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7 人感染が 3 千倍に メルボルン、ずさんなホテル隔離

新型コロナウイルスの抑制に成功したオーストラリア。 だが、第 2 の都市メルボルンで「第 2 波」が発生し、地元ビクトリア (VIC) 州政府は 8 月から 9 月中旬までの予定だったロックダウン(都市封鎖)を延長した。 一方、ほかの地域は感染を抑えている。 なぜ、メルボルンだけ苦しんでいるのか。

ほころんだ防波堤

始まりは、感染の「防波堤」のほころびだった。 メルボルンのリッジズ・ホテルで 5 月 26 日、従業員 1 人の感染がわかった。 直後に警備員 6 人、看護師 1 人にも陽性の結果が判明。 6 月 16 日には、スタンフォードプラザ・ホテルでも、警備員に感染者が出た。 いずれも、帰国者らが強制的に 2 週間隔離されるホテルだった。 豪州は 3 月下旬に外出規制とともに、「水際対策」で外国人の入国を禁じ、帰国者の隔離を義務化。 日ごとの新規感染者数は 5 月までに国内で 10 - 20 人前後に減り、6 月にかけて外出規制の緩和を始めていた。

だが、VIC 州では 6 月中旬から新規感染者が増え始める。15 日の 9 人が 30 日に 76 人、7 月 3 日には 100 人に。感染は高齢者施設に及び、重症者が増えた。 この状況に州は 7 月 2 日、メルボルン都市圏(500 万人)のうち感染者が多い人口 30 万人の地域で、買い物や必要な仕事、運動など以外の外出を禁じ、1 週間後には都市圏全域に規制の範囲を拡大した。 だが、新規感染者は 7 月末に 600 人を超えた。 8 月 2 日に夜間外出禁止、運動での外出は「1 日 1 時間以内」、買い物は「各世帯 1 人」で、いずれも自宅から 5 キロ以内、などとする都市封鎖を敷く事態になった。

9 月に新規感染者は 2 桁台に減ったが、州は 13 日までとしていた封鎖策のほとんどを 2 週間延長。 さらに、夜間外出禁止の解除や飲食店などの店舗営業再開の目安は 10 月 26 日とすることにした。 欧州などでは「第 2 波」が起きても封鎖策は敷いていない現状で「世界で最も厳しい封鎖策の一つ(エイジ紙)」を長引かせることに「深く失望している(ビクトリア商議所)」と経済界からも不満がくすぶる。 外出規制を無視して集まり、抗議デモをするグループも現れている。 6 月以降の VIC 州の感染者数は 1 万 8 千人で、死者は 700 人を超え、国内全体の 9 割以上を占める。

州が感染者らのウイルスの遺伝子情報を調べると、90% がリッジズ・ホテルで隔離された 4 人家族に、残る 10% のほとんどがスタンフォードプラザ・ホテルに滞在していた 1 人とカップル 1 組に由来していた。 警備員らが直接、感染した状況は特定されておらず、室内に残っていたウイルスから感染した可能性が指摘されている。 海外からの感染を封じ込めるためのホテル。 そこでのわずか 7 人の感染が、3 千倍に拡散してしまった。

ずさんな経緯が証言から発覚

ホテルでの隔離に批判が出始めた 7 月、州は独立調査委員会を設けた。 関係者へのヒアリングで、ずさんな経緯が発覚している。 州は、隔離者の監視を民間の警備会社に委託。 連邦政府が準備した軍兵士の支援も受け入れていなかった。 警備員らは個人用防護具の使い方を指導されず、「鼻を出してマスクを着けたり、休憩中にグローブをしたまま飲食をしたりしていた」、「警備員同士で通勤の車を乗り合わせていた」、「のどの痛みや鼻水などの症状がないか、チェックがなかった」といった証言が出ている。 最大都市シドニー(人口 530 万人)のあるニューサウスウェールズ (NSW) 州では警察官が警備員を指揮し、軍の支援も受けたのと対照的だ。

メルボルンで警備員らが感染した時期は、3 月からの外出規制が緩和された頃と重なる。 予防対策が不十分なホテルの警備員らが感染を知る前に家族や知人、外出先の人々にうつしたウイルスが、「一気に広がる出来事が起きた可能性がある。(NSW 大のアブラル・チュクタイ講師)」 豪州国立大のピーター・コリニョン教授は「VIC 州で初期段階で、感染追跡を十分にすべきだった」と話す。 だが、豪メディアによると、濃厚接触者への連絡までに 1 - 2 週間もかかったケースがあった。

