「待ちわびていた」 … 「桜の通り抜け」始まる
造幣局(大阪市北区)の「桜の通り抜け」が 9 日始まり、晴天の下、大勢の花見客が桜のアーチを楽しんだ。 15 日まで。 造幣局南門から北門までの約 560 メートル。 134 種 338 本の桜は現在、三分咲きで、見頃は今週末になるという。 大阪府茨木市の男性 (75) は「この日を待ちわびていた。 満開には少し早いようだが、春を満喫できた。」と話していた。 午前 10 時(土日は午前 9 時) - 午後 9 時。入場無料。 問い合わせはハローダイヤル (050・5548・8686)。 (yomiuri = 4-9-19)
新快速「脱・痛勤」へ出発進行 JR 西、朝夕に有料座席
朝夕の混雑時も「座って通勤」したいという要望に応え、JR 西日本は 16 日から新快速電車で有料座席サービスを始める。 首都圏では導入する鉄道会社が相次いでいるが、「脱・痛勤」の動きが関西でも加速するか。
今月上旬の朝 8 時ごろ、JR 明石駅(兵庫県明石市)のホームに長い行列ができていた。 到着した大阪方面行きの新快速は満員。 出発時もドア付近まで乗客で埋まった。 乗るのを諦めたスーツ姿の男性 (45) は「10 分ほど待ったら次の新快速が来るから。」 有料座席ができたら、「パソコンを開いたり、資料を読んだりしたい時は利用したい」と話した。
平日の同じ時間帯の新快速の 12 両のうち、1 両に有料座席「A シート(46 席)」が導入される。 空席があれば自由に席を選べ、着席後に現金か交通系 IC カードで追加料金 500 円を巡回する乗務員に支払う。 車内は落ち着いた木目調の内装で、座席はリクライニング機能と収納式テーブル、電源コンセント付き。 前の座席との間隔は新快速の通常の座席より 6 センチ広い。 大型の荷物スペースと、車いす対応のトイレも備えた。 無料 Wi-Fi (ワイファイ)も利用できる。
山陽・神戸・京都・琵琶湖各線(網干〈あぼし〉・姫路―野洲〈やす〉)で朝夕を中心に 1 日計 2 往復する。 朝は兵庫県西部から三ノ宮や大阪方面に向かう通勤客が多く見込まれる。 46 席では途中駅の明石などで満席になる可能性もあるが、JR 西は「試験的なダイヤ」と位置づける。 (波多野大介、asahi = 3-15-19)
京都ビーフ、京から初輸出 100 億円かけ新市場整備
昨年 4 月に稼働した京都市中央食肉市場(京都市南区)から海外へ初めて和牛が輸出されることになり、16 日、市場関係者約 50 人が参加して出発式があった。 第 1 号として、京都府南丹市の「京都丹波牧場」で育てられた黒毛和牛がタイに向けて出荷された。 市場から海外へ食肉を出荷するには、相手国から衛生基準を満たした施設と認められる必要がある。 だが、1969 年開設で老朽化した旧市場では、条件を満たすことが難しかった。
このため京都市や京都府などが約 100 億円をかけ、最新設備を導入した新市場を整備。 日本食の人気が高まる海外で、京都産をはじめ和牛ブランド肉を売り込もうと、今年度はまずタイやマカオの認定を取得して準備を進めていた。 第 1 号の和牛をタイへ販売したのは、左京区の老舗肉店「銀閣寺大西」。 大西雷三社長は「これまでは(輸出のために)滋賀や鹿児島まで荷を運び、大変な手間がかかった。 この日を待ちわびていた。」と話した。 市は今後、米国や EU でも認定を得て、京都産和牛の一層の売り込みを図る。 (佐藤秀男、asahi = 2-21-19)
大阪のオフィス賃料、10 年ぶりに 2 万円台 民間調べ
不動産サービスの JLL が 29 日発表した 2018 年末時点の大阪市中心部のオフィス賃料(1 坪当たり)は前年比 10.1% 高い月 2 万 694 円で、08 年末以来 10 年ぶりに 2 万円台となった。 企業が人材獲得につなげようと、交通の便のよい駅前でオフィスを構えるなどし、相場を底上げした。
上昇は 18 四半期(4 年半)連続で、直近の底値だった 14 年 6 月期末時点の 1 万 5,492 円から 5 千円以上高くなった。 ただ、最高値を記録した 08 年 6 月末時点の 2 万 4,506 円と比べると 15% ほど低い水準だ。 空室率は、前年比 0.8 ポイント減の 1.1% だった。 JLL の山口成樹関西支社長は、19 年中に新たなオフィスの供給が限られる点などをふまえ「賃料上昇の勢いは続く」とみる。 (伊沢友之、asahi = 1-31-19)
訪日客、人口減を救う? 日銀が関西消費を分析
関西での訪日外国人客による消費の伸びは、人口減による消費の減少分の 3 倍を超える - -。 日本銀行大阪支店は 28 日、こんな 2017 年度の推計値を発表した。 人口減が加速していくのに備え、さらに訪日客の消費を伸ばすための課題を指摘した。 日銀によると、関西 2 府 4 県の 17 年度の訪日客による消費額は前年度より 1,927 億円増えた。 一方、人口減によって消費支出は 633 億円減少した。
