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世界最大のビール祭り中止 4 カ月超先でも「健康優先」

ドイツで毎年秋に開かれる世界最大規模のビール祭り「オクトーバーフェスト(10 月祭)」が 2 年連続で中止になることが 3 日、決まった。 祭りは 4 カ月以上も先だが、新型コロナウイルスの感染が収まるかは現時点ではっきりせず、世界中から人々が集まる祭りを開催するリスクが大きいと判断した。 開催地ミュンヘンのライター市長は 3 日の記者会見で「世界中のファンにとって残念なことだ」としつつ、「祭りの喜びよりも人々の健康を優先せねばならない」と述べた。 オクトーバーフェストは例年、42 ヘクタールの広大な敷地に建てられた複数の巨大テントの中で、民族衣装に身を包んだ人たちがビールや歌、踊りを楽しむ。 9 月半ばから 10 月初めに約 2 週間開かれ、世界中から約 600 万人が集まる。

テント内での密集が避けられず、祭りで感染が広がるリスクが懸念され、昨年も中止となっていた。 オクトーバーフェストは 1810 年に始まって以来、2 度の世界大戦やコレラの流行などで中止になったことがある。 ドイツでも新型コロナの変異株の影響で、新規感染者数がなお 1 日 2 万人を超える日もある。 多くの地域で飲食店や娯楽施設の閉鎖といった規制が続く。 一方で、政府は 9 月下旬までにすべての市民がワクチンを接種できるようにするとしており、ペースは上がっている。 2 日までに人口の約 28% が接種した。 (ベルリン = 野島淳、asahi = 5-4-21)


ワクチン済んだら、外でマスクなし OK 米 CDC が緩和

米疾病対策センター (CDC) は 27 日、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人は、混雑していなければ屋外でマスクを着用しなくてもよいとガイドラインを改定した。 CDC は 3 月から、接種を終えた人同士は屋内でもマスクを着用せずに会っていいとしており、今回さらに緩和した。 接種を終えた人への規制緩和を進めることで、接種率を高めたい狙いだ。 緩和の対象は、米ファイザー製なら 2 回など、それぞれのワクチンに必要な接種回数を終えて 2 週間過ぎた人。 飲食店の屋外の席で食事したり、屋外で少人数が集まったりするだけなら着用しなくていいとした。 少人数の具体的な人数については「スペースの広さや換気の状況によっても異なる」として示さなかった。

一方、屋外でも、パレードやスポーツ観戦など人が密集する場所は着用の必要があるとした。 映画館や商業施設、理髪店など屋内も引き続き着用を求めた。 米国の接種割合は、白人で高く、黒人やヒスパニックで低い傾向にある。 バイデン大統領は 27 日、ホワイトハウスで会見し、「ガイドラインに従い、ワクチンを接種してほしい。 無料だし、便利な場所で接種することができる。」と訴えた。 (ワシントン = 合田禄、asahi = 4-28-21)


イタリアの飲食店、屋外席を再開 スカラ座も再び開館へ

イタリアは今週から、新型コロナウイルスの感染リスクが高いとされる州や地域などを除き、感染防止のための規制を段階的に緩和し始めた。 持ち帰りや宅配に限っていた飲食サービスは、屋外の客席での飲食を再開した。 ローマ市内の飲食店でも 27 日、市民らが屋外の席で食事や飲み物を楽しんでいた。 劇場や映画館、コンサートホールなどは再開後、予約制にして収容数の 50% までに制限する。 北部ミラノにある世界 3 大劇場の一つのスカラ座は、5 月 11 日から再び開館することになった。 地元メディアなどによると、同国を代表する世界的指揮者のリッカルド・ムーティ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が出演するという。

また、国会では今週、欧州連合 (EU) から配分された「復興基金」を中心とした総額 2,480 億ユーロ(約 32 兆 6 千億円)の復興プランが審議された。 コロナ危機で疲弊した経済の立て直しを目指す。 イタリアでは 3 月に新規感染者数が 2 万人を超える日が相次ぎ、中旬には「第 2 波」が襲った昨年 11 月下旬の水準まで戻った。 政府は 3 月中旬から「イースター(復活祭)」が終わる 4 月上旬まで、多くの州や地域でロックダウン(都市封鎖)を実施した。 新規感染者数は 27 日で 1 万 404 人と減ってきてはいるが、北東部のベネト州で 26 日、感染者が急増しているインドからの帰国者から変異株が見つかったことが明らかになるなど、予断を許さない状況が続く。 (ローマ = 大室一也、asahi = 4-28-21)


