... - 12 - 13 - 14 - 15 - 16 - 17 - 18 - 19 - 20 - 21 - 22
塩野義、新型コロナの新たな治療薬開発目指す ワクチン事業にも注力 塩野義製薬は 1 日、新型コロナウイルス向けの新たな治療薬の開発を目指す方針を表明した。 感染状況は以前に比べて落ち着いているが、インフルエンザのように流行を繰り返すとみて、今後の感染拡大に備える。 新型コロナやインフルエンザに対するワクチン事業にも注力して収益の柱とする考えだ。 手代木功社長が 1 日、東京都内で会見し、「(新型コロナやインフルエンザのような)感染症がグローバルにそう簡単になくなるとは考えていない」と話した。 同社が開発した新型コロナの治療薬「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」は昨年 11 月に緊急承認され、すでに医療現場で使われている。 今後、中国や韓国のほか、欧米でも承認を得て販売する方針だ。 新型コロナの治療薬としては、2021 年 12 月から米メルクの「ラゲブリオ(同・モルヌピラビル)」が使われ、22 年 2 月には米ファイザーの「パキロビッドパック(同・ニルマトレルビル/リトナビル)」が加わり、ゾコーバは 3 番目だ。 いずれも 12 歳以上を対象にしており、塩野義は 6 - 11 歳の子どもに広げようと臨床試験を進めている。 新たな治療薬の開発も進めている。 ゾコーバなどすでに実用化された治療薬は、いずれも妊婦は服用できず、飲み合わせが禁じられている薬もある。 こうした使用制限がない新たな治療薬の開発を目指すという。 新型コロナ向けのワクチンは、昨年 11 月に国に承認申請した。 同社はインフルエンザのワクチンも手がけており、ワクチン分野だけで 2030 年度に売上高 1 千億円以上をめざすとした。 塩野義の 23 年 3 月期決算(国際会計基準)は、ゾコーバの国による買い取りが業績を押し上げ、過去最高の収益だった。 売上高は前年比 27.3% 増の 4,266 億円、純利益は 62.0% 増の 1,849 億円だった。 (諏訪和仁、asahi = 6-1-23) ◇ ◇ ◇ 塩野義製薬、新たなコロナ飲み薬の国内治験開始 … ゾコーバの課題克服へ 塩野義製薬は 17 日、新型コロナウイルス感染症向けの新たな飲み薬の国内臨床試験(治験)を始めたと発表した。 現行の「ゾコーバ」は妊婦に処方できないほか、併用できない薬が多く、新たな治療薬でこうした課題の克服を目指す。 (yomiuri = 5-17-23) コロナ緊急事態宣言「終了」 WHO、3 年 3 カ月で節目 【ジュネーブ】 世界保健機関 (WHO) のテドロス事務局長は 5 日、新型コロナウイルス感染症を巡る緊急事態宣言の終了を発表した。 同宣言は感染症などに対する WHO の最高度の警告で、2020 年 1 月 30 日に出されてから約 3 年 3 カ月続いた。 宣言終了は、ワクチンの普及などにより重症化率が下がって死者数の減少につながり、各国が規制をほぼ撤廃して日常生活が戻りつつある現状を踏まえた措置。 ウイルスが根絶されたわけではなく流行は続いており、感染力の強い変異株も出現。 今後の展望は依然として不透明だ。 テドロス氏は宣言終了の意義を「各国が緊急対応の局面から、他の感染症と並んで新型コロナを管理していく段階に移行する時が来た」と指摘。 長期的管理に向けた助言を各国に継続的に行うため、国際保健規則の規定を初適用し「再検討委員会」を立ち上げると明らかにした。 日本では今月 8 日、新型コロナの感染症法上の位置付けを 5 類に移行する。 テドロス氏は「新型コロナが世界的な保健上の脅威ではなくなったことを意味するわけではない」とし、引き続き警戒を呼びかけた。 (kyodo = 5-5-23) コロナ、"脳で免疫の働きする神経系の細胞に感染" 慶応大など 新型コロナウイルスは、脳の中で免疫の働きをする種類の神経系の細胞に感染しやすいことが分かったという実験結果を、慶応大学などの研究グループが発表しました。 感染したあとに起きる神経の異常や後遺症の原因解明につなげたいとしています。 これは、慶応大学の岡野栄之教授らのグループが神経科学の国際的な専門雑誌に発表しました。 