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「市直営」防カメ、神戸が住宅街に増設へ 首都圏の連続強盗事件受け 首都圏を中心に闇バイトが絡む強盗事件が相次いでいることを受けて、神戸市は郊外の住宅街に防犯カメラを増設することを決めた。 11 月議会に補正予算案を提案する予定という。 久元喜造市長が 25 日の定例会見で明らかにした。 久元市長は会見で、犯罪に加担しないよう呼びかける警察庁の動画に触れ、「国民・市民は漠然と抱く体感不安を抱えている。 自治体としても対応していかなければいかない」と説明した。 市では 2020 年以降、こどもや女性に対する犯罪の予防や解決のため、主要駅周辺や通学路などに「市直営」の防犯カメラを 2,500 台設置してきた。 今後、26 年度までに 2,500 台増設し、すべての駅周辺などに設置を予定している。 久元市長は「連続強盗事件は、これまで設置の対象としていた駅などから離れた閑静な住宅街で起こっている」として、住宅街にも設置を広げていく意向を示した。 台数や場所は今後詰める。 映像は市が管理し、警察から依頼などがあった場合に提出するという。 (原晟也、asahi = 10-27-24) 源氏物語ゆかりの世界遺産も参加 京都非公開文化財特別公開はじまる 秋の京都非公開文化財特別公開(京都古文化保存協会主催、朝日新聞社特別協力)が 26 日、始まった。 世界遺産の上賀茂神社(京都市北区)、下鴨神社(左京区)では国宝の本殿などを間近に見ることができる。 5 月にある葵祭の正式名称は「賀茂祭」。 両神社の例祭で、紫式部の源氏物語や清少納言の枕草子にも登場する。 上賀茂神社では高倉殿(国重要文化財)が公開され、神宝や祭器具を展示する。 下鴨神社では、神に供える食事を調理した大炊殿(おおいどの、重文)や、復元整備された神仏習合の時代の神宮寺の跡なども公開している。 特別公開は京都市内の 17 カ所、京都府北部の 11 カ所で。 12 月 8 日までだが、公開日はそれぞれ異なる。 詳細は 協会のホームページ。 問い合わせは協会 (075・451・3313)。 (清水謙司、asahi = 10-26-24) 兵庫知事選、前尼崎市長の稲村氏が立候補へ 斎藤知事の失職に伴い 兵庫県の斎藤元彦知事 (46) が県議会の不信任決議を受けて失職するのに伴う知事選に、同県尼崎市前市長の稲村和美氏 (51) が無所属で立候補する意向を固めた。 稲村氏が朝日新聞の取材に明らかにした。 近く会見を開いて正式に表明する見通し。 稲村氏を支援する政治団体がすでに立ち上がり、立候補を要請していた。 稲村氏は奈良市出身。 兵庫県議を 2 期務めたあと、2010 年の尼崎市長選に当時の市長の後継として立候補。 38 歳で当時全国最年少の女性市長となり、22 年まで 3 期務めた。 知事選をめぐっては、30 日付で自動失職する斎藤氏が無所属で立候補すると明らかにしている。 また共産党は、無所属で立候補する予定の尼崎医療生協病院長で医師の大沢芳清氏 (61) を推薦することを決定している。 県選挙管理委員会は知事選の日程を 30 日に決める予定で、投開票日は 11 月 10 日または 17 日の日程が有力という。 (asahi = 9-29-24) ◇ ◇ ◇ 兵庫県知事の辞職、4 会派が合同で要求へ 不信任の成立にも迫る規模 兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県議会最大会派の自民党が斎藤氏に辞職要求を行う方針について、第 3 会派の公明党や立憲県議らでつくるひょうご県民連合、共産党も自民と合同で辞職を求める方向で調整に入った。 第 2 会派の維新の会は近く対応を決める方針。 維新も加われば全会派の足並みがそろうことになる。 県議会は定数 86 で、会派所属のほか無所属が 4 人いる。 無所属議員にも自民の方針に加わる動きがある。 無所属議員も参加した場合、維新を除いても数字上は議会で不信任決議案が可決される全体の 4 分の 3 の規模となる。 自民は 6 日に斎藤氏への対応を協議し、「県政を混乱させている」などとして、12 日に斎藤氏に辞職を申し入れる方針を決定。 他会派や無所属議員に賛同を呼びかけている。 斎藤氏が辞職を受け入れなかった場合、9 月定例議会で不信任決議案を提出することも検討している。 こうしたなか、複数の議会関係者によると、県民連合が同調する方針を自民側に伝達。 公明と共産の県議団も応じる方針を固めたという。 一方、維新も不信任決議案の提出や知事への辞職要求などの対応を検討している。 日本維新の会幹部と協議を続けており、早ければこの週末にも対応を決める考え。 議会全体が斎藤氏に辞職を迫る方向で動きを加速させており、斎藤氏を取り巻く状況は極めて厳しくなりそうだ。 (島脇健史、asahi = 9-7-24) ◇ ◇ ◇ 兵庫県知事、カキやカニなど贈答品受け取りか 職員アンケートで指摘 兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は 23 日、県職員を対象としたアンケートの中間報告を公表した。 すでに明らかになっているパワハラ疑惑のほか、県特産のカニやカキなどの贈答品を受け取っていたとの指摘も相次いだ。 知事はこれまで「社会通念上の範囲」などと問題がないとの認識を示している。 中間報告は、約 9,700 人が対象のアンケートのうち約 4,500 件をまとめた。 それによると、贈答品の受領を「実際に知っている」と答えたのは 43 人 (0.93%) で、「知っている人から聞いた」は 160 人 (3.5%)、「人づてに聞いた」は 743 人 (16.3%) で、伝聞も含めると約 2 割が受領について回答した。 「知らない」は 3,622 人(79・3%)だった。 自由記述で、ある職員は「カキ加工所で贈答品を公用車に積むのを目撃した」と記載。 別の職員は、職員がカニの土産を断ったが、「知事が断った職員分も持って帰ったと聞いた」と答えた。 このほか、出張の際の高級旅館での宿泊、スニーカーや革ジャンなどの衣服、淡路島産のタマネギや茶菓子などの特産品の受け取りを指摘する声もあった。 一方、「地元産品をいただき、PR することは他の自治体でもある」などとの意見もあった。 贈答品をめぐっては、元西播磨県民局長が 3 月の内部告発で「おねだり体質」と批判。 知事が県南西部の上郡町からワイン 2 本や丹波市から木製の机や椅子を受け取ったことが明らかになっている。 アンケート公表に先立ち、斎藤知事は 22 日、県産品の受領について報道陣の取材に「あくまで県として受領した。 賞味するものは個人で味わうことはあった」とした上で、「私が知事に就任する前から贈答品はあったと聞いている。 社会通念上の範囲で対応してきたと考えている」と話した。 中間報告によると、内部告発された 7 項目のうち、贈答品も含め 6 項目で「実際に知っている」との回答があった。 「知っている人から聞いた」、「人づてに聞いた」の伝聞も含めるとパワハラについての回答が 38.3% で最も多く、贈答品の 20.7% が続いた。 知事選などでの投票依頼やプロ野球の優勝パレードをめぐる信用金庫からのキックバックなどほか 5 項目は、「聞いた」との回答が多く、伝聞も含め把握していたのは 1 割以下だった。 (asahi = 8-23-24) ◇ ◇ ◇ 元県民局長の懲戒処分は「不適切」 兵庫県市長会、斎藤知事に指摘 兵庫県の内部告発文書をめぐる問題を受け、県内 29 市でつくる県市長会(酒井隆明会長 = 丹波篠山市長)は 23 日、県政の混乱を収拾するように求めるとともに元西播磨県民局長を公益通報者として保護せず、懲戒処分としたことを「不適切」と指摘する要望書を斎藤元彦知事に手渡した。 要望書では、元県民局長への斎藤知事の対応について「十分な調査も尽くさず、懲戒処分したことについて、多くの市長から不適切であるとの指摘があった」としている。 県庁を訪問した酒井会長は斎藤知事に対し、「550 万県民のリーダーがご自分のことに追われ、大切な県政が停滞しているんではないかと大変ご心配をしている」と伝えた。 要望書を受け取った斎藤知事は「ご心配いただいていることについてはおわびを申し上げたい」と陳謝した。 内部告発を巡る問題については「百条委員会で事実関係を明らかにしていきたい」と述べた。 報道陣の取材に対し、酒井会長は「市長会の総意というわけにはいかないが、数多く(意見が)出された。 制度そのものを少しないがしろにしているのではないかという思いがみなさんの中にあった」と説明した。 さらに個人的な見解として「なぜきちんと話を聞いて調査されなかったのか、不思議でならない。 そういった意見は大事にされるべきなのに、されなかったのが不適切だと思う」と述べた。 一連の問題を受け、今月 7 日に県市長会が異例の臨時総会を開き、対応を協議した。 例年行っている政策要望に合わせ、市の今後の施策に影響が出ないよう斎藤知事に求めることで一致していた。 (大久保直樹、谷辺晃子、asahi = 8-23-24) ◇ ◇ ◇ 兵庫知事の内部告発、7 目中 6 項目「目撃・経験」職員アンケートで 兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が実施した県職員へのアンケートの中間報告で、告発された 7 項目中 6 項目で「目撃もしくは経験などで実際に知っている」という回答があったことが、県関係者への取材で分かった。 斎藤知事は告発内容について「核心部分が真実ではない」などと主張している。 アンケートは約 9,700 人が対象で、約 7 割の 6,711 件の回答があった。 