中国自動車メーカー、ついに夢の欧米市場に進出か
[北京] 着々と力を蓄えてきた中国の自動車メーカーが、かつて遠い夢だった欧米市場への進出を目論むようになってきた。 デザインや技術、販売方法の改善を通じて世界最大の自動車市場である本国でシェアを拡大した各社は、欧米でも戦えると自信を深めている。 「われわれ西側世界はあまりにも傲慢だ。 自分の方が進んでいると思っているが、状況は変わるだろう。」と語るのは、吉利汽車が設立した新たな自動車ブランド「リンク・アンド・カンパニー (Lynk & Co.)」のアラン・ビサー上席バイスプレジデントだ。
「中国は、傲慢なわれわれの目には止まらないほどのスピードで追い抜こうとしている」と話した。 吉利はボルボ・カー・グループやロータスを傘下に収め、「ブラックキャブ」と呼ばれるロンドンのタクシーを製造。 2019 年には欧州、20 年には米国での販売開始を狙っている。 先陣を切るのは、ボルボと共同でスウェーデンで設立したリンク。 欧米での販売は、ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、電気自動車 (EV) などの環境車に絞り、主に直営店やオンラインで売る方針だ。
広州汽車集団の子会社である GAC モーターは、2019 年末までの米国進出を視野に入れており、この市場では吉利に先んじるかもしれない。 ただ、リンクと違って伝統的な流通網やフランチャイズ店を通じて販売する可能性が高い。
むろん道のりは険しいだろう。 JD パワー・アンド・アソシエーツのシニアディレクター、ジェフ・カイ氏は「米国のような市場で一番の障害になるのは、中国製品に対する消費者の偏見だ。 わが社の調査によると、大半の米消費者は中国のことを粗悪品を作る第三世界の国だと思っている。」と話した。 中国から米国への自動車輸出には、トランプ大統領が攻撃する中国の対米貿易黒字という問題も関わってくる。
<直接販売>
吉利傘下のリンクは、2019 年後半にベルリンで、20 年にはサンフランシスコで、それぞれ旗艦店をオープンする方針だ。 直接販売が許されていない米国のいくつかの州では登録制をとり、1 カ月といった短い期間で車をレンタルする事業の計画を立てている。 これはちょうど、動画配信のネットフリックスや音楽配信のスポティファイのような事業モデルだ。 レンタル契約には保険や保証その他の恩恵が含まれる。
リンクのビサー氏は、伝統的な販売経路を通すとディーラーのマージンや値引きで売上高の約 4 分の 1 が失われると判断し、こうした新しいモデルを試してみたいと考えている。 消費者に直接売ることで、「損失」の半分以上を取り返せるとの読みだ。 ビサー氏によると、取り返した分の一部は、自動車の価格を抑えることで顧客に還元する。 また、欧米での販売台数は年間 25 万台を目指すと述べたが、時間的な目標は明示しなかった。
リンクが米国で直接販売に乗り出すと、強力なロビー団体である全米自動車ディーラー協会 (NADA) と衝突する可能性がある。 ビサー氏は、NADA が「信じられないほどの影響力」を持っていると認めた上で、リンク車の修理や保守にはフランチャイズディーラーが当たることになりそうなため、最終的にはディーラーも直接販売モデルに納得するとの見方を示した。 ディーラーはこうしたサービスで利益の大半を得ているという。
<「トランプチ」は変更へ>
GAC モーターの関係者 2 人によると、同社は米北東部を手始めに海外でのプレゼンスを高めていく可能性がある。 外国車に寛容で、GAC が販売を計画するスポーツ用多目的車 (SUV) の人気が高い土地柄だからだ。 米国販売第一弾は、中国で販売されている SUV「Trumpchi (トランプチ) GS8」になりそうだ。 ただ、政治的な配慮から、名称は米市場向けに変更されるだろう。 GAC の広報は「当社は米国の文化を尊重しており、現職の大統領の名前をブランド名に使うのは前例がないことを承知している」と話した。 (Norihiko Shirouzu、Reuters = 12-15-17)
トヨタ、中国で 2020 年に EV 発売 規制に対応
トヨタ自動車は 17 日、中国で 2020 年に電気自動車 (EV) を発売すると発表した。 トヨタが量産型の EV を投入するのは世界で初めて。 中国では 19 年に、EV などの生産・輸入をメーカーに義務づける規制が始まる予定で、それに対応した形だ。 具体的な車種や台数、生産拠点は明らかにしていない。 一方、合弁生産している現地メーカーから EV の供給を受け、複数車種を展開することも検討する。 9 月にマツダやデンソーと立ち上げた EV 開発の新会社で培った技術の活用も視野に入れる。
中国政府は 9 月、19 年から自動車メーカーが生産・輸入する乗用車の一定割合を EV やプラグインハイブリッド車 (PHV) などにするよう義務づける規制を始めると発表した。 トヨタは、得意とするハイブリッド車が中国の新規制でエコカーとして扱われないことから、PHV を 18 年に、EV は 19 年をめどに投入する方針を示していた。 (asahi = 11-17-17)
年初からの中国自動車販売、トヨタが日産とホンダ下回る
