新型肺炎、中国市場ダブルショック 再開、上海株一時 8.7% 下げ・1 ドル 7 元台

中国の春節連休が明けた 3 日、中国の金融市場が 11 日ぶりに再開し、新型コロナウイルスによる肺炎の流行が経済に悪影響を及ぼすとの懸念から株が大幅安になった。 東京などアジアの市場も軒並み、値を下げている。 上海株式市場の代表的指数である上海総合指数は、前営業日 1 月 23 日の終値を 8.7% 下回る 2,716.7 で取引が始まった。 深セン株式市場の代表的指数も 9.1% 下げて取引が始まった。

両市場では新型肺炎の流行を受けて運輸、半導体、娯楽・サービス業や建設関連が下落。 一方で、ウイルス予防関連、ネットを通じた教育や仕事、オンラインゲームに関連する銘柄が買われている。 上海外国為替市場では、人民元の取引の基準となるこの日の米ドルに対する中間値は、1 月 23 日から 0.54% 元安の 1 ドル = 6.9249 元に設定された。 午前 10 時過ぎには、約 1 カ月ぶりに 1 ドル = 7 元台に乗せる元安水準になった。

北京市や上海市、広東省など経済の主要拠点では軒並み 9 日まで企業の操業を停止しているが、金融市場については 3 日に再開した。 感染が広がる危機の中であえて市場再開に踏み切った背景について、共産党機関紙の人民日報は 2 日、「市場ルールの尊重と、困難に打ち勝つ自信を表明している」という証券監督当局の見方を報じた。 一方、中央銀行の中国人民銀行は 3 日、金融市場に 1 兆 2 千億元(約 18 兆 7 千億円)を供給する。 株安や元安を緩和する狙いがあるとみられる。

3 日の東京株式市場は、日経平均株価が 330 円安で取引開始。 下げ幅は一時 400 円を超えたが、上海市場の取引開始とともに値を戻し始めた。 午後 1 時時点では前週末 1 月 31 日の終値より 244 円 93 銭安い 2 万 2,960 円 25 銭。 大和証券の壁谷洋和氏は「中国の下げ幅が想定内だった」とみている。 台湾加権指数、韓国総合指数などアジアの主要市場の指数も下落している。 世界的な景気減速の懸念から比較的安全とされる円が買われた。 東京外国為替市場では午後 1 時時点で 1 ドル = 108 円 54 - 55 銭と、31 日午後 5 時時点より 49 銭の円高ドル安。 (福田直之 = 北京、吉田拓史)

上海、閑散 映画館・レストランなど休業

中国の経済活動の中心都市、上海の街角から人が消えている。 人口約 2,400 万人の巨大都市は、感染が拡大する新型コロナウイルスによる肺炎を前に、息を潜めたように静まりかえっている。 3 日朝、上海市中心部の目抜き通り・淮海路は、車がほとんど通らず、歩道を行く人もまばらだった。 時折走る公共バスも、乗客は数えるほどしかいない。 多くの高級ブランドが店を構え、普段は車が渋滞し、買い物袋を手にした人たちでにぎわう大通りは、異様な静寂に包まれていた。

上海市内では 2 日までに 193 人の感染が確認され、うち 1 人が死亡、173 人が感染の疑いがあるとして検査を受けている。 上海市政府は人の移動を抑えるため、生活必需品分野を除く市内の企業に、「春節」の大型連休明けの営業再開を 10 日以降に延期するよう通達を出した。 市内の住宅地では、自治会が住民に「外出は極力控えるように」との通知を出すケースが相次ぎ、上海ディズニーランドや映画館、カラオケ店も軒並み休業に。観光名所・外灘周辺のレストランやバーも閉店している。

上海市の団地に暮らす男性 (62) は「家でひまわりのタネを食べて、テレビをみるしかない。 こんな退屈な春節は初めてだった。」 上海市には多くの日系企業が進出し、日本人約 4 万人が暮らす。 上海日本人学校は大型連休明けの授業再開を当初の 3 日から 17 日に延期した。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 2-3-20)


ついに中国に訪れた「バブル経済清算」のとき、一体何が起きるのか 荒療治は避けられない

12 月 13 日、米中貿易問題で「フェーズワン・ディール」成立が発表された。 興味深いことに、発表直後は米中双方から「我が方の負けだ」という不満、失望の声が挙がった。 米国では産業政策や国有企業問題に切り込めなかったことを不満に思い、中国では 9 月から課せられた第 4 弾の関税引き上げ措置の半分以上が撤回されずに残ったことを不満に思ったからだろう。 双方から「我が方の負けだ」という声が挙がるのは「良い引き分け」である証拠かもしれない。 視点を変えれば、この貿易戦争を全面エスカレートさせることは、米中どちらにとっても「害あって益なし」が明白だった。 おかげで予測不能なトランプの絡む国際問題としては例外的なほど、落ちつくべきところに落ちついた。

