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ファイザー、日本で初のワクチン承認申請 安全性判断へ 米製薬大手ファイザーは 18 日、ドイツのバイオ企業ビオンテックと開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、製造販売の承認を厚生労働省に申請した。日本での新型コロナワクチンの申請は初めて。政府はファイザーから来年 6 月末までに、6 千万人分(1 億 2 千万回分)の供給を受けることで基本合意している。 ファイザーのワクチンは既に、英国や米国などで当局が使用を許可した。 英国では 8 日、感染すると重症化のリスクが高い高齢者や医療従事者への接種が始まった。 米国でも 14 日に開始された。 ファイザーは米国やブラジルなどで 4 万人余りに臨床試験(治験)をした結果、新型コロナの発症を防ぐ効果は 95% だったとしている。 重大な安全上の懸念は見つかっていないという。 日本でも 10 月から 160 人を対象に治験を実施している。 ただ、ファイザーのワクチンは英国や米国で接種後に深刻なアレルギー反応が起きたと報じられた。 今後、厚労省が有効性と安全性を確かめ、承認の可否を判断する。 政府はファイザーのほかに、英アストラゼネカから 6 千万人分、米モデルナから 2,500 万人分のワクチン供給を受ける契約を結んでいる。 (asahi = 12-18-20) モデルナのワクチンも米で使用許可へ 日本にも供給合意 米バイオ企業モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局 (FDA) の諮問委員会は 17 日、緊急時使用を許可する勧告を決めた。 近く FDA が緊急時使用を許可し、米国で接種が始まる見通し。 米国ではファイザーとビオンテックが開発したワクチンの接種が 14 日から始まっている。 諮問委員会は、モデルナのワクチンの接種について、20 対 0 (棄権 1)で、リスクよりも便益が上回ると結論づけた。 接種対象は 18 歳以上で、4 週間空けて2回接種する。 モデルナは日本政府とも来年 6 月までに 5 千万回分(2,500 万人分)のワクチンを供給することで合意している。 モデルナのワクチンは、ファイザーと同じくウイルスの遺伝情報を使った「RNA ワクチン」という新しいタイプ。 3 月から国立保健研究所 (NIH) と共同で治験を始め、米政府から 25 億ドル以上の支援を得てきた。 約 3 万人の最終治験では、新型コロナの発症を防ぐ効果が 94.1% あったとされた。 モデルナは接種前後でウイルスの有無を調べる PCR 検査もしており、感染を防ぐ効果も示唆されたという。 FDA は「安全性への懸念は見つかっていない」としている。 軽い副反応は広く見られ、接種箇所の痛み (91.6%)、倦怠感 (68.5%)、頭痛 (63%) などとなっている。 ファイザーのワクチンは零下 70 度で保存する必要があるが、モデルナのワクチンは零下 20 度で最長 6 カ月保存でき、通常の冷蔵庫でも 1 カ月ほど保存可能という。 米国政府は、ファイザーのワクチンと合わせ、年内に 4 千万回分のワクチンが確保できたとしている。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 12-18-20) 塩野義製薬、新型コロナのワクチン治験開始 国産 2 例目 塩野義製薬は 16 日、新型コロナウイルスの予防ワクチンの臨床試験(治験)を始めたと発表した。 国立感染症研究所などと開発を進める「遺伝子組み換えたんぱくワクチン」というタイプで、安全性と効果を確かめる。 国産ワクチンの治験は、創薬ベンチャーのアンジェス(大阪府茨木市)に次いで 2 例目。 対象は 200 人以上の健康な成人の日本人。 3 週間おきに 2 回接種する。 1 年間の追跡評価を行い、来年 2 月末からデータを取得する。 その経過をみて、より大規模な治験に入る。 塩野義は来年末までに、3 千万人分以上のワクチンを生産する態勢を整える方針だ。 塩野義のワクチンは、人間の免疫反応を引き出す「抗原」となるたんぱく質を増やしてつくる。 英国や米国で接種が始まった米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンとは異なる手法のものだ。 すでにインフルエンザ用などで実用化されており、新型コロナでも期待がかかっている。 (井東礁、asahi = 12-16-20) 島津、割安な PCR 検査装置を発売 中小医療機関向け 島津製作所が中小の病院やクリニック向けに新型コロナウイルスの PCR 検査が自動でできる装置を開発し、27 日に発売した。 税抜き 190 万円と先行する他社製品より割安で、規模の小さい施設でも導入しやすくしたという。 装置は幅 30 センチ、奥行き 65 センチ、高さ 66 センチ。 