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新型肺炎、感染 4 千人超 チャーター機「2 便で足りず」

中国で新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、中国国家衛生健康委員会は 28 日、感染による死者が中国全土で 106 人に達したと発表した。 首都北京でも初めて死者が確認された。 感染者は 1,771 人増えて 4,515 人となり、経済活動への影響も拡大している。 同委員会によると、27 日に中国全土で新たに 26 人の死亡が確認された。 北京で死亡が確認されたのは 50 歳の男性で、死因は呼吸不全という。 8 日に湖北省武漢市を訪れ、15 日に北京に帰った後、発症した。 感染が始まった同省に続き、いち早く移動制限措置を敷いた首都で死者が確認され、中国政府は事態を重視しているとみられる。

感染者が確認されていないチベット自治区でも世界遺産のポタラ宮の参観が中止されるなど、全国の主な観光地や観光施設が軒並み営業停止になった。 北京の地下鉄駅でも乗客の体温検査やマスクの着用が義務づけられるなど、各地で大がかりな感染防止措置が始まっている。 上海や深センの証券取引所も、春節連休後の取引再開を 2 月 3 日に延期するなど経済活動への影響も広がっている。

感染の拡大が続くなか、世界保健機関 (WHO) のテドロス・アダノム事務局長が、北京入りしたことを自身のツイッターで明らかにした。 アダノム氏は 26 日、「最新の状況を知り、さらなる感染拡大を防ぐための連携を強化したい」と書き込んだ。 WHO で中国を含む地域を担当する西太平洋地域事務局の葛西健事務局長も、アダノム氏と中国側との会合に加わるために北京に到着したことをツイッターで明らかにした。 WHO は 23 日、新型肺炎が国際的な「緊急事態」には当たらないと判断したが、事務局長が自ら中国に入り判断を再検討するための情報収集を進めているとみられる。 ロイター通信などによると、ドイツでも新たに感染が確認された。 (北京 = 西村大輔、ローマ = 河原田慎一)

チャーター機「おそらく 2 便では足りない」

中国・武漢市(湖北省)で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受け、現地邦人の帰国を支援するため日本政府が用意するチャーター機の第 1 便を 28 日夜に派遣する方向で最終調整に入った。 茂木敏充外相が記者団に明らかにした。 約 200 人が搭乗し、帰国は 29 日午前になる見通しだ。 政府は当初、28 日午前に出発させる方向で調整していた。 日本政府関係者によると、中国側の受け入れ態勢の事情だという。 菅義偉官房長官は同日午前の閣議後会見で「中国から許可を得られれば、出発できる態勢は整えている」と述べた。

茂木氏によると、28 日朝時点で帰国希望者は約 650 人。 第 1 便は中国到着後、29 日午前に現地を出発して午前のうちに帰国する予定だという。 第 2 便も派遣する方向だが 29 日以降の日本出発となる見通し。 28 日朝の公明党会合では、外務省の担当者がチャーター便の運航に関して「おそらく2便では足りない。 政府専用機(使用)の可能性も排除していない。」と説明した。

厚労省は 28 日、武漢市からの帰国者を乗せるチャーター機に医師 1 人、看護師 2 人、検疫官 1 人を同乗させることを明らかにした。 機内で検疫を行う。 高熱などで移動が難しいと医師が判断した場合は、搭乗を見合わせてもらうこともあるという。 菅氏は会見で、チャーター機でマスクや防護服など支援物資の輸送も検討しているとした。 また、政府は 28 日午前、新型コロナウイルスによる感染症について、感染症法上の指定感染症に指定する政令を閣議決定した。 2 月 7 日に施行される。 指定は 2014 年の中東呼吸器症候群 (MERS) 以来、5 例目。

指定により、1 年間の期限つきで危険度の高い感染症と同じように患者に入院を勧告したり、就業を制限したりできる。 勧告に従わない場合は強制入院させることもできる。 医療費は公費負担となり、患者を診察した医師はすべて保健所に報告することが求められる。 菅氏は会見で「感染が疑われる方に対する入院や検査の実施について実効性を持たせることも可能となり、感染防止、拡大防止に向けた対策に万全を期すことができる」と話した。 また、加藤勝信厚生労働相は会見で、患者に適切な医療を受けてもらうため、政令の施行前でも入院医療費を公費負担する方針を明らかにした。

政府は検疫法上の「検疫感染症」に指定する政令も閣議決定。 感染が疑われる人に対し、検疫所が診察や検査を受けさせることができるようになる。 (asahi = 1-28-20)


「すでに 500 万人が武漢を離れた」 封鎖の効果と限界

「熱が出ているんだ、助けてくれ。」 武漢市中心部にある大学病院。 中国の大学の医学部を卒業後、今月中旬まで、医者になるための臨床実習を受けていた日本人男性 (27) は、駆けつけた患者や家族らが切羽詰まった声をあげる様子を目撃していた。 患者らは「新型肺炎にかかったのでは」と疑い、焦っている様子だったという。 院内は、詰めかけた患者や家族で廊下を歩くことができないほどの混雑ぶりだった。 病室のベッドも足りず、臨時ベッドを用意して対応していた。 こうした状況を踏まえ、男性は「実際の感染者数は当局の発表より、もっと多いのではないか」と疑問を抱いたという。