フェーズワン・ディールまでを振り返る

米国について見てみよう。 トランプは選挙民の反応と株式指標だけを見て貿易戦争をやっている … それがことのほかあからさまだったのが昨年夏だ。 トランプは 6 月末に G20 大阪会合で習近平と首脳会談を開いて、いったんは中断していた貿易交渉を再開することを合意し合ったのに、わずか 1 ヵ月後の 8 月 1 日には第四弾の全面関税引き上げを表明した。

トランプが再び対中強硬姿勢に転じた訳については、2 つの推測が成り立つ。 1 つは、大阪の首脳会談が支持者に不評だった。 もう 1 つは、7 月末に FRB を屈服させて利下げを呑ませたことで株価維持に自信がついたことだ。 8 月 1 日の全面関税引き上げ発表には関係閣僚全員、すなわちライトハイザー、ムニューシン、カドロー、ポンペオ、ボルトンが反対し、賛成したのはナヴァロだけだったそうだ。

「もはやイエスマンしか残っていない」と評されるトランプ政権にあって、全員反対とは珍しい。 経済界などからの諫止の声がよほど強かったのだろうと推察する。 ところが、トランプは 1 ヵ月後には「中国との中間合意」を考えると言い出した。 全面関税引き上げに反対したライトハイザーやムニューシンが中国に「部分合意」案を打診し始めたというニュースの後でだ。 本気で第 4 弾を実行する覚悟は最初からなかったのだろう。 ここにも全面エスカレートに対する経済界からの反対が牽制材料として利いていたフシがある。

得る物が乏しかった米国

先週の「フェーズワン・ディール」で米国が「獲得」した譲歩は、「農産物など米国産品の輸入拡大(ショッピング)以外は見るべきものがない」という評価が専らだ。 たしかに、「ショッピング」以外で掲げられた知財権保護、外資企業の待遇改善、市場開放などの措置は、強制されるまでもなく中国自身がやろうと考え、既に法改正や市場開放措置などで実行に移されているものが多い。

昨年 5 月、9 割方まとまっていた交渉を中国が引っ繰り返す「中国卓袱台返し」事件が起きた。 そのときは「150 ページに及ぶ合意文書案が 100 ページ前後にまで削除、後退させられた」と報じられたが、先週トランプと劉鶴の間で調印された合意文書はさらに短い 86 ページしかない。 5 月以来大騒ぎをした挙げ句出てきた中身に新味がないことを象徴するエピソードではないか。

途中(2008 年 11 月から 2019 年 3 月までの貿易休戦期)、中国が産業政策や国有企業問題にまで踏み込もうかと考えたいっときはあったように思える(削除された 50 ページ分の中には、それが入っていたはず)。 しかし、貿易戦争の傍ら、超党派の対中強硬派が中心となって進めたハイテク冷戦(ファーウェイ・ボイコットなど)問題が深刻化するのを見て、中国は「そこまでの譲歩は無意味だし、できない」と考えたというのが筆者の見立てだ。

中国も得る物が乏しかった

「フェーズワン・ディール」で大した成果を挙げられなかったのは中国も同じだ。 中国は 6 月の大阪首脳会談で「今後は関税の脅しをかけない」約束を取り付けた(中国はそう受け取り、それゆえ首脳会談に応じた)のに、トランプはわずか 1 ヵ月でその約束を違えた。 トランプは、5 月から発動されたファーウェイ社などに対する半導体など米国製品輸出の実質禁止措置(いわゆるエンティティ・リスト規制)を、一部緩和することも大阪で約束したが、その約束も履行されないままだった(12 月になってようやく実施)。

中国流交渉術からすれば、「この約束違反の落とし前をつけないかぎり交渉には応じられない」とつれない姿勢を示すべきところだが、米側が 9 月に流し始めた「部分合意」提案には中国側も飛び付いた。 中国はその後の交渉で関税引き上げの全面撤回にこだわったが、最終的には9月から実施された第 4 弾(12 月実施予定を除いた一部)の引き上げ幅を半分の 7% に縮めただけだった。

当初目標に比べれば甚だ不満の残る中身だが、中国は「撤回」にこだわって交渉を長引かせていると、「何をするか分からない」トランプが、本気で全面エスカレーションのボタンを押してしまう恐れなきにしもあらず、そのときに経済がどれほど大きなダメージを被るかを考えると、「撃ち方止め」にして、いまの不安を解消する方がましだという選択をしたのではないか。

貿易戦争以外にある中国経済悪化の原因

米中貿易戦争の成り行きを不安視してきた世界中は、「フェーズワン・ディール」で一息つくことができた。 中国経済の減速は東アジア、資源国など世界のいたるところで実体経済の減速を招いているから、貿易戦争の全面エスカレートが避けられたことで、世界経済を覆っている暗雲が多少は散ったといえる。 とは言え、これで中国経済の回復が見込める訳ではない。 それは「米国が課した制裁関税の過半が残存しているから」だけではない。 貿易戦争は中国経済が悪化した諸原因の1つ、しかも副次的な原因に過ぎないからだ。

