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プーチンの怒りに任せた報復攻撃で露呈、ロシア軍息切れの兆候

2025 年 6 月 1 日、ウクライナは入国したトレーラーからリモートで多数の FPV ドローン (First Person View Drone = 一人称視点ドローン) を飛翔させる「蜘蛛の巣作戦」で、ロシアの爆撃機基地を攻撃した。 ロシアの爆撃機基地は過去にも自爆型ドローンにより攻撃を受けたことがあり、ウクライナの攻撃が及ばないところまで遠ざけていた中で発生した攻撃だった。 ウクライナは、「Tu-22M」バックファイア、「Tu-95」ベア、「Tu-160」ブラックジャックの爆撃機や「A-50」早期警戒管制機、「IL-76」等輸送機・空中給油機など合計 41 機を破壊した。

この攻撃の後、ロシアはウクライナからの再攻撃を避けるために、これまでよりもさらに遠い極東地域まで爆撃機等を避難させた。 これだけの数量の爆撃機等が一瞬にして破壊されたことで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は怒り、報復すると言い放ち、その後、ウクライナへ大量のミサイル攻撃や無人機攻撃を実施している。 今回は、ロシアの報復について以下の 3 点を考察する。

  1. どのような攻撃を行っているのか
  2. 爆撃機を破壊された影響はあるのか
  3. ウクライナの次の作戦とは
  1. ロシアによるミサイル攻撃の報復

    ウクライナの「蜘蛛の巣作戦」の後、ロシアはその報復としてウクライナ国内、特に首都キーウに対してミサイルと自爆型無人機で攻撃を実施した。 6 月の 1 か月間で約 300 発を撃ち込んだ。 プーチン大統領の怒りが、その数の多さに現れているのは間違いない。 6 月以前の 5 か月間は各月とも 150 発以下であった。 それが 6 月には、2 倍の約 300 発まで増加した。

    ロシアの侵攻以来のミサイル発射数を見てみよう。 2022 年 11 月 - 2023 年 6 月までの 8 か月間で、月間に 300 発を超えたのは 5 回、2023 年 12 月 - 2024 年 8 月までの 9 か月間で、300 発あるいはそれ以上が 5 回であった。 2024 年 1 月は 350 発を超え、2024 年 3 月は 400 発に達した。 報復として攻撃した 2025 年の 6 月は、久しぶりに 300 発に達したわけだ。 だが、攻撃の多かった過去と比べれば、プーチン氏の怒りを反映しているにしては、それほどの数ではないことが分かる。

  2. 蜘蛛の巣作戦がロシアに及ぼした影響

    ウクライナは蜘蛛の巣作戦で、ロシアの爆撃機をウクライナから遠ざけだ。 その結果、爆撃機からのミサイル攻撃は何か変化したのだろうか。 Tu-95 あるいは Tu-160 爆撃機が発射する Kh-55/101 巡航ミサイル(速度マッハ約 0.7)の発射数については以下のことが言える。 この爆撃機が発射した巡航ミサイルの全ミサイル数との比率をみると、5 月が 61%、6 月が60% であり、大きな変化はみられない。 これらの爆撃機が遠隔地の極東地域に移動しても、現在のところウクライナへの巡航ミサイル攻撃には影響はない。

    6 月中に、ロシアがミサイルを大量に撃ち込んだ 6 月 6 日と 6 月 29 日をみると、巡航ミサイルの占める比率が、通常よりも約 20% 高い。 ロシアは、ウクライナが実施した蜘蛛の巣作戦の影響がないことを意図的に見せつけていると考えられる。 Tu-22 爆撃機が発射する Kh-22/32 空対地ミサイル(マッハ約 4 の高速ミサイル)は、以前は 1 発だったが、その後の 6 月はゼロ発であった。 このミサイルは、マッハ約 4 という速度で飛翔するため、ウクライナはこれまで撃墜することができなかった。

    また、このミサイルの弾頭重量は約 1 トンで、巡航ミサイルの 2 倍の重さだ。 この重さの弾頭が高速で目標に命中した場合の被害は極めて大きい。  このミサイルを発射する Tu-22 バックファイアは、これまでコラ半島付近まで後退していたが、蜘蛛の巣作戦後はさらに遠くに移動したと予想される。 この影響で、ミサイル発射がゼロになったものと考えられる。 ウクライナが最も阻止したかった爆撃機 Tu-22 から発射される Kh-22/32 ミサイルを阻止できていることは大きな成果である。

    戦闘機 Su-30 が発射する Kh-59/69 空対地ミサイルは、一度に多数弾の発射は確認されていなかったが、6 月に 13 発発射されていた。 発射数の増減はあるが継続している。 Mig-31 爆撃機が発射する Kh-47 キンジャールミサイルは、5 月には確認されなかったが、6 月中では 8 発であった。 発射数の増減はあるが、大きな変化ではない。

