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「過度なコロナ対策」是正を、中国新華社が報道 新規感染者増加

[北京] 中国当局は新型コロナウイルス対策でもっと的を絞ったアプローチを取り、「過度な措置」は是正すべきと、国営新華社通信が 10 日報じた。 保健当局が発表したデータによると、中国国内の新規感染者は 9 日に 8,824 人となり、今年 4 月以降で最多を記録。 国民に不評で、経済的損失も大きい「ゼロコロナ」政策への懐疑的な見方が広がっている。

中国は、感染が拡大する中でも、ゼロコロナ政策を堅持する方針を変えるつもりはないと、繰り返し表明している。 ただ地方政府は、感染抑制に失敗したと非難されるのを恐れ極端な対策に走る傾向にあり、こうした地方の暴走に歯止めをかけるよう中央への圧力が高まっている。 この 3 年近く続くパンデミック(世界的な大流行)の間に、中国では何千人もの政府関係者がコロナ抑制の失敗を理由に処罰されている。 新華社は「全ての地方は、科学的で正確な予防と制御のレベルをさらに向上させ、最小のコストで最大の予防と制御効果を達成し、経済と社会の発展への流行の影響を最小限に抑えるため努力する」と報じた。 (Reuters = 11-10-22)


中国の新型コロナ新規感染者数、7 日は 7,323 人 - 半年余りで最多

中国の国家衛生健康委員会のデータによると、7 日の同国の新型コロナウイルス新規感染者数は7323人と、1日当たりでは4月30日以来半年余りで最多となった。 前日は5436人だった。 ブルームバーグの集計データによれば、7日の新規感染が4番目に多かった地域は新疆だった。 中国北西部にある同地域の一部都市は90日間にわたりロックダウン(都市封鎖)状態にあり、感染を徹底的に抑えこむ「ゼロコロナ」政策の限界が浮き彫りになった。 10月初旬にロックダウンに入った内モンゴルでは感染者数が約1800人と、前日の1033人から急増。河南省では1日で感染者が2倍強の747人に上った。

広東省は現在、最大の流行地域となっており、7日の中国全体の感染急増の主因。同省南部の広州市は2377人の感染を報告。 市内の大部分で娯楽施設や飲食店を閉鎖する一方、ロックダウンは 1 地区にとどめるなど的を絞った感染対策を講じている。 (Bloomberg = 11-8-22)


スマホに突然「北京には戻れない」 ゼロコロナ中国、訴訟の動きも

厳格な移動制限を伴う「ゼロコロナ政策」が続く中国で、首都・北京に戻れない人が相次いでいる。 当局のシステムが市外に出た人を感染したリスクがあると判定し、市内に戻るのを制限するためで、あまりの厳しさに当局を訴える動きまで出ている。 「この国は自由や人権を平気で侵害すると実感した。」 北京市で働く日本人男性 (39) は憤る。 約 1 カ月間、自宅に戻れていない。 10 月中旬、出張先の河南省から北京市に戻ろうとした際、スマートフォンの画面に突如、「あなたは感染リスクのある地域にいた可能性がある。 北京には戻れない。」との表示が出た。 北京市内のあらゆる場所に入る際に必要なアプリ「健康コード」が使えなくなった。

同アプリが使えないと、北京行きの飛行機や高速鉄道のチケットは買えない。 北京では 5 年に 1 度の中国共産党大会が開催中だったため、男性は上海市に移動した。 だが、2 日に訪れた上海市内のスーパーに感染者がいたとして、滞在先のホテルから 1 週間、外出が制限された。 「どうしたらよいのかわからない。 年越しまで帰れないかもしれない。」とため息をつく。 10 日まで同市で開かれていた中国国際輸入博覧会でも、イベントに出展した日系企業の社員も同じようなケースが相次いだ。 会場内ではコロナ感染者は出ていなかった。 中国政府関係者によると、役人や国営メディアの記者も同様で、自宅に戻れないと不安と不満の声が上がったという。

北京市内でいま、感染リスクの判定が他の都市に比べて極端に厳しいことが背景にある。 スマホの位置情報などの記録から、一人でも感染者が出た市や区を訪れた形跡があれば、健康コードを使えなくして北京に戻れないようにしている。 感染者が出ていない場合でもアプリが使えなくなるケースも多い。 「法律の根拠なく、北京に入ることを制限し、原告の合法的な権利を侵害している。」 中国メディアによると、複数の市民が最近、防疫政策への不満から北京市当局を提訴した。 ただ、こうした事態を紹介する記事やネット上の投稿はすぐに削除された。

不満は中国共産党内部からも出始めている。 陶鋳元副首相の娘である陶斯亮氏 (61) は 5 日、「当局の調査は科学的ではない」、「数千万人の仕事、生活、命に関わる」と批判する文章をネット上に投稿した。 だが、投稿はすぐに削除された。別の人が同じような不満を投稿しては削除されるという事態が続いている。 当局は、不満の高まりを認識しつつもゼロコロナ政策を変えるつもりはない。 7 日に開かれた北京市の防疫政策をめぐる記者会見で、報道官は特殊な事例には配慮するとした一方、「適切な厳しさを維持する」と強調した。 (昆明 = 西山明宏、asahi = 11-8-22)