グループは、新型コロナの脳への影響を調べようと、ヒトの iPS 細胞から、▽ 3 種類の神経系の細胞と、▽ 脳の一部を再現した「オルガノイド」という細胞のかたまりを作り、ウイルスが感染するかどうか調べる実験を行いました。 その結果、従来の型とデルタ株、それにオミクロン株の特徴を人工的に再現したウイルスは、いずれも脳の中で免疫の働きをするミクログリアという神経系の細胞に感染したということです。 一方で、ほかの細胞やオルガノイドには感染しませんでした。 新型コロナに感染した人では、記憶障害や「もや」がかかったように感じて思考力が落ちる「ブレインフォグ」などが出ることがありますが、こうした異常が出る理由は分かっていませんでした。 研究グループは、新型コロナウイルスはミクログリアに多くあるたんぱく質を足がかりに感染しているとみていて、感染後の症状や後遺症の原因の解明につなげたいとしています。 岡野教授は「今回の結果とブレインフォグなどの症状が具体的にどうつながるのか、さらに研究を進めたい」と話しています。 (NHK = 4-18-23) 新型コロナウイルスの起源、中国研究所の可能性が「最も高い」 = 米 FBI 長官 米連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は 2 月 28 日、新型コロナウイルスの起源が「中国政府が管理する研究所」である可能性が「最も高い」との見方を示した。 レイ氏は米 FOX ニュースのインタビューで、「FBI はしばらく前から、今回のパンデミックの起源は研究所の事故である可能性が最も高いとみている」と述べた。 FBI が新型ウイルスの発生源について、機密扱いの判断を公に示したのは初めて。 前日の 27 日には、アメリカのニコラス・バーンズ駐中国大使が中国に対し、「新型ウイルス危機の原点に絡んで、3 年前に武漢で何が起きたのかについてもっと正直になる」よう求めていた。 新型ウイルスの起源をめぐっては、中国・武漢の研究所から流出したとの説が出ている。 しかし、中国はこれを否定しており、中傷だとしている。 中国外務省の毛寧報道官は 27 日、研究所からの流出説を改めて否定。 米当局に対し、「中国に対する中傷と発生源の政治的な追及をやめる」よう求めた。 中国が特定を妨害と レイ氏は FOX のインタビューで、世界的パンデミックの発生源を特定する努力を、中国が「妨害し不明瞭にしようとしてきた」と主張。 「誰にとっても不幸なことだ」とした。 新型ウイルスに関しては、海産物・野生動物を取り扱う中国・武漢の華南海鮮卸売市場で、人間が動物から感染した可能性があると、一部の研究が示唆している。 同市場は、コロナウイルスの研究で世界有数の「武漢ウイルス研究所」から車で 40 分のところにある。 米政府の他の機関は、FBI とは異なる結論を出している。 その自信の程は機関によってまちまちだ。 米メディアは 26 日、米エネルギー省が、新型ウイルスは研究所から流出したと「低度の確実性」で結論づけたと報じた。 同省はそれまで、新型ウイルスの起源は特定できていないとしていた。 米国家安全保障会議 (NSC) のジョン・カービー戦略広報調整官は 27 日、新型ウイルスの発生源を突き止めるための「全政府的な取り組み」をジョー・バイデン大統領が支持すると説明。 ただ、アメリカとして明確な統一見解を出すにはまだ至っていないとした。 (BBC = 2-28-23) ◇ ◇ ◇ 新型コロナの起源、研究所から流出の可能性高いと米当局 - 報道
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の起源は、研究所からのウイルス流出である可能性が最も高いことが、米エネルギー省の調査で示された。 米紙ウォールストリート・ジャーナル (WSJ) が報じた。 WSJ が 26 日伝えたところによれば、ホワイトハウスと主要議員に寄せられた機密報告書には、中国にある研究所でのミスが原因でウイルスが拡散した可能性が高いと記された。 エネルギー省はこれまで、新型コロナウイルスの起源について判断を下していなかった。 機密報告書の内容を目にした複数の関係者の話として WSJ が報じたところによると、エネルギー省は新たな情報に基づき今回の結論に到達。 ただその判断に対する「信頼度は低い」とも記されているという。 