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武漢のバットウーマン、ウイルス流出を否定 続く情報戦 新型コロナウイルスが中国・武漢の研究所から拡散したとする米国の主張に対し、真相を知る立場にあると見られていた同研究所研究員が 25 日、中国国営メディアに登場しウイルス流出の可能性を否定した。 米国を含む国際協力の舞台だった研究所は、激しい情報戦の渦の中にある。 「科学が政治化されている」 中国国営の中国国際テレビ (CGTN) のインタビューに応じたのは、コウモリを宿主とするウイルス研究が専門の石正麗研究員。 フランスの大学で博士号を取り、米国の微生物学アカデミーの会員にも選ばれている。 コウモリを求めて雲南省の洞窟などに通う姿から、「バットウーマン」とも呼ばれる著名研究者だ。 石氏は新型コロナウイルスについて、昨年 12 月 30 日に原因不明の肺炎患者の検体として初めて研究所に持ち込まれたとし、「遺伝子配列を調べ、我々が知っているどのウイルスとも違う未知のものだとわかった」と説明。 それ以前に新型ウイルスの存在は知らなかったとの立場を強調した。 石氏は「伝染病の研究は透明性を持ち、国際的に協力していかなくてはいけないものだ」と強調。 新型ウイルスの起源をめぐり米中が対立する現状について、石氏は「政治と科学が混ざり、科学が政治化されている。 全世界の科学者が望んでいない状況だ。」と述べた。 石氏は 2002 - 03 年に流行した SARS (重症急性呼吸器症候群)の起源を探る研究を続け、18 年に SARS がコウモリから人に感染した可能性が高いとの研究結果を発表した。 新型コロナウイルスの起源について、海外で「武漢の研究所から流出した」との説が流布され始めた 2 月、石氏は自らの SNS で新型ウイルスは自然由来だと主張。 同研究所に所属し真実を知り得る立場にあることから発言が注目されたが、米中の対立が激しくなるにつれ、発信の機会を減らしていた。 国営メディアが石氏の発言を報じたのは、米国の圧力をはね返し、国際世論を取り込もうとする情報戦の側面がありそうだ。 今月開かれた世界保健機関 (WHO) の年次総会で、習近平(シーチンピン)国家主席は「各国の科学者がウイルスの発生源と感染ルートを研究することを支持する」と述べた。 しかし、外務省報道官は「直ちに始めるのは時期尚早」と留保をつけ、米国の影響が及ぶ形での調査には応じられないとの構えを崩していない。 実は米国も研究協力 米中の応酬の渦中にある武漢ウイルス研究所とはどんな機関なのか。 武漢市中心から南におよそ 30 キロ。 小高い丘が点在する工業団地の一角に同研究所の実験室はある。 正門前では警備員が目を光らし、関係者以外は近づけない。 注目を浴びた契機は、2018 年に研究所を視察した米外交官が本国に送ったとされる外交電報だ。 暴露した 4 月 14 日付の米紙ワシントン・ポストのコラムによると、外交官は「研究所ではコウモリに寄生するコロナウイルスの研究をしているが、訓練を受けた技術者が深刻に不足している。 SARS のような感染拡大を引き起こす危険性がある」との懸念を指摘していた。 コロナ禍の責任は中国にあるとしてきたトランプ政権は、さらに対中圧力を強めた。 トランプ大統領は今月 3 日のテレビ番組で、同研究所と新型ウイルスの関係について「何が起きたのか非常に強力な報告書が出るだろう。 決定的なものだ。」と強調した。 1956 年設立の同研究所は、米中対立の焦点となったが、かつては国際協調の舞台でもあった。 03 年に感染拡大した SARS の再発防止を大きな任務とし、15 年にはフランスの協力で実験施設が造られた。 国際基準のバイオセーフティーレベル (BSL) の最高水準を満たし、有効な治療薬や予防法がないウイルスなども扱える中国初の施設だった。 18 年 5 月に視察した山口大学の早坂大輔教授は「実験施設は基準を満たしており、管理水準も高い印象を受けた」と振り返る。 ウイルスが施設外に出る可能性としては「実験者が感染した場合などだけだろう」と語り、設備の問題や管理の不備による流出には否定的な考えを示した。 同研究所には米国も協力していたことが明らかになっている。 米メディアなどによると、15 年から米国立衛生研究所などが資金提供し、米国などの大学と連携して 1,500 種類のウイルス研究を行っていたという。 同研究所のサイトでも 18 年 3 月に米国の武漢総領事館や北京の大使館参事官らが研究所を訪れたことが紹介されていた。 応対した研究所メンバーには石氏も含まれていた。 このページは現在削除されている。 (平井良和 = 武漢、編集委員・峯村健司、asahi = 5-27-20)