州によると、6 月 16 日に 13 件だった「感染経路不明」は 7 月 1 日には 140 件、22 日には 1,091 件に急増。 外出規制を再強化したころには、追跡が追いつかなくなっていた。 コリニョン教授は、NSW 州との違いを指摘する。 シドニーでは 7 月以降、パブやジムなどで集団感染が発生しているが、州はすべての感染者に検査結果から 1 日以内に聞き取り、濃厚接触者の特定に集中。感染者が出入りした店舗などの場所や日時の一覧表を公開して隔離や検査を呼びかけている。 結果として、「経路不明」は 1 割未満で、新規感染者数を 10 人前後に抑えている。 VIC 州が同様の一覧表を公開し始めたのは、9 月に入ってからだった。

当初の目標は「7 月中」

他の州・地域は VIC 州からの入境を禁止し、感染を防いでいる。 NSW 州以外の州・地域は、NSW 州からの入境も制限している。 外国人の入国禁止に加えて、国内の移動の制限が続けば、VIC 州だけにとどまらず、国内全体で観光業界などには打撃だ。 だが、州・地域を越えた移動の再開は、当初、目標としていた「7 月中」から「クリスマスまでに」と先延ばしされた。 9 月ごろまでを想定してきたニュージーランドとの国境の再開も、年末までの実現の可能性を探る方向で後ろ倒しに。それ以外の国に対して国境を開けるのは、年明け以降になりそうな状況だ。 (シドニー = 小暮哲夫、asahi = 9-16-20)


世界の新規感染者、最多更新 新型コロナ 1 日 30 万人超 WHO

世界保健機関 (WHO) の 13 日の集計によると、新型コロナウイルスの新規感染者数が全世界合計で過去 24 時間に過去最多となる 30 万 7,930 人を記録した。 インドで引き続き高水準で増加しているほか、欧州でも拡大基調にある。 新規感染者数の上位はインド(約 9 万 4,000 人)、米国(約 4 万 6,000 人)、ブラジル(約 4 万 4,000 人)、スペイン(約 1 万 2,000 人)と続く。 米ジョンズ・ホプキンス大の集計(日本時間 14 日午前時点)では、累計での世界の感染者数は 2,880 万人を超え、死者は 92 万人余りに上る。 国別の累計感染者数は米国(651 万人超)、インド(475 万人超)、ブラジル(431 万人超)、ロシア(105 万人超)の順。 (jiji = 9-14-20)


イスラエルが再び都市封鎖へ 第 2 波、世界で最も深刻

イスラエル政府は 13 日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、18 日から 3 週間にわたるロックダウン(都市封鎖)に踏み切ることを決めた。 国全体を対象としたロックダウンは、3 - 4 月の第 1 波の時に続いて 2 度目となる。 イスラエルでは 7 月ごろから感染の第 2 波が続いており、これまでに感染者は約 15 万人にのぼる。 今月に入って 1 日当たりの感染者数は 4 千人を超え、人口当たりでみると世界でも最も深刻なレベルだ。 厳しい行動規制に反対論も強かったが、今月はユダヤの新年を迎えて祭日が続くことも踏まえ、政府は再規制を決断した。

自宅から 500 メートル圏外への外出は禁止され(通勤など必要な場合除く)、学校やレストランなどは閉鎖となる。 集会は屋内で 10 人、屋外は 20 人が上限。 スーパーマーケットなどは営業を続ける。 ネタニヤフ首相は会見で「規制は全員に大きな代償を強いる。 親戚で集まって祭日を祝えず、ビジネスにも打撃がある。」と認めた上で、インフルエンザ流行の時期を控えるなか、これ以上の感染拡大を防ぐための措置だと理解を求めた。

イスラエルでは 3 月から約 1 カ月にわたって外出禁止令を出し、5 月にはいったん感染が収束。 学校や経済活動を再開した結果、感染者数は再び増加に転じ、特に 9 月に入って急増をみせていた。 超正統派ユダヤ教徒の地区やイスラム教徒の多いアラブ人地区での感染拡大が目立つとされている。 (高野遼、asahi = 9-14-20)


インドの感染者数、世界 2 番目に 連日 9 万人超増、ブラジル抜く

インド政府は 7 日、新型コロナウイルスの累計感染者数が 420 万 4,613 人になったと発表した。 ブラジル政府が 6 日に発表した 413 万 7,521 人を抜き、米国に次ぎ世界で 2 番目に多い国となった。 インドの新型コロナによる死者数は 7 万 1,642 人。 インド政府によると、6 日午前から 7 日午前までの 24 時間に 9 万 802 人の新規感染が判明。 連日の 9 万人台で、6 日発表の人数を上回り、1 日の新規感染者数の世界記録を更新した。 政府は連日、約 100 万件の検査を実施して封じ込めを図っていると強調するが、人口が 13 億 6,000 万人超と中国に次ぐインドで、感染拡大のペースは衰えていない。

