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中国「開国」手探り 入国時の隔離撤廃、航空便は 9 割減
中国が 8 日、新型コロナウイルスの感染防止のため、外国から中国本土に入る際に義務づけている隔離措置をなくす。 海外と往来しやすくなり、中国人の海外旅行の予約は増えたものの、航空便数はコロナ禍前の 9 割減にとどまる。 日本企業も出張再開に様子見姿勢を取る。 手探りの「開国」となりそうだ。 「隔離せずに中国に戻れる。 すごくうれしい。」 バンコクに駐在する中国人男性 (27) は 9 日、約 1 年ぶりに中国に一時帰国する。 中国政府が 2022 年 12 月に入国時の隔離撤廃を発表した後、すぐに航空券を予約した。 遼寧省大連市の実家に滞在し「家族とお酒を飲みたい」と話す。 中国は 20 年以降、海外からの入国者に 14 - 28 日間ほどの隔離を要求。 段階的に縮めたが、原則 8 日間の隔離が必要だった。 8 日からは出発前 48 時間以内の PCR 検査で陰性ならば入国できる。 旅行大手の携程旅行網(シートリップ)によると、春節(旧正月)の大型連休(1 月 21 - 27 日)の海外旅行の予約数は 22 年春節の 6.4 倍だが、コロナ禍前の水準には遠く及ばない。 航空便数がカベになる。 英航空情報会社シリウムによると、中国発・外国行きの航空便は 23 年 1 - 3 月に 1 万 2,517 便の見通し。 22 年 1 - 3 月の 2.2 倍に増えるが、コロナ禍前の 19 年と比べると 89% 少ない。 外国発・中国行きの航空便も 19 年比 89% 減にとどまる。 全日本空輸は「中国路線の便数はコロナ禍前の 1 割に届かず、1 月の予約数は 19 年 1 月比で 1 割ほど」とする。 大連市の旅行会社幹部によると、23 年春節の中国発の海外往復航空券をコロナ禍前と比べると、ソウルや東京は料金が約 2 倍、シドニーやバンコクは約 3 倍。 「増便による値下がりを待つ中国人が多いのではないか。」 ビジネス往来も手探りだ。 日立製作所は外務省の感染症危険情報を重視し、日本政府の対応が変わらなければ慎重姿勢を続ける。 三菱電機も「オンラインでの会議や商談を増やしており、今回の緩和は往来に影響しない」と話す。 感染状況や医療体制が改善すれば通常運用に戻す方針だ。 電子部品大手の村田製作所も感染が落ち着くまで、やむを得ない案件を除いて中国出張は延期・中止する。 ニトリホールディングスは現地の店舗や工場の視察再開を検討する。 現在は工場の品質管理などを全てリモートで実施する。 白井俊之社長は「リモートだけでは厳しい。 実際に訪れることで得られる情報を商品や店舗開発に生かしていきたい。」と話す。 「ゼロコロナ政策」で往来が難しかったため、日本企業では長期にわたって中国にとどまる駐在員が少なくない。 ホンダの三部敏宏社長は今回の緩和などを受けて「戻れる状況になればすぐに 1 回帰国させる」と話す。 中国の新型コロナ感染を巡っては当局の情報公開の不透明さが指摘されており、各国は中国からの渡航者に PCR 検査などを義務づける。 日本は昨年 12 月 30 日、中国からの渡航者の入国時検査を始め、陽性の場合は原則 5 - 7 日間の隔離措置をとる。 8 日から対策を強め、より精度の高い抗原定量検査や PCR 検査に切り替える。 出国前 72 時間以内の陰性証明の提出も求める。 厚生労働省によると、22 年 12 月 30 日から 23 年 1 月 5 日に検査を受けた中国からの渡航者 4,895 人のうち約 8% にあたる 408 人が陽性だった。 中国人留学生を受け入れる大学は日本政府の水際対策の動向に注目する。 立命館大はオンライン受講者を含めて 22 年 5 月時点で 800 人超の中国人留学生が在籍する。 今後の入学者について「3 月まで対策が継続されれば、入学手続きが遅れかねない」と懸念する。 東京外国語大は約 150 人の中国人留学生がいるが、コロナ禍で半減した。 陰性証明書提出などの手続きを適切にとれば入学に影響はないとする。 観光地からは中国人観光客の回復に期待の声があがる。 「城山ホテル鹿児島」を運営する城山観光(鹿児島市)の東清三郎社長は「中国からの予約がちらほら入り始めた。 コロナ禍が本格的に収束し、多くの人に来てもらいたい。」と話す。 富士急行の堀内光一郎社長は日本の水際対策について「従業員の感染拡大防止などの面からやむを得ない。 今後、徐々に緩和されることを期待したい。」と述べた。 (nikkei = 1-8-23) 中国、ファイザーのコロナ治療薬の製造・販売権取得へ交渉 … 品薄で一時は 1 箱 19 万円 【北京 = 山下福太郎】 ロイター通信は 6 日、中国政府が米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルス治療薬「パクスロビド」を、ジェネリック(後発薬)として国内で製造・販売する権利の取得に向け、同社と交渉していると報じた。 パクスロビドは重症化を防ぐための飲み薬で、変異株「オミクロン株」にも有効である可能性が高い。 