大統領が推すコロナ薬 WHO 非推奨、でも売り上げ 4 倍

南米ブラジルで、新型コロナウイルスへの効果が科学的に証明されていない薬のセットが、「予防や治療のため」と称して売られている。 国際医療 NGO 「国境なき医師団 (MSF)」は 15 日、オンライン会見を開き、ブラジル政府に科学的根拠に基づく対応を早急に取るよう求めた。 「副作用もあり、効果もない薬は薬剤師としては売りたくない。 しかし、医師の処方箋があれば拒否できない。」 サンパウロ州内陸部バタタイスの薬剤師、エンヒ・トヌシさん (37) はあきらめたように語った。

変異株が猛威をふるっているブラジルでは 14 日までに、累計感染者が 1,360 万人を超えた。 各地で医療崩壊が起きており、直近 1 週間の平均では 1 日あたり 3 千人以上が死亡した。 そうした中、「COVID キット」と呼ばれる薬のセットが売られ続けている。 新型コロナウイルス感染症の正式名称「COVID-19」から名付けられたセットには、ビタミン剤や亜鉛製剤、抗生物質のほか、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンや抗寄生虫薬のイベルメクチンが含まれる。 患者に予防薬として配布している病院もある。

ヒドロキシクロロキンとイベルメクチンは、新型コロナの治療や予防には効果がないとして、世界保健機関 (WHO) が使用しないよう勧めている。 だが、ブラジルのボルソナーロ大統領は「効果がある」として、この二つの薬の使用にこだわり続けている。 全土で医療崩壊の危機に直面していた今月 7 日にも、この薬を使って「早期治療」をすべきだと語った。 1 月に WHO がイベルメクチンを推奨しないと発表しても、「使える薬リスト」としてツイッターに投稿したほどだ。

トヌシさんの働く薬局では、こうした薬の売り上げが 1 年前と比べて 4 倍に増えたといい、「大統領の演説で売り上げが飛躍的に伸びた」と話す。 キットの購入には、医師の処方箋が必要だ。 15 日にオンラインで記者会見した MSF の感染症専門家アントニオ・フロレス医師は、患者から処方するよう強く迫られ医師が断れない場合があることに加え、「公衆衛生上の対策そのものが政治問題化されてしまい、医師の間でも科学に基づいた議論ができなくなっている」と指摘した。

MSF によると、重症化した患者の多くが、こうした薬を「予防薬」として服用していたという。 MSF はこの日の声明で、「ヒドロキシクロロキンとイベルメクチンは、政治家によって万能薬として宣伝されている」とし、偽情報がブラジルで感染と死を助長していると指摘した。 政府に対し、公衆衛生対策において、政治的な意見ではなく、科学的な根拠に基づいた包括的なガイドラインの策定を求めた。 (サンパウロ = 岡田玄、asahi = 4-19-21)


ワクチン効かず? 世界襲う変異株 インドでは二重変異も

新型コロナウイルスによる世界の感染者数が再び急増し、1 日あたり 70 万人(7 日間平均)を超えて過去最多の水準になっている。 背景にあるとみられるのが感染力の強い変異株。 ワクチン接種が進む国でも感染が拡大しており、各国は危機感を強めている。 新型コロナのワクチン接種が進む国でも、感染状況は悪化している。 フランスはワクチンを 1 回受けた人の割合は約 19% だが、1 日の感染者数は 3 万人以上。 うち 9 割を変異株が占め、政府は感染のピークにはまだ達していないとみている。

15 日には、新型コロナによる死者数が 10 万人を超えた。 このうち 4 割が、変異株が初めて確認された昨年 12 月末以降だ。 中でも仏政府が警戒しているのがブラジル型変異株と南アフリカ型変異株と呼ばれるタイプ。 ブラジル型は感染力が強い上、若者でも重症化する傾向が、南ア型は、アストラゼネカ社製ワクチンが効かない可能性が指摘されているからだ。 両変異株が占める割合は国全体では 3.8% だが、仏東部モーゼル県では 26% を占める。 今月 14 日、ブラジルからの航空機の乗り入れを停止。 17 日には南アフリカからの入国者に 10 日間の隔離を課すことも決めた。

また、仏政府の諮問機関は 9 日、アストラ社のワクチンは南ア型に効くという十分なデータがないとして、同県で使わないよう勧告した。 だが国は「南ア変異株の割合は同県で下がる傾向にある」として使用を継続。 地元の医師らは「理解できない」と国の方針を批判している。 新型コロナのワクチン接種回数が世界最多の米国。 米疾病対策センター (CDC) によると、すでに 2 億回以上のワクチンが接種され、少なくとも 1 回打った人は約 1 億 3 千万人と、人口の約 4 割にのぼる。 65 歳以上だと約 8 割、18 歳以上だと約半数が 1 回以上接種している。 19 日からは全米ですべての成人が接種対象になる。