訪日客による消費を項目でみると「買い物代」が前年度比 26% 増と最も伸びた。 これに対し、体験を楽しむ「コト消費」と言われる飲食費(同 11% 増)や宿泊料金(同 12% 増)は比較的、伸びが少なかった。 日銀の担当者は、「(人口減少に伴う)消費減を補うことが重要」という。 無線 LAN や、案内表示の外国語対応などの環境整備を進めることで、消費の幅を広げるべきだと指摘した。 (中島嘉克、asahi = 1-31-19)
「写真を見て、目を疑った」大阪メトロの改装案に批判殺到、反対署名は 1 万 3,000 人超
「何 10 年も使っている市民にとって、愛着は半端なものではない」
大阪の地下鉄を運営する「大阪メトロ」が 12 月 20 日、複数の駅を大規模に改装する計画を発表した。 街を活性化させるため「新しい地下空間をつくる」としているが、改装案には不安の声が相次いでいる。
相次ぐ不評 「悪趣味」、「派手」
大阪メトロによると、対象は御堂筋線の 9 駅と中央線の 6 駅。300 億円を投じて、2024 年度までに順次改装する計画だ。 新たなデザインでは、それぞれの駅を個性的に彩るとしている。 例えば、大阪城に近い「谷町四丁目駅」は金の茶室に見立てて内装を金色にしたり、心斎橋駅は、ホームに大画面の電子広告を設置するイメージ案が出ている。 ただ、12 月 22 日に朝日新聞が大阪メトロの改装計画を報じると、「悪趣味」、「派手」など不評の声が相次いだ。
昭和レトロな空間、親しまれる御堂筋線
大阪メトロの駅は、昭和期のレトロな香りを残している。 地下鉄御堂筋線は 1933 年、日本初の公営地下鉄として梅田 - 心斎橋間が開通した。 当時の様子について、「地下鉄 50 年のあゆみ(大阪市交通事業振興公社)」はこう記している。
アーチ式ホームにはシャンデリアが輝き(中略)エスカレーターもあって、市民はその豪華さに感嘆した
朝日新聞(2013 年 12 月 18 日夕刊・大阪本社版)によると「心斎橋駅は恐らく 60 年以上前、梅田は 40 数年前の改装時に、現在のシャンデリアが設置された」という。 長年親しまれたこうした景色がなくなる寂しさを募らせる声もでている。 署名サイト change.org では「歴史ある大阪の地下鉄を未来に残してください!」という活動も始まった。 12 月 24 日午前 10 時現在、賛同者は 13,000 人を超えた。 署名の呼びかけ文では、新たなデザイン案への不安が率直に記されていた。
写真を見て、目を疑いました。 私たちが慣れ親しんだ、あのレトロな、かわいらしい、落ち着きのある大阪の地下鉄の駅とは懸け離れた、安っぽい、派手な、悪趣味な、そして駅のある場所とはむしろつながりの薄いデザインの案が載っていたのです。
「貴重な建築、愛着は半端じゃない」
署名の呼びかけ人の一人である岸政彦・立命館大学教授は、BuzzFeed News の取材にこう語る。 「ここ 10 年ぐらい、大阪では急速に再開発が進み、阪急梅田駅のコンコースや大阪中央郵便局の旧局舎など昔から残っていた歴史的建造物が取り壊されてしまいました。 大丸心斎橋店も、外壁は残しつつも建て替えとなりました。 こうした動きを悲しく、切ない思いで見ていた中、あの大阪メトロの案が飛び込んできたわけです。」
「(改装候補になった)御堂筋線の心斎橋駅は、とても象徴的な空間です。 蛍光灯を用いたシャンデリアなど、大大阪のモダニズムをいまに残す非常に貴重な建築です。 何十年も使っている市民にとっても、愛着は半端なものではありません。」 こうした思いから、作家の柴崎友香さんらとともに署名を呼びかけることにした。
大阪メトロの改装案を厳しく批判する岸さんだが、「再開発自体に絶対反対というわけではありません」と強調する。 「財政悪化の影響もあり、収益をあげるために再開発をする必要があるのは理解できますし、個人としても賛成です。」 「ただ、もう少しやり方があるでしょう。 愛着を持って、慣れ親しんでいる大阪の姿を残しつつ、おしゃれに、きれいに、人が集まって、お金も儲かる施設にすることは十分可能だと思うのです。」 これこそが、声を上げる必要性を感じた理由だった。
岸さんは「大阪には、戦前の "大大阪" と呼ばれていた頃から蓄積された文化的な遺産があります」と魅力を語る。 change.org に載せた呼びかけ文にも、こう記している。
大阪市民にとっては、地下鉄は日常の足です。 どこへ行くにも、何をするにも地下鉄です。 そして、ただそれだけではなく、何十年にもわたり愛され、親しまれてきた文化遺産であり、貴重な歴史遺産でもあります。 たしかに古びて、色あせてはきていますが、それはこの駅たちが大阪市民とともに重ねてきた年月の色であり、たくさんの - - ほんとうにたくさんの大阪市民の、夢や希望、そして人生そのものを運んできた地下鉄だけがもつ、温かいぬくもりなのです。