中間報告では 5 日までに届いた約 4,500 件の内容をまとめた。 「知事のパワハラ」について「実際に知っている」と答えたのは 59 人。 「実際に知っている人から聞いた」は 466 人いた。 「知事の贈答品受け取り」は 43 人、「前回知事選での県職員の事前選挙活動など」は 17 人、「次回知事選に向けた投票依頼」は 3 人が「実際に知っている」と答えた。 プロ野球の優勝パレードを巡り、県の補助金増額分を信用金庫に寄付金としてキックバックさせたという告発については 3 人が「実際に知っている」と回答。 告発は、県幹部が公益財団法人の理事長に副理事長 2 人の解任を通告し、ストレスをかけたと指摘していた。 この経緯については 4 人が「実際に知っている」と答えた。 知事の政治資金パーティー券の購入で商工会議所などに圧力をかけたとされる告発については「実際に知っている」との回答はなく、「知っている人から聞いた」が 24 人いた。 中間報告は 23 日の百条委に諮ったうえで、公表する予定。 30 日には斎藤知事本人に対する尋問を予定している。 アンケートは 7 項目について「目撃(経験)などにより実際に知っている」、「実際に知っている人から聞いた」、「人づてに聞いた」、「知らない」から選び、その内容を記入する形式だった。 (asahi = 8-20-24) ◇ ◇ ◇ パワハラ疑惑の兵庫知事「仕事するのが責任」 自民県連は辞職要求 兵庫県の斎藤元彦知事が県職員へのパワーハラスメントを含む七つの疑惑を内部文書で告発された問題に絡み、斎藤知事は 15 日午後、大阪市内で報道陣の取材に応じ、「あえて一言だけ言わせていただくと、一日一日と仕事をしっかりやっていくのが私の責任だと思っている」と語った。 斎藤知事が初当選した 2021 年の知事選で日本維新の会とともに推薦した自民党からは、辞職を求める声が公然と出始めている。 斎藤知事は関西国際、大阪(伊丹)、神戸の 3 空港の役割を官民で話し合う「関西 3 空港懇談会」の会合に出席後、報道陣の取材に短時間答えた。 一連の問題を巡っては、告発文を作成した元県西播磨県民局長の男性 (60) が急死したほか、知事の最側近だったナンバー 2 の片山安孝副知事が、県政が混乱する責任を取って辞職する事態に発展している。 元局長は自殺とみられる。 また、自民党県連会長の末松信介・元文部科学相は 14 日に開かれた県連大会のあいさつで、「県職員の意欲がこれ以上崩壊することは許されないし、県民へのサービス提供が滞ることはあってはならない。 知事には大きな正しい決断をしてほしい。」と指摘。 斎藤知事に事実上、辞職を「要求」した。 (中村宰和、mainichi = 7-15-24) 法隆寺も拝観料を値上げへ、高校生以上 2,000 円に 物価上昇などで 奈良県斑鳩町にある世界遺産の法隆寺は 11 日、拝観料を来年 3 月 1 日から値上げすると発表した。 「昨今の物価、人件費の上昇の中、文化財の保存修理や設備改修を進めるため」としている。 値上げは 2015 年 1 月以来となる。 西院伽藍(がらん)、大宝蔵院、東院伽藍の拝観料を現在の「中学生以上 1,500 円」から「高校生以上 2 千円、中学生 1,700 円」に変え、小学生は 750 円から 1 千円に上げる。 団体料金(30 人以上)も値上げする。 同町にある同じ聖徳宗で世界遺産の法起寺(ほうきじ)も、拝観料を「中学生以上 300 円」から「高校生以上 500 円、中学生 400 円」にし、小学生を 200 円から 300 円に上げる。 奈良市の興福寺も 4 日に物価高騰などを理由に、来年 4 月からの拝観料の値上げを発表した。 (今井邦彦、asahi = 9-11-24) 関西、神戸 2 空港 来春にも発着枠拡大 地元が新飛行経路に合意へ 関西空港の発着枠が、いまの 1 時間あたり最大 45 回から、最大 60 回に増える。 神戸空港も 1 日あたり最大 80 回が最大 120 回となる。 発着枠の拡大に必要な新しい飛行経路の導入に、地元団体が 15 日、地元への配慮を前提とした合意を表明する。 来春にも運用が始まる見込みだ。 これにより関空、神戸ともに国内線の増便に応じやすくなる。 来年の大阪・関西万博で見込まれる関西への航空需要の増加も取り込む狙いだ。 関空、大阪(伊丹)、神戸の 3 空港が集中する関西では、行政や経済団体が 2003 年に設けた「関西 3 空港懇談会(座長 = 松本正義・関西経済連合会会長)」が運用のあり方を決めてきた。 その懇談会が関空、神戸の発着枠を増やす方針を決めたのは 22 年。 外国人訪日客の急増を背景に「30 年前後をめどに 3 空港全体で年 50 万回」をめざすとした。 同時に、神戸空港での万博期間中の国際チャーター便の就航や、将来の 1 日最大 40 回の国際便の発着にも合意。 