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「最大規模のクラスター」教職員の集団感染に専門家警鐘 新潟県内で初めて学校でのクラスター(感染者集団)が確認された柏崎市の小学校で 25 日、教員ら 2 人の感染が新たに判明し、感染者数は計 22 人になった。 コロナ禍で児童を守るにはどうすればいいのか。 県内の学校現場ではマスクや手洗いといった地道な努力が続き、専門家も基本対策の徹底を呼びかける。 「いただきます!」 25 日昼、新潟市中央区の市立浜浦小学校(児童数 405 人)。 5 年生クラスの給食の時間、児童らは一斉にあいさつし、前を向いて黙々と食べ始めた。 時折、隣を向く子もいるが、担任の山下信孝教諭 (47) が声をかけると前を向いた。 同校ではコロナ下で常にマスクを着けるよう指導する。 給食と楽器演奏時は例外だが、その際もなるべく話はしないよう気を配る。 山下教諭は「やりとりしないと活動が成り立たないので難しい面はあるが、近くで大声で話していれば指摘するようにしている。」 鈴木夕穂子さん (10) は、集団感染で柏崎市の小学校が休校になったと聞いて「気を付けないと」と思いを新たにした。 「急いでいると手を洗う時間が短くなることもあるけど、隅々まで洗おうと思いました。」 休み時間には、サポートスタッフの長谷川正代さん (59) が廊下などの窓を開けながら、児童がよく触る窓の周辺や引き戸の取っ手を拭き掃除していた。 コロナ対応のため 8 月末から平日に 6 時間ほど勤務し、校内の消毒や換気に励む。 「子どもや先生は大変な思いをしている。 できることは限られるが、少しでも力になれれば。」という。 斎藤純一校長 (59) は「できる限りのことを 100% やることで防止につなげたい」と話す。 県内の小学校で感染が出たことを受け、24 日に保護者向けにメールを送付。 毎朝の検温を改めて依頼し、校内でマスク着用や消毒を徹底させる旨を伝えた。 万が一感染者が出れば校名が公表され、問い合わせなどの電話が相次ぐ事態もありうるとみる。 「あらゆる事態を想定し、感染防止策と合わせて対応を検討していかなければならない。」 近隣や学校関係者に感染があった場合に懸念されるのは、感染者への差別や偏見だ。 そのため同校では近く、文部科学省の啓発動画を給食の時間に各教室で放送。 その後、不安や差別を断ち切るために自身がどう対処すればいいかを児童が考え、答えてもらう活動に取り組むという。 動画は、家族が感染した子どもをめぐって「学校来ないでほしいんだけど」などとする発言を紹介し、差別について考えさせる内容。 企画した養護教諭の長谷川由紀さん (36) は「子どもが自分にできることを考えるチャンスになると考えた。 家庭でも話し合ってもらえれば。」と話した。 (高浜行人) ☆ 学校で感染が拡大した背景や対策について、新潟県の専門家会議の委員で子どもの感染症に詳しい新潟大の斎藤昭彦教授に聞いた。 - - 教職員 12 人、児童 9 人など計 22 人(25 日時点)の感染が確認された
- - 今回学校で広がったことをどう見る
- - 感染防止には学校現場でどんな対策が必要か
- - 児童への対策徹底は難しいのでは
- - 保護者や教職員など大人が心がけることは
☆
学校便りもデジタル化? 保護者ら歓迎「メールで十分」 長らく「紙」が主流だった学校と保護者のやりとりは、どこまで変わるのか。 文部科学省が 20 日、紙につきものだった押印を省き、デジタル化を進めるよう、全国の教育委員会に通知した。 保護者や学校関係者からは「便利になる」と歓迎の声が上がる一方で、教員の負担が軽減されるのか疑問視する声もある。 学校との連絡もハンコレスに 国がデジタル化へ通知 高 1 と小 6 の息子がいる東京都内の女性は「すごくありがたい改革」と喜ぶ。 長男が通う私立高校ではデジタル化が進んでおり、欠席連絡はアプリに入力。 先生への連絡や相談もメールでできる。 一方、次男の通う公立小学校では「お便り」はすべて紙。なくしたり、ランドセルの中で眠らせていたりすることも少なくない。 親が深夜まで仕事で、すぐに対応できない家庭もあり、押印して提出しなければ参加できない水泳指導などの書類は、自分で押印している子もいると聞く。 女性は同じクラスの保護者で LINE (ライン)グループを作り、「今日、これ提出です」などと情報交換して、提出忘れがないようにしてきた。 「担任に相談があって電話しても、会議や授業でなかなかつかまらないこともあり、メールでやりとりできたら本当に便利です。」 小 4 と小 2 の子どもがいる堺市の女性も「習い事や町内会もデジタル化が進んでいて、学校だけ紙での連絡が多いのは違和感があった」と、デジタル化を歓迎する。 