[北京] トヨタ自動車の 1 - 10 月の中国自動車販売台数は、日産自動車とホンダを下回った。 トヨタは 3 日、10 月の中国自動車販売が前年比 13.5% 増の 11 万 2,700 台だったと発表した。 前月の 14.1% 増から伸びが鈍化した。 日産自動車の 10 月販売台数は 18.2% 増。 前月は 15.1% 増だった。 1 - 10 月の販売台数は前年比 10.8% 増加。 前年同期は 9.1% 増だった。 1 - 10 月の販売台数は、トヨタが 107 万台となり、ホンダの 116 万台、日産の 117 万を下回った。 専門家は、トヨタがホンダと日産の販売台数を下回っていることについて、比較的小型のスポーツ多目的車 (SUV) を投入していないことが主要因だと説明している。 (Reuters = 11-3-17)
車載電池、中国で増産検討 パナソニック、新規制に対応
パナソニックが電気自動車 (EV) などに搭載するリチウムイオン電池について、中国で新たな増産を検討していることがわかった。 中国政府が、乗用車の一定割合を EV などにする新たな規制を 2019 年から始める方針で、こうした動きに対応する。 パナソニックは、車載用リチウムイオン電池で世界最大手。 すでに中国では大連に車載電池工場を建設中で、今年度には稼働する予定だ。 新規制でさらに需要が伸びるとみて、当初計画よりも生産能力を高めることを検討しているという。
EV へのシフトは世界中で進む。 同社は日本では 18 年 3 月末までに兵庫県洲本市の車載電池工場の生産ラインを増やし、同県姫路市の液晶パネル工場でも電池生産を 19 年度に始める方針。 米国でも協業するテスラの EV 増産に伴い、生産能力の増強を検討している。 22 年 3 月期には自動車部品事業の売上高を 2 兆 5 千億円規模とし、17 年 3 月期からほぼ倍増させる計画だ。(新田哲史、asahi = 10-26-17)
三菱自動車、中国で 2 車種以上の EV・PHV 投入へ
三菱自動車は 18 日、2019 年度を目標に、中国で電気自動車 (EV) やプラグインハイブリッド車 (PHV) を 2 車種以上、投入することを明らかにした。 中国は環境規制を通じて EV の普及を進めているため、対応を急ぐ。 三菱自は、世界初の量産 EV 「アイ・ミーブ」や PHV 「アウトランダー」など電動化では先行しており、出遅れた中国で巻き返しを図る。 中国以外では、軽自動車の新型 EV や小型 SUV (スポーツ用多目的車)「RVR」の EV などを発売予定。 20 年以降、主力車種は EV や PHV を順次選べるようにする。
この日発表した中期経営計画では、19 年度の世界販売を 16 年度比 40% 増の年 130 万台、売上高は 30% 増の 2 兆 5 千億円に伸ばす目標を掲げた。 提携する日産自動車が浸透していない東南アジアでは、シェアを 8.3% から 10% に増やし、日産と補い合う計画だ。 大胆な目標設定は日産の経営手法も参考にした。 ただ、日産は無資格者による車両検査の問題で効率優先の行き過ぎが指摘されている。 三菱自の益子修・最高経営責任者は記者会見で、昨年の燃費不正問題からの信頼回復が最優先だと強調し、「慢心や油断が最もいけない。 どこかでほころびが出ないとも限らないのでしっかりやる。」と述べた。(青山直篤、asahi = 10-18-17)
米テスラ、中国工場建設で上海市政府との協議を再確認
米電気自動車 (EV) メーカーのテスラは 22 日、中国・上海市での工場建設に向け同市政府と協議していることや年末までに合意を見込んでいることを改めて確認した。 すでに合意に達したとの報道についてはコメントを控えた。 中国は輸入車の販売に 25% の関税を課しているほか、海外の自動車メーカーに国内で全額出資の工場を設立することを認めていないが、EV やハイブリッド車の生産拡大を促す目的などから自由貿易圏では全額出資工場の建設を認めることを検討している。
自由貿易圏で生産された自動車にも 25% の関税はかかるものの、テスラは生産コストを削減できる。 同社は 22 日、6月に公表した声明に改めて言及し、「中国の市場向けに上海で生産工場を建設する可能性を模索するため、同市政府と協力している。 これまでに述べた通り、われわれは年末までに中国での生産計画の明確化を見込んでいる」とした。 テスラの米国の広報担当者は、これ以上の内容にはコメントを控えた。 米紙ウォールストリート・ジャーナル (WSJ) は、テスラと上海市政府が同市の自由貿易圏での工場建設で合意に達したと報じていた。 (Reuters = 10-23-17)
中国自動車販売、9 月は前年比 +5.7% = 業界団体
[北京] 中国汽車工業協会 (CAAM) が 12 日発表した 9 月の自動車販売台数は、前年比 5.7% 増の 271 万台となった。 増加は 4 カ月連続。 世界最大の中国市場で販売に勢いが増していることが示された。 1 - 9 月の販売台数は前年比 4.5% 増の 2,020 万台となった。 CAAM が 1 月に示した今年の販売台数予想は 5% 増。 小型車減税の縮小などを受け、昨年の 13.7% から伸びが鈍化する見込みとしていた。
一方、8 月までの 3 カ月の前年比伸び率はそれぞれ 4.5%、6.2%、5.3% と比較的強い数字で推移しており、専門家は経済全般の成長が加速していることや販売促進策などが後押ししているとみている。 新エネルギー車 (NEV) は 9 月は 79.1% 増加した。 1 - 9 月の販売台数は合計で 39 万 8,000 台と 37.7% 増となった。 CAAM は NEV の販売台数は年間目標である 70 万台に達するとの見方を示した。 (Reuters = 10-12-17)