中国・上海ディズニーランド急きょ閉鎖 園内で多数が足止め コロナ対策か

中国・上海のディズニーランドが急きょ、閉鎖されました。 新型コロナウイルス対策とみられます。 ハロウィーンイベントの真っただ中で、園内で多数の人が足止めされている模様です。 去年も 10 月 31 日に突然、封鎖され、園内に残っている人、全員が PCR 検査を受けるまで帰宅することができませんでした。 (テレ朝 = 10-31-22)


iPhone 工場から脱走も 中国、コロナ対策の不満で混乱拡大

中国各地で新型コロナウイルスを厳格に抑え込もうとする「ゼロコロナ」政策への不満から、混乱が広がっている。 チベット自治区では対策に反発した市民による異例の抗議活動が起きたとの情報もある。 22 日に閉幕した中国共産党大会後に規制が緩和されるとの期待もあったが、実際には各地で厳しい対策が続き、失望を呼んでいる模様だ。

米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア (RFA) によると、チベット自治区のラサ市では 26 日、都市封鎖(ロックダウン)に対する大規模な抗議活動が発生した。 少数民族への監視が厳しいチベットで抗議活動が発生するのは異例だ。 出稼ぎに来た多数の漢民族がデモに参加したとみられるという。 同市では 8 月ごろから封鎖状態だといい、SNS 上では「3 カ月近くも不自由な生活が続いている」などとの投稿も見られる。 食料不足などに対する不満が高まったようだ。 中国の主要メディアは抗議活動を報じていない。

一方、米アップルの iPhone (アイフォーン)を受託生産する台湾・鴻海精密工業の子会社の工場(河南省鄭州市)では、隔離先から「脱走」する従業員が相次いでいる。 10 月以降に感染者が出て従業員 20 万人超のうち多数が隔離されたとみられる。 今は、外部との接触を遮断する「バブル方式」で生産を続けている。 工場や宿舎の敷地外に出られず、食料が不足して衛生状態も悪いため、多くの従業員が故郷に帰省しているという。 中国メディアによると、同省の複数の都市が帰省しようとする従業員に対し、事前報告や複数の PCR 検査などの必要な手続きを済ませるよう求めるなど対応に追われている。

中国本土で 29 日に新たに確認された市中感染者は、1,919 人。 6 日連続で 1 千人を上回っており、中国では比較的高水準だ。 湖北省武漢市が、26 日から一部地域で封鎖措置を取るほか、上海市などでは飲食店の休業が相次いでいる。 (上海 = 井上亮、asahi = 10-30-22)


中国「国慶節」大型連休の旅行客が激減した事情
新型コロナの流行が全国 170 都市以上に拡散

中国の観光業界にとって最大級の書き入れ時である「国慶節」の大型連休(10 月 1 日の建国記念日を含む 7 連休。 2022 年は 10 月 1 日から 7 日まで)。 しかし、今年は新型コロナウイルスの流行が中国全土に拡散したことが響き、連休期間中の旅行客が大幅に減少した。 中国交通運輸省が 10 月 8 日に発表した速報データによれば、10 月 1 日から 7 日までの間に国内の鉄道、(自家用車や長距離バスなどの)道路、船舶、航空機を利用した旅客数は延べ 2 億 5,554 万人。1 日当たり平均で 3,651 万人と、前年同期比 36.4% も落ち込んだ。

背景には、新型コロナの流行が波及した中国の都市数が過去最多を更新し続けていることがある。 医療情報サービスの医渡雲のデータによれば、10 月 7 日時点で感染者が確認された都市は、国内の 31 省・直轄市・自治区の 171 カ所に広がっている。 それらのなかには人気の観光地も多数含まれている。 新疆ウイグル自治区の全域、雲南省のシーサンパンナ・タイ族自治州、湖南省の湘西州鳳凰県、チベット自治区のラサ市、内モンゴル自治区のフフホト市などでは、防疫対策の強化により地域を跨いだ人の出入りが厳しく規制され、域外からの観光客が激減してしまった。

航空機の旅客は 16% 減、鉄道は 40% 減

ある旅行サイト大手のデータによれば、遠方への旅行需要の縮小に伴い、連休期間中の航空券価格は過去 5 年間の最低を記録した。 同社を通じて予約された連休期間中の航空券の平均単価は 650 元(約 1 万 3,249 円)と、前年同期に比べて 12% 下がった。 価格の下落だけでなく、実際の搭乗者数も低調だった。 航空情報サービスの飛常準のデータによれば、連休期間中に飛行機を利用した旅客数は延べ約 780 万人と、前年同期比 16% 減少した。