中国東北部、1 億人余りに再び移動制限 - 感染者増加で第 2 波警戒 中国東北部で、1 億 800 万人程度の住民が再び厳しい移動制限を強いられている。 新型コロナウイルス感染のクラスターが再び発生・拡大し、平常への復帰の動きは後戻りした。 中国では全土にわたって活動再開の動きが突如反転している。 東北部の吉林省では、複数の都市が列車とバスの運行を停止。 学校も閉鎖し、数万人を隔離した。 こうした厳しい措置は、中国では新型コロナ危機の最悪期は終わったと考えていた多くの住民を落胆させている。 隣接する遼寧省の瀋陽の商社に勤務するファン・パイ氏は、人々は「再び用心深くなっている」と語る。 「子どもは外で遊ぶ時に再びマスクをしており」、医療従事者は防護服に身を包んで歩いていると説明。 「いつ終わるのか分からないため、ストレスは募る」と述べた。 発生したクラスターは 34 人で、昨年 12 月に見られた武漢での最初の感染拡大ほど急速なペースではない。 だが中国当局による迅速かつ強力な対応は、感染拡大の第 2 波への懸念の強さを反映している。 今回の動きは、感染再拡大のかすかな兆候でさえ再び厳しいロックダウンを引き起こす可能性があることも示しており、中国のみならず各国で進む経済活動再開の動きがいかに不安定かを示唆している。 (Bloomberg = 5-19-20) ◇ ◇ ◇ 中国で新型コロナ「第 2 波」の可能性、専門家チームトップが警告 新型コロナウイルス対策で中国政府の専門家チームのトップを務める鍾南山氏は 18 日までに CNN の単独取材に応じ、地域社会に免疫がなく、中国が新型コロナウイルスの「第 2 波」の発生の可能性という「大きな挑戦」に直面しているとの見方を示した。 鍾氏はまた、新型コロナウイルスが最初に報告された武漢市の地元当局者が当初の拡大の規模に関して重要な詳細を明らかにしていなかったと語った。 国家衛生健康委員会によれば、中国では新型コロナウイルスについて 8 万 2,000 件以上が報告されており、死者の数は少なくとも 4,633 人。 新規感染者の数は 1 月下旬に急速に増加し、都市封鎖や全国規模の旅行の禁止などにつながった。 2 月上旬には新規感染者が 1 日で 3,887 人を記録した日もあった。 しかし、1 カ月後には新規感染者の数は 2 けたに下落した。 中国では大部分で新型コロナウイルスを抑制しており、生活も通常の状況に戻りつつある。 都市封鎖は緩和され、学校や工場の一部も再開している。 鍾氏はそれでも、第 2 波の危険性はあるとして、当局は満足すべきでないとした。 中国ではここ最近、各地で新たなクラスター(感染者集団)が確認されている。 鍾氏は、免疫がないため、中国人の大部分は依然として新型コロナウイルスに感染しやすい状態にあると指摘。 「大きな挑戦」に直面しており、現時点では外国よりもよい状況にあるとは考えていないとした。 鍾氏は 2003 年に流行した SARS (重症急性呼吸器症候群)への対応で知られる。 鍾氏は 1 月 20 日、メディアを通じて、新型コロナウイルスが人から人に感染すると明らかにした。 これより前、武漢市の当局者は数週間にわたって、新型コロナウイルスが人から人に感染する明確な証拠はなく、感染拡大は回避できるなどとしていた。 鍾氏は 1 月 18 日に武漢市を訪問したが、「地元当局者は当時、真実を語りたがらなかった」と述べた。 当局者が当初沈黙を続けたため、鍾氏は、より多くの人が感染している可能性があると指摘したという。 海外で感染が拡大しているにもかかわらず、武漢市で報告された件数が 10 日以上にわたって 41 人にとどまっていたことで疑念を抱いた。 そこで、本当の数字を出すよう求めたという。 鍾氏は 1 月 20 日、北京市で、武漢市の感染者の数は 198 人で 3 人が死亡し、医療従事者 13 人も感染していると告げられた。 (CNN = 5-18-20) 中国の吉林市、民間診療所と病院外来を閉鎖 - 新型コロナ感染拡大
中国東北部の吉林省吉林市は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全ての民間診療所と病院の外来を 17 日から一時的に閉鎖している。 同市衛生健康委員会が明らかにした。 10 日に危険度が引き上げられた同省の舒蘭市では、8,000 人余りの住民を隔離。 同市トップの李鵬飛共産党委員会書記は解任された。 中国ではロシアと北朝鮮との国境近くでの感染拡大が新型コロナの第2波となる恐れがあり、習近平国家主席は東北部での管理強化を求めている。 (Charlie Zhu & Chunying Zhang、Bloomberg = 5-18-20) 中国は早くから新型コロナウイルスを知っていたのか? 2019 年 9 月 26 日の「湖北日報」を読み解く テレ朝では昨年秋の湖北日報に新型コロナウイルスという言葉が出ているので中国は早くからその存在を知っていたと解説。 全く同時期にアメリカの大学も同ウイルスのシミュレーションをしていたのを知らないのだろう。 ◆ 2019 年 9 月 26 日の「湖北日報」 まず、2019 年 9 月 26 日の「湖北日報」に何と書いてあるのかを見てみよう。 報道のタイトルは「軍事運動会の航空入口専用通路開通テスト まもなく競技のための機材が入境する密集時期を迎える」とある。 ここで注目すべきワードは「入境(国境に入る = 入国)」という 2 文字だ。 