ただ、より感染力が強いとされる英国型を中心とする変異株の割合がどんどん増加している。 新たな感染者のうち、変異株の割合は 1 月はわずかだったが、いまは全体の半数以上を占めると推定されている。 特にミシガン州ではその割合が高く、新規感染者数が急増。 1 日約 7 万人(7 日間平均)という全米の感染者数の水準を押し上げる一因になっている。 バイデン政権は 16 日、変異株の対策に新たに 17 億ドル(約 1,800 億円)を投じると発表。 CDC や州でウイルスのゲノム情報を調べて変異株かどうかを分析できる数を増やすほか、ゲノム情報を詳しく分析する研究体制を整えるなど、迅速に対応できるようにする。

CDC のロシェル・ワレンスキー所長は「新たな感染者の増加は、マスクの着用義務やレストランの屋内利用制限などの緩和の結果でもあるが、感染力が高い変異株の拡大も原因だ」と指摘している。 (パリ = 疋田多揚、ワシントン = 合田禄)

世界のコロナ感染者、3 月に再び増加傾向に

米ジョンズ・ホプキンス大の集計によると、世界の新型コロナの感染者数は、昨年 12 月から今年 1 月にかけて高い水準が続いた後、いったん減少に転じた。 しかし 3 月に入って増加傾向が鮮明となり、その勢いが増している。 特に深刻なのが人口 13 億人の大国インド。 政府が 18 日に発表した 1 日あたりの感染者数は、約 26 万人と過去最多を更新した。 昨年 9 月の 10 万人弱から減り、今年 2 月には 1 万人を切る日もあった。 3 月中旬から再拡大し、4 月 5 日の発表で初めて 10 万人を突破。 20 万人を超えても鈍化する気配がない。 患者の急増で、各地の医療機関で病床や医療用酸素などが足りない状況に陥った。 地元政府が夜間や週末の外出を禁止するなど、拡大防止のための規制を強化している。

一部の専門家が急増の背景にあると指摘するのが「二重変異株」だ。 一つのウイルス内で二つの変異が重要な部分に起きるという。 インド政府は二重変異株が確認された 3 月末、「感染者の急増と直接の関連はない」としていた。 だが米ブルームバーグ通信によると、政府系の科学産業研究評議会のアグラワル理事は「二重変異株はより感染力を増し、免疫を回避する可能性がある」と答えている。

ワクチンの効果を不安視する地元報道も出ている。 首都ニューデリーの病院で 4 月上旬、医師 37 人の感染が確認された。 二重変異株かどうかは不明だが、全員ワクチンを 2 回接種済みだったという。 インドでは 1 月からワクチン接種が始まったことから、感染予防への意識の緩みも指摘されている。 昨春の感染拡大初期にはマスクの着用が徹底されていたが、その後は地方では、マスクをしている人はほとんど見られなくなった。 (ニューデリー = 奈良部健、asahi = 4-18-21)


新型コロナ死者 300 万人超 感染者 1 億 4,000 万人を突破

新型コロナウイルスによる死者が世界全体で 300 万人を超えました。 各国でワクチン接種が進んでいますが、感染の拡大は続いていて、全世界の感染者は 1 億 4,000 万人を突破しました。 アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の集計によりますと、新型コロナウイルスにより亡くなった人は日本時間 17 日、世界で 300 万人を超えました。 死者はアメリカが最も多く 56 万人を超え、次いでブラジルで 36 万人を超えています。

先進国を中心にワクチン接種が進んでいて、イギリスの一部の地域ではパブなどが再開するなど経済活動が正常化に向かっています。 一方、世界全体では感染の拡大が続き、感染者数は 1 億 4,000 万人を突破しました。 インドでは 15 日、一日あたりの新規感染者数が過去最多となり 20 万人を上回りました。 (テレ朝 = 4-17-21)


イスラエル、屋外マスク不要を宣言 ワクチン接種世界一

世界一のペースで新型コロナウイルスのワクチン接種が進むイスラエルで、政府が屋外でのマスク着用は必要ないと宣言した。 国内の新規感染者や死者は減少する傾向にあり、「コロナ前」の日常生活が戻りつつある。 イスラエルのエーデルシュタイン保健相は 15 日、「ワクチン接種キャンペーンの成功のおかげで感染率は非常に低い」と述べ、「専門家が屋外でのマスクの着用はもう必要ないとの結論を出し、受け入れることにした」と表明した。

これまでは屋外でのマスク着用を義務づけていたが、18 日から変更する。 屋内では引き続きマスクをするよう求める。 イスラエルでは昨年 12 月にワクチン接種を始め、これまでに人口の半分を超える約 500 万人が 2 回の接種を終えている。 1 日あたりの新規感染者は 1 月には 1 万人を超えていたが、現在は 200 人前後で推移している。 昨年から続いたロックダウン(都市封鎖)は 2 月から段階的に解除された。 ワクチン接種を終えた人には「グリーンパス」と呼ばれる証明書を発行し、レストランなどを利用する条件としている。 ワクチン接種が進むことで、社会全体の感染を収束に導く「集団免疫」が得られるかどうかにも注目が集まっている。 (エルサレム = 清宮涼、asahi = 4-16-21)


