフなど主要都市のほか南部にも進めず、軍の人的消耗も大きいため、「ロシアがドンバスの全てを奪うことができたとしても、ウクライナがますます有利になる」との見方を示す。

国内では言論統制や締め付けが厳しくなっている。 政府機関の副長官を務めていたナタリヤ・ポクロンスカヤ元下院議員が 13 日、プーチン氏に解任された。 「美しすぎる検事」と注目されたこともあるポクロンスカヤ氏は、露軍が使う「Z」の文字が「悲劇と追悼の象徴だ」と述べていた。 ロシアの政治学者アンドレイ・コレスニコフ氏は、プーチン氏がピョートル大帝ではなく、「暴君として知られるイワン雷帝のように歴史に刻まれることになるだろう」と指摘した。 (ZakZak = 6-15-22)


ロシア側「ウクライナ兵は降伏か死を選ぶのみ」 … セベロドネツクへの橋全て破壊、退避不可能

ウクライナのウニアン通信によると、東部ルハンスク州のセルヒ・ハイダイ知事は 13 日、SNS を通じ、要衝都市セベロドネツクと川を挟んだ隣接市リシチャンスクを結ぶ 3 本の橋全てが露軍に破壊されたと明らかにした。 人道支援物資の供給やセベロドネツクからの退避が不可能になったという。

ハイダイ氏は 12 日、同市の孤立化を狙う露軍が 2 本目の橋を破壊し、残る 1 本も激しい砲撃で崩壊の危機にあると指摘していた。 ウクライナの管理下にあるリシチャンスクへのルートが断たれ「住民は極めて厳しい状況で生きながらえている」と訴えた。 ハイダイ氏は「市はまだ包囲はされていない」と抗戦の構えを示した。 ウクライナ軍参謀本部は 13 日、市南東の郊外で露軍の攻撃を防いだと説明した。 ロシア通信によると、親露派武装集団の幹部は 13 日、ウクライナ側は 12 日に 3 本目の橋も失ったとし、「ウクライナ兵は市から逃れられず、降伏か死を選ぶのみだ」と主張した。 (yomiuri = 6-14-22)


ゼレンスキー大統領が指摘 「兵士たちを大砲の餌食としか考えていない」
ロシア側が訓練不足の徴集兵動員か 死者 6 月中に 4 万人超える可能性も

激しい戦闘が続くウクライナ東部の要衝セベロドネツクを巡り、地元州知事は 12 日、ロシア側が近くの橋を爆破し住民の避難が難しくなっていると訴えました。 ウクライナ東部のセベロドネツクについて、ルハンシク州のハイダイ州知事は 12 日、ロシア側がドネツ川にかかる 2 つの橋を爆破したとあきらかにしました。 残る 1 つの橋も老朽化などで車両は通れず、住民が脱出するにはこの橋を歩いて渡るしかないということです。 また、ウクライナ軍がたてこもる化学工場には、およそ 500 人の市民が避難していて、うち 40 人は子どもだということです。

こうした中、ゼレンスキー大統領は、ロシア側が東部に訓練不足の徴集兵を動員しようとしているようだと指摘しました。 ゼレンスキー大統領「ロシアの将軍たちは自らの兵士たちを大砲の餌食としか考えていない。 兵や軍備の数で優位に立つためだけにだ。」 その上で、ロシア側の死者は 6 月中に 4 万人を超える可能性があるとしています。 (日テレ = 6-13-22)


ウクライナ・ルハンシク州知事「12 日は砲撃が増える可能性」

激しい攻防が続くウクライナ東部のセベロドネツクについて地元の知事は、12 日のロシアの祝日に向けてロシア軍が攻撃を強める可能性を指摘し、警戒を呼び掛けました。 ルハンシク州のハイダイ知事は自身の SNS で「セベロドネツクの状況は変わっておらず、市街戦が続いており、ロシア軍が街の大部分を支配している」と述べました。 また、「12 日のロシアの祝日には砲撃が増える可能性がある」と警戒を呼び掛けました。