高齢者や基礎疾患を持つ感染者が対象となり、臨床試験では入院や死亡リスクを 9 割減らす効果が確認されたという。 ロイターによると、昨年 12 月から中国国家薬品監督管理局とファイザー側の交渉が本格化し、今月下旬の春節までに契約条件を固める意向という。 中国ではパクスロビドが極度の品薄となり、一時は 1 箱 1 万元(約 19 万円)に価格が高騰していた。 (yomiuri = 1-7-23) 中国で有名人が相次ぎ死去 コロナ死者の公式発表に疑念高まる 中国で有名人の死去が相次いでいる。そうした状況が明らかになるにつれ、国民は新型コロナウイルスによる死者数の公式発表に対し、疑念を強めている。 先月、京劇俳優の儲蘭蘭氏が死去した。 40 歳という若さゆえ、社会に大きな衝撃が広がった。 彼女の家族は「突然の旅立ち」に悲しんでいるとしたが、死因については詳細を明らかにしなかった。 中国は先月、「ゼロコロナ」政策を転換。 以来、新型ウイルスの感染者と死者が急増している。 病院や火葬場が対応し切れていないとも報じられている。 中国当局は日別の感染者数の公表を中止。 肺炎などの呼吸器系疾患で死亡した人だけをカウントする独自の厳しい基準に照らし、昨年 12 月以降の新型ウイルスによる死者は 22 人だけだと発表している。 こうした状況を受け、世界保健機関 (WHO) は 4 日、中国が国内の新型ウイルスの真の影響(特に死者数)を過小に報告していると警告した。 俳優や脚本家なども 京劇俳優の儲氏などの死は、新型ウイルスによる死者数が、実際には公式発表よりずっと大きいのではないかとの憶測を呼んでいる。 元日には、俳優の●(= 龍の下に共)錦堂氏 (83) が死去したとのニュースが流れ、中国の多くのネットユーザーが悲しんだ。 20 年以上続く人気テレビ番組に出演し、親しまれた存在だった。 死因は不明だが、ソーシャルメディアでは多くのユーザーが、最近相次いでいる高齢者の死と関連づけている。 ユーザーの 1 人は、「この波は本当に多くの高齢者の命を奪った。 みんなで家族の高齢者を守ろう。」と、中国のソーシャルメディアの微博(ウェイボー)に書き込んだ。 最近亡くなった著名人にはこのほか、映画「紅夢(1991 年)」などに関わった脚本家の倪震氏 (84)、元ジャーナリストで南京大学の教授をつとめた胡福明氏 (87) )などがいる。 中国メディアによると、昨年 12 月 21 - 26 日には、国内トップの科学技術アカデミーに所属していた科学者が計 16 人死去した。 こうした人々の死亡記事は、どれも新型ウイルスが死因だとは書いていない。 それでもネット上では憶測が広がっている。 倪氏の死去を伝える記事に続く最高評価のコメントには、「彼も 『悪性のインフルエンザ』で死んだのか?」と書かれている。 「ネット全体を探っても、彼の死因に対する言及は見当たらない」という書き込みもある。 中国では昨年 11 月、ゼロコロナ政策の廃止を求めて、中国では珍しい抗議デモが街頭で起きた。 それに参加した人たちを批判する声も出ている。 あるソーシャルメディアユーザーは、「あの人たちは今、高齢者の現状を見て幸せなのか」と問いかけた。 習近平国家主席は新年の演説で、中国のように大きな国には異なる意見を持つ人々がいて当然だとし、デモに言及したものと受け止められた。 しかし習氏は同時に、中国が新型ウイルス対策で「新たな段階」に入ったとし、国民の結束を強く促した。 中国当局は、政府の発表に懐疑的な見方が広がっていることを認識している。 それでも、中国を席巻している新型ウイルスの波の深刻さを、小さく見せかけようと努力し続けている。 北京の呼吸器疾患研究所の所長は、国営テレビのインタビューで、この冬これまでに死亡した高齢者の人数が例年より「間違いなく多い」ことを認めた。 だが一方で、重症化しているのは患者全体のごく一部だと強調した。 共産党機関紙の人民日報は今週、新型ウイルスに対する「最終的な勝利」に向けた努力を市民に呼びかけるとともに、かつてのゼロコロナ政策への批判は相手にしない姿勢を示した。 (BBC = 1-6-22) 中国のコロナ死者「過小だ」、WHO が指摘 EU は水際対策強化促す 世界保健機関 (WHO) は 4 日、中国が公表している新型コロナウイルスの感染状況について、実態が「過小報告されている」と指摘した。 中国のコロナに関する情報を問題視する動きは広がっており、欧州連合 (EU) は同日、加盟国に対して中国からの渡航者の水際対策を強化するように推奨することを決めた。 ジュネーブで開かれた同日の会見で、WHO で緊急事態対応を統括するマイケル・ライアン氏は中国政府のコロナによる死者の定義が「狭すぎる」と指摘した。 「依然として完全なデータがない」と述べた上で、「入院者数や集中治療室の患者数、特に死亡に関して中国が現在発表している数字はコロナ感染の本当の影響が過小報告されている」と問題視した。 テドロス事務局長も中国側にコロナによる入院と死亡に関する包括的なデータの共有を求め続ける考えを示した。 WHO は明らかにウイルスが原因でない場合を除き、感染者の死亡をコロナの死者数に計上するように求めているが、中国政府は極めて限定的に計上しているとみられる。 