つまり 10 月 18 日には武漢で軍事運動会が開催されるので、その運動会に参加するため世界各国から多くの軍人が武漢に来たり競技に必要な機材が「海外から武漢に運び込まれる」という意味での「入境」すなわち「中国という国家の国境に入る = 入国する」という大前提の報道であることに注目しなければならない。 ![]() 問題はこの湖北新聞報道の中で、下に示すように万一にも「一例の新型のコロナウイルス」に感染した人がいた場合の処置法に関して訓練を行ったという表現がある点だ。 テレ朝の番組では某中国問題研究者が出演して「ここに書いてある『新型のコロナウイルス』とは、まさに今流行している新型コロナウイルスのことです!」と断言し「だから中国政府は新型コロナウイルスを去年の 9 月から知っていた」と主張したのだ。 キャスターが「だから削除したのですね」とそっと聞くと「いや、削除されていません! 誰でも見ることができます!」という感じのことを仰って、語気を荒げた。 「なんでしょうねぇ …」と流れたが、もう一つ問題があった。 キャスターが「(軍事運動会を開催するための訓練なので)海外からウイルスが入り込むのを防ぐためなのでしょうか」という趣旨の質問をしたところ、くだんの中国問題研究者は「誰が海外から入るということを言いましたか? 番組の打ち合わせでも、私はそんなことを言っていませんよね!」という趣旨のことを仰って(録音しているわけではないので言葉の細部は不正確)、湖北日報情報のサイトを印刷したものを掲げて「ここには海外から入ってくるウイルスとは書いてないんです!」と断定した。 いやいや、この報道自身、タイトルからして「入境(入国)のための」危機管理訓練なのだ。 それを否定するのは、いくらなんでも無理があろう。 ここまで来ると、さすがに日本の国民に誤った情報が刷り込まれていくと危惧し、真相を書かねばならないと思うに至ったわけだ。 ◆ 人に感染するコロナウイルスには 7 種類ある 手軽なところで「コロナウイルス」に関する Wikipedia をご覧いただいても分かるように、「ヒトコロナウイルス」には 7 種類あり、1960 年代からいく度も感染拡大を続けては、その度に「新型」と呼ばれてきた。 その根源をさかのぼれば、紀元前 8000 年には存在していたと考えられており、一部のモデルは 5,500 万年以上前にさかのぼってコウモリとの長期的な共進化を遂げてきたことが学術的に示唆されているくらいだ。 近いところでは、国立感染症研究所が発行している学術誌の 2005 年第 6 号にある「SARS (重症急性呼吸器症候群)とは」をご覧になると、ここに明確に「新型のコロナウイルス」 という表現がある。 すなわち、SARS でさえ、「新型のコロナウイルス」だったことが、これにより理解できるだろう。 「新型のコロナウイルス」と書いてあったら、全てが今流行している新型コロナウイルス肺炎 (COVID-19) の病原体である「2019 新型コロナウイルス」だと思い込むのは科学的でなく、論理的でない。 はっきり申し上げて、テレ朝の番組でお話しになった中国問題研究者が、9 月 26 日の湖北日報に書いてある「新型のコロナ状のウイルス」を『間違いなく今般の新型コロナウイルス』だ(それ以外の何ものでもない)」と断言したのは、大きな「まちがい」なのである。 ◆ アメリカのジョンズ・ホプキンス大学も 2019 年 10 月 18 日に「新型コロナウイルス」パンデミックに関するシミュレーションを行っている もう一つ決定的な例をお見せしよう。 それは 2019 年 10 月 18 日にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学が「新型コロナウイルス」パンデミックに関するシミュレーションを行っていることである。 日時に関しては、サイト「EVENT 201」に書いてある。 そこにはジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターは、世界経済フォーラム、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団と提携し、2019 年 10 月 18 日にニューヨークでハイレベルなパンデミック演習「イベント 201」を開催したと書いてある。 このサイトでは「近年、世界では疫病に関するイベントが増加して、年間で約 200 件にも及ぶ」と書いてあるのが気になる。 湖北日報に書いてある「訓練」も含め、世界各地で年間 200 件も同様のイベントが行われているということには驚きを禁じ得ない。 逆に言えば、湖北日報に書いてあるイベントなど、世界 200 件の中の一つに過ぎないことを認識しなければならない。 たしかに湖北だけでも 2019 年に 2 回あり、一回目は 2019 年 4 月 25 日で、ここではコロナウイルスの一つである MERS に関する演習が行われている。 EVENT 201 の具体的な内容は衝撃的だ。 ここにあるように、イベント 201 は、コウモリから豚へ、豚から人へと感染する「新型人獣共通感染コロナウイルス」の発生をシミュレートし、最終的には人から人へと効率的に感染が広がり、深刻なパンデミックを引き起こすことになると書いてある。 本稿で重要なのは、アメリカでも同時に「新型コロナウイルス」の思考実験を行っていたということである。 このウイルス名には「人獣共通感染」という言葉まであり、実にリアルだ。 怖いのは、シミュレーションに関して以下のように書いてあることだ。
