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コロナの増殖抑える物質を発見「治療薬の有望な候補」 国立国際医療研究センターなどのチームが、新型コロナウイルスの増殖を妨げる二つの化合物(小分子化合物)を見つけたと発表した。 試験管の実験では毒性も少なく、既存の薬をあわせて使うことでより高い効果が示されたという。 チームは同じコロナウイルスである SARS (重症急性呼吸器症候群)の原因ウイルスに対し、たんぱく質を分解する酵素「プロテアーゼ」のはたらきを阻害する化合物の有効性が示されていたことに着目。 同じようなはたらきをする化合物を人工的に約 400 種類つくった。 新型コロナウイルスに感染させた細胞に注入し、ウイルスの増え方を調べた。 その結果、二つについてウイルスの増殖を抑える高い効果がみられ、「GRL1720」、「GRL2420 (5h)」と名付けた。 2420 は新型コロナの治療薬として使われているレムデシビルとあわせて使うことで、ウイルスの増殖が使用前に比べて 1 億分の 1 まで減るなど、ほぼ完全に抑えることができたという。 同センター研究所の満屋裕明所長は「新型コロナの根本的な治療薬がまだない中で、有望な候補物質が見つかった」と話す。 今後、新薬開発を目指し、動物実験などの研究を進めていくとしている。 英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに 28 日、論文が掲載される。 論文は同誌 で読める。 (松浦祐子、asahi = 1-28-21) 中国コロナワクチン、2 カ月で変異種に対応可能 = 国内専門家 [北京] 中国疾病対策予防センター (中国 CDC) の専門家は、シノバック・バイオテック(科興控股生物技術)などが開発する新型コロナウイルスワクチンについて、約 2 カ月間でウイルスの変異種にも対応できるという見方を示した。 中国共産党系メディアの環球時報が 26 日伝えた。 変異種に対するコロナワクチンの有効性を巡って、米モデルナが 25 日、南アフリカ種では効果が弱まる可能性があるとし、変異種に合わせた新たなワクチン・ブースターの試験を実施すると発表している。 シノバックや中国医薬集団(シノファーム)が開発するコロナワクチンは「不活化ワクチン」の一種で、死んだウイルスを原材料として作られる。 中国 CDC の邵一鳴氏は、英国種や南ア種に対する中国ワクチンの中和効果は弱まるもようとした上で、米ファイザーやモデルナが開発したメッセンジャー RNA (mRNA) 技術に基づくワクチンと比べて、変異種の対応に時間がかかる可能性があると述べた。 (reuters = 1-27-21) ◇ ◇ ◇ 中国の新型コロナウイルスワクチン、分かっていることは? 世界各地で新型コロナウイルスのワクチン開発が進む中、中国は大きな前進を遂げているようだ。 科興控股生物技術(シノヴァク・バイオテック)と中国医薬集団(シノファーム)によって計 2 種のワクチンが作られ、すでに国外でも使われている。 それぞれどんなワクチンなのか、他のワクチンとどう違うのか、検証した。 シノヴァクのワクチンの仕組み 北京に拠点を置くシノヴァクは、不活化ワクチンの「コロナヴァク」を開発した。 これは死んだウイルスの一部を使って体の免疫系を刺激するもので、接種しても深刻な症状が現れることはまずない。 一方、米ファイザーと独ビオンテックや、米モデルナが開発したワクチンはメッセンジャー RNA ワクチンと呼ばれている。 これは新型ウイルスの遺伝コードの一部を体内に取り込み、ウイルスのスパイクたんぱく質を生成することで免疫系を訓練する。 シンガポール・南洋理工大学のルオ・ダハイ准教授は BBC の取材で、「コロナヴァクは狂犬病ワクチンなど、よく知られたワクチンで使われ成功している、伝統的な手法を使っている」と説明した。 一方、「メッセンジャー RNA ワクチンは新しいタイプで、大規模な使用での成功例はまだない」という。 報告書によると、シノヴァクのワクチンの主な利点は、摂氏 2 - 8 度という通常の冷蔵庫の温度で保管できることだ。 英オックスフォードとアストラゼネカが開発したワクチンも同様で、こちらはチンパンジーがかかる風邪ウイルスを遺伝子操作している。 これに対しファイザー製はマイナス 70 度、モデルナ製はマイナス 20 度で保管する必要がある。 