各国で情報の透明性を問題視する動きが広がっている。 中国外務省の毛寧副報道局長は 5 日、「中国は公開・透明の原則に基づき WHO と関連データを共有している」などと反論した。 EU の議長国スウェーデンが発表した声明によると、4 日に開かれた EU の危機対応を話し合う会合では、中国から EU 圏に向かう航空機の乗客に搭乗前 48 時間以内の陰性証明の提出を求めるように加盟国に強く勧めることで合意した。 規制の最終的な決定は各国の判断にゆだねられるが、EU 内では加盟国間を自由に移動できるため、対応を一致させて感染拡大を防ぐ狙いがある。 中国と EU を結ぶ航空機の搭乗者に医療用マスクを着用するように推奨することや、中国から到着する乗客にランダムでコロナ検査を実施することなども合わせて奨励した。 航空機や空港の排水を検査することも促している。 EU はこれまで中国に対する規制には慎重な立場を取ってきたが、イタリアやスペイン、フランスが同様の規制の導入を先行して決めており、EU に加盟国全体としての対応を検討するように求めていた。 (ローマ = 宋光祐、asahi = 1-5-23) 中国で新たに日本人 2 人死亡 コロナ感染後、当局発表は全土で 3 人 新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がっている中国で、新たに日本人男性 2 人が感染後に死亡していたことが 3 日わかった。 重慶と広州の日本総領事館が明らかにした。 亡くなったのはいずれも 70 代の男性。 昨年 12 月 7 日に中国がゼロコロナ政策を転換してから、日本人の死亡が確認されたのは 3 人目。 今回の 2 人は、いずれも 2 日に死亡が確認された。 このうち広州の総領事館の管内に住んでいた男性は、亡くなる前に新型コロナに感染していたが、死因に新型コロナ関連の記載はないという。 男性には基礎疾患があったという。 また、重慶の総領事館管内に居住していた男性も、昨年 12 月にコロナに感染した後に亡くなった。 基礎疾患の有無は、家族の希望により公表しないという。 中国政府は、コロナ感染が直接的な死因とする場合の条件を限定する通知を出している。 実際には基礎疾患のある高齢者らの死者が多数出ている模様だが、当局の発表では既往症のある人が感染後に亡くなったケースの多くは死者数に含まれていないとみられる。 中国疾病予防コントロールセンターは、2 日に中国全土で新型コロナによる死者は 3 人と発表した。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 1-3-23) ◇ ◇ ◇ 中国・重慶の 40 代日本人男性、コロナ感染確認後に死亡 流行急拡大 新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国で、重慶市在住の 40 代の日本人男性がコロナに感染後、亡くなっていたことが 23 日わかった。 重慶の日本総領事館が明らかにした。 男性に慢性疾患があったかなどや、詳しい死因は明らかになっていない。 同総領事館が男性の死亡を確認したのは、19 日だったという。 松野博一官房長官も 23 日午前の記者会見で、中国で邦人 1 人が、コロナへの感染が確認された後に亡くなったことを公表。 「亡くなられた方の所属企業を通じ、必要かつできる限りの支援を行っている」と述べていた。 中国では、今月 7 日にそれまで続けてきた厳しい「ゼロコロナ」政策を転換した。 PCR 検査による大規模な検査もやめるなど規制を大幅に緩和した結果、爆発的に感染が広がっていた。 中国政府の公表ではコロナによる死者は連日ゼロか数人程度にとどまっている。 しかし、火葬場に運ばれてくる遺体が急増するなど、実際には多くの人が亡くなっている可能性が高い。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 12-23-22) 中国各地で半数以上がコロナ感染 年末年始、流行拡大は必至 【北京】 新型コロナウイルス感染症がまん延する中国で、各地の感染率が 50 - 80% に達したとの見方が 12 月 31 日までに相次いで示された。 年末年始の 3 連休が 31 日に開始。 1 月下旬には春節(旧正月)の大型連休もあり流行拡大が必至だ。 中国メディアによると、中国の著名な感染症専門家は 31 日までに、北京の感染率が 80% を超えたとの見方を示した。 中国政府は無症状感染者の発表を 12 月 14 日にやめた。 一部の地方政府はアンケートで地元の感染率を推計。 海南省は 30 日、感染率が 50% に達したようだと明らかにした。 四川省当局も 25 日時点の感染率は 64% だったと発表している。 (kyodo = 12-31-22) 中国人専門家「コロナで広範囲な死者は出ていない」に国民の怒り爆発 中国の複数の地方で、亡くなる人の数に対して火葬が間に合わない状態が発生している。 新型コロナウイルス感染症で亡くなる人が急増したためとされる。 しかし、政府の公式発表では大量の死者は発生していないことになっており、一部専門家は「広範囲な死者発生はない」と発言している。 