一方、イギリスの国防省は 11 日、ロシア軍が 4 月以降、1960 年代に開発された対艦ミサイル数十発を陸上の目標に発射したとみられると発表しました。 「本来、核弾頭を使って空母を破壊するために設計されており、通常の弾頭で地上を攻撃すると精度が非常に低くなり、巻き添えや民間人に多くの損害を与える恐れがある」としたうえで「ロシア軍にはより精密な最新型ミサイルが不足している可能性がある」と指摘しています。 また、ウクライナの防空システムはロシアの戦闘機による攻撃から国土の大部分を守っていると分析しています。 (ANN = 6-12-22)


ウクライナ兵の死者 1 万人に 東部要衝、激しい市街戦続く

【ベルリン】 ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクでは、侵攻したロシア軍と抵抗するウクライナ軍の激しい市街戦が続いている。 英国防省は 11 日の戦況報告で、市街戦で両軍に「大量の死傷者」が出ているもようだとした。 ウクライナのアレストビッチ大統領府顧問は 10 日、侵攻開始以来のウクライナ兵の死者が、1 万人に上ったことを明らかにした。 英国防省によると、ロシア軍はセベロドネツクに陸空から激しい砲撃を加えている。 ウクライナのゼレンスキー大統領は 10 日の演説で、「非常に困難な戦闘が続いている」と認めた。

ウクライナも東部や南部で反撃を試みている。 ルガンスク州のガイダイ知事は 10 日、通信アプリ「テレグラム」で、セベロドネツク南方のスタハノフにあるロシア民間軍事会社ワグネルの拠点に砲撃を加えて破壊し、生存者は「1 人だけだった」と主張した。 拠点には 300人が駐屯していたとも報じられている。 さらに、ウクライナ国防省は 10 日、南部ヘルソン州のロシア支配地域で、複数のロシア軍拠点に空爆を行ったと発表した。

ロシアに占拠された南東部マリウポリでは、医療が崩壊状態にある上に上下水道などのインフラが破壊され、衛生状態の悪化が懸念されている。 同市のボイチェンコ市長は 10 日、英 BBC に対し、コレラなどの感染症が拡大する可能性があると警告した。 (jiji = 6-11-22)


穀物輸出停滞で「深刻な飢饉」 ゼレンスキー氏

【シンガポール = 森浩】 ウクライナのゼレンスキー大統領は 11 日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)でオンライン講演を行った。 ゼレンスキー氏はロシアがウクライナ南部の黒海の港を封鎖して穀物輸出が停滞しているため、「アジアやアフリカなどで深刻な食料危機と飢饉」が訪れると警告した。

ゼレンスキー氏は講演で「ロシアが始めたこの戦争に必ず勝利する」と主張。 戦争の結果によって「この世界の将来のルールが決まる」と述べて、支援を呼びかけた。 ゼレンスキー氏は、「大きい魚が小さい魚を食べ、小さい魚はエビを食べる」という大国が小国を蹂躙することへの危機感について述べたシンガポール建国の父、リー・クアンユー元首相の言葉を引用。 国際秩序の重要性を訴えた。 (sankei = 6-11-22)


親ロシア派「死刑判決」、ロシア外相「深入りしない」

ロシア国営ノーボスチ通信によると、同国のラブロフ外相は 10 日、ウクライナ東部ドネツク州で「ドネツク人民共和国」を名乗る親ロシア派勢力が、ウクライナ側で戦闘に加わった英国籍兵士ら 3 人に「死刑判決」を言い渡したことについて、「私は深入りしない」と述べた。 「死刑」は 9 日、「ドネツク人民共和国の最高裁判所」が言い渡した。 ラブロフ氏は訪問先のアルメニアで記者団に「すべての過程はドネツク人民共和国の法制度に基づいて進んでいる」、「犯罪は同国領土内で行われた。 その他のことはすべて臆測だ。」と話した。

