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東京 23 区の中古「億ション」 10 年で 16 倍 港・千代田で半数以上 東京 23 区の中古マンションのうち、価格が 1 億円を超える「億ション」の割合が 10 年間で 16 倍になったことが、不動産情報サイトを運営する「LIFULL (ライフル)」の調査でわかった。 港区と千代田区では、中古の半数以上が億ションで、新築マンションの高騰熱が中古に波及しているとみられる。 同社が運営するサイト「LIFULL HOME'S」に掲載された中古マンションを分析した。 億ションは 2015 年は 1%、20 年は 3% だったが、25 年は 1 - 6 月分で 16% となり、10 年前の 16 倍に急増。 7 戸に 1 戸となった。 区別でみると、最多の港区 (55%) と 2 番目の千代田区 (51%) は半数以上が億ション。 次いで中央区 (45%) だった。 一方、杉並区や大田区など下位 10 区は 5% 以下、足立区は 0% で、区部でも特に都心部の中古マンションが高騰していることをうかがわせた。 ライフルホームズ総研の中山登志朗副所長は「新築マンション価格は今後も上昇する前提で、中古の億ションの割合もさらに高まる」とみている。 (木佐貫将司、asahi = 8-31-25) 東京都心、10 日連続の猛暑日に 2022 年の 9 日間を超え過去最長 東京都心は 27 日も厳しい暑さが続いた。 気象庁によると、午前 10 時 42 分に 35.3 度に達し、35 度以上の猛暑日を今月 18 日から 10 日連続で記録した。 2022 年 6 月 25 日 - 7 月 3 日の 9 日間を抜いて、過去最長になった。 年間の猛暑日の日数も 23 日となり、23 年の最多記録(22 日)を更新した。 気象庁によると、日本列島は広い範囲で高気圧に覆われて、強い日差しが地上に届きやすくなっている。 都心でも今月 18 日に 37.0 度、24 日に 37.3 度に達するなど、高い気温で推移している。 (力丸祥子、asahi = 8-27-25) デマと差別が蔓延する社会に「NO」 1 千人超が新宿駅前でアピール 7 月の参院選で外国人や海外にルーツを持つ人々への差別的な言動が広がったことを受け、弁護士らが 1 日夜、東京・新宿駅前で、「デマと差別が蔓延する社会を許しません」などと訴える街頭アピールを行った。 呼びかけ人には、弁護士の太田啓子氏や指宿昭一氏、畠山澄子・ピースボート共同代表、音楽プロデューサーの松尾潔氏、作家の村山由佳氏ら 12 人が名前を連ねた。 新宿駅前の広場には、主催者発表で千人以上の人が集まった。 音楽プロデューサーの沖野修也氏は「一人一人がデマと差別はダメだと口にすることで、社会は一歩前進する」と訴えた。 参加した杉並区の音楽家、笠置英史さん (40) は、難民申請者の送還などを盛り込んだ入管法改正に反対するため 2 年前につくった「差別やめろ」と書かれたプラカードを掲げた。 「今も掲げなければいけないことが悔しい。」 世田谷区の 20 代の会社員女性は、仕事帰りに参加した。 性的マイノリティー (LGBTQ) の当事者で親戚には国際結婚をした人もいる。 参院選で LGBTQ や在留外国人を否定する言説を聞き、嫌な気持ちになったという。 「差別を許さないという、当たり前のことを言わないでいい社会になってほしい」と話した。 太田氏らは国会議員に対して、外国人を含むすべての人の尊厳が大切にされる社会を目指すよう求める オンライン署名 も行っている。 (山本知佳、asahi = 8-1-25) 東京メトロの霞ケ関駅と日比谷駅で冷房停止 復旧は 8 月下旬見通し 東京メトロ霞ケ関駅と日比谷駅(いずれも東京都千代田区)で冷房設備が故障し、空調が効かない状況が続いている。 復旧は 8 月下旬の見通しで、各駅に移動できる冷房機を設置し、暑さをしのいでいる。 同社によると、冷房の供給事業者の設備不良が原因で、コンコースでは 7 月 10 日から、ホームでは20日から冷房がきかなくなった。 体調不良で緊急搬送された人はいないが、駅構内の一部店舗が休業している。 対策として、千代田線日比谷駅のホームに 11 台、コンコースには 2 台の移動が出来る冷房機を設置。 今後、約 40 台を各駅やコンコースに順次設置していくという。 (狩野浩平、asahi = 7-29-25) 船から夜空へ スカイツリー眼下に 2 万発、鮮やかに 隅田川花火大会 ![]() 東京の夏の風物詩・隅田川花火大会が 26 日夜、あった。 猛暑となった都心の夜空を、2 万発の花火が彩った。 都や地元などでつくる実行委員会が主催。 浅草や東京スカイツリーに近い隅田川に浮かべた 2 隻の台船から、次々と花火が打ち上げられた。 東京スカイツリーはこの日、634 メートルの高さにちなんで「天望デッキフロア」で、634 人限定の特別営業を開催。 約 32 倍の倍率となった抽選販売で当選した人々が、眼下に広がる花火を楽しんだ。 板橋区から姉妹と訪れた末永健人さん (23) は、スカイツリーに上ったのはこの日が初めて。 