つまり、シノヴァクやオックスフォードのワクチンは、超低温環境で大量のワクチンを保管するのが難しい発展途上国などでより有効だ。 有効性は? 現時点でははっきりとしたことを言うのは難しい。 医学誌「ランセット」に掲載されたのは、中国で行われたコロナヴァクの臨床試験(治験)第 1 相と第 2相の結果だけだ。 この論文の共著者、朱風才氏は、第 1 相には 144 人、第 2 相には 600 人が参加し、このワクチンは「緊急時の利用に適している」と述べている。 コロナヴァクは現在、複数の国で臨床試験の第 3 相を行っている。 この治験の中間データによると、トルコでは 91.25%、インドネシアでは 65.3% の有効性が示されたという。 ブラジルでは当初、臨床試験で 78% の有効性が示されたとされていたが、今年に入って 50.4% に下方修正された。 ブラジルでは昨年 11 月、治験参加者が死亡したことで一時、治験が停止されたが、後にこの死亡とワクチンに関連がないことがわかり、再開された経緯がある。 シノヴァクのワクチンは昨年 7 月に中国で緊急使用の承認を取得し、感染リスクの高いグループへの接種が進んでいる。 9 月には、同社が 1,000 人以上の臨床試験を行い、「5% 未満の人が(中略)軽度の倦怠感を訴えただけだった」と発表した。 ルオ准教授は第 3 相が始まる前、「限られた情報しかないため」このワクチンの有効性についてコメントするのは難しいと語っていた。 「先行データに基づけば(中略)コロナヴァクは有効なワクチンのようだが、第 3 相の結果を待つ必要がある。」 「第 3 相は任意抽出で、研究者のバイアスを防ぐ二重盲検法で、プラセボ(偽薬)も使い、何千人も対象とする。 この方法でしか大規模な接種を行った場合のワクチンの安全性と有効性は証明できない。」 シノファームのワクチンは? 中国国営のシノファームは 2 種類の COVID-19 ワクチンを開発しているが、どちらもシノヴァクの「コロナヴァク」と同じように作用する。 昨年 12 月末には、臨床試験の第 3 相で 79% の有効性が示されたと発表した。 これはファイザーやモデルナのワクチンよりも低い数値だ。 しかし、今年 1 月にこのワクチンの使用を認可したアラブ首長国連邦 (UAE) では、第 3 相の中間報告の有効性が 86% だったとしている。 ロイター通信によると、シノファームの広報担当者はこの差異について説明せず、詳細は後日公表されると述べた。 しかしこのワクチンも、第 3 相の前から緊急接種事業で使用され、すでに 100 万人近くが受けているという。 シンガポール国立大学のデール・フィッシャー教授は当時、第 3 相を経ずに接種事業を加速させるのは「型破り」だと話していた。 CNBC の取材でフィッシャー教授は、「通常は緊急使用の場合でも、第 3 相の分析を待ってから接種事業を加速させるものだ」と述べている。 ペルーでは昨年 12 月、シノファームのワクチンで「深刻な副作用」があったとして治験を停止したが、その後、再開している。 治験の一時停止自体は珍しいことではない。 イギリスでも 9 月、オックスフォード製のワクチンで副作用の疑いを理由に臨床試験が停止され、後にワクチンとは無関係と分かり、再開された。 中国では新型ウイルスの感染がほぼ抑制されており、人々の生活もゆっくりと「新しい日常」に戻ってきている。 他にもワクチン候補 「The Conversation」の記事によると、中国ではこの他に少なくとも 2 種類の新型ウイルスワクチンの開発が進んでいる。 うち 1 種は康希●(= さんずい偏に若)生物(カンシノ・バイオロジックス)のもので、サウジアラビアなどで臨床試験の第 3 相が行われているという。 もう 1 種は安徽智飛生物制品が開発しており、こちらは精製した新型ウイルスを使って免疫系を刺激する。 最近、第 3 相が始まったと報じられている。 中国製ワクチン、使用国は? シンガポールやマレーシア、フィリピンなどアジアの数カ国がシノヴァクと契約を結んでいる。 今年 1 月にはインドネシアで同社のワクチンを使った大規模なワクチン接種事業が始まった。 トルコもシノヴァクのワクチンを緊急使用向けに承認している。 このほか、南米ブラジルとチリも、供給契約を結んでいる。 