モダンで、美しく、レトロでかわいらしい大阪の姿を残したい - -。 岸さんは取材の最後、署名の呼びかけを通して伝えたいことをこう語った。 「大阪は、古くて良いものがたくさんある街なんです。 近年の再開発で、その魅力が失われる例が増えつつあることを知ってもらうきっかけになればと思っています。」 (吉川 慧、BuzzFeed = 12-24-18)
神戸ルミナリエ開幕 史上最多約 51 万個の LED 彩る
光の祭典「神戸ルミナリエ」が 7 日、神戸市中央区の旧居留地一帯で開幕した。 史上最多となる約 51 万個の LED 電球で彩られ、16 日までの期間中に約 340 万人の来場を見込む。 24 回目の今年のテーマは「共に創ろう、新しい幸せの光を」。 点灯式では参加者らが阪神・淡路大震災の犠牲者に黙祷し、復興を願い、歌い継がれてきた「しあわせ運べるように」を市内の小学生らが合唱。 午後 6 時ごろ、光の回廊「ガレリア」などが一斉に点灯されると、大歓声が上がった。 (野平悠一、asahi = 12-7-18)
新校舎の設計はあの建築家 大阪芸大、丘とつながる曲線
建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を受賞するなど、世界的に活躍する建築家・妹島(せじま)和世さんが設計した大阪芸術大学(大阪府河南町)アートサイエンス学科の新校舎が完成し、27 日披露された。 12 月 4 日まで一般向けに特別公開される。
妹島さんは、西沢立衛(りゅうえ)さんとのユニット「SANAA (サナア)」名義で、金沢 21 世紀美術館などを手がけたことで知られる。 新校舎は地上 2 階地下 1 階で、延べ床面積は約 3,176 平方メートル。 丘の上という立地に合わせ、丘と一体化したような、なだらかなカーブを描く外観。 多方向から出入りができ、内と外とのつながりが意識されている。 学生たちが気軽に立ち寄れ、新しい出会いを生む「交流の場」となるよう設計したという。
内覧会で妹島さんは「うまくこの場所に着地していくようなものをつくりたいと思った。 誰でもウェルカムで入ってきたくなるような場所になれば。」と話した。 アートサイエンス学科は、テクノロジーをいかしたアートやデザイン表現などを生み出す人材の育成をめざし、2017 年 4 月に新設された。 校舎の特別公開に合わせ、デジタルアート作品の展示もある。 問い合わせは大阪芸術大学 (0721・93・3781)。 (松本紗知、asahi = 11-27-18)
大阪で 2025 年万博! 55 年ぶり 2 回目開催 決選投票でロシア破る
2025 年国際博覧会(万博)の開催国を決める博覧会国際事務局 (BIE) 総会が 23 日(日本時間同)、パリで開かれ、加盟国による無記名投票で大阪市を候補地とする日本が選ばれた。 1 回目の投票で最下位のアゼルバイジャンが落選、日本は 1 位で決選投票に進んでロシアを破った。 大阪開催は 1970 年以来で 55 年ぶり 2 回目。 国内では 05 年の愛知以来 20 年ぶり。 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに健康、医療に関する技術貢献を目指す。
投票に先立ち、アゼルバイジャン、日本、ロシアの順で最終プレゼンテーションを実施した。 日本は世耕弘成経済産業相が登壇し「大阪の万博は、世界をつなげるための最高の実験場になる」とスピーチ。 ゲームキャラクター「ピカチュウ」が大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲に整備される会場を案内する動画や、安倍晋三首相が「大阪、関西はみなさんをもてなす準備ができている」と話すメッセージも放映された。 終了後、松井一郎大阪府知事は「大阪のおもてなし力、親切さ、温かさが伝わった」と総会会場で記者団に話した。 (kyodo = 11-24-18)
関西空港はいまも沈み続けている! 建物は地盤沈下も織り込み済み その果てなき戦い
大規模な埋め立てで誕生した人工島に空港建設
2018 年 9 月に上陸した台風 21 号の影響で、関西空港では大規模な冠水が発生しました。 第 1 ターミナルのある 1 期島は大半が海水に浸かってしまい、一時は閉鎖され、全便が欠航となるなど大きな被害が発生。 じつはこれには、関空独特の立地条件が関係していました。
関空は大阪湾内の泉州沖約5kmに建設されたふたつの人工島、1 期島と 2 期島からなります。 沖合に建設することで、地域住民への騒音の影響を低減することに成功し、日本で初めて旅客・貨物両方の完全 24 時間運用が可能となったのです。 広さは約 1,055 ヘクタールにも及び、ふたつの旅客ターミナル、3,500m と 4,000m の滑走路、その他空港関連施設が設けられています。