英国、待ち焦がれたパブ解禁 気温 3 度でも屋外でビール

新型コロナウイルスのワクチン接種が進む英国のイングランドで 12 日、英国伝統の大衆酒場パブなど、飲食店の屋外営業が約 3 カ月ぶりに再開された。 感染状況が改善されたためで、1 月 5 日に始まったロックダウン(都市封鎖)の一部緩和となる。 午前 10 時の気温は 3 度。 冷え込んだ月曜日にもかかわらず、昼前からコートを着た客がロンドン市内のパブでビールを飲み始めた。 飲食店経営のヨバン・ジェネブスキーさん (32) は「失った機会を取り戻すつもりで、毎日が金曜日のように飲みたいね。 こうして友人と語り合うのは昨年 11 月以来だ」とグラスを傾けた。

美容院や衣料品店など小売店も再開され、午後になるとショッピングバッグを手にした買い物客で街はにぎわった。 ジョンソン首相も当初は「月曜日にパブで飲む」と話していたが、BBC によると、9 日にエリザベス女王の夫、エディンバラ公フィリップ殿下が死去したことで延期した。 政府は都市封鎖を 4 段階で緩和する計画を 2 月に公表し、今回は 3 月の「ステップ 1」に続く「ステップ 2」。 今後も一定の条件をクリアすれば、飲食店の屋内営業は 5 月 17 日以降の「ステップ 3」で可能となり、全ての法的な規制は 6 月 21 日以降の「ステップ 4」で解除する予定となっている。 (ロンドン = 金成隆一、asahi = 4-13-21)


変異株が猛威、ロックダウンでは足りず 欧州で入国規制

新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るう欧州で、域内の入国規制が再び強まっている。 ロックダウン(都市封鎖)に踏み切っても、変異株による第 3 波が収束する気配がないためだ。 夏の観光シーズンを控え、ワクチンだけが頼みの綱だ。(フォルバック〈仏東部〉 = 疋田多揚)

2 日に一度のコロナ検査

フランス東部、約 2 万 2 千人が暮らすフォルバックで先月 2 日、薬局に長い列ができた。 新型コロナウイルスの検査を受けようとする人々だ。 この日、国境を接するドイツに行くには陰性証明書が必要になったためだ。 フォルバックを含むモーゼル県は 2 月下旬、感染者に占める変異株の割合が 8 割に達し、ドイツから変異株の流行地域とみなされ、規制強化の対象になった。 同県はドイツとの行き来が盛んで、日常的に国境を越えて働く人は 1 万 6 千人、学校に通う子どもたちは 2 千人に上る。 だが、ドイツに渡れるのは、48 時間以内の検査で陰性と判明した人だけになった。

ドイツ側のたばこ店で働くアマンディーヌ・ビッケルさん (31) もその一人。 国境から勤め先の店までわずか 150 メートル。 この往来のためだけに、2 日に 1 度、検査を受ける。 「週 1 回ならまだわかるが、2 日に 1 回も(鼻に綿棒を突っ込む)痛い検査を受けるのは苦痛だ」と嘆く。 その後も変異株はフランスで感染拡大を続け、ドイツは 3 月 26 日、フランス全域からの入国者に陰性証明を課すことを決めた。 移動の自由を掲げる欧州連合 (EU) で、国境管理が始まって 1 年あまり。 昨年 3 月にイタリアとの往来を各国が制限したのを皮切りに、独仏も国境を事実上閉鎖した。 感染者が減った夏に各国の規制が緩んだものの、今年に入って変異株が猛威を振るい、再び規制強化にかじを切り始めた。

英国のジョンソン首相は 3 月 24 日、フランスとの国境管理強化を検討すると表明。 入国者にホテルで 10 日間の隔離を課し、1,750 ポンド(約 27 万円)の費用を負担させる可能性もある。 EU 本部があるベルギーは 1 月末以来、観光目的など不要不急の出入国は EU 域内であっても禁じている。 ノルウェーも同月末から、入国者を原則、同国在住の外国人に限っている。 仏紙ルモンドによると、スペインのマドリードで、午後 11 時まで開いている飲食店目当てに、フランス人観光客が訪れて羽目を外し、ひんしゅくを買っているという。 フランスの感染者数は 1 日 5 万人前後で、スペインは約 6 千人。 今は陰性証明があれば入国でき、観光客が経済を潤す効果はあるものの、地元から国境の規制強化を求める声が出ているという。