中国の新車セールス「夏の陣」で日系メーカー 1 人勝ちの凄み
EV 化を推進する中国で日系メーカーが大健闘
世界最大の新車市場、中国は最近、政府主導で電気自動車 (EV) への買い換えを支援しており、新エネルギー車がユーザーの注目を集めている。 そんな中、8 月の販売実績は、日系メーカーが健闘を見せた。 トヨタの 8 月の中国新車販売台数は 10 万 8,500 台。 前年同月比は 7 月の 11.4% 増を上回る 13.2% 増と、7 ヵ月連続で前年実績をクリアした。
販売の牽引役は、主力セダンのカローラと、兄弟車のレビン。 とくにカローラは約 2 万 9,000 台を販売。 前年同月比は 7% 増と、堅調な伸びを示した。 トヨタの中国合弁は、第一汽車との一汽豊田、広州汽車との広汽豊田の 2 社。トヨタの 2016 年の中国新車販売台数は、過去最高の 121 万 4,200 台。 3 年連続で 100 万台を突破し、前年比は 8.2% 増だった。 17 年 1 - 8 月は 84 万 1,400 台を販売。 前年同期比で 7.1% 伸びている。
ホンダは 12 万 8,671 台と、トヨタに約 2 万台の差をつけて、日系メーカーの首位に立った。 前年同月比は 20.6% 増と、8 ヵ月連続で前年実績をクリア。 ホンダの中国合弁は、東風汽車との東風ホンダ、広州汽車との広汽ホンダの 2 社。 東風ホンダが前年同月比 36.8% 増の 6 万 9,783 台と、大幅にアップした。 広汽ホンダは同 5.8% 増の 5 万 8,888 台。 広汽ホンダは、中国専用セダンのクライダーが 8,910 台を販売し、前年同月比 9.6% 増。ヴェゼルは 1 万 3,993 台を売り上げ、同 6% 増と、支持を集める。
東風ホンダは、ヴェゼルの東風ホンダバージョン、XR-V が 1 万 7,300 台で、前年同月比は 27.7% 増と好調。 シビックが同 66.6% 増の 1 万 4,315 台、ジェイドは同 61.3% 増の 5,146 台と、それぞれ伸びた。 ホンダの 16 年の中国新車販売は、前年比 24% 増の 124 万 7,713 台。 2 年連続で 100 万台を超え、販売記録を更新した。 17 年 1 - 8 月は前年同期比 18% 増の 88 万 6,641 台。 通年では 130 万台に届き、過去最高を更新する見通し。
ホンダ、日産がツートップ マツダは「新記録」達成
日産は商用車と輸入車、現地合弁の東風日産(一部車種)を含めて、12 万 2,319 台をセールス。 前年同月比は 17.8% 増だった。日系メーカーでは、ホンダに次ぐ 2 位につけた。 東風日産の販売台数は 10 万 1,405 台。 前年同月比は 8.5% 増だった。 日産の中国市場における販売の主力は、小型セダンのシルフィ。 同車の排気量は 1.6L 以下で、政府による小型車減税の適応対象になっている。 小型車減税は 17 年から減税率が下がったが、日本車はその逆風の中、健闘している。 なお、SUV はエクストレイルとキャシュカイが販売の中心。
マツダは 8 月の新記録となる 2 万 5,612 台を販売。 前年同月比は 8.4% 増だった。 マツダの中国合弁は、第一汽車との一汽マツダと、長安汽車との長安マツダの 2 社。 一汽マツダが前年同月比 17.4% 増の 9,787 台と好調。 長安マツダも同 3.4% 増の 1 万 5,825 台と、堅調な伸びを見せた。 なお、主力販売モデルは CX-5、CX-3 などである。 マツダの 16 年の中国新車販売は、新記録となる 28 万 5,653 台。 前年比は 21.4% 増と、3 年連続で前年実績を上回った。 17 年 1 - 8 月は前年同期比 13.2% 増の 18 万 4,184 台と、過去最高を記録。 17 年は「年間 29 万台の販売を目指す」と、目標はやや控えめにも思える。
中国汽車工業協会がまとめた 8 月の新車販売台数は 218 万 6,000 台。 前年同月比は 5.3% 増と、8 ヵ月連続のアップだが、伸び率は小幅にとどまった。 そんな中での日本の自動車メーカーの好調ぶりは、マーケット平均の伸び率を上回っているだけに称賛に値する。 (Car and Driver、Diamond = 10-9-17)
中国・ 比亜迪 (BYD)、米で商用 EV の生産 10 倍以上に
【ロサンゼルス = 兼松雄一郎】 電気自動車 (EV) の中国最大手、比亜迪 (BYD) は 6 日、米カリフォルニア州の EV バス・トラック工場を拡張し、年産台数を 10 倍以上の 1,500 台に増やすと発表した。 現状を 5 割以上上回る 400 人以上の雇用を生み出すとした。 数年後に乗用車生産を始めることも検討し、電力インフラ向けの蓄電池生産も拡大する。
EV バスは大学や自治体を中心に、今年の出荷台数の約 8 倍に当たる 600 台以上の受注がある。 EV トラックの受注も約 2 倍の 140 台以上あるという。 工場があるロサンゼルス郊外には航空関連企業の拠点が集積しているが、2013 年の BYD 進出後、地域の失業率は 5 ポイント近く下がったという。 BYD は中国政府と関係が近く、中国の交通・エネルギー産業戦略の中核をなす企業のひとつ。 (nikkei = 10-7-17)