多くの中国人が怒りを爆発させはじめた。 中国政府の公式発表によれば、29 日午前 0 時からの 24 時間における全国での新型コロナウイルスの新規感染者は 5,080 人で、死者はわずか 1 人だった。 しかし、SNS に投稿される状況は、政府の公式発表とはかけはなれている。 広東省広州市のあるメディアは、葬儀会社は残業を続けているが、遺族による火葬の求めに対応できていないと報じた。 家族が亡くなって数日が経過したが、電話も通じない状態と説明した人もいるという。 上海市浦東区にあるマンションの由由二村からは、動画付きの住民の会話記録が投稿された。 ある住民の父が肺炎で 26 日に死亡したが、葬儀会社が遺体を受け入れるのは早くても 1 月 1 日以降と言われて、マンション敷地内の空き地で「遺体を燃やす」ことにした。 そのため、マンションの他の住人に同意を求めた。 警察に通報しないことも求めたという。 上海大学元教授の顧国平(グー・グオピン)氏は取材に対して、「全国規模で感染は深刻だ。 私と友人はいずれも、親族や友人が感染を確認された後に亡くなった。」と述べた。 ただ、遺体を「その場で火葬」するケースは聞いておらず、当局もそれを許容しないと信じているという。 顧氏は、「上海という大都市は人口が密集しているので、そのようなことは許されない。 遺体を焼くとなると、ひどい?染が発生する。 このような状況は悲しいだけでなく、無力感を感じる。」とも述べた。 中国国家衛生健康委員会新型コロナウイルス感染症対応指導チームの梁万年(リアン・ワンニエン)チーム長は 27 日、中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)の取材に対して「中国で、広範囲な死者発生の状況はない」と述べた。 この動画が配信されると、多くのネットユーザーが激怒し「自分で葬儀場に行って、事実をしっかり見ろ」などの書き込みが相次いだ。 また、同様に事態の深刻さを認めようとしない、中国疾病予防抑止センターの流行病首席専門家の呉尊友(ウー・ズンヨウ)氏と共に「悪徳コンビ」とののしる書き込みも寄せられた。 梁チーム長を取材した動画はその後、閲覧できない状態になった。 江蘇省・宜興市に住む社会評論家の張建平(ジャン・ジエンピン)氏は「梁万年のような人物は御用専門家で、事実を尊重しようとしない。 政策に奉仕することが目的であり、政府が誰も死んでいないと言えば、誰も死んでいないと言う。」、「急務はまだ遺体処理の問題というよりも、主に公表と情報の透明性の問題だ」と述べた。 張氏は「目を見開いてでたらめを言えば、世界中の人々が中国の不誠実さを嫌悪することになる」とも論評した。 時事コメンテーターの方原(ファン・ユエン)氏は、「梁万年氏などいわゆる『専門家』の言葉は、民情の実態と一致していない。 自分の名誉を失墜させるだけだ。 同時に、中国の専門家の意見とは何か、を示すものだ。 全く参考にならない。」と述べた。 方氏はさらに、「当局は準備を怠り、感染症による死亡率の急増の評価を誤り、大勢の死者を『死んでも葬ってもらえない』状況に追いやった。 社会は政府の過失のために "ツケ" を払わされることになった。 しかし、中国人は結局、ただ黙って悔しさに耐えるだけになると考える。 これこそ社会の悲哀だ。」と述べた。 (如月隼人、Record China = 12-31-22) 中国・新型コロナ 上海などで感染拡大ピーク 専門家が明らかに 中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、感染症対策を担う専門家は、日本人が多く暮らす上海や日系企業が進出している湖北省などで、感染がピークを迎えていると明らかにしました。 中国では、政府が 12 月 7 日に新型コロナウイルスの感染対策を緩和したあと、各地で感染が急拡大しています。 国の感染症対策を担う中国疾病予防センターの専門家は 29 日、日本人が最も多く暮らす上海や、日系企業が進出している湖北省や重慶などで、感染がピークを迎えていると明らかにしました。 一方、首都・北京や天津などではすでにピークが過ぎたとしていますが、具体的な感染者の人数や今後の見通しなどについては明らかにしていません。 専門家は「すでに厳しい冬になり、大勢の人が一斉に移動する旧正月の『春節』も来るので感染状況はさらに複雑になる。 できるだけ感染の影響を弱めなければならない。」と述べ、さらなる感染の拡大を警戒しているとしています。 中国では、各地で重症患者が急増し医療体制がひっ迫する一方で、政府は来月 8 日から水際対策を見直し、中国人の海外旅行を段階的に再開させていく方針を示していて、各国からは感染状況の情報を共有するよう求める声が上がっています。 インド 日本などから到着した乗客に陰性証明義務化へ 中国や日本などで新型コロナウイルスの感染者が増加していることを受けて、インド政府は 29 日、中国や日本、それに韓国など 6 つの国と地域から直行便で到着した乗客に対して、1 月 1 日から、72 時間以内に受けた PCR 検査の陰性証明を求めると発表しました。 