「期待は絶望を生む」

影響は EU 外にも広がる。 仏中部マコンに住むシャルロット・ソトさん (27) が、恋人の韓国人、ウヒョンさんと最後に会ったのは昨年 6 月。 ビザが切れてフランスに帰国すると、両国間の入国規制が始まっていた。 夏の間も国境が開くことはなく、ソトさんは「結婚して家族関係を結べば韓国へ入れるかも」とも考えた。 だが、それも不確かな上、「書類のために結婚したくはない」と思い直した。 学生ビザなら韓国に渡れると知って入学手続きを進めたが、在仏韓国大使館は先月、学生ビザの発行手続きを中断すると発表した。 ソトさんの希望は、ワクチン接種が進んで国境がもとに戻ること。 でも、変異株の猛威を前に慎重だ。 「期待は絶望を生むから。」 英語でメッセージをやりとりする日々が続く。

自己批判する首脳たち

欧州では、昨夏のバカンスによる移動が、その後の感染拡大の一因になったとみられている。 変異株の抑え込みが見通せない中、各国は、今後の供給増が見込まれるワクチンの接種で正常化を狙う。 AFP 通信によると、イタリアでは先月末、医療従事者への接種が義務づけられた。 病院などでのクラスターを避ける狙いがある。 パリ 市ではスタッフがアパートを戸別訪問して、住民に接種を案内している。 EU は夏の観光シーズンをにらみ、接種したことを示す EU 共通の「ワクチン証明書」を 6 月中旬までに実用化させる方針だ。

ただ、ワクチン供給の遅れによる感染拡大は深刻だ。 マクロン仏大統領は 3 月 31 日、3 度目となる全土での外出制限の導入を発表。 変異株への対応について、「私たちは過ちを犯した」と表明した。 メルケル独首相も同月 24 日、イースター(キリスト教の復活祭)に合わせた新たな規制の一部を 1 日で撤回し、「私の間違いだ。責任は全て私にある」と謝罪。 ハンガリーなどでロシア製ワクチンを確保する動きも出ている。 (asahi = 4-6-21)

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フランス全土で学校閉鎖へ 24 時間の感染 6 万人に迫る

フランスのマクロン大統領は 3 月 31 日、新型コロナウイルスの感染が広がり続けているとして、来週から 3 週間、全土で学校を閉鎖すると決めた。 外出制限も全土に広げる。 同日夜の国民向けテレビ演説で明らかにした。 フランスでは同日、24 時間の感染者が 5 万 9 千人に達した。 マクロン氏はこれまで、学校閉鎖は教育格差を広げかねないとして「最後の手段」と位置づけてきたが、各地でコロナ禍による学級閉鎖が相次いだ。 病床も次々と埋まっているため、幼稚園から高校までの一斉閉鎖に踏み切った。 大学は週 1 日の対面授業を認める。

4 月 5 日が祝日のため、幼稚園と小学校は 4 月 6 日から 3 週間、中高は 4 週間、閉鎖する。 ただ、もともとこの時期は 2 週間の春休みが予定されていたため、実際には 1 - 2 週間の閉鎖になる。 春休みをのぞいた期間はオンラインなどで授業を行うという。 学校閉鎖は昨年春の第 1 波の時以来、2 度目となる。 また、現在 19 県で課している外出制限を 3 日から全土に広げることも決めた。 生活必需品を扱う店のみ営業を認め、自宅から 10 キロ以上離れた外出はやむを得ない場合のみに限る。 全土での外出制限は 3 度目。 マクロン氏は国民の 13% が 1 回目の接種を終えたワクチンによって「危機の出口が見え始めている」とも主張。 現在閉鎖しているレストランや映画館などを再開するためのスケジュールを夏までに示すことを明らかにした。 (パリ = 疋田多揚、asahi = 4-1-21)

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二転三転の末 … アストラゼネカ製ワクチン、仏で接種再開

フランスのカステックス首相 (55) が 19 日、英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンを初めて接種した。 同社製ワクチンをめぐっては、仏政府の評価が二転三転したために国民の不信が増大。 国民が接種に尻込みしないよう、首相自ら一肌脱いだ格好だ。 カステックス氏は 18 日の記者会見で、同社製ワクチンの接種を 19 日から再開すると発表した。 血栓などの副作用の有無を調べていた欧州医薬品庁 (EMA) が 18 日、「ワクチンは安全で効果が見込める」と結論づけたためだ。

変異株が猛威を振るうフランスは、1 日の感染者数が 3 万 8 千人を超え、病床が逼迫。 政府はパリ首都圏など 2,100 万人を対象に、20 日から 4 週間の外出禁止令を課すと決めた。 頼みの綱のワクチンは「1 回分たりとも無駄にできない(カステックス氏)」状況だ。 課題の一つが世論だ。 今週の世論調査で同社製ワクチンを「信頼できる」と答えた仏国民は 20% にとどまったためだ。 マクロン大統領は 1 月末、同社製ワクチンは十分な情報がないとして「65 歳以上にはほとんど効かないと考えられる」などと疑問視した。