まるで、現在起こっているパンデミックを表しているようではないか。 「18 ヵ月後」ということは「1 年半」かかることになる。 ごめんだ。 さらにゾッとするのは報告の最後に以下のように書いてあることである。
アメリカでは最近、子供の感染者に KAWASAKI 病のような症状が現れているという。 EVENT 201 のシミュレーションが、まるで予言者のようで身震いがする。 以上、ついつい学術的関心に引きずられてしまったが、2019 年 9 月 26 日付の「湖北日報」に「新型のコロナウイルス」という言葉があったことを以て、「中国が早くから現在の新型コロナウイルスの存在を知っていた」などという結論を導き出し、論を張ったりすると、米中攻防の中で、完全なアメリカの敗北を招くことにつながるので、もう少し見識を広め、科学的に謙虚な姿勢で真相を分析していかなければならないことが見えてくる。 自戒を込めて、警鐘を鳴らしたい。 (遠藤誉、Yahoo! = 5-16-20) 武漢で 1 カ月ぶりに患者 集団感染の疑い、責任者は処分 新型コロナウイルスの感染拡大の勢いを抑えたとして都市封鎖が解除された中国・武漢市で、1 カ月ぶりに集団感染とみられる患者や重症者が確認され波紋を呼んでいる。 当局は全市民を対象とした PCR 検査を計画するなど、対応に追われている。 武漢市政府は 10 日、市内の団地に住む男性 (89) の感染が確認され、重症だと発表。 11 日にも同じ団地に住む 20 - 80 代の男女 5 人が発症し、うち 1 人が重症と発表した。 感染経路は団地内としている。 同市で発症者が確認されたのは 4 月 3 日以来。 約 40 日ぶりの発症者の確認を重く見た王忠林・市共産党委員会書記は「対策の見直しを進める」とし、今も市内で 1 日当たり数万件実施している PCR 検査の拡充などを表明した。 発症者が出た団地では住民約 5 千人の全員検査が行われている。 国営新華社通信のウェブサイト「新華網」は 12 日、市当局が全市民に検査を実施する計画を進めていると報じた。 実際、市民には「10 日間で市民全員を検査する」との通知がすでに届き始めている。 中国は発症者と無症状の感染者の統計を分けて発表し、発症者の数を感染抑え込みの主な指標としてきた。 武漢でも 4 月 3 日以降、無症状の感染者は 500 人以上確認されている。 SNS 上では「1 カ月出なかった発症者が 1 日で 5 人も出るのはおかしい」と、発症の実態が正確に把握されているのか疑う声も出ている。 市当局は今回、発症者の出た地域の責任者を処分しており、何らかの過失や問題があったとみられる。 (北京 = 平井良和、asahi = 5-12-20) 高性能マスクで 1 キロ走、中学生急死 休校解除の中国で 新型コロナウイルスによる休校措置の解除が進む中国で、生徒が体育の授業中に死亡したり、けがをしたりする事例が出ている。 医療用の高性能マスクをしたまま走っていた生徒が急死するケースもあり、専門家が注意を呼びかけている。 中国では感染状況が落ち着いた 4 月中旬以降、各地で高校や中学の登校が再開されている。 そんな中、内陸部の河南省と湖南省で 4 月下旬、体育の授業中にマスクを着用していた中学 3 年生が突然倒れ、死亡する事故が相次いだ。 湖南省のケースでは、生徒は医療用の高性能マスクをつけたまま 1 千メートル走をしていたという。 湖南省では体育の授業中に生徒が疲労骨折を起こすケースも確認された。 専門家は中国メディアの取材に「高性能マスクをしたまま激しい運動をすると、深刻な低酸素状態を引き起こす危険性がある」と指摘。 さらに、在宅授業が 3 カ月近く続いて運動不足になっている生徒が多いとし、「いきなり激しい運動をするのは避け、散歩など負担の軽い運動で徐々に体力を回復するような授業を実施してほしい」と呼びかけている。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 5-11-20) 中国吉林省でコロナ感染増加 警戒強化、列車一部停止も 【北京】 中国政府は 10 日、新型コロナウイルス感染症の発症者が 9 日に中国本土で 14 人増え、計 8 万 2,901 人になったと発表した。 うち 11 人は吉林省での国内感染で、同省舒蘭市の発症者から広がったとみられる。 中国メディアによると同市は 10 日、「高リスク」に警戒レベルを引き上げ、一部の列車の運行を停止する。 舒蘭市は吉林省吉林市内の行政区画。 7 日に発症が確認された女性の家族や濃厚接触者に感染が広がっている。 同省では計 19 人の海外からの感染流入例が報告されているが、報道によると女性には流入例との接触歴がなく、約 70 日ぶりに同省で確認された国内感染例だった。 (kyodo = 5-10-20) 連休で「1 億人以上」が中国で大移動 新型コロナ感染「第 2 波」は起きないか … 相次ぐ心配の声