海上空港は国内にいくつかありますが、関空ほど沖合に建設され、深くまで埋め立てた空港は類がありません。 1 期島は水深 18m、2 期島は水深 19.5m を埋め立てています。 やわらかい海底地盤の上に巨大な人工島を築くことは並大抵のことではなく、工事開始当時から、開港して 24 年経った現在も、さまざまな問題と戦い続けているのです。
あえて地盤沈下を促進? 関空の地盤改良工事とは
埋め立て工事に先立って、まずは海底の地質を調べるボーリング調査が行われました。 それにより、大阪湾の海底には、厚さ 25m の沖積層が広がっており、さらにその下に厚さ 1000m の洪積層があることが判明しています。 沖積層は水分を多く含む柔らかい粘土層、洪積層は粘土と砂が交互に堆積した比較的硬い地層です。
1987 (昭和 62)年に空港の造成工事が始まり、最初に着手されたのは、沖積層の地盤改良工事でした。 沖積層に砂杭を打って土砂を投入し、その重みで粘土地盤中の水を砂杭から押し出すことで、人工的に地盤沈下を促進するサンドドレーン工法が用いられました。これにより粘土中の水分や空気が押し出され、圧迫されることで地盤が硬くなり、地盤沈下が止まるのです。埋め立て完了から1年ほどで沖積層の地盤沈下はほぼ完全に終了し、現在は沈下が起きていません。
しかし、こうした地盤改良工事を行えるのは沖積層までで、さらに下の洪積層はあまりに厚く、地盤の強度を上げるための機械がありませんでした。 洪積層は硬い地盤ではありますが、空港を建設するほどの大規模な埋め立てには耐え切れず、沈下は免れません。 では、洪積層の地盤沈下にどのように対処したのでしょうか。
じつは、洪積層の地盤自体には何もしませんでした。 その代わり、地質調査をもとに沈下量をあらかじめ想定し、地盤沈下するぶんだけ人工島の高さを上乗せして埋め立てたのです。 つまり、空港は現在も、洪積層の沈下が進んでいるのです。 2017 年 12 月の計測によると、1 期島は開港の 1994 (平成 6)年から 3.43m、2 期島は開港の 2007 (平成 19)年から 4.14m、それぞれ沈下が進んでいます。 とはいえ、埋め立て当初は速かった沈下のスピードは徐々に鈍っていて、近年では年間10cm程度になっています。
沈下は織り込み済み! 関空ターミナルのヒミツ
こうした地盤沈下は、人工島全体で同一のペースで起こるわけではありません。空港施設の建設などにより地盤にかかる重さが場所によって異なったり、また洪積層の砂の層と粘土の層で厚さが異なったりするため、沈下する速さにも差が生じてきます。これを「不同沈下」といい、関港が現在まで抱えている問題です。
不同沈下はそのままにしていると、ターミナルビルなどの施設にひずみが生じ、ひび割れたり傾いたりと、大きな影響を及ぼします。 そのため、長さ 1,700m にも及ぶ第 1 ターミナルビルは、建物が複数のパーツに分かれており、パーツどうしの連結部に蛇腹のようなジョイントを用いることで、不同沈下による影響を軽減しています。
また、ターミナルビルには全部で 906 本の柱があり、これらすべてに対してジャッキアップシステムが組み込まれています。 ビルの傾斜角が管理値 400 - 500 分の 1 を超えると、最大 300t を持ち上げられる油圧ジャッキで柱を持ち上げ、フィラープレートという鉄板を挟み込んで柱の高さを調整します。 こうして建物全体が平行に保たれるように調整しているのです。 建物への影響を考慮して、持ち上げる高さは最大 10mm。 非常に大規模でありながら精密な作業が、深夜に行われているのです。
また、埋め立てによって完成した空港島は、高波の被害も受けやすくなっています。 地盤改良のあと、空港島は護岸工事が行われ、高波に対処してきましたが、近年では予想を上回る高波に襲われることもしばしば。 開港後も計画的に護岸のかさ上げ工事や補強工事が行われてきました。 2 期島が 2018 年台風 21 号の被害をほとんど受けなかった理由は、2014 年秋から 2018 年夏までかけて行われていたかさ上げ工事のおかげといえます。 (乗りものニュース = 11-4-18)
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関西空港ターミナル、全面復旧 台風被災から 17 日ぶり
台風 21 号による高潮で浸水し、一部閉鎖が続いていた関西空港の第 1 ターミナル (T1) が 21 日、全面的に営業を再開した。 台風が襲来した 4 日以来、17 日ぶり。ターミナル 4 階の国際線出発ロビーには 21 日早朝から、チェックインする乗客が次々と訪れて、いつも通りの様子が戻った。