ところがその後、EMA が 18 歳以上のすべての世代の接種を認めると、フランスもならって、18 歳以上の医療従事者や糖尿病患者らへの接種を認めることにした。 ワクチン供給不足の解消を担うと期待され、3 月半ばまでにフランスで接種した約 530 万人のうち、4 分の 1 が同社製の接種だった。 一方で、同社製ワクチンを優先的に接種できる医療スタッフや介護施設の職員では、3 人に 1 人しか接種していないことが判明。 カステックス氏は 3 月上旬、「普通ではない」などといらだちを示し、接種を強く促した。

その後、北欧の一部の国が副作用の懸念から同社製ワクチンの接種を見送り始めても強気を貫いた。 14 日夜のテレビ番組で、カステックス氏は「アストラゼネカのワクチンを信頼しないといけない」と力を込めた。 だが、マクロン大統領が翌日に態度を翻した。 「用心のため」として突如中断を表明し、混乱に拍車がかかった。 接種再開の旗振り役を担ったカステックス氏は19日にワクチンを受けると、報道陣に「私はちょっと痛がりなんだけど、何にも感じなかった」と緊張した面持ちで語った。 (パリ = 疋田多揚、asahi = 3-19-21)

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変異株がフランスで猛威、新規感染の 7 割に 欧州諸国も

フランス国内で初めて、新型コロナウイルスの新たな変異株が確認された。 仏メディアが、発生地の名前をとって「ブルターニュ変異株」と呼んでいるもので、PCR 検査をすり抜ける特徴があり、当局が調査に乗り出した。 当局の発表や仏メディアによると、この変異株が確認されたのは仏西部の病院。 2 月 22 日に院内感染が発生し、79人が感染した。 このうちの死亡した 8 人の患者から新たな変異株がみつかった。 遺伝子配列を解析して分かった。 8 人のうち 7 人は生前、新型コロナ特有の症状がみられたものの、当初の PCR 検査では陰性だった。 抗体検査などを実施したところ、新型コロナに感染していることが確認されたという。

フランスではこの新型とは別に、英国型、南アフリカ型、ブラジル型と呼ばれる変異株がすでに確認されており、新規感染者の 7 割を占める。 1 日の感染者数は約 3 万人なので、毎日 2 万人以上が変異株に感染している計算だ。 フランスで初めて変異株が確認されたのは昨年末。 今年 1 月半ばには新規感染者に占める割合が 1% 程度だったのが、2 月半ばに 4 割を超え、瞬く間に広がった。 フランスのマクロン大統領は今月 15 日、変異株の脅威を前に「数日のうちに新たな決定をしなければならないだろう」と語り、新たな行動規制を課す可能性を示した。

危機的なのは約 1,200 万人が暮らすパリ首都圏だ。 新型コロナの重症患者の受け入れが限界に達したためだ。 13 日からヘリや飛行機を使い、国内で空きがある他地域の病院へ搬送を始めた。 医療崩壊を避けようと、週内には高速鉄道 (TGV) も使って患者の国内分散を加速させる。 欧州の他の国でも変異株は猛威を振るっており、イタリアでは 15 日、国土の大半で再びロックダウンを開始。 飲食店の店内営業が禁じられ、学校も閉鎖された。 欧州で変異株が確認された国々に共通することは、一度国内で感染が確認されると、その後の拡大を防ぐのは極めて難しいということだ。

フランスは夜間外出禁止令を全土で課し、日本や英国など、欧州連合 (EU) 域外からの入国を原則禁じる措置までとった。 それでも、1 日の感染者数は昨年 12 月の 1 万人から今月は 3 万人に達した。 日本にとってのもう一つの教訓は、ワクチン接種を始めても、感染拡大を防ぐだけの効果はすぐには生まれないということだ。

欧州では介護施設の入居者など、優先接種対象としている高齢者では死亡率などが下がる効果が各国ではっきり表れている。 一方で、大半の国々では 2 回接種を終えた人の割合は全人口の 1 割未満。 フランスでは 231 万人で、人口の 4% 足らず。 感染拡大期はしばらく続くとみられている。 ワクチンの供給ペースが劇的に上がらない限り、接種だけで感染をすぐに抑え込むのを期待するのは難しいと言えそうだ。 (パリ = 疋田多揚、asahi = 3-17-21)


世界の新規感染者、ピーク時の半分に 専門家はどう分析

新型コロナウイルスの 1 日あたりの世界の感染者数が、今年 1 月をピークに短期間で大幅に減少した。 新型コロナが世界に広がった昨年以降、これほどの減少が見られたのは初めて。 欧米で新規感染者が減ったことが影響した。 ただ、減少傾向は 2 月下旬で止まり、現在は少しずつ上昇に転じている。 過去には、いったん減った感染者数が再び急増したこともあり、今後の先行きは不透明だ。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計をもとに、世界の新規感染者数(過去 7 日平均)の推移をみると、トルコの集計方法の見直しで一時的に急増した昨年 12 月中旬を除くと、これまでのピークは 1 月中旬の約 74 万人だった。 その後、新規感染者数は急速に減り続け、2 月中旬には約 36 万人まで減少。 その後は増加傾向に転じ、現在は約 40 万人で推移しているが、それでもピーク時の半分に近い数字だ。