感染は、首都ニューデリーなど大都市から、医療機関の少ない地方へ広がった。 また、経済活動再開に伴い、地方から大都市への移動規制が緩和され、ニューデリーでも一時減少した新規感染者が増加に転じた。 米国やブラジルでの新規感染者の減少傾向が伝えられる中、民放 NDTV は世界保健機関 (WHO) のデータを引用し「インドの新規感染者数は 1 カ月近く、世界最多を記録し続けている」と報じた。 (jiji = 9-7-20)

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感染 3 位のインド、日本が 500 億円支援へ 技術も提供

新型コロナウイルスの感染拡大が続くインドに対し、日本政府が支援に乗り出す。 デジタル技術を活用した遠隔医療や、感染症の専門病院の整備といったインド政府の取り組みに、国際協力機構 (JICA) が 500 億円の円借款を供与する方針だ。 インド政府は近く、約 9 千億ルピー(約 1.3 兆円)規模の保健医療の改革計画を発表する見通し。 JICA の支援はこれに合わせて実施し、医療体制の改善にもつなげてもらう狙いがある。

インド政府の計画では、全国に約 730 ある県のすべてに感染症専門の病院を設けるほか、約 3 万カ所にクリニックをつくる。 医科大学などの大病院と村のクリニックをデジタル技術でつなぎ、大病院の医師が遠隔で問診したり、患者のカルテなどの医療情報を病院間で共有したりする。 インドは、JICA による円借款の約 3 割を占める最大の供与先だ。 今回は政策の達成度合いを JICA が確認し、貸し付ける仕組みとする。 日本の医療専門家による予防ノウハウの提供など、技術支援も行う。

インドには 1 万人近い在留邦人がいたが、新型コロナの影響で多くが帰国した。 医療体制に対する不安が大きな理由となっている。 病院では、集中治療室 (ICU) や人工呼吸器などの医療機材が不足。 隔離など感染症への対策が不十分なため、院内感染も深刻だ。 JICA インド事務所の松本勝男所長は「保健医療体制を改善するチャンスのいま、日本企業の経済活動再開の一助にもなりたい」と話している。

都市部の出稼ぎ労働者は都市封鎖で生活が立ちゆかなくなり、地方に戻ったままで、日系企業をはじめとした現地の工場では労働者を集めるのにも苦労している。 都市部でクリニックを増やすことで「従業員が利用できるサービスが増えるため、医療に懸念を持つ労働者への安心材料につながる」という。 インドの公的保健分野の GDP に占める支出割合はわずか 1% と低い。 世界銀行によると、病床数(1 千人あたり 0.7 床)や医師の数(同 0.86 人)でも、世界平均(2.7 床、1.6 人)を大きく下回る。

インドでは新型コロナの感染者数が 350 万人以上に増え、米国やブラジルに次いで世界で 3 番目に多い。 6 月以降、経済活動が再開したことなどにより、感染者が農村部にも広がった。 (奈良部健、asahi = 8-31-20)


コロナ対策進むシンガポール、インフルエンザもゼロ続く

マスク着用の義務化や、接触を避けるといった新型コロナウイルス対策が進むシンガポールで、政府へのインフルエンザの患者数の報告が 6 月以降「ゼロ」を記録し続けている。 昨年の同じ時期には月に数十人規模の報告があった。 今年はコロナ対策がインフルエンザ予防にもなり、患者数が大幅に減ったとみられる。 保健省の 8 月 27 日の発表によると、定点観測している医療機関への来訪者のうち、16 - 22 日にかぜなどの急性上気道炎の症状を訴えた人は、1 日あたり平均 705 人。 2,621 人だった前年同期の 3 割以下だった。 前年はうち約 2% がインフルエンザのような症状だったが、今年はゼロだった。

政府はインフルエンザのような症状の患者群からサンプルを抽出し、検査している。昨年 7 - 8 月は月に 200 - 400 人規模のサンプルを調べ、うち 25 - 45% がインフルエンザだった。 だが、今年 4 月に外出制限などのコロナ対策の強化が始まってからは、陽性が判明したのは 4 月、5 月にそれぞれ 1 人のみ。その後はゼロが続いている。 赤道直下のシンガポールでは例年、北半球が冬になる 1 月のほか、南半球が冬になる 7 月にもインフルエンザ流行のピークを迎えるが、今年はそれがなかったことになる。

シンガポール国立感染症センターのコンサルタント、バーナビー・ヤング氏は「手洗いやソーシャルディスタンシング、外出制限といった新型コロナ対策により、インフルエンザを含め、上気道炎の大幅な減少がみられる」と説明している。 (シンガポール = 西村宏治、asahi = 9-3-20)

〈編者注〉 現在のコロナ禍の中で、日本にとっても救いとなるいいニュースです。 今冬は、とりわけ高齢者施設のインフルエンザによるクラスターを抑えることができれば、インフルエンザの大流行にはならない可能性が高いと思われます。