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は 26 日、同ウイルスの起源が自然由来なのか、それとも研究所由来なのかについて、米情報当局には「さまざまな見解」があるとし、WSJ の報道について自分は「確認も否定もできない」と述べた。 サリバン氏は CNN の番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で、バイデン大統領がエネルギー省傘下の国立研究所に対し、この検証に参加するよう求めたと説明した。 その上で、「さらなる知見や情報が得られた場合は、われわれは議会および国民と共有するつもりだ」とする一方、「現時点では、この問いに対して情報当局は決定的な回答を得られていない」と語った。 中国は以前から、新型コロナウイルスが研究所由来との見方に反論してきた。 在ワシントンの中国大使館に通常の開館時間外にコメントを求めたがこれまでに返答はない。 (Olivia Konotey-Ahulu、Bloomberg = 2-27-23) 国産 mRNA コロナワクチン、第一三共が初の工場 第一三共は 2024 年度までに新型コロナウイルスワクチンを年 2,000 万回分生産できる体制を整える。 国内企業が開発し承認申請した「メッセンジャー RNA (mRNA)」ワクチンの初の工場となる。 厚生労働省はワクチンの定期接種の議論も始めており、新型コロナとの共存に向けたインフラ整備が進んできた。 子会社の第一三共バイオテック(埼玉県北本市)の工場で生産する。 既存のワクチン工場を一部改修し、mRNA の原薬や主成分を包んで体内に運ぶ物質などの生産設備を導入した。 塩野義製薬や KM バイオロジクス(熊本市)も mRNA と別の方式の国産ワクチンを開発中で、主要国内 3 社の最大供給能力を合算すると 1 億本を超える。 新型コロナワクチンは米ファイザーやモデルナが mRNA ワクチンを開発したが、流行初期にはいずれも海外からの調達で日本は確保に苦戦した経緯がある。 日本で開発・承認した製品の生産が進むことでワクチンの自給体制がさらに進むことになる。 第一三共は 23 年 1 月に開発中の新型コロナワクチンを承認申請した。 最大生産能力を徐々に高める。 政府の補助金を活用し 27 年度までに mRNA ワクチンの製造棟をさらに同工場に建設予定だ。 実際の供給量は政府との契約で決まるが、新型コロナがさらに長期化し、インフルエンザのように定期的にワクチン接種が必要になる場合にも対応できるようにした。 平時には別のワクチンをつくり必要時に対応する mRNA ワクチンを製造することを想定している。 既にコロナワクチンを承認申請した塩野義は mRNA とは別の、遺伝子組み換えでつくったウイルスの一部を活用した「組み換えたんぱくワクチン」の生産体制を整備中だ。 製造委託先のユニジェン(岐阜県池田町)と組み、年 6,000 万回以上の生産体制を構築する。 子会社 UMN ファーマ(秋田市)などの工場も活用する。 明治ホールディングスグループの KM バイオロジクスは、熊本県菊池市の研究所に年最大 2,000 万回の生産設備を用意した。 23 年 6 月までにウイルスの毒性をなくした成分でつくる「不活化ワクチン」で承認申請する予定だ。 (nikkei = 2-5-23) ◇ ◇ ◇ 第一三共がコロナワクチンの承認申請 追加接種用、「国産」 2 社目 第一三共は 13 日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、国内での追加接種用として製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。 国内メーカーが開発したコロナワクチンの承認申請は、塩野義製薬に次いで 2 例目となる。 米ファイザー、モデルナと同じタイプのメッセンジャー RNA (mRNA) ワクチンで、臨床試験(治験)で有効性と安全性を確認し、主要評価項目を達成したという。 治験では、国内で承認済みの mRNA ワクチンを 2 回接種した約 5 千人を対象に、第一三共製と承認済みワクチンの 3 回目接種の効果などを比べた。 