シノファーム製ワクチンについては、UAE と中東バーレーンが承認した。 ワクチンの供給計画は? シノヴァクの会長は中国国営メディア CGTN の取材で、新たに建設した敷地面積 2 万平方メートルの新工場で、毎年 3 億回分のワクチンを生産すると説明した。 他のワクチンと同様、シノヴァクのものも 2 回の接種が必要なため、1 年に 1 億 5,000 万人にワクチンを供給できる計算になる。 これは中国の人口の 10% 強にあたる。 アナリストらは、中国がこれらのワクチンでワクチン外交の競争に勝とうとしているとみている。 習近平国家主席は先に、アフリカ大陸に 20 億ドル、中南米諸国に 10 億円のワクチン融資を行うと発表したと報じられた。 ただし、どのような契約内容になるかは明らかになっていない。 MERICS のアナリスト、ジェイコブ・マーデル氏は ABC ニュースの取材で、「中国政府は確実に(中略)この救命技術から商業的・外交的利益を得ようとするだろう」と語った。 「中国はこれらの国が心底ほしい物を持っているし、ワクチン供給を慈善活動として印象付けようとするだろう。」 中国製ワクチンの価格は明らかになっていないが、BBC の取材班は今年初め、浙江省義烏市での接種事業で、注射 1 回が約 400 元(約 6,400 円)だったことを確認している。 インドネシア国営のバイオ・ファーマは、同国では 1 回当たり 20 万ルピア(約 1,400 円)の費用がかかるだろうと述べている。 つまり、オックスフォードのワクチン(4 ポンド、約 560 円)よりは高く、モデルナ製(33 ドル、3,400 円)よりは安いことになる。 モデルナは今年 5 億回分を、アストラゼネカは第 1 四半期(1 - 3 月)だけで 7 億回分を供給する予定だとしている。 (イヴェット・タン、BBC = 1-15-21) ◇ ◇ ◇ 中国、国産の新型コロナワクチン 初の承認 国有製薬会社が開発 中国政府は、国内の製薬会社が開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、安全性や有効性の基準に達したなどとして、承認したと発表しました。 中国政府が新型コロナウイルスのワクチンを承認したのは、これが初めてです。 中国の国家薬品監督管理局の陳時飛副局長は、31 日の記者会見で、国有の製薬会社、シノファームが開発したワクチンについて、臨床試験の結果が安全性や有効性の基準に達したなどとして、30 日付けで承認したと発表しました。 今回の承認は、臨床試験を続けて、そこで得られた情報を当局に報告することなどが条件となっていて、中国政府が新型コロナウイルスのワクチンを承認したのはこれが初めてです。 ワクチンは、シノファーム傘下の北京の研究所が開発した「不活化ワクチン」と呼ばれるもので、会社は、臨床試験の中間段階の分析の結果、有効性は 79.34% に達し、WHO = 世界保健機関などの基準を満たしているとしています。 一方、WHO が公開している、世界で臨床試験中のワクチンに関する情報によりますと、今回承認されたワクチンは、欧米ですでに使用が認められたほかのワクチンと同じく筋肉に注射するタイプで、1 回目の 3 週間後に 2 回目を接種するとされています。 中国政府は、これを含む国内で開発された 3 種類のワクチンを、緊急措置としてことし 7 月以降、国内の医療従事者や交通機関のスタッフなどに接種しています。 会見で保健当局の幹部は、これまでに合わせて 450 万回分を接種したものの「軽度の発熱は 0.1% に満たない。 アレルギー反応など比較的重い副反応の発生率は 100 万分の 2 だ」と述べ、目立った問題は起きていないという認識を示しましたが、個別のワクチンに関する情報は明らかにしませんでした。 中国政府は、今後、接種の対象を高齢者などリスクの高い人にも拡大するなどして、多くの人が免疫を獲得することで感染が広がりにくくなる「集団免疫」の状態を目指すとしています。 (NHK = 12-31-20) ◇ ◇ ◇ 中国ワクチンの治験中止、ペルー、新型コロナ 南米ペルーの保健当局は 11 日、中国の製薬大手、中国医薬集団(シノファーム)の新型コロナウイルス感染症ワクチンの被験者に神経性の症状が見られたとして、臨床試験(治験)を中止したと発表した。 ペルーで約 1 万 2 千人を対象に治験の最終段階を実施していた。 