先週 2019 年の中国 GDP 成長率が第 4 四半期で 6.0% (第 3 四半期横ばい)通年では 6.1% だったと報じられた。 これでは「中国夢」で公約した 2020 年の GDP を 2010 年対比で 2 倍にする目標の達成はスレスレのはずだ。 「2019 年に実施した経済国勢調査の結果、過年度の経済成長が上方修正された」と発表されているので、公約未達を避ける数字合わせは何とかできそうだ。

しかし、習近平の金看板公約達成に黄色信号が灯る事態を前に、従来なら「ガン!」とアクセルを蹴飛ばしたはずなのに、今回そうしないのは何故か。 過去いつもそうしてきたように、中国経済を上向かせるには公共投資と不動産を刺激するのがいちばん手っ取り早い。 しかし、2019 年の経済運営は、まず 3 月全人代の前に打ち出された「投資より減税で」から始まった(「2 兆元減税」)。 ところが、重点にならなかった公共投資が夏に急落した。 地方財政が金欠で工事に金が回らなくなってしまったためだ。 慌てて地方債発行枠の前倒し措置を採り、年後半に公共投資が少し持ち直したおかげで、経済の急落は避けられたが、もう 1 つの「特効薬」だった不動産は投機抑制が続いたままだ。

信用秩序のほころびが始まる

成長減速を前にしても景気アクセルに及び腰なのは、これ以上借金と投資頼みの成長を続けるのは無理だと悟ったからだ。 リーマンショック後、4 兆元投資が始まった 2009 年から昨 2019 年までの 11 年間に行われた固定資産投資累計額は 500 兆元(約 8,000 兆円)を超えた。 この過程で中国のバランスシートに、収益や経済効果を生まない不良資産(投資財産)とその乏しい事業収益では償還できない不良債務が山のように溜まった。

そうなると、債務不履行や企業破綻が多発して「バブル崩壊」が誰の目にも明らかになるものだが、中国には「隠れた政府保証」慣行がある。 コネのない私営企業は対象にならないから潰れるが、地方政府や国有企業、特権的コネのある私営企業は、債務が履行できなくても、1 - 2 ヵ月経つ間に不思議と資金繰りがついて利払いが再開できるのだ。 「最後はお上が何とか善処してくれる」という安心感、信頼感が中国の信用秩序を支えてきた。 しかし、2019 年は、この慣行が綻び始めたことを報せるニュースが相次いだ。

  1. 地方政府の利払い事故が多発

    地方政府の資金調達窓口会社が銀行借入や発行社債の利払いができない事件が激増した。 裁判所の「失信被執行人」というブラックリストに載せられた地方政府は、2018 年は通年で 100 件だったのに、2019 年は 1 - 2 月だけで 831 に達した」という。

  2. 地方中小地銀で取り付け騒ぎが起き始めた

    発端は 5 月下旬に内モンゴルの小規模銀行包商銀行が破綻、人民銀行が同行を公的管理下に置いたことだった。 人民銀行は「すでに預金保険制度がスタートしている」ことを理由にペイオフ(大口債権カット)を断行したのだが、これが大口債権者の「隠れた政府保証」信仰を裏切る結果となった。 ショックを受けた債権者は「全額保証がないのなら …」とばかり、これら銀行の主たる資金取入れ口である譲渡性預金証書 (CD) 市場から資金を引き揚げ、同市場の利回りが急騰してしまった。

    地方の中小地銀は、地元政府のお財布にされて財務状態が悪化しているところが多いので、不安が拡がり、2019 年後半は報道されただけでも 5 行の中小地銀で取り付け騒ぎが起きた。 「隠れた政府保証」信仰に支えられた中国の信用秩序が以前ほど安泰でなく、市場を不安にさせれば、事件が起きるようになったことを物語る。

  3. 国有企業の実質破綻

    2019 年 11 月日本の総合商社とも取引のある天津市の国有企業「天津物産集団有限公司」が実質的な債務不履行状態に陥り、ドル建て社債の債権者に大幅な債権カット、または利率を大幅に下げた他の会社の社債への乗り換えを選ぶよう求めた。 12 月には内モンゴル自治区フフホト市の経済技術開発区の投資会社が債務不履行を起こした。 前者は沿海の直轄市(省級)である天津市の直轄企業が外債債権者に損失を負担させるという、全中国でも過去 20 年起きたことのない事件である点で、また後者は地方政府の下部機構が起こした事件である点でショッキングだ。 今後国有企業に対する市場の与信態度も厳格化するから、2 社の後を追う国有企業が増えるだろう。