その結果、投与 4 週間後の比較で、細胞への感染を防ぐ力を示す「中和活性」の上昇倍率が承認済みのワクチン群に劣らない高い値を示した。 安全性についても、臨床上の懸念は認められなかったという。 第一三共は今後、オミクロン株にも対応する「2 価ワクチン」の治験も進め、23 年度中の承認申請をめざすとしている。 新型コロナウイルスの国産ワクチンで実用化されたものはまだない。 塩野義が昨年 11 月、「組み換えたんぱく」という手法のワクチンを承認申請したのが第 1 号で今回の第一三共が続いた。 このほか、「不活化ワクチン」の開発を進める明治ホールディングス傘下の KM バイオロジクスも今年 4 - 6 月の承認申請をめざしている。 (江口悟、asahi = 1-13-23) 米紙 WSJ が報じた「ワクチンを打つほどコロナにかかる」論文を医師らが検証 コロナ感染のリスクを減らすために接種してきたワクチンについて、その効果を疑問視する論文が発表され不安が生じている。 追加接種に対して二の足を踏む人もいるが、一方でワクチンを接種しないことによる重症化リスクもある。 何を信じればいいのか - -。 本誌・週刊ポストは専門家の協力のもと、コロナワクチンに対する様々な疑問に向き合い、徹底検証した。 日本は感染者数「世界最多」 都内在住の 70 歳男性・A さんはこれまで 4 回のワクチン接種を重ねてきた だが、昨年 10 月に始まった 5 回目接種には二の足を踏んでいる。 「これまでワクチンの副反応もなくコロナにも感染していません。 でも、最近になって、妻が『ワクチンを打っても意味がない』、『体に毒らしいよ』と言い始め、急に不安になった。 どうやらネットでそういう情報が出回っているらしい。 5 回目を打つかどうか、ずっと迷っています。(A さん)」 A さんのようにワクチンに対して不信感を抱く人が増えている。 有効性や効果に疑問を呈する報道が急増しているからだ。 直近で多くの人に強いインパクトを与えたのが、米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ)」が元日に報じた「ワクチンがコロナの新種を増殖させている?」と題した記事だ。 そこでは日本でも感染が確認されているオミクロン株亜種「XBB.1.5 株(以下、XBB 株)」について「ワクチンを打つほど感染しやすくなる」との可能性に言及している。 同記事内では、クリーブランド・クリニック(米・オハイオ州)の医師らが医療従事者を追跡調査した研究論文の「ワクチン接種を 3 回以上受けた人は未接種の人の 3.4 倍、2 回接種した人は未接種の人の 2.6 倍、コロナへの感染率が高くなった」とのデータを紹介。 また「ワクチンの複数回接種とコロナのリスクの関連性を示した研究はほかにもある」としている。 この WSJ の記事は、日本国内の複数のメディアでも取り上げられたが、その背景には収束が見通せない感染拡大の影響もありそうだ。 政府はワクチンが対策の切り札であるとし、2021 年 2 月から国内のワクチン接種を推し進めてきた。 高齢者を中心に多くの国民が接種を重ね、現在 65 歳以上の 1 - 3 回目接種率は 90% を超え、5 回目も 60% を超える。 英オックスフォード大が公開する「Our World in Data」の集計では、人口 100 人あたりのワクチン接種回数は、日本が 304.74 回で世界トップだ(1 月 25 日現在)。 ところが、WHO がまとめた新型コロナ感染症の集計で、日本は週間感染者数が 2022 年 11 月から 10 週連続で世界 1 位を記録した。 今年 1 月 24 日までの 1 週間の統計では約 57 万人で、G20 のなかでもダントツの数字だ。 なぜ、ワクチンの接種回数が世界トップなのに、感染者数が世界最多なのか - -。 こうした疑問がワクチンへの信頼を揺るがせているとみられるが、本当にワクチンを打つほどコロナにかかりやすくなるのか。 専門家にこの論文について問うと、「鵜呑みにするのは早計だ」という意見が数多く返ってきた。 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。
クリーブランド・クリニックの研究論文についてはほかにも疑問点がある。 昭和大学医学部客員教授(感染症学)の二木芳人医師が指摘する。