これら全体を実現するため、国土交通省に飛行経路の見直しを求めた。 国交省は 23 年 6 月、淡路島(兵庫県)上空などで、これまでよりも低い高さを飛ぶ新ルートを提示。 これに対して地元側からは、新ルートの運用は午前 6 時 - 午後 11 時に限るといった要望が出ていた。 国交省が応じる姿勢をみせたことで地元側も理解を示し、今回の最終合意につながった。 運用開始後に予想される騒音などの環境影響については、近畿 6 府県や 3 空港を運営する関西エアポートなどで、騒音測定地点の増設といった新たな監視体制を整えて対応するとした。 日本の空港の発着回数はコロナ前の 19 年で羽田が約 46 万回と最多で、成田が約 26 万回で続く。 関空は約 21 万回、伊丹と神戸を合わせた 3 空港では約 38 万回だった。 コロナ禍で一時急減したが、3 空港の発着回数は 24 年 5 月には、19 年 5 月の 95% まで回復している。 (西村宏治、諏訪和仁、asahi = 7-14-24) 近畿の倒産、過去最長の 21 カ月連続で増加 コロナ前より多い水準に 帝国データバンク大阪支社は 5 日、近畿 2 府 4 県の 6 月の倒産件数が前年同月より増え、比較可能な 2000 年以降で最長となる 21 カ月連続で、前年同月を上回ったと発表した。 1 - 6 月の倒産件数は前年同期より約 27% 増の 1,238 件だった。 コロナ関連の支援策の縮小や、物価高、人手不足などが響いている。 倒産件数はコロナ禍前(19 年 1 - 6 月に 1,015 件)より多い水準になっている。 また、東京商工リサーチ関西支社も同日、倒産件数について発表。 飲食業界の倒産が目立ち、24 年 1 - 6 月は 180 件と、リーマン・ショックの影響のあった 09 年同期の 178 件を上回った。 2000 年以降では過去最多だった。 関西支社の山本浩司・情報部部長は、「円安で食材が値上がりし、有効求人倍率が高くて人は来ず、人件費の負担も重い。 一方で、2009 年と定食代はそんなに変わらない。 経営者からすればものすごくコストが上がっている状況だ。」と話す。 今後も新紙幣対応の券売機に買い替えるなどの負担増で、倒産が増えると考えられるという。 業種別では、節約志向の高まりからエステやマッサージ店、燃料の高騰やドライバー不足から建設業や運輸業で、倒産増が懸念されるとした。 (渡辺七海、asahi = 7-5-24) ミャクミャクジェット、国際線にも 日本と世界の絆を「脈々」と ![]() 大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」をあしらった機体を、日本航空が国内線に続いて国際線にも導入した。 来年 8 月ごろまで、主にアジアと日本を結ぶ路線を飛び、万博を海外に PR する。 関西空港には 18 日に初めて飛来し、台湾との間を往復した。 今年は日本航空が国際線に就航して 70 年。 この機体で海外から関西に来てもらい、「日本と世界の絆を『脈々』と紡いでいきたい」と担当者。 (asahi = 6-19-24) -------------------------------- 北陸新幹線の大阪延伸「米原ルートはなし」 北陸新幹線の敦賀(福井県) - 新大阪の延伸について、与党の整備委員会(委員長・西田昌司参院議員)は 18 日、現行の「小浜・京都ルート」で計画を進めることを確認した。 工費や工期が少なくて済むとされる「米原ルート」への変更を求める声が上がる中、変更には応じない姿勢を示した。 次回委員会で着工に向けたスケジュールや小浜ルートの詳細な経路、駅位置を示すよう、国土交通省と鉄道・運輸機構に求めたという。 西田氏は取材に「2025 年度末までに着工を目指す」と述べた。 敦賀から新大阪を結ぶルートを巡っては、与党が 16 年、複数の案の中から小浜・京都ルートに決めた。 福井県小浜市付近を通り、琵琶湖の西側を回って京都に南下する。 ただ、このルートには国定公園に指定された地域もあり、工事による環境破壊を懸念する一部地域が環境影響評価を拒むなどして、当初予定していた 23 年度の着工は見送られた。 今も着工のめどは立っていない。 国が 16 年に示した事業費の概算は 2 兆 1 千億円だが、資機材や人件費の高騰で大幅に膨らむ可能性もある。 候補の一つだった琵琶湖の東側を回る米原ルートは、東海道新幹線への乗り換えが必要で、利便性や費用対効果が悪いとして選ばれなかった。 一方、小浜・京都ルートと比べて建設費が安く、工期が短いとされる。 大阪への早期延伸につながるとして、石川県の一部首長や日本維新の会の国会議員らから、米原ルートの「再考」を求める声が出ていた。 