同社の試薬キットを使い、唾液(だえき)などの検体をセットすると、装置につないだパソコン画面に結果が表示される。 1 度に四つの検体を調べることができ、一つの検体だけなら約 90 分、4 検体同時でも、約 2 時間で感染の有無がわかる。 1 年間で 3 千台の販売を見込んでいるという。 (佐藤秀男、asahi = 11-27-20) ファイザーのコロナワクチン、来月にも許可か 米で申請 米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックは 20 日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、米食品医薬品局 (FDA) に、緊急時の使用許可 (EUA) を申請した。 米国で、新型コロナワクチンの EUA 申請は初めて。 早ければ 12 月中旬にも許可が出て、一部で接種が始まる可能性がある。 ファイザーは、4 万 3 千人以上が参加した最終の臨床試験(治験)で、ワクチンの有効性が 95% だったとしている。 副反応も倦怠感や頭痛などで、重大な安全性の懸念は報告されていないとしている。 今後は FDA が外部専門家を交えた諮問委員会の勧告を受けて、許可の判断をする。 ファイザーは年内に全世界で 5 千万回分(2,500 万人分)を生産できるとしている。 米バイオ企業モデルナも、別のワクチンで近く EUA を申請する予定だ。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 11-21-20) ◇ ◇ ◇ コロナワクチン「効果 9 割超」 米ファイザー許可申請へ 米製薬大手ファイザーは 9 日、ドイツのバイオ企業ビオンテックと開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて、「90% 以上の予防効果があった」とする最終の臨床試験(治験)の初期結果を発表した。 安全性の確認が終われば、月内にも米食品医薬品局 (FDA) に、緊急時使用の許可申請を出す。 年内にも米国の一部で接種が開始される可能性がある。 日本政府はファイザーから来年 6 月末までに 6 千万人分のワクチンの供給を受けることで基本合意している。 ファイザーによると、最終の第 3 相の治験には 4 万 3 千人あまりが参加。 ワクチン候補と偽薬を投与するグループ二つに分け、それぞれ 2 回接種し、効果と安全性を確かめている。 これまでのところ治験参加者で陽性が確認されたのは 94 人。 偽薬投与者が多いとみられる。 発表された「90% 以上の予防効果」は、当初予想された 60 - 70% を大幅に上回る。 FDA は少なくとも 50% 以上の効果があることが正式な薬事承認の条件としている。 ただ、治験は終了しておらず、結果は専門家の査読を受けた論文として発表されていない。 免疫効果がどれほど続くのかなど、詳細は不明だ。 ファイザーなどワクチンを開発する製薬会社がめざすのは「緊急時使用許可」だ。 最終の治験が終わる前でも、効果や安全性が確認できれば医師の判断で接種できるようになる。 FDA の指針では、申請する際には、少なくとも治験参加者の半数を第 2 回接種後、2 カ月間追跡し、安全性を確認するデータを集める必要がある。 ファイザーによると、現時点で重大な安全性の問題は見つかっておらず、2 カ月の目安が過ぎる 11 月第 3 週を待って、使用許可申請を出すという。 治験は、少なくとも 164 人のウイルス陽性者が確認されるまで続ける。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 11-9-20) 新型コロナワクチン開発で相次ぐ朗報 - 供給・保管面などに課題
新型コロナウイルスのワクチン開発は、ファイザーとモデルナがそれぞれ進める治験の最終段階で朗報が続いた。 両治験で高い予防効果が示されたのを受け、アストラゼネカなど他のワクチン開発企業には高いハードルが設定された格好だ。 ファイザーとモデルナのワクチンについて、これまでに分かっていることを以下にまとめた。 暫定結果 : モデルナは 16 日、大規模な第 3 相臨床試験で 94.5% の確率で効果を示したとの暫定分析結果を発表。 ファイザーが独ビオンテックと開発しているワクチン候補は先週、90% を超える確率で感染を防いだとの暫定結果を示した。 モデルナのデータによると、副作用は全般的に短期間で、安全性に関する重大な懸念はなく、ワクチンを接種した被験者に重症患者は出なかった。 共通点 : どちらのワクチンもメッセンジャー RNA (mRNA) という技術に基づいている。 これまで世界で承認された mRNA ワクチンはない。 相違点 : モデルナは米政府の「ワープ・スピード作戦」から 9 億 5,500 万ドル(約 998 億円)の支援を受けている。 