中国、外国の電気自動車メーカーへの製造拠点開放を検討 - 関係者
中国は同国の自由貿易区に外国の自動車メーカーが完全所有の電気自動車事業を設立するのを認める計画を協議している。 1990 年代から同国の自動車業界政策に影響を及ぼしてきた基本原則が大幅修正されることになる。 この件について説明を受けた複数の企業関係者が明らかにした。
この計画は早ければ来年にも導入される可能性があると、関係者らは匿名で話した。 最終決定はまだ下されておらず、計画は変更される可能性もあるという。 この政策が実施されれば、外国の自動車メーカーに中国企業との合弁設立を義務づける既存ルールからの大きな脱却となる。 合弁規則の緩和が実現すれば、米テスラなどの企業は世界最大の電気自動車市場である中国で完全所有の生産事業を創設する機会を得ることになる。 (Bloomberg = 9-20-17)
中国政府、化石燃料車販売終了の期限設定へ - 工業情報省次官
中国政府は、化石燃料車の販売終了時期について期限を設ける方針だ。 自動車メーカーに電気自動車 (EV) 開発の取り組みを加速させるよう促すことが狙い。 工業情報省の辛国斌次官は 9 日、天津の自動車フォーラムで、化石燃料車の生産・販売の終了に向けたスケジュールの作成に政府が他の規制当局と取り組んでいることを明らかにした。 これが環境や中国自動車産業の成長に大きな影響を与えるとの見方を示した。
化石燃料車の販売禁止は、中国内外の自動車メーカーに EV へのシフトを促すことになる。 エネルギー効率に優れた車・トラックの販売を押し上げることで大気汚染を減らし、石油輸入の削減を目指す中国政府の戦略的目標に沿うものになる。 ホンダの中国本部長、水野泰秀執行役員は同フォーラムで、同社が中国市場向けの EV を 2018 年に投入する計画だと述べた。 中国の合弁会社である広汽本田汽車と東風本田汽車と開発中であり、両社と共に新ブランドを創設すると説明した。 (Bloomberg = 9-10-17)
トヨタ、19 年にも中国で EV 量産 環境規制対応
トヨタ自動車は 2019 年にも中国で電気自動車 (EV) を量産する検討を始めた。 中国政府は EV などの走行時の環境負荷が低い車を「新エネルギー車」と定義し、18 年以降に自動車メーカーに一定規模の生産を義務付ける方針を示している。 基幹部品である電池の現地生産も検討し、世界最大市場のエコカー規制に対応する。
トヨタは 12 年に米テスラのリチウムイオン 2 次電池を搭載した多目的スポーツ車 (SUV) 「RAV4 EV」を発売したが、販売は 2,500 台にとどまり、生産を打ち切っている。 EV の本格的な量産が明らかになったのは初めて。 中国で量産する台数などは未定だが、中国市場で人気の SUV での EV 投入を検討している。 小型車よりも電池やモーターなどを載せやすく、製品化が早いメリットもある。
トヨタは長期的には燃料電池車 (FCV) を環境車の主力と位置づけるが、水素の補給インフラの整備には時間がかかる。 米国や中国などで厳しくなる環境規制に対応するため、20 年までの投入をめざして EV の開発を急いでいた。 16 年末にはデンソーや豊田自動織機、アイシン精機といったグループ企業が参画する EV 開発の社内ベンチャーを立ち上げた。
中国はこれまで補助金の支給によってエコカーの販売を促してきた。 だが今後は自動車メーカーの総販売台数に応じて、一定の EV や FCV、プラグインハイブリッド車 (PHV) の販売を義務付ける方針を出している。 EV は中国市場全体の 2% 程度にとどまっているが、厳しい環境規制によって、自動車メーカー各社は EV や PHV などの投入の対応を迫られている。 (nikkei = 7-22-17)
中国自動車販売、6 月は前年比 +4.5% の 217 万台 = 業界団体
[北京] 中国汽車工業協会 (CAAM) が発表した 6 月の自動車販売台数は前年比 4.5% 増の 217 万台となった。 4 月は 2.2% 減、5 月は 0.1% 減だったが、6 月は増加に転じた。 1 - 6 月の販売台数は前年比 3.8% 増の 1,340 万台となった。 CAAM は 1 月、今年の販売台数を 5% 増と予想。 小型車減税の縮小などを受け、2016 年の 13.7% から伸びが鈍化するとの見方を示した。
業界専門家は、一部メーカーによる大幅値引きが 6 月の販売を押し上げたとの見方を示している。 米フォード・モーターのアジア太平洋地域の責任者であるピーター・フリート氏は先週、ロイターとのインタビューで、上期の中国自動車販売価格平均は、前年比約 4% 下落したと述べ、同社の「リンカーン」の価格も下落傾向にあると説明した。 (Reuters = 7-11-17)
中国向けホンダ車、迫力重視 好みに合わせ豪華な内外装
ホンダは 9 日、中国・広州市の研究所で、報道陣向けに中国向け専用車の試乗会を開いた。 地元メーカーも技術力を上げており、現地の好みに合わせた商品展開が不可欠になっている。 2016 年のホンダの中国での販売は 127 万台で、前年比 32% 増と大幅に伸びた。 中国専用車を増やす取り組みが一定の効果を上げており、16 年は販売の 4 分の 1 を占めた。 人気のあるスポーツ用多目的車 (SUV) を多くそろえ、デザインも中国人の好みに合うよう、前面から見て迫力が出るよう工夫している。