  3. ロシアミサイル攻撃の今後の予想

    ロシアは 6 月に、怒りと報復でミサイル攻撃を行った。 ただし、報復という意味を込めたミサイル攻撃でも 300 発程度であった。 これは過去、冬季前に普通に行っていた数量よりも少ない。 ということは、ミサイルの保有数は減少しつつあり、また爆撃機の運用が困難になっているということであろう。 今回の報復は、これまで倉庫に保管していたミサイルまで取り出して攻撃したと考えられる。 プーチン大統領からの命令を受けて、ウクライナから遠く離れた基地に避難していた爆撃機が無理な長距離移動を行い、長射程の巡航ミサイル攻撃を行った。

    長距離・長時間の飛行は、爆撃機の機体に多くの負担がかかる。 長距離移動している分、以前と同じ爆撃回数も実施できない。 将来、Tu-160 と Tu-95 爆撃機の爆撃回数は減少する可能性がある。 Tu-22 バックファイアは、戦闘行動半径が 1,400 - 2,400キロであり、中距離爆撃機と称される。 この機が、極東の基地まで避難すれば、ウクライナを直接攻撃できない。  空中給油や中間基地を使う蛙飛び飛行をすれば不可能ではないが、支障がある。 この機によるミサイル攻撃は今後、極端に減少するか、ほとんどなくなるだろう。

  4. 自爆型無人機の攻撃増加の意味

    ロシアは 6 月、ウクライナに「シャヘド自爆型無人機」やおとり無人機等を含め、約 5,000 機を撃ち込んだ。 6 月は 5 月の約 4,400 機よりも 600 機 (12%) 以上多い。この増加分は、プーチン氏が怒りを込めて報復した数とみて間違いない。 ロシアの報復としての攻撃の分は、約 600 ということになる。 ウクライナは、5,000 機のうち 50% を機関砲やミサイルなどで破壊、37% を電子線などで無力化、13% 約 644 機を撃ち漏らした。 6 月の撃ち漏らしの数は、前月の 5 月、795 機よりも約 150 機少ない。

    ロシアは報復のために、自爆型無人機の攻撃数を約 600 機増加させたものの、ウクライナの撃ち漏らし数は前月よりも 150 機少なく、その分、被害は少なかったのである。 同時で多数の無人機攻撃、ミサイル攻撃への対処は難しい。 無人機の攻撃数が多いと、ミサイル攻撃を撃ち漏らすことが増える。 だが、ウクライナはこのような複雑な攻撃を受けても、これまでは効率的に対処してきている。

  5. ロシア無人機攻撃、今後の予測

    ロシアは 6 月、保管しているものも含め使用可能な無人機を多数使用した。 今後は、イランからの部品供給がなくなる。 その分、中国が穴埋めをすることになる。 ウクライナはミサイルに使用される部品を製造している工場、ミサイル製造工場を長距離自爆型無人機で攻撃して破壊している。 その成果は、じわりじわりと出てくるだろう。 実際、無人機製造工場の一部が自爆型無人機で破壊されたため、今年 4 月、ロシアの無人機攻撃は急激に少なくなった。 3 月に約 4,000 機だったものが、翌月の 4 月には 2,500 機まで減少したのだ。

  6. ロシアの報復攻撃は成果があったのか

    プーチン大統領は、蜘蛛の巣作戦への怒りで、ミサイル等の攻撃数を増加させた。 ミサイル攻撃、無人機攻撃でウクライナ国内、特にキーウを攻撃した。 キーウ市内がミサイル等攻撃により、燃えている映像を見ると、ロシアの報復攻撃に成果があったと思っただろう。 だが、「プーチン大統領が怒りを込めて行った報復に成果があったのか」と聞かれれば、私はそうではないと評価する。 プーチン大統領は、報復のためにできる限り多くのミサイル等をかき集め、全力でウクライナに撃ち込んだ。 その結果は前述のとおりであった。

    ロシアは今後、ミサイル等の攻撃を増加させることができるのか。 ミサイルや自爆型無人機の生産数が減少する要因は徐々に増えているが、増加させられる可能性はほとんどない。 生産数をこれ以上増やすことは難しいだろう。 ウクライナは、引き続きロシア領内への無人機攻撃を増加させ、ロシアにダメージを与えるべきだ。

  7. 苦境のロシアに米国が助け舟?

    今後、ウクライナにとって不安材料がある。 ロシアが苦境に近づくと、米国はウクライナへの兵器供与を止めたり削減したりする傾向があるからだ。 かつて、ウクライナが反転攻勢に出たときに、ウクライナは十分な成果を出せなかった。 米国がウクライナへの兵器供与を止め、遅らせたからだ。 今回も、ロシアの苦境に合わせ、ウクライナへの軍事支援停止が行われているように感じてならない。 今回も米国の国防長官など数名の判断でウクライナへの兵器支援をストップさせた。 私は、ロシア軍を苦境に追い込み戦闘継続不能にすることこそが、プーチン大統領に戦争を停止させる唯一の方法だと考えている。 (西村金一、JBpress = 7-9-25)


トランプ氏、ウクライナに追加の兵器供与へ 「自衛する必要がある」

トランプ米大統領は 7 日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して、追加の兵器を供給する考えを示した。 「彼らは自分たちを守る必要がある。 (ロシアから)激しい攻撃を受けており、我々は追加の兵器を送らなければならない。」と述べた。 米国防総省が 2 日にウクライナへの一部兵器の供給を停止したと明らかにするなど、トランプ政権による支援の先行きが不透明になっていた。 トランプ氏は 7 日、ホワイトハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談した際に記者からの質問に答えた。 ウクライナ情勢について「(ロシアの攻撃で)多くの人が混乱の中で命を落としている」と述べ、主に防衛のための兵器を送ることになると説明した。

