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中国が全固体電池の量産に向けた巨大アライアンスを結成 日本勢は今のリードを保てるのか!? 次世代電池であり EV 業界のゲームチェンンジャーとなりうる「全固体電池」の開発競争が過熱している。 先頭を走るのはトヨタ/出光興産連合を筆頭とする国内勢だが、それにストップをかけるべく中国が国を挙げた開発競争に乗り出した。 トップを走るのはトヨタ/出光興産、日産、ホンダも続く 次世代 EV 用バッテリーの本命と言われる全固体リチウムイオン電池。 世界中のバッテリーメーカー、自動車メーカー、そして素材メーカーがその実用化に向けて鎬を削っている。 そのなかで圧倒的な優位にあると言われるのが、トヨタ/出光興産連合だ。 関連特許の数は世界中のライバルを圧倒する。 そして、そのすぐ後ろを追いかけるのが日産やホンダという構図だ。 テクノロジーでは日本勢が世界の趨勢を決する勢いがある。 と思いきや、超強力な伏兵が現れた。 現在、EV 用バッテリーで圧倒的な世界シェアを誇る中国勢が、やはり黙っていなかったのである。 本題に入るまえに、全固体電池がなぜこれほど話題になるのか簡単にまとめておこう。 簡単に言えば、いま EV に限らず広く利用されているリチウムイオンバッテリーは電流を発生させる電解質は液体だ。 この電解質の中をリチウムイオン(リチウムイオン電池の場合)が移動することで電流が発生する仕組みである。 この電解質を固体に置き換えたものが全固体電池だ。 簡単な材料の置き換えだと思われるかもしれないが、その実用化は困難を極める。 なかでも電解質に使われる素材の開発は、多くの素材メーカーや研究所が試行錯誤を重ねているものの、なかなか実用レベルに届かない。 度重なる充放電でも変形がなく長寿命、また水分の混入などによる発火の危険性を抑え、熱など危険なガスも発生しないなど、さまざまな素材の研究開発が日夜行われているのだ。 全固体電池の最大のメリットは、圧倒的なエネルギー密度である。 容量が小さくても十分な電力を得ることが可能で、コンパクトで場所を取らないバッテリーパックを重ねることで大出力化も容易だ。 充放電のスピードアップもケタ違いだ。 つまり、小さくても力持ち、小さいから軽い、とまさに自動車向きの特性を備えている。 挙国一致して互いのノウハウを持ち寄る中国勢は脅威 2024 年 1 月下旬、中国で大きな動きがあった。 バッテリー開発・生産大手の「CATL」、「FinDreams Battery (BYD 傘下)」、「CALB」、「Svolt Energy Technology」、「EVE Energy」、「Gotion High-tech」など 6 社と、自動車メーカーの「BYD」、「Nio」が参加する全固体電池の開発とサプライチェーンの構築を目指すコンソーシアム「中国全固体電池協同創新 : China All-Solid-State Battery Collaborative Innovation Platform(以下、CASIP)」の結成が発表されたのだ。 車載バッテリーの世界シェアでおよそ半数を占める CATLとBYD を中心に世界の上位 6 社が参加し、さらに飛ぶ鳥を落とす勢いの BYD、そして交換式バッテリーでも知られる Nio を中心に、大小さまざまな自動車メーカーも参加する。 早期の全固体電池の商業化、量産化を実現し、2030 年にはグローバルで競争力のあるサプライチェーンを構築することが目標だ。 そして、この巨大プロジェクトには、中国政府や大学などの研究機関が深く関係している。 ストレートに言えば、国策の元に集った挙国連合である。 現在、中国メーカーの EV 用バッテリーは世界中で圧倒的な競争力を誇り、BYD を筆頭とした EV がやはり世界中で猛烈な勢いで増殖している。 全固体電池は EV のゲームチェンジャーになると言われているが、中国は全固体電池でも圧倒的な優位に立つことを目指しているのだ。 LFP リチウムイオンバッテリーにいつまで頼れるのか CASIP 結成の背景には、現在同国が圧倒的な強みを持つ「LFP リチウムイオンバッテリー」の将来に対する危機感の表れでもある。 世界首位にある CATL、その後を追う BYD、ともに現在の主力商品は LFP バッテリーであり、これを世界中に供給している。 かつて主流だったいわゆる「三元系」とくらべ比較的安価で、安全性・耐久性ともにすでに三元系を上回るレベルに進化している。 