飛躍しすぎの仮説だ WSJ の記事は、ワクチンを繰り返し接種すると XBB 株に感染しやすくなる可能性を強調している。 同株は昨夏に第 7 波を招いたオミクロン「BA.5 株」の 1.47 倍の感染力があるとされている。 日本でも今後感染拡大の可能性があるだけに心配は募る。 二木医師はこう語る。
国内でも二価ワクチンによる追加接種の有効性を示すデータは多数示されている。 国立感染症研究所は、従来型のワクチンを 2 回以上接種したうえで二価ワクチンを追加接種した場合、発症を防ぐ効果は 71% であると発表し、厚生労働省の資料も二価ワクチンによる追加接種について、『短い期間である可能性はあるものの、発症予防効果や感染予防効果が期待されています』としている。 日本だけが真面目に検査 世界で最も接種率が高い日本で現在感染が高止まりしている状況についてはどう考えればいいか。 二木医師が言う。
先んじて経済活動を再開していた欧米に比べて、第 5 波(2021 年 7 - 9 月)の頃までの日本の感染者は桁違いに少なく、「ジャパン・ミラクル」と呼ばれていた。 その反動がいま現われているという指摘だ。 また各国との検査数の違いも、統計に表われる感染者数の差に関係がありそうだ。 ナビタスクリニック理事長で医師の久住英二氏が語る。
重要なのは、"何のためにワクチンを打つか" ということだ。 日本ウイルス学会理事で長崎大学大学院教授の森内浩幸医師が語る。
コロナとの戦いも 4 年目に入り、様々な研究や論文が発表されている。 どの情報が正しいのか、今後も真摯に向き合っていく必要がある。 (News Post/Seven = 1-30-23)
米、新たなオミクロン株が拡大 北東部で流行の主流に 【ワシントン】 米国で新型コロナウイルスの新たなオミクロン株派生型「XBB・1.5」が増加し、ニューヨークなど北東部では流行の主流となったもようだ。 従来の派生型より感染が広がりやすいが、重症度の高さは明確になっておらず、政府がデータ分析を進めている。 この型は昨年 10 月下旬、世界で初めて米国で確認された。 日本でも少数が見つかっている。 米疾病対策センター (CDC) の推定では、米国内で検出されたウイルスに占める割合は今月 7 日までの 1 週間で 28% となり、前週の 1.5 倍。 特に北東部では 70% を超えた。 (kyodo = 1-8-23) ◇ ◇ ◇ 「ワクチンすら効果がない」 … 米国で瞬時に広まった新型コロナ「最悪の変異株」 米国で新たなオミクロン株の下位系統 XBB.1.5 が急速に拡散している。 現存するオミクロン下位変異株のうち免疫回避力が最も強いといわれ、米保健当局が緊張している。 2 日(現地時間)、米疾病管理予防センター (CDC) によると、先月 31 日基準で XBB.1.5 が新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の全体感染例のうち 40.5% を占めることが明らかになった。 これは先月 24 日基準の 21.7% から 1 週間で倍近くに増えた数値だ。 XBB.1.5 は「ステルスオミクロン」と呼ばれた BA.2 から派生した XBB の下位系統だ。 XBB は昨年 8 月にインドで初めて確認された後、シンガポールの再拡散を導いた。 当初米国では昨年秋にさまざまなオミクロン下位系統が同時に確認されて「優勢種競争」を行う様相を呈していたが、XBB.1.5 が他の変異株をおさえて急速に拡散している。 ニューイングランド・ニュージャージー・ニューヨークなど米国北東部の地域では XBB.1.5 の検出率が全体の 75% に達する。 CDC のバーバラ・マホン博士は米国メディア CBS の取材に対して「われわれは XBB.1.5 が米国全土で増加すると予想している」と述べた。 専門家が憂慮しているのは XBB.1.5 の強い免疫回避力だ。 XBB は免疫回避力の面で「現存する最悪の新型コロナ変異株」に挙げられてきたが、XBB.1.5 がこれを凌駕するという分析だ。 米メディア CNBC などによると、ウイルス学者アンドルー・ペコス氏は「XBB,1.5 は他の変異株よりも細胞と結合する力が強い追加的な突然変異がある」と説明した。 