症状が出たのは 64 歳の被験者で、数日前から足の筋力低下が見られた。 治験に関わる研究者は、ワクチンが症状を引き起こした可能性は高くはないとの見方を示し「少しでも疑問がある場合は、このような措置(中止)を取る方が良い」と話した。 被験者の健康状態に問題はないという。 アラブ首長国連邦 (UAE) は今月、このワクチンの有効性を 86% と発表、正式登録している。 (kyodo = 12-13-20) 新型コロナ治療薬の開発はどこまで進んだ? 島根大学などが作製に成功した「人工抗体」は切り札となるか 新型コロナウイルスの「予防」として、日本での接種も間近に迫ったワクチン。 一方、「治療薬」の開発はどこまで進んだのだろうか。 自宅療養中に亡くなる人も増え始めた今、軽症患者が急激に重症化するのを防ぐ治療薬はないのか? 1 月 23 日、島根大学と長崎大学がある発表を行った。 (「Mr. サンデー」 1 月 24 日放送分より。FNN = 1-25-21)
副作用は? アメリカで「緊急使用」承認 アメリカでは、すでに 2020 年から使われ始めている 2 つの「人工抗体」。 その 1 つは、2020 年 10 月時点でトランプ前大統領の治療に使われた。
と、劇的な回復が伝えられた。 人工抗体とは、新型コロナに感染し回復したヒトから有効な抗体を取り出し、そのコピーを大量生産した薬品のこと。 「人工」という名がついているものの、ヒトが元々持っているタンパク質と同じ性質のため、副反応も少ないと言われている。 そこで、アメリカの FDA は 2020 年 11 月、2 つの人工抗体の緊急使用を許可。 現在、全米各地の病院で使われ、治療データが蓄積されている。 人工抗体で重症化を防ぎ、入院を減らす ミシシッピ州のシンギング・リバー病院では、大規模な治験が行われている。 最高医療責任者の医師に狙いを聞くと …、
目的は軽症者の症状悪化を防ぐことで、病床ひっ迫を回避すること。 実際に効果は出ているのか?
医師によれば、もしこの人工抗体がなければ、少なくともあと 20 人は入院患者が増えていたはずだという。
実際に人工抗体を投与された女性も、その効果に感謝する 1 人。
軽症での投薬で完治へ … 承認には課題も これまで日本で承認されたレムデシビルやデキサメタゾンなどは、中等症から重症向け。 元々は違う病気のために開発された既存薬でもあるので、効果も限定的な場合がある。 一方の人工抗体は、新型コロナウイルスのために開発している治療薬。 軽症のうちに投薬することで、中等症、重症になることを防ぐことができると期待されている。 気になる安全性について、免疫学の第一人者である大阪大学名誉教授の宮坂昌之氏の見解は …
感染経路が分からない変異ウイルス、東京都内で初確認 厚生労働省は 22 日、英国で報告された新型コロナウイルスの変異ウイルスが、海外に滞在歴がなく、入国者との接触も確認されていない東京都内の 10 歳未満の女児から見つかったと発表した。 感染経路が分からない「市中感染」が疑われる変異型の感染者は静岡県の 4 人に続いて 5 人目。 発表では、渡航歴がない都内在住の 40 代男性が新型コロナに感染しており、女児は男性の濃厚接触者で、男性から感染したとみられる。 男性が変異型に感染しているかは確認中。 女児は無症状だが、都内の病院に入院した。 22 日までに陽性となった都内 1,453 人分の検体のうち、変異型が検出された例はこの女児だけだった。 このため、厚労省は「市中感染の可能性はあるが、面的な広がりはないと考えている」としている。 このほか、1 月 10 日に英国から入国した都内の 30 代女性からも変異型が検出された。 国内で変異型への感染が確認されたのは計 50 人となった。 (asahi = 1-22-21) ◇ ◇ ◇ 変異型 20 カ国で市中感染か 専門家「水際対策に限界」 静岡県で相次いで確認された変異ウイルスは海外から最近持ち込まれたとみられるが、感染経路をたどることができていない。 英エディンバラ大の研究者らの資料によると、この変異型は 18 日時点で 57 カ国で検出され、英国やドイツ、フランス、米国、カナダ、ブラジル、チリなどの 20 カ国では、市中の感染者から見つかっている。 静岡県で変異型に感染していたのは 20 - 60 代の男女 3 人。 いずれも 1 月上旬に発症した。 