運営会社の関西エアポートによると、すでに再開している第 2 ターミナルを含め、21 日はほぼ通常並みの国際線 343 便、国内線 128 便の発着が予定されている。 物販・飲食などの店舗も 9 割以上が営業する予定。 空港と対岸を結ぶ連絡橋鉄道(JR 西日本・南海電鉄)は 18 日に運転を再開している。 タンカーの衝突で損壊した連絡橋道路の全面復旧は来春のゴールデンウィーク前になる見通し。 マイカーやレンタカーで連絡橋を渡ることは当面できない。 (坂東慎一郎、加戸靖史、asahi = 9-21-18)
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関空への鉄道が再開「アクセスは大幅に改善」
台風 21 号で破損した関西空港連絡橋(全長 3.8 キロ)を通る JR 西日本と南海電鉄の鉄道が 18 日、被災から 2 週間ぶりに運行を再開した。 被災前、関空の利用客の 8 割が鉄道を利用しており、21 日に予定している国内線・国際線の通常運航再開を前に、関空への連絡手段が大幅に改善したことになる。 一方、石井国土交通相は 18 日、連絡橋の道路部分について、来年のゴールデンウィークまでの完全復旧を目指す方針を明らかにした。
一番列車は午前 5 時 20 分の南海泉佐野駅発で、旅行客ら約 170 人が乗り込み、破損で橋桁が撤去された道路の脇を通って約 10 分で関空に到着した。 両社とも始発から平常ダイヤで運行している。 JR 西と南海は関空と対岸を結ぶ路線を 1 日計約 400 本運行。 この日は、始発からほぼ平常ダイヤで運行したが、道路部分の橋桁が撤去された区間は、風の影響を受けやすいため、徐行運転した。 午後 1 時現在、大きなダイヤの乱れはなかった。
台風 21 号では、タンカーが連絡橋の橋桁に衝突し、道路部分が約 4 メートル、間を通る鉄道橋が約 50 センチ横ずれした。 鉄道部分は、架線をつるす支柱やレールが曲がるなどし、復旧は 21 日と見込まれていたが、鉄道橋の橋桁に構造的な問題がなく、復旧工事も順調に進んだため、3 日間前倒しされた。
道路部分は、西日本高速道路が破損した二つの橋桁(計約 200 メートル)を撤去し、再利用が可能かどうか調べてきたが、このうち一つの損傷が激しく、全面的に作り直しが必要と判明。 もう一つは半分程度の再利用が可能だという。 連絡橋の道路は、被害がなかった上り線をバスや一部の運送車両が対面通行しているが、マイカーやタクシーの通行は許可されていない。
旅客便の運航再開も順次進み、18 日は被災前の 5 割超にあたる 250 便(国際線 137 便、国内線 113 便)の運航を予定している。 これに対し、貨物便の運航再開はも遅れており、16 日時点で運航しているのは予定していた 17 社のうち 2 社だけ。貨物便が再開しても、道路部分が完全復旧するまでは、トラックの通行量が制限されるため、物流に影響が残ることになる。 (yomiuri = 9-18-18)
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関空を伊丹・神戸で補完 官邸主導、異例のスピード決着
台風 21 号の被害で大幅な機能縮小に陥った関西空港を、大阪(伊丹)と神戸の両空港で補完する枠組みが決まった。 関空閉鎖から約 1 週間という「スピード決着」。 日本経済全体への影響を懸念する政府が主導し、地元で長年くすぶってきた 3 空港のすみ分け議論を棚上げした格好で、特例的な対応に踏み切った。
「関西全体のため、日本全体のために(地元住民には)理解いただきたい。」 12 日、兵庫県伊丹市役所で開かれた記者会見で藤原保幸市長はこう語った。 藤原氏は大阪(伊丹)空港周辺の自治体でつくる「大阪国際空港周辺都市対策協議会(10 市協)」の会長。 増便を国から要請されたことを受け、地元首長が協議。 国際線を含めた 1 日 40 便の増便を受け入れる方針を決めた。
伊丹周辺では騒音被害に悩まされてきた歴史があり、一部の首長からは慎重意見もあった。 だが関空の機能縮小が経済に悪影響を及ぼしているという認識から、「補完機能をできる限り果たすべきだ」と一致した。 10 市協に加盟する兵庫県川西市の大塩民生市長は 12 日、「(国から)『助けてほしい』と協力を求められ、増便期間を限定することなどを条件に決断した」と強調。 あくまでも関空が台風被害から立ち直るまでの「特例措置」だとの認識を示した。
背景には、3 空港の「すみ分け」をめぐる議論がある。 そこには、騒音問題を抱える伊丹廃止論に端を発して関西圏に 3 空港が共存する現状になった経緯が関係している。 国や関係自治体などでつくる「関西 3 空港懇談会」は 2005 年、「国際線は関空のみ」と申し合わせた。 神戸開港の前年で、当時不振だった関空支援の意味合いが強かった。 その後、関空は訪日外国人客の玄関口として活性化。 3 空港の運営会社も一本化される中、計 5 本の滑走路の有効活用に向け、今秋にも見直し議論が本格的に始まろうとしていた。