インドは 11 月に水際対策を大幅に緩和したばかりですが、12 月から国際線で入国した乗客のうち 2% を無作為に選んで PCR 検査を行うなど、水際対策を再び強化しています。 (NHK = 12-30-22) 中国・武漢で感染爆発、死者急増 住民ら証言、ゼロコロナ政策崩壊 【武漢】 中国湖北省武漢市で 12 月に新型コロナウイルスの感染爆発が起き、感染者の死亡が急増していると、住民らが 29 日までに共同通信に証言した。 習近平指導部の「ゼロコロナ」政策が崩壊する中で流行が拡大した。 コロナ発生を世界で初めて武漢当局が通知してから 30 日で 3 年。 流行初期に都市封鎖を経験した市民らは再び難局に直面している。 市内の葬儀場には 29 日、遺影や遺灰を持った人や車が大勢集まった。 医療関係者によると流行のピークは過ぎたもようだが、現在も重症者の増加で病床が逼迫。 武漢の人口は約 1,300 万人だが複数の住民は「体感で 9 割近く」が感染したと話している。 (kyodo = 12-29-22) EU、中国コロナ感染急拡大への対応を 29 日に欧州委が協議 - 報道 欧州連合 (EU) の行政執行機関である欧州委員会は、中国での新型コロナウイルスの感染急拡大を巡り、加盟国が協調して対応する可能性について 29 日午前に協議する。 報道官からの情報を引用し、AFP/ベルガ通信が伝えた。 欧州委は加盟各国、衛生保健機関と対応について話し合いを予定し、必要な場合は緊急ブレーキを発動する用意が引き続きあるという。 (Katharina Rosskopf、Bloomberg = 12-29-22) 中国、入国者の隔離撤廃へ コロナ水際対策を緩和 中国の国家衛生健康委員会は 26 日、新型コロナウイルスの水際対策として約 3 年間にわたり入国者に義務付けてきた隔離措置を、来年 1 月 8 日に撤廃すると発表した。 渡航者は到着 48 時間前に PCR 検査を受けるだけで入国できるようになり、国際便の運航本数に対する制限も撤廃される。 さらに、これまで感染症の危険度で最上級の「甲類」としていた新型コロナウイルスの分類を、上から 2 番目の「乙類」に引き下げることも決めた。 中国は 2020 年 3 月、入国者に対し少なくとも 2 週間の隔離を義務付ける措置を導入。 隔離期間はその後、3 週間に延長された。 同措置は、国際観光とビジネス目的での渡航の大きな妨げとなり、コロナ流行で打撃を受けていた中国経済をさらに悪化させていた。 (AFP/時事 = 12-27-22) 中国ではコロナが激増スパイラルに、専門家「前途は非常に非常に困難」 米国政府系メディアのボイス・オブ・アメリカは 24 日付で、中国では新型コロナウイルスの感染が「スパイラル状の激増状態」になっているとして、今後数カ月の前途は「非常に非常に困難」とする専門家の意見を紹介した。 ■ 中国政府の発表では、実態をつかみきれない 中国政府は、毎日の新型コロナウイルスの新規感染者数や死者数、完治した人数などを公表している。 しかし、そもそも感染の検査を減らしており、さらに軽症症例の報告を停止しているため、現在の感染拡大が具体的にどの程度の規模なのか把握することは困難だ。 感染者数が急増した河北省の保定市と廊坊両市と周辺地域では、AP 通信の記者が病院の集中治療室がすでに満床であることや、救急車で搬送した患者の多くが医療施設から受け入れを拒否されるのを目撃したという。 また、中国各地で、会社職員などの欠勤、解熱薬の不足、火葬場での従業員の時間外労働が広く報道されていることも、新型コロナウイルスが各地に広がっていることを示唆している。 世界的に見て、オミクロン株の流行で、大きな被害を受けた地域の一つが香港だ。 香港は 2022 年になりオミクロン株感染が爆発的に広がった。 香港衛生署によると、人口約 740 万人の香港で 22 年になってから 1 万 1,000 人が、新型コロナウイルス感染症で死亡した。 その 95% 以上が、60 歳を超えていたという。 ウイルス学を専門とする香港大学李嘉誠医学院の金冬雁教授によると、80 歳以上でワクチン未接種の人の死亡率は 15% だったという。 ■ 高齢者を中心にブースタ接種は少ない状態、優先順位に批判の声も 中国では人口の 90% がワクチンを接種しているが、ブースター接種を受けた人は人口の約 60% にとどまっている。 さらに、新華社通信によると中国大陸部では 80 歳以上の人 900 万人がブースター接種を受けていないなど、高齢者を中心に感染しやすい状態の人が多い。 中国ではワクチン接種が加速されており、現在までに 1 日当たり 100 万回以上の摂取を実施するようになった。 インドのベローレ医科大学でウイルス学を研究するガガンディープ・カン博士は、高齢者のワクチン接種を優遇することがカギになると指摘した。 しかし米疾病予防管理センター (CDC) 駐中国事務所のレイ・イップ主任によれば、中国は他国と異なり、より流動性の高い若者へのワクチン接種を優先している、12 月になってから 60 歳以上を対象とした接種キャンペーンが行われたが、どの程度成功したかは不明という。 