海外の滞在歴がなく、滞在歴のある人との接触も確認できない。 この変異型は、ウイルス表面から突き出たスパイクたんぱく質の構成が少し変わっている。 スパイクたんぱく質は、ウイルスがヒトの細胞に感染するために必要で、構成の変化で細胞に入り込みやすくなったと考えられている。 変異型が広がる英国での解析では、感染のしやすさは最大で 70% 程度増加。 1 人の感染者が平均で何人に感染させるかを表す「実効再生産数」を 0.4 以上高めると報告されている。 実効再生産数が 1 より大きいと感染が拡大する。 厚労省専門家組織によると、昨年 12 月 27 日時点で全国で 1.14。 変異型の市中感染が広がれば、現在の対策では流行が止められなくなる恐れがある。 前回の宣言中の 4 月 28 日時点では推計 0.6 だった。 現時点で、変異型の方が重症化しやすかったり、ワクチンが効きにくくなったりすることを示す証拠はない。 ただ、より高い感染性で患者が多く生じれば、重症者や死者も増え、医療提供体制にさらに大きな負荷をかける。 日本は昨年 12 月から検疫を強化し、現在はすべての入国者に、日本に向かう出国前の 72 時間以内に検査で陰性を確認してもらい、証明書の提出と入国時の空港での検査を求めている。 また、変異型が報告された英国と南アフリカからの入国者は、空港の検査で陰性でも、宿泊施設で 3 日間待機し、再び検査を受けてもらう。 厚労省は今月 19 日、変異型の流行国から来た人の健康状態を確認するフォローアップセンターを新たに設けることを明らかにした。 21 日午前 0 時以降は商用での外国人の新規入国が全面的に止まるものの、日本人や在留資格のある外国人の再入国は続くためだ。 変異型の確認は、PCR 検査で感染確認した後にさらにウイルスの遺伝情報を調べる必要がある。 日本での調査対象は、感染者全体の 1 割ほどにとどまる。 東京医科大学の濱田篤郎教授(渡航医学)は、「感染が広がりやすい冬場に、変異ウイルスによる流行も加われば、『第 3 波』が長引き、必要な対策期間が延びることも考えられる」と危機感を強める。 「水際対策には限界があり、国内に入ってきたウイルスの監視体制も強めるべきだ。 変異ウイルスでも、個々人のできる対策はこれまでと変わらない。 緊急事態宣言が出ていない地域も含めて外出自粛の徹底といった対策を強める必要があるだろう。」と話した。 (野口憲太、asahi = 1-19-21) モデルナ株急落、カリフォルニア州がワクチン配布の一時停止を勧告 19 日の米株式市場で、モデルナが一時 7.1% 安。 カリフォルニア州の疫学者が同社の新型コロナウイルス感染症 (COVID19) ワクチン配布を一時停止するよう勧告した。 「重度」のアレルギー反応とみられる件数増加が報告されたことを受けた措置。 疫学者であるエリカ・パン氏は 17 日の声明で、今回の措置は「万全を期すために」決定したものだと説明した。 モデルナの株価は過去 1 年間に 500% 上昇。 ナスダック・バイオテクノロジー株指数は同期間に 35% 値上がりした。 (Bailey Lipschultz、Bloomberg = 1-20-21) ノルウェー、ワクチン接種の高齢者 23 人の死亡例を調査 ノルウェーで身体機能の低下した高齢者 23 人が、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを接種した後で死亡したとの報告を受け、専門家らが副作用との関係を調べている。 同ワクチンの副作用としては、まれに軽い発熱や吐き気などが起きることが分かっている。 体力の衰えた患者にとっては、こうした症状が命取りになる可能性も指摘される。 同国の公衆保健研究所 (FHI) は死亡例の報告を受け、高齢で身体機能が低下した患者や終末期患者に対するワクチン投与の指針を改訂。 医師が一人ひとりの患者について、投与のメリットが発生し得る副作用のリスクを上回るかどうかを判断することとした。 ノルウェーでは 14 日までに、4 万 2,000 人が第 1 回の接種を済ませた。 ほかの多くの国と同様、新型ウイルス感染の重症化リスクが特に高いグループとして、基礎疾患のある高齢者や介護施設の入居者が優先されている。 ノルウェー医薬品局 (NOMA) は声明で、対象グループの性質上、死亡がワクチン接種の時期と重なる例も想定されると指摘。 