16 年から現地生産を始めた高級車ブランド・アキュラの小型 SUV 「CDX」は、豪華さを強調した内外装が目を引く。 中国の消費者がこだわる心臓部のエンジンは、力強い走りを可能にする「直噴ターボ」を搭載。 スポーツモードを選ぶと、アクセルを踏みこんだ直後のスムーズな加速が実感できる。 年末にはセダン、来年中に大型 SUX の現地生産を始める計画だ。
中国では地場メーカーとの合弁でなければ生産できず、ホンダは広州汽車(広州市)と東風汽車(武漢市)の 2 社とそれぞれ合弁会社をつくっている。 試乗用の専用車 7 車種のうち、売れ筋の「XR-V」など SUV が 4 車種を占めた。 (広州 = 木村聡史、asahi = 6-10-17)
トヨタとホンダをまねた「中国車」躍進のワケ
日系メーカーは中国でシェア低下が続く
安かろう悪かろう - -。 そんなイメージが付いて回る中国製品。 自動車もその一つだった。 しかし、そんな "常識" が変わりつつある。 「外資への出資規制を秩序立てて緩和する。」 中国工業情報化省は 4 月 25 日、外資企業の自動車生産に関する規制緩和について初めて公式に言及し、業界に衝撃が走った。
中国で外資企業が自動車を生産するには、中国企業と合弁会社を設立しなければならないうえ、外資企業の出資比率が 50% を超えてはならないという規制が設けられている。 そのため、トヨタ自動車は第一汽車や広州汽車と、独フォルクスワーゲン (VW) は上海汽車や第一汽車と、といった具合に、外資各社は中国企業と合弁生産を行っている。
トヨタに学んだ中国ブランド車が台頭
外資との合弁生産を通じて技術力を高めてきた中国の自動車メーカーが今、独自ブランド車(合弁生産の車とは別に独立展開する車)でその頭角を現し始めている。 成長株として注目されているのが、中国南部の広州に拠点を置く広州汽車だ。 販売規模(合弁生産含む)は中国で 6 位とあって、上海汽車や第一汽車などには及ばない。だが、「広州汽車の独自ブランド『トランプチ』は、中国現地ブランドのダークホースになる(中国自動車市場に詳しい現代文化研究所の呉保寧上席主任研究員)」と期待される。
広州汽車は、1998 年にホンダと生産合弁会社を設立したのを皮切りに、日系との協業を進めてきた。 このほど来日した広州汽車の曽慶洪会長は、「ホンダやトヨタなどの日系メーカーに学ぶことで、技術や品質、人材のレベルを上げてきた」と手ごたえを語る。 広州汽車は現在、ホンダやトヨタ、日野自動車、三菱自動車という日系メーカー 4 社と手を組んでいる。 同社以外に、これだけの数の日系メーカーと合弁を持つ中国メーカーはない。 「広州汽車は日系各社をまねて工夫しながら自主ブランドを育ててきたため、品質も評判もよい。 今後、中国でさらにシェアを伸ばすだろう。(前出の呉氏)」
こうした商品性を武器に広州汽車は世界での競争に打って出る。 曽会長は、「2019 年にも独自ブランド車の米国輸出を開始し、ブランドの国際化を進める」と意気込む。 今年 1 月には米デトロイトで開催された北米国際自動車ショーに、トランプチを出展。 その反響は大きい。 「すでに 2,000 を超える販売店から引き合いを得ている。(曽会長)」
中国政府は「2025 年には複数の中国現地ブランドが世界の自動車メーカーのトップ 10 に入る」というシナリオを描いており、広州汽車もこの流れに乗って、海外進出を急いでいる。 中国の自動車市場は 2016 年、前年比 14% 増の 2,800 万台と米国の 1.6 倍の世界最大市場に成長した。 その中で、現地ブランドのシェアは年々高まっている。 2016 年の中国系のシェアは 43.2% とこの 3 年で 2.9% 高まったのに対し、日系は 15.5% と同 0.9% シェアを落とした。(乗用車販売ベース、マークラインズ調べ)
日産も中国メーカーの勢いに危機感
日系メーカーで中国販売が最も多い日産自動車の西川廣人社長は、「中国現地ブランドの伸びが非常に大きい。 彼らのエンジニアリング技術や車の品質が格段に上がっている。」と危機感を募らせる。 独自ブランドで存在感が増す中国現地メーカーとしては、スウェーデンのボルボを買収したことで話題となった吉利汽車(ジーリー)や、SUV に注力する長城汽車、電池メーカー発祥でプラグインハイブリッド車を得意とする比亜迪汽車 (BYD) などがある。
前出の呉氏は「日系メーカーは若者対策を急ぐべき」と警鐘を鳴らす。 中国では「80 後」、「90 後」と呼ばれる 1980 - 90 年代生まれの若者層が、これからの消費の主役になる。 支払い能力に限界がある彼らは、走行性能やデザインよりも、スマホとの連携のしやすさなど「コネクティッドカー」としての機能を重視する。
若年層は車内でのネットの使い勝手を重視
IT 大手のテンセントやアリババが展開するネットサービスを、車の中でもそのまま使いたいというニーズは高い。 そうした機能さえ充実していれば、中国現地ブランドでも抵抗を感じないのだ。 中高齢層が外資との合弁で生産された車を好んできたのとは異なる購買傾向を示している。 さらに、日系勢は欧米勢との競争でも苦戦を強いられている。 2016 年の中国販売はホンダが 129 万台で、トヨタが 121 万台と、VW の 398 万台や米ゼネラル・モーターズ (GM) の 387 万台の半分にも達していない。