バブル清算の季節がやって来た

習近平政権が景気アクセルをガンとふかさないのは、これ以上、借金・投資頼みを続けても、状況が更に悪化するだけだと悟ったからだ。 アクセルを一切踏まずに、景気を急落するままに任せると社会に大変なショックを与えるから、地方政府の財源調達を支援するなど「激変緩和」措置は講じている。 だが、ある辛口のアナリストはそれを「ブレーキをかけながら下り坂を下る重量トラック」に喩えていた。 言い得て妙だ。

「隠れた政府保証」などの支援を受けられない私営企業は、国有企業よりずっと過酷な運命に遭っている。 この数ヵ月、大手企業でも人員整理や賃金カットが拡がりつつあるという。 筆者も個別事例をいろいろ聞いている。 北京や上海など不動産バブルが最も顕著だった 1 線都市でも高額マンションの値段を下げても買い手が現れない状況が生まれている。 投資ファンドから滔々とシードマネーが流れ込んでいた中国ハイテクベンチャー業界も昨年から資金流入急減に見舞われている。

こう書くと、「遂に中国経済崩壊!?」と言い出す人がいそうだが、脊髄反射は禁物だ。 日本だってバブルは崩壊した(弾けた)が、日本経済が崩壊した訳ではなかった。 数々の経済変調を眼にして、中国人は強い不安と閉塞感に襲われているが、背伸びをした後には屈まざるを得ない、いっときが来るものだ。 筆者は逆説的ながら「むやみに恐れるな。 起きるべくして起きていることだ」と言いたい(言い出すのが早すぎたが、筆者は 8 年前から「やがてそういう日が来る」と言い続けてきた)。

中国の識者も「バブル清算の季節がやって来た」ことを正面から認める人が増えてきた。 世界経済も、米中貿易摩擦の行方にかかわらず中国経済減速の影響が長く続くだろう。 過去 10 年が順風すぎたので、今後 10 年は逆風が吹くと覚悟した方がよい。

毛沢東のおばけに怯える中国社会?

ただ、バブル清算に向き合う必要を唱える識者が一様に「処理には時間をかける必要があり、荒療治は禁物」と訴えていることは気になる。 社会の動揺を恐れて「激変緩和」に気を取られすぎると、何時まで経ってもバブル処理のトンネルを抜け出せない恐れがある。 20 年前の日本経済がそうなりかけた。 90 年代前半の不動産バブル潰しは荒療治式でやったが、90 年代後半のバランスシート不況に対しては激変緩和の公共投資を増発し、不動産以外の流通、運輸、観光といった業種の不良債権処理も遅々として進まなかったせいで、2000 年代初めには出口のない閉塞感に襲われた。 小泉政権の荒療治でようやくトンネルを抜けた。

この教訓を踏まえると、中国には「時間をかけすぎるな」と言いたいところだが、1 つ「日本にはないが、中国にはある」特殊事情がありそうだ。 それは社会が動揺すると、毛沢東みたいなポピュリストのおばけが出てくる恐れだ。 危難に立ち向かうための処方箋が「統制強化」しかない習近平が毛沢東になるのか、それとも中国の古式に忠実に、農村や市井から天朝を倒す革命家が出てくるのか …。 中国の大勢がそんな「最悪の事態」を恐れて痛みの伴う改革を避け続けるとしたら、中国の未来を待つものは停滞しかない。 (津上俊哉、現代ビジネス = 1-22-20)


中国社債のデフォルト過去最高、オフショアに波及か

[香港/上海] 中国で今年、民間企業の社債デフォルト(債務不履行)率が過去最高を記録した。 米中貿易摩擦の影響で、中国の経済成長率が約 30 年ぶりの低水準に減速したことが背景にある。 中国当局は、中央・地方政府を後ろ盾として企業が暗黙の保証を受けているという市場参加者の思い込みを、躍起になって振り払おうとしている。 この結果、一部の国有企業の財務状態が悪化しており、近くオフショア社債市場にも影響が波及する可能性がある。

もっとも、これによって社債利回りがより正確にリスクを反映するようになり、発行体の強弱に応じて利回りが異なる正常な姿に近づく可能性があるため、健全な動向だと見られている。 香港に上場する自動車メーカー、浙江吉利控股集団や、政府系の複合企業である華潤創業(チャイナリソーシズ)など強力な発行体には、ここ数週間も問題なく投資家の資金が流入を続けている、と銀行関係者らは指摘している。

オンショア市場の状況

格付け会社のフィッチによると、オンショアで債券を発行した中国の民間企業のうち、今年 1 - 11 月にデフォルトが発生した比率は過去最高の 4.9% となり、2018 年の 4.2% から上昇した。 フィッチはオンショア社債市場の規模を 19 兆元(2 兆 7,000 億ドル)と推計している。 S & P グローバルのデータでは、国有企業と民間企業を合わせた 1 - 10 月のデフォルト額は 1,000 億元(142 億ドル)を超え、昨年 1 年間の 1,100 億元に迫っている。