北京大学の曹雲龍教授は「XBB.1.5 は、われわれが今まで知っている変異株のうち最も伝染性と免疫回避力が強い」と話した。 これに先立ち、先月米コロンビア大学の研究陣は科学ジャーナル「Cell」に発表した研究論文を通じて「XBB 下位系統はオミクロン用のワクチンブースターショットに対する強い抵抗力まで備えていて脅威的」と説明した。 米国アレルギー感染症研究所 (NIAID) のアンソニー・ファウチ所長も「XBB 下位系統はブースターショットが提供する免疫効果を減少させる」と懸念していたことがある。 ニューヨーク・タイムズ (NYT) によると、1 日基準で、米国の最近 7 日平均の新型コロナ一日入院患者数は 4 万 4,243 人で 2 週間前に比べて 7% 増加し、集中治療室の入院患者も同じ期間に平均 5,303 人で 2 週間前に比べて 11% 増加した。 ただし、まだ XBB.1.5 が直接的にさらに深刻な症状を誘発するという点は立証されていない。 こうした中、中国の新型コロナ感染者の急増状況が新たな変異株登場に対する懸念を強めており、世界各国は相次いで中国発旅行客の規制に乗り出している。 モロッコは 3 日から国籍を問わず中国発の入国を全面的に遮断する超強気政策を施行した。 欧州でも中国発旅行客を規制する国々が徐々に増えている。 当初イタリアの規制参加要求に慎重な態度を見せていたフランス・スペインなども新型コロナ陰性確認書などの提出を義務化した。 英国も今月 5 日から中国発旅行客に航空機搭乗前の新型コロナ検査の義務化に動いた。 欧州連合 (EU) は加盟 27 カ国が中国発旅行客に対する共同の措置を用意するために先月 29 日会議を開いたが、結論を出すことができず今週再び会議を開く予定だ。 今までのところ中国発旅行客を規制しているのは韓国・米国・日本・イタリア・スペイン・英国・フランス・インド・オーストラリア・カナダ・台湾・マレーシア・バングラデシュ・モロッコなど少なくとも 14 カ国にのぼる。 (韓国・中央日報 = 1-3-23) コロナ致死率、60、70 代は 0.18% 昨夏以降低下 厚労省公表 厚生労働省は 21 日、新型コロナウイルスのオミクロン株が流行した今年 7、8 月の 60、70 代の致死率が 0.18% だったと公表した。 デルタ株が流行した第 5 波(2021 年 7 - 10 月)が 1.34%、オミクロン株に変異した初期の第 6 波(22 年 1、2 月)は 0.70% だったが、致死率は大きく下がってきている。 コロナの感染症法上の位置づけをめぐり、季節性インフルエンザと同じ「5 類」に変更するか議論が進められるなか、厚労省は今回のデータを参考にしていきたい考えだ。 茨城、石川、広島の 3 県の協力を得て、コロナ対策を厚労省に助言する専門家組織の会合で厚労省が示した。 コロナの致死率が下がった要因としては、ウイルスの変異やワクチン接種率の上昇があげられる。 資料によると、60、70 代ではデルタ株が流行した第 5 波(21 年 7 - 10 月)が 1.34% だったが、オミクロン株に変異した初期の第 6 波(22 年 1、2 月)は 0.70%、7、8 月には 0.18% になった。 この日の資料では、季節性インフルの同年代の致死率も参考値として示され、0.19% だった。 これに対し、専門家組織座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は「確かにコロナの致死率は下がってきている」としつつ、「インフルと直接比較するのはデータのとりかたが違うため適切ではない」と話した。 脇田氏ら専門家組織の一部は 14 日、コロナはインフルとは大きく異なる特徴を持ち、比較が困難だとする評価を公表していた。 感染者数や死者数の定義が異なっていることや、コロナでは、心臓などの合併症で亡くなった人が含まれていない可能性を理由にあげている。 また、コロナは明確な季節性がなく年間を通して流行を繰り返す点、免疫が減弱する点も異なるとしている。 全国の新規感染者数は微増傾向が続く。 21 日の感染者数は 20 万 6,418 人で、20 万人を超えたのは 8 月 25 日以来約 4 カ月ぶり。 直近 1 週間は前週比の 1.18 倍で、重症者数や死亡者数も増えた。 