道路と鉄道の旅客数は、減少幅が航空機よりさらに大きかった。 交通運輸省のデータによれば、連休期間中に道路を利用した旅客数は延べ 1 億 9,824 万人。 1 日当たり平均では前年同期比 34.5% 減の 2,832 万人にとどまった。 また、国家鉄路局のデータによれば、連休期間中の鉄道利用者数は延べ 4,795 万人、1 日当たり平均 685 万人と、同 40% の大幅減となった。 (李蓉茜、包志明、中国・財新/東洋経済 = 10-17-22)

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中国連休、コロナで低調 党大会目前、ゲームも規制

【北京、上海】 中国で 1 日、国慶節(建国記念日)に合わせた 7 日間の大型連休が始まった。 新型コロナウイルスの流行がやまず、16 日から共産党大会も始まるため、習近平指導部は市民の移動制限を強化。 旅行や小売業界に痛手となる。 子どものゲーム時間も規制され、低調な休暇となりそうだ。 党大会を控えた北京市当局は市民に対し、連休中の市外への旅行は控えるよう要請した。 旅先で感染者が出た「リスク地域」に立ち寄った場合、一定期間の間、北京に戻れなくなる恐れがある。 1 日の天安門広場は大勢が詰めかけたが、北京駅や北京首都空港は例年と比べ目に見えて人出が減少した。 (kyodo = 10-1-22)


新型コロナ隔離施設が突然有料化し批判の声 中国

中国で厳しいゼロコロナ政策が続くなか、雲南省や重慶市などでこれまで無料だった隔離施設で食費や宿泊費の徴収が始まり、批判の声が出ています。 重慶市の一部地域では、21 日から隔離対象者がマンションに入る場合は一日 300 元、日本円で 6,000 円ほど、ホテルの場合は宿泊費に加えて 60 元、日本円で 1,200 円の食費の徴収が始まりました。

また、雲南省の一部でも一日に最大 150 元、日本円で 3,000 円の支払いが科せられました。 中国の SNS では「金儲けの新しい方法だ」、「法的な根拠はあるのか」などと批判の声が上がっています。 長引くゼロコロナ政策は経済にも影を落としていて、背景には地方政府の財政悪化も指摘されています。 (テレ朝 = 9-23-22)


中国「ゼロコロナ」堅持、74 都市封鎖 … 3 億人影響で不満が拡大

【瀋陽 = 川瀬大介】 新型コロナウイルスの感染が再拡大する中国で、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切る都市が増えている。 米 CNN の 5 日の報道によると 8 月 20 日以降、全国 15 の省都を含む 74 都市が全域か部分的な封鎖措置を取り、3 億人に影響している。 10 月の共産党大会を控え、習近平(シージンピン)政権は「ゼロコロナ政策」を堅持する方針で、住民の不満が高まっている。 中国政府によると、6 日の本土の市中感染者は 1,570 人。 中国では 8 月中旬以降、連日 1,000 人超の感染者が確認されている。

封鎖措置は、広東省深セン市の一部や遼寧省大連市の主要部など大都市を中心に広がる。 各地では住民の外出を原則禁止にしたり、商店の営業を停止したりする措置を取っており、消費の落ち込みで中国景気にブレーキがかかる恐れもある。 感染対策を延長する都市が相次ぐ。 人口約 2,100 万人の四川省成都市は 4 日、同日までとしていた全住民対象の PCR 検査を 7 日までに延長し、住民の自宅待機をほぼ全域で継続した。 SNS では「いつ解除されるのか」と不満が広がる。

インターネット上では、感染対策を理由に妻が病院で適切な治療を受けられずに流産したと、黒竜江省大慶市の男性が実名で告発する文書が拡散した。 流産したという今月 2 日、同市では厳しい行動制限が敷かれていた。 ネット上の批判を受け、同市は 3 日に全面調査に乗り出すと発表した。 (yomiuri = 9-8-22)


中国・貴州省、突然のロックダウンで食料不足

中国内陸部の貴州省でゼロコロナ政策による大規模なロックダウンが行われ、一部で食料が不足するなど混乱が起きています。 食料不足により、不満が募った住民がアパートから大声で叫んでいます。 また、別の地区では、目の前まで届いた食料がすぐに分配されず、当局が住民に詰め寄られる事態となりました。 中国南部・貴州省の省都貴陽市では、5 日から大規模なロックダウンが行われていますが、食料が十分に行きわたらず、抗議の声が強まっています。 さらに、地方政府の公務員が公用車を使い、知人に食料を届けた動画が SNS に投稿され、非難の嵐となりました。 政府はこの公務員を停職処分にするとしています。 (テレ朝 = 9-8-22)


人命よりコロナ対策優先? 避難を阻む防疫担当者の動画が … 四川地震

中国内陸部の四川省カンゼ・チベット族自治州で 5 日に発生した地震で、新型コロナウイルス対策で自宅待機を命じられている同省成都市民の避難を、防疫担当者が妨げたとされる動画がインターネット上で拡散し、波紋を広げている。 震源から約 220 キロ離れた成都でも、揺れが確認された。 人口 2,100 万人の同市は 1 日から都市封鎖(ロックダウン)に入り、今もほとんどの市民が原則、外出できない。