「東京の景色ってこんなに広いんだと思った。 花火は下からしか見たことがなかったけど、上からでもすごくきれいで感動しました。」と喜んでいた。 人出は約 93 万人(主催者発表)で、昨年を約 2 万人上回った。 (佐野楓、asahi = 7-26-25) 千代田区、マンション転売 5 年規制を事業者に要請 東京都千代田区は 18 日、大手ディベロッパーなどで構成される不動産協会に対し、区内で投機を目的とするマンション取引の防止を要請した。 購入した物件について、引き渡しを受けてから 5 年間は転売できないとする特約の導入などを求めている。 都心のマンション価格の高騰を抑える狙いがある。 区の担当者は「区民から『賃貸マンションの価格も高すぎる』といった声が寄せられた。 きちんと住める住環境にしていきたい。」と話している。 要請の対象は「市街地再開発事業」といった再開発などの一環として、不動産事業者が販売するマンション。 区によると、原則 5 年間の転売を禁ずる特約を設けることや、マンションの複数の部屋を同一名義で購入することを禁じることを求めているという。 区は今後、マンション取引の動向を注視し、国や都に、短期で転売した場合の譲渡所得税の引き上げなども求めていくという。 (木佐貫将司、asaji = 7-18-25) ティファニー銀座が 11 日開店 巨額のビル建設を支えた幸運と信託銀 ![]() 高級宝飾ブランド・ティファニーのアジア最大の旗艦店「ティファニー銀座」が 11 日、開店する。 新ビルの開発を手がけたのは、地主である老舗不動産会社。 数百億円に上る事業を成し遂げた背景には、用地を広げられた幸運と、信託銀行による新たな資金調達の手法があった。 東京・銀座の真ん中を貫く中央通り沿いに、青いガラス張りの 13 階建てのビルが立つ。 商業施設「GINZA SIX」の正面に位置し、主要な三つの通りに面する。新たなランドマークだ。 ティファニー銀座の店舗は、地下 1 階 - 地上 4 階に入居する。 宝飾品や食器が並び、天井の一部には和紙をあしらった装飾をほどこした。 ブルーボックスカフェ、日本初上陸 4 階にはティファニーが監修する「ブルーボックスカフェ」が、米・ニューヨークや英・ロンドンに次いで、日本で初めて 8 月にオープンする。 他の階には美容外科などが入り、ビルが完成した 6 月までに全てのテナントの入居者が決まった。 外装は 2 層のガラス構造で、高層から低層までが三つに区切られている。設計した青木淳氏は「風にそよぐ三つの藤棚をイメージした。威圧的ではなく、周りとも協調できる建築をめざした」と語る。 ティファニーを想起する青を基調にしているが、ブランドカラーと同じ色ではなく、街並みとの調和を重視して水色に近い配色にしたという。 「銀座にふさわしいランドマークを」 新ビルを開発したのは、クロサワグループの黒沢不動産。 銀座に店を構えて 110 年以上の老舗だ。 自社ビルの耐震化や建て替えを模索する中、たまたま売りに出された隣の土地を 2017 年に取得した。 さらに、その隣の地主も開発に賛同してくれた。 黒沢不動産の嶋崎司社長は「この先 100年、200 年を背負う思いで、銀座にふさわしい新たなランドマークをつくりたい」と新ビル建設に乗り出した。 ノンリコースローン 数百億円の資金調達 ただ、銀座の一等地の取得や開発には数百億円の資金が要る。 銀座でのビル開発は、大手開発業者が担うのが主流だ。 黒沢不動産は実績や会社の規模の面で、巨額のお金を借りるのは簡単ではない。 それを支えたのが、みずほ信託銀行だった。 みずほ信託銀は「ノンリコースローン」という融資の手法を使った。 通常は、土地の開発者側が設けた特別目的会社 (SPC) が、担保となる不動産を譲り受け、お金を借りて開発する。 仮に事業が失敗しても、SPC に責任が限定され、開発者側の他の資産に影響が及ばない仕組みだ。 だが、黒沢不動産の銀座の土地は取得時の簿価より急騰し、SPC に売れば譲渡益が課税されると考えられた。 そのため、みずほ信託銀は、SPC を設立せず、黒沢不動産と信託契約を結んで所有権を得るという新たな手法を使った。 返済原資はビルからの収益に限られ、他の資産には及ばない。 みずほ信託銀の梅田圭会長は、簿価の低い土地を持つ企業が開発事業をする場合、この仕組みが有効とみる。 「地方都市でも同様のニーズがある。 信託の器を使う手法は今後も発展する余地がある。」 (伊沢健司、asahi = 7-10-25) 西武池袋本店が 9 日改装開業、化粧品売り場拡大 「再び池袋の顔に」 そごう・西武は、大規模改装が続く旗艦店の西武池袋本店(東京都豊島区)で化粧品売り場を 9 日から開業する。 改装で百貨店の売り場面積が半減する中、人気が高い化粧品売り場などを強化。 「美のテーマパーク」を掲げて、国内客だけでなく、訪日客も呼び込む。 8 日に報道陣や常連客向けに内覧会を開いた。 内覧会では人気ブランドで美容部員にメイクのサポートをしてもらう女性客の姿が目立った。 今回、開業する化粧品売り場は 3 階にある。 著名な「グッチ」、「ディオール」など 47 店で、「ファンケル」、「シュウ ウエムラ」といった日本発ブランドも並ぶ。 