中国政府は、武漢市の医療機関を感染のさらなる拡大を阻止する「最前線」と位置づけ、支援を強化している。 だが、ベッドの不足は患者の急増を受けて日増しに深刻化している模様だ。 中国政府は国を挙げててこ入れを図っている。 中国メディアによると、武漢市では 2 月上旬、1 千床前後のベッドを備えるプレハブ型の臨時病院が 11 日間という短期間で完成予定。 さらに 2 つ目の専門病院の建設も始まっており、これも工期はわずか 10 日余りだ。 合計 2 千床を超すベッドを新たに確保するというが、急増する患者数に追いつくのか、なお見通せない。

また中央政府の衛生当局は 27 日、7 省・市の医療団約千人を武漢に追加派遣することを決定。 すでに武漢市と湖北省に総額 30 億元(約 470 億円)を投入することも公表している。 ただ、ここにきて医療従事者の感染という問題も浮上している。 武漢市内の病院で患者に対応していた 62 歳の男性医師が新型肺炎に感染して 25 日朝に死亡した。 ほかにも多数の医療関係者が感染し、隔離されたとの情報も報道されている。

中国の国営メディアは、各地から武漢に向かう医療団の関係者が「感染を恐れない」と強調する言動を伝えているが、「辞めたいのに病院が退職を認めてくれない」と訴える看護師のメッセージが SNS 上に投稿されるなど、医療関係者の間に動揺が広がる様子もうかがえる。 (広州 = 益満雄一郎)

中国政府の対応に批判

「全国の人民がみなさんを支える。」 27 日、武漢市に入った李克強(リーコーチアン)首相は、新たに建設する臨時病院の建設現場にマスク姿で現れ、労働者たちを鼓舞した。 首相が「災害」現場に入る姿は、2008 年の四川大地震の当時の温家宝(ウェンチアパオ)首相に重なる。 しかし、当時、温氏が現場入りしたのは発生当日。 李氏の武漢入りは原因不明の肺炎患者が見つかってから 1 カ月以上が経っており、春節前の帰省ラッシュも過ぎている。 政府の対応はあまりに遅いのではないか。 そんな声は中国国内でもくすぶっている。

原因不明の肺炎患者が確認されたのは昨年 12 月 12 日。 だが、その後現場で対応に当たったという医師は、中国誌「中国新聞週刊」の取材に、「公の場で勝手に話したり、メディアの取材を受けたりしてはいけないと言われていた」と、当局側からの口止めがあったことを証言した。 武漢市が感染の確認を発表したのは、12 月 30 日にインターネット上に患者の発生を示す内部文書が出回った後だった。 新型ウイルスが検出された 1 月 9 日以降も、武漢市は「3 日以降、新たな症例は見つかっていない」などとの説明を繰り返した。

しかし、海外でも発症例が出て国際的な懸念が強まるなか、習近平(シーチンピン)国家主席が「蔓延を抑え込め」と指示した 20 日になり、感染者の発表人数は前日までの 62 人から 198 人に急増。 それ以降は加速度的に増えた。 中国政府はそれ以降、連日、人口 1,100 万人の武漢市を事実上、封鎖するなど、強硬な対策を打ち出し始めた。 しかし、26 日夜、突如、記者会見を開いた武漢市の周先旺市長は、「すでに 500 万人余りが市を離れた」と明かし、「感染者はさらに 1 千人ほど増えるかもしれない」と述べた。 同席した王暁東・湖北省長が謝罪したが、SNS 上で批判が噴出した。

中国政府の対応について、東京医科大の濱田篤郎教授(渡航医学)は、新型コロナウイルスのような飛沫感染症の場合、感染拡大防止のためには、人の移動を止めることが最も効果的だという。 だが、「やらないよりもやった方が良いが、時期が遅かったと言わざるを得ない」と言う。 東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染制御学)は「感染が中国各地に拡大し続けているという点では効果がなかった、という見方もできる」とする一方、「残った数百万人は外に出ないようにしているので、一定の効果はあるのかもしれない。 封鎖から潜伏期間にあたる 2 週間が経過した2月初旬に感染が落ち着く可能性がある。」と話す。 (平井良和 = 北京、松浦祐子、三上元、asahi = 1-27-20)

中国で打ち出された主な対策
・ 国外を含むすべての団体ツアー旅行を禁止
・ 長距離バスの運行停止など交通を規制
・ 春節の休日を延長。 幼稚園、小中高校、大学の授業再開を延期。
・ 野生動物の取引を禁止
・ 公共の場所でのマスク着用を義務化(武漢市など)