SNS に流れた動画には、同市内とみられるマンションから避難しようと出入り口に集まった住民に、担当者の男性が「マンションが倒壊したとでもいうのか?」と、門を閉ざしたまま拡声機を使ってどなっている様子が映る。 これに対して、ネット上では「倒壊してから門を開くのか」などと批判の声があがった。 市政府はネット上の議論を受け 6 日、各行政機関に地震時の緊急避難の備えをすることや、秩序のある避難を行うよう住民を指導することなどを求める通知を出した。

震源地でも、被災者や救助隊に毎日 PCR 検査を義務付ける通知が出され、「陰性証明がなければ助けてもらえないのか」といった批判が出ている。 死者は 8 日朝までに 82 人に増え、35 人が行方不明のままだ。 (上海 = 井上亮、asahi = 9-8-22)


中国、6,500 万人に行動制限 コロナ対策、不満高まる

【北京】 中国各地で新型コロナウイルス対策のため厳しい行動制限が続いている。 中国メディアによると 33 都市で計 6,500 万人超(3 日時点)が制限の対象となっている。 全住民 PCR 検査のシステム障害で大行列も発生し、市民の不満が高まっている。 内陸部の大都市、四川省成都では 1 日から約 2,100 万人の住民全員を自宅待機とした。 各世帯 1 人が 1 日 1 回だけ生活物資を買いに出られる。 広東省深セン、河北省石家荘、黒竜江省ハルビンといった都市でも行動制限が敷かれた。 成都では全住民対象の PCR 検査も始まったが、2 日にシステム障害が発生。多くの市民が雨の中で長時間待たされた。 (kyodo = 9-4-22)


中国・深セン全域のロックダウン観測、「重大な誤り」と地元紙否定

中国広東省深セン市内の一部地区で強化されている新型コロナウイルス対策について、対象地域で不要不急の動きが全て止められたり、市全域で「静黙管理」が行われたりするとの解釈さえあるが、それは「重大な誤り」だ。 市政府のソーシャルメディア「ウィーチャット(微信)」アカウントに地元紙・深セン特区報の記事が再投稿された。 深セン市内では南山区当局が店内飲食の停止や屋内施設の閉鎖を 1 日発表。 また、不要不急の場合は市外に出ないよう市政府が求めた。  静黙管理はコロナ対策のロックダウンに言及する際に当局がよく使用する表現。 (Bloomberg = 9-2-22)

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中国・深センなどがコロナ規制強化、大連では数百万人が封鎖下に

[北京] 中国の複数の大都市が 30 日、新型コロナウイルス規制を強化した。 深センではさらに多くの施設が閉鎖され、大連では数百万人がロックダウン(封鎖)の対象となった。 野村は同日のノートで「市場は今後 2、3 週間で再び打撃を受ける可能性があり、エコノミストによる再度の見通し引き下げを誘発しそうだ」と警告。 南部のテクノロジーハブである深センのような都市の重要性を強調した。 250 万人が住む深センの龍華区では、さまざまな娯楽施設や卸売市場が閉鎖され、大規模なイベントも中止された。 また、住宅地に入るには 24 時間以内の陰性証明が必要になるほか、飲食店は定員の 50% 以下に入店を制限される。 新規制は 9 月 3 日までの予定。

この措置は前日に発表された他の 3 区に続くものだ。 大豆や鉄鉱石輸入の主要港である東北部の大連では、約 300 万人が住む主要都市部が 9 月 4 日まで封鎖された。 買い物が制限されるほか、製造現場ではスタッフの人数が制限され、基本的かつ緊急の業務のみを維持することになっている。 このほか、南西部の成都市でもコロナ規制が強化された。 30 日に公表された公式データによると、中国本土では 29 日に国内での感染者が 1,717 人確認され、そのうち 349 人が有症状、1,368 人が無症状となっている。 (David Kirton、Reuters = 8-30-22)


中国でコロナ再燃、経済に暗雲 = 行動制限、緩和求める声も

【北京】 中国で 8 月以降、新型コロナウイルスの流行が再燃し、回復の緒に就いた経済の先行きに暗雲が漂い始めた。 各地で行動制限が強化される中、「再失速は避けられない」との懸念も浮上。 今秋の共産党大会を控え、感染拡大を徹底的に抑える「ゼロコロナ」政策に対する批判が高まりかねない情勢だ。 夏休みで人の移動が増えたのに合わせ、旅行先として人気の海南島や新疆ウイグル自治区、チベット自治区を中心に新規感染者が急増。 1 日の感染者数は 3,000 人を超える日もあり、上海市がロックダウン(都市封鎖)に陥っていた 5 月以来の高水準で推移している。