12 月には 1 階部分も開業し、化粧品売り場の広さは合わせて改装前の 1.4 倍になる。 今後は、9 月にデパ地下、11 月以降に宝飾品や時計の売り場をオープンしていき、全面開業は 2026 年を予定する。 今回の大規模改装では、ヨドバシホールディングスが家電量販店を開くため、百貨店としての売り場面積は改装前の半分ほどになる。 百貨店としては雑貨売り場を減らす一方、化粧品とデパ地下、高級ブランドの 3 領域を強化する。 寺岡泰博店長は報道陣に「絞った 3 領域では他店を凌駕する内容とサービスで新しい姿を見せていく。 再び『池袋の顔』となっていきたい。」と抱負を語った。 (山口博敬、asahi = 7-8-25) 音楽ライブ・コンサート、強まる首都圏一極集中 アリーナ新設続き 音楽ライブ・コンサートの首都圏一極集中が強まっている。 2020 年ごろから 1 万人前後が入れる大規模アリーナの新設が相次いだことが大きい。 「推し活」の一環として遠方から公演に駆けつけるファンが増えたことや、人件費の上昇などで地方公演の採算が厳しいことなども背景にある。 二極の一つとされる関西圏も危機感を強めている。 気温 30 度超、照り返す暑さをものともせず、人波が押し寄せ続けた。 6 月 29 日午後、横浜市中心部のみなとみらい地区にある「K アリーナ横浜」。 ロックユニット B'z (ビーズ)と One Ok Rock (ワンオクロック)が共演したこの日は、開演の数時間前からライブ公式グッズの T シャツやタオルをまとい記念撮影をするファンが会場周辺にあふれた。福島県から朝やって来たという男性 (20) は、「(二つのロックユニットの)共演と聞いて行くしかないと思った。 むちゃくちゃ楽しみ。」 鹿児島市の 40 代女性は、前週末の 21、22 両日の B'z のライブに続いての横浜入り。 「また来ちゃいました。」 友人とともに会場へ急いだ。 国内の音楽ライブ・コンサート市場が拡大を続けている。 業界団体「コンサートプロモーターズ協会 (ACPC)」によると、国内で 24 年に開かれたライブ・コンサートの総売上高は前年より 981 億円増の 6,121 億円、入場者数は 306 万人増の 5,938 万人だった。 いずれも、コロナ禍の一時的な落ち込みを除き、2000 年代からほぼ右肩上がりだ。 らら、BUNTAI、ぴあ MM … 新アリーナ続々 24 年の公演数は実は前年より約 300 本少ない 3 万 4,251 本だった。 それでも入場者数が伸びたのは、20 年以降に 5 千 - 2 万人が入れる大規模アリーナが首都圏を中心に開業し、アリーナ公演で前年より 520 万人増えたことが大きいという。 23 年の 2 万人規模の K アリーナに続き、24 年には「ららアリーナ東京ベイ(千葉県船橋市、1 万人」)、「横浜 BUNTAI(横浜市、5千人」)が開業。 20 年以降に首都圏にできた「ぴあアリーナ MM」(横浜市、1 万 2 千人)、「東京ガーデンシアター(東京都江東区、8 千人)」、「有明アリーナ(同、1 万 5 千人)」を加えた 6 会場で、24 年の全国のアリーナ公演の 4 分の 1 にあたる約 640 公演が開かれた。 24 年の入場者数を都道府県別にみても、神奈川県は前年より 206 万人多い 718 万人、千葉県は 39 万人多い 241 万人となり、2 県の伸びが目立つ。 ぴあ総研の笹井裕子所長は、「アリーナ公演ができるアーティストは多く、会場不足が課題だった。 新たなアリーナでの大規模公演が増え、市場拡大が進んでいる。」と話す。 遠くからでも「推し活」で アリーナよりも大きいスタジアムでのコンサート数も増加。 入場者数を押し上げた。 音楽ジャーナリストの柴那典さんは、SNS がライブ・エンタメ市場を拡大させたと見る。 「かつてのコンサートは、音楽を聴いて『最高だった!』と言って帰るだけだった。 SNS が身近になり、コンサートに行ったことや、ファンであることを発信する『推し活』として定着した。」 同好の人とつながることも楽しみとなり、遠方からでも会場に行く動機が生まれているとみる。 「関西飛ばし」への危機感 首都圏の活況に、危機感を募らせているのが関西だ。 ACPC 関西支部会は 24 年 2 月、「関西地区のアリーナ建設計画に関する声明」を出した。 支部としての声明は初めてで、音楽ライブ・コンサートを開く大規模会場が関西圏で不足している現状を指摘した。 一極集中が進行すれば、「『大型公演の関西飛ばし』が更に加速することは間違いない」とみる。 その上で「文化的魅力が著しく低下した関西からの若者流出という負の連鎖を、全力で回避する必要がある」との認識を示した。 実際、京都、大阪、兵庫 3 府県の大規模アリーナ数は、首都圏の埼玉、千葉、東京、神奈川 4 都県の半分程度。 首都圏で新アリーナが誕生する一方、関西での大規模施設の開業は、1996 年の大阪市中央体育館(現 Asue アリーナ大阪、1 万人)を最後に、神戸市で 25 年 4 月に開業した 11万人規模の「ジーライオンアリーナ神戸」まで途絶えていた。 