国内の介護施設や長期療養施設では週に平均 400 人が死亡すると説明している。 専門家らの間でも、今のところワクチン接種と死亡の因果関係を示す証拠はなく、患者が接種直後に偶然死亡することもあり得るとの見方が強い。 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、介護施設の入居者のうち、ワクチン接種を受けていないグループの死亡率を調べることが先決だと強調した。 FHI と NOMA は 15 日、これまでに死者 23 人のうち 13 人のケースを調査したと発表。 ファイザーは NOMA と協力し、あらゆる関連情報の収集に努めていると述べた。 (CNN = 1-19-21) インド、ワクチン副反応で 7 人入院 医師「国産避けて」 【ニューデリー】 インド政府は 18 日、国産の新型コロナウイルスワクチンなど 2 種類を使って 16 日に始まった接種の副反応で、7 人が入院したと発表した。 首都ニューデリーの病院では、若手医師グループが国産ワクチンの使用回避を求める文書を提出する動きもあった。 18 日のインド政府の声明によれば、接種を受けたのは 3 日間で 38 万 1,000 人余り。 うち 580 人に軽度の頭痛や発熱、吐き気といった副反応が出たほか、より重い症状が出た 7 人が入院した。 2 人は退院したが、5 人は経過観察を続けている。 症状の詳細や、接種されたのが国産の「コバクシン」なのか、英製薬大手アストラゼネカのワクチンかは明らかにしていない。 一方、ニューデリーの拠点病院では 16 日、研修医組合が「臨床試験が完了していない(のに使用承認された)コバクシンにいささかの懸念がある」と、アストラゼネカのワクチンの使用を病院に求めた。 インドでは接種を受ける側がワクチンの種類を選べず、接種への不安の元となっている。 また、感染者数が国内最多の西部マハラシュトラ州では、ワクチンの保管温度や在庫量を逐次、一元管理する政府のシステムに障害が発生。 接種が 18 日まで取りやめとなった。 (jiji = 1-19-21) ◇ ◇ ◇ インド、激安の自国製ワクチン「夏までに 3 億人に接種」 新型コロナウイルスの感染者数が、米国に次いで 1 千万人を超えたインドで、ワクチンの接種が 16 日に始まった。 夏までに約 3 億人への接種を目指している。 ワクチン製造大国として「世界の薬局」を自任するインド政府は、自国製の格安ワクチンによる「世界最大の接種計画」を進めるとしている。 モディ首相は同日、全国 3 千カ所の接種会場をオンラインでつなぎ、ワクチン接種の開始を宣言。 ニューデリーの公立病院では、看護師のダワル・ドウィデビさん (35) が接種を受け、拍手が起こった。 ドウィデビさんは「コロナ患者の増加で、私たち医療従事者はとても大変な思いをしてきた。 このワクチンで状況が改善することを期待している。 インドで製造されたワクチンを打てたことも誇りに思う。」と話した。 インド政府は 1 月上旬、国内で開発、製造された国産第 1 号のワクチンと、英製薬大手アストラゼネカなどが開発してインドで製造したワクチンの二つの緊急使用を承認した。 それぞれ初回接種から 28 日空けて再び接種する必要がある。 人口 13 億 5 千万人の大国で接種を行き渡らせるのは困難が予想されるが、接種は、まず 1 千万人の医療従事者のほか、警察や軍隊などの 2 千万人が優先される。 費用は政府が負担する。 その後、50 歳以上や糖尿病や高血圧を患う計 2 億 7 千万人にも対象を広げる計画だ。 インドは、結核や破傷風など各種ワクチンの製造実績を誇り、世界最大のワクチン製造大国でもある。 「インド製のコロナワクチンは安くて、扱いやすい。」 モディ首相はこうアピールした。 インド政府によると、インドの二つのワクチンの調達価格はそれぞれ約 200 ルピー(約 280 円)で、中国シノバック社製の約 5 分の 1、米モデルナ製の 1 割程度と格段に安いという。 また、米製薬大手ファイザーなどのワクチンは零下 70 度で冷凍保存しなければならないが、インドで製造する二つはどちらも 2 - 8 度で保存できるという。 モディ氏は「インドは世界の薬局だ」とも語り、「安くて使いやすいワクチン」をネパールやバングラデシュなどに輸出する方針も示している。 