西田氏は米原ルートについて「工費が安く工期が短いというのはその通りだと思う」とした一方、「(乗客の)速達性が確保されないばかりか、特急料金が加算されて全く合理性がない」と話した。 委員会では米原ルートを求める声はなかったという。 (中村建太、asahi = 6-18-24) 京都・二条城の本丸御殿 9 月から 17 年ぶり公開へ 通年公開は初 京都市は 9 月 1 日から、世界遺産・二条城の本丸御殿(国重要文化財)の一般公開を再開する。 阪神淡路大震災の影響で耐震不足が指摘され、2007 年に公開を停止して以降、17 年ぶりとなる。 松井孝治市長が 17 日の定例会見で発表した。 二条城は 1603 年に徳川家康がつくった。 本丸御殿は徳川家光によって 1626 年に建てられたが、1788 年に火災で焼失。 幕末に徳川慶喜が仮御殿を建てたが、取り壊された。 1884 年から天皇家の別荘・離宮として利用されるようになり、現在の本丸御殿は、47 年に造られた旧桂宮御殿を、94 年に京都御所(上京区)から移築したもの。 大正天皇、昭和天皇が宿泊所として利用した。 1939 年から市が管理し、本丸御殿や二の丸御殿を公開してきた。 江戸時代の宮家の御殿で、現存しているものとしては最大規模になるという。 宮家にふさわしい格式ある建物で、畳を上げると能舞台に変わる部屋もある。 内部には狩野派や円山派などの江戸時代に活躍した流派の障壁画が現存している。 本丸御殿は 2006 年度まで年 2 回の公開だったが、阪神淡路大震災で構造にゆがみが生じていることがわかり、公開をやめた。 市は 17 年度から 15 億 6 千万円をかけて耐震補強や障壁画の修理に取りかかり、今年 3 月に工事を終えた。 通年での公開は初めてという。 ゆったりと見てもらうため、観覧は予約制。 入室は 15 人程度ごとで、少人数での見学になるという。 入場料(一般 800 円、中高生 400 円、小学生 300 円)とは別に観覧料(一般 1 千円、中高生 300 円、小学生 200円)が必要。 チケットの販売は 8 月 2 日から二条城のホームページで受け付ける予定。 一般公開に先立ち、京都市民を対象に内覧会を実施する。 期間は 8 月 8 - 22 日の 15 日間で、定員は計 4,050 人。 無料。 はがきや専用フォームなどから申し込む。 松井市長は「本丸御殿は皇室の別邸であった歴史を背景に持つ、優美で繊細な宮家住宅。 観覧できるようになったことで、これまでよりも広く二条城の魅力を感じていただけるのではないか」と話した。 (武井風花、asahi = 6-17-24) 万博会場メタンガス爆発、消防連絡は 4 時間半後 高濃度一酸化炭素も 2025 年大阪・関西万博会場(大阪市此花区)の工事現場で 3 月、メタンガスが原因とみられる爆発火災があり、施工業者から市消防局への連絡が、発生から約 4 時間半後だったことがわかった。 市への情報公開請求で開示された消防記録から明らかになった。 消防法は、@ 火災を発見した人は遅滞なく通報しなければならず、A 全ての人は通報が最も早く届くよう協力しなければならない、と定めている。 日本国際博覧会協会(万博協会)は「施工業者は被害を拡大させない措置をとるなど、対応に問題はなかった」としている。 国会でも「危険性」指摘 市消防局や万博協会によると、爆発は 3 月 28 日午前 10 時 55 分ごろ、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)にある会場西側の「グリーンワールド (GW) 工区」で建設中のトイレ棟(平屋建て約 500 平方メートル)で発生した。 大きな音とともにコンクリート製の床がめくれ上がり、修復が必要と判断される破損箇所が、天井の一部を含めて約 100 平方メートルの範囲で確認された。 建物の焼損はなかったとされる。 屋内では当時 4 人が溶接などの作業をしていたが、けが人はいなかったという。 市消防局は、溶接作業で出た火花が、配管を通すための床下空間にたまった可燃性のメタンガスに引火した可能性が高いとみて、6 月にも調査結果をまとめる方向で調べている。 イベント広場などが整備される予定の GW 工区一帯は、廃棄物で埋め立てられた土地で、地中からメタンガスなどが発生している。 万博会場のメタンガスをめぐっては、昨年 11 月の参院予算委員会で質疑が交わされるなど危険性が指摘されていた。 火災科学の専門家は … 以降の記事では、大阪市が開示した消防記録の内容や、ガス爆発に詳しい桑名一徳・東京理科大学教授の見解をお伝えします。 現場一帯はもともと可燃性のメタンガスが発生しており、児童生徒の招待事業をめぐっても、リスクを指摘する声があがっています。 市が開示した消防記録によると、GW 工区の整備を担う鹿島・飛島建設共同企業体 (JV) の鹿島社員が爆発について地元消防署に連絡したのは、発生から約 4 時間半後の午後 3 時半だった。 