世界の死者 80 万人 = 米、ブラジル深刻 - 新型コロナ

米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター (CSSE) の集計によると、新型コロナウイルスによる世界の死者が日本時間 22日、80 万人を超えた。 5 日に 70 万人を超えたばかりで、最近は 20 日前後で 10 万人増えるペースが続いている。 国別では、米国(約 18 万人)、ブラジル(約 11 万人)、メキシコ(約 6 万人)の順に多く、依然として米州の被害が深刻となっている。 一方、世界の感染者は累計約 2,300 万人となっている。 米国(約 560 万人)、ブラジル(約 350 万人)、インド(約 300 万人)と続いている。 ロシアも 100 万人に迫り、南アフリカも 60 万人を超えた。 (jiji = 8-23-20)


韓国のコロナ感染横ばい続く、教会でのクラスターが全国に拡大

[ソウル] 韓国では、ソウルにある教会で発生した新型コロナウイルスの集団感染が全国に広がりつつある。 韓国疾病予防管理局 (KCDC) によると、19 日深夜までに確認された新たな感染者は 288 人で、1 週間連続で 3 桁台を記録した。 ただ、前日の 297 人は下回った。 国内の感染者は累計 1 万 6,346 人、死者は 307 人に達した。 クラスターが発生した教会ではこれまで数百人規模の感染が確認されている。 一部の信者は過去数週間、ソウル市内で開催された反政府抗議集会に参加しており、感染の拡大につながっている。

当局は信者など教会関係者 3,263 人のウイルス検査を実施。 うち、630 人が陽性だった。 さらに数百人の追跡調査を実施し、ウイルス検査を行うという。 ソウル市内で行われた複数の反政府集会に関連して 53 人の感染が確認されており、うち 33 人は教会関係者。 デモでの感染には全国の 9 つの都市・地域から参加した人が含まれているという。 ただ、当局はどの地域かは明らかにしておらず、感染者の職場など 114 の施設で感染リスクがあると説明した。

当局は、全国的な感染を引き起こす可能性がある状況だと警戒感を強めている。 南部の釜山では 19 日、反政府抗議活動に関連した 2 件の感染が報告された。 政府はソウル首都圏で礼拝など教会での集会を禁止し、ナイトクラブやカラオケバー、ビュッフを提供する飲食店、ネットカフェの一時閉鎖を命じた。 (Reuters = 8-20-20)


カオサン閑散、狂った目算 「外国人 8 割減」に打つ手は

パタヤ、カオサン、プーケット - -。 世界的に有名な観光地が多いタイが、新型コロナウイルスの影響に苦しんでいる。 旅行客でにぎわっていた観光地は閑散とし、閉店するホテルや店舗は後を絶たない。 解禁された国内観光を狙い、リゾートホテルなどは大幅な値引き合戦を繰り広げるが、外国人観光客の受け入れ再開のメドは立たず、先行きは見えない。 「客はこない。 収入はほぼゼロ。」

バンコクのカオサン通りで土産物店「ブーンブーン」を営むソンパーン・チャンタチャートさん (41) はため息をついた。 格安の宿泊施設が並び、「バックパッカーの聖地」と呼ばれていたカオサンだが、中心部に人通りはなく、飲食店が店内で流すラジオの音が道路まで響いていた。 10 年前からこの場所で商売を続けるソンパーンさんは「こんなカオサンは見たことがない」という。 月 15 万バーツ(1 バーツ = 約 3.4 円)の売り上げは急減。 「このままなら、いつか店を閉めなければいけない。」

カオサンの経営者らでつくるビジネス協会によると、「コロナ前」は毎日約 2 万 5 千人の観光客でにぎわっていた。 ほとんどが欧州からで、中国、日本などアジアからの観光客も多かった。 タイ政府が外国人の受け入れを原則禁止した 3 月末以降、訪れる人は 500 - 1 千人に減ったという。 同協会の代表サンガー・ルアンワッタナクルさんは「賃料を払えず、ホテルや飲食店を引き払った知り合いは多い」と語る。 自ら経営する二つのホテルも、一つは休業したままだ。

サンガーさんは、観光が以前の状態に戻るには 3 年ほどかかるとみている。 停止中の国際線が再開しても、欧米の観光客はアジアで長期の旅行をするより、近場で短い観光を選ぶと予想されるからだ。 「外国人頼みだった商売をタイ人向けに変え、カオサン自体を変革しなければならない」とサンガーさん。 タイ人に人気の芸能人を招いてイベントを開くなど試行錯誤を続けているが、「観光客が戻ってくることに期待する老舗の経営者らは『新しいカオサンづくり』になかなか協力してくれない」と渋い表情だ。