広州汽車の曽会長は日系のシェアが中国で低いことに関して、「VW の車種が豊富なのに対し、日系勢は中国での車種展開が保守的。 中国人ニーズに合わせた車種を拡充すれば、シェアを巻き返せるだけの実力は持っている」との見解を語る。
中国自動車工業会は今後の販売台数について、2017 年に前期比 6% 増の 2,965 万台を、2020 年までに 3,000 万台超を計画している。 日系メーカーにとっては、米国や国内市場が成熟期に入っている以上、膨張が続く中国市場で 1% でもシェアを失うことは手痛いはずだ。 劣勢に立つ日系メーカーは、中国での軌道修正が求められそうだ。 (宮本夏実、東洋経済 = 5-12-17)
上海モーターショー、EV が主役 日本勢は出遅れか
中国・上海市で 19 日、世界最大級の自動車展示会「上海国際モーターショー」が開幕した。 中国政府が環境規制を強めることから、欧州や中国メーカーが電気自動車 (EV) を積極的に打ち出した。 世界最大市場の中国でエコカー競争に敗れれば影響は大きく、日本勢も対応を急いでいる。
独フォルクスワーゲン (VW) のヘルベルト・ディース CEO (最高経営責任者)は 19 日、EV 「ID クロス」を紹介する際にこう宣言した。 「2020 年、欧州と、ここ中国で生産を始める。」 前夜には、VW グループを統括するマティアス・ミュラー CEO が「中国は VW や私にとってこの上なく重要な存在だ。 中国に寄り添い続ける。」とアピールした。 VW は 15 年秋に排ガス不正が発覚したが、翌 16 年にはグループ世界販売でトヨタ自動車を抜いて初の世界首位に立った。 販売の 4 割を占める中国で好調が続いたためだ。
中国政府は補助金などで EV 普及を促してきた。 18 年からは EV、プラグインハイブリッド車 (PHV)、燃料電池車 (FCV) の「新エネルギー車」を一定以上売るよう求める。 これを受け VW は 16 年、開発の軸足を EV に移すことを決め、25 年までに年間販売台数の 20 - 30% を EV にする目標を掲げた。 調査会社の富士経済によると、15 年に 15 万台だった中国の EV 販売は 35 年、欧米や日本を大きく上回り、203 万台まで拡大する見通しだ。 (上海 = 福田直之、冨名腰隆 青山直篤、山本知弘、asahi = 4-19-17)
トヨタのマイクロバスは「神車」、24 年ぶりモデルチェンジも「今後もその地位は安泰」 = 中国
通常、平均すると約 4 年で行われる自動車のフルモデルチェンジ。なかには長くモデルチェンジしない車種もあるが、24 年間モデルチェンジなしという車種はそうそうないだろう。 中国メディアの今日頭条は 13 日、24 年ぶりにモデルチェンジしたトヨタのコースターについて紹介する記事を掲載した。 記事によれば、24 年という異例ともいえる長期間モデルチェンジしなかったコースターが、中国で長きにわたって受け入れられ、売れ行きも好調だという。 中国ではコースターを特に「多くの政府役員が利用している」ことで知られており、販売開始以来、マイクロバス市場でトップに君臨し続けてきた。
中国政府の関連機関のみならず、個人、一般企業や国有企業が大量購入しているが、中国マイクロバス市場におけるコースターの人気は「爆買い」と表現しても過言ではなく、その人気の秘訣は「安全性と信頼性、それに抜群の乗り心地」だと指摘。 コースターは重心が低くないにも関わらず、高速道路で安定した走りを見せると称賛した。
長く中国市場でも人気を誇ってきたコースターだが、2017 年 1 月に 4 代目・新コースターの販売が始まった。 記事は、モデルチェンジ後のコースターは、見た目に大きな変化はないものの、安全性と乗り心地の良さがさらに向上し、これまでも「乗り心地はすでに優秀」だったため、今後も引き続き「神車としての地位は続くだろう」と太鼓判を押した。
コースターのような人気車種の宿命として、中国メーカーによる模倣車も多い。 広州羊城汽車やアモイ金龍客車、安徽江淮汽車などの企業が、名前も見た目もコースターに酷似したモデルを出しているが、「安い偽物を選ぶ人は少ない」という。 記事は「本物のコースターの実力は明らか」と絶賛した。 結びに記事は、24 年間もモデルチェンジせず売れ続けたコースターに中国メーカーは全く追いついていないと指摘し、近年は目覚ましい台頭を見せる中国車だが、トヨタ車との差は圧倒的に大きいことを嘆いている。 (SearChina = 4-16-17)
中国の新車販売 減税措置縮小で低い伸び率
中国の先月の新車の販売台数は、小型車を対象にした政府の減税措置がことし縮小されたことなどから、前の年の同じ月と比べた伸び率が 11 か月ぶりの低い水準となり、自動車市場の冷え込みで、ことしの中国経済が一段と減速するという見方が出ています。 中国自動車工業協会が 13 日発表したところによりますと、中国国内での先月の新車の販売台数はおよそ 251 万 9,500 台で、前の年の同じ月に比べ 0.2% の増加となって、伸び率が 11 か月ぶりの低い水準にとどまりました。