ロイターの試算では、今年デフォルトを起こしたのは国有企業 6 社と民間企業 42 社だ。 当局が今年 5 月、内モンゴル自治区の包商銀行を公的管理下に置き、一部投資家がヘアカット(元本削減)を受け入れたのをきっかけに、市場に緊張が広がった。 内モンゴルのフフホト市政府が所有するフフホト経済技術開発区の投資会社は今月、10 億元の債券の一部を期限までに返済できなかった。 利回りが急上昇している社債もある。 中国の省で 2 番目に債務の多い貴州省の紅果経済開発区が発行した 3 年物債券の利回りは、この夏の 6% 前後から足元で 14% に跳ね上がった。

オフショア市場の状況

中国国有企業のデフォルトは珍しいが、国際市場で発行した社債のデフォルトとなると、さらに少ない。 しかし、こうしたオフショア市場でも一部でリスクが意識されている。 リフィニティブのデータによると、中国のオフショア債券市場の規模は現在 760 億ドル。 S & P は、今後 2 年以内に満期を迎えるオフショア債は 2,000 億ドル超と、今年の 890 億ドルから増えるため、リスクは増大するだろうと警告している。

問題を抱えた企業の 1 つが天津の資源商社、天津物産集団だ。 ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、同社が 11 月末にオフショア債で返済期限を守れず債務再編を実施したのは、主要国有企業として過去 20 年間で最初の事例だった。 北京大学系の持ち株会社、北京方正集団は今月 2 日、オンショア債の返済を滞らせ、資金手当てに奔走中だ。 ノムラによると、20 日に終わる猶予期間内に返済できなければ、オフショア市場で 29 億 5,000 万ドルの「クロスデフォルト(同一の借り手が 1 つのデフォルトを起こすと他の債務もデフォルトと見なされ、期限前返済を迫られること)」が起こる見通しだ。 この一件を受け、一部の大学関連債券の価格は急落した。 (Reuters = 12-20-19)

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中国の社債デフォルト、国有企業にも広がる

社債のデフォルト(債務不履行)が増加している中国で、極めて象徴的な出来事が発生した。 天津市が所有する商品取引会社、天津物産集団は今週に入り、発行するドル建て債でデフォルトに陥った。 格付け大手 S & P グローバル・レーティングスによると、オフショア市場で 20 年ぶりとなる国有企業のデフォルトとなった。 これまで中国企業のデフォルトは信用力の低い民間企業におおむね限定されていたが、ここにきて政府の後ろ盾がある企業にも広がってきている。 背景にあるのは、中国経済の成長鈍化だ。 地方政府では税金や土地売却による収入が減少。 公的救済措置をあてにするような、モラルハザード(倫理観の欠如)を防止しようとする政府関係者は多い。

天津物産は総額 12 億 5,000 万ドル(約 1,360 億円)の債券の保有者との間で債務借り換えを行ったことが明らかになった。 S & P によると、債券保有者は額面 1 ドルに対し現金 0.37 - 0.667 ドルを受け取るか、あるいは金利が大幅に低い新たな証券と手持ち債券を交換することになる。 北京大学が過半数を所有する複合企業、北大方正集団も先週、人民元建て債の一部で支払いの遅延を起こした。 北大方正は 17 日までに支払いを完了するか、そうでなければ約 30 億ドルのドル建て債のデフォルトに直面している。

オーストラリア・ニュージーランド銀行 (ANZ) のクレジット戦略責任者オーウェン・ガリモア氏の調査によると、利回り 11% を上回る水準で取引されるドル建て中国社債は 12 月 10 日時点で約 567 億ドルに上った。 発行体にとっては金融負担の大きいことを示している。 このうち約 87% は民間企業が発行したものだという。 ING のグレーターチャイナ担当エコノミスト、アイリス・パン氏は、景気減速や地方政府の財政状況の悪化を踏まえると「中国政府は国有企業の救済において、より選択的になるだろう」と述べた。 (Xie Yu、The Wall Street Journal = 12-14-19)

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中国国有企業がまたデフォルト、財務状態に懸念広がる

[上海/香港 9日] 中国の内モンゴル自治区の国有企業が私募方式で発行した約 10 億元(約 1 億 4,210 万ドル)の債券の一部が先週末、デフォルト(債務不履行)に陥った。 中国地方政府では国有企業のデフォルトが相次いでおり、景気が減速する中で連鎖リスクが懸念されている。 フフホト市政府が所有するフフホト経済技術開発区の投資会社は 9 日、返済期限が 6 日に過ぎた債務の返済手続きを進めていると発表した。

格付け会社ムーディーズによると、中国の地方政府は 2018 年時点で 7 兆 6,000 億元の財政赤字を抱えている。 米中貿易戦争で痛んだ経済をてこ入れするために中央政府は減税と財政支出の拡大に取り組んでおり、財政負担はさらに高まる可能性がある。 インダストリアル・セキュリティーズのアナリスト、フアン・ウェピン氏は週末のリポートで「地方政府は依然、隠れた債務に相当な強い返済圧力を受けている」と指摘し、財政的に脆弱な地方政府が所有する金融特別会社について強く警戒するよう投資家に呼び掛けた。 (Reuters = 12-10-19)