米国防総省や米メディアによると、米政府は備蓄不足への懸念や、防衛面での政権の優先事項と供給状況が合致するかを見直すため、防空ミサイルシステム「パトリオット」用のミサイルなどの兵器の供給を停止した。 一方、トランプ氏は 4 日のウクライナのゼレンスキー大統領との電話協議で、防空面で支援する意向を伝えていた。 (ワシントン・松井聡、mainichi = 7-8-25)


「ロシアがウクライナの原発で拷問」 職員を殴打 NGO が発表

ウクライナ侵攻を続けるロシアの戦争犯罪を調査しているウクライナの NGO 「トゥルース・ハウンズ」などが 7 日、東京都港区のウクライナ大使館で記者会見を開いた。 ロシアの占領下にある中南部のザポリージャ原発で、職員に対する拷問が行われていると訴えた。 トゥルース・ハウンズは米国の国際非営利団体と協力し、ロシアによる戦争犯罪の調査や証拠の収集などを進めてきた。 職員への拷問については、被害者や目撃者ら 40 人から話を聞くなどして情報を集めたという。

ロマン・コワリ調査部門責任者によると、2022 年にロシアがザポリージャ原発を占領して以来、ロシア側の指示を拒んだ職員らへの拷問が続いているとしている。 殴打や電気ショックなどによる身体的被害や、精神的被害が確認された。 拷問を受けて亡くなった職員もいたという。 ザポリージャ原発をめぐっては、国際原子力機関 (IAEA) が 4 日、外部からの電力供給が一時的に失われたと発表するなど、不安定な状況が続いている。 職員への拷問を受け、コワリ氏は「原子力の安全に対する大きなリスクが生じている」とした。

トゥルース・ハウンズによると、ロシアの国営原子力企業ロスアトムがザポリージャ原発の再稼働を目指しているという。 コワリ氏は「私たちが調査した事実は、ロスアトムにも人権侵害の責任があることを示している。 同社は信頼できないパートナーであり、安全は確保できない」と強調した。 (渡辺七海、asahi = 7-7-25)


米ウクライナ首脳、電話協議 武器の共同生産や防空態勢強化を議論

ロシアの全面侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は 4 日、トランプ米大統領と電話で協議した。 ゼレンスキー氏の SNS 投稿によると、ウクライナの防空態勢強化のために協力することで合意し、武器の共同生産についても「詳細な議論」をしたという。 両者の対話は、北大西洋条約機構 (NATO) の首脳会議に合わせてオランダ・ハーグで会談した 6 月 25 日以来。 ゼレンスキー氏によると、「とても重要かつ実りのある会話」となった。

米国防総省や米メディアによると、米国からウクライナに対する防空システムなど一部の兵器の輸送が止まっている。 ただ、ゼレンスキー氏は「防空強化のために協力していくことで合意した」と強調。 今後、代表団が会合するという。 また、話は防衛産業についても及んだといい、ゼレンスキー氏は、米ウクライナの両政府が関与する「直接プロジェクト」の準備ができていると表明した。 「これは安全保障上、特にドローン(無人機)や関連技術においては重要になる」と主張。 3 年半近い実戦経験を踏まえたウクライナのドローン技術は、米国にとっても意義があることを示唆した。

トランプ氏は 3 日、ロシアのプーチン大統領と電話で協議。 「まったく進展がなかった」、「彼(プーチン氏)は戦争を止めようとは考えていないと思う」と不満を漏らしていた。 一方、対ロ制裁の強化に踏み切る気配はなく、事実上ロシア次第となっている停戦の機運はしぼんだままだ。 (リビウ・藤原学思、asahi = 7-5-25)


即時停戦拒否したロシア、過去最大規模の攻撃 … ウクライナ外相「プーチンの米国無視は明白」

ウクライナ空軍によると、ロシア軍は 3 日夜 - 4 日未明、無人機 539 機、ミサイル 11 発でウクライナ各地を攻撃した。 米 CNN によると、一度の攻撃としては過去最大規模だという。 プーチン大統領が 3 日の米国のトランプ大統領との電話会談で即時停戦を拒否したロシアは、攻撃の手を緩めていない。 ウクライナ空軍によると、 9 割近い無人機 476 機は撃墜か無力化に成功したが、ミサイルの撃墜は 2 発にとどまった。 ロイター通信によると、首都キーウで少なくとも 23 人が負傷した。

ニュースサイト「ウクライナ・プラウダ」によると、3 日には中部ポルタワで 2 人が死亡、59 人が負傷した。 ウクライナのアンドリー・シビハ外相は「プーチンが戦争終結を求める米国を無視しているのは明白だ」と SNS で攻撃を非難した。 一方、露国防省は 3 日、露海軍副司令官のミハイル・グドコフ少将 (42) が 2 日、露西部クルスク州のウクライナ国境近くで任務中に殺害されたと発表した。 グドコフ氏は、高機動ロケット砲システム「HIMARS (ハイマース)」を使ったウクライナの攻撃によって死亡したという。