子どもが持ち帰るプリントには、PTA の役員募集など重要な連絡がある一方、ほとんどは学校の近況報告や生活上の注意といった内容で、「これならメールで十分」と感じていたという。 「出先で仕事のシフトを決めるときも、学校行事や子どもの予定がスマホで確認できればすごく便利。 いつも紙を持ち歩くわけにはいかないから。」 プリントの量、調べると … デジタル化が進めば、日本語を読むのが難しい保護者にもメリットがある。 小 3 の息子がいる千葉県の団体職員の女性は、夫が南米出身で、学校からのプリントはほとんど読めない。 女性は仕事で終電帰りの日でも、帰宅後にプリントの意味を夫に伝え、対応を頼んできた。 「学校からの連絡がデジタル化されれば、夫もネットの翻訳機能で意味をつかめて、直接対応できることが増えるはず」と期待する。 学校と保護者の間では、どのくらいの量の紙がやりとりされているのか。 子どもが学校から受けとるプリント管理について、アドビシステムズ(東京都品川区)が昨年、インターネット調査をしたところ、小学生の保護者の 5 割以上が「量が多い」と感じているとの結果が出た。 調査は昨年 9 月、保育園・幼稚園児の保護者と小学生の保護者、各 250 人を対象に実施。 子どもが園や学校から受けとるプリントの数は、園児では「週 1 - 2 枚」が 41.2% で最多だったのに対し、小学生では「週 3 - 5 枚」が 30% と最も多く、「週 6 枚以上」も 24.4% だった。 また、こうしたプリントの量について、小学生の保護者の 56.8% が「とても多い」または「やや多い」と感じており、28.1% だった園児の保護者のおよそ 2 倍に。 紛失したり誤って捨てたりした経験がある保護者は、園児・小学生あわせて 7 割以上に上った。 (宮坂麻子、山田健悟) 教員の働き方改革、期待の声 デジタル化で、文科省は教員の働き方改革も進むと期待する。 都内のある公立中高一貫校では昨春から、多くの書類で保護者の押印を求めることをやめ、デジタル化を進めてきた。 朝の欠席連絡は保護者からメールで届き、管理職や担任、養護教諭に自動転送される。 記録として残る上、担任があちこちに報告する手間も省ける。 職員室で欠席連絡の電話を受ける役目も不要になった。 以前は保護者会の出欠など、生徒が勝手に「欠席」に○を付け、押印して出すことも。 今は保護者と生徒が別々のアカウントをもつため、生徒が保護者に「なりすます」こともなく、出欠も自動集計できる。 校長は「デジタルでのやりとりが苦手な生徒や保護者も一定数おり、電話など従来型の手段も残しておく必要はある」とした上で、こう話す。 「パスワードを忘れた、ログインできない、など、生徒も保護者も教員も慣れるまで少し時間はかかる。 でも、慣れてしまえば忙しい親も教員もストレスなく対応でき、メリットは圧倒的に多い。」 福岡県の公立中はコロナ禍による今春の休校中、オンライン授業に対応できる機器の有無や自宅の通信環境などについて、アンケートフォームで保護者に入力してもらった。 校長は「すぐ数値が出てグラフもできる。 めちゃめちゃ便利だった。」 約 5% の家庭は対応できず個別に電話で聞きとったが、その手間を含めても「デジタルの方が楽」と言う。 ただ、通知表や進路関係の書類までデジタル化すれば、情報漏れや改ざんが気になる。 「文化としても、通知表の学校印はなくせないのでは。 簡単にデジタル化できないものもある。」 扱う紙の量が膨大な「マンモス校」は、今回の通知をどう受け止めるのか。 全校児童が 1 千人を超す九州の小学校では、印刷機 4 台とコピー機 4 台を毎日フル稼働させ、学級だよりなどを用意している。 副校長は「作業が放課後に集中し、待ち時間が生じることもある。 保護者に回答してもらう必要があるプリントは、教員の集計作業も相当な負担。 デジタル化が進めば、こうした負担はかなり減るだろう。」と歓迎する。 機器のない家庭も 「逆に負担増では」 全家庭対象の学校便りや学校評価は、既にメール配信やアンケートフォームなどを活用しているが、スマホや PC のない家庭には個別にプリントで対応している。 また、「子どもの写真を載せるお便りなどは、デジタル化に懸念もある。 今後も紙も活用していくことになるだろう。」と話す。 同じく全校児童が 1 千人を超す東海地方の小学校の男性教頭も、「デジタル化といっても、すぐにデジタルだけで連絡するというのは難しいと思う」と話す。 現状では、学校が休校する時や、保護者に連絡事項がある時には手紙とメールを併用している。 メールだと、保護者が目を通しているかわからないためだという。 また、保護者の中には、携帯電話を持っていない人や外国籍の人もいる。 