ロシアは 2 月、ウクライナ東部のドネツク、ルハンスクの両州内で親ロシア派勢力が名乗る「人民共和国」を「独立国」として承認。 その要請で、ウクライナに侵攻したとしている。 米国のブリンケン国務長官は、今回の「死刑判決」を「合法的な戦闘員に対する偽の『裁判』だ」と強く批判。 「ロシアや、その代理勢力に捕虜の権利保護を含む国際人道法を守るよう呼びかける」としている。 ロシアは 1996 年に欧州評議会に加盟してから、自国内での死刑執行を停止している。 ただ 3 月にウクライナ侵攻を理由に評議会から追放され、死刑復活の可能性も取りざたされる。 (asahi = 6-10-22)


コレラなどで「1 万人死亡の恐れ」 南東部マリウポリ市長

ロシア軍が制圧したウクライナ南東部の港湾都市マリウポリのボイチェンコ市長は 10 日、気温が上昇する中、コレラや赤痢などの感染症が深刻化し、年末までに 1 万人が死亡する可能性がある、と警告した。 ウクライナのニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」が伝えた。 ボイチェンコ氏は「疫病の状況は日に日に悪化している」と強調。 多くの遺体が市全域に埋葬されている状況で雨が降り、気温が上昇していることから、「多くの感染症が既に起きている」と指摘した。 ボイチェンコ氏は、国際赤十字や国連機関と協力して、市から住民を避難させる必要があると訴えた。 (asahi = 6-10-22)


ロシア軍、50 年前のミサイルを実戦投入か ウクライナ国防省

ウクライナ国防省情報総局は 10 日、ロシア軍が旧ソ連時代の 1970 年代に製造された古い型のミサイルを実戦投入していると、SNS に投稿した。 確認されたのは「Kh22」型ミサイル。 2 月の侵攻当初に比べ、ロシア軍のミサイルの発射数は大幅に減少していると分析し、特に高性能のミサイルが枯渇しつつあるとみている。 (asahi = 6-10-22)


ロシア軍、要衝セベロドネツクの大部分掌握 ウクライナ軍の抵抗及ばず

[キーウ/スラビャンスク(ウクライナ)] ウクライナ東部ルガンスク州のガイダイ知事は 8 日、要衝セベロドネツクの大部分をロシア軍が押さえ、抵抗を続けてきたウクライナ軍が市周辺に撤退したと明らかにした。 ウクライナ側は先週の反撃で市の一部を奪還していたが、再びロシア軍の手に落ちた。 ガイダイ氏はニュースサイト「RBC ウクライナ」に対し「ウクライナ軍は再び市周辺のみを制圧するに至った。 ただ、戦闘はまだ続いている。」と述べた。

知事はまた、ウクライナ軍はドネツ川をはさんだ対岸の都市リシチャンスクを引き続き完全掌握しているが、ロシア軍は市内の住宅用建物を破壊しているとネット上に投稿した。 ウクライナ国防省によると、セベロドネツクの一部でロシア軍はウクライナ側の 10 倍の装備を持っている。 ウクライナは東部の防衛線がロシア軍により突破される可能性があるとして、西側諸国に武器の輸送を加速するよう求めている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は「われわれは拠点を防衛し、敵に重大な損害を与えている。 非常に激しい戦闘で、恐らくこの戦争で最も厳しい戦いの 1 つだ。」と述べた。 その上で、ドネツク、ルガンスク両州から成るドンバス地方の命運はセベロドネツクにかかっていると語った。 ロイターは地上戦の状況を独自に確認できていない。 ロシア軍は、ドンバスにあるウクライナ軍拠点の包囲を狙って激しい地上戦を展開している。

一方、ウクライナ第 2 の都市である東部ハリコフでは、住民が前日の砲撃による破片を清掃する姿が見られた。 ウクライナ軍は先月、同市からロシア軍を撤退させたが、散発的な砲撃が続いている。 中国中央テレビ (CCTV) は、7 日遅くに同市内のショッピングモールがミサイル攻撃を受ける映像を報じた。 ドローンで撮影された映像では、モールが入る大型ビルの屋根に大きな穴が開いているのが映された。 (Reuters = 6-9-22)

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