ファイザーはワクチン開発で連邦政府の資金援助は受けていないとしているが、ビオンテックがドイツ政府から 3 億 7,500 万ユーロ(約 465 億円)の支援を得ている。 ファイザーは米政府との間で約 20 億ドル相当の供給契約を締結。 米政府はモデルナにワクチン購入で最大 15 億 3,000 万ドル支払うことで合意している。 保管方法 : ワクチンが承認された後も、世界中での接種を実現するためには保管面などで多くの課題がある。 ファイザーのワクチンは使用の数日前まで超低温で保存される必要があり、通常の冷蔵庫では 5 日間の保管が可能。 モデルナは、通常の冷蔵庫の温度で 30 日間安定していることを新たなデータが示したと発表した。 従来データでは 7 日間とされていた。 30 日を超える保管には冷凍庫が必要だが、ファイザーのワクチンのような特別の設備は必要ないという。 当初の供給量 : ワクチンの世界的な需要は、当初は供給を大幅に上回ると予想される。 モデルナは米国に 1 億回分、欧州連合 (EU) に 8,000 万回分を供給することで合意している。 ファイザーとビオンテックも数億回分の供給契約を締結している。 緊急使用許可 : モデルナとファイザーはともに、さらなる試験でワクチンの安全性が証明されれば、米食品医薬品局 (FDA) に緊急使用許可 (EUA) を申請する見込み。 モデルナは数週間内に申請する可能性があるとした。 ファイザーは、安全性に関する 2 カ月間の追加データが 11 月第 3 週に示される見通し。 全て順調に進めば、緊急使用許可を今月中に申請する可能性がある。 残る大きな課題 : 数億人規模の接種には、幾つもの課題を乗り越える必要がある。 ワクチンによる免疫がどの程度続くのか、接種を拒否する人がどれほどいるのかはまだ不明だ。 ワクチンに対する疑念の高まりが普及を妨げるかもしれないと指摘する声もある。 生産と供給をどう拡大させていくかも課題だ。 (James Paton、Bloomberg = 11-17-20) 意識失い嘔吐、記憶あいまい 新型コロナ、脳まで侵入か 新型コロナウイルスは脳にも感染し、「深刻な脳障害を起こす恐れがある」という報告が相次ぐ。 髄膜炎や脳炎、意識障害のほか、記憶障害が出る人もおり、後遺症が心配される。 脳の中で何が起きているのか。 3 月、山梨県に住む 20 代の男性が新型コロナに感染した。 意識を失ったままけいれんし、嘔吐したまま床に横たわっていたところを家族が発見。 救急車で山梨大病院に運ばれた。 脳を覆う脳脊髄液を PCR 検査で調べると、新型コロナ陽性だった。 頭蓋骨(ずがいこつ)と脳の間の髄膜が炎症を起こす髄膜炎とみられ、脳の MRI では記憶領域にあたる海馬に炎症があった。 退院後は日常生活に問題はないものの、直近 1、2 年間の記憶があいまいになったという。 新型コロナへの感染が関係していると疑われているが、明確な原因はわかっていない。 英国では、発熱や頭痛を訴えた後に意識障害を起こした 59 歳の女性が、入院後に新型コロナに感染していることがわかった。 MRI で脳の腫れや出血が確認され、急性壊死性脳症と診断された。 集中治療を受けたが、入院 10 日目に死亡したと報告されている。 ドイツのチームは 7 月、新型コロナの神経症状について、92 本の論文や報告を分析した。 感染者の 20% に頭痛、7% にめまい、5% に意識障害があった。 髄膜炎や脳炎、手足がまひするギラン・バレー症候群も数例ながら報告された。 7 月に英国のチームが発表した論文でも、新型コロナに感染、あるいは感染の疑いのある 43 人のうち、10 人にせん妄などの脳機能障害、12 人に脳炎、8 人に脳卒中の症状があった。 感染していないのにコロナに免疫? 無症状が多いわけは 新型コロナウイルスはどのようなメカニズムで、脳に影響を与えるのか。 専門家は、ウイルスが嗅神経や血管を通って脳の細胞に直接感染する場合と、脳以外の臓器への感染が引き金になる 2 パターンが考えられると指摘する。 前者の場合、脳内で増えたウイルスが炎症を起こし、脳の中枢神経を傷つける。 後者の場合、ほかの臓器への感染により「サイトカインストーム」と呼ばれる免疫の暴走が起き、全身に炎症が起き、脳の中枢神経にも影響を与える。 脳炎に詳しい上尾中央総合病院の亀井聡・神経感染症センター長は、新型コロナによる脳の障害は「直接感染ではなく、サイトカインの方が説明が通る」と話す。 脳脊髄液の PCR 検査で陰性例が多いことや、髄液中のサイトカイン増加が報告されているからだ。 コロナ感染、4 カ月後でも後遺症 息苦しさや嗅覚障害 一方で、直接感染をうかがわせる研究もある。 米エール大学の岩崎明子教授らのチームは 9 月、ヒトの iPS 細胞に由来する神経細胞でできた脳のミニ組織を使い、ウイルスが神経細胞に感染することを明らかにしたと論文で発表した。 さらに、ウイルスが感染した細胞内で増え、周囲の細胞から酸素を奪うことで、周囲の細胞を死滅させていることも明らかにした。 