感染力、弱いと言われてきたが … 新型ウイルス「変異」か

これまで比較的弱いと言われてきた新型コロナウイルスの感染力が強まっているという。 中国当局が 26 日、明らかにした。 症状が軽い人が多く、感染に気づかずに広がっている可能性があるという。

感染初期は軽い症状

中国政府の国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は 26 日の会見で、「ウイルスの感染力が増している傾向がある」と述べた。 ただ、その根拠は示さなかった。 また、「感染初期は症状が軽くて隠れた感染者が多くおり、防疫が難しい」とした。 馬氏によると、潜伏期間は 10 日ほどで、最短で 1 日、最長 14 日間。 感染源は特定されていないという。 河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)は「ウイルスがすでに人から人へと感染しやすいよう変異していると考えられる。」 さらに、「症状が軽い患者は動き回ることができるので、それだけ他の人に広める機会は増えるだろう。 感染を完全に防ぐのは不可能だ。」と話す。

大阪健康安全基盤研究所の奥野良信理事長(ウイルス学)は「新型ウイルスに感染していてもはっきりした症状が出ないまま、ウイルスを排出している人もいる可能性がある。 そんな人がたくさんいれば、感染が重症急性呼吸器症候群 (SARS) 以上に広がっていてもおかしくない。」と話す。 SARS 出現前のコロナウイルスは、風邪などの原因となるありふれたウイルスと考えられていた。 今回の新型ウイルスもより広まりやすいように変異することもあり得るという。

東北大の賀来満夫名誉教授(感染制御学)は「SARS でも、はっきりした症状が出ない患者がいた」と話す。 また、SARS では下痢などの症状が出ることがあり、「新型肺炎でも消化器症状はありうる。 下痢をした後にきちんと手洗いをしないと感染を広げてしまう。」と話す。 国家衛生健康委員会によると、今月 22 日までに新型肺炎に感染して死亡が確認された 17 人(男性 13 人、女性 4 人)の平均年齢は 73.3 歳だった。 80 代が 8 人で最も多く、30 代以下の若者や子どもはいなかった。 10 人が高血圧症や糖尿病、心臓病などの持病があった。 7 人は持病が確認されなかった。 いずれも発熱や体の痛みを訴えたという。 (益満雄一郎 = 広州、大岩ゆり、編集委員・田村建二)

米も武漢からチャーター機

北京の米国大使館は 26 日、新型肺炎の感染が広がる武漢の米総領事館職員と米国民を退避させるため、米国行きチャーター機を運航することを明らかにした。 同大使館の告知によると、チャーター機は 28 日に武漢を出発し、サンフランシスコに向かう予定で、米国行きを希望する米国民に大使館への連絡を呼びかけた。 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、武漢を離陸する民間航空機は現在運航が停止されているが、米政府はチャーター機について中国政府の許可を得たという。

ただ、武漢には約 1 千人の米国民がいるとみられるが、チャーター機の座席は約 230 席しかないため、新型肺炎で「重大な危険」にさらされている人を優先するという。 一方、フランス政府は武漢にいるフランス人を対象に、中国政府と協力して同市を出るバスを運行することを検討している。 仏メディアによると、武漢にはプジョーやシトロエンを傘下に持つ PSA や自動車大手ルノーなどの仏大手企業が進出し、約 500 人のフランス人が滞在している。 PSA は 25 日、武漢在住のフランス人従業員とその家族を近く帰国させると発表。 38 人が対象で、武漢の南約 300 キロにある長沙市にまず避難させる計画という。

また、オーストラリア政府も武漢のある湖北省からの豪州人の退避を検討しており、ペイン外相は 26 日、中国当局や友好国に協力を仰いでいることを明らかにし、家族が同省に滞在している人は豪政府に連絡するよう呼びかけた。 豪公共放送 ABC によると、同省には大半が春節を家族と祝うために現地に入った中国系の豪州人約 100 人が滞在しているとみられるという。 (ワシントン = 園田耕司、パリ = 疋田多揚、シドニー = 小暮哲夫)

ホンダは駐在員帰国へ

安倍晋三首相は 26 日夕、首相公邸で外務省の秋葉剛男事務次官らと協議後、記者団に対し、武漢在留の日本人のうち希望者全員に対し、チャーター機で帰国を支援する考えを表明した。 「率直に言ってありがたい。 日本の家族を安心させることができる。」 武漢にいる大学院生の日本人男性は同日、朝日新聞の電話取材に対し、安堵して語った。 数日前に帰国する予定だったが、航空便はキャンセルされていた。

武漢に現地企業との合弁の自動車工場を持つホンダは、邦人の駐在員や家族ら約 30 人の大半を、政府チャーター機で帰国させると決めた。 数人は保守点検のために残る。 武漢の工場はもともと春節期間は休業予定だが、今後の操業の見通しは未定という。 新型肺炎の広がりで武漢が「封鎖」され、政府は邦人保護に向けた具体的な協議を加速させてきた。 外務省によると、武漢には約 710 人の日本人が滞在。 「相当数はすでに帰国している」(政府関係者)」とみているが、首相自ら「全員帰国」を表明することで、万全の対応を強調し、不安を払拭する狙いとみられる。