封鎖される都市も増え、海南島では一時、観光客ら約 15 万人が足止めされた。 飛び火を恐れる各地の当局も警戒を強化。 北京市が入境制限に乗り出したほか、上海では大型家具店が突然封鎖され、買い物客が 48 時間も店内に閉じ込められる事態も発生した。 長引く行動規制は消費や投資マインドを圧迫。 7 月は生産、消費、投資いずれの統計も予想に反して下振れ傾向を示した。 不動産市場の冷え込みも長期化。 今年 1 - 7 月の住宅販売は前年同期比 3 割強も落ち込んだ。 雇用も低迷。 特に 16 - 24 歳の失業率は 19.9% と過去最悪の水準だ。

8 月はコロナ再流行に、熱波による電力不足も加わり、経済を圧迫。 市民からは「生活は苦しくなる一方。 党大会以降は行動制限が緩和されるのではないか。(北京在住の 40 代女性会社員)」との声も聞かれる。 経済回復は「コロナ政策の見直し次第(BNP パリバ)」との指摘もあるが、習近平指導部はゼロコロナ堅持の姿勢を崩していない。 (jiji = 8-20-22)


中国、主要製造拠点など複数都市がロックダウン導入 感染拡大で

[北京] 中国では 11 日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、複数の都市で新たな行動制限やロックダウン(都市封鎖)措置が導入された。 同国は「ダイナミックゼロコロナ」政策の下、新規感染者が数十人出た時点で、不要不急の人の移動を数日間制限する措置を取っている。 東部・浙江省の主要輸出・製造拠点である義烏市は 11 日から 3 日間、ほとんどの住民に指定地域にとどまることを義務付けるほか、一部住民に自宅で過ごすよう求めると発表した。

従業員が閉鎖されたスペースで働くことができる企業は営業を継続できるが、病院など重要なサービスを提供する場所を除き、全ての公共施設が 3 日間閉鎖される。 西部の新疆ウイグル自治区では 11 日からアクス地区の 3 都市で、従業員の出社が認められたが、それ以外の人は必要な移動のみに制限されている。 この措置がいつ解除されるかは明らかではない。 同自治区ウルムチでは 10 日から 5 日間、主要地区が封鎖されている。

また観光地の海南やチベットでは感染拡大が続いており、対象地域でロックダウンが実施されている。 国家衛生健康委員会の発表によると、10 日に新たに確認された国内感染者は 1993 人(有症者 614 人、無症状者 1,379 人)だった。 (Reuters = 8-11-22)


「中国のハワイ」で感染拡大、ロックダウンで観光客 8 万人足止め

【広州 = 吉田健一】 中国有数のリゾート地で「中国のハワイ」と呼ばれる海南省三亜市で新型コロナウイルスの感染が広がり、市当局は 6 日、市全域を事実上のロックダウン(都市封鎖)状態に置いた。 三亜では観光客約 8 万人が足止めされているといい、混乱が拡大する可能性がある。 三亜市当局の発表や中国メディアの報道によれば、三亜では 8 月 1 - 6 日の間に無症状を含めて 800 人以上の感染者が確認された。 市内の公共交通機関が運行を停止したほか、鉄道や航空便での他地域との移動も厳しく制限されている。 海南省当局は 6 日、感染の封じ込めに向け、省内の全住民約 1,000 万人を対象にした PCR 検査を行うと発表した。 (yomiuri = 8-7-22)


中国本土の新型コロナ新規市中感染者数は 434 人 … 広西チワン族自治区が約 4 割占める

中国本土では、比較的早い時期に新型コロナの封じ込めに成功し、以降は全国的には安定した状況となり、散発的な市中感染確認例が度々出現する程度だったが、今年(2022 年)に入って以降はオミクロン変異株及びその亜種(いわゆる「ステルスオミクロン」等)の流入を受け、上海や北京など一部地域で比較的大規模な再流行が発生した。

中国の国家衛生健康委員会 (NHC) が 7 月 31 日朝に公式サイト上で公表した情報によれば、同月 30 日の中国本土における新規市中感染確認者数は 74 人(前日から 25 人増)だったとのこと。 内訳は広西チワン族自治区 32 人、甘粛省 31 人、四川省 5 人、上海市 3 人、福建省 1 人、河南省 1 人、広東省 1 人。 このうち甘粛省の 24 人、広西チワン族自治区の 19 人、四川省の 2 人の計 45 人が無症状から感染確認へ転じた事案。 中国本土で市中感染確認例が出現するのは 288 日連続で、6 日連続 100 人以下となった。

市中の無症状感染例は 360 人(前日から 89 人増)。 内訳は広西チワン族自治区 143 人、甘粛省 103 人、山東省 53 人、河南省 33 人、新疆生産建設兵団 8 人、天津市 7 人、四川省 5 人、上海市 3 人、広東省 2 人、新疆ウイグル自治区 2 人、湖南省 1 人。 無症状を含む新規感染者数は 434 人で、5 日ぶりに増加となった。 7 月 30 日 24 時時点の中国本土で治療を受けている感染確認者数は 1,731 人(うち輸入性が 537 人)で、重症者は 5 人(輸入性ゼロ)。 無症状の患者 7,128 人(輸入性 583 人)が医学観察下にあるとのこと。 香港・マカオと隣接する広東省では、深セン市で感染者の出現が続いている。 30 日の同省の感染例もすべて同市から報告されたもの。