今回、国土交通省の要請に押され、議論を省く格好で地元は国際線の分担を引き受けた。 ただ、関空の経営圧迫を避ける狙いもあって国内線のみとされてきたはずの伊丹の国際線復活を求める声もある。 「復活に向けた議論の追い風だ(財界関係者)」との見方も出ており、積み上げてきた議論に影響する可能性もある。 (宮武努、太田康夫、坂本純也、asahi = 9-13-18)
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関空便、神戸は受け入れ 国際線含め、伊丹は地元で調整
台風 21 号の被害で全面復旧が見通せない関西空港の発着便の一部を、神戸空港が受け入れる。 国土交通省が神戸と大阪(伊丹)の両空港で分担して受け入れるよう関係自治体に求め、神戸空港を所有する神戸市が応じる方針を固めた。 伊丹の対応については、12 日に地元首長らが詰めの協議を行う。
激減している関空発着便を補うため、国交省は 10 日、伊丹周辺の 10 自治体でつくる「大阪国際空港周辺都市対策協議会(10 市協)」と神戸市に、復旧までの代替手段として伊丹と神戸の増便を要請。 具体的には、国際・国内線を含めて伊丹で 1 日 40 便、神戸で 30 便増やし、伊丹については運用時間を 1 時間延長する - - という内容だった。
これを受けて神戸市は国際線を含む増便を受け入れる方針を固め、近く同省に伝える方向で調整に入った。 神戸空港の運営は関係自治体や経済界などが参加する「関西 3 空港懇談会」の取り決めで、関空の経営を圧迫しないよう国内線のみ 1 日 60 便までと定められている。 今回の増便受け入れにより、特例的に取り決めが緩和される見通しになった。
伊丹の受け入れについては、10 市協の首長らが 12 日に兵庫県伊丹市で対応を協議する。 その後、同市の藤原保幸市長が対応を発表する予定。 7 日に開かれた 10 市協の実務者会合では、国内線の受け入れは容認する方向で、国際線についても前向きな意見が相次いだ。 ただ、運用時間の延長には慎重姿勢が大勢を占めており、一部の自治体は国際線の受け入れにも難色を示している。 全会一致が原則の 10 市協の意見集約は難航する可能性もある。
一方、関空では 12 日から、ジェットスター・ジャパンが成田、那覇と関空を結ぶ計 8 便、チェジュ航空(韓国)がソウル・金浦空港と関空の間で計 4 便をそれぞれ運航再開する予定。 しかし 11 日現在の運航便数は、今夏の通常ダイヤに比べて 15% 程度にとどまっている。 (asahi = 9-12-18)
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ANA、伊丹発着の臨時便 那覇・宮古、13 日まで 24 便
全日本空輸 (ANA/NH) 9 月 10 日から、伊丹発着の国内臨時便を運航している。 関西空港が台風 21 号の影響により一部を閉鎖していることによるもので、13 日までに 24 便運航する。 伊丹 - 那覇、宮古の 2 路線で、第 1 ターミナルが閉鎖中のため、いずれも第 2 ターミナルに発着する。 各日とも、那覇線は 2 往復、宮古線は 1 往復運航する。
関空発着の国内線は、13 日まで全便を欠航。 国際線は上海(浦東)線 NH973/974 便を除き、13 日まで欠航する。 関西空港は台風 21 号の影響で、4 日から閉鎖。 7 日から国内線の一部運用を再開し、翌 8 日からは国際線や貨物便も一部再開した。 14 日からは、第 1 ターミナルの暫定運用も始める。 (Yusuke Kohase、AviationWire = 9-11-18)
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関空、国際線も再開 ピーチは 9 割まで回復
9 月 7 日から国内線の運航を一部再開した関西空港は、国際線も 8 日から一部再開した。 関空を拠点とするピーチ・アビエーション (APJ/MM) は、国内・国際線ともに順次再開したことで、9 日からは通常の 9 割程度の便数まで回復した。 8 日から国際線を再開したのはピーチのほか、全日本空輸 (ANA/NH) の関西 - 上海(浦東)線 NH973/974 便。 航空貨物会社フェデックス・エクスプレス (FDX/FX) も、貨物便を同日から再開した。
これにより、8 日は香港とソウル(仁川)、台北(桃園)、上海(浦東)、釜山の国際線 5 路線を再開したピーチが国内線と合わせて 43 便、7 日から羽田線 (JL225/224) を再開した日本航空 (JAL/JL) が国内線 2 便(羽田線 1 往復)、ANA が国際線 2 便(上海線 1 往復)、フェデックスが貨物便 8 便の 4 社合計 55 便の運航となった。