「のべ 1 億人以上が移動する。」 そんな話題が日本のネット空間を驚かせている。 中国では 5 月 1 日からメーデー(労働節)の 5 連休に入る。 政府は連休中に交通機関を利用する人はのべ 1 億 1,700 万人にのぼると予測を発表。 感染第 2 波の拡大に警戒している。 ■ 例年より少ないが … 中国政府・交通運輸部の発表によると、5 月 1 日からの 5 連休期間中に、鉄道などで移動する人は 1 億 1,700 万人ほどとみられる。 これは例年の 1/3 程度の数字で、旅行先も同じ省のなかにとどまるなど、近距離がメインだという。 中国では、徐々に観光地が再開に向けて動き出している。 文化観光部の発表によると、中国国内の観光地のうち 7 割近くが段階的に営業を始めたという。 象徴的なのは北京市にある世界遺産の故宮で、5 月 1 日を皮切りに観光客の受け入れを再開する。 危ぶまれるのが、春節(旧正月)に行われた民族大移動の再現だ。 中国では、1 月 25 日の春節に向けて帰省や海外旅行が本格化した。 武漢市は 23 日に先がけて都市封鎖を実施したものの、大規模な人の移動が感染を広げたとの見方もある。 このニュースが日本に伝わると、Twitter でも「延べ 1 億人以上」がトレンド入り。 「感染が拡大しないことを祈ります」、「ちょっと怖い」、「日本に来ることはない」など不安の声が相次いで上がった。 日本政府はすでに中国全土を含む世界の国と地域に対して入国拒否を実施しているため、これらの観光客が日本に入ることはできない(日本国籍者らは除く)。 ■ 政府も対策を徹底 中国政府は、観光を再開させることで経済を回復軌道に戻すほか、5 月下旬に開催が決まった全人代(日本の国会に相当)に向けて、新型コロナを乗り切った雰囲気を作り上げる狙いがあるとみられる。 そのため、感染第 2 波の発生には神経質になっていて、文化観光部では、▽ 観光地の室内スペースは開放しないことや、▽ 観光客の受け入れは最大収容人数の 3 割までとするなど、感染拡大防止策を徹底する方針だ。 また、故宮も時間ごとに入場者を制限し、1 日で最大 5,000 人までとする方針だ。 (Huffpost = 5-1-20) ◇ ◇ ◇ 中国、5 月大型連休で 9,000 万人国内旅行か 新型コロナウイルス感染拡大の第 2 波への警戒感が高まっている中国ですが、来月 1 日からの大型連休におよそ 9,000 万人が国内を旅行するという見通しが明らかになりました。 中国観光当局によりますと、今月 4 日からの 3 連休では、およそ 4,320 万人が国内を旅行しました。 こうしたなか、中国メディアによりますと、大手旅行会社が予約状況などを踏まえると、来月 1 日から 5 日までの大型連休では、この 2 倍以上、およそ 9,000 万人が国内を旅行するという見通しを発表しました。 中国では新型コロナウイルス感染拡大の第 2 波への警戒感が高まっていて、国営メディアによりますと、中国外務省は「海外の滞在には重大なリスクがある」として、海外旅行は控えるよう呼びかけていますが、国内の移動は制限されていません。 (TBS = 4-22-20) 「第 2 波」に中国恐々 帰国者から感染で、再び移動制限 新型コロナウイルスの抑え込みが進んでいるとされる中国が、感染拡大の「第 2 波」につながりかねない動きに神経をとがらせている。 帰国者からの感染拡大や無症状者の発見が続いているためで、克服の難しさが浮き彫りになっている。 遼寧省瀋陽市では 2 カ月以上も市中での新たな感染者が報告されていなかった。 しかし、今月 23 日、1 人の医師の体内にウイルスがいる可能性を示す検査結果が出たとして、市は接触した患者 116 人を隔離したことを明らかにし、市民を驚かせた。 瀋陽市に隣接する撫順市でも 16 日に初の感染者が確認され、過去の訪問先などから、当局は 2 人が黒竜江省ハルビン市の同じ病院で感染したとみている。 ハルビン市では 4 月、米国から 3 月に帰国した人から感染が拡大。 患者の 1 人が感染発覚前に入院していた病院での院内感染も起き、70 人以上に広がった。 同市では団地への出入りなどで緩和された制限が再び強化されている。 感染が爆発的に広がった湖北省を除く中国本土では、3 月には 1 カ月間の感染者(無症状者は含まず)が計 23 人にとどまったが、4 月は 24 日までに 113人と増加傾向にある。 多くを占めるのは外国からの入国者から広がった感染だ。 北京市では米国から帰国し 14 日間の隔離が解けて自宅に戻った人から家族に広がったケースが判明。 同市は入国者の隔離を 21 日間に延長した。 広西チワン族自治区などでも隔離期間を延ばす動きが出ている。 無症状の感染者が次々に見つかっていることも、終息への道を険しくする。 累計 7 万人近くの感染者(無症状者を含まず)が出た湖北省では、4 月に入ってから確認された発病者は 1 人だけで、入院患者も 24 日現在で 23 人にまで減っている。 一方、無症状の感染者は連日 20 人以上確認されている。 同省武漢市では市民の職場復帰のためなどに 4 万件ほどの PCR 検査が実施される日もあり、無症状者の発見は続くとみられる。 