ロイターによると、グドコフ氏は今年 2 月、プーチン氏から最高位の軍事勲章を授与された。 2022 年 2 月のウクライナに対する侵略開始以来、死亡した露軍将校は、ウクライナの情報機関「保安局 (SBU)」に殺害された事例も含め少なくとも 11 人となった。 (yomiuri = 7-4-25)


「米国なしでは厳しい …」ウクライナ、米の "予告なし" 武器供給ストップに困惑
 バイデン時代の約束守られず

米国がバイデン前政権で約束した武器支援を中止したことに対し、ウクライナは困惑を隠せずにいる。 AFP・ロイター通信によると、ウクライナ外務省はこの日、駐ウクライナ米大使館公使のジョン・ギンカル氏を召喚し、「ウクライナへの防衛能力支援を遅らせることは、侵略者に戦争継続を促すことになると強調した」と明らかにした。 ウクライナ国防省も声明を発表し、「承認済みの防衛支援出荷スケジュールの中止や変更に関する公式通知は一切受けていない」とし、「詳細確認のため米国側との電話協議を要請した」と述べた。

これは米国とウクライナの間で武器支援中止に関する事前の意思疎通がなかったことを示唆している。 国防省は「ウクライナへの継続的支援と侵略国への持続的な共同圧力を通じて、戦争終結への道が開かれる」と強調した。 これに先立ち、ロイター通信などは、米国が武器在庫の減少を懸念し、ウクライナへの防空ミサイルや精密誘導弾など一部武器の出荷を中止したと報じた。 その後、ホワイトハウスは具体的な措置内容は説明しなかったものの、中止の事実を認めた。 バイデン政権時、米国はウクライナに 430 億ドル(約 6 兆 1,784 億 3,221 万円)の武器を含む 1,000 億ドル(約 14 兆 3,590 億円)相当の支援を承認していた。

最近、ロシアがミサイルとドローンをウクライナ全土の都市に向けて継続的に発射しており、ウクライナは防空網支援を切実に訴えている。 あるウクライナ高官は AFP 通信に「現在、米国の武器供給に大きく依存している。 欧州は最善を尽くしているが、米国の弾薬なしでは厳しい。」と懸念を示した。 (有馬侑之介、江南タイムズ = 7-3-25)


【ロシア本土が戦場化】 ウクライナ軍、ロシア空軍基地を急襲 Su-34 戦闘機 4 機撃破

ウクライナ軍当局は 27 日(現地時間)、ロシア中部ボルゴグラード地域の空軍基地でロシアの戦闘機4機を攻撃したと発表した。 ロイターによると、ウクライナ軍はこの日、国境から約 900km 離れたロシアのボルゴグラード市郊外にあるマリノフカ基地で、スホーイ(Su)-34 戦闘機 4 機を撃破したという。 軍当局は、この作戦がウクライナ軍の特殊作戦部隊と保安局 (SBU) などとの協力で実施されたと明らかにした。 ロシア側は即座に反応を示さなかった。

ウクライナは最近、ロシア国内の軍事目標や産業・エネルギー施設などを標的とした長距離作戦を複数回遂行している。 1 日には、数千km 離れたロシア本土の空軍基地 4 か所をドローンで攻撃し、超音速可変翼戦略爆撃機のツポレフ (Tu)-160 を含む 40 機以上のロシア軍用機、約 70 億ドル(約 1 兆円)相当を撃破したと主張している。 (望月博樹、江南タイムズ = 6-30-25)


一晩にロシアのドローン 477 機 ウクライナで過去最多の飛来を記録

ロシア軍は 28 日夜から 29 日朝にかけて、ウクライナ各地を攻撃した。 ウクライナ空軍によると、ミサイル 60 発、ドローン(無人機) 477 機が使われ、2022 年 2 月に全面侵攻が始まって以来、一晩の飛来数としては最多となった。 ゼレンスキー大統領によると、撃墜任務に当たっていた F16 の操縦士、マクシム・ウスティメンコさんが犠牲になった。 ゼレンスキー氏は「彼はきょう、七つの空中目標を破壊した」と弔意を示すとともに、死亡した原因の調査を指示した。

空軍はミサイル 34 発を撃墜したほか、弾頭のない「おとり機」を含めてドローン計436 機を制圧した。 ただ、すべては防ぎきれず、中部チェルカーシ州スミラでは 9 階建ての集合住宅 3 棟や国立大学のキャンパスが被害を受けた。 これまでに、子ども 1 人を含む 6 人の負傷が確認されたという。 (リビウ・藤原学思、asahi = 6-29-25)


ロシア、要衝ポクロウスク付近に兵員 11 万人集結 ウクライナ軍総司令官

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は 27 日、ロシアが東部の戦略的要衝ポクロウスクを奪取するため、付近に兵員 11 万人を集結させていると明らかにした。 シルスキー氏によると、ポクロウスク周辺はウクライナ東部に伸びる 1,200 キロの前線の中でも「最激戦地」に位置づけられる。 ロシア軍は 1 年近くポクロウスクの奪取を試み、執ように攻勢を繰り返してきた。 だが、ロシアは兵員や兵器の数の点で明らかに優位に立っているものの、今のところ制圧には至っていない。