ピーチの関空発着便は、9 日は国内線 40 便と国際線 20 便の計 60 便、10 日は国内線 40 便と国際線 22 便の計 62 便、11 日から 13 日は国内線 44 便と国際線 20 便の計 64 便。 同社によると、9 日以降は通常の 9 割前後の水準だという。 JAL は、羽田線 (JL225/224) を 1 日 1 往復運航。 第 1 ターミナルが閉鎖中のため、第 2 ターミナル発着となる。 また、伊丹発着の国内線臨時便を 8 日は 9 便、9 日と 10 日は 10 便、11 日は 9 便、12 日は 3 便運航する。
ANA は、上海線の運航を 11 日まで決定。 JAL と同じく 2 タミ発着となる。 そのほかの国際線、国内線は全便欠航する。 関空を運営する関西エアポートは、関空の全面再開まで、伊丹に 1 日あたり 40 便、神戸空港に 30 便の計 70 便の振り分けを検討している。 また、第 1 ターミナルは 1 週間以内に南側から再開する見通し。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 9-9-18)
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連絡橋の長期間不通、関空は BCP で想定せず 備え後手
24 時間運用可能な関西空港が、滑走路閉鎖から 1 日以上たっても再開できなくなった。 取り残された利用客らは一夜明けた 5 日朝から順次救出されたが、対応の遅れにいらだちを募らせた。 運営会社の業務継続計画 (BCP) で想定していた災害は地震・津波。台風の備えについて、「甘かった」と認めた。
「(台風を)やり過ごそうと思ったが、高潮にさらわれてしまった。」 関西空港を運営する「関西エアポート(本社・大阪府泉佐野市)」は 5 日夜、西尾裕・専務執行役員が報道陣の取材に応じ、今回の事態についてこう述べた。 非常に強い台風 21 号の接近に、関西の鉄道各社は 3 日から警戒を強めていた。 関空と対岸を結ぶ関空連絡橋の鉄道路線を担う JR 西日本と南海電鉄は、4 日正午をめどに全線を運休すると事前に発表していた。
ただ、航空会社の関係者によると、関空では「夕方には再開できる」との見通しが伝えられていた。 現実には、関空が想定してきた 1961 年の第 2 室戸台風を上回る過去最高の 329 センチの潮位を記録し、第 1 滑走路は冠水した。 連絡橋はタンカーの衝突で激しく損壊し、片側の道路しか走れなくなった。 一方、関西エアポートの関係者によると、この日の職員の出勤は必要最小限でよいとの連絡があり、出社職員は少なめだった。 応援も得られず、取り残された利用客への情報提供は後手に回った。
「最初から最後まで何が起こっているかわからなかった。」 関空で 1 日半以上足止めされた京都市の男性会社員 (33) は憤る。 4 日午前の便でソウルへ向かう予定だった。 「(4 日)夜なら飛ぶ」と航空会社に言われ、便を変更して妻と待ったが、同日午後に滑走路が閉鎖された。 「5 日朝から高速船が出ることも情報提供がなかった。」
関西エアポートの業務継続計画 (BCP) で想定される災害は、南海トラフ地震のような地震・津波。 「津波で浸水する可能性は極めて低い」、「ライフラインは短期間で復旧する」と記され、連絡橋が長期間不通になるような事態は想定されていなかった。 外国人観光客の急増で、今年度の利用客数は 1 日あたり 8 万人を超えるが、食料や水などの備蓄は 1 万人3 日分だった。 ある航空会社の担当者は「危機意識が追いついていなかったのではないか」と指摘する。 (豊平森、山野健太郎、贄川俊、asahi = 9-6-18)
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関空地下通路「腰まで水」 わき出る潮水、下がらぬ水位
台風 21 号が西日本を通過して一夜明けた 5 日、高潮で冠水した関西空港では、暴風雨の傷痕が至る所に残っていた。 第 1 ターミナルビルの地下通路は、5 日午前も浸水したままだった。 4 日夜からポンプ車で吸水作業を続けているが、「ひどいところは、まだ大人の腰辺りまで水がある」と作業員は言う。 滑走路などから流れてきたとみられる潮水がわき出ているといい、「2 時間で数センチしか水面が下がらない」と途方に暮れていた。
ターミナルビルに隣接する関西エアポートのビルでも、外壁のガラスが割れ、屋内のガラス扉も破れて破片が廊下に散乱していた。 地下 1 階の受付の部屋は、10 センチほど水がたまったままだ。 航空機の駐機場から第 1 ターミナルビルに入る 1 階搭乗口も、窓ガラスが割れているところがあり、破片が散らばっていた。 建物の壁面パネルも外れ、配線などがむき出しの状態になっていた。 地面にはパネルのかけらが散らばっていた。 (五十嵐聖士郎、asahi = 9-5-18)