政府の「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」によると、政府は発生国に滞在する日本人が帰国を希望する場合は、定期航空便などで帰国できるように支援する、とされている。 ただ定期航空便が運航停止した後は「代替的帰国手段」を検討して対処方針を決定することになっている。 こうした考え方に沿って今回、封鎖されている武漢からチャーター機で帰国してもらうことにした。

政府が在外邦人を帰国させるためにチャーター機を使った例はある。 04 年 4 月のイラク日本人人質事件では解放された人質 3 人を帰国させ、11 年 1 月のエジプト治安悪化では旅行客らを運ぶため、カイロからローマまで 3 往復させた。 今回の新型肺炎への対応としては、政府は在中国日本大使館の対策本部に加え、外務省内に総合外交政策局参事官をトップとするタスクフォースを設置。 帰国希望者に同省ホームページなどを通じて大使館に連絡するよう呼びかけていた。

政府関係者によると、政府は中国政府と連絡を取り、早い段階からチャーター機などの使用について調整を進めてきたという。 この関係者は「これまで丁寧に準備を進め、米国よりも早く動いてきた。 邦人保護の観点から、取り残されている希望者全員を助けるということだ。」と話した。 (小野甲太郎、太田成美、asahi = 1-27-20)


ダンスホール訪問隠す 新型肺炎患者に罰金 100 万円

感染が広がる新型コロナウイルスによる肺炎の問題で、台湾南部の高雄市衛生局は 25 日、感染が確認された 50 代の台湾人男性が自身の過去の訪問先や接触者を隠し、申告しなかったとして、30 万台湾ドル(約 100 万円)の罰金を科した。 男性は、肺炎が広がった中国・武漢での滞在後、発熱を薬で抑えた状態で 21 日に台湾に戻り、入境時に検疫官に症状を申告しなかった。 さらに 22 日には高雄市内にある女性が接待するダンスホールでマスクをしないまま 2 時間を過ごし、その後、症状が悪化し、24 日に感染が確認された。

男性は感染確認後もダンスホールに出かけたことを衛生局に伝えずにいたが、ホールの女性が発熱したことを機に発覚。 市衛生局はホールの女性や従業員ら計 84 人の健康状態を調べている。 今のところ、二次感染は確認されていない。 市衛生局は「男性の行為は、防疫に抜け穴を生じさせ、ウイルス侵入を許し、市民の生命・健康に危険をもたらす」と非難し、今回の新型肺炎で初めて伝染病予防法の罰則を適用。 台湾各紙も 26 日、1 面で報じ、市民に防疫への協力を呼びかけている。 (台北 = 西本秀、asahi = 1-26-20)


中国、海外への団体旅行を禁止 27 日から 新型肺炎

中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で、中国の旅行会社を統括する中国旅行社協会は 25 日、国外旅行を含む全ての団体ツアー旅行を 27 日から一時禁止とすることを決めた。 中国中央テレビなどが伝えた。 アジアや欧米などにも新型肺炎の感染者が広がる中で、これ以上の国外への感染拡大をなんとか食い止めようとの中国政府の危機感の表れだ。 中国の春節に合わせた訪日客の繁忙期だけに、日本の観光業界などへの影響も大きそうだ。

25 日、北京市が市境を越える長距離バスの運行中止を決めるなど、住民の移動規制は感染が始まった武漢から湖北省全体に広がり、首都にも及び始めている。 習近平(シーチンピン)国家主席は同日、春節にもかかわらず、共産党最高指導部の政治局常務委員会を招集し対応を協議。 その後、団体旅行の禁止などが相次ぎ発表された。

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大で、中国政府は 25 日、湖北省で新たに 15 人が死亡し、死者は全国で 41 人に達したと発表した。 中国での感染者は 1,287 人に達し、感染が始まった武漢市で敷かれた住民の移動規制は省全体に及んだ。 日本では 3 人目の感染を確認。 フランスや豪州などでも新たに感染例が出て、感染が確認された国と地域は 14 に上った。

中国では 25 日、青海省で感染者が確認され、感染例はチベット自治区を除く全ての省、直轄市、自治区に広がった。 共産党機関紙、人民日報のウェブサイトは 25 日、武漢市の病院で治療にあたっていた男性医師 (62) が感染し、25 日朝に亡くなったと伝えた。 ほかにも医療関係者への感染が報告されており、医療現場での感染防止が課題になっている。

武漢市は 25 日、許可を得た輸送車や公用車をのぞき、26 日から市中心部での自動車の運転を禁止すると発表。 武漢市を含む湖北省内 17 の主要な地方政府すべてが、25 日までに鉄道やバスの運行停止、高速道路や一般道の封鎖などの規制をとった。 イタリアとほぼ同じ人口約 6 千万人を抱え、日本国土の約半分の面積をほこる省全体で自由な移動が制約された形だ。