既存の施設も、エンタメ仕様でないことや、会場アクセスの悪さ、収容人数の少なさから敬遠する主催者は多く、公演は大阪城ホール(大阪市、1 万 6 千人)に集中。 同ホールは 24 年度、330 日稼働した。 会場数が限られるため、公演数を増やす余地は少なく、ACPC のデータで、コロナ禍前の 2019 年と 24 年の入場者数を比べると、近畿の伸び率は 4%。 関東 (36%) だけでなく、東海 (21%)、北陸信越 (17%)、九州沖縄 (12%) にも引き離されている。 人件費も重しに 会場施設面以外にも、地方公演が減っている要因がある。 公演には、機材の運搬や会場設営、音響・照明・映像などのスタッフが必要だが、人手不足が顕在化し、人件費も上がっている。 同支部会の上田博之会長によると、首都圏でアリーナ公演したアーティストが、大阪城ホールで 1 日公演し、200 人のスタッフと機材を運ぶ 11 トントラック 25 台を使用した場合、準備も含めた 2 泊 3 日の追加の経費は 3 千万円以上になりうるという。 このコストを含め採算が取れるようにしなければ公演を打てない。 地方で会場を押さえたものの、採算が取りにくいとして、開催を見送った場合もあったという。 ぴあ総研の笹井氏は、SNS や配信でファンとのつながりを持つアーティストが増え、「全国ツアーへのモチベーションが低下傾向にあることも一因」といい、首都圏一極集中の流れは今後も続くとみる。 名古屋市の名城公園内で 7 月にオープンする「IG アリーナ」をはじめ、プロスポーツチームの本拠地としても各地でアリーナの建設や開業が進むが、音楽ライブ・コンサートの公演が増え、首都圏一極集中がとまるかは未知数だ。 (野口陽、asahi = 7-6-25) アンナミラーズの店舗、3 年ぶり復活へ 南青山で 12 月上旬に開業 ![]() ホームパイなど米ペンシルベニア料理のレストラン「アンナミラーズ(アンミラ)」が、東京・南青山で復活することになった。 運営権を持つ井村屋が 20 日、青山通り沿いの商業施設で 12 月上旬に開業すると発表した。 アンミラは国内では 1973 年に 1 号店が東京・青山でオープン。 95 年には関東地方で 21 店舗を展開していた。 ただ、競合も増えていく中で店舗網を縮小し、2022 年 8 月には品川駅周辺の再開発に伴い、唯一残っていた「高輪店」が閉店した。 運営する井村屋は、その後も三重県の工場でパイやチーズケーキの製造を続け、オンラインショップや催事に合わせた臨時店舗で販売していた。 新たに出店する「南青山店」は 30 席を備え、午前 9 時から午後 9 時までの営業を予定。 出来たてのパイやケーキに加え、サンドイッチやハンバーガーなどのメニューも復活させる。 立地を生かし、テイクアウトにも力を入れる。 アンミラの雰囲気をできるだけ残すが、特色のあった店員のコスチュームのデザインは、検討中という。 (大平要、asahi = 6-20-25) 金曜日に「山手線」駅が "クラブ" になる理由 JR 高輪ゲートウェイ駅は、金曜日の夜に「クラブ」になる。 駅の構内で DJ が音楽を流す「Ekinaka Friday」と銘打ったイベントが行われているのだ。 なぜ駅で? JR 東日本が「高輪ゲートウェイでしかありえない」というこのイベントは、社長の一言から生まれていた。 駅で踊りだす人々 5 月下旬の夕方、JR 高輪ゲートウェイ駅南改札。 コンコースの上にあるテラスから、ダイアナ・ロスの名曲「I'm coming out」が響く。 天井に色とりどりのライトが輝き、改札入り口近くの広場では踊りだす人までいる。 通りすがりの人は不思議がって、音があふれ出すテラスを動画で撮影していた。 同駅では 7 月 18 日まで隔週で「Ekinaka Friday」という無料のイベントが行われている。 無料イベントと侮ることなかれ。 登場する DJ のラインアップを見ると、フィメール DJ の草分け「DJ Kaori」や「DJ Emma」、著名フェスなどでも活躍する「okadada」に「DJ Hasebe」と、一流どころが名を連ねる。 3 歳の長男と訪れていた東京都世田谷区の会社員男性 (44) は「子どもがいるとクラブに行きづらいが駅なら連れていきやすい。 電車好きな子どもも喜ぶ。」と話す。 JR 東も DJ をブッキング 「高輪ゲートウェイの構造だからこそできたイベント」 高輪ゲートウェイ駅周辺のまちづくりを担当する、JR 東日本マーケティング本部の出川智之さんは言う。 高輪ゲートウェイ駅は、コンコース部分がかなり広く、壁と天井、床との間が吹き抜けになっている。 そのため、大音量の音楽が流れていても反響しにくい。 音楽が流れていても「駅のホームでの放送はきちんと聞き取れるようにしています。」という。 イベントは高輪ゲートウェイに隣接する JR 東が直営するバー「Zero-Site」の運営会社と JR 東が共同で開いている。 Zero-Site の運営会社は、宮下パーク(渋谷)のナイトクラブ「or」も運営するなど「夜の店」の運営にたける。 出演する DJ も Zero-Site と JR 東が決めており、「ナイトクラブと違い、駅の客層は幅広い。 