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中国でまた 2 社、社債の元利払い期日に履行できず - 債務リスク高まる

中国企業 2 社が 2 日、社債の元利払いを期日通りにできなかった。 不履行額は両社合わせて約 5 億ドル相当。 中国の債務リスクを巡る懸念の高まりがあらためて浮き彫りになった。 銀行間資金の取引センター NIFC への届け出によれば、北大方正集団は 270 日物、20 億元(約 310 億円)相当を償還するのに十分な資金を確保できなかった。 上海清算所によると、東旭光電科技は 17 億元相当の社債について、同日中の元利払いが不能となった。 当該社債は 5 年物で 2021 年 12 月償還予定だが、投資家は最近プットオプション(早期償還請求権)の行使を選択した。 (Shen Hong & Tongjian Dong、Bloombrg = 12-3-19)

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中国の鉄鋼メーカーがデフォルト状態に - 償還期限 1 カ月延長でも

西王集団の他の少なくとも 5 本の社債にクロス・デフォルト条項発動
当面は清算手続きに向けて動くことはないと市場関係者

中国の鉄鋼メーカー、西王集団は社債保有者が償還期限の 1 カ月余り延長を認めたにもかかわらず、10 億元(約 156 億円)の支払いができずデフォルト(債務不履行)状態に陥った。 西王集団の発表資料によると、山東省に本拠を置く同社は 27 日の期限までに社債の元利払いを行えなかった。 当初の期限は先月 24 日だった。 債権者らは今月に入って、期限延長を認めていた。

28 日に償還を迎える8億元の社債など他の少なくとも 5 本の同社の元建て債にクロス・デフォルト条項が発動された。 債券保有者には同条項発動を阻止する機会が与えられたが、拒否した。 上海懋良投資管理のパートナー、沈忱氏は、「西王集団にはまだ債務問題を解決できる余地があり、当面、清算手続きに向けて動くことはないだろう」とし、債務再編には借り換えや、大幅なディスカウントでの少額の償還、債務の株式化などさまざまなやり方がある」と指摘した。 (Rebecca Choong Wilkins &Jing Zhao、Bloomberg = 11-29-19)


中国の私募債デフォルト、過去最悪 - 財務逼迫時は公募債の返済優先

私募債発行体が 1 - 8 月に怠った支払いは 318 億元 - 中誠信
17、18 両年を合わせた 267 億元より多かった

中国企業の私募債デフォルト(債務不履行)が今年、過去最悪の水準に膨らんでいる。 本土経済の減速が重しとなる中で、体力の弱い企業は公募債の返済を優先させている。 中国の私募債発行体が 1 - 月に怠った支払いは 318 億元(約 4,750 億円)と、2017、18 両年の 2 年間全体を合わせた 267 億元より多かったことが中国の大手格付け会社、中誠信国際信用評級のデータで分かった。

青島農商銀行の債券ポートフォリオマネジャー、陳粛氏は「私募債の発行体には開示義務がなく、財務が逼迫している企業はまず公募債の返済を選ぶ公算が大きい」と述べた上で、資金の借り手は恐らく内々の交渉を通じて私募債の支払期限の延長を探る可能性もあると指摘した。 ブルームバーグの集計データによると、中国の公募債残高は私募債の約 3 倍だが、私募債市場は非国有の中小企業や地方政府の資金調達事業体にとって重要な資金調達源となっている。 年初来での中国社債デフォルト総額は景気低迷が響き、前年の同じ時期と比べ 51% 増え 784 億元。 (Bloomberg = 9-5-19)


中国、資産運用会社への規制で債務不履行が続発

中国企業にとって手軽な資金調達の手段に圧力がかかり、企業のデフォルト(債務不履行)が続発している。 中国の資産運用業界は 2015 年以降、銀行を介さない資金調達である「影の銀行」で成長著しい中心的な存在となった。 銀行や証券会社、信託会社は資産運用会社の口座を通じて、富裕な投資家や証券化などを駆使する「仕組み金融商品」から資金を調達できた。 資産運用会社に関連する融資と「資産管理計画」と呼ばれる仕組み金融商品が大きな人気を集めた。 中国証券投資基金業協会 (AMAC) によると、証券会社は 3 月末時点で、そうした仕組みを通じて資産運用会社と関係する資金 1 兆 9,900 億元(約 29 兆円)を抱えている。

一方、世界の資産運用会社は中国の株式と債券への資金配分をこれまで以上に増やしている。 だが、与信が急増し、借り換えも簡単にできる状況が数年続いた後、環境が変わった。 資産運用業界で規制の甘い高リスクの貸し出しが積み上がっていることを認識した中国政府は昨年、資産運用会社による貸し出しの締め付けに動いた。 18 年からの全体的な信用引き締めと相まって、多くの企業が仕組み金融による借り入れでデフォルトに追い込まれた。