SNS 上には、省境などで撮影されたとみられる画像が多数投稿され、主要道路が土砂や車両で封鎖されている。 対策の強化にもかかわらず、感染の勢いが止まる気配は見えない。 中国国外では新たにフランスで 3 人、豪州で 4 人、マレーシアで 3 人の感染が確認された。 調査中のフランスの 2 人を除き、いずれも武漢に滞在していた。 一方、世界保健機関 (WHO) は 24 日、ベトナムで感染が確認された中国人男性 2 人について、ヒトからヒトへの感染事例とみられると報告書で明らかにした。 ベトナム政府によると、2 人は親子で、父親が武漢市からベトナムに住む息子のもとを訪れていた。

WHO は 23 日、中国国外でのヒトからヒトへの感染が確認されていないなどとして国際的な緊急事態の宣言を見送ったが、その判断に影響する可能性もある。 日本の厚生労働省は 25 日、旅行で訪日した武漢市在住の 30 代女性の感染を確認したと発表した。 女性は家族ら 3 人とともに武漢市から 18 日に来日し、21 日夜から発熱とせきが出た。 23 日に東京都内の医療機関を受診したところ、軽い肺炎の症状がみられた。 報告を受けた東京都が検査し、25 日に感染が確認された。 (高田正幸 = 北京、土肥修一、asahi = 1-25-20)


新型肺炎「結膜から感染の疑い?」 感染した医師が指摘

中国中部の湖北省武漢市を中心に集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、調査のため武漢に入った後にウイルス感染した北京大学第一医院の王広発医師が「初期症状は結膜炎だった」とし、結膜から感染した可能性に言及している。 コロナウイルスは一般的にくしゃみなどによるしぶきで感染するが、王氏は治療に当たる医師らに保護メガネ着用の必要性も指摘した。

王氏は呼吸器や救急医療が専門で、重症急性呼吸器症候群 (SARS) 研究の第一人者とされる。 武漢で肺炎が広がった昨年 12 月、中国国家衛生健康委員会の調査メンバーとして現地に入った。 だが、北京に戻った後にウイルスに感染していることが判明し、治療を続けていた。 王氏は 22 日夜、中国版ツイッター「微博」に状況を報告。 「熱が下がり、病状は良くなった」としたうえで、自身の感染ルートについての推察を記した。

王氏は、病院を視察するなどした際に感染した可能性が高いとしつつ、「重要な手がかりは、北京へ戻った後に左下まぶたに結膜炎の症状が出たことだ」と説明。 一般的なコロナウイルス感染の初期症状ではないと言うが、「最終的に新型コロナウイルスの陽性反応が出た。 結膜炎はウイルスが原因だと説明できる。 ウイルスはまず結膜に入り、全身に回った疑いが濃い。」とした。 王氏は、自らの経験をもとに「この推測が成立するなら、我々の盲点は保護メガネをかけていないということになる」と主張。 最前線で治療する医師が保護メガネを着用することが重要だとの見方を示した。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 1-24-20)


新型コロナウイルスを巡る「緊急事態」宣言には、感染事例に関するデータが不足している

中国で発生した新型コロナウイルスを巡り、世界保健機関 (WHO) が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送った。 状況を踏まえると「緊急事態」とするには十分に見えるが、宣言するには感染事例に関するデータが不足しているようだ。

中国で発生した新型コロナウイルスが、世界的な危機であることのあらゆる兆候を示している。 まず、突如として現れたこのウイルスは、致死性であることがわかっている。 さらに、国境をたやすく越えたことから、封じ込めるには多国間の迅速かつ連携のとれた対応が求められる。 これまでにわかっている情報を踏まえると、世界保健機関 (WHO) が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するには十分な事態であるように思える。 だが WHO は 1 月 22 日、その判断を保留した。

今回の問題について WHO の指導者に助言を行うため、16 人の独立した専門家からなる委員会が招集された。 数時間にわたる非公開の会合では採決が実施されたが、意見は真っ向から対立した。 WHO の事務局長であるテドロス・ゲブレイェススは報道陣に対し、検討を続けるために 1 月 23 日(米国時間)に緊急委員会を再招集すると伝えている。 「状況は複雑で、拡大しています。 『国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態』を宣言するかどうかの判断は、非常に重要なものだとわたし自身も考えています。 すべての証拠を正しく検討して初めて、その判断を下すことが可能になります。」

重要なのは「感染ルート」に関する情報

約 3 週間前、中国当局は WHO に対し、不可解な肺炎が多発していることを警告した。 それ以来、集団発生の原因が新型ウイルスであること、そのウイルスが動物から人に感染すること、そして人から人へも感染することが世界に伝わっている。 この数日で、中国における感染事例は数十件から 500 件以上にまで急増し、死者は 17 人を数える。 日本、タイ、韓国、米国でも感染が確認された。 しかし、「2019-nCoV」と名付けられたこのウイルスが、世界にとって実際にどれほどの脅威であるかを判断するには、十分な根拠とは言えない。