一方、新型コロナのインド産ワクチンは治験がまだ終わっておらず、野党などから安全性を不安視する声も上がっていた。 これに対し、モディ氏は「これまでに世界の子供の約 6 割がインド産ワクチンを接種してきた。 世界がインドの科学技術を信頼している。」と述べ、安全性に問題ないことを強調した。 (ニューデリー = 奈良部健、asahi = 1-19-21) 新型コロナのワクチン接種後に集団感染? リトアニアの医師ら 79 人 米製薬大手ファイザーなどが開発 【モスクワ = 小柳悠志】 リトアニアの首都ビリニュスの病院で、医師ら 79 人が新型コロナウイルス向けワクチンの 1 回目の接種後、新型コロナに感染していたことが分かった。 ワクチンは米製薬大手ファイザーなどが開発したもので、同病院感染症センターの責任者は「接種時に医師らは既にウイルスに感染していた可能性がある」と説明しているという。 ロシア通信などが 15 日に伝えた。 ファイザーは、ワクチンの十分な効果が表れるのは 2 回目の接種から 1 週間後としており、今回感染が確認された医師らは 2 回目は未接種だった。 同病院感染症センターは「ワクチン接種により、感染しても重症化を防ぐことができる」との認識も示した。 (東京新聞 = 1-17-21) コロナ入院患者の致死率はインフルの 3 倍 仏の研究結果 新型コロナウイルスのほうが季節性インフルエンザよりも入院患者の致死率が 3 倍高いという研究結果を、フランス国立保健医学研究所などのグループが発表した。 人工呼吸器が必要な患者や、集中治療室の平均滞在日数も新型コロナが 2 倍になった。 グループは、フランス国内のすべての入院患者の情報を収めたデータベースを使い、インフルの 4 万 5,819 人(2018 年 12 月 - 19 年 2 月)と新型コロナの 8 万 9,530 人(20 年 3 - 4 月)を比べた。 インフルでは平均年齢が 59 歳だが、子どもと高齢者が多く、18 歳未満と 81 歳以上で 53% を占めた。 一方、新型コロナは平均 65 歳で、中高年が多く、51 歳以上が 77% だった。 入院中に死亡したのは、インフル 2,640 人 (5.8%)、新型コロナ 1 万 5,104 人 (16.9%)。 患者の年齢のばらつきを調整すると、新型コロナの致死率が 2.82 2倍高かった。 人工呼吸器はインフルで 4.0%、新型コロナで 9.7% の人が必要とした。 集中治療室にはインフルで 10.8%、新型コロナで 16.3% の人が入り、平均滞在日数は新型コロナが 15 日間でインフルより 7 日長かった。 入院患者のうち 18 歳未満の子どもは、インフルが全体の19.5% を占めたのに対し、新型コロナは 1.4% しかいなかった。 だが、思春期にあたる 11 - 17 歳の子どもでは、新型コロナでは 5 人死亡しており、インフルエンザの 1 人を上回った。 グループによると、フランス国内では当初、症状に関わらず新型コロナの患者全てを入院させていたが、3 月 14 日以降は症状の重い人だけに限られたという。 新型コロナの 81 歳以上の入院患者の致死率は 30% を超しており、グループは短期間に急速に患者が増え、集中治療室に入る割合が低かったことなどの影響も示唆している。 インフルも新型コロナも大半の感染者は、軽症や無症状で済み、特に若い人では新型コロナは「インフルエンザ並み」ととらえられがちだ。 だが、一部の人は重症化し、基本的に症状が重い患者に絞った今回の研究では、新型コロナの脅威が際立つ結果だ。 世界保健機関 (WHO) のインフルの薬物治療ガイドライン委員を務める、けいゆう病院(横浜市)の菅谷憲夫医師は「新型コロナの深刻さは季節性インフルエンザとはまったく異なり、データで示した意義がある」と評価する。 菅谷さんは、両者の差は日本ではより大きいとみる。 「欧米ではインフルエンザの症状が出たら家で様子をみて、重症になった人が医療機関にかかることが多い。 日本はワクチンに加え、早期診断、早期治療の体制が整い、重症化が抑えられている。」 菅谷さんは今回の研究で、新型コロナの方が 11 - 17 歳の死者が多かった点に注目する。 「新型コロナの子どもの入院患者は確かに少ないが、感染が拡大すれば油断はできない」と話す。 グループの研究は昨年 12 月に医学誌 ランセット・レスピラトリー・メディシン(電子版)に掲載された。 (阿部彰芳、asahi = 1-12-21) 退院半年、7 割超に後遺症 武漢の患者、中国で研究結果 新型コロナウイルスの感染が最初に拡大した中国・武漢市の医師らでつくる研究チームが、拠点病院の患者約 1,700 人の 7 割以上に退院から半年が経っても後遺症とみられる症状があったとの研究結果を英医学誌ランセット(電子版)に発表した。 新型コロナをめぐっては、世界各地で後遺症が報告されている。 発表は 1 月 8 日付。同市で最も早くから患者を受け入れた「金銀潭病院」の医師らが参加した研究チームは、昨年 1 月 - 5 月に退院した人を対象に、退院日からおよそ半年がたった時点で診察と身体検査、6 分間の歩行テストを実施。 結果が得られた約 1,700 人のうち、何らかの症状があった人は 76% に上った。 最も多かったのは「倦怠感や筋力低下 (63%)」で、「睡眠障害 (36%)」が続いた。 こうした傾向は「SARS (重症急性呼吸器症候群)患者の追跡調査と一致する」としている。「脱毛 (22%)」、「嗅覚異常 (11%)」も比較的高い割合を示した。 さらに約 350 人に肺機能の検査をしたところ、入院中に高機能機器による酸素吸入治療を受けた重症患者の 56% は肺機能が低下していた。 酸素吸入をしなかった人でも肺の機能低下は 22% に上ったという。 武漢市では昨年 3 月までの約 3 カ月の間に感染が拡大し、確認された発病者が約 5 万人、死者が 3,869 人に上った。 5 月に住民全員の PCR 検査が実施され、6 月以降は無症状者も含めて新たな市中感染者は確認されていない。 (瀋陽 = 平井良和、asahi = 1-12-21) コロナワクチン接種後、強いアレルギー反応 米で計 6 人 米疾病対策センター (CDC) は、米ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンを接種した後、強いアレルギー反応が出た人が米国で 18 日時点で計 6 人になったと公表した。 いずれもすぐに処置を受けた。 1 人は過去に狂犬病のワクチンを受けた際にアレルギー反応が出たという。 米国では 19 日朝までに 27 万人あまりがファイザーのワクチンの接種を終えている。 米国では接種前に過去にアレルギー反応が起きたことがあるか尋ね、ワクチンの成分にアレルギーのある場合などは接種を避けることになっている。 CDC は接種後の異変にすぐ処置できるように、過去にアレルギーの症状が出たことがある人は接種後 30 分、ない人は 15 分その場にとどまり、経過観察するよう勧めている。 ワクチンの十分な効果を得るには 2 回の接種が必要だが、最初の接種でアレルギー反応が出た場合は、2 回目の接種を取りやめるとしている。 CDC はワクチンの副反応を追跡するためにシステムを用意。 登録した接種者の携帯電話に定期的にメッセージを送り、健康状態を尋ねている。 ワクチン接種後のアレルギー反応は英国でも 2 人で確認されている。 (ワシントン = 香取啓介、asahi = 12-20-20) ◇ ◇ ◇ コロナワクチンで注意喚起 = 「深刻なアレルギー」報告受け - 米 CDC 【ワシントン】米疾病対策センター (CDC) は 19 日、新型コロナウイルスのワクチン接種で「深刻なアレルギー」が報告されているとして、国民に注意を促した。 米国では米製薬大手ファイザー製のワクチン接種が始まっており、米政府の対策本部長を務めるペンス副大統領らが接種を受けている。 CDC は声明で、ワクチンを接種された人が急激なアレルギー反応である「アナフィラキシーショック」を起こし、投薬や病院での治療が必要となる事例があったと説明。 ワクチン接種後、深刻なアレルギーが出たと感じた場合は「救急通報して速やかに治療を受ける」よう勧告した。 その上で「ワクチンに含まれる成分で過去に深刻なアレルギー反応が出た人は、そのワクチンの接種を受けるべきでない」と指摘。 新型コロナ以外のワクチンや注射でアレルギーが出たことのある人も、接種に先立ち医師に相談するよう求めた。 ワクチンと無関係な食物やペットなどのアレルギーがある人の場合は、ワクチン接種は可能だと指摘した。 (jiji = 12-20-20) |
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