国内でも、慶応大の岡野栄之教授らが、iPS 細胞から神経細胞をつくって新型コロナの研究をしている。 岡野さんは「iPS 細胞を使うことで、新型コロナが神経にどう感染するかについて、体外で実験することができる」と話す。 田口文広・元国立感染症研究所室長は「現時点では脳への影響のメカニズムを明らかにするのは難しい」と話す。 脳への影響が分かるころには、すでにウイルスが全身に回っており、感染経路が特定できない場合が多いからだ。 「ただ、どんなメカニズムだとしても脳への影響は起こりうる。 できるだけ感染しないよう予防策を取ることが大事だ」と話す。 (市野塊、asahi = 11-14-20) 変異型は武漢型より感染力「強い」 東大医科研など研究 現在、世界中で流行している新型コロナウイルスの変異タイプは、中国・武漢市で最初に確認されたタイプよりも感染力が強いことがハムスターを使った実験でわかった。 東京大学医科学研究所の河岡義裕教授と米ノースカロライナ大のラルフ・バリック教授などのチームが 13 日、米科学誌サイエンスで発表した。 新型コロナウイルスは昨年 12 月、武漢市でヒトへの感染が初めて報告され、その後、全世界へ広がった。 その間、ウイルス表面の「スパイクたんぱく質」に変異が起きた「D614G」というタイプが、もとのタイプを上回る勢いで感染拡大した。 日本でも 3 月以降、現在までこの変異タイプによる感染が続いている。 これまで、この変化がウイルスの性質にどんな影響を与えているのか十分わかっていなかった。 チームは、実験室でウイルスを人工合成する技術で、もとのタイプと変異タイプのウイルスをつくった。 新型コロナに感染するとヒトと同じように肺炎を起こすハムスターを使って、感染しやすさを確かめた。 コロナに感染させたハムスターと、感染していないハムスターをペアにして、接触しないよう 5 センチだけケージの間隔を空けて飼育した。 もとのタイプのウイルスを使う場合と、変異タイプを使う場合で、それぞれ 8 ペア用意し、約 1 週間観察した。 変異タイプを使ったペアは、2 日後に 8 ペア中 5 ペアで、感染していなかった方のハムスターの鼻から新型コロナがみつかった。 もとのタイプのペアより 2 2日早かった。 さらに、ハムスターを両方のタイプのウイルスに同時にさらして感染を競わせる実験をしたところ、最終的には、変異タイプの方がもとのタイプよりも、ハムスターの体内でよく増えた。 河岡さんは「動物実験なので、ヒトへの感染でどこまで同じことが起きるかはわからない」とした上で、「たった一つの変異によって、感染しやすいようにウイルスの性質が変わることが確かめられた」と話す。 変異でスパイクたんぱく質の構造が少し変わり、感染しやすさを高めている可能性があるという。 もとのタイプのウイルス感染を防げる「中和抗体」が、変異タイプに効果があることも確かめた。 開発中のワクチンが、世界中で主流になった変異タイプに効くかどうか懸念されている。 河岡さんは「変異タイプのウイルスに対しても、もとのタイプに対してと同様のワクチンの効果が期待できる」と話した。 論文は ウェブサイト で読める。 (野口憲太、asahi = 11-13-20) ブラジルがワクチン治験中断 中国は死亡と関連否定 ブラジル政府が中国企業のワクチンの治験者が死亡した後に治験を中断したことについて、中国政府はワクチンと死亡とは関係がないとの認識を示しました。
ブラジル政府は中国のシノバックが開発する新型コロナウイルスのワクチンの治験を「深刻な影響」があったとして中断しました。 中国外務省は治験者の死亡とワクチンとの関連を否定したうえで「ブラジル側と意思疎通を保つ」と述べました。 中国ワクチンの治験を続けるブラジルでは、ボルソナロ大統領がワクチンを購入しない意向を示して中国側が反発するなど軋轢が続いています。 (テレ朝 = 11-11-20) 突然変異した新型コロナ、ミンクから人に感染 殺処分へ デンマークのフレデリクセン首相は 4 日、突然変異した新型コロナウイルスがミンクから人に感染したことを受けて、同国内で飼育されている最大 1,700 万匹のミンクを殺処分すると発表した。 同国は世界有数のミンクの毛皮の生産地として知られる。 ロイター通信などによると、突然変異したウイルス株は 5 カ所のミンク農場で見つかり、ミンクから感染したとみられる 12 人からも検出された。 保健当局は、変異株は抗体への反応が弱い、と説明しているという。 フレデリクセン首相は会見で「変異したウイルスのせいで、将来のワクチンが期待通りに効かなくなるリスクがある。 断固たる行動が必要だ。全てのミンクを殺処分する必要がある」と述べた。 同国内には 1,500 万 - 1,700 万匹のミンクが飼育されているという。毛皮は主に中国に輸出されている。 ミンクはオランダやスペインでも、新型コロナの感染確認後に殺処分された。 (ロンドン = 下司佳代子、asahi = 11-5-20) PCR 検査よりも感度高い、新型コロナを 5 分で識別する計測器 アドバンテストの微粒子計測器「nanoSCOUTER (ナノ・スカウター)」が、新型コロナウイルスの短時間での識別に有効であることが確認された。 大阪大学産業科学研究所の谷口正輝教授の研究成果によると、同計測器とベンチャー企業アイポア(東京都渋谷区)が開発した人工知能 (AI) 粒子識別システムを活用すれば、計測時間 5 分で同ウイルスを識別できる。 感度は 95% で、PCR 検査よりも高いという。 同計測器は、プレート状のセンサーと微小電流計測技術を組み合わせた。 センサーに微細な穴が開いていて、ウイルスが通ると電気信号が発生。 ウイルスの大きさや形に応じて電気信号が変化し、その信号を AI で識別する。 アドバンテストは、同研究所に 2 台の微粒子計測器を寄贈している。 (NewSwitch = 11-4-20) コロナ、相当数に「深刻な後遺症」 心臓や肺に損傷 - WHO 【ベルリン】 世界保健機関 (WHO) のテドロス事務局長は 30 日の記者会見で、新型コロナウイルスは「相当数の人に、深刻な後遺症を残す」と警告した。 ここ数カ月のうちに、子供を含めて年齢や性別を問わず、後遺症の報告を受けているという。 テドロス氏は「懸念が大きいのは、症状の幅広さだ」と指摘。 時間の経過で症状は変動し、体内のあらゆる器官に影響を及ぼし得るという。 具体的な例として「疲労感をはじめせき、息切れ、肺や心臓を含む主要臓器の炎症と損傷、神経系や心理面での影響」を挙げた。 まだ正確な数は把握できていないものの、入院患者・非入院患者の双方で症状が残る例が報告されているという。 (jiji = 10-31-20) ◇ ◇ ◇ コロナ感染、4 カ月後でも後遺症 息苦しさや嗅覚障害 新型コロナウイルスによる感染症になった後、約 2 割の人に髪の毛が抜けるなど脱毛の症状が確認され、4 カ月たっても約 1 割の人に息苦しさや嗅覚障害が残った。 こんな研究結果を国立国際医療研究センター(東京都新宿区)がまとめた。 新型コロナの後遺症の種類や、症状が続く期間について、継続して調べた報告は世界でも珍しいという。 同センター病院に新型コロナウイルスで入院し、2 - 6 月に退院した 63 人を対象に、医師らが電話で聞き取るなどして後遺症の有無を調べた。 平均年齢は 48 歳。 入院中に約 3 割の人が酸素投与、8% の人が人工呼吸器による治療を受けていた。聞き取り調査では、発症から 60 日後の時点で、▽ 嗅覚障害が 12 人(約 19%)、▽ 息苦しさが 11 人(約 18%)、▽ 体のだるさが 10 人(約 16%)、▽ 味覚障害が 3 人(約 5%)に確認された。 120 日後の時点でも、▽ 息苦しさが 7 人(約 11%)、▽ 嗅覚障害が 6 人(約 10%)に残るなどしていた。 さらに約 2 割にあたる 14 人(男性 9 人、女性 5 人)は、発症から平均して 2 カ月ほど後に脱毛の症状が出た。 5 人はその後改善したものの、残りの 9 人は調査時点では治っていなかったという。 調査を担当した、同センターの森岡慎一郎医師は「これほど長く症状が続くことに驚いた」と話す。 今後も追加の調査をして、後遺症と年齢、持病などとの関係も調べるという。 論文は海外の医学誌に掲載された。 ウェブサイト で読める。 (野口憲太、asahi = 10-27-20) アストラの治験で死亡した被験者、実際のワクチン接種せず - 関係者
英アストラゼネカとオックスフォード大学が開発中の新型コロナウイルス感染症 (COVID19) ワクチン候補のブラジルでの治験中に死亡した被験者 1 人は、実際のワクチンの接種を受けていなかった。 事情に詳しい関係者 1 人が明らかにした。 情報の非公開を理由に匿名で語った。 ブラジル国家衛生監督局 (ANVISA) は、被験者の死亡について 19 日に報告を受け、同治験の安全性を評価する国際委員会の部分的な報告も受け取ったことを明らかした。 同委は治験の継続を提言したという。 アストラゼネカは守秘義務と臨床試験規則のため、個別のケースについてはコメントできないとした。 オックスフォード大の広報担当スティーブン・ラウズ氏は発表資料で、独立した立場による慎重なレビューの結果、同大学としては同ワクチンの安全性について懸念していないとし、ブラジル当局が試験継続を勧告したとコメントした。 アストラゼネカの米国預託証券 (ADR) は 21 日に一時 3.3% 下落したが、その後は下げ幅を縮小した。 アストラゼネカの治験は、英国の被験者 1 人に症状が現れたため 9 月に全世界で中断された。 その後、英国とブラジル、南アフリカ、インドでは再開されている。 (Walter Brandimarte、Timothy Annett、Bloomberg = 10-22-20) ◇ ◇ ◇ 新型コロナのワクチン ブラジルで臨床試験の参加者が死亡 ブラジル政府は 21 日、製薬大手のアストラゼネカなどが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で、参加していたボランティアの 1 人が今月死亡したと発表しました。 