『今を時めく若いゴリゴリの DJ』ではなく、年齢・性別問わず、様々なお客様が気軽に参加できる DJ の方に出演依頼している」とのことだ。 本領発揮はこれから、だが … そもそも、なぜ駅で「クラブイベント」なのか 2020 年に開業した高輪ゲートウェイ駅、その周辺の再開発地区が「高輪ゲートウェイシティ」だ。 JR 東が「100 年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置付け、総事業費約 6,000 億円を投じる一大プロジェクトだが、高輪ゲートウェイ駅の乗車人員(23 年)は 1 万 1,110 人と山手線の駅の中で最も少ない。 次に少ないのが鶯谷駅(東京都台東区)で 2 万 3,234 人だから、「ぶっちぎりの最下位」だ。 というのも、高輪ゲートウェイシティの主要商業施設はまだ本格オープンしていない。 今年 3 月に一部施設が開業したが、商業施設「ニュウマン高輪」のオープンや、入居するオフィスの移転が完了するのは 2025 年 9 月を見込んでおり、今のところ「オフィスワーカーは 1,000 人もいないくらい。(出川さん)」 26 年春に予定するグランドオープン時には、1 日当たりの乗車人員を JR 大崎駅なみの「13 万人」と見込んでいる。 つまり、20 年の開業から 5 年たった高輪ゲートウェイシティが本領を発揮するのは、もう少し先のようだ。 そんな中で今年 3 月には高輪ゲートウェイシティの一部施設が開業したことを「街開き」と位置づけ、6 か月間かけて盛り上げようと考えていた。 だが …。 社長が言った「夜、閑散としていないか」 遡ること 1 年。 24 年夏に出川さんは JR 東の社長にこんなことをたずねられたという。 「街開きから商業施設が開くまでの半年、どう考えているのかね。」 「夜、閑散としてしまわないか。」 たしかに、そもそも駅に人がいない。 商業施設もないのだから、仕方がない。 夜などもっと人がいない。 だが、多額の資金を投入してきた開発事業で失敗は許されない。 出川さん本人も「主力事業でありながら、夜に閑散とする姿が想像出来てしまった」という。 すぐに「夜を考えます」と回答した。 25 年 9 月の本格オープン後は商業施設の店舗区画となる場所を使い、「夜の店作り」に着手しようと考えた。 レストランは … 難しい。 厨房のダクトや吸排気風量といった「ハード面」からできなかったし、半年のつなぎで入れるのはコストがかかりすぎる。 夜に企業の展示会を開く「ナイト・ショーケース」も考えたが、そもそも人流が多い渋谷や新宿と比べたら、企業から見て出展する魅力に欠けるだろうと思った。 「一点突破するしかない。」 高輪ゲートウェイシティのコンセプトに立ち返った。 「100 年先の心豊かなくらしのための実験場。」 "心豊か" は、ビジネスやアカデミアの世界だけではない。 事実、高輪ゲートウェイシティには 1,000 人規模のホールも開業する予定だ。 音楽やアートの魅力を発信していく場所にしようと、Zero-Site を構想した。 大きな空間に音響設備を持ち込み、アートを展示する。 軽食と酒の提供だけなら、十分に実現可能だった。 25 年 3 月にオープンした Zero-Site とそこを軸にした「Ekinaka Friday。」 出川さんによると、"夜の高輪ゲートウェイ" には「想定よりも多くの方にご来場いただいている」とのこと。 Zero-Site も「週末には 100 万円くらい売り上げればいいなと思っていたが、300 万円は売り上げている」といい、人流が少ない平日と合わせても「目標は超えている。」 駅の周知には、一役買っているようだ。 一方で、この Zero-Site も本格的に高輪ゲートウェイシティが開業する前のつなぎであることに変わりはない。 7 月末には閉店し、ニュウマン高輪の店舗区画として整備される見通しだ。 レガシーは残る。「Ekinaka Friday」が行われていたテラスでの音楽イベントは今後も行う予定だ。 というのもスピーカーや照明は台車で出し入れしている仕組みで、「簡単にパーティー会場に変えられる仕組みにしている」というからだ。 すでに 3、4 件の問い合わせがあるといい、「普通のクラブイベントならクラブやオーガナイザーにお願いすると思いますが、イベントを開きたい場合はジェイアール東日本企画へ。(出川さん)」 山手線で「客が最も少ない駅」から、13 万人の駅へ - -。 駅に流れるクラブミュージックは、JR 東が次のにぎわいのために打った布石だった。 「夜の高輪ゲートウェイも面白くなりますよ。」 出川さんはそう言ってにやりと笑った。 (古和康行、yomiuri = 6-8-25) 成田空港の滑走路工事スタート 2029 年春に年間発着枠 50 万回に ![]() 成田空港(千葉県成田市)における年間発着枠を 2029 年 3 月に 50 万回に拡大させる機能強化に向け、成田国際空港会社 (NAA) は 25 日、滑走路新増設の本体工事に着工した。 総事業費は NAA と国で約 6,700 億円。 