連絡先は 119 番通報などに対応する指令情報センターではなく、会場建設の消防設備などに関する相談・届け出窓口だった。 爆発の情報は、火災や災害などの対応を担う部署や幹部に共有され、消防署員が現場に到着したのは午後 4 時 20 分ごろ。 その後、午後 7 時ごろまで調査が続いた。 万博協会と鹿島によると、JV の担当者は爆発後、現場への立ち入りを禁じ、協会職員に連絡。 現場に着いた職員と被害を確認し、労働基準監督署に連絡したという。 消防への連絡が約 4 時間半後になったことについて、鹿島広報室は「建物などに焼損はなく、負傷者もいなかったことから、連絡の要否を確認するまでに時間を要した」などと説明した。 万博協会広報報道課は「JV の対応は正しく、適切だった」との認識を示した。 許容濃度 8 倍の一酸化炭素も 万博協会は爆発について、発生翌日の 3月 29 日にホームページで「事故」として公表した。 4 月 19 日には、溶接作業の際に床下のガス濃度を測定していなかったことを推定原因とする見解や再発防止策を明らかにした。 この間、GW 工区では火気を伴う作業が停止されたが、4 月 22 日以降に再開されている。 消防記録からは他に、床下の空気中の一酸化炭素 (CO) 濃度が 400PPM を検知し、日本産業衛生学会が定める許容濃度の 8 倍だったことも判明。 400PPM の状態では 1 - 2 時間で頭痛や吐き気をもよおす恐れがあるが、体調不良を訴えた人はいなかったとされる。 ガス爆発に詳しい東京理科大学の桑名一徳教授(火災科学)は、消防への連絡が爆発の 4 時間半後だったことについて「ガスがさらに漏れ出し、状況が悪化したり、次の爆発を引き起こしたりする恐れがあった。 消防に速やかに通報し、対応策を相談すべきだった」と指摘した。 万博協会によると、今回は溶接作業前にガス濃度を測定せず、手順書にも規定されていなかった。 桑名教授は「可燃性のガスが発生する場所と認識しているならば、火気を伴う作業前の濃度測定は最低限必要だった」と考える。 ガスは、発生しても屋外では空気で薄まるが、屋内ではたまりやすく、引火や爆発の可能性が高まるという。 「今後も、閉じられた空間にガスが移動してこないよう、危険性を下げる対策を講じる必要がある」と桑名教授は話した。(岡野翔、甲斐江里子) 「子どもたちの安全は?」 招待事業めぐり不安の声 大阪・関西万博の会場となる夢洲は、ごみの焼却灰や川底の掘削で生じた浚渫(しゅんせつ)土砂などで埋め立てられた人工島で、島の一部の地中からはメタンガスなどが発生している。 爆発があった「グリーンワールド (GW)」工区には廃棄物が埋められていることからガスが発生しており、爆発以前から万博に出店する飲食店での「裸火」の使用を禁止している。 日本国際博覧会協会(万博協会)によると、メタンガスは軽く、上空へ抜けていくため、滞留する場所がなければ爆発は起きないという。 ただ、ガス自体は「10 年、20 年単位で出続けるとみられる」としている。 爆発の危険性は以前から問題視されていた。 昨年 11 月の参院予算委員会では、野党側から「現場でメタンガスが出ている、火がついたら爆発する」と指摘された。 これに対し、自見英子万博担当相は「大阪市が配管施設を設置し、ガスを大気放散していると聞いている。 万博の開催時に危険はないと考えている」と述べていた。 爆発を受け、万博協会は施工業者が定めた手順書のガス濃度の測定範囲に甘さがあったと認め、今後は測定範囲を広げて換気も徹底するという。 また、GW 工区内には屋外イベント広場もあるため、イベントの安全を担保するための対策を今後改めて示す考えだ。 教職員組合の要望書に教委は … しかし、安全面への懸念は収まっていない。 大阪府は府内の児童生徒ら約 88 万人を無料で万博に招待する事業を進めているが、府立高等学校教職員組合によると、爆発を受けて教員から「子どもたちの安全は大丈夫なのか」、「もし何かあったら学校の責任が問われるのか」などの声が寄せられているという。 同組合は他の教職員組合 2 団体と 4 月 18 日、爆発の調査と安全性の確認を求め、府と府教育委員会に要望書を提出した。 府教委は各校に対し、参加の意思や来場日時、人数、交通手段などを 5 月末までに回答するよう呼びかけているが、安全性が確認できるまでは調査をしないよう申し入れた。 これに対し府教委は 5 月 15 日、「(爆発の原因と再発対策は)万博公式ウェブサイトに掲載されている」、「今後必要な情報を迅速にかつ適切に情報提供する」などと書面で回答した。 組合側は更なる対応を求めるため、要望書の提出を検討している。 (箱谷真司、丘文奈、asahi = 5-19-24) JR 西、大阪環状線内で 10 - 30 円値上げへ 郊外では値下げも JR 西日本は 15 日、2025 年 4 月からの運賃体系の改定を国土交通省に申請したと発表した。 