これは、小型車を対象にした自動車取得税の減税幅がことしから縮小され、去年暮れまでおう盛だった需要が弱まったことに加え、去年は 2 月だった旧正月の連休がことしは先月下旬から始まり、販売店の 1 月の営業日が去年より少なかったことなどによるものです。 中国では、去年の新車の販売台数が政府の販売刺激策を背景に 2,800 万台を超えて、13% 余りの伸び率を記録し、景気を下支えしました。
その一方で、ことしの伸び率について、業界団体は、去年より低い 5% にとどまると予測していて、先月の実績はこの年間予測を大きく下回る水準となりました。 中国経済の専門家は、「旧正月の暦のずれの影響を見極める必要があるが、自動車は産業のすそ野が広く今後も販売が振るわなければ景気への影響は大きくなる」と述べていて、自動車市場の冷え込みにより、ことしの中国経済が一段と減速するという見方が出ています。 (NHK = 2-13-17)
中国新車販売、8 年連続世界一 初の 2,800 万台超え
中国の自動車工業協会が 12 日発表した 2016 年の新車販売台数は、前年比 13.7% 増の 2,802 万 8 千台で、過去最高を更新した。 減税効果にも支えられて大きく伸び、8 年連続で世界一の販売台数を記録した。 ただ、減税幅が縮小する今年は伸びが鈍化する可能性が高い。
新車販売のうち、乗用車は 14.9% 増の 2,437 万 7 千台。 15 年 10 月に始まった、排気量 1.6 リットル以下の乗用車を買う時にかかる税金を減免する措置が追い風となった。 年後半には、減税が年末に終わるとの見通しから、「駆け込み需要」もあって販売が加速。 12 月には 305 万 7 千台を売り、史上初めて月間 300 万台を超えた。 日本勢も恩恵を受け、トヨタ自動車や日産自動車、ホンダ、マツダといった大手は、中国での過去最高の販売台数となって年間目標を達成した。 ただ、乗用車の国別シェアは 15.6% と昨年よりわずかに減った。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 1-12-17)
中国での新車販売、日系大手は軒並み過去最高 16 年
トヨタ自動車と日産自動車、ホンダ、マツダの日系自動車大手 4 社は 6 日までに、2016 年の中国市場での新車販売台数を発表した。 市場全体の好調な伸びに支えられ、各社とも前年実績や年間の販売目標を上回って過去最高を記録した。
日本勢で中国での販売台数が最も多い日産は、前年比 8.4% 増の 135 万 4,600 台。 「シビック」などが好調だったホンダは 124 万 7,713 台で、同 24.0% 増と大きく伸びた。 トヨタは「カローラ」など小型車が引っ張り、同 8.2% 増の 121 万 4,200 台を売った。 マツダは同 21.4% 伸びて 28 万 5,653 台だった。 昨年の中国の新車市場は、小型車の購入時の減税などが追い風となり、1 - 11 月の販売台数が前年比 14.1% 増を記録した。 ただ、今年は減税幅が小さくなり、大きな伸びは見込めないとの見方が強い。 トヨタは今年の販売目標を「前年以上」に設定した。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 1-6-17)
中国、小型車減税を来年も継続 減税幅は縮小 = 財政省
[北京] 中国財政省は 15 日、小型乗用車を対象とする減税について、減税幅を縮小した上で来年いっぱい継続すると発表した。 排気量 1,600cc 以下の小型車は税率が 1 月 1 日から現在の 5% から 7.5% に上昇するが、当初の 10% は下回る。 2018 年から 10% に戻すとしている。 中国当局は 2015 年 10 月に小型車減税を導入し税率を 5% へ引き下げた。 (Reuters = 12-15-16)
中国自動車販売、11月は16.6%増 減税終了控え駆け込み
[北京] 中国汽車工業協会 (CAAM) が発表した 11 月の自動車販売台数は、前年同月比 16.6% 増の 290 万台となった。 2 桁の伸びは 6 カ月連続。 小型車減税が延長されるか不透明感が漂う中、駆け込み需要が影響した。 10 月は 18.7% 増、9 月は 26.1% 増だった。 1 - 11 月は前年同期比 14.1% 増加した。 (Reuters = 12-12-16)
中国の車市場、減税バブル 需要先食い懸念
販売 3,000 万台目前、地元勢に焦り
中国南部の広東省広州市で 18 日、国際モーターショー「広州国際汽車展覧会(広州モーターショー)」が開幕した。 中国の新車市場は足元では好調で、今年は前年を約 10% 上回る 2,700 万台が射程に入る。 好調を支えるのは政府が景気浮揚のため昨秋導入した小型車減税策。 会場の業界関係者は減税の延長を訴えるが、政策で膨れ上がった市場に「バブル」の懸念が強まる。
「小型車減税は、絶対に来年へ延長してほしいんです。」 モーターショーの会場内。 中国自動車大手の重慶長安汽車(重慶市)の幹部は記者らを前にこう語り、年内で打ち切り予定の小型車減税の延長を切々と訴えた。 1 台当たり 10 万円前後の値引き効果をもたらす減税。 2015 年 10 月の導入以降、落ち込んでいた各社の販売は一気に回復した。 中国汽車工業協会は年初、今年の新車販売予測を 2,604 万台と発表したが、足元の勢いが続けば 2,700 万台を超える見込みだ。 このままいくと来年は 3 千万台も視野に入る。 世界 2 位の米国の 2 倍近く、3 位の日本の 6 倍となる見込みだ。