広東省でもアフリカ諸国からの入国者の周辺や、その立ち寄り先の関係者らの大規模な検査が進められ、すでに 200 人以上の無症状者が見つかっている。 (瀋陽 = 平井良和、asahi = 4-26-20) 「発生源は武漢の研究所」米報道を研究員が否定 新型コロナ 新型コロナウイルスの発生源について、アメリカの一部のメディアが中国の武漢にある研究所から広まった可能性があるなどと伝えたことについて、この研究所の研究員が中国の国営メディアに対して「絶対にありえない」と述べ、強く否定しました。 新型コロナウイルスの発生源についてアメリカの一部のメディアは、当初、指摘されていた中国の湖北省武漢にある海鮮市場ではなく、コウモリのコロナウイルスの研究で知られている「中国科学院武漢ウイルス研究所」の可能性があるなどと報じています。 これに関連して、この研究所の袁志明研究員が 18 日までに中国の国営メディアの取材に対して「このウイルスは絶対にわれわれのところから漏れ出たものではない。 研究所には厳格な管理制度がある。」と述べて強く否定しました。 そのうえで「退職した人であろうと現在働いている職員であろうと 1 人として新型コロナウイルスに感染した人はいない」と強調しました。 さらに、報道について、「いかなる証拠もなく、完全に推測に基づくものだ」と述べ、不当な指摘だと訴えました。 ウイルスの発生源に関するアメリカの一部のメディアの報道を巡っては、トランプ大統領は政府として調査していることを明らかにしていますが、中国政府は、専門家が科学的根拠はないとしているとして否定しています。 (NHK = 4-19-20) ◇ ◇ ◇ 武漢のウイルス研究所員、研究用コウモリから感染との見方 … 「責任そらすため」中国が情報操作か 【ワシントン = 蒔田一彦】 米 FOX ニュースは 15 日、複数の情報筋の話として、新型コロナウイルスは中国・武漢にあるウイルス研究所の所員から外部に拡散したとする見方を報じた。 米政府内には懐疑的な意見もあり、調査を継続しているという。 報道によると、情報筋は、所員が研究用のコウモリから新型ウイルスに感染したのが端緒となり、外部の人に広がった可能性があるとしている。 中国当局は武漢を中心に感染が広がり始めた当時、野生動物を扱う武漢の海鮮市場で働く人に感染者が多いと発表したが、情報筋は「研究所から責任をそらすため」の中国による情報操作の一環だと話したという。 エスパー国防長官は 16 日、米 NBC ニュースのインタビューで「我々が注視してきたことだが、結果は断定的なものではない」と述べた。 (yomiuri = 4-18-20) 中国湖北省の公務員、省政府に謝罪求める訴訟「情報隠しが感染拡大招いた」 【広州 = 角谷志保美】 香港紙・信報などは 18 日、新型コロナウイルスの感染が最初に深刻化した中国湖北省の公務員が省政府を相手取り、謝罪を求める訴訟を省都・武漢市の中級法院に起こしたと報じた。 情報隠しが感染拡大を招き、「人民の生命と財産に重大な損失を与えた」としている。 新型コロナウイルスに関連した住民訴訟は中国で初という。 報道によると、提訴したのは湖北省宜昌市の児童公園管理事務所職員、譚軍(タンジュン)さん。 譚さんは、昨年 12 月には人から人への感染が起きていたのに、省政府が 1 月 11 日の公式文書でも否定していたと指摘した。 また、省政府が 1 月中旬、感染が急拡大していたのに周到に情報を隠し、地方議会に相当する省人民代表大会を武漢で開催したことで、省内から集まった代表を通じて感染が各地に広がったと主張した。 譚さんは、湖北省出身者が中国各地で感染を疑われて差別を受けるなどしていることに心を痛め、提訴を決意したという。 (yomiuri = 4-18-20) 中国 武漢の死者数を大幅に訂正 新型コロナウイルス 中国で新型コロナウイルスの感染拡大が最も深刻だった湖北省武漢市の当局は、これまでの統計に漏れがあったなどとして、死者の数を 2,500 人余りから 3,869 人へと大幅に訂正しました。 武漢市の対策本部が 17 日発表したところによりますと、情報の正確性を確保するため、市内の医療機関や住民組織、それに火葬施設などの記録を調べ直した結果、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数は、これまで発表していた 2,579 人から 1,290 人増えて、3,869 人だったということです。 また感染者の数も、これまでの 5 万 8 人から 325 人増えて、5 万 333 人に訂正するとしています。 これに続いて、中国の保健当局も、全土の感染者は 8 万 2,692 人、死亡した人は 4,632 人と訂正しました。 武漢市当局は訂正の理由について、感染拡大の初期に患者が急増して医療施設が不足し、病院で治療を受けられずに自宅で死亡した人がいたことや、病院の担当者が多忙だったことから統計に漏れがあったためなどとしています。 ただ医療崩壊が起きた武漢では、感染が確認されないまま亡くなった人もいたとみられ、こうした死者の数は今回の訂正にも含まれていない可能性があります。 