大阪環状線内の割安な運賃体系を廃止して値上げする一方で、京阪神地域の「電車特定区間」の範囲を拡大し、地域内は統一の運賃体系にする。 環状線内は 10 - 30 円の値上げになり、新たに特定区間に入る地域では大半で値下げになる。 同社の運賃体系の見直しは、1987 年の民営化後初めて。 現行の電車特定区間の運賃は 86 年に設定され、西端が西明石(兵庫県明石市)、北東端は京都(京都市)だった。 その後に京阪神の都市圏が拡大したことを受けて、対象地域を網干(兵庫県姫路市)や野洲(滋賀県野洲市)などまで広げる。 逆に割安だった環状線内の運賃体系は廃止し、負担の平準化をはかる。 改定により、大阪環状線内は値上げ、その他の現行の電車特定区間内は値上げもしくは据え置きとなる。 たとえば大阪 - 天満は 140 円から 150 円に上がる。 新たに電車特定区間となった地域では据え置きか値下げとなり、たとえば京都 - 野洲では 510 円から 490 円に下がる。 JR 西は大阪 - 京都、大阪 - 神戸といった私鉄と競合する区間は、特別に割安な運賃を設定している。 こうした区間の運賃は基本的に変更しないとしている。 (西村宏治、asahi = 5-15-24) 中之島延伸 2030 年 IR 開業時「間に合わない」 京阪 HD 京阪ホールディングス (HD) の松下靖常務は 10 日、2030 年秋に大阪・夢洲で開業予定の統合型リゾート (IR) にからみ、検討していた京阪電気鉄道中之島線(天満橋 - 中之島)の延伸について、「IR 開業時に間に合わない」との認識を明らかにした。 計画は京阪本線から分かれる中之島線を大阪メトロ中央線九条駅まで約2キロ延伸するもの。 夢洲に乗り入れる予定の中央線に接続することで中之島線の利用増などをもくろむ。 23 年 7 月から加藤好文会長の直轄組織を立ち上げ、採算性などを議論してきた。 もともと「開業に間に合わせるには 23 年度中に結論を出す必要がある」としていたが、IR 事業者が違約金なしで建設に向けた協定を解除できる期限が 26 年9月まで延びたことや、足元の物価高騰などを背景に、23年度内に延伸するかどうかを判断できなかった。 松下氏は「まだ結論を出していないが、引き続き検討は進める」と話した。 京阪 HD が同日発表した 24 年 3 月期決算は、最終的なもうけにあたる純利益が前年比 41.2% 増の 248 億円で、過去最高となった。 コロナ禍後の訪日外国人客数の増加やマンション販売の増加で、レジャーや不動産の部門が好調だった。 (松田史朗、asahi = 5-10-24) 「これほどとは…」公立高で 70 校の定員割れ 激震の大阪府教育庁、私学無償化策の波紋 大阪府で 4 月から高校授業料が段階的に無償化される影響を受け、受験生の公立離れが加速している。 大阪府内では今年、私立高を第 1 志望とする専願者は 31.64% となり、過去 20 年で初めて 3 割を超えた。 一方、公立高志願者は現行の入試制度が始まった平成 28 年度以降最少となり、府内公立高の半数近い 70 校が定員割れとなる事態に。 大阪の教育界は無償化ショックの波紋が広がっている。 大阪府の授業料無償化は府内のすべての生徒が対象。 家庭の収入に左右されることなく進路選択がしやすいとあって、生徒や保護者からは歓迎の声があがっている。 ただ、私立人気の高まりの半面、公立は一気に不人気に。 今年の公立高の一般選抜志願者数は全日制課程で 3 万 6,379 人で、昨年から 2,375 人減少した。 府内公立高校の一般選抜の平均倍率は 1.05 倍(昨年 1.13 倍)。 倍率が一番高かった豊中高校で 1.57 倍だったが、最も少ない生野工業の倍率は 0.35 倍にとどまった。 大阪府では公立高の統廃合をめぐって条例で定められた独自のルールがあり、定員割れが 3 年連続で続き、改善の見込みがないと判断されると統廃合の検討対象となる。 夜間の定時制と通信制をのぞく府内公立高 145 校のうち半数近い 70 校が定員割れしており、今年のような状況が続けば、大阪の公立高は今後、大きく数を減らす可能性があるという。 実際、平成 26 年度から令和 5 年度までに 18 校の統廃合が決定している。 こうした状況に危機感を募らせているのは、府教育庁だ。 府教育庁の担当者は 3 月 6 日に発表された公立高校一般選抜の志願者数には「庁内に激震が走った」と振り返る。 「私立人気が高まることは予想されていたが、まさかこれほどまでとは…」というのだ。 3 月下旬に開かれた大阪府学校教育審議会では、府の橋本正司教育長は府立高入試の現状について「生徒のさまざまなニーズに応えられるよう選抜の日程を考えていく必要がある」と発言した。 