感染拡大の要因として、免疫をすり抜ける変異株への置き換わりや夜間の滞留人口の増加などと分析した。 内閣官房の資料によると、21 日時点の病床使用率は 30 都道府県で 50% を上回っている。 インフルの広がりも心配される。 直近の 1 週間(5 - 11 日)に全国約 5 千の医療機関から報告された患者数の平均は 0.25 人で流行期入りの目安となる 1.00 人を下回るが、前年同期の 0.01 人を大きく上回る。 都道府県別では最も多いのは岩手(1.57 人)で、大阪府(0.65 人)、富山県(0.58 人)と続く。 複数の指標で急な増加傾向がみられ、今まで以上に注意が必要という。 (神宮司実玲、辻外記子、asahi = 12-21-22)
コロナ警戒の緩和、強力な新変異株が出現する環境作る = WHO 世界保健機関 (WHO) のテドロス事務局長は 2 日、新型コロナウイルスに対する警戒態勢の緩みが致死率の高い新変異株が出現する環境を作り出し続けていると警告した。 パンデミック(世界的な大流行)のピークが過ぎ、世界各国は新型コロナに対する監視や検査、ワクチン接種などの対策を緩和しつつある。 WHO の推計によれば、現在、世界人口の約 90% が過去の感染やワクチン接種により一定の程度の免疫を持っているという。 テドロス氏は会見で「われわれは、パンデミックの緊急事態が終わったと言えるまでにかなり近づいたが、まだその段階には達していない。」と述べた。 (Rrrutrs = 12-3-22) 塩野義、新型コロナワクチンを承認申請 国内メーカーでは初めて 塩野義製薬(大阪市)は 24 日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省に製造販売の承認を申請したと発表した。 国内メーカーが自ら開発したワクチンを承認申請するのは初めて。 承認されれば国内では 6 種類目、国内の製薬会社が開発したワクチンとしては第 1 号となる。 1、2 回目接種の初回免疫用と、他社製を含めて 2 回以上接種した人の追加免疫(ブースター)用として合わせて申請した。 同社は 1 月、約 1 千人を対象とした最終の臨床試験(治験)を実施。 英アストラゼネカ社製のワクチンと比較するという方式で、参加者を 2 グループにわけ、塩野義とアストラゼネカのいずれかを 2 回ずつ接種。 塩野義のほうが血液中の抗体量が「統計的に有意に高いと解釈される」としていた。 安全性に大きな懸念はなかったという。 昨年 10 月から実施していた中間段階の治験では、ワクチン接種歴のない成人約 3 千人のうち、約 90% に接種部の痛み、約 60% に疲労感、約 20% に 38 度以上の発熱などの副反応が確認された。 手代木功社長は「mRNA のワクチンに比べて、人によるが副反応がマイルドだ」としていた。 これとは別に、米ファイザーのワクチンを接種した人を対象に、追加免疫用としての治験も進めていた。 同社が開発するワクチンは「組み換えたんぱく」という種類。 ファイザーやモデルナの「mRNA」とは異なる。 mRNA がコロナで初めて実用化された技術なのに対し、組み換えたんぱくは、海外のインフルエンザワクチンや子宮頸(けい)がんの原因になる HPV 感染予防ワクチンなどに使用されてきた実績がある。 mRNA のワクチンがアレルギーなどで使えなかった人への選択肢にもなるが、同じタイプでは米ノババックス(国内では武田薬品工業が製造)のワクチンがすでに承認済み。 国内では 9 月以降、変異株オミクロン株に対応したワクチンの接種が始まっており、塩野義製がどこまで使用されるかは見通せない。 一方、国内メーカーが新型コロナワクチンの開発から承認申請までこぎつけたことについては、今後起きうるパンデミックなどを踏まえて、評価する声もある。 国内では塩野義のほかにもワクチン開発に取り組む動きがある。 第一三共は追加接種用として来年 1 月に、明治ホールディングス傘下の KM バイオロジクスは来年度の承認申請を目指している。 創薬ベンチャーの VLP セラピューティクスは初期の治験中だ。 (田中奏子、asahi = 11-24-22) 塩野義コロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認 軽症者も対象、国産初 厚生労働省は 22 日、塩野義製薬(大阪市)が開発した新型コロナウイルスの飲み薬を緊急承認した。 