中国で感染拡大が最も深刻だった武漢では今月 3 日以降、新たな感染者が確認されず、8 日には 1 月から行われていた都市の封鎖を 2 か月半ぶりに解除しましたが、実際の感染者や死者の数は、発表より多いのではないかという指摘が出ていました。 中国外務省「報告の漏れや誤りがあったが隠蔽はない」 湖北省武漢市の当局が、新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数を大幅に訂正したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、17 日の記者会見で「武漢市がデータを公表したことは情報公開が透明であり、われわれが真実を追い求め、歴史や死者に対して責任を負っていることを体現している。 医療従事者が患者への治療で忙しく、報告の漏れや誤りがあったが隠蔽はなく、隠蔽することも許されていない。」と強調しました。 中国としては、情報公開が不十分だとするアメリカなどからの批判をかわすねらいがあるとみられます。 (NHK = 4-17-20) 新型コロナ無症状「6,764 人」 中国、累計数を初公表 中国国家衛生健康委員会は 15 日、中国本土で新型コロナウイルスに感染しながら症状がない「無症状者」について、前日までの累計が 6,764 人だったと発表した。 中国当局は 4 月に入って無症状者の 1 日当たりの増加数などを公表するようになったが、累計を明らかにしたのは初めて。 香港紙サウスチャイナ・モーニングポストが 3 月、中国政府が発表する感染者の統計に入っていない無症状者が 2 月末で 4 万 3 千人以上いたと報道した。 今回の数字は報道と大きな溝があるだけに論議を呼びそうだ。 中国政府は感染が広がった 1 月以降、発病した患者のみを感染者として公表してきたが、ウイルス検査で陽性なら無症状でも感染者とするとの世界保健機関 (WHO) の指針とのずれもあり、国際社会から批判が出ていた。 中国が公表する感染者は 14 日までの累計で 8 万 2,295 人だが、無症状のままの人を加えれば約 8 万 8 千人に上る計算となる。 感染が確認されながら無症状だった人のうち、1,297 人がその後、症状が出たといい、この人数はすでに感染者の累計に含まれているとみられる。 中国政府は無症状者を公表しない理由について、「無症状者が感染を広げる確率は低い」と説明してきたが、無症状者から感染が広がるケースへの懸念も強まり、方針を転換。 4 月から無症状の感染者の1 日あたりの増加数を公表するようになっていた。 (瀋陽 = 平井良和、asahi = 4-16-20) コロナ感染 99 人増 中国 【北京】 中国政府は 12 日、新型コロナウイルスの有症感染者の累計が、同日午前 0 時(日本時間同 1 時)時点で前日比 99 人増の 8 万 2,052 人になったと発表した。 新規感染者のうち 97 人は海外からの入国者。 上海市で 10 日に同じ航空機でロシアから到着した中国人 51 人、黒竜江省ではロシアから陸路帰国した 21 人の感染が確認された。 症状のない感染者は前日より 63 人増え、1,086 人が隔離中。 無症状感染者の累計は公表されていない。 死者の増加はなく 3,339 人のまま。 治療中の患者は 1,138 人で、うち 139 人が重症となっている。 (jiji = 4-12-20) 台湾が昨年末、WHO に警告「武漢の肺炎で隔離治療」 新型コロナウイルスの感染拡大に関連して、台湾当局は 11 日、世界保健機関 (WHO) に対し昨年 12 月末、「中国・武漢で特殊な肺炎が発生し、患者が隔離治療を受けている」との情報を伝え、警戒を呼びかけていたと明らかにした。 記者会見を開いた陳時中・衛生福利部長(大臣)によると、台湾側は昨年末から武漢の現地報道などを注視しており、12 月 31 日に WHO に伝え、入境時の検疫も強化した。 陳氏は「隔離治療は、ヒトからヒトへの感染の可能性があることを意味する」と指摘し、WHO が台湾の情報を生かしていれば、感染拡大に早く対処できたと主張した。 中国側の専門家である鍾南山氏が公式にヒトからヒトへの感染を認めたのは、1 月 20 日だった。 WHO と台湾をめぐっては、テドロス・アダノム WHO 事務局長が 8 日、台湾から自身への中傷キャンペーンが始まったと主張。 台湾側は事実無根だと反発していた。 (台北 = 西本秀、asahi = 4-11-20) 中国の感染 63 人増 ロシア国境閉鎖 - 新型コロナ 【北京】 中国政府は 9 日、新型コロナウイルスの有症感染者の累計が、同日午前 0 時(日本時間同 1 時)時点で前日より 63 人増え 8 万 1,865 人になったと発表した。 新規感染者のうち 40 人はロシアから陸路で黒竜江省に入った中国人。 中国の在ロシア大使館は 8 日、中ロ国境の出入国検問所全てを一時閉鎖したことを明らかにした。 有症の新規感染者 63 人のうち 61 人は海外からの入国者。 残る 2 人は、広東省で入国者から現地の人に感染したケースだった。 一方、累計が公表されていない無症状の感染者は前日から 56 人(うち湖北省 24人)増え、1,104 人が隔離中。 