このところ連日多くの感染例が出現しているのが広西チワン族自治区と甘粛省。 近日は減少傾向にあるが、依然として単日の感染者数は 3 桁に上っている。 広西チワン族自治区については、30 日の中国本土の感染例のうち約 4 割を占めた。 同省の感染例は北海市に集中しており、他は崇左市寧明県が 42 人。 甘粛省では主に臨夏州と蘭州市。 他にも各地で散発的な再流行が散発しており、ウイルス型もさまざま。 中国本土の状況は総じて落ち着いている一方で、香港ではソーシャルディスタンス措置の第二次緩和後に市中感染確認数の緩やかなリバウンドが続き、直近では 4 千前後(輸入性含む)となっている。

マカオについては約 8 ヶ月にわたって市中感染確認数ゼロを維持してきたが、6 月 18 日からオミクロン変異株派生型の BA.5.1 の流行が発生し、これまでの累計は 1,800 人超に達した。 ただし、全市民を対象とした高頻度の PCR 検査及び迅速抗原検査によるスクリーニングと準ロックダウンともいえる "社会相対静止" (7 月 11 日 - 22 日)といった極めて厳格な防疫措置を講じて対応した結果、市中における陽性者は減少傾向を維持。 市中陽性者は 30 日まで 8 日連続ゼロとなっている。 (マカオ新聞 = 7-31-22)


中国・武漢で一部ロックダウン 新型コロナウイルス感染者 4 人確認

新型コロナウイルスが最初に確認された中国・武漢の郊外で 27 日、約 100 万人の住民に対するロックダウン(都市封鎖)が実施された。 これに先立ち米科学誌サイエンスは、パンデミックの発端となった 2019 年末の集団感染が武漢の海鮮市場で始まったことを示す研究結果を掲載した。

武漢市江夏区で新型コロナウイルスの無症状感染者が 4 人確認されたため、住民は 3 日間、自宅や敷地内にとどまるよう命令された。 江夏区は 26 日夜、定期検査で 2 人の陽性者を確認し、行動を追跡したところ濃厚接触者からさらに 2 人の陽性者を確認したと発表。 それから間もなく、ロックダウンが発表された。 「ゼロ・コロナ」政策をとる中国では、大規模検査と厳しい隔離、地区ごとのロックダウンなどを徹底。 この結果、死者数は相対的に少なくなっている。 (BBC = 7-28-22)


中国の新型コロナ感染、連日 500 人超 - 上海は大規模検査を実施へ

中国の新型コロナウイルス感染者数は依然として高水準が続いている。 金融センターの上海は感染封じ込めを目指して 9 つの地区で大規模検査を実施する。 カジノが集まるマカオはロックダウン(都市封鎖)を延長した。 中国の新規感染は 17 日に 510 件報告された。 16 日は 580 人と、5 月 23 日以来最多だった。中国南部の広西チワン族自治区では 16 日に 244 件に急増し、17 日も 112 件報告された。 北西部の甘粛省では 17 日に 211 件と、前日の 158 件から増加した。

上海では 16 日に 26 件、17 日に 17 件の感染が報告された。 上海当局は早期発見を目指し、大規模検査を実施する方針で、19 日から 21 日にかけて 9 つの地区で行う。 住人は 3 日間の中で 2 回検査を受ける必要がある。 北京に近い港湾都市の天津でも、2 件の感染判明を受けて大規模検査を行う計画だと国営中央テレビ (CCTV) が伝えた。

新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まって以来最悪の感染状況に見舞われるマカオは、16 日に市全体のロックダウンを延長。 生活に必要不可欠でない全てのビジネス施設を 7 月 22 日まで引き続き閉鎖すると当局は発表した。 閉鎖措置は 11 日から開始され、当初は 1 週間の予定だった。 マカオの感染者は 22 人増加し、1 週間のロックダウンでも感染拡大を阻止できていないことが浮き彫りになった。 6 月に始まった直近の感染拡大局面における感染者は計 1,755 人に上った。 (Bloomberg = 7-19-22)


新型コロナ、中国本土で新たに 237 人の感染を確認

【北京】 中国国家衛生健康委員会は 19 日、31 省・自治区・直轄市と新疆生産建設兵団から 18 日に報告を受けた新型コロナウイルスの新規感染者(無症状感染者を除く)が 237 人だったと発表した。

市中感染症例は 199 人(広西チワン族自治区 134 人、甘粛省 32 人、四川省 12 人、安徽省 6 人、広東省 5 人、天津市 4 人、上海市 4 人、江西省 1 人、重慶市 1 人)で、残り 38 人は境外(外国と香港・マカオ・台湾地区)からの輸入症例(広東省 9 人、北京市 4 人、天津市 4 人、上海市 4 人、福建省 4 人、雲南省 4 人、江西省 3 人、内モンゴル自治区 2 人、浙江省 1 人、河南省 1 人、湖北省 1 人、広西チワン族自治区 1 人)だった。 新たな死者と感染の疑いがある患者は確認されず、新たに退院した人は 122 人で、経過観察が解除された濃厚接触者は 2 万 1,420 人だった。 (中国・新華社 = 7-19-22)