カオサンでライブハウスを経営するニコラス・ディアモントポーラスさん (34) はギリシャ生まれ。 旅行者として訪れたタイの魅力にとりつかれ、住むことを決めた。 15 年前に開いたライブハウスは欧米の観光客とタイ人が一緒に歌って踊る人気スポットだった。 一時、閉店を余儀なくされたが、再開後はタイの若者向けのコンサートを開くなど集客に頭をひねっている。 「タイの若い人が外国人に会うために集まる場所でもあったカオサンを、外国人がいなくても魅力的な場所にしなければ」と話した。

タイは国内総生産 (GDP) の 18% を観光が占める。 特に海外からの観光客は増加を続け、3 年間で 22% 上昇。 2019 年には人口の半分以上にあたる 3,980 万人を記録した。 世界最大規模の旅行予約サイト「ブッキングドットコム」は、観光地を慌ただしく回るのではなく、1 カ所でゆっくり過ごす「スロートラベル」の目的地としてタイがさらに注目されると予想。 タイ・大手シンクタンクのカシコン・リサーチセンターは 20 年には外国人観光客がさらに 2 - 3% 増加し、4 千万人を突破すると試算していた。

だが、新型コロナが状況を一変させた。 タイ政府は、20 年には外国人観光客が約 8 割以上減って 700 万人程度になり、19 年に約 1.・9 兆バーツだった外国人観光客の消費も約 4 千億バーツまで減少するとの見込みを発表。 観光・スポーツ省の担当者は「我々が経験したことのない危機だ」と語る。 タイでは新型コロナの市中感染ゼロが続いており、観光関連業界は海外からの観光客の受け入れ再開を求めている。 だが連日、海外から帰国したタイ人の感染が判明していることから、慎重な意見も根強い。 政府はビジネスや医療関連での外国人入国を段階的に認めるとしているが、観光客の受け入れは最も遅くなる可能性が高い。

観光が専門のトゥラキット・バンディット大学のカラヤ・スワンコン准教授は、外国からの観光客受け入れが再開されても、観光業の回復には時間がかかるとみる。 「観光客は密集地には行きたがらず、短期の滞在を望むだろう。 ツアーなど集団で移動する旅行は、以前のように客が集まらないのではないか。」

そんな中、注目されているのが国内観光だ。 政府は 7 月までに、規制していた国内の移動を事実上解禁した。 カラヤ准教授は「国内の観光需要は高まっており、早ければ 10 月には以前の状態に戻るのではないか」と予測する。 政府は観光業界への補助金などを含む総額 224 億バーツの観光刺激策を発表。 ホテルも国内観光客向けのプロモーションを次々と打ち出している。 大手センタラグループやデュシットグループは半額近いバーゲン価格で集客に躍起だ。

ビーチがあるタイ有数の観光地パタヤの「デュシット・タニ」では、2 人 2 泊で 6,500 バーツというお得なプランを展開中だ。 朝食付きで 1 千バーツ分のクーポンも含まれる。 支配人のネオ・キーン・ブーン氏は「外国から入国できない今、とにかく国内のお客様に来てもらわないと」と言う。 同ホテルは 2 カ月休業したが、6 月 1 日に再開。 「当時は他の宿泊施設はほぼ全部閉まっていた。 社内では時期尚早ではないかという意見もあった」と振り返る。 5 月末からホテル内のレストランを試行的に営業したところ、予想以上の来客があったことなどから、ホテル自体の再開に踏み切った。

「おかげさまで週末はかなり盛況」というが、平日の客は例年の 2 - 3 割で、全体としては昨年の半分以下。 「外国人に比べて消費が少ない」とも打ち明ける。 8 月には早期退職も含め、80 人の従業員が退職する。 ブーン氏は、以前のような集客は 22 年の第 1 四半期まで難しいと予測する。 「効率化を図り、徹底的に無駄を排除して生き残りたい」 (バンコク = 染田屋竜太、asahi = 8-19-20)


子ども感染 38 万人、学校再開に悩む米国 露骨な圧力も

新型コロナウイルスの感染拡大が続く米国で、秋から始まる新学年に合わせて学校への登校を再開するかどうかが、各地で議論となっている。 トランプ大統領は経済の復活には学校の再開が必要だとして前向きだが、教師や親の不安は強く、都市圏を中心にオンラインでの遠隔授業継続を決める学区が増えている。 「登校再開はもろ刃の剣のようなもの。 子どもにとっては、教師との対面での授業がとても大事だ。 一方で、子どもの安全については念には念を入れて考えたい。」 フロリダ州マイアミ近郊に住み、9 歳と 4 歳の子どもがいる大学職員、エイミー・ウィリアムズさん (31) はこう語る。