大阪の私学入試は 2 月上旬、公立入試は 3 月上旬というスケジュール。 「早めに進路を決めたい」というニーズで私学を選ぶ生徒もおり、試験日程を早めたほうがよいのではないか、という意見があるという。 府教育庁の担当者ら関係者の間でも「現行制度の入試では需要に応えられない」という声が噴出しているといい、今後、学教審の場などを通じて公立高入試の日程変更のほか、広報戦略などについて議論を進めていくという。 こうした私学人気の高まりについて、大阪府の吉村洋文知事は「いままで経済的な事情で私学を選択できなかったこどもたちが選択できるようになった結果」と指摘。 「公立高校も切磋琢磨しながら教育の質を高めることに取り組んでもらいたい」と話している。(木ノ下めぐみ) ☆ 私立に偏りは不健全 小入羽秀敬・帝京大准教授(教育行政学)の話 : 大阪府の高校授業料無償化は全国で無償化議論をより進めるきっかけになった。 自治体間の格差など議論すべき点は多いが、国や自治体が協議し解消に向けて動ければ、よりよい制度になるだろう。 ただ、公私で授業料の差が無ければ、設備面などで私立が有利になりがちだ。 大阪府では定員割れの 3 年ルールがある。 これを厳密に運用すれば、今後公立は大きく数を減らす可能性がある。 教育の空白地帯を作らないセーフティネットとしての公立の役割も見過ごせない。 授業料は無償でも、私立は他にも費用がかかる。 公立が無くなれば、経済的事情で公立を選ぼうにも自宅の近くに公立がないという事態が起こるのは良くない。 大阪府内の高校が私立に偏ってしまう状況になるのは健全とはいえないだろう。 公私が切磋琢磨できる状態をつくるには、公立に対しても行政による手厚い予算措置が必要になる。 ◆ 大阪府の高校無償化 : 従来の制度で設けられていた世帯収入の上限を撤廃。 府民すべてを対象に私立高の年間授業料を最大 63 万円まで公費で賄い、超過分を学校が負担する。 無償化が適用されるのは、制度に参加することを表明した学校は通信制や専修学校なども含め、府内 132 校、府外は和歌山や兵庫など 25 校の学校で適用される。 府外の生徒が府内に通学する場合は適用されない。 令和 6 年度から段階的に対象となる学年を広げ、8年度にはすべての学年で適用される予定。 (sankei = 3-30-24) 若冲として 2 例目の絵巻、新たに見つかる 「まさかこんな作品が」 ![]() 江戸時代の絵師で、「奇想の画家」として知られる伊藤若冲 (1716 - 1800) の絵巻が新たに見つかった。 購入した福田美術館(京都市右京区)が 5 日、発表した。 絵巻は縦 30.5 センチ、横 277.5 センチで、約 40 種類の野菜や果物が淡い色彩で描かれている。 署名に年齢があり、若冲が数えで 76 歳の 1791 年に描いたものだという。 これまで存在は知られておらず、オークション会社を経て、欧州の個人から、福田美術館が昨年 8 月に購入した。 署名や印から真筆と判断し、「果蔬(かそ)図巻」と名付けた。 同館は 19 年に関西の個人宅に伝来していた初期作の「蕪(かぶ)に双鶏図」も購入している。 同館の岡田秀之学芸課長は「若冲の絵巻としては 2 例目で、70 代の絹本着色の作品も数が少ない。 まさかこんな作品があるとは。」と話す。 京都の青物問屋の家に生まれた若冲には、得意とした花鳥画のほか、野菜を描いた作品も多い。 ![]() 釈迦入滅の様子を野菜で表した水墨画の「果蔬涅槃図(ねはんず、京都国立博物館蔵)」や、「果蔬図巻」の翌年に約 160 種類の青果物や生き物を描いた絵巻「菜蟲譜(さいちゅうふ、佐野市立吉澤記念美術館蔵)」は重要文化財に指定されている。 若冲研究の第一人者である美術史家の辻惟雄・東京大学名誉教授は「まがいもなく若冲作だ。 水彩画風の早いタッチで、形も自由に崩して伸びやかに描かれている。 菜蟲譜との関係を調べていく上でも面白いものが出てきた。」と評した。 福田美術館は「果蔬図巻」を 10 月に開幕する若冲展で公開する予定だ。 (西田健作、asahi = 3-5-24) 梅の花の下、芸舞妓が振る舞う抹茶に舌鼓 京都・北野天満宮で梅花祭 梅の名所・北野天満宮(京都市上京区)で 25 日、祭神・菅原道真の遺徳をしのぶ「梅花祭(ばいかさい)」が行われた。 小雨で梅の花がしっとりとぬれるなか、紅梅殿前では、花街の芸舞妓(げいまいこ)らが奉仕する「野点大茶湯(のだておおちゃゆ)」があった。 梅を愛した道真は旧暦の延喜 3 (903) 年 2 月 25 日に亡くなり、北野天満宮では毎年この日に梅花祭を開いている。 茶会は豊臣秀吉がこの地で催した「北野大茶湯」にちなんで開かれ、同天満宮とゆかりが深い花街・上七軒の芸舞妓が抹茶を点(た)てて参拝者をもてなした。 境内には 50 種 1,500 本の梅の木があり、既に見ごろを迎えている。 (西田健作、asahi = 2-25-24) |