政府は臨床試験との因果関係を示していませんが、アストラゼネカは「試験の継続が懸念される状況ではない」としていて、政府も試験の継続を認める考えを示しています。 ブラジルの保健規制局は 21 日、イギリスの製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で、参加していたボランティアの 1 人が今月死亡したと発表しました。 地元メディアなどによりますと、亡くなったのはリオデジャネイロの 28 歳の医師で、ことし 7 月から被験者として参加していましたが、先月新型コロナウイルスに感染し、今月亡くなったということです。 ブラジル当局はボランティアの死亡と臨床試験との因果関係について明らかにしていませんが、アストラゼネカは NHK の取材に対し、個別のケースにはコメントしないとしたうえで、「医療上の問題が起きた場合、規制当局などが評価を行うが、試験の継続が懸念される状況には至っていない」としています。 また、オックスフォード大学も臨床試験の安全性に問題はないとしているほか、ブラジル政府も試験の継続を認める考えを示しています。 ブラジルではことし 6 月から臨床試験に参加するボランティアを募集し、アストラゼネカなどの試験には 5 千人以上が参加したということです。 (NHK = 10-22-20) 新型コロナ「意図的に感染」、初の臨床試験へ … ワクチンの効果確認 【ロンドン = 広瀬誠】 英大学インペリアル・カレッジ・ロンドンと英政府は 20 日、新型コロナウイルスのワクチン開発のため、被験者にウイルスを意図的に投与する臨床試験を来年 1 月から始めると発表した。 英政府は 3,360 万ポンド(約 46 億円)を助成する。 英政府によると、被験者にウイルスを意図的に投与する手法はマラリアなどを対象に実施されてきたが、新型コロナの臨床試験では世界初という。 試験は医療当局の許可が出れば実施される。 重症化のリスクが低いとされる 18 - 30 歳にウイルスを徐々に投与し、感染に至るウイルスの最少量を調べる。 ワクチンを接種した被験者にもウイルスを投与して効果を確かめる。 体調管理には細心の注意を払うとしている。 谷口清州(きよす)・国立病院機構三重病院臨床研究部長は「健康な人をウイルスに感染させるような、リスクを伴う臨床試験は 30 - 40 年前にはあったが、最近は全く聞かない」と話した。 (yomiuri = 10-21-20) 米・モデルナ社 ワクチンの緊急使用許可 12 月にも アメリカの医薬大手「モデルナ」社は新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用許可を 12 月にも得られるという見通しを示しました。 モデルナのバンセル CEO (最高経営責任者)はウォール・ストリート・ジャーナルの取材で、新型コロナウイルスのワクチン開発について来月中に治験で良い結果が得られれば、12 月にもアメリカ食品医薬品局から緊急使用許可が下りるだろうという見通しを示しました。 アメリカではファイザー社が来月後半の緊急使用許可を目指していて、激しいワクチン開発競争が続いています。 一方、ブラジルの保健省は 20 日、中国の製薬会社「シノバック」などが開発を進める新型コロナウイルスのワクチンを年末までに 4,600 万回分を購入する方針を発表しました。 当局の承認を経て来年 1 月には投与を始める見通しです。 中国製のワクチンを巡っては提供に対して見返りを求める、いわゆるワクチン外交の懸念も指摘されています。 (テレ朝 = 10-21-20) 息で新型コロナを判定 東北大と島津製作所が実用化へ 東北大学と島津製作所は 16 日、息で新型コロナウイルスの感染の有無や重症化リスクを判定できる手法を開発したと発表した。 患者と接触せずに検体を採取でき、1 時間以内の診断も可能だという。 自宅で息を集めることも想定しており、早期の実用化を目指す。 この手法は、息に含まれるウイルス由来の成分を抽出し、島津の分析装置にかけて詳しく調べるというもの。 息を集めるのに 5 分ほどかかるが、患者への負担が少なく、合併症の予測につながる情報も得られるという。 成分を抽出する工程は自動化しており、医療関係者の感染リスクも防ぐ。 息には、患者の健康状態を示すさまざまな情報が含まれているという。 今回のシステムを応用し、生活習慣病やがんの診断に生かすことも目指す。 東北大は「自宅で利用できるようになれば、無症状の感染者や軽傷者の早期特定も可能になる。 複数のウイルスも同時に測定できるので、コロナの収束後も感染症対策に役立つ」とする。 新型コロナの検査方法は、綿棒でのどや鼻の奥をぬぐって検体を採る手法が一般的だ。 島津では医療関係者への感染リスクを抑えるため、つばから感染の有無を調べる方法を実用化している。 (西尾邦明、asahi = 10-16-20) レムデシビル「死亡率の改善効果ほぼなし」 WHO が発表 新型コロナウイルスの治療薬として日本で特例承認され、米トランプ大統領も使っていた抗ウイルス薬の「レムデシビル」について、世界保健機関 (WHO) は 15 日、「死亡率を改善する効果はほとんどない」という暫定結果を発表した。 WHO は、既存薬が新型コロナに効くかどうかを試す「連帯治験」という国際協力の枠組みを使って調べた。 30 カ国の 405 の病院で計 1 万 1,266 人の成人が無作為に選ばれ、薬を使う人と、使わない人の死亡率の違いを見た。 その結果、レムデシビルについては死亡率改善や入院期間短縮に、「ほとんど効果がない」とした。 レムデシビルはエボラ出血熱の治療薬を目指して開発され、日本では 5 月にコロナ初の治療薬として「特例」として認められた。 WHO はこのほか、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」とエイズ治療に使われる「ロピナビル」と「リトナビル」、抗ウイルス薬の「インターフェロン」についても、ほとんど効果が無いか、全く効果がないとした。 ただし、この結果は暫定的なもので、査読を受けて論文として発表される前のものだ。 NIH は違う見解 一方で、レムデシビルについては今月 8 日、米国立保健研究所 (NIH) などの研究グループが 10 カ国での試験にもとづき、患者の回復期間が短くなるという論文を、世界でもっとも権威ある医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン (NEJM) に発表した。 新型コロナにより入院した計 1,062 人に、レムデシビルと偽薬を使って効果を比較した。 レムデシビルを使った患者がある程度回復するまでにかかった期間は、中央値で 10 日であり、偽薬の患者よりも 5 日短かった。 研究グループは「患者の回復期間を短縮する点で優れていることを示せた」と結論づけた。 ヒドロキシクロロキンについては、WHO と同様、米コロンビア大などの研究グループが、死亡率を改善する効果はないとする論文を 8 日の NEJM に掲載した。 この薬をめぐっては、米食品医薬品局 (FDA) が「使った患者の一部に心拍の異常がみられる」などとして、3 月に出していた緊急使用許可を、6 月に撤回した。 しかしその後もトランプ大統領は「有効だ」と主張し薬を飲んでいることを公言するなど、波紋を呼んでいた。 (ウィーン = 松井健、戸田政考、asahi = 10-16-20) トランプ氏絶賛の新型コロナ治療薬 治験を中断 アメリカのトランプ大統領が緊急使用を認める見通しだった新型コロナウイルスの治療薬について、製薬会社が臨床試験の被験者の登録を中断しました。 アメリカの製薬大手「イーライリリー」は 13 日、新型コロナウイルスの抗体薬の臨床試験で被験者の登録を一時的に停止すると発表しました。 理由は明らかにしていませんが、アメリカのメディアは「安全面での懸念」だと報じています。 この薬は抗ウイルス薬「レムデシビル」と併せて使用することで今月、アメリカ食品医薬品局に緊急使用の許可申請がされていました。 新型コロナウイルスに感染したトランプ大統領は、回復後のビデオメッセージでイーライリリー社の名前を挙げ、治療薬を絶賛していました。 (テレ朝 = 10-14-20) ワクチン治験、J & J が中断 「説明つかない病気出た」 新型コロナウイルスのワクチン開発について、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン (J & J) が最終段階に入っていた臨床試験(治験)を一時中断したことが 12 日、明らかになった。 米医療メディア STAT が報じた。 J & J は「説明のつかない病気が参加者に出たため、全ての治験で参加者への接種を一時中断した」との声明を発表した。 同社は、9 月末に米国などで最大 6 万人を対象とした最終治験を始めた。 参加者を登録するオンラインシステムは閉じられ、データと安全性を監督する独立委員会が検証しているという。 J & J は「説明できない病気」の詳細を公表していない。 ワクチンの治験が一時中断することは珍しくない。 9 月初めには、英アストラゼネカが開発するワクチンでも英国の参加者に神経系の症状が出て中断したが、1 週間ほどで再開した。 一方、米国ではアストラゼネカのワクチンの治験はまだ止まったままだ。 J & J のワクチンは、米国内で最終治験段階にある 4 つのワクチン候補の一つ。 多くのワクチンが免疫効果を得るために 2 回の接種が必要だが、J & J のワクチン候補は 1 回の接種で効く可能性がある。 2021 年中に世界で 10 億回分を供給する目標を掲げている。 日本でも 9 月に初期段階の治験が始まっている。