イップ主任はさらに、中国では「すべての人がすべての段階にわたりワクチンで保護されることを確実にするのに十分な注意を払われていなかった」と述べ、さらに「彼らがこの特別な追い上げ努力をどのように成し遂げるかによって、いくつかの決定的な結果が生まれるかもしれない」と指摘した。 ■ 中国政府発表の集中治療病床の追加に疑問の声 中国政府・国家衛生健康委員会は、中国では 11 月 22 日時点で、人口 10 万人あたりの集中治療病床が 4 床しかなかったが、12 月 9 日には人口 10 万人当たり 10 床に達し、総数は 13 万 8,000 床になったと説明した。 しかし武漢大学人民病院呼吸内科の余昌平医師は「数字がこんなに短期間でこれほど上昇することはありえない」と、政府の説明に疑問を示した。 仮に、人口当たりの集中治療病床の急増が事実としても、治療体制が拡充されたとは限らない。 世界におけるこれまでの経緯からしても、集中治療を必要とする患者に対応するのに十分な数な専門医療スタッフがいるかどうかが決め手になるからだ。 中国・国家衛生健康委員会によると、中国で集中治療施設に勤務する医師は 8 万人強で看護師は 22 万人だ。 看護師は 17 万 7,700 人を追加することができるが、医療スタッフ数はそれでも不足している。 さらに余昌平医師によると、このところ新型コロナウイルス感染患者は増加しつづけており、余医師の勤務先では、ほとんどの医師が感染したという。 医療スタッフは短期間に大量の患者を受け入れることで、重圧にさらされているという。 ■ 死亡者は 200 万人に達するとの予測も、専門家「非常に非常に困難」 科学の専門家らは、死亡率はワクチン接種率や人々の行動様式、病院の能力強化に向けた取り組みなどさまざまな要因に左右されるため、今後の推移については予測が困難だ。 米ワシントン州シアトルに本部を置くワシントン大学の健康指標・評価研究所は、中国でウイルスの感染拡大が制御不能になった場合、23 年末までに死者数が 100 万人に達する可能性があるとの予測を示した。 ただし同研究所のアリ・モクダッド教授(健康指標科学)は、中国政府が人と人の接触を規制する措置を復活させることで、死者数を減らせる可能性があるとの見方を示した。 米ハーバード大学 T. H. チャン公衆衛生大学院感染症ダイナミクスセンターのビル・ハナージ共同所長は 12 月 14 日時点で、中国では 200 万人が死亡するとの予測を示し、中国における今後の推移について「非常に、非常に困難だ」と述べた。 ハナージ共同所長によれば、ワクチン接種率が少ない場合には、状況はさらにひどいことになるという。 ウイルスとは、生物の細胞に入り込んで、細胞の活動を変化させて自らの増殖に利用する。 ウイルスの変異は、増殖の際に起こりうる現象だ。 すなわち、感染者が増加すれば、ウイルスの変異株が出現しやすいことになる。 米マサチューセッツ大学医学部のジェレミー・ルバン教授は、中国における感染の大幅な拡大により、「より危険な変異株が出現する可能性が高まった」と指摘した。 ルバン教授は、中国では警戒すべき変異株がまだ出現していないとして、現状では「心配する具体的な理由はない」と述べた上で、「もちろん、多くの感染者が出ることは、常に悪いことだ」と付け加えた。 (如月隼人、Reocord China = 12-26-22) 中国、感染者数・死者数公表とりやめ発表 午後に一転、別部門が公表 中国の国家衛生健康委員会は 25 日午前、毎日の新型コロナウイルスの感染者と死者の人数の公表をとりやめた。 同委員会は人数を公表しない理由を明らかにしていない。 午後になって、中国疾病予防コントロールセンターから感染者数と死者数が公表された。 中国政府はすでに今月 14 日、「多くの無症状感染者が PCR 検査に参加しておらず、実際の人数を正確に把握することができない」として、無症状感染者の人数の発表をとりやめていた。 今月 7 日にコロナ対策を緩めてから中国では感染者が激増し、当局の発表は実態を反映していないとの批判が高まっていた。 そうしたなか、一部の地方都市では独自に推計を明かす動きが出ていた。 山東省青島市は 1 日あたり 49 万 - 53 万人、広東省東莞市では 25 万 - 30 万人が感染しているとのデータが公表された。 国家衛生健康委が 24 日に公表した前日の新規感染者数は 4,103 人で、実態とのひらきが大きくなっていた。 (瀋陽 = 金順姫、asahi = 12-25-22) 1 日あたり 50 万人がコロナ新規感染の推計 中国・青島 中国東部、山東省青島市の衛生当局幹部は 23 日、同市の 1 日あたりの新型コロナウイルスの新規感染者が 50 万人前後にのぼるとの推計を明らかにした。 中国では感染が拡大しているとみられているが、当局が数字を公に示すのは異例。 大規模な感染が広がっている実態が浮き彫りになった。 青島市共産党委員会の機関紙、青島日報によると、市衛生当局の幹部は、市内だけで 1 日あたり 49 万 - 53 万人の新たな感染者が出ているという見通しを示した。 今後数日でさらに増加するとみているという。 中国政府は今月 7 日、ゼロコロナ政策を大幅に緩和。 