「重要なのは感染ルートです」と、WHO で公衆衛生上の緊急事態プログラムの責任者を務めるマイク・ライアンは 22 日に報道陣に語っている。 これまでに中国の衛生当局が公表した証拠によると、今回の呼吸器ウイルスは感染者を介した接触感染で拡大している模様だ。 これはコロナウイルスの典型的な特徴である。 ほかに感染ルートがなければ、感染拡大を封じ込めることは可能であるとライアンは言う。 「しかしながら、現時点では断定しきれません。」

ウイルスが人を介してどのように感染を拡大させているのか詳しく調査するため、WHO は中国に対し、急増を続ける感染事例についてさらなる情報提供を求めている。 患者に症状が現れ始めるタイミングに関するデータがその一例で、これに基づき WHO はウイルスの人々の間での感染速度の計算に取りかかることができる。 また WHO 当局者は、中国の衛生当局が潜在的な感染対象をどのように追跡しているかについても、情報提供を求めている。

求められるさらなる情報

一方で、WHO は感染を受けた国に対して、潜在的な感染拡大に関する情報の共有を求めている。 これまで WHO 当局者は、ウイルスが中国以外で国内感染を拡大させた証拠を確認していないが、予断を許さない状況が続いている。 23 日に再招集される独立委員会では、新型ウイルスの感染拡大が国際的な緊急事態に相当するものであるかについて、WHO に対する勧告が行われる予定だ[編註 : 「緊急事態宣言」は再び見送られた]。 宣言を行えば、感染拡大対策の指針をまとめた WHO のガイドラインを、国際法に基づき施行できる。 これにより、世界中の政府に行動を促し、資金を調達することが可能になる。

コロナウイルスの致死性の高さも、委員会の重要な検討課題となる。 SARS (重症急性呼吸器症候群)や MERS (中東呼吸器症候群)と比べれば、2019-nCoV の致死率ははるかに低い。 これまでの事例では、もともと持病を抱えていた高齢者が死亡したケースがほとんどだ。 中国の国民健康委員会が公表したデータによるよ、中国における感染事例のうち、全体の 72 パーセントが 40 歳以上である。 緊急委員会の議長を務めるディディエ・ウサンはこう語る。 「しかし、この点についても、さらに詳しい情報提供を求めていきたいと思います。」

公衆衛生の専門家が議論と検討を重ねるなか、中国当局は人口 1,100 万人の武漢市を封鎖する措置を打ち出した。 感染拡大の中心地であるとはいえ、思い切った行動だ。 中国の『人民日報』はツイートで、現地時間の 23 日午前 10 時以降、市外への移動が全面的に禁止されることを伝えている。 (Wired = 1-24-20)


新型肺炎、死者 9 人感染者 440 人 当局「拡大の恐れ」

中国中部の湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、国家衛生健康委員会は 22 日午前に会見を開き感染者が 440 人、死者が 9 人に増えたと発表した。 感染は 13 の省や直轄市に拡大しており、1 月 25 日の春節(旧正月)前に帰省ピークを迎えることから、空港や鉄道駅の体温検査など対策をさらに強化するとしている。 新型肺炎について、中国政府が会見を開いたのは初めて。

同委員会の李斌副主任は、ここ数日で感染患者数が急増している理由を「診断方法の改善などが関係している」としつつ、「ウイルスは変異する可能性があり、さらに拡大するリスクがある。 春節でもあり警戒を高めてほしい。」と話した。 英国の大学などが「実際の感染数は数千人に達している」としている点について、同委員会は「一つの数学モデルであり、我々が把握している状況とは違う」と否定。 情報を隠しているとの指摘も「情報公開を重視しており、日々更新している」と反論した。

一方、米疾病対策センター (CDC) は 21 日、中国・武漢から帰国した西海岸ワシントン州シアトル近郊に住む 30 代男性の感染が確認されたと発表した。 米国での感染確認は初めて。 日本、韓国、タイ、台湾でも感染が確認されている。 CDC によると、男性は武漢市を旅行後、15 日にシアトルの空港に到着した。 その際は症状がなかったが、19 日に異変を感じ、医師の診察を受けた。 現在は地元病院に入院しているが、状態は良好だという。 医師や看護師など医療従事者のほか、他の人に感染の恐れはないとしている。

新型肺炎の流行を受けて米国では、先週からニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコの計 3 空港で検疫を強化。今週中にシカゴ、アトランタの2空港でも同様の措置をとり、武漢から米国に入国する旅客はこの 5 カ所の空港を使うようにするとしている。 (北京 = 冨名腰隆、ワシントン = 香取啓介、asahi = 1-22-20)


台湾、中国・武漢との団体客往来を停止

中国中部の湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統は 22 日、緊急記者会見を開き、武漢からの団体旅行客の受け入れや、台湾から同市への団体客の送り出しを停止すると発表した。 台湾から武漢への直行便は当面は運航を続ける。