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 10-13-20) 新型コロナウイルス、紙幣表面に「28 日超残存」豪機関 ガラスの表面などに付いた新型コロナウイルスは 28 日以上残存する可能性がある、とオーストラリア政府系の研究機関が 12 日発表した。世界保健機関 (WHO) の「最長 72 時間残存する」との見解より大幅に長い結果で、「まめな手洗いと表面の拭き取りが大切だ」としている。 豪連邦科学産業研究機構 (CSIRO) がガラスやビニール、ステンレススチール、紙幣、木綿の布の上に新型コロナウイルスを含んだ人工の粘液を載せ、湿度 50%、紫外線の影響がない暗室で調べた。 携帯電話の液晶画面や現金自動出入機 (ATM) など身近なものに使われる素材を選んだ。 その結果、気温 20 度なら、木綿以外の表面には、いずれも 28 日後でもウイルスは残っていた。 木綿では 14 日目までになくなった。 気温が高くなると、残存期間は短くなった。 30 度の場合、紙幣では 21 日間残存するウイルスがわずかにあったが、ガラスやスチールは 7 日間、木綿やビニールは 3 日間だった。 40 度になると、木綿の場合は 16 時間未満、ガラス、スチール、紙幣は 24 時間、ビニールは 48 時間となった。 研究では一方で、主な感染経路は、せきや会話などで飛び散る唾液や、空気中のウイルスを含む微粒子(エアロゾル)を吸い込むことだと触れている。 WHO は「これまでの研究によると、ウイルスの残存期間はステンレススチールやプラスチックの表面についたウイルスは最長 72 時間、段ボール紙なら 24 時間未満」とし、「家庭用の消毒剤で簡単に表面を拭き取れる」と、まめな拭き取りを呼びかけている。 (シドニー = 小暮哲夫、asahi = 10-12-20) 中国、コロナワクチン共同購入に参加 協調姿勢を示す 中国政府は 8 日、新型コロナウイルスのワクチンを国際的に共同購入する枠組みに参加し、9 日に発表した。 これまで参加するかどうかの姿勢をはっきりさせていなかった。 ワクチンの分配で国際協調の姿勢を示す狙いがあるとみられる。 また、独自の調達をめざして不参加を表明した米国との違いを示す狙いもあるとみられる。 中国外務省の華春瑩報道局長は 9 日、「行動によってワクチンの公平な分配を促し、途上国へのワクチン提供を確実に保証することが参加の目的だ」とのコメントを発表した。 共同購入は、世界保健機関 (WHO) などが主導する「COVAX ファシリティー」と呼ばれる仕組み。 開発中の複数のワクチン候補に投資し、実用化に成功すれば参加国の間で公平に分配する。 資金力のある先進国によるワクチン買い占めを防ぎ、途上国にも行き渡らせる狙いがある。 先月 18 日が参加の締め切りで、日本や欧州連合 (EU) 諸国を含む計 156 カ国・地域が参加を決めていた。 (北京 = 高田正幸、asahi = 10-9-20) ◇ ◇ ◇ コロナワクチンの共同購入、156 カ国参加 公平に分配 世界保健機関 (WHO) などは 21 日、新型コロナウイルスのワクチンを国際的に共同購入する枠組みに、日本や欧州連合 (EU) 諸国を含む計 156 カ国・地域が参加を正式に決めたと発表した。 世界人口の 64% にあたるといい、さらに 38 カ国が近く参加することを期待しているという。 ただし、米国やロシア、中国は参加していない。 WHO のテドロス・アダノム事務局長は記者会見で「この枠組みはパンデミックを制御し、命を救い、経済回復を加速するのに役立つ」と話した。 共同購入の枠組みは「COVAX ファシリティー」という名称で、WHO やワクチン普及に取り組む国際機関「Gavi ワクチンアライアンス」などが参加を呼びかけていた。 開発中の複数のワクチン候補に投資し、実用化に成功すれば参加国の間で公平に分配して、医療従事者などから接種を進める仕組み。 2021 年末までに 20 億回分のワクチンを確保する目標を立てている。 この枠組みには、資金力のある先進国が自国向けにワクチンを買い占め、多くの国が手に入らなくなる事態を避ける狙いがある。 先進国にとっても、多数のワクチン候補の中から成功したワクチンを確保できるメリットがあるとされる。 ただ、多くの先進国はこの枠組み以外にも製薬企業と交渉し、独自の調達を進めている。 18 日が正式参加の締め切りだった。 今後、参加国のうち 64 の高所得国はワクチン開発などに使うための資金を 10 月 9 日までに前払いする。 残りの 92 の低所得国は、援助国・機関からの拠出金でワクチン調達の支援を受ける。 出資国は人口の2割分のワクチンを確保できる。 日本は 172 億円を拠出し、約 2,500 万人分のワクチンを購入する権利を得られるとしている。 WHO によると、21 日現在で開発中の新型コロナのワクチン候補は 187 あり、うち 38 が治験段階にある。 (ウィーン = 松井健、asahi = 9-22-20) |