死者は湖北省で 2 人増え 3,335 人となった。 (jiji = 4-9-20) 武漢の封鎖、77 日ぶり解除 列車で 5.5 万人が市外へ 世界で最初に新型コロナウイルスの感染が拡大した中国・湖北省武漢市で、1 月 23 日から続いていた「都市封鎖」が 8 日午前 0 時(日本時間同午前 1 時)、77 日ぶりに解除された。 市民らが市外に出ることができるようになり、各地に向かう高速鉄道、飛行機などの運行が再開した。 高速道路の封鎖も解除された。 市中心部の漢口駅は午前 6 時ごろから大きな荷物を持った乗客らであふれていた。 駅員が拡声機で「体温検査を受けて」と呼びかけ、移動履歴などをもとに個人の感染リスクを判定する健康証明アプリの提示を求めていた。 楊守勇さん (30) は湖北省内の故郷に戻るため、妻と駅に来た。 封鎖当時は武漢市内で仕事をしており、子どもだけ春節休暇で先に故郷へ帰していた。 「封鎖解除の知らせを聞いたときは、心が震えた。 こんなにうれしいことはない。 早く子どもに会いたい。」と喜ぶ一方で、「仕事を失って 2 カ月以上収入がない。 とても焦っている。」とも話した。 中国メディアによると、8 日の武漢発の列車は 276 便で、約 5 万 5 千人が武漢を出る見通し。 ただ、感染しながら症状のない「無症状者」の報告が相次いでおり、武漢市当局は、居住区での外出制限を継続する方針。 市外に出られるのも、健康証明アプリで最も安全なレベルと判定された人に限られる。 武漢市では都市封鎖後、住民の移動が厳しく制限された。 3 月 18 日に 1 日あたりの新規感染者数がゼロになり、同月下旬に市内の地下鉄や路線バスの運行が再開された。 今月 8 日までの市内の感染者は累計で 5 万 8 人、死者は 2,572 人。 中国本土の感染者の 6 割、死者の 8 割近くを占める。 (武漢 = 平井良和、上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 4-8-20)
中国の観光地に押し寄せる人波、リスクは依然大きいと専門家が警告 香港 : 新型コロナウイルスの感染者が減少傾向にある中国で、祝日と重なった先の週末にかけ、人気観光地や主要都市に大勢の人が詰めかけた。 これに対して衛生当局は、新型コロナウイルスのパンデミックはまだ到底終わっていないと警告している。 安徽省の観光地、黄山で 4 日に撮影された写真には、何千人もの観光客らでぎっしり埋まった遊歩道の様子が映っていた。 厳格な移動制限や都市封鎖が何カ月も続いた後、アウトドアを楽しもうと大勢の人がマスク姿で繰り出した。 国営英字紙グローバル・タイムズによると、これを受けて当局は午前 7 時 48 分、同公園の入園者数が 1 日 2 万人の上限に達したとする異例の通告を行い、それ以上の観光客は受け入れないと発表した。 一方、上海では、人通りが途絶えていたウォーターフロントの人気スポット外灘が、数週間ぶりに買い物客や観光客でいっぱいになった。 わずか数日前まで閉店していた市内のレストランもにぎわっている様子だった。 首都・北京でも、地元の人などが市内の公園や広場に詰めかけた。 中国ではこの数週間で新型コロナウイルスの感染者が急減し、6 日に新たに報告された症例は 39 例のみ。 1 例を除けば全て外国から持ち込まれた感染だった。 これまでに確認された症例は 8 万 2,641 例、死者は 3,335 人に上る。 政府は徐々に規制を緩和しているが、中国の専門家は、まだ流行が終息したわけではないとして、引き続き慎重な行動を呼びかけている。 中国疾病対策予防センターの専門家は 2 日、中国の新型コロナウイルス感染について、「終わりに近づいたのではなく、新しい段階に入った。 世界的流行が猛威を振るう中で、中国が終わりを迎えたわけではない。」と強調した。 新規の感染者数が減る中で、中国政府は暫定的に、製造業やサービス業の再開に向けた取り組みを始めている。 しかしこの数週間は、再開を急いで流行の第 2 波が起きることを警戒する動きもみられるようになった。 予定されていた映画館の再開は 3 月下旬になって見送られ、上海の観光アトラクションの多くは再開からわずか 10 日後の 3 月 31 日に再び閉鎖された。 黄山が人混みでごった返す写真が SNS に投稿されると、中国共産党の機関紙、人民日報は、「集まってはいけない」と強く警告。 同紙によると、黄山は観光客の受け入れ中止を発表した。 香港の専門家や当局も、中国が新型コロナウイルス関連の規制をあまりに早く緩めれば、香港でも感染の「第 3 波」が起きる可能性があるとして警戒を強めている。 香港では、欧州や英国から戻った市民らが引き起こした感染の第 2 波が 3 月下旬に発生。 わずか 2 週間のうちに、感染者数は 317 人から 900 人近くまで急増した。 香港行政会議の招集人、陳智思氏は 5 日、公共放送の RTHK に対し、流行拡大を封じ込めるために飲食店の営業制限や市全域のロックダウンも含め、さらに厳格な措置を講じる可能性もあると語った。 (CNN = 4-7-20) |