台湾では 21 日、武漢から戻ってきた台湾人女性のウイルス感染が確認されたばかり。 今後、中国側でさらに感染が広がるなどした場合、団体客の規制地域を広げる可能性があるという。 また、蔡氏は中国側に感染の拡大状況など情報を公開するよう呼びかけた。 中国側の政治的圧力で、台湾が世界保健機関 (WHO) に参加できずにいる問題については、WHO や各国に「政治的な理由で台湾を排除するべきではない。 台湾は世界的な防疫の第一線だ。」と訴えた。 (北京 = 西本秀、asahi = 1-22-20)


「北朝鮮、観光客に対し国境一時封鎖」中国の旅行社

中国中部の湖北省武漢市を中心に集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎について、北朝鮮の労働新聞(電子版)は 22 日、感染の状況や中国政府の防止対策などを詳しく報じた。 朝鮮中央テレビも、北朝鮮当局が世界保健機関 (WHO) と協力し、感染を防ぐ活動を全国的に行っていると伝えた。 北朝鮮を専門に扱う中国の旅行社は、北朝鮮側の旅行社から「新型肺炎の警戒のため 22 日から全ての外国人観光客に対し、国境を一時的に閉鎖する」と伝えられたとホームページで明らかにした。 (ソウル = 神谷毅、asahi = 1-22-20)


SARS 研究の第一人者、新型肺炎に感染 現地調査で

中国中部の湖北省武漢市を中心に集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、国の専門家グループの一員として現地調査に入った北京大学第一医院の王広発医師がウイルスに感染していたことが分かった。 22 日、中国国営中央テレビなどが伝えた。 王氏は重症急性呼吸器症候群 (SARS) 研究の第一人者としても知られ、隔離された場所で治療中で、容体は安定しているという。

中国メディアの報道によると、王氏は昨年 12 月、武漢で肺炎が広がった際に中国国家衛生健康委員会が現地に派遣した専門家グループのメンバーだった。 少なくとも 8 日間、現地に滞在したとみられる。 今月 10 日、国営新華社通信の取材に「いかなる病気も予防が大切だ」と語り、マスク着用のほか、運動で免疫力を高める重要性を訴えていた。

専門家が感染したことについて、中国の SNS 上では「完全な予防策はないということだ」、「感染力が相当高いのでは」などの不安の声が広がっている。 王氏は呼吸器や救急医療の専門で、北京大学第一医院の呼吸器科主任などを務める。 2003 年に SARS が大流行した際は陣頭指揮をとったという。 日本での研修歴もある。 (北京 = 冨名腰隆、asahi = 1-22-20)


新型肺炎、武漢でさらに 2 人が死亡 中国の死者計 6 人に

中国中部の湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、武漢市当局は 21 日夕、同市内で新たに 2 人が死亡したと発表した。新型肺炎による中国国内の死者は計 6 人になった。 いずれも武漢市内で感染が確認された患者だった。 武漢市によると、感染が確認された患者は 20 日夜の時点で 258 人に増えており、そのうち 12 人が重篤な状況にあるとされていた。 (北京 = 宮嶋加菜子、asahi = 1-21-20)


新型肺炎、中国で 4 人目の死者 医療従事者の感染も

中国中部の湖北省武漢市で集団発生している新型コロナウイルスによる肺炎で、武漢市当局は 21 日、同市内で新たに 1 人が死亡したと発表した。 新型肺炎による中国の死者は 4 人目で、いずれも同市内で感染が確認された患者だった。 死亡したのは 89 歳の男性で、1 月 13 日に発症し、18 日に深刻な呼吸困難を起こして入院、19 日夜亡くなった。 男性には高血圧や糖尿病などの持病があったという。

また、20 日までに同市内の医療従事者 15 人の感染が確認され、うち 1 人が重篤な状態だという。 ウイルスの感染ルートについては、中国政府でこの問題を管轄する国家衛生健康委員会の専門家グループ長の鍾南山氏が 20 日、ヒトからヒトへの感染が認められると初めて明らかにした。 鍾氏は中国国営中央テレビの取材に対し、「武漢市と広東省で、ヒトからヒトへの感染が確認された」としており、武漢市の医療従事者のケースは、ヒトからヒトへの感染例とみられる。 広東省では、武漢市に行ったことがない人の感染が確認されていた。

ウイルスの発生源についても、鍾氏はアナグマなどの野生動物の可能性が高いと指摘。 武漢市では新型肺炎の発生当初、患者の多くが海鮮市場に出入りしていたことが明らかになっているが、市場では野生動物も多く扱っていたという。 新型肺炎の中国国内の患者は、武漢市のほか、北京や上海などでも確認が相次ぎ、20 日までに少なくとも 218 人となり、21 日朝には上海市で新たに 1 人の感染が明らかになった。 中国では 24 日からの春節(旧正月)に伴う大型連休で多くの人が移動するため、各地で感染者がさらに増える可能性が高い。 (北京 = 宮嶋加菜子、asahi = 1-21-20)