「どんなシステムになるかわからないが、どの児童にも平等に連絡をするという目的のためには、現場ではデジタルだから大歓迎とはならないと思う」とした。 都内の区立中の男性教員は、デジタル化で「逆に教員の負担は増える」とみる。 紙でもデジタルでも、回答がない保護者は一定数いる。 「紙なら生徒に再度渡せばいいが、機器がない、操作が分からない、といった保護者への対応が新たに生じる。 対応する事務職員もおらず、結局、教員に負担がかかるのでは。」 通知は、デジタル環境が整っていない家庭への対応として「紙とデジタルの併用」を例示した。 これについて、大阪府南部のある公立小学校長は、「一部でも紙が残るなら、印刷や回収の手間はほとんど変わらない。 本気でデジタル化を進めるなら、まずは全家庭が満足にネットを使える環境を整えるべきだ。」と指摘する。 福岡県内の公立中学校長は、欠席の連絡については「オンラインと合わせて、従来どおり電話での確認も必要ではないか」という。 この学校では現在、生徒の欠席連絡は電話でのみ受け付けている。 保護者との会話から学校生活に関する悩みが見つかり、家庭訪問や三者面談などの対応に結びついたケースも少なくないという。 校長は「親の声には本音が見え隠れしている。 便利な方法に 100% 委ねるのではなく、個々に合った対応で補うことも大切だ。」と話した。 (三島あずさ、渡辺純子) 「日本の遅れ、顕著」 教育の情報化に詳しい国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの豊福晋平准教授(教育工学)は、2018 年の経済協力開発機構 (OECD) による学習到達度調査 (PISA) の結果に照らしても、「他国と比べて、日本の学校での ICT 活用の遅れは顕著だ」と指摘する。 教室の各教科の授業での ICT 活用で日本は最下位が多く、「eメールによる教師との連絡や課題提出」や「教師との連絡のための SNS 利用」も、OECD 平均より実施していない比率がかなり高い。 今回の文科省通知について豊福准教授は「遅ればせだが、学校と保護者のためになり、教員の働き方改革にも、紙の消費を減らす意味で SDGs (持続可能な開発目標)の達成にもつながる」と評価。 今後は「緊急時を含めて、いつでも連絡が取りあえるシステムを確立すべきだ。 保護者が『既読』したかを判別でき、学習の成果や通知表などにも随時アクセスできるような環境整備が求められる」と話す。 (宮坂麻子、asahi = 10-20-20) 「令和でもトイレは昭和」 小中学校で洋式化率 57% 全国の公立小中学校のトイレのうち洋式は 57% - -。 そんな調査結果を、文部科学省が 30 日に公開した。 清潔さやバリアフリーの観点から洋式化を推奨して自治体への補助も進めているが、あえて和式を残す自治体もある。 文科省によると、児童生徒が日常的に使用する便器は約 136 万個で、このうち洋式は約 77 万個だった。 2016 年の前回調査より 13.7 ポイント高くなった。 都道府県別にみると、洋式化率が最も高かったのは富山 (79.3%)。 東京 (71.1%)、神奈川 (70.5%)、沖縄 (68.4%)、茨城 (88.6%) と続いた。 最も低かったのは島根 (35.3%) で、次いで山口 (37.1%)、高知 (39.5%)だった。 自治体によって差があるのは、財政状況や予算配分などが影響しているとみられる。 文科省によると、学校現場からは「時代は令和なのにトイレは昭和」という嘆き節も聞かれるという。 各都道府県の教育委員会にトイレの設置方針を尋ねたところ、87.7% の自治体が和式より洋式を多くすると回答した。 一方で、校内のトイレを 9 割以上、洋式にすると答えた自治体は 53.4% にとどまった。 13.3% が「各階に一つ程度和式を設置する」とし、「各トイレに一つ程度」も 21% あった。 文科省としては、用を足しても飛び散りにくく、雑菌が繁殖するのを抑えられるとされる洋式を推奨している。 それでも和式に一定の需要がある背景には、「駅などにはいまだに和式が多く、教育上必要」という学校の要望や、「他人が使った便器に触れさせたくない」との保護者の声があるとみている。 (鎌田悠、asahi = 9-30-20) 休校中のオンライン教育 保護者の収入や学歴で格差 コロナ禍による休校中、世帯年収が低い家庭の子どもは、高い家庭の子に比べ、学校でも学校外でもオンライン教育を受ける機会が大幅に少なかったことがわかった。 内閣府の生活意識の変化の調査を研究者が分析した。 住む地域が都市圏かどうかや保護者の学歴でも、格差が見られた。 分析したのは法政大の多喜弘文准教授(社会階層論)と早稲田大の松岡亮二准教授(教育社会学)。 