「ピーク時には市場の高い流動性を受けて資産運用会社は最速ペースで成長し、高リスクの企業に多額の投資をした」と、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスのアソシエート・マネジングディレクターであるイバン・チャン氏は話す。 「それが今、悪循環に変わった」と同氏は言う。 「弱い会社は借金の返済に十分なキャッシュフローがなく、資本の連鎖が切れてデフォルトにつながっている。」 こうした金融商品に関係するデフォルトの大半は情報開示の必要がない。 市場で取引される証券ではないからだ。 だが、聯儲証券で今年発生した 20 億元のデフォルトなど、いくつかの深刻な事例で投資家が損失の拡大に対して声を上げ、一部はソーシャルメディアで不満をあらわにしている。

金利上昇で状況悪化の恐れ

不動産開発の中弘卓業集団のように、複数の証券会社や信託会社からの借り入れでデフォルトに陥った企業もある。 中弘卓業はそうした借り入れで海外資産を買収し、一時は海洋テーマパーク運営の米シーワールド・エンターテインメントの支配権も握ったが、そうした資産の売却を余儀なくされている。 「これは仕組み金融に対する(中国の)試みだったが裏目に出た」と、この仕組み金融に詳しい北京駐在の投資銀行家は言う。 中国では今年、複雑な金融商品のデフォルトが続く見込みで、市場金利が上昇すれば悪化の恐れがあると専門家は警鐘を鳴らす。

人気商品の一つは、資産運用会社の口座を通じて企業が自社の社債を買い、その口座を銀行間取引市場での短期金融の担保として使えるようにするものだった。 事実上、債券をレポ市場の融資に転用するものだ。 この仕組みは、中国の金融市場に潤沢な流動性があった間はうまくいった。 だが、この 1 年間の金融引き締めに 5、6 月の銀行間金利の上昇が加わり、債券の多くが借り換え困難になってデフォルトにつながっている。

「このような資産管理計画は短期レポ市場を通じて借り換えを繰り返さなければならず、脆弱になる恐れがある」と、米 S & P グローバル・レーティングスのシニアディレクターであるシンディ・フアン氏は言う。 「いま起こっている問題の一つは、そうした計画がレポ市場での借り換えに行き詰まると、一部がデフォルトに陥りかねないということだ。」 (Don Weinland & Sherry Fei Ju, Financial Times = 8-26-19)


不良債権の波、市場到達も 貿易戦争で中国でデフォルト増加

香港を拠点とするヘッジファンド、LIM アドバイザーズの最高投資責任者 (CIO)、ジョージ・ロング氏は 20 日までにインタビューに応じ、アジア経済減速と米中貿易戦争激化の中で不良債権の波が市場にやってくる可能性があるとの見方を明らかにした。 1995 年に LIM を創業した同氏は「ディストレストサイクルがやってくる。 中国のデフォルト(債務不履行)率は今年、明らかに上昇した」と指摘した。 LIM は運用資産 10 億ドル(約 150 億円)余りでアジアで最も古いヘッジファンドの一つ。

中貿易戦争の影響は既に表れている。 シンガポール政府は 2019 年の経済成長率見通しをほぼゼロに下方修正した。 香港の 4 - 6 月期成長率は予想を大幅に下回った。 オーストラリアやインドなど各国の中央銀行は利下げをしている。 世界的に、低金利の中でディストレスト債投資家は買い取る不良債権の不足に直面している。 しかし中国経済の減速に伴いデフォルトは増加。 オンショア市場でのデフォルトは金額ベースで 7 月に 4 カ月ぶりの高水準に膨らんだ。

ロング氏は「貿易戦争は一部のセクターに大きな衝撃を与えており、中国経済に影響している。 この結果さらにデフォルトが増える可能性がある。」 「多くの信用サイクルを経験してきたが、今回は貿易戦争と世界的な緊張という特別な要素がある」などと述べた。 (Denise Wee、Bloomberg = 8-21-19)


暗黙の了解失った中国の銀行システム、吉と出るか凶と出るか

20 年ぶりの市中銀行公的管理から 2 カ月、信頼感まだ回復せず
発端は包商銀の公的管理、一部債権者に損失でリスク評価見直し

中国が約 20 年ぶりに銀行を公的管理下に置き投資家に衝撃が広がってから約 2 カ月を経ても、本土の小規模銀行に対する市場の信頼感はまだ完全に回復していない。 銀行システムに対する信頼感回復こそ、中国が必要としているものだろう。 中国当局は内モンゴル自治区を本拠とする包商銀行を 5 月 24 日に公的管理下に置き、一部債権者に損失を負わせた。 これにより失われたのが、市中銀行には当局が常に 100% の支援を提供するとの長年の暗黙の了解だった。