中国「ゼロコロナ」の陰で私立病院の破綻急増

[上海] 3 月 24 日、中国中部阜陽市の裁判所は、阜陽民生医院が債務不履行のため破産を申請したと発表した。 4 年前、総工費 15 億ドル(約 2,030 億円)で建設されたばかりの私立病院だ。 阜陽民生医院はこの約 2 年間、同市の新型コロナウイルスワクチンの大規模接種や検査プログラムに全面的に参加してきた。 市当局の命令に従い、約 100 名の職員が咽頭ぬぐい液による検査の訓練を受け、移動式のワクチン接種設備を用意して学校や職場に向かった。

ウイルス封じ込めて根絶を目指す中国政府の「ゼロコロナ」政策に合わせた対策にリソースを割いたことで、阜陽民生医院は収益の柱だった多くの業務を停止せざるをえず、財務破綻を避けられなくなった。 阜陽民生医院の破産・再建申請の処理を担当する阜陽市の裁判所が出した民事決定には、同病院の「資金繰りの困難」の原因として、「疫病の影響」の他に、銀行融資を確保できなかった点が挙げられている。

中国の医療産業専門情報サービス「看医界」によれば、ベッド数 1,000 床、延べ床面積 16 ヘクタールの阜陽民生医院の経営が傾き始めたのは、新型コロナ感染の第 1 波が中国国内に広がった直後だった。 看医界は 4 月に「2020 年 1 月以来、市当局の感染防止と抑制の取り組みに協力するため、同病院は一部の診察や治療業務を停止し、収益は顕著に減少した。 診療報酬は基本的にゼロで、経済的な圧迫は非常に大きかった」と指摘した。

破産手続きが始まり、病院経営者が再建計画に取り組んでいるにもかかわらず、地方自治体当局は同病院の医療スタッフに対し、防護具を着用して新型コロナとの戦いの「最前線」に向かうよう公式に要請している。 現場では、地元住民に対する 40 万件の PCR 検査を完了するべく医師や看護師が奔走している。 阜陽民生医院のウェブサイトには、「必要とされる場所にはどこへでも行く。 疫病は去っておらず、我々も引き下がるつもりはない。」というリー・ウェンファン院長の言葉が掲載されている。

阜陽民生医院のみならず、中国では数十施設の私立病院がこの 2 年間で破産の申し立てを行っている。 中国の「ゼロコロナ」政策を遵守するコストにより破綻に追い込まれた形だ。 阜陽民生医院をはじめ一部の病院は経営破綻後もある程度の業務を継続しているものの、多くは閉鎖されてしまった。 14 億の国民の健康を守る綻びだらけの医療システムを近代化しようという中国の取組みに、柔軟性に欠ける政策が意図せぬ結果をもたらしたことを裏付けている。

中国は世界第 2 位の経済大国だが、多くの医療指標では他の先進諸国に比べて遅れをとっている。 2030 年までに平均寿命を現在の 76 歳から 79 歳に改善しつつ、がんやその他の慢性疾患の生存率を向上させることを目標に、「健康中国」計画を進めている最中だ。 だが実際には、「ゼロコロナ」政策のせいで目標の多くは達成が難しくなるかもしれない。

「あらゆるレベル、すべての省の医療施設が影響を受けている」と語るのは、フレッド・ハッチンソンがん研究センター(シアトル)で中国の病院に対するコロナ禍の長期的影響を研究しているホン・シャオ氏。 「大量検査体制の維持や新型コロナ感染者の急増に対応するため、新型コロナ以外の外来患者と入院患者に対する通常の治療から人材や財源が奪われている。」

病院の経営破綻は倍増

私立病院は中国の医療体制において重要な役割を担っており、最新の政府統計によれば、2020 年の来院患者数に占めるシェアは約 15% だった。 残りは公立病院が引き受けている。 2020 年末の時点で、中国国内には公立・私立合わせて 3 万5,394 カ所の病院があった。 企業情報データベースの「天眼査」によれば、2021 年、大規模私立病院の破産件数は 46 件となり、2020 年の 26 件、2019 年の 21 件を上回った。 今年 1 - 5 月に限っても、阜陽民生医院を含む 26 の私立病院が正式に破産手続きを開始した。

昨年末に国営メディアで報じられた天眼査のデータに基づく調査によれば、2020 年だけでも公立私立合わせて実に 685 病院が閉鎖されており、これは前年の 2 倍近くに当たる。 もちろん、コロナ禍による病院や医療サービスの混乱や疲弊という状況は世界各国で見られる。 また、中国における病院閉鎖の中には、多くの病院にとって貴重な収益源であった薬品価格に政府が上限を設定したことなど、コロナ禍以外の要因による例もある。