全自治体で緊急事態宣言が解除された 5 月 25 日から 6 月 5 日、内閣府が生活意識と行動の変化について、全国の 15 歳以上の 1 万 128 人に調査。 そのうち、末子が小中高校、高専生の 1,274 人のデータを分析した。 その結果、学校から授業やメールでの学習指導などオンライン教育を受けていたのは、子どもが中学生の場合、年間収入が 600 万円以上の世帯が約 4 割に対して、600 万円未満の世帯は約 2 割と半分ほどだった。 塾や習い事など学校外でオンライン教育を受けていたのも、それぞれ約 36% と約 20%。 オンライン教育を受けていない割合は、約 34% と約 55% だった = 図。 子どもが小学生、高校生の場合も、オンライン教育を受けていない割合がそれぞれ約48%と約 63%、約 28% と約 48% と開きがあった。 両准教授は「収入の多い層は塾などに通う子どもが多く、オンライン教育の機会に恵まれる傾向にある。」 では、なぜ学校でも格差が生まれたのか。 「高収入の世帯が学校にオンラインでの対応を求めたのでは。 高収入の保護者の住む地域は、多くの家庭にネットワークや端末の環境があり、学校が要求に対応しやすかった可能性もある。」とみる。 学校が提供するオンライン教育の機会の格差は、居住地が東京や愛知、大阪の三大都市圏かどうかや、親の学歴でも浮かび上がった。 中学生だと三大都市圏が約 41% に対して、非三大都市圏内が約 23% だった。 各都市圏のなかでも世帯収入による格差が確認された。 三大都市圏に住む中学生だと、学校のオンライン教育を受けていたのは世帯収入が 600 万円以上の層が約 49% に対し、600 万円未満の層は約 26% と差がついた。 学校外のオンライン教育は、中学生では親が大卒以上だと約 45% が受けていたが、非大卒は約 20% だった。 両准教授は「世帯収入など子ども本人が変えられない『生まれ』によって、塾などの学校外だけでなく、学校によるオンライン教育を受ける機会に差があった。 教育行政はオンライン教育の機会格差の実態を把握したうえで、デジタル環境の整備だけでなく、不利な子どもの学習機会を保障するための対策を実施すべきだ。」と話す。 (編集委員・氏岡真弓、asahi = 9-19-20) 「小中学生 1 人に PC 1 台」構想 8 月末の達成率は 2% 全国の小中学生に「1 人 1 台」のパソコンやタブレット端末を配備する国の「GIGA (ギガ)スクール構想」を巡り、8 月末時点で配備を終えた自治体は 2.0% にとどまることが、11 日に発表された文部科学省の調査で判明した。 同省が目標とする「今年度内」の配備については 99.6% が達成する見込みという。 調査は小中学校などを所管する都道府県や市区町村など 1,811 自治体に行い、結果は 8 月末時点の速報値。 端末購入の関連経費が 9 月までに議会承認される見込みの自治体、購入事業者を 11 月までに決める自治体がいずれも 9 割以上だったが、納品予定は来年 3 月が 4 割近く、1 - 3 月の合計は 7 割だった。 年度内に間に合わないとした自治体も岩手県田野畑村、福島県会津若松市、名古屋市、三重県菰野町、島根県雲南市、山口県岩国市、沖縄県北大東村の 7 市町村あった。 一方、通信機器の貸し出しなど、オンライン学習の環境が整っていない家庭に対する対応策の準備がまだで、「検討中」と答えた自治体は 65.9% あった。 文科省は、家庭でのオンライン環境整備のため、新型コロナウイルスの感染対策を重点的に実施する 13 の特定警戒都道府県内の自治体は「少なくとも小 6、中 3 などへは 8 月までに環境整備を」と求めていたが、「8 月までに納品済み」は 2.3% にとどまった。 同省の担当者は、学校や家庭に既にある端末の利用も含めての目標だったとした上で「整備を加速するようお願いしていく」と話した。 昨年末に文科省が発表した GIGA スクール構想は、自治体の端末購入費を国が 1 台につき最大 4 万 5 千円補助し、校内の通信環境の整備なども支援する事業。 「1 人 1 台」達成は当初、2023 年度内としていたが、コロナ禍を受け今年度内に前倒しされた。 同省によると、高校も含む公立校の端末配備は今年 3 月で「4.9 人に 1 台」だった。 (宮崎亮、asahi = 9-12-20) 計 1 千人超の小中高生、6 - 8 月に感染 半数が症状あり 文部科学省は、全国の小中高校、特別支援学校で 6 - 8 月、新型コロナウイルスに感染した児童生徒が 1,166 人確認され、学校内感染は 15% だったと発表した。 小中学校に限ると 4% で、学校外に感染が大きく広がった事例もないといい、萩生田光一文部科学相は 4 日の閣議後会見で「学校は地域の感染を拡大する要因にはなっていない」と強調した。 