緊急承認は、感染症流行時などに迅速に審査する制度で、今回が初めての適用。 発熱などの症状を 1 日早く改善させる効果があるとされる。 軽症者にも使える初の国産の飲み薬となり、安定供給が期待される。 12 月初めに医療機関に届ける。 この薬は「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」。 発症 3 日以内にのめばウイルスの増殖を妨げる作用があるとされる。 対象は 12 歳以上の軽症や中等症患者で重症化リスクの有無は問わない。 1 日 1 回、5 日間服用する。 コロナの医療費は公費のため、当面、患者の自己負担はない。 緊急承認は、感染症流行やバイオテロの発生などの緊急時に、迅速に審査して承認するもので、今年 5 月、医薬品医療機器法を改正して設けられた。 安全性はこれまで通り確認するが、有効性は「推定」できればよく、通常は数千から数万人の臨床試験(治験)の規模を小さくできる可能性がある。 また、感染状況などの社会的な必要性も考慮される。 塩野義は 2 月に別の審査制度を希望して申請していたが、改正法の成立後に緊急承認の申請に切り替え、6 月と 7 月に開かれた専門家による審議を受けた。 しかし、約 400 人分の治験のデータは、ウイルス量を減らす効果はみられたものの、疲労感や発熱などの 12 症状の総合的な改善効果は明確ではなかった。 このため継続審議となった。 塩野義は審議後も治験を続けており、9 月に新たな結果を公表。 約 1,800 人の治験で、オミクロン株に特徴的な鼻水、のどの痛み、せき、発熱、倦怠感の 5 症状が改善する時間を 7 日程度にし、24 時間短くする効果があると公表した。 一方、重症化を防ぐ効果は確認されていない。 この日の審議会では、新たなデータから、賛成多数で有効性が推定できるとした。 ただし、承認期限は 1 年で、追加解析や市販後のデータを求めたうえで再び審議する。 委員 1 人は承認に反対した。 政府はゾコーバを 100 万人分購入する契約を結んでいる。 国内で新型コロナの軽症者にも使える飲み薬は、ほかに米メルク社の「ラゲブリオ(一般名・モルヌピラビル)」と米ファイザー社の「パキロビッドパック(同・リトナビル/ニルマトレルビル)」がある。 (市野塊、asahi = 11-22-22) ◇ ◇ ◇ 塩野義製薬、新型コロナワクチンの承認申請は「11 月末 - 12 月」 塩野義製薬は 31 日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、11 月末から 12 月に厚生労働省に承認申請する考えを示した。 2020 年に臨床試験(治験)を開始し、昨年後半の時点では今年 3 月末までの申請を目指していた。 しかし、治験の遅れや量産体制の確保などに問題があり、今春以降、数度にわたり申請目標の時期を遅らせていた。 この日あった 22 年 9 月中間決算の説明会で手代木功社長が「ワクチンは本当に遅れていて、国民のみなさまからお叱りをいただいている。 どんなに遅くても年内には承認申請したい」と述べた。 製造の準備や、治験での情報開示の調整に時間がかかっているという。 実用化の時期は明言しなかったが、すでに治験のデータなどは厚労省に提出を始めているという。 手代木社長は「承認に時間はかからないだろうと思っている」との見通しを述べた。 想定通りに承認されれば、国内メーカーが開発した初の「国産ワクチン」となる。 塩野義が開発しているワクチンは「組み換えたんぱく」という手法で、4 月に承認された米ノババックスと同じタイプだ。 最終段階の治験は、感染を防ぐ「中和抗体」の量を英アストラゼネカのワクチンと比較した。 塩野義は、自社の方が「統計的に有意に高いと解釈される」としている。 この結果などをもとに、製造体制の問題にめどがつき次第、承認申請をする予定だ。 ただ、国内ではすでに、米ファイザーが開発した変異株オミクロン株に対応したワクチンの接種が始まっている。 塩野義もオミクロンに有効な抗体のデザインを終えているとして、いずれは変異株に効果のあるワクチンの承認申請も目指すとした。 (田中奏子、asahi = 10-31-22) |