その結果、本土市場では最大手クラスの銀行を除く市中銀行に対し、大規模なリスク評価見直しが進行している。 モラルハザード(倫理観の欠如)がはびこる中国で、もっと早期にこうした展開があるべきだったとアナリストらはみている。 現在の混乱は一部の小規模銀行の脆弱性を裏付け、景気には短期的な逆風となるが、経営基盤の強い銀行と弱い銀行の区別を市場に強いることで、最終的には 40 兆ドル(約 4,320 兆円)規模に上る中国の銀行システムをより持続可能な軌道に乗せる可能性がある。

包商銀の問題を 2017 年の時点で指摘していた UBS グループのアナリスト、 ジェーソン・ベッドフォード氏(香港在勤)は「実際のところ、長期的な意味合いは非常にポジティブだ」と話している。 モルガン・スタンレーのクレジットストラテジスト、ケルビン・パン氏(香港在勤)は先月のリポートで、「社債市場は今、小規模銀行の全債務に対して期待する暗黙の政府保証の確率を小さくしつつある」と分析した上で、「(小規模行を含めた)銀行に対する支援は強いままだとわれわれは引き続き考えているが、政府は差別化したアプローチを活用している」と記した。

中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)にファクスでコメントを求めたが返答はなかった。 当局が現在のような状況を望んでいたかどうかを判断するのは難しい。 事情に詳しい関係者は 5 月、包商銀の財務状態が想定より不安定であるとの認識に至る前に、当局は同行の株式を国有企業に取得させる準備をいったんは進めていたと明らかにした。 (Bloomberg = 7-22-19)

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中国、包商銀行の破綻回避は吉とでるか

[香港] 中国当局は、内モンゴル自治区の包商銀行を公的管理下に置くことにより、不祥事に見舞われた地方銀行の破綻でさえ看過しないという用心深さを改めて示した。 包商銀行の件は、同行の派手な来歴ゆえに関心を集めている。 筆頭株主にして主要な借り手である金融グループ、トゥモロ─・ホールディングスを経営していた富豪の肖建華氏は、2017 年に香港のホテルから失踪。 同グループの資産は今、小分けにして売却中だ。

中国には破綻寸前の地銀がいくらでもあるが、包商銀は経営が特に危ない。 UBS のジェーソン・ベッドフォード氏は昨年公表した報告書で、Tier1 資本比率が 8% を切って国内最悪水準となっている 3 行の 1 つに同行を挙げた。 今年第 1・四半期の中国の銀行資産に占める都市銀行の割合は 13%、地方銀行は 7% にとどまるものの、抱える金融リスクという点では地銀の比率がとびきり大きい。 国有大手銀行が政府保証のついた最優良顧客を確保している以上、「雑魚」は残り物で我慢せざるを得ないからだ。

損失隠しのための工作が施されるのは、珍しいことではない。 2018 年、上海浦東発展銀行は不良債権を隠すために 1,493 社ものペーパーカンパニーを使ったとして罰金を科された。 大連銀行は幾度も救済を受けている。 中国政府は 15 年に預金保護制度を導入した。 これにより、理論上は銀行が破綻しても一般預金者に被害が及ばなくなったはずだ。 しかし制度の整備はまだ道半ば。 昨年 9 月時点で預金保険の資金はわずか 120 億ドル、今年 3 月時点でもまだ、制度の執行にあたる当局の設立が話し合われている状態だった。 破綻を放置すべきだとの強硬論は和らいでおり、ある銀行幹部は 2 月、合併・買収 (M & A) の方が望ましい解決策だと述べた。

包商銀行については、国内で最も資本が強固な中国建設銀行が日々の業務運営に手を貸している。 最終的には買収を余儀なくされるかもしれない。 とはいえ建設銀などの国有大手銀は、内モンゴルの銀行を慈善事業的に吸収するより、勢いのある省のフィンテックに長けた地銀を買収したいところだろう。 規制当局としても、健全な銀行に不良債権を引き受けさせれば、減速する景気を支えるための貸し出しが阻まれることを承知している。 小規模な銀行の破綻を許せば、短期的には投資家心理が動揺するかもしれない。 しかしそれは、取る価値のあるリスクだ。 (Reuters = 6-1-19)

背景となるニュース

  • 中国人民銀行(中央銀行)は 26 日、当局の管理下に置かれる内モンゴル自治区の包商銀行に流動性を供給すると発表した。 人民銀はまた、企業預金の元本および利息と、5,000 万元(720 万ドル)未満の銀行間の負債をすべて保証すると表明。 5,000 万元以上の負債の扱いについては今後話し合うとしている。
  • 同行の日常業務については中国建設銀行に委託される。
  • 包商銀の筆頭株主であるトゥモロ─・ホールディングスは、金融コングロマリットに対する政府の取り締まりの対象となっている。