以降、全国で感染者が増加しているとみられているが、政府は無症状感染者数の公表を取りやめており、実態の把握が難しくなっている。 政府が 23 日に発表した前日の新規感染者は全国で 3,761 人だった。 (asahi = 12-24-22) コロナ感染、20 日間で 2.5 億人? 中国政府、内部会議で推計 中国政府が 21 日に開いた内部会議の議事録が出回り、12 月 1 - 20 日の国内の新型コロナ感染者数が 2 億 4,800 万人に達するとの推計が示された。 衛生当局関係者は数字について「あくまで推計」との見方を示すが、爆発的な感染の実態把握を、当局も試みている模様だ。 会議では来年 1 月下旬の春節(旧正月)に向けて地方への感染がさらに広がると指摘。 医療態勢の強化を急ぐよう指示した。 会議は、コロナ対策を担う国家衛生健康委員会が主宰。 全国の担当者をオンラインでつないで開かれ、その議事録が中国の SNS 上で広がった。 衛生当局関係者は朝日新聞に対し、この情報について「感染者数や各都市の状況は、あくまで推計として出されたものだ」と語った。 議事録によると、中国疾病予防コントロールセンターは、20 日まで 20 日間の累計感染者数が、総人口の約 18% に相当する推計 2 億 4,800 万人に達したとし、北京市と四川省では感染率が 5 割を超えたとした。 天津市や湖北省、河南省など 6 省 1 市でも 2 - 5 割の感染率だとした。 最新の 1 日あたり新規感染者が約 3,700 万人に及ぶと推計。 感染ペースはさらに加速しているとした上で、「中小都市や農村への感染拡大はこれからで、ピークに対応する医療対応の強化を急がなければならない」との認識を示した。 会議で演説した国家衛生健康委トップの馬暁偉主任は「重症者の治療状況は非常に厳しい。 特に春節の帰省者が増えることで、感染は医療基盤が弱い農村部へと広がる」と危機感を表明。 各地の医療機関で発熱外来や入院患者を最大限受け入れるための準備を進めるよう指示した。 さらに、政府が連日発表しているコロナ死者数が実態より少ないとの指摘についても言及。 「死者が出ることは避けられないが、死因は医学の原則に基づき判定されなければならない。 陽性を理由に、他の病気で亡くなった人すべてをコロナ死として申告することはできない。」などと述べた。 中国政府はコロナ政策を大幅に緩和した後、無症状感染者の公表をとりやめており、感染者数の全体像が示されなくなっている。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 12-23-22) 中国の病院、新型ウイルス感染者で「満床状態とみられる」 = WHO 世界保健機関 (WHO) は 21 日、中国で新型コロナウイルスの新たな感染の波が広がり、病院が満床に近づいているとの見方を示した。 WHO のマイケル・ライアン博士は、中国の集中治療室 (ICU) )の状況について、入っている人は「比較的少ない」とされているものの忙しい状況にあると述べた。 中国の統計によれば、21 日には新型ウイルスによる死者はゼロだった。 しかし、実際にはより大きな影響が出ているとみられている。 感染者の急増で、北京や他都市の病院はここ数日、満床状態となっている。 2020 年以降、中国は「ゼロコロナ」政策を取り、保健面で厳しい制限を課してきた。 しかし、経済への影響が大きいことから、政府は今月上旬、制限のほとんどを終了した。 以来、感染者数が急増している。 体力が特に弱い高齢者で死亡率が高くなることが懸念されている。 感染が拡大している一方で、公式発表では新型ウイルスによる死者は 20 日が 5 人、19 日は 2 人だけとなっている。 こうした状況を受け、WHO の健康危機担当トップのライアン氏は、中国に対してウイルス感染拡大についてのさらなる情報提供を求めた。 ライアン氏は、「中国ではこれまで、ICU の感染者数は比較的少ないと報告されているが、ICU が満床になっているとの話も出ている」と説明。 「この感染力の強いウイルスについては、公衆衛生や社会的な対策だけで完全に食い止めることは非常に難しいと、何週間も前から言っている」と述べた。 ライアン氏はまた、「ワクチン接種が出口戦略だ」とした。 中国は独自に開発したワクチンを使っているが、他の国々が使用しているメッセンジャー RNA ワクチンに比べ、重症化や死亡を防ぐ効果が弱いとされる。 ドイツ政府は 21 日、同国企業ビオンテック製のワクチンの最初のパッケージを中国に送ったと発表した。 ビオンテック製ワクチンはまず、中国にいる約 2 万人いるとされるドイツ人に接種される。 中国に外国製の新型ウイルスワクチンが届けられるのは、これが初めて。 発送のタイミングや規模の詳細は明らかにされていない。 ドイツのオラフ・ショルツ首相は先月、北京を訪問した際に、中国国民もビオンテック製ワクチンを自由に接種できるようにすべきだと迫った。 (トーマス・マッキントッシュ、BBC =12-22-22) ゼロコロナ緩和の中国、来年に死者 100 万人超える恐れ = 米研究所 [シカゴ] 「ゼロコロナ」政策を大幅緩和した中国では来年を通じて新型コロナウイルスの感染者が爆発的に増加し、死者は 100 万人を超える恐れがある - -。 