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関空、開港記念日に大混乱 利用客ら 5 千人取り残される
「船が浸水している。 乗組員は機関室に避難する。」 4 日午後 1 時半ごろ、台風の風で流されたタンカー「宝運丸(全長 89 メートル、2,591 トン)」の乗組員から、第 5 管区海上保安本部に連絡が入った。 タンカーは、関西空港と対岸を結ぶ連絡橋に衝突した。 乗組員 11 人にけがはなかったが、タンカーのブリッジが連絡橋にめり込み、橋はひしゃげるようにして壊れた。 橋には連絡道路や鉄道が通っている。 関空と対岸を行き来する「道」は閉ざされた。
関空では台風の接近に伴い、この日正午から滑走路を閉鎖していた。 空からも陸からもアクセスを断たれて孤立した関空を、高潮が襲った。 滑走路の一部や駐機場などが冠水。 午後 2 時過ぎには、第 1 ターミナルに隣接する CIQ 棟にも海水が迫ってきた。 1 階にある大阪税関関西空港税関支署にいた広報担当者は「腰窓のところまで水が来たので焦った。 電気ケーブルなどを高いところに上げた。」 幸い室内は浸水しなかったが、1 階の廊下は水浸しになった。
空港内には、3 千人の利用客が取り残され、職員らも 2 千人いるという状況。 コンビニには食料や飲み物などを買いだめする長い行列ができたという。 旅行で関空に来ていた男子大学生 (19) によると、ベンチは他の客で埋まっているため 4 日は床で寝るという。 「ネットがつながりにくく、アナウンスも少なく、情報がない。 安全に帰りたいです。」 空港を運営する関西エアポートは取り残された人に乾パンや水、毛布などを配布した。 約 1 万人の 3 日分の非常食を備蓄しているという。
偶然にも、4 日は 1994 年に開港した関空の開港記念日。 孤立した空港内で客らの支援にあたる日本航空関西空港支店総務グループの森知康さんはこう語った。 「前例のない事態だ。 飛行機の離着陸がいつから可能になるか、現時点では全くわからない。」 (asahi = 9-5-18)
京都・南座、3 年ぶり再開場 正面玄関では「一番太鼓」
耐震改修工事を終えた京都四條南座(京都市東山区)が 1 日、約 3 年ぶりに再開場した。 この日開幕した歌舞伎公演「吉例顔見世(かおみせ)興行」を見ようと、大勢のファンが訪れた。
午前 10 時の開場前に、正面玄関では「一番太鼓」が披露された。 場内に入った観客は、新しくなったいすの感触を確かめたり、破風(はふ)や折り上げ格天井(ごうてんじょう)などの特徴を残しながらきれいになった内装を見て回ったりした。 午前 10 時半に開演し、歌舞伎十八番の一つ「毛抜(けぬき)」が上演された。 顔見世興行は 25 日まで。 12 月も別の演目で顔見世興行が開かれる。 (向井大輔、asahi = 11-1-18)
鼻長くして待ってた … 叡山電鉄鞍馬線、全線復旧
9 月上旬の台風 21 号による倒木などの影響で運休が続いていた叡山電鉄鞍馬線の貴船口 - 鞍馬間が 27 日、運転を再開し、約 50 日ぶりに全線が復旧した。 鞍馬駅が最寄りの鞍馬寺(京都市左京区)もこの日から本殿へ参拝できるようになり、地域ににぎわいが戻ってきた。 「鼻を長くして待ってたよ。」 鞍馬駅前に設置されている鞍馬天狗像には、この日の運転再開に合わせて喜びの吹き出しが付けられた。 子ども向けのイベントも開催され、大阪市港区の会社員男性 (41) は「1 か月前に来たときには、運休していて残念だった。 今日は来られて良かった。」と笑顔を見せた。
叡電によると、貴船口 - 鞍馬間の 1,2 キロでは、約 120 本の倒木が線路を覆い、電車に送電するケーブルも断線。 電柱も損傷し、約 20 本を立て直したという。 9 月 5 日以降、順次復旧を進めてきたが、山間地となるこの区間は電柱の搬入や基礎工事が難航。 線路に面した斜面の倒木を取り除く作業にも時間がかかり、最後まで運休していた。 叡電の担当者は「無事再開でき、ほっとしている。 これからの紅葉シーズンは叡電で洛北の観光を楽しんでほしい。」と話した。
境内で倒木などが相次ぎ、参拝を中止していた鞍馬寺もこの日、ケーブルカーを利用して本殿へ参拝できるようになり、もみじが色づき始めた境内には参拝者らの姿が戻った。 ただ、ケーブルカーを使わないで登る「九十九折(つづらおり)参道」や、鞍馬寺から貴船へ抜ける「奥の院参道」は今も通行止めが続いており、再開を急いでいる。 同寺の広報担当の曽根祥子さん (70) は「これまでにも寺が災害に遭ったことは何度もあったはず。 どのような山を育むか考えながら長い目で復旧していきたい」と話した。 (吉田雄人、yomiuri = 10-28-18)
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