ポクロウスクはロシア政府の戦略目標で、ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部ドネツク、ルハンスク両州の全域を掌握することが目標だと明確にしている。両州は部分的にロシア軍の占領下にある。 ウクライナ政府や支援国からは、プーチン氏はロシア軍によるウクライナ領のさらなる奪取を可能にするため、和平交渉を停滞させていると非難する声が出ている。

ポクロウスクは大都市ではないが、この地域の軍事拠点を結ぶ重要な補給道路や鉄道に沿って位置する。 コスチャンティニウカ、クラマトルスク、スロビャンスクとともに、ポクロウスクはドネツク州のウクライナ支配地域における防衛の要をなす。 開戦前のポクロウスクには約 6 万人が暮らしていたが、ロシアが 2022 年 2 月に全面侵攻を始めて以降、3 年間で大半の住民が去った。 (CNN = 6-28-25)


ウクライナ軍、ロシア防衛の要・ドローン工場を精密攻撃! 戦力に深刻打撃か

ウクライナ戦争でロシア軍の戦力の大部分を占めてきたドローンの主要生産工場が、ウクライナの空爆により被害を受けた。 ウクライナ国家安全保障国防委員会傘下の偽情報対策センターの所長、アンドリー・コバレンコ氏は 25 日(現地時間)、「前日、ロシア南西部ロストフ州タガンログの軍需産業団地の重要拠点で爆発が発生した」と発表した。

攻撃を受けたタガンログは、ロシアの主要防衛施設が集中する産業都市だ。同地のドローン工場では、ロシアが開発した中高度・長時間滞空型のオリオンドローンをはじめ、戦闘ドローンの主要部品や一人称視点 (FPV) 攻撃ドローン、ドローン制御用の電子戦システムなどが生産されているとされる。 24 日、ウクライナ軍はロシア各地を標的としたドローン攻撃を実施。 攻撃対象にはウクライナ国境に近いロストフ州タガンログも含まれていた。 公開された映像では、タガンログの施設で大規模な爆発とともに火柱が上がる様子が確認できる。 別の映像では、タガンログの暗い夜空を横切る攻撃用ドローンとみられる物体が映っている。

ロストフ州のユーリー・スリュサール知事はテレグラムで、タガンログでの被害を認め、「住宅 2 棟とスポーツ施設 1 棟、学校 1 棟が被害を受けた」と述べたが、ドローン工場での爆発については言及しなかった。 ロシア当局は、ウクライナ東部と国境を接するロストフを含む複数の地域で、夜間にウクライナのドローン攻撃が相次いだと発表した。 ロシア国防省は「クリミア半島を含む複数の地域でウクライナのドローン 40 機を撃墜し、ロストフ地域でも 7 機を撃墜した」と伝えた。

2022 年 2 月 24 日のロシアによるウクライナ侵攻で始まったこの戦争で、ドローンは現代戦の必須兵器としての地位を確立した。 戦争初期、ロシアはイランから供給されたシャヘドドローンを投入し、ウクライナで多くの犠牲者を出した。 3 年以上続く戦争で、ドローンは両国にとって心臓や手足のような役割を果たしてきた。 ウクライナはこれに触発され、後れを取りながらもドローン開発に乗り出した。 現在ウクライナは、最大 3kg の弾頭を搭載可能で、米国のスイッチブレード 300 の 5 倍の威力を持つ FPV 自爆ドローンや、ジェットエンジンを搭載したドローン(パリャニチア)などを保有している。

同時にウクライナは、ロシア国内でのドローン生産を阻止し、軍事インフラを弱体化させるため、ロシア本土の主要軍事施設などを精密に狙った攻撃を継続している。 (望月博樹 、江南タイムズ = 6-27-25)


ウクライナ・ドニプロにロシアの弾道ミサイル直撃
 死傷者数百人、ゼレンスキー「プーチンは和平の意思ゼロ」

最大規模被害

ロシア軍がウクライナの都市部に向けて弾道ミサイルを発射し、民間人多数が犠牲となった。 24 日(現地時間)、『AP 通信』によると、ウクライナ南東部の都市ドニプロが直撃を受け、少なくとも 15 人が死亡。 前日には首都キーウの集合住宅が攻撃され、9 人が命を落とした。 さらに、スミ、ヘルソン、ドネツク、オデーサなど全国各地でも空爆が相次ぎ、少なくとも 20 人の死亡が確認されている。 ドニプロのボリス・フィラトフ市長は「全面戦争が始まって以来、最大規模の被害だ」と述べ、学校や病院、市庁舎など 50 棟以上が破壊されたと明らかにした。 死傷者があまりに多く、救急車の対応が追いつかない状況だという。