米国では 3 月ごろ、ニューヨーク州を中心に東北部で感染が広がった。 しかし、同州などで感染拡大に歯止めがかかると、今度は南部で拡大。 フロリダ州でも 6 月以降、新規感染者が急増した。 これまでの感染者数は全米でカリフォルニア州に次ぐ 2 番目に多い約 60 万人にのぼり、特に大都市のマイアミや近郊で感染が多発した。

再開直後に感染者が

こうした状況を受け、マイアミ・デード郡は 7 月末、新学年が始まってからも公立校は当面、オンライン授業のみとすることを決めた。 感染状況を見て、10 月から希望者について教室での授業を再開するか、改めて判断する。 ウィリアムズさんは「遊び盛りの子どもに(感染防止のための)社会的距離を守らせるのは無理。 現時点では子どもを学校に通わせるつもりはない。」と決定を歓迎する。

他の地域でも、学業レベルの維持や子どもへの精神的な影響を考えて学校での授業を望む親も多い。 しかし、米国では感染者数が累計 500 万人を超えており、今も新規感染者が 1 日で 5 万人前後確認されている。 米小児科学会の 6 日現在のまとめによると、子どもの感染者は 38 万人に上る。 すでに登校を再開した学校も一部にあるが、再開直後に感染者が出て学級や学校が閉鎖されるケースも相次いでいる。 感染リスクにさらされる教師の間でも再開に慎重な声が上がっている。 このため、感染者の多い都市圏を中心に、オンラインでの遠隔授業を行うとの方針を打ち出す学区が増えている。

ただ、子どもが登校しなければ、自宅で大人が見守る必要があり、親の出勤が難しくなる。 トランプ氏はこうした状況が経済再開を遅らせているとの思いが強く、8 月 11 日の会見では「学校を再開させる必要がある。 経済を加速させなければならない。」と述べた。 7 月には、全面的に再開しない学区には連邦政府の予算を割り当てないと発言するなど、露骨に圧力をかけている。

トランプ氏はまた、「(子どもが)死亡するのは極めてまれで、すぐに快復する」として、学校再開に問題はないとも主張。 米疾病対策センターは学校再開に向けた指針で、子どもは大人に比べて感染しにくく、感染した場合でも大人よりも症状が軽いとされている、などと掲げている。

こうした状況もあり、現在は地域によって対応に違いが出ている。 教育政策研究協会の 7 月末時点のサンプル調査では、学区の 51% が週 5 日か一部で登校授業を行うと回答。 14% がオンラインのみとしたが、都市部の学区ではオンラインのみが 55% に上った。 教育情報サイト「エデュケーションウィーク」によると、全米で生徒数の多い 20 学区のうち 17 学区がオンライン授業のみで新学期を始める方針で、400 万人余りの生徒が対象となる。

ノースウェスタン大教育社会政策学部のテリ・サボル准教授は「すべての学校に一律に適用できるような答えはない。 学校側には、教師や生徒、家族の健康を最優先すると同時に、子どもたちの教育ニーズを満たすという非常に困難な課題が与えられている」と再開問題の難しさを指摘した。 (ニューヨーク = 鵜飼啓、asahi = 8-18-20)


検査せず夜中埋葬か 「神のおかげで収束」したはずの国

新型コロナウイルスのアフリカでの感染者数が 7 日までに、累計 100 万人を超えた。 死者数は約 2 万 2 千人に上っている。 先に感染が広がった欧米や中南米のような拡大にまでは至っていないものの、検査態勢が整っていない国が多いことなどから、実際の感染者数ははるかに多いとの見方もある。 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、アフリカ全 54 カ国のうち、欧州諸国と関係が深い南アフリカやエジプト、ナイジェリア、ガーナ、アルジェリアの 5 カ国で、全体の感染者数の約 75% を占めている。 特に南アフリカは7日時点で 53 万人以上に達し、世界全体で 5 番目に多い。

一方、死者数は欧米などに比べると少なく抑えられており、世界保健機関 (WHO) は重症化しにくい若年層が多いことなどを理由にあげている。 ただ、WHO アフリカ地域事務局のモエティ局長は「検査が不足している国が多く、実際の感染者はさらに多い」と認める。 AP 通信は、アフリカの感染者は 500 万 - 1,400 万人に達する可能性があるとの専門家の見方を伝えている。

アフリカではこれまで多くの国々が国境封鎖や外出制限を実施してきたが、ケニアやルワンダなど、最近になって国際線の運航を再開する動きも出ており、今後は各国で感染が拡大する恐れもある。 ルワンダのンガミジェ保健相は 6 日の会見で「経済(の維持)と集団感染の防止をどう進めていくかが大きな課題だ」と話した。

「静かな流行」?