地域別にみると、大きく減ったのは北米と欧州だ。 米国では 1 月上旬に 1 日約 25 万人の感染者が出ていたが、現在は 4 分の 1 以下の 6 万人弱にまで減った。 大幅な減少の理由は現時点でははっきりしないが、米紙ワシントン・ポストは 2 月中旬の記事で、ワクチン接種を受けた人が増えたことや、人々が社会的距離を取ってマスクを着け、旅行をしなくなったことなどを指摘する識者の見方を紹介している。 1 月 20 日には、マスクの着用に懐疑的なスタンスを取っていたトランプ前大統領に代わってバイデン大統領が着任。 州をまたぐ飛行機などでマスク着用を義務化した。

英国では新規感染者が 1 月上旬に約 6 万人の日もあったが、現在は約 6 千人まで減っている。 スペインやドイツでも大幅な減少が見られる。 英 BBC は、ロンドンでの感染率が大幅に減ったというインペリアル・カレッジ・ロンドンの 2 月の調査結果について、「劇的」とする識者のコメントを紹介。 「社会的距離と(ロックダウンなどの)制限が影響していることを示唆している」と指摘した。 英国では昨年 12 月、高齢者や医療従事者らへのワクチン接種が始まり、ロイター通信によると、1 回の接種で医療従事者らの感染が約 7 割減っているという。

新規感染者数の減少に伴い、1 日の世界の死者数(過去 7 日平均)も減少している。 1 月下旬の 1 万 4 千人超をピークに、現在は 8,500 人ほどになった。 ただ、感染者の世界的な減少傾向が今後も続くかは不透明だ。 米疾病対策センター (CDC) のロシェル・ワレンスキー所長は 3 月 10 日の会見で、「感染者数や入院者数、死者数の減少は本当にいいニュースだが、まだ数はとても多く、油断はできない」と指摘。 バイデン氏も 2 月末の声明で「変異株が広まるにつれて、現在の改善傾向から、再び状況が悪化する可能性がある」との見方を示し、「手を洗い、社会的に距離を置き、マスクを着用し続けてほしい」と呼びかけた。

欧州でも、フランスやイタリアのように新規感染者がまた増え始めている国もある。 最近はチェコやポーランドなど東欧での増加も目立つ。 累計感染者数が米国に次いで世界で 2 番目に多いインドではしばらく横ばいが続いた後に上昇に転じており、3 番目に多いブラジルでは高止まりしている。

名古屋市立大の鈴木貞夫教授(公衆衛生学)は「感染者数の増減にどんな理由が影響しているか、正確にはわからない場合が多い」としつつ、「年末年始に人が移動したり密集したりしたことで各国で感染が急速に拡大し、日本を含めた多くの国が外出制限などに懸命に取り組んだ。 それが成果を上げた可能性がある。」と話す。 「ワクチン接種が進んだことや、一部の地域では感染リスクが高い人たちがすでに感染して免疫をつけたこと、季節の影響なども理由として考えられる」と指摘する。 (合田禄、asahi = 3-15-21)


イタリア、再びロックダウン 英国変異株の感染が急拡大

イタリア政府は 12 日、首都ローマや北部ミラノなど、国内の主要都市を含む過半数の州や地域で、15 日からロックダウン(都市封鎖)を行うことを閣議決定した。 同国では 2 月中旬から新規感染者数が再び増加傾向となり、特に英国の変異株による感染が急拡大している。 キリスト教の重要な祝日である「イースター(復活祭)」を 4 月上旬に控え、ワクチン供給が進むまでは規制をより強化せざるを得なくなった。

イタリアメディアによると、食料品や薬など生活必需品を販売する店を除いて閉鎖し、仕事や健康上の理由以外の外出を禁止する「レッドゾーン」を、全土の半数以上の州や地域に適用する。 その他の地域も、1 週間で人口 10 万人あたり 250 人以上の感染者が出た場合はレッドゾーンとする。 規制は、イースターが終わる 4 月 6 日まで続ける。

同国の高等衛生研究所 (ISS) によると、2 月中旬の時点で、英国の変異株による新規感染が全体の 54% を占めた。 変異株は感染力が強く、3 月に入ると新規感染者数が 2 万人を超える日が相次いだ。 12 日には 2 万 6,824 人に達し、「第 2 波」が猛威を振るった 11 月下旬の水準に逆戻りした。 フィウミチーノ空港のワクチン接種会場を訪問したドラギ首相は「新たな対策は、より厳しい規制を避けるためにも必要で、結果をもたらすだろう。 ワクチン接種の加速が、パンデミックから抜け出す唯一の道だ。」と述べた。