新型肺炎、台湾でも 武漢で働いていた女性の感染を確認

中国中部の湖北省武漢市で集団発生した新型コロナウイルスによる肺炎の問題で、台湾当局は 21 日、台湾で初めてとなる感染者を確認したと発表した。 発表によると、感染者は 50 代の台湾人女性で中国・武漢で働いていたという。 20 日に飛行機で台湾に戻った際、発熱やせきがあり、検査をしたところ、21 日に感染が確認されたという。 (北京 = 西本秀、asahi = 1-21-20)


中国・武漢の新型肺炎、韓国で初めて確認

中国で 3 人が死亡した「武漢肺炎」の患者が 20 日、韓国で初めて確認された。 民族大移動が起きる中国の春節(旧正月、1 月 24 日 - 30 日)の連休に先立ち、韓国を訪れた武漢市在住の中国人女性 (35) だった。 疾病管理本部によると、女性は 19 日昼に仁川空港から韓国に入国後、発熱の症状を示し、武漢肺炎の原因の新種コロナウイルス検査で 20 日午前に陽性判定を受けた。 女性は 18 日に寒気を感じたため、現地の病院で風邪と診断され、薬の処方を受けたが、韓国に入国後にコロナウイルスへの感染が明らかになった。

疾病管理本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は、同行者 5 人、同じ便(中国南方航空 CZ6079 便)の乗客も電話での状況確認などで発病していないか監視を行っていると説明した。 同本部は初の患者が確認されたことを受け、「人から人へと広がる可能性がある」と指摘した。 今回最初の患者と確認された中国人女性は集団肺炎が起きた武漢市の華南水産市場を訪れていないと話しているという。

武漢肺炎は北京、深センなど中国全域に広がっている。 中国保健当局は 20 日午後 10 時現在で 218 人の患者が確認されたと発表した。 北京市(5 人)、上海市(1 人)、広東省(14 人)でも患者が出た。 これまでに3人が死亡した。 上海市、山東省などでは疑い例が出ており、今後患者数は増える見込みだ。 中国当局は「広東省で確認された患者 2 人は武漢に行ったことはない。 人から人へと感染した。」と説明した。 呉明燉(オ・ミョンドン)ソウル大病院教授は「患者の隔離時点よりも中国側の発表が遅い。 中国が公表した患者数よりも実際の患者は多いと推定される。」と指摘した。

春節と韓国の旧正月連休(24 - 27 日)を控え、韓国で初の患者が確認されたことで、保健当局は慌ただしく対応している。 疾病管理本部は感染病危機警報のレベルを「関心」から「注意」に引き上げた。 昨年韓国と中国の間では航空路の 12 万便余りを通じ、延べ 1,800 万人以上が出入りした。 うち仁川空港と武漢空港を往来した旅行客は 17 万人だ。 済州道観光協会は今年の春節期間に昨年(2 万 3,000 人)を 35% 上回る 3 万 1,000 人の中国人が韓国を訪れると予想している。 (北京 = パク・スチャン特派員、韓国・朝鮮日報 = 1-21-20)


中国の新型肺炎、3 人目の死者 … 感染者は北京でも確認され計 201 人

【上海 = 南部さやか】 中国湖北省武漢市で多発する新型コロナウイルスによる肺炎で、武漢市政府は 20 日、新たに 1 人が死亡したと発表した。 性別や年齢は明らかにしていない。 死者は 3 人となった。 また、北京市や広東省深セン市でも感染者が確認され、中国国内での感染者は、当局の発表で計 201 人となった。 武漢市政府によると、18、19 日に新たに 136 人の感染が確認された。 25 - 89 歳の男性 66 人、女性 70 人で、武漢市での感染者は計 198 人(死者 3 人を含む)となった。 うち重症は 35 人で、9 人が危篤の状態だという。

また、北京市で 2 人、深セン市で男性 (66) 1 人の感染者がそれぞれ確認された。 この 3 人はいずれも武漢市を訪れたことがあり、病状は安定しているという。 中国国内で、武漢市以外で感染が確認されたのは初めてだ。 中国は春節(旧正月、今年は 25 日)を前に、24 日から大型連休に入る。 帰省などで移動する人が増えるため、中国政府は各地の当局に対し、検査態勢の強化や、感染が確認された場合に速やかに公表することを求めている。 (yomiuri = 1-20-20)


新型コロナウイルス、中国で新たに感染者 17 人 旧正月控え懸念高まる

【北京】 中国中部・武漢市で 19 日、重症急性呼吸器症候群 (SARS) ウイルスに似た新型コロナウイルスの感染者が新たに 17 人報告された。 うち 3 人は深刻な状態にあるという。 数億人もの人が国内各地を移動する春節(旧正月)を控え、懸念が高まっている。 武漢市当局によると、市内での新型コロナウイルス感染者はこれで 62 人になった。 うち 19 人が回復して退院した一方、8 人が重症、残りの患者は隔離病棟で治療を受けている。 また新型コロナウイルスにより、これまでに 2 人が死亡している。 (AFP = 1-19-20)

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