新型コロナの「静かな流行」が疑われている国の一つがアフリカ東部タンザニアだ。 「感染者 509 人、死者 21 人」とした 5 月 7 日の発表を最後に感染状況が更新されず、マグフリ大統領は 6 月上旬、「神のおかげで新型コロナは取り除かれた」と収束を宣言した。 だが、国内では新型コロナと疑われる病人が相次ぐ。 中南部に住む 40 代の男性は 7 月中旬、祖母を亡くした。 大きな持病はなかったが、突然せきが出始め、次第に呼吸もできなくなった。 医師からは「コロナだと思うが検査も治療もできない」と言われた。 政府関係者によってひっそりと埋葬されたという。

この男性は、知人にも同様の症状で亡くなった人が複数いると話す。 「政府は新型コロナがなくなったと言うが、近隣の国全てで感染者が出ている。 自分たちの国だけ安全なわけがない。」 地元記者によると、原因不明の死で数十人の遺体が夜中に埋葬されたケースもあるという。 隣国ケニアの複数の政府関係者は取材に「この数カ月で数百人のタンザニア人が治療を目的に陸路でケニアに入国した」と証言。 「治療目的での入国者が倍以上に増えた」という。

モエティ局長は 7 月 23 日の会見で「陸路で隣国に入国しようとしたタンザニア人の感染報告を多数受けている」と説明。 今後、周辺国との国境管理や外交関係で対立の種になる恐れがあり、危機感を強めている。 (ヨハネスブルク = 石原孝、asahi = 8-14-20)

アフリカの感染状況 感染者数と死者数
(7 日午後 5 時現在)
(米ジョンズ・ホプキンス大の集計から)
南アフリカ538,1849,604
エジプト95,0064,951
ナイジェリア45,244930
ガーナ39,642199
アルジェリア33,6261,273
モロッコ29,644449
ケニア24,411399
エチオピア20,900365

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アフリカの感染者、100 万人超える 南アは世界 5 番目

世界各国で猛威を振るっている新型コロナウイルスの累計感染者が 6 日、アフリカ大陸で 100 万人を超えた。 感染状況は各国によって様々だが、依然として検査態勢が整っていない国もあり、実際の感染者はより多いとみられている。 世界保健機関 (WHO) などによると、アフリカ全 54 カ国のうち、欧州諸国との関係が深い南アフリカやエジプト、ナイジェリア、ガーナ、アルジェリアの 5 カ国で、全体の感染者数の約 75% を占めている。 特に南アフリカの累計感染者数は 6 日時点で 53 万 8,184 人に達し、世界全体で 5 番目に多くなっている。

一方、アフリカ諸国の死者数は計約 2 万 2 千人で、欧米諸国に比べると少ない。 WHO は、重症化しにくい若年層が多いことなどを理由にあげている。 アフリカ諸国では、エジプトが 2 月中旬に初の感染者を確認したと発表。 その後、多くの国は国境封鎖や国際線の運航停止、外出制限策などを実施してきた。 モーリシャスやセーシェルなど、感染者の急激な拡大を抑えている国もある。

ただ、WHO アフリカ地域事務局のモエティ局長は、「検査が不足している国が多く、実際の感染者はより多い」と認めている。 経済のダメージも大きく、世界銀行や国際通貨基金 (IMF) は、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の今年の経済成長率をマイナス 3% 前後と予測している。 ケニアやルワンダなど、最近になって国際線の運航を再開する動きも出ており、今後各国で緩和策が進められることで、感染が拡大する恐れもある。 (ヨハネスブルク = 石原孝、asahi = 8-7-20)


コロナ感染者、世界で 2 千万人を突破 400 人に 1 人

世界の新型コロナウイルスの感染者が 11 日、累計で 2 千万人を超えた。 米ジョンズ・ホプキンス大が集計した。 世界人口の 400 人に 1 人が新型コロナに感染したことになる。11日午後5時時点で、最多の米国は全体の 4 分の 1 にあたる 509 万人が感染。 ブラジルが 305 万人、インドが 226 万人と続く。 同大の集計によると、感染者が 100 万人になった日から 1 千万人を超えるまでは 87 日間だったが、1千万人から 2 千万人に倍増するまでは、その半分の 44 日間だった。

増加率で見ると、米国や欧州で感染者が広がった 3 月中旬から 4 月上旬にかけて最も急速に増えており、前日比で 10% 前後の増加率だった。 5 月以降は同 1 - 2.5% 増が続いている。 死者数は 73 万 6 千人を超えた。 最多は米国(16 万 3 千人)で、ブラジル(10 万 1 千人)、メキシコ(5 万 3 千人)、イギリス(4 万 6 千人)が続く。 死者の増加率は感染者の増え方と同じ傾向で、3 月中旬から 4 月上旬にかけてがピークだった。 6 月以降は前日比で 1% 前後のペースで増えている。(坂本進)