ドラギ政権は、ワクチン接種の推進を重要政策の一つに掲げている。 12 日には、米ジョンソン・エンド・ジョンソン (J & J) が開発した新型コロナワクチンの使用を承認。 1 回の接種で済むのが特徴で、政府は 6 月までに 730 万人が接種を受けると見込んでいる。 (ローマ = 河原田慎一、asahi = 3-13-21)


ニューヨーク市、変異ウイルス感染が過半数に

【ニューヨーク】 米東部ニューヨーク市の保健当局幹部は 10 日の記者会見で、同市で最近 1 週間に確認された新型コロナウイルス新規感染者のうち、英国由来とニューヨーク市由来の変異株の感染者数が計 51% まで増加したと表明した。従来型より感染力が強いとして注意を呼び掛けた。 一方、ニューヨーク州のクオモ知事は 10 日、ニューヨーク市のレストラン店内飲食の客数制限を 19 日から定員の 50% に緩和すると声明で明らかにした。 同市では昨年 12 月に店内飲食が禁止されたが、2 月 12 日に 25% の客数制限付きで許可され、26 日に 35% に拡大された。 (kyodo = 3-11-21)


ブラジル感染再拡大で死者最多 大統領「泣き言やめろ」

南米ブラジルで、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している。 3 月に入って、1 日あたりの死者数は過去最多を更新し、1 日あたりの感染者数も 6 万 - 7 万人台が続く。 変異株も広がり、サンパウロ州では 6 日以降、必要不可欠でない経済活動が停止される。 「昨年 3 月以来、最悪の 2 週間に直面するだろう。」 サンパウロ州のドリア知事は 3 日、州全域で最大警戒態勢にすると発表した記者会見で、こう述べた。 6 日から 19 日まで、食料品店や銀行などの必要不可欠な商業活動以外は営業が禁じられるほか、公園なども閉鎖される。 リオデジャネイロ市でも外出規制が始まるなど、各地で感染拡大への警戒が強まっている。

ブラジル保健省によると、4 日までの累計感染者数は 1,079 万 3,732 人で、4 日の新規感染者は 7 万 5 千人を超えた。 また、累計死者数は 26 万 970 人で、3 日には死者が 1,910 人と過去最多を記録し、4 日も 1,699 人だった。 現在の感染増加の一因とされているのは、年末年始からの動きだ。 11 月から始まった第 2 波は 1 月にピークを迎え、いったんは落ち着きかけたが、2 月のカーニバル後から再び増加傾向にある。 カーニバルなどに関連するイベントの多くは中止されたが、この期間中のビーチや別荘地では、市民が大勢集まる姿が見られた。

北部アマゾナス州から日本に帰国した人から 1 月に見つかった変異株も、ブラジル全土に拡大している。 現地の研究では、この変異株は元のウイルスよりも感染しやすく、感染拡大の一因とされる。 再感染した人もおり、ワクチンが有効かも研究中だ。 頼みのワクチン接種もなかなか進まない。 1 月中旬から医療従事者や高齢者への優先接種が始まったが、1 回目の接種を終えたのは人口の 3.5% の 735 万人にとどまる。

ワクチンをめぐっては、ドリア氏が中国メーカーに対し、サンパウロ州内の研究所で製造することを認めた。 だが、ボルソナーロ大統領は「ブラジル人はモルモットにならない」と批判し、オックスフォード大とアストラゼネカ社のワクチンにこだわった。 ブラジル政府は、アストラゼネカ社のワクチンを 1 億 1 千万回分以上を確保したものの、2 月までに届いたのは 400 万回分にすぎない。 結果的に、ワクチン獲得競争に出遅れた形だ。 政府は批判してきた中国のワクチンを購入し、ロシアの「スプートニク V」の使用も承認した。 途上国などにワクチンを供給する仕組み「COVAX」に頼ることも決めた。

批判が高まる中、ボルソナーロ氏は 3 日、「ブラジルは一番予防接種をしている国だ。 私たちは宿題をしている。」と語り、ワクチン接種は進んでいると主張した。 メディアがパニックを作っているとし、「彼らにとってウイルスは私だ」、「マスコミを見ていたら生きていけない」などと逆に批判をした。

同じ日の夜、サンパウロ市内では抗議の鍋たたき「パネラッソ」があり、甲高い鍋の音とともに「ボルソナーロはやめろ」との声が街路に響いた。 4 日に発表された世論調査では、ボルソナーロ氏の不支持率は 2 週間前の 49% から 51% に上昇する一方、支持率は 3 ポイント落ちて 40% だった。 だが、ボルソナーロ氏の姿勢は変わっていない。 累計死者数が 26 万人を超えた 4 日は「泣き言はやめろ。いつまで悲しんでいるつもりだ」と語った。 (サンパウロ = 岡田玄、asahi = 3-7-21)

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