しかし、全固体電池が登場すれば、エネルギー密度、安全性・耐久性など比較にならない。 まさにゲームチェンジャーであり、中国企業が築き上げたサプライチェーンは崩壊の危機にさらされてしまう。 これこそ中国が国を挙げて業界をまとめあげた最大の理由だ。 すでに、CATL や BYD もそれぞれ独自の全固体電池テクノロジーの研究開発は進めていたが、それらを寄り合わせることによって、早期の実用化とサプライチェーンの構築をスピードアップさせるのが狙いだ。 翻って、トヨタ/出光興産による全固体電池の量産車への投入は早くても 2027 年。 それも初期には、ごく一部の限られた車両への搭載に留まる見込みだ。 本格的に量産がはじまるのは 2030 年以降だという。 果たして、中国挙国連合による巻き返しはなるのか。 そして受けて立つ日本、さらに欧米勢や韓国勢も巻き込んで、次世代電池を巡る熾烈な技術競争はますます激しさを増すだろう。 (Smart Mobility = 2-19-24) 衝撃的データ! EV の問題はガソリン車より 40% 多い - 中国メディア 2024 年 2 月 11 日、中国メディアの快科技は、電気自動車 (EV) の問題発生数がガソリン車よりも 40% 多いという調査報告が示されたと報じた。 記事は、米国の市場調査会社 JD パワーがこのほど、毎年実施している自動車の信頼性評定結果を発表し、最も信頼できる自動車ブランドトップ 3 をレクサス、トヨタ、ビュイックだったと紹介した上で、「驚くべきことに、研究結果では EV の問題発生数が明らかに化石燃料車より多いことが示された」と伝えた。 そして、今回の調査について米国内で 3 年前に新車を購入したオーナー 3 万人余りを対象に、この 1 年で報告された不具合の件数を集計したもので、100 台中に発生した不具合の数を「PP100 値」として示したと説明。 ガソリン車の PP100 値は 187、ハイブリッド車は 191、プラグインハイブリッド車は 216、そして EV は 256 とガソリン車より約 40% 高い数値になったとし、「このデータは衝撃的だ。 なぜなら、多くの EV メーカーが消費者に対し、EV はよりシンプルで信頼できる環境保護型自動車モデルであると保証してきたからだ」と評している。 記事はまた、今回の調査では「検討の基準を満たしていない」という理由で米 EV 大手テスラのデータが除外されていると指摘した上で、テスラ社の「PP100」値は 252 と平均値を大きく上回り、仮に調査対象に含まれていた場合にはブランド別のランキングで最下位に近いランクになったとみられることを併せて伝えた。 (川尻、Reocrd China = 2-13-24) ◇ ◇ ◇ 1 月は中国自動車市場がぱっとせず、特に目立つ EV の落ち込み 台湾メディアの Ettoday は 10 日、中国の 1 月の自動車 市場は「ぱっとしない」状態だったとして、状況を説明し背景を分析する記事を発表した。 中国の乗用自動車市場信息聯席会(乗用車市場情報合同会、乗聯会)によると、1 月の中国における乗用自動車の小売販売台数は前年同月比 57.4% 増、前月比 13.9% 減の 203 万 5,000 台だった。 乗聯会は 1 月の自動車市場について、好調なスタートではあったが、2023 年 12 月が好調だったことが 1 月の販売台数に影響したとの分析を示した。 さらに、1 月には一部車種が値上げされ、販売促進活動が低調だったことも、前月比での販売台数減少につながったとした。 電気自動車 (EV)、燃料電池車、プラグインハイブリッド車 (PHEV) などの新エネルギー車では、1 月の販売台数は前年同月比 101.8% 増、前月比 29.5% 減の 66 万 8,000 台だった。 また、乗用自動車の小売販売台数全体に占める新エネルギー車の割合は、前年同月の 25.6% から 7.2 ポイント上昇して 32% だったが、前月の 40.3% からは 7.5 ポイント低下した。 EV は特に低迷し、1 月の卸売販売台数は前年同期比では 49.5% 増だったが、前月比では 46.5% 減の 40 万 4,000 台だった。 PHEV の同月の販売台数は前年同月比 104% 増、前月比 23% 減の 18 万 8,000 台だった。航続距離延長型電気自動車 (EREV) は前年同月比 262% 増、前月比 22% 減の 9 万 1,000 台だった。 