米ワシントン大学医学部保健指標評価研究所 (IHME) は 16 日公表した最新のモデル予測結果に基づいてこうした見通しを示した。 それによると、感染者数増加のピークは来年 4 月 1 日ごろで、死者は 32 万 2,000 人に達すると予想されている。 IHME のマレー所長は、この時点までに中国全人口のおよそ 3 分の 1 が感染を余儀なくされるだろうと述べた。 中国保健当局は、ゼロコロナ政策緩和以降に死者が発生したと公式には発表していない。 これまでに当局が明らかにした死者数の合計は 5,235 人。 現在は、多くの人が移動する来年 1 月の春節(旧正月)休み期間中に感染が急増する事態が懸念されている。 マレー氏はゼロコロナ政策について、ある段階の変異株までは感染者を抑え込めていたかもしれないが、感染力の強いオミクロン株の登場で政策維持が不可能になったと指摘した。 IHME のモデル予測は、香港における死亡率や中国政府が提供しているワクチン接種率、感染増加に伴う各地方の対応に関する想定なども盛り込んで算出された。 別の専門家は、最終的に中国全人口の 60% 前後が感染し、来年 1 月に感染のピークを迎えると予想し、高齢者など重症化リスクの高い人々が最も打撃を受けるとみている。 14 日に公表された香港大学の研究者らの予測に基づくと、ゼロコロナ政策緩和に伴って今年 12 月から来年 1 月までに 100 万人当たりの死者が 684 人に上る可能性がある。 大規模な追加接種を実施しないと仮定すれば、これは全人口に当てはめると 96 万 4,400 人の死者が発生する計算になるという。 (Reuters = 12-19-22) 中国コロナ、医療の人手不足深刻 医学生ら各地で抗議、実習生急死も 新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大が続く中国で、医療従事者の深刻な不足が起きている模様だ。 政府は医学生らも動員しているが、待遇への不満などから抗議活動も起きている。 習近平国家主席ら党指導部が懸念していた「地方医療の脆弱さによる重症者や死者の増加」が、現実味を帯びつつある。 香港メディアによると、12 日に江西省や福建省など少なくとも 6 カ所で、医学生らによる抗議活動が一斉に起きた。 コロナ感染者の急増に伴い発熱外来の現場に動員された臨床実習生らが、労働条件の改善を求めて立ち上がったという。 感染リスクへの対策が不十分であることに加え、実習生の手当が月 1 千元(約 2 万円)程度であることに不満が広がった。 そんな中、四川省成都市の病院で患者の対応にあたっていた 23 歳の臨床実習生が 14 日に急死した。 前日に倒れるまで 3 日連続で発熱外来を担当していたとされ、新型コロナに感染した可能性が疑われた。 だが、大学側は「心臓疾患による突然死だった。 両親が同意しなかったため検視はせずに火葬場に送った。」と発表。 不自然な対応に、SNS 上では怒りの声が広がった。 政府は、地方の医療資源不足を認めており、国家衛生健康委員会幹部は、15 日の会見で「地域レベルの病院すべてに発熱診療を開設するよう求めている。 診療までの待機時間が当初は 4 時間を超えていたが、40 分に短縮されたとの統計もある。」と強調した。 医療従事者の不足は否めない。 政府は 5 年以内の退職者の再雇用などで末端の医療機関をカバーするとも発表。 厳しい人繰りが続いている。 習氏がゼロコロナ政策にこだわってきた理由の一つは「人口大国で高齢者が多く、地方の発展が不均衡の中国は、全体の医療資源が不足している。 感染予防を緩めれば、大量の重症者と死者が出ることは必至だ。」との認識があったからだ。 緩和政策を急速に進めたことで、当初の懸念が現実になり、死者も増えているとみられる。 だが、政府は 19 日の発表で約 2 週間ぶりにコロナ感染による死者が出たと発表したが、その発表数はわずか 2 人だった。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 12-19-22) 北京、コロナで死者急増「40 遺体が地面に」 国内死者 67万人に? 新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がる中国で、コロナ関連死とみられる死者が増えている模様だ。 中国政府の発表では 2 週間「死者ゼロ」が続くが、火葬場からは「パンク状態だ」と悲鳴が上がる。 政府の感染症専門家は、中国国内のコロナ関連死が最大で 67 万人に達するとの見通しを示した。
18 日、北京市中心部にある葬儀社の男性は、朝日新聞の取材にこう答えた。 例年であれば火葬のペースは 1 日あたり 1 - 2 体だが、ここ 5 - 6 日で状況が一変し、連日 10 体以上が運ばれているという。 コロナによる死者かを聞くと「想像通りだ」と答えた。 北京市郊外の別の葬儀社は「どこも火葬まで 1 週間はかかるだろう。 急ぎであれば本日中に遺体を引き取るが、それには特別な措置が必要だ。」と述べ、追加料金を求めていることを認めた。 (asahi = 12-18-22) |