とはいえ、私立病院の来院者数が急激に減少しているのはデータからも明らかだ。 その理由の一端は、新型コロナ感染症が疑われる患者を公立の医療施設に送ることを義務付けている政策にある。 ロックダウンの拡大に加え、隔離や入院を強制される懸念から、多くの人々は他の病気の治療を受けるために病院に行くことができなくなるか、行く意欲を失ってしまった。 これでは病院としても稼ぎようがない。

最新の公式統計では、公立・私立を問わずあらゆる医療施設の来院者総数は、2020 年は 77 億 4,000 万人と前年比で 10 億人近く減り、2003 年以降年間では初の減少となった。 医学誌「ランセット・リージョナル・ヘルス」が 2021 年に発表した研究では、20 年初の中国における新型コロナウイルスの感染拡大は、あらゆる地域のすべての医療サービスの患者数に「破滅的な副作用」を与えた。 同年 3 月には感染拡大がほぼ抑え込まれていたにもかかわらず、利用者数は 6 月になっても完全には回復しなかったという。

この研究では、20 年 1 月から 6 月にかけて、医療施設の来院者数は約 24% 減少したと推定している。 最も減少が激しかったのは、中国国内でも開発が進んだ地域だった。 これはもっぱら、新型コロナを恐れて患者が通院しなくなったか、コロナ禍による業務停止のために病院が患者を受け入れられなくなったためだ。 ランセットの研究は、「こうした予防や治療の後退および停滞は、国民の健康に対して新型コロナ感染による直接的な健康被害を大幅に上回る重大な副作用を与えている可能性がある」と指摘。 「収益への深刻な打撃により、かなりの数の医療施設や医療事業者の存続が脅かされている」と分析した。

上海では死亡例も

「ゼロコロナ」政策の実行に医療リソースを集中させたことで死亡した患者もいる、との批判もある。 上海で 2 カ月続いたロックダウンのさなか、3 月 23 日にツォウ・シェンリさんという女性が喘息の発作で亡くなった。 上海東部病院に駆け込んだものの、診療を断られたという。 病院側の公式発表によれば、「新型コロナ感染の予防・抑制措置」のために救急部門を閉鎖していた。

上海のロックダウン中に起きたこうした事件について、中国はあからさまな報道を検閲しようと努めている。 だが市民らはデータ共有サイト「Airtable」を利用してリストをまとめ、治療を受けられない、あるいは治療が遅れたことによって親族が死亡したとされる 210 例を収集している。 医療文書を証拠として投稿する例もある。 ロイターではこれらのケースについて独自の裏付けを得ることができなかった。

上海市衛生健康委員会のウー・ジンレイ氏は 3 月 25 日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症以外の疾病の治療を受けにくくなっている例が生じている、と述べている。 上海市衛生健康委員会でディレクター代理を務めるツァオ・ダンダン氏は 4 月の記者会見で、「救急サービスに関しては、短期間で非常に多くの需要が積み上がった。 人々の実際のニーズとはまだ大きな開きがある。」と述べ、病院が依然として市民に必要な医療を提供できていないとの見方を示した。

北京を拠点とする華創証券によれば、中国政府は今年 1 - 5 月に新型コロナウイルスの検査のために少なくとも 1,500 億元(3 兆 300 億円)を投じており、恒久的な検査体制の構築に要する年間のコストは総額 4,100 億元に達する可能性があるという。 中国財政省は 2020 年、新型コロナウイルスに関連するする医療費はすべて公的な保険や中央政府からの助成金によって賄われると決定している。 だが、検査のために労力や機器の一部を提供している多くの私立病院にとって問題なのは、そうした業務を実施しても費用がすぐに政府から補填されるとは限らず、財務的に厳しい状況に置かれてしまう、という点だ。

上海のある公立病院の医師はロイターに対し、4 月初めに上海市のロックダウンが始まって以来、病院職員 300 人が検査に従事し、6 月初めのロックダウン解除後も、週末には住民の検査をボランティアで行うことが病院経営陣から期待されている、と語った。 中国疾病管理予防センターが先月発表した上海での感染状況に関する研究論文は、感染力は高いが死亡率は低いオミクロン株との戦いにより、国内の医療リソースに「非常に大きな負担がかかり」、病院は重症患者ではなく無症状や軽症の患者の対応に忙殺されている、と指摘している。

論文は、「かつては新型コロナウイルスの感染者全員を入院させていた地域でも、重症者以外のオミクロン株感染者を入院させるだけの病院リソースはないかもしれない」としている。 執筆したのは、以前「ゼロコロナ」政策に懐疑的な見方を表明していた張文宏氏を含む国内の医療専門家チームで、論文はその後、同センターのウェブサイトから削除された。 米シンクタンク外交問題評議会の公衆衛生専門家ヤンツォン・ファン氏は、「医療リソースがすべて『ゼロコロナ』戦略の遂行に投じられてしまい、公衆衛生機能の強化に向けられる関心やリソースが減少してしまった」と分析した。 ((David Stanway、Reuters = 7-10-22)

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