文科省によると、感染者 1,166 人のうち症状があったのは 556 人 (48%)。 感染経路は、家庭内感染が 655 人と 56% を占めた。 学校内感染は 180 人で、内訳は小学校 9 人、中学校 18 人、部活動での集団感染などがあった高校では 153 人だった。 同じ学校で複数の感染者が確認されたのは 68 件、うち 5 人以上が確認されたのは 18 件で、部活動関連は 9 件だった。 一方、文科省が集団感染の起きた学校に聞きとったところ、地域住民から「科学的根拠のない感染の不安」が寄せられていた。 「学校の窓が開いているだけで、『新型コロナがうつる』と電話があった」という学校や、「自宅待機中の生徒がスーパーでアルバイトしている」というデマに基づいた非難の電話がかかってきた学校もあった。 (宮崎亮、asahi = 9-4-20) 生徒ら約 300 人を検査へ … さらに男性教員 2 人に感染判明の県岐商高校 7 月 29 日まで臨時休校に 岐阜県では 19 日、県立岐阜商業高校の教員 2 人を含む男性 4 人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが明らかになりました。 岐阜県などは 19 日、県立岐阜商業高校で保健体育を担当する 20 代と 30 代の男性教員 2 人を含む、男性 4 人に新たに感染が確認されたと発表しました。 このうち男性教員 2 人は、これまでに感染が分かった別の男性教員 2 人と同じ部屋で勤務していて、濃厚接触者として検査を受け、陽性と判定されました。 岐阜県は 19 日、感染が分かった男性教師 2 人と、授業や部活動で接触した生徒らおよそ 300 人について検査を急ぐ方針です。 県立岐阜商業高校では、これで生徒と教員合わせて 7 人に感染が確認されたことになり、7 月 29 日までの臨時休校に加え、硬式野球部については、県独自の高校野球大会への出場を辞退することを決めました。 (東海テレビ = 7-19-20) 大阪府立高 3 校が休校へ 非常勤講師と女子生徒が感染 大阪府教育庁は 12 日、阿武野高校(高槻市)と八尾北高校(八尾市)で勤務する非常勤講師の 70 代男性と、みどり清朋高校(東大阪市)の女子生徒が新型コロナウイルスに感染したと発表した。 3 校はいずれも府立高校で、14 日まで臨時休校にする。 6 月の学校再開後、府立高校で陽性者が確認され、臨時休校となったのは初めて。 府教育庁によると、非常勤講師の男性は、発熱した今月 8 日から仕事を休み、10 日に PCR 検査を受け、11 日に陽性が判明した。 女子生徒は 9 日に発熱して学校を欠席。 10 日に PCR 検査を受け、11 日に陽性がわかった。 2 人に接点はないという。 ともに軽症で、保健所が今後、校内の消毒作業や濃厚接触者の特定を進める。 (山田健悟、asahi = 7-12-20) 三重県で小学生と母親が感染 明和町の小学校は休校に 三重県は 12 日、明和町の 40 代女性パート従業員と 10 代男子小学生が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。 県内の感染者は延べ 50 人になった。 県によると、2 人はすでに感染が確認されている同町の 40 代男性会社員と同居する妻と子ども。 女性は 7 日まで出勤し、帰宅後に発熱。 男児は 10 日まで登校し、11 日に発熱。 いずれも 11 日に陽性が判明した。 明和町は、男児が通っていた小学校を 13 - 22 日は休校とし、校内の消毒などを行うという。 県はこれまでに男性の同僚や家族など、接触者 17 人に PCR 検査を行い、陽性だったのはこの 2 人のみだった。 今後、女性や男児の接触者の調査を進める。 (asahi = 7-12-20) 陽性の教諭が授業、神戸の中学生感染 200 人自宅待機 神戸市は 11 日、市立垂水中学校で、新たに女子生徒 1 人が新型コロナウイルスへの感染が確認されたと発表した。 同中学校では、30 代の男性教諭の感染が確認されていたが、女子生徒はこの男性教諭の授業を受けていたという。 兵庫県内ではこの日、女子生徒を含む 5 人の感染が発表され、感染者数はのべ 738 人になった。 市は女子生徒のクラスメートら約 40 人を 23 日まで自宅待機にする。 男性教諭の授業をうけた生徒約 160 人も 17 日まで自宅待機にするという。 (asahi = 7-11-20) 東京・武蔵野市の幼稚園で園児ら 7 人感染 新型コロナウイルス 東京・武蔵野市の私立幼稚園で、6 月下旬から 7 日までに園児と教諭合わせて 7 人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。 