現地当局によれば、負傷者は 170 人以上に達し、うち約 100 人が現在も病院で治療中。 500 人が乗っていた旅客列車も損傷を受け、市内の建物では 2,000 枚を超える窓ガラスが粉々になった。 この日、ウクライナのゼレンスキー大統領はオランダ・ハーグで開催された NATO 首脳会議に出席し、欧州各国の首脳と会談後、オランダ議会で演説を行った。 ゼレンスキー大統領は「プーチンには戦争を終わらせる意思がまったくない。 アメリカを含む複数の国が和平案を提示したが、ロシアはすべて拒否した」と語り、「彼は人を殺さなければ生き延びられないと信じており、この戦争を自身の政治的生存に結びつけている」と強く非難した。

ロシア、ウクライナ、第三国による和平交渉は現在ほぼ停止しており、ロシア側はウクライナの事実上の降伏に近い条件を固持したままだ。 イギリスのジョン・ヒーリー国防相は会議の場で「世界の注目は現在、中東に集まりつつあるが、ウクライナを忘れてはならない」と強調。 「プーチンは西側の関心が離れるのを狙っているが、NATO はそれを許さない」と述べ、支援継続の必要性を訴えた。 (望月博樹、江南タイムズ = 6-26-25)


トランプ氏「プーチンは難しい相手だ、他の戦争よりも」 … ウクライナへパトリオットの売却を検討

【ハーグ = 蒔田一彦】 米国のトランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 25 日、オランダ・ハーグで会談し、ウクライナの防空能力の強化を巡り欧州を交えて協議を続けることで合意した。 トランプ氏は会談後の記者会見で、地対空ミサイルシステム「パトリオット」の売却を検討する考えを示した。 会談は北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議に合わせて行われた。 ウクライナはパトリオットの追加配備のため、米国から購入したい意向を伝えており、トランプ氏は記者会見で「提供できるかどうか検討する」と述べた。

トランプ氏はまた、「プーチン(露大統領)は難しい相手だ。 他の戦争よりも難しい。」と語り、自身が仲介するロシアとウクライナの和平交渉が難航していることを認めた。 停戦実現に向けて近くプーチン氏と協議するとも述べた。 米国が軍事支援や和平交渉の仲介から手を引くことを危惧するゼレンスキー氏にとっては、トランプ氏から関与継続の約束を引き出した形だ。 ゼレンスキー氏はその後、英独仏伊、ポーランドの 5 か国の首脳とも会談し、エネルギーや金融分野などを対象にした対露追加制裁について協議した。 (yomiuri = 6-26-25)


ウクライナ軍、クルスク州でロシア兵 1 万人と戦闘 = 司令官

[キーウ] ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー司令官は、ロシアのクルスク州でウクライナ軍がロシア兵約 1 万人と戦闘を行っており、同州の約 90 平方キロメートルをウクライナが支配していると述べた。 シルスキー氏の事務所が 22 日に公表した声明で、同氏は「われわれはロシア連邦のクルスク地方フルシュコフ地区の約 90 平方キロメートルを支配しており、これは敵の攻撃の可能性に対応するための先制行動だ」と語った。 詳細には言及しなかった。

ウクライナ軍は、この地域での活動により、ロシアがウクライナ東部ドネツク州に相当数の部隊を派遣するのを阻止したとしている。 また、シルスキー司令官が率いる部隊は約 1,200 キロに及ぶ前線でロシア軍を撃退しているが、状況は依然として厳しいという。 (Reuters = 6-23-25)


ロシア、一晩でドローン 352 機とミサイル 16 発を発射 ゼレンスキー氏

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は 23 日、ロシアが夜間、ウクライナに対してドローン 352 機とミサイル 16 発を発射し、首都キーウとその郊外で少なくとも 7 人が死亡したと発表した。 「一晩で(イラン製の)シャヘド 159 機を含む計 352 機のドローンと、ミサイル 16 発が発射された。 初期報告によると、北朝鮮製の弾道兵器も使用された可能性がある」とソーシャルメディアに投稿した。

首都キーウの軍政当局トップは「首都に対する新たな大規模攻撃があった。 敵無人機による複数の波状攻撃の可能性がある」と述べた。 今回の攻撃の前日には、ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー総司令官がロシアへの攻撃を強化すると表明し、「防御に徹していても何も得られず、最終的には後退し、人員や領土を失うことになる」と AFP などの記者団に語っていた。 (AFP/時事 = 6-23-25)


ウクライナ北東部の州都を占領も プーチン氏が主張、圧力強化狙いか

ロシアのプーチン大統領は 20 日、ウクライナ北東部スーミ州の州都スーミを占領する可能性があるとの考えを示した。 事実上の降伏を迫っているウクライナに対する圧力を、さらに強める意図があるとみられる。 プーチン氏はこの日、ロシア西部サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラムで、参加者と討論した。 侵攻を続けるウクライナでの戦況に触れる中で、スーミ州でのロシア軍支配地は「深さ 10 - 12 キロ」に及ぶと主張した。 その上で「その先はスーミ、州都だ」と指摘。 「スーミを奪うという任務は我々にはないが、原則としてそれを排除はしない」と述べた。

「ウクライナ全体が私たちのもの」

同州は、ウクライナ軍が越境攻撃を仕掛けたロシア南西部クルスク州に隣接する。 ロシア軍は、スーミ州の広い範囲を支配することでウクライナ軍の侵入を防ぐ「緩衝地帯」を設けると主張しており、先月以降、攻勢を強めていた。 ロシアは今月 2 日、トルコで開かれたウクライナとの直接協議で、停戦の条件を記した覚書を提示。 一方的に併合を宣言したウクライナ東部・南部 4 州からウクライナ軍が完全に撤退することなどを突きつけている。