欧州、感染の再拡大目立つ

世界の新型コロナウイルスの感染者数が 11 日、累計で 2 千万人に達した。 1 日当たり 25 万人を超えるペースで、いまも感染は広がり続けている。 全体の数を中心的に押し上げてきたのが、多くの人口を抱える米国、ブラジル、インドだ。 この 3 カ国だけで感染者は累計 1 千万人を超え、世界全体の半数以上。 インドは特に増加が顕著で、1 日当たりの感染者数が 5 万 8 千人を超え、8 月上旬からは米国を抜いて世界トップとなった。

世界の感染者のうち、新興・途上国が 6 割以上を占める。 ブラジルやインドに加え、コロンビアやペルーなどの中南米諸国、南アフリカやロシア、フィリピンなどで感染者が多い。 4 月には感染者の多くが欧米の先進国で確認されたが、5 月以降は一貫して新興・途上国で多くの感染者がみられる。 貧困地域での感染拡大が懸念されているアフリカの感染者数は、世界全体の 5% ほどで、まだ南米のような急拡大には至っていない。

日本でも注目される「第 2 波」の影響は地域や国によって異なる。 真っ先に 2 度目の感染拡大に襲われた米国は、8 月に入って減速傾向が見え始めた。 代わって、最近の感染拡大が目立つのが欧州だ。 スペインや英国、フランスなどの国々では 4 月に感染ピークを迎えた後、いったんは収束に向かっていた。 しかし最近は 1 週間に 3 割を超えるようなペースで再び感染者が増え始めた国もあり、今後の推移が注目されている。(エルサレム = 高野遼)

感染上位10カ国、半数が中南米

新型コロナの感染拡大が止まらない中南米。 AFP 通信が 11 日に報じた集計では、直近の 1 週間の増加はカリブ地域を含む中南米で 57 万人を超え、アジア(49 万人超)や北米(37 万人超)など他地域を大きく上回った。 米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、世界で感染者数の多い 10 カ国に、ブラジル、メキシコ、ペルー、コロンビア、チリの 5 カ国が入る。 厳しい外出規制を続けてきたアルゼンチンも感染者は 25 万人で 16 番目。 人口 1,700 万人ほどのエクアドル、1,100 万人のボリビアも 9 万人近い感染者がおり、中国の感染者数を抜いた。

中南米で感染が急増した原因と指摘されるのが、社会格差と医療体制の貧弱さだ。 国によっては人口の半数近くを貧困層が占め、衛生環境も悪いスラム街に密集して住む人も少なくない。 貯蓄もないため、外出が規制されても、生きるためには働かねばならない。 中間層でも経済の停滞で失業者が急増しており、政府や自治体は外出制限を解除せざるをえない状況だ。 病院は大都市に集中する上、高水準の病院は限られる。 感染しても満足な医療を受けられない人も多い。 (岡田玄 = サンパウロ、大部俊哉、asahi = 8-11-20)

世界の新型コロナ感染者・死者数
(11 日午後 5 時現在)
感染者の多い15カ国と往来の多い国
米ジョンズ・ホプキンス大の集計から
カッコ内は前日比
米国5,094,565163,465
ブラジル3,057,470101,752
インド2,268,67545,257
ロシア890,79914,973
南アフリカ563,59810,621
メキシコ485,83653,003
ペルー483,13321,276
コロンビア397,62313,154
チリ375,04410,139
イラン328,84418,616
スペイン322,98028,576
英国313,39246,611
サウジアラビア289,9473,199
パキスタン285,1916,112
バングラデシュ260,5073,438
フィリピン136,6382,294
インドネシア127,0835,765
中国88,9064,689
シンガポール55,29227
豪州21,713331
韓国14,660305
マレーシア9,094125
タイ3,35158
ベトナム84715
台湾4777
日本49,8431,052
世界計20,092,855
(+223,728)
736,254
(+4,801)

コロナで 13 秒に 1 人死亡 世界の死者数は 70 万人超に

新型コロナウイルスの世界の死者数が 5 日、70 万人を超えた。 米ジョンズ・ホプキンス大が集計した。 5 日午後 5 時時点で前日から死者は 6,773 人増え、13 秒に 1 人が亡くなっていることになる。 1 日あたりの新規感染者数も、7 月下旬から 20 万人を超える日が続いており、依然として感染の勢いが衰えていない。 国別の死者数では、米国が 15 万 6,830 人で最多で、ブラジル、メキシコが続く。 米国では 4 月中旬に 1 日あたりの死者数が 2 千人を超えたが、7 月上旬には 300 人を下回った。 しかし、7 月中旬から再び増加しており、5 日午後 5 時までの 24 時間の死者数は、1,359 人だった。 (坂本進、asahi = 8-5-20)

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