成田空港の機能強化では、B 滑走路(2,500 メートル)を北側に 1 千メートル延伸し、B の南側に 3 本目となる C (3,500 メートル)を新設する。 既存の A (4 千メートル)と合わせると、滑走路 3 本体制で国内最大級となる。 現在の年間発着枠は 30 万回だが、運用の変更で 10 月には 34 万回となり、滑走路の新増設で 50 万回を目指す計画だ。 NAA によると、機能強化で新たに必要となる用地は 1,099 ヘクタールで、全体の確保率は 3 月末時点で 83% としている。 (小林誠一、asahi = 5-25-25) 東京都が水道の基本料を無償化へ 夏の 4 カ月程度、800 万件が対象 東京都の小池百合子知事は 20 日、今年 6 月か 7 月からの 4 カ月間、都内すべての一般家庭の水道基本料金を無償にすると発表した。 都によると、対象は約 800 万件で、都道府県単位での無償化は初めて。 光熱水費の負担を軽減することで、エアコンの利用を控えて熱中症にかかる人を減らす狙いがあるとしている。 都内の水道の「基本料金」は、各住宅の給水管の口径に応じて 860 - 1,460 円と定められている。 さらに使った水量に応じて「従量料金」が加算される。 都によると、約 8 割の家庭が利用する「口径 20 ミリ」の場合、基本料金の無償化によって 1 世帯あたり 4 カ月で 5 千円程度の負担軽減になるという。 多摩地域の 3 市 1 村と島嶼部(計約 20 万世帯)は都の管轄ではないが、市町村が無償化すれば、その費用を都が交付するという。 都は必要な経費 368 億円を含む補正予算案を 6 月の都議会定例会に提案する。 無償化は今夏だけの臨時措置とする方針。 都は導入の理由として物価高や、例年以上とも予想される猛暑を挙げており、小池知事は「暮らしへの不安から、エアコンの『利用控え』が起こるのではないか。 家計には電気代も水道代も同じようにかかるなか、都にできることは何かを考えた」と話した。 6 月の都議選を前に都議会の自民党、都民ファーストの会、公明党が 19 日、小池知事に無償化を要望しており、都側が要望に対応する格好となった。 全国では水道事業は市町村が担うことが多いが、都内は一部地域を除いて都が管理しており、都の関係者は「東京だからできる施策だ」と話す。 (山岸玲、中山直樹、asahi = 5-20-25) 上野駅の巨大壁画とステンドグラス修復へ JR東日本、芸大と協力 ![]() ![]() JR 東日本が上野駅構内にある巨大な壁画とステンドグラスの修復に乗り出す。 同駅を文化発信の「ハブ」に位置づけるリニューアルの一環。 修復には東京芸術大学が協力するほか、修復費を募るクラウドファンディングも実施する予定だ。 修復の対象となるのは、中央改札上にある猪熊弦一郎 (1902 - 93) 作の壁画「自由(縦 4.9 メートル、横 26.7 メートル)」と、自動券売機上にある平山郁夫 (1930 - 2009) が原画を描いたステンドグラス「ふる里 日本の華(縦 3.7 メートル、横 18.6 メートル)」。 「自由」は 1951 年、戦後の混乱が残り浮浪者らの姿も目立った駅を和やかにしたいと制作された。 スキーヤーや猟師、馬など東北ゆかりの題材が描かれている。 「ふる里」は 85 年の東北・上越新幹線の上野乗り入れに合わせて制作。 上野のサクラから始まり、青森のねぶた、新潟のチューリップと、沿線の花や祭りを描き、2002 年までは新幹線駅舎内に設置されていた。 「アート愛する方の参加を」 「自由」の修復は 1984 年、2002 年に続く 3 度目。 6 月に着手し、25 年度末の完了をめざす。 「ふる里」は 02 年以来 2 度目の修復で、今夏に構内から取り外し、26 年度中に完了する予定という。 JR 東の首都圏本部は「いずれも上野駅の価値ある資産として残していく。 クラウドファンディングは、アートを愛する方々に継承事業に参加してもらうために立ち上げる。」と話している。 (細沢礼輝、asahi = 5-20-25) 渋谷駅再開発、完成 7 年遅れ スクランブルスクエア 2 棟の工事始まる ![]() 渋谷駅前(東京都渋谷区)の高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア」の中央棟と西棟の工事が 19 日、始まった。 渋谷駅の改良工事などと同時並行で進める、渋谷の再開発の大きな節目となる事業だ。 すべての完成は、計画の見直しで当初の予定より 7 年遅れ、2034 年度になると見込まれている。 東急、JR 東日本、東京地下鉄の共同事業。 中央棟は地下 2 階、地上 10 階建て(高さ約 61 メートル)、西棟は地下 4 階、地上 13 階建て(同約 76 メートル)。 中央棟の 10 階屋上には、各国の大使館などと連携して文化交流ができる施設を整備する。 19 年に開業している地下 7 階、地上 47 階建て(同約 230 メートル)の東棟とあわせ、1 フロア当たりの売り場面積が最大 6 千平方メートルで、「首都圏で最大級」の商業施設になるという。 今後の計画は大きく三つに分けられている。 