また、プーチン氏はこの日のフォーラムで、ロシアが進軍する範囲について司会者から問われ、「ロシア人とウクライナ人は一つの民族だ」と強調。 「その意味では、ウクライナ全体が私たちのものだ」との持論を展開した。 (asahi = 6-21-25)


プーチンがドイツに露骨脅迫 「タウルスミサイル供与なら完全破綻」 … 射程 500km 超の精密兵器にロシアが戦々恐々

19 日(現地時間) AFP 通信などによると、プーチン大統領はこの日、ロシア第 2 の都市サンクトペテルブルクで海外メディア記者と一問一答を行ったという。 その場でプーチン大統領は「ドイツがウクライナに長距離タウルスミサイルを供与すれば、ロシア・ドイツ関係は完全に破綻する」と述べた。 これは明らかにドイツへの脅迫だ。 ただしプーチン大統領は「たとえウクライナがタウルスミサイルを保有しても、ロシア軍の攻勢には何の影響も及ぼさない」とし、「そんなことはあり得ない」と付け加えた。 タウルスミサイルがロシア・ウクライナ戦争の「ゲームチェンジャー」になり得るという一部の見方を否定したことになる。

タウルスミサイルは射程が長く、精度が高いため、ウクライナ軍がこの兵器でロシア本土を攻撃した場合、甚大な被害が避けられないと予想される。 軍事専門家らは、ロシア軍の地下壕も破壊可能だとみている。 そのため、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は 2022 年のロシア侵攻以降、一貫してドイツ政府にタウルスミサイルの支援を要請している。 2023 年 10 月、ドイツのオラフ・ショルツ首相(当時)は「当面、ウクライナにタウルスミサイルを供給する計画はない」と明言した。 これは対ロ関係の急激な悪化を懸念してのことだとの見方が大勢を占めていた。

ショルツ前政権下で野党だったキリスト教民主同盟 (CDU)・キリスト教社会同盟 (CSU) は「ウクライナにタウルスミサイルを引き渡すべきだ」と主張していた。 今年に入り CDU・CSU 連合が総選挙で勝利し、フリードリヒ・メルツ首相率いる新内閣が発足したが、タウルスミサイルの供与は実現していない。 最近キーウを訪問しゼレンスキー大統領と会談したドイツのボリス・ピストリウス国防相は、タウルスミサイルのウクライナ提供について「検討していない」と述べ、前政権と同じ立場を示した。 ドイツ新政権も対ロ関係悪化に負担を感じているとみられる。

その代わりにドイツは、長距離巡航ミサイルやドローン、ロケットなどをウクライナと共同生産する案を提示した。 ウクライナが自国領内のロシア侵攻軍を攻撃することはもちろん、ロシア本土の重要施設を攻撃することも積極的に支援する意向を示したのである。 (荒巻俊、江南タイムズ = 6-19-25)


キーウにロシアの大規模攻撃、15 人が死亡 今年最悪の人的被害

キーウに 17 日未明、ロシア軍の攻撃があった。 クリメンコ内相によると、同日昼までに 15 人の死亡と、124 人の負傷が確認されたという。 首都の人的被害としては、今年最悪となった。 現地ではがれきを撤去して生存者を捜す救出作業が続いており、死傷者は増える可能性がある。

ゼレンスキー大統領は「プーチン(ロシア大統領)は戦争を続けたい。 この世界で力を持っている者が、この行為に目を閉じるのは間違っている。」と指摘した。 ウクライナ空軍によると、ロシア軍は 16 日夜からおとり機を含めて 440 機のドローン(無人機)と 32 発のミサイルを発射。 非常事態庁によると、キーウでは 9 階建ての建物にミサイルが直撃した。 また、南部オデーサでは 1 人が死亡し、10 人が負傷したという。 (ロンドン・藤原学思、asahi = 6-17-25)


ウクライナとロシアが捕虜交換を実施、戦争のほぼ全期間捕虜だった兵士も

ウクライナとロシアの間で 9 日、新たな捕虜交換が始まった。 両国の当局者が明らかにした。 帰還者の中には戦争のほぼ全ての期間を捕虜として過ごしたウクライナ兵も含まれる。 捕虜の交換については、先週トルコで行われた交渉の中で合意に達していた。 25 歳未満や重傷者が対象となっている。 ウクライナのゼレンスキー大統領が SNS で明らかにした。 捕虜交換をめぐっては、ロシア政府が週末に、ウクライナ側が遅らせていると非難していた。 ウクライナはそうした主張を否定した。

ゼレンスキー氏は「我が国民が故郷に帰った」と投稿した。 「ウクライナ国民はロシアの監禁から家に戻りつつある。 交換は今日始まり、今後数日にわたり継続される。」 ウクライナの捕虜問題調整本部によれば、解放されたウクライナ人の中には、戦争が始まった最初の数週間でロシア軍の残忍な攻撃の対象となったマリウポリ市を防衛していた兵士も含まれている。 ウクライナの人権問題を担当する委員によれば、解放される人たちの大半は 2022 年から拘束されていた。 ロシア国防省も捕虜の交換が行われていることを確認した。 国防省によれば、ロシアの兵士は現在、ベラルーシに滞在しており必要な医療などの支援を受けている。