感染が確認されたのは、武蔵野市にある私立の「栄光乃園幼稚園」です。 市や幼稚園によりますと、先月 28 日に、園の教諭 1 人が感染していることがわかったため、翌日から臨時休園して濃厚接触のあった職員を自宅待機させるとともに、園児らに対して PCR 検査を進めているということです。 その結果、7 日までにほかに教諭 2 人と園児 4 人も感染していることが確認されたということです。 この幼稚園で感染が確認されたのは合わせて 7 人となっています。 幼稚園では、保健所の指導を受けながら感染の拡大防止に努めたいとしています。 (NHK = 7-8-20) 兵庫・西宮市の学童指導員が感染 小学校は臨時休校に 兵庫県西宮市は 8 日、市立安井小学校(同市安井町)の児童が利用する放課後学童保育で指導員をしている市社会福祉協議会の職員の新型コロナウイルス感染がわかったと発表した。 同小学校は 9 日から臨時休校する。 再開時期は未定。 市によると、放課後学童保育は基本的に同小の児童 1 - 3 年生が利用しており、5 月 1 日現在の利用者数は 156 人。 今後、職員と接触した可能性のある児童や同僚への PCR 検査を進め、職員が立ち入った部屋などを消毒するという。 また、兵庫県は 8 日、この職員も含む男女 3 人の感染が新たに確認されたと発表した。 県内の感染者数は再陽性も含めて延べ 727 人になった。 (asahi = 7-8-20) 神奈川で新たに 20 人感染 公立 3 校を臨時休校へ 神奈川県内では 5 日、新型コロナウイルスの感染者が新たに 20 人発表された。 内訳は横浜市 9 人、川崎市 10 人、藤沢市 1 人で、このうち 3 人は、県立学校 2 校の教職員や生徒と、横浜市立学校の児童。 県立 2 校は 6 日を臨時休校とし、横浜市立学校も同日から当面、臨時休校にする。 県内で発表された感染者は、延べ 1,585 人(朝日新聞社集計)となった。 (asahi = 7-5-20) 公立高、再開後も「授業に制約」7割超 本社が教委調査 緊急事態宣言解除で学校が再開しても、当面は元通りのペースでの授業は困難とみている都道府県教育委員会が 7 割超に上ることが、日本経済新聞の調査で分かった。 夏休みの短縮などで授業不足を穴埋めすることで、36 道府県が「年間の学習課程は終えられる」としているが、実際には消化しきれない自治体も出てきそうだ。 政府は 25 日、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかかったとして緊急事態宣言を全面解除した。 全国的に学校が再開するのに合わせて、公立高校を所管する都道府県教委の対応を 5 月 22 - 26 日に調べた。 これまでの休校期間は感染者ゼロの岩手で約 1 カ月、東京が約 3 カ月など地域で差はあるが、多いところでは約 200 時間分もの授業が消失し、遅れは深刻だ。 今後の授業の進め方について、首都圏など 8 都県が「多くの制約が残る」、28 道府県が「一部制約が残る」と答え、計 7 割超が制約があるとみている。 通常ペースで授業ができないのは様々な感染防止策が必要なためだ。 分散・時差通学は 6 割、クラスを分割した授業は 4 割の自治体が実施する。 東京都は 6 月 1 日から都立高を段階的に再開する。 ある学校では 1 週目は登校日を 2 - 3 日に絞り、午前と午後で分散登校させる。 登校しない日や時間帯はオンラインなどで家庭学習を課す。 感染状況を見ながら登校日を徐々に増やす想定だが、副校長は「登校中の感染リスクを考えると、いつ元通りになるかは見通せない」と語る。 神奈川県も午前と午後に分けて教室の生徒数を最大 20 人程度に抑える。 ラッシュの時間帯を避け、午前は 9 時 50 分始業とする。 在校時間は3時間以内に制限する。 埼玉県教委の担当者は「当面は通常の 1 日 6 コマ授業は難しい。 できるだけ不足を取り戻すよう、各学校に努力してもらうしかない。」と話す。 授業時間確保のため、今年は夏休みが各地で短縮されそうだ。 東京都立高は 8 月 8 - 23 日の 16 日間の予定。 和歌山や岡山はお盆付近の 9 日間だけという異例の短さになる。 学校行事の中止や土曜授業も広がる。 授業不足が大学受験に響くことを不安視する声は多く、夏休みに加え冬休みも短縮を予定する京都は「余裕をもった受験対策がとれないかもしれない」と懸念する。 年間の学習課程は、36 道府県が「予定通り終えられる」としている。 ただ授業のペースが戻らない中、実際に終わるかは不透明だ。 大阪など 7 府県は「見通せない」、東京は「現時点では分からない」という。 各地で消化しきれないケースが相次ぐ可能性がある。 