まず、30 年度までに渋谷駅の自由通路や歩行者デッキなど、駅の施設を整備。 駅東西の移動がしやすくなり、長年の課題だった混雑の緩和が期待されるという。 次に中央棟と西棟を、当初より 4 年遅れの 31 年度に完成させる予定。 さらに駅周辺に、34 年度までに「ハチ公広場」、「東口地上広場」など計約 2 万平方メートルの五つの広場を造る計画だ。 同社広報は、完成時期が遅れる見通しとなったことについて、「せまい駅前の整備を進める上で、機能を維持する計画に見直したため」と話している。 (木佐貫将司、asahi = 5-19-25) 下北沢の再開発が示したもの 対立ムードを変えた「プレーヤー」 大規模な再開発が都内で相次ぐ中、自治体や事業者と、地域住民が対立してしまうケースも出てきている。 地域住民とどう足並みをそろえて、再開発を進めていくか。 一つの成功例として注目されているのが、世田谷区の下北沢だ。 再開発されたのは、小田急線東北沢駅と世田谷代田駅の間の線路跡地約 1.7 キロ。 2013 年にこの 2 駅を含む 3 駅間を地下化する計画があり、不用になった線路のスペースを活用するというのが目的だった。 当初、地域住民は強く反発した。 区が 03 年、同エリアの道路拡張や駅前ロータリーの整備計画を決定すると、狭い路地に小さな商店が並ぶ「シモキタらしさ」が失われるなどと、批判が相次いだ。 住民の一部は、認可の差し止めなどを求め、訴訟を起こした。 11 年の区長選が転機になった。 住民との対話や、再開発の見直しを主張した保坂展人(のぶと)氏(現区長)が初当選。 区は反対住民の声を取り入れる方向に転換した。 区、事業者の小田急電鉄と住民がそろって参加する「デザイン会議」や、ワークショップを始めた。 区の姿勢の変化とともに、地域住民も変わっていった。 歯科医をしながら下北沢でバーを開く下平憲治さん (63) は「シモキタを楽しい場所にしたい」と再開発の議論に多くの住民が参加するよう後押しした。 住民の関心の薄さが気になり、再開発にかかわるようになった。 下北沢という街について考えるきっかけになればと、イベントを次々と開催した。 盆踊りやカレーフェスティバル、花魁(おいらん)道中 - -。 あるとき、参加した女性からこう話しかけられた。 「こういうの、再開発が進んだらできなくなるのは嫌だね。」 再開発を自分のことだと考える住民が、増えていくのを感じたという。 デザイン会議でも区職員や小田急社員に、計画への不満や求める改善策を訴えた。 「最初は紛糾したが、それぞれの立場で言いたいことを言い合える場が必要だった」と振り返る。 住民との会議は回を重ね、これまで計 200 回以上開かれた。 こうした対話を経て、区と小田急電鉄は緑地面積を当初の計画より大幅に広げたり、駅前広場を設けたりするなどして計画を見直した。 22 年には緑が生い茂る歩道が特徴の「下北線路街」が完成。 小田急電鉄がオープンさせた商業施設には、レコードショップや日記を販売する店など「シモキタらしい」個性豊かなテナントが入る。 保坂区長は取材に「計画の修正は区や小田急の負担も大きかったが対話を重ねるたび、行政、事業者、住民の街への愛着が増していった。 反対する住民も、いつしかプレーヤーに変わった。」と振り返る。 現在区整備部分の 98% (面積)で工事が完了したが、区は現在も住民との会議を継続している。 保坂氏は「(下北沢の再開発で、住民自身が)手で触れる街づくりの重要性を認識した」と話す。 下北沢の再開発は、「住民参加型」の一つのモデルとされるようになった。 「シモキタの達人」と呼ばれるようになった下平さんは、再開発を振り返って、こう思う。 「『まちづくり』って面倒くさい。 でも、自分が暮らす街、好きな街がどうなって欲しいかをみんなで一緒に考えたことは、やってよかった。」 明治大の小林正美名誉教授 必要なのは「対話の場」と「対案」 再開発が地域の対立の火種にならないようにするには、どうしたらいいのか。 下北沢を含め、各地の再開発をめぐる問題に関わってきた建築家の小林正美・明治大名誉教授(都市デザイン)が指摘するのが、関係者が対話できる場の重要性だ。 小林教授は「行政が主導して事業者、住民らと顔を合わせる機会を設定し、腹を割って話し合うことがスタート。 お互いの意見を出し合い、再開発について正確な情報を共有することも重要だ。」とする。 そのうえで、具体的な対案について議論できるようにすべきだという。 「反対する住民は、ではどうすればいいか、という提案を出せない場合もある。 専門家も巻き込んで、そうした意見の具現化を後押しすることも必要。」と話す。 (中村英一郎、中山直樹、asahi - 5-5-25) 19 - 20 日に山手、京浜東北線が区間運休 54 万人超に影響見込み 2031 年度開業をめざす羽田空港アクセス線整備に伴う JR 田町駅(東京都港区)付近の線路切り替え工事のため、山手線上野 - 東京 - 大崎間と、京浜東北線東十条 - 品川間は 4 月 19 日始発から 20 日正午ごろにかけて運休する。 約 54 万 6 千人に影響する見込み。 山手線の外回りと京浜東北線の南行、北行は、両日とも運休。 山手線の内回りは 20 日だけ運休する。 