和平交渉でロシア側の代表団を率いるウラジーミル・メジンスキー氏は先週、今回の捕虜交換は 4 年目に突入した戦争が始まって以降で最大規模になるとの見通しを示していた。 ロシアは戦死したウクライナ兵士 6,000 人以上の遺体のほか負傷した兵士も移送するとしていた。 (CNN = 6-10-25)


ハルキウで 3 人死亡、21 人負傷 ロシア軍、2 夜連続の大規模攻撃

ウクライナ第 2 の都市、ハルキウで 7 日未明、ロシア軍による大規模な攻撃があった。 警察によると、3 人が死亡したほか、生後 1 カ月半の男児を含む 21 人が負傷したという。 ウクライナ空軍によると、ロシア軍は 6 日夜から 7 日朝にかけて、おとり機を含めて 206 機のドローン(無人機)と 9 発のミサイルを発射。 前夜にもドローン 407 機とミサイル 45 発を使用しており、2 夜連続の大規模攻撃となった。

ハルキウ州のシネフボウ知事によると、7 日未明の攻撃はハルキウのほか周辺の 7 集落に及び、同州だけで 50 機以上のドローンが使われた。 ウクライナ外務省は X (旧ツイッター)で、午前 3 時から 2 時間にわたって爆発音が響いたと指摘。 対ロ制裁とウクライナの防衛能力の強化の必要性を改めて訴えた。 (ロンドン・藤原学思、asahi = 6-7-25)


ロシア 452 機攻撃にウクライナが空軍基地 3 拠点で反撃、「軍事インフラ攻撃は侵攻停止まで継続」と宣言

ウクライナ軍、露空軍基地など 3 拠点を攻撃「成功した」

ウクライナによるドローン奇襲で多数の軍用機が破壊され、国際的に面目を失ったロシアが「報復」を宣言し、ウクライナ全土への空爆を激化させている。 dpa 通信および AP 通信によれば、6 日(現地時間)、ロシアはドローンと巡航ミサイルを用いた攻撃を実施し、ウクライナ各地で死傷者が相次いでいる。 キーウのビタリ・クリチコ市長は、前夜のロシアの攻撃により市内で少なくとも 4 人が死亡、20 人が負傷したと明らかにした。 クリチコ市長はテレグラム上で「複数箇所で捜索および救助活動が続いている」と付け加えた。

キーウ軍事・行政当局の責任者ティムール・トカチェンコ氏は、キーウで複数の爆発音が聞こえたとし、防空システムがドローンやミサイルを迎撃する過程で発生した破片が各地に落下して火災が発生したと述べた。 キーウのソロミャンスキー地区では 16 階建て集合住宅の 11 階部分が炎上し、救助隊が住民の避難誘導を行っている。 さらに、同地区内の金属倉庫でも火災が発生したとされる。 また、キーウ地下鉄の線路が損傷を受けたが、火災や人的被害は報告されていないという。

北西部ルツクでもロシアの攻撃により少なくとも 5 人が負傷した。 ルツクのイーホル・ポリシュク市長によれば、ロシア軍は同市に対してドローン 15 機とミサイル 6 発を発射し、集合住宅や車両、企業・政府施設が被害を受けたと報告された。 北部チェルニヒウでは、イラン製とみられる「シャヘド」ドローンが集合住宅付近で爆発したと当局が発表している。 一方、今回のロシア側の攻撃が、ウクライナによる奇襲的ドローン攻撃への直接的な報復であるかどうかについては不明であると dpa は伝えている。

ウクライナは今月 1 日、ロシア本土にある複数の空軍基地へ大量のドローンを飛ばし、軍用機数十機を破壊するという大規模な作戦を展開した。 ウクライナ側は当時の攻撃でロシアの軍用機 40 機以上を無力化し、被害総額は約 70 億ドル(約 1 兆 0,600 億円)に達すると主張している。 ロシアによる軍事圧力の激化を受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は X (旧ツイッター)上で「ロシアの本質は変わっていない。 今回も都市と民間人に対する大規模攻撃が行われた。」と非難し、「この攻撃では 400 機以上のドローンと 40 発以上のミサイルが使用された」と明らかにした。

ゼレンスキー大統領はさらに、「今こそ米国、欧州、そして国際社会が一致してロシアに圧力を加えるべき時である。 もしその圧力を怠り、戦争がさらなる犠牲を生むことを容認するなら、それは共犯であり責任を問われるべきだ。」と訴えた。 ウクライナ軍は同日、ロシア軍が発射したドローンおよびミサイル 452 機のうち、406 機の撃墜に成功したと発表した。 また、ロシア領内のサラトフ州にあるエンゲリス空軍基地とリャザン州のジャギレヴォ空軍基地に対しても空爆を実施し、「成功裏に終了した」と伝えている。 (有馬侑之介、江南タイムズ = 6-7-25)

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