ただ、中国経済に力強さがなくなった今、政策で需要を先食いする形になった自動車市場に対しては、関係者の間で急激な失速を懸念する声が絶えない。 特に注意が必要なのは中国メーカーだ。 浙江吉利控股集団(浙江省)の 10 月の新車販売は前年同月比 94% 増となり、長城汽車(河北省)も 31% 増となるなど異常ともいえる伸びを見せる。 市場全体が 18% 増なのに対し、なぜここまで中国メーカーが急伸するのか。 重慶長安汽車の幹部は「我々は減税に加え、限界まで値引きをしているからだ」という。
中国メーカーに共通するのは、減税打ち切り後への危機感だ。 「減税措置がなくなれば、欧米メーカーに比べてブランド力が乏しい中国メーカーが最も厳しい状況に追い込まれるのは明らかだ。」 広州市内の中国メーカー販売店関係者は語る。 各販売店は減税の追い風が吹くうちに少しでも台数を積み上げようと焦り、値引きに動いている。 販売店が販売台数に応じてメーカー側からインセンティブをもらう仕組みも値引きを助長する。 1 台当たりの販売価格が低下しても、台数を積み上げることで販売店の取り分は増えるからだ。
中国メーカーはこれまでも厳しい局面を経験している。 新車市場はリーマン・ショック後に需要が落ち込み、09 - 10 年は小型車減税に支えられて販売を伸ばしたが、その反動で 11 - 12 年は再び停滞した。 ただ、その間は中国経済が比較的高水準の成長を続け、各社の経営を下支えしたが、今の中国にその余力はない。 値下げはブランドを傷つける。 ブランドが傷つくことで、さらに値下げに走らなければ買ってもらえないという悪循環が起きていることに中国メーカー自身も危機感を抱く。 実感なき活況にある市場で、中国メーカーの打つ手は狭まっている。 (広州 = 中村裕、nikkei = 11-19-16)
中国の 8 月新車販売、前年同月比 24% 増 好調続く
中国の自動車工業協会が 9 日発表した 8 月の新車販売台数は前年同月比 24.2% 増の 207 万 1 千台と大きく増えた。 伸び率が 20% を超えるのは 2 カ月連続で、小型車への減税制度も追い風に、好調な販売が続いている。
8 月は乗用車が 26.3% 増と全体を引っ張った。 特に、昨秋からの減税制度が続く排気量 1.6 リットル以下の車の販売が約 4 割増えた。 新車販売は 1 - 8 月の累計でも前年同期比 11.4% 増となった。 中国経済の減速が目立つ中で、自動車販売が好調を保っていることが景気の下支え材料となりそうだ。 乗用車の国別シェアで日本車は 15.9% と前月から約 2 ポイント減り、ドイツの 20.5% に次いで海外勢で 2 位だった。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 9-9-16)
中国自動車販売、5 月は前年比 9.8% 増 昨年 12 月以来の高い伸び
[北京] 中国汽車工業協会 (CAAM) が発表した 5 月の中国自動車販売台数は前年比 9.8% 増の 210 万台で、昨年 12 月以来の高い伸びとなった。 小型エンジン車の減税や、前年の水準が低かったことが影響した。 伸び率は 4 月の 6.3%、3 月の 8.8% を上回った。 1 - 5 月の販売台数は前年同期比 7.0% 増加した。 CAAM は「自動車業界は昨年と比べやや改善した。 現在は安定的に推移しており、将来的に一段と回復する可能性がある。」と表明した。
中国の経済成長率が 25 年ぶりの低水準に落ち込み、消費需要が冷え込むなか、中国の自動車市場は前年のこの時期、月間の販売台数が前年比で減少していた。 その後、小型エンジン車を対象とした減税措置(2016 年末まで)を受けて、昨年 10 月から力強く上向き始めた。 ただ CAAM の幹部は、5 月の好調な伸びは季節要因や政策が理由だとし、年間の伸び率予想は 1 月発表の 6% から変えないと述べた。 (Reuters = 6-13-16)
中国自動車販売、第 1 四半期は前年比 +6% 3 月は 8.8% 増
[北京] 中国汽車工業協会 (CAAM) が 12 日発表した第 1・四半期の自動車販売は前年比で 6% 増加した。 協会の今年の伸び率目標と一致した。 第 2・四半期については前年比 5% 増加するとの見通しを示した。 協会幹部は「第 1・四半期のような好調な販売動向が、4 月や第 2・四半期も続くことに、われわれは自信を持っている」と強調した。 協会によると、3 月単月の販売台数は、前年同月比 8.8% 増の 240 万台となった。 多目的車と商用車の需要が堅調だった、という。 2 月は 0.9% 減、1 月は 7.7% 増だった。 小型エンジン車は 3 月、減税の影響で前年同月比 10.7% 増。
一方、新エネルギー車(電気自動車、プラグインハイブリッド車)の販売台数は 3 月、前年同月比で 46% 増にとどまった。 伸び率が 100% を下回るのは、少なくとも 1 年ぶり。 地方政府が今年も補助金支給を続けるのかどうか、なお不透明なことが影響している、という。 (Reuters = 4-12-16)
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