運休区間を除く運転本数は、外回りのうち 19 日の大崎 - 新宿 - 上野間は通常ダイヤの 4 - 5 割、20 日の池袋 - 田端 - 上野間は約 5 割。 内回りのうち 19 日の大崎 - 東京 - 上野間は始発が午前 5 時ごろにずれ、夕方までは 7 - 8 割となる。 20 日の上野 - 田端 - 池袋間は 4 - 6 割。 京浜東北線は両日とも快速運転を取りやめ、大宮 - 東十条間は 6 - 8 割の運転本数とする。 運休区間を並走する上野東京ラインは品川 - 上野間で増発されるが、JR 東日本は混雑が予想されるとして東京メトロや都営地下鉄、りんかい線などへの振り替え輸送の利用を呼びかけている。 (細沢礼輝、asahi = 4-18-25) 帝国劇場建て替えで最終公演 スターたちが名曲で 59 年の歴史に別れ 建て替えのため休館する帝国劇場(東京都千代田区)で 2 月 28 日、59 年の歴史を持つ現在の建物での最後の公演となるコンサート「THE BEST New HOISTORY COMING」が千秋楽を迎えた。 約 2 週間の公演には井上芳雄さん、島田歌穂さんらが出演。 日替わりの出演者らと、帝劇の歴史を彩るミュージカル作品から、名曲の数々を披露した。 この日は、1987 年の「レ・ミゼラブル」日本初演でマダム・テナルディエを演じた鳳蘭さん、「ミス・サイゴン」で 30 年にわたりエンジニア役を演じた市村正親さんらもゲストとして参加した。 市村さんは「ミス・サイゴン」から、エンジニアのナンバー「アメリカン・ドリーム」を熱唱。 「『アメリカン・ドリーム』を歌って、まだやれるなと思ったので、新しい帝国劇場の『ミス・サイゴン』の時は、オーディションを受けようと思います」と話し、客席からは大きな拍手が起きた。 2000 年に帝劇で初舞台を踏んで以来、多くの公演に出演してきた井上さんは「恩返しどころか、最後の最後まで、帝劇にたくさんのものをもらったなと思います。」 観客に「また新しい帝国劇場でお会いしましょう」と呼びかけた。 カーテンコールでは、鹿賀丈史さんや堂本光一さん、北大路欣也さん、佐久間良子さんらも舞台に登場。 「レ・ミゼラブル」から「民衆の歌」を観客と共に合唱し、現在の劇場との別れを惜しんだ。 (増田愛子、asahi = 2-28-25) 千葉「新湾岸道路」計画に期待 市川と蘇我、市原結び渋滞解消効果も 交通渋滞の解消などをめざして、国が千葉県の東京湾岸エリア(市川市 - 市原市)に高速道路「新湾岸道路」を建設する計画を進めている。 具体的な完成時期は見通せないが、道路建設場所や工法などをまとめた概略計画の策定に向け、住民の理解を求めて動きだしている。 千葉市役所で 1 月 30 日にあったオープンハウス(説明会)の会場。 市役所を訪れた市民らが続々と訪れ、職員に質問をしたり、パンフレットを手に取ったりしていた。 近所の 40 代の夫婦は「千葉市中心部だと、東京方面に行くには、幕張まで出ないと高速道路に乗れない。 そこまでの渋滞はひどいし、高速に乗っても週末はいつも混雑している」と新湾岸の PR 映像を食い入るように見ていた。 第二湾岸は塩漬け状態 新湾岸の計画は、東京外郭環状道路(外環道)の高谷ジャンクション(JCT、市川市)付近を起点として、蘇我(千葉市)、市原の両インターチェンジ (IC) 付近を結ぶ高速道路を新たに建設するというもの。 周辺は東関東自動車道(東関道)や京葉道路をはじめ、国道 14 号や同 357 号が整備されていて、物流施設などが密集しているため交通量は多い。 湾岸地域には東京と千葉を結ぶ高速道路計画「第二東京湾岸道路(第二湾岸)」の計画が、構想から 30 年近くになる今も存在する。 ただ、県が 2001 年にルート上となる市川、船橋両市にまたがる干潟・三番瀬の埋め立て中止を表明したことで、計画は長期にわたって塩漬けになっている。 転機となったのは、18 年の外環道の県内区間の開通だ。 高谷 JCT 周辺をはじめとする湾岸エリアの交通量が増加し、慢性的な渋滞が発生するようになった。 そこで建設の見通しが立たない第二湾岸に代わる高速道路の検討が進められ、20 年に三番瀬の再生計画との整合性を図りながら、新湾岸建設の基本方針が決まった。 その後、県や対象区間にあたる6市が加盟する新湾岸道路整備促進期成同盟会が設立されるなど行政も計画を後押しする。 湾岸エリアの渋滞、県平均の渋滞損失時間の1.7倍以上 国土交通省千葉国道事務所によると、湾岸エリアの渋滞は、県平均の渋滞損失時間の約 1.7 倍以上だという。 同事務所の黒崎直樹計画課長は「新湾岸は渋滞解消に効果があることは間違いないが、環境などに配慮しながら住民の理解を得るように努めたい」としている。 道路の構造物の一部が海上に設置される可能性もあり、住民から理解を得ることは避けて通れない。 主なオープンハウスは昨年 12 月から各地で開催されている。今後は20日に市川市役所行徳支所(パネル展示17〜21日)、22日に千葉市美浜区のイオンマリンピア(同20〜24日)の予定。詳しくは 千葉国道事務所のホームページ で。 (鈴木逸弘、asahi = 2-20-25) |