「長く休んだことによる生徒の喪失感が心配(兵庫)」、「進学や就職の見通しが立たず、生徒をどう指導すべきか(滋賀)」といった動揺の声も相次ぐ。 生徒のケアでスクールカウンセラーを検討する県もある。 市区町村教委が管轄する公立小中学校でも学習の遅れは深刻だ。 対応に当たる教員の不足も見込まれ、文部科学省は学習指導員や退職教員ら 8 万人超を追加で配置する。 2020 年度第 2 次補正予算案に関連経費約 318 億円を盛り込んだ。 今後も教育現場への支援が課題となりそうだ。 (nikkei = 5-27-20) 休校「感染防止効果乏しくデメリット大」日本小児科学会 新型コロナウイルス対策として、多くの自治体で続いていた学校の休校措置や保育施設の休園について、日本小児科学会が「休校措置による感染防止効果は乏しい一方で、子どもの心身に及ぼすデメリットが大きい」などとする報告をまとめた。 同会の予防接種・感染症対策委員会が、国内外での感染事例や論文などを分析し、ホームページで 20 日公開した。 取りまとめに関わった長崎大学の森内浩幸教授は「ウイルスの情報が少なかった当初の休校措置を否定するものではない」としながらも、今後、再流行などで再び休校などが検討される場合には「子どもや保護者に及ぼしたデメリットも考慮し、慎重に判断すべきだ」とする。 報告によると、子どもが新型コロナウイルスに感染した場合、多くは経過観察や対症療法で十分な軽症だった。 その上で、インフルエンザの場合と異なり、学校や保育施設で子どもが感染源となった集団感染はほとんどなく、子どもの感染例は親から感染したケースが大半だと指摘している。 例えば、4月に富山県の小学校で教師と児童計 5 人の感染が判明したが、感染者が校外で私的に交流していたことなどから、感染が校内で広がったとは考えにくく、クラスター認定されなかった。 海外でも、オーストラリアで 15 の学校で教師と子どもの計 18 人の感染が確認された事例で、濃厚接触者の計 863 人を調査したが、感染が分かったのは 2 人だけだった。 こうしたことから、子どもはウイルスに感染しにくく、感染してもウイルスの排出が少ないことが考えられるという。 一方で、休校措置で教育機会が奪われたり、屋外での活動や社会的な交流が減少したりといったデメリットが、子どもや保護者にとって大きいことを強調する。 日常生活が制限されたことにより、抑うつ傾向の子どもが増えると推測される中国のデータがあるほか、家庭内暴力や虐待リスクの増加なども懸念されている。 「子どもたちにとっては、新型コロナウイルスが直接もたらす影響より、休校措置などによる健康被害が大きくなりかねない」と指摘している。 (中井なつみ、asahi = 5-27-20) ◇ ◇ ◇ 休校「効果より悪影響」、小児科学会が懸念 … 20 歳未満の患者は 4% 子供は新型コロナウイルスに感染しにくい可能性が指摘されている。重症例も少ない。 学校や保育園でのクラスター(感染集団)事例はほとんどなく、日本小児科学会は「学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しいとの推定もある。 子供の心身を脅かしている。」と懸念している。 米マウントサイナイ医科大は、新型ウイルスが体内に侵入するために必要なたんぱく質「ACE2」に着目した。 この遺伝子の働きを示す物質が、鼻粘膜では、年齢が上がるにつれ増え、10 歳未満では最も少ないとする研究結果を、20 日付の米医学誌で発表した。 この差が感染しにくさに影響するとみている。 実際に、子供の感染者は少ない。 厚生労働省の集計では、20 歳未満の患者数は今月 7 日時点で約 4% (609 人)にとどまる。 重症例はまれで、死亡者は 0 人だった。森内浩幸・同学会理事は、「重症化につながる免疫の過剰な働きが、子供では起こりにくい可能性がある」と指摘する。 ただ、欧米では、感染した子供が全身の血管に炎症を起こす川崎病に似た症状を示すケースが確認されている。 森内理事は「子供が完全に重症化を免れるわけではないようだ」とする。 一方、子供の患者が周囲に広く感染させた事例はほとんどない。 豪州では、15 の学校で感染した生徒や職員 18 人が、その他の 863 人と濃厚接触したが、感染が確認されたのは 2 人だけだった。 国内では、緊急事態宣言が解除されていない自治体の一部で、学校再開のめどがたっていない。 同学会は、休校の長期化はうつや家庭内暴力などにつながるとして、「子供では新型ウイルスが直接もたらす影響よりも健康被害の方が大きくなることが予想される」と警告する。 (yomiuri = 5-23-20) 日本人学校流、オンライン授業のススメ 若手教員が発信 新型コロナウイルスの影響で休校が続くなか、教師や親子に向け、双方向型のオンライン授業の進め方を海外から発信する若手教員がいる。 シンガポール日本人学校小学部チャンギ校の教諭、片野祐斗さん (26)。 4 月からユーチューブで発信し始めた片野さんは、「僕たち自身、たくさん失敗して改善してきた。 経験が誰かのためになればうれしい。」と話す。 シンガポールでは 4 月に入り、一斉休校が決まった。 約 870 人の児童がいる同校でオンラインの在宅学習を行うのは初めて。 中心的な役割を担ったのが、情報通信技術 (ICT) に詳しかった片野さんだ。 同国は厳しい外出制限で「一時は散髪にも行けなかったほど。 政府に従わないと大変なことになる。」 派遣教員 19 人が日本から入国できず、担い手不足も深刻に。 まずは「保護者が自由になる時間を確保する」ことに重点を置いた。 当初は手探りだったが、段階的に導入を進め、今は全学年で実施している。 休校は 6 月まで続くという。 もともと同校では 4 - 6 年生にグーグルの PC 「クロームブック」が 1 人 1 台ずつ、1 - 3 年生にも共用機150台があるなど、環境は整っていた。ただ、「児童や教員全員が使いこなせているわけではなかった」。導入に向け、教員への研修も動画配信やメールなどで行ったという。 双方向授業に活用したのが、学習管理ツールのグーグル・クラスルームだ。ネット上に「教室」を作り、教師の投稿は児童生徒と共有が可能。課題の提出や班ごとの討論もできる。また、画面で同時通話できる会議システムのグーグルミートで学級ごとの朝の会を15分行い、週2回の30分ミーティングも開いている。 互いの画面をつなぐ意義は大きかった。「子どもたちにとって家族以外と話せないのはすごいストレス。誰かと話すことに飢えていて、少し雑談できるだけで気分が違ったようです」 実際の授業では、社会科で政治を学んでから、「総理大臣ならどんな政策をとる?」という課題を班ごとで話し合う場を作った。体育では「コロナに負けない体づくり」を目指し、全員でひたすら汗を流す室内運動も行ったという。 片野さんは 3 月、独学でグーグル認定教育者のレベル1に合格した。 同社が教育関係者向けにネット上で発行している認定資格だ。ユーチューバーとしては「ゆうぼーGoogle認定教育者」と名乗り、各種ツールの使い方を教師・保護者向けに丁寧に解説。休校中に使える学習計画表や、教室作成に役立つテキストなど自作の素材も概要欄に貼って無料で公開している。「忙しい先生にどんどんシェアして活用して欲しい」からだ。 日本の公立校などでオンライン授業が進まない現状については、「録画の配信なら、塾など民間の優れた教材に任せてもいい。 危機のいま教師がすべきことは子どもの心をケアし、家庭を支えることだと思います」と話す。 日本の先生たちには「導入当初は大変ですが、オンライン授業は試行錯誤でできあがるもの。 失敗前提でまずは動いてみて下さい。」とエールを送る。 片野さんのユーチューブでは、双方向授業に使うソフトの使い方や「Zoom とグーグルミート、学校ならどっちがいい?」などの動画を配信している。 (西村悠輔、asahi = 5-20-20) 休校中の公立校、96% が 6 月 1 日までに再開へ 文科省 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休校中の全国の公立小中学校や高校などのうち、96% が 6 月 1 日までに学校を再開予定であることが、文部科学省の今月 11 日正午現在の調査でわかった。 そのうち 25 日までに再開予定が 16%、6 月 1 日までが 80% だった。 都道府県別では、東京、大阪など 13 の特定警戒都道府県を含む 29 都道府県が 6 月 1 日までに再開を予定。 「5 月中 - 下旬に再開予定」が 9 県、11 日時点で再開」が青森、岩手、秋田、鳥取、長崎、大分、鹿児島の 7 県で、福島と福井は再開日を検討中とした。 休校中の登校日については「週 2 回程度以上」が 21%、「週 1 回程度以下」が 27%、「検討中」が 19%、「設定していない」が 33% だった。 国公私立の幼稚園、小中学校、高校などで集計すると、11 日正午現在で 86% が休校・休園していた。 国公私立の大学・短大・高等専門学校では、12 日午後 8 時現在で 87% が授業の開始時期を遅らせ、遠隔授業は 66% が実施を決めていた。 31% が検討中だった。 1,046 校が回答した。 国公私立の専門学校では 91% が授業の開始時期を遅らせ、遠隔授業は 63% が実施を決め、21% が検討中だ。 回答したのは 1,945 校(11 日午後 3 時現在)。 (宮崎亮、asahi = 5-13-20) |