乗聯会の崔東樹(ツイ・ドンシュウ)事務局長は、「1 月は気温が低いので、消費者が EV の航続力を懸念したために販売は低迷した。 比べて PHEV と EREV の販売シェアは力強く成長した」と述べた。 崔事務局長はさらに、「今年は中国北部が低温で、EV の急速充電は効率が低く、航続距離が損なわれてしまう。 また、一部の EV は凍結した路面に適さない設計で、消費者の購買意欲の低下を招いている」と指摘した。 崔事務局長は EV の今後の売り上げについて、冬の寒さの影響が薄らいでいく 3 月以降には回復するとの見方を示した。 ただし、自動車メーカーは PHEV と EREV でのシェア獲得に力を入れており、特に EREV の発売が相次いでいることから、従来タイプの EV のシェアの下押し圧力は大きいという。 崔事務局長はまた、「今年も価格競争が激化するだろう。 新エネルギー車の価格は下がり続けており、すでにガソリン車並みの価格になった場合もある。 この状況はガソリン車メーカーにとって大きな重圧だ。 価格をさらに引き下げることで消費者を引きつけるしかないからだ。 一方で、EV は炭酸リチウムの価格が下がっていることで製造コストが下がり、価格設定で選択の余地が広がっている」と指摘した。(如月隼人、Record China = 2-12-24)
中国自動車各社、納期に遅れ ファーウェイ製システムの製造問題で [上海] 一部の中国自動車メーカーは、華為技術(ファーウェイ)が供給する運転支援システムに関連した製造問題により、主要車種の納期に遅れが出ている。 5 人の関係者が明らかにした。 関係筋によると、重慶長安汽車と奇瑞(チェリー)汽車 が影響を受けている。 両社はプレミアム電気自動車 (EV) ブランドの開発でファーウェイと提携しているが、問題解決に向け同社と協議しているという。 より規模の小さい自動車メーカーである賽力斯集団(セレス・グループ)も同様に影響を受けているという。 問題となっているのは「MDC810」と呼ばれるファーウェイのコンピューティングプラットフォームで、高速道路での自律走行や渋滞回避などを支援するシステム。 テスラの運転支援システム「オートパイロット」と似た性能を持つ。 関係筋によると、今回の問題は MDC810 に搭載される部品の不足が関連しているという。 (Reuters = 2-1-24) 半固体電池の開発進める中国、全固体電池が秘める「破壊的リスク」を警戒せよ - 中国専門家 2024 年 1 月 23 日、中国メディアの第一財経は、次世代の動力電池として開発が進む全固体電池が秘める、業界の構図を一気にひっくり返す可能性について、専門家が半固体電池開発を軸に進める中国の業界は警戒すべきとの見解を示したことを報じた。 記事は、中国科学院の会員である清華大学の欧陽明高(オウヤン・ミンガオ)教授が 22 日に開かれた中国全固体電池イノベーション発展サミットフォーラムで発言した内容を紹介。 同教授が「この 10 年で動力電池のエネルギー密度は 3 倍になり、コストは 80% 以上低下した。 中国の電池生産量も世界全体の 70% 近くを占めるようになったが、コスト低下による企業の大量参入に伴う生産過剰や競争過熱、低温条件下の航続距離や安全性の高い超高速充電などの問題を抱えている」と述べたことを伝えた。 同教授はその上で、航続距離の長さ、スピーディーな充電、高い安全性能などの特徴を持つ全固体電池が次世代電池の第一候補となると同時に、世界的な電池技術獲得競争の新たな焦点になりつつあり、各国企業が 2030 年ごろに全固体電池の産業化を実現するとの見方を示した。 一方で、中国は液体電池の技術を踏襲した半固体電池の開発を進めているとし、「わが国は漸進的な半固体電池の技術路線を発展させると同時にドラスティックな全固体技術路線によって業界の構図がひっくり返るリスクも防がなければならない」と指摘。 全固体電池が液体電池に代わって天下を取り、50% 以上のシェアを獲得するまでには 20 - 30 年の時間がかかるとしつつ、「自動車業界では 1% でもシェアを取れればブレークスルー的な意味を持つ」と警鐘を鳴らした。 記事は、全固体電池技術分野において中国の特許申請数は海外から比較的大きな差をつけられていると指摘。 トヨタ 1 社で 1,300 件余りの特許を取得しているのに対し、中国企業の合計は昨年 10 月現在で 100 件に満たないと紹介した。 (川尻、Record China = 1-24-24) 韓国は中国車の墓場? BYD の自信作が極度の販売不振に = ネットにも冷ややかな声 2024 年 1 月 23 日、韓国メディア・韓国経済は「中国の電気自動車 (EV) メーカー、比亜迪 (BYD) が韓国市場に自信を持って送り出した電気 1 トントラック『T4K』が、極度の販売不振にあえいでいる」と伝えた。 CARISYOU データ研究所によると、昨年 4 月に韓国で発売された「T4K」の年間販売台数は 213 台だった。 BYD は当初 3,000 台を目標に掲げていたが届かなかった。 現代自動車の「ポーター エレクトリック」は 2 万 5,806 台、起亜自動車の「ボンゴ 3 EV」は 1 万 5,112 台売れており、記事は「ライバルと言うのもおこがましい水準だ」と指摘している。 T4K は BYD が「電気乗用車ではなく世界販売 1 位の電気トラックで認められてみせる」と野心を持って韓国市場に投入した初の電気トラックだ。 しかし、苦戦する結果となった原因には、まず価格競争力が挙げられるという。 T4K は 4,669 万ウォン(約 516 万円)に設定されたが、ポーターやボンゴなどに比べ 200 万ウォンほど高い。 「中国車なのに国産車より高い」という認識が足を引っ張ったとの指摘だ。 BYD は 16 年に韓国法人を設立。以来、電気バス、電気フォークリフトなどを韓国内で販売している。 電気バスの「eBus-12」は昨年、前年比 275% 増加の 330 台を販売し、輸入商用車 8 位を記録している。 業界は BYD の乗用車発売に関心を向けているが、T4K の不振により韓国での発売は遅れるのではとの見方が出ているという。 ある業界関係者は「中国産に対する否定的な認識が膨らんでいる状況で、とりわけ自動車は安全に直結する商品だけに、中国ブランドの韓国での成功は容易ではないだろう」と話している。 この記事に、韓国のネットユーザーからは「それでも少しは売れていることに驚く」、「CM も流れてないし販売店もなく、中国車だからブランドイメージも悪い。 それでどうやって売るつもりだったのか」、「高いしサービスがなってない。 売れる方がおかしい。」、「中国製品は信頼できないから買わないよ」、「偽物臭がぷんぷんするのに、こんな車を誰が買う?」、「ただでもらっても乗らずに廃車にする」など、冷ややかなコメントが寄せられている。 (麻江、Rrecord China = 1-24-24) 中国の新車販売台数 トヨタ 2 年連続で前年割れ EV シフト進み日本の自動車メーカー苦戦 トヨタ自動車の中国市場での去年 1 年間の新車販売台数が、2 年連続で前の年より減少したことが分かりました。 トヨタ自動車は 9 日、去年 1 年間の中国市場での新車販売台数が、前の年と比べてマイナス 1.7% の 190 万 7,600 台だったと発表しました。 10 年ぶりの減少となったおととしに続き、2 年連続で前の年に比べて減っています。 中国市場では、▼ ホンダが前の年のマイナス 10.1% の 123 万 4,181 台、▼ 日産自動車がマイナス 16.1% の 79 万 3,768 台と、日本の自動車メーカーは軒並み、前年比マイナスとなっています。 また、去年 10 月には三菱自動車が中国市場から撤退することを決定しています。 中国は世界最大の自動車市場ですが、EV = 電気自動車へのシフトが急速に進みつつあるなかで、日本の自動車メーカーが苦戦を強いられている実態が鮮明になっています。 (TBS = 1-9-24) テスラ、中国で販売した事実上の全車をリコール−自動運転支援に問題 電気自動車 (EV) メーカーの米テスラは事実上、中国でこれまで販売した全ての車をリコール(無料の回収・修理)した。 自動運転支援システム「オートパイロット」が衝突の危険性を増す問題が理由だという。 中国の国家市場監督管理総局が発表したところによると、テスラは 2014 年 8 月から 23 年 12 月までに生産された 160 万台余りを対象に、ソフトウエアの修正を無線で行う。 対象車には中国で生産された「モデル 3」と「モデル Y」に加え、輸入された高級モデルも含まれるという。 テスラの運転者はオートパイロット機能の誤用により衝突リスクが高まり、安全面の危険が生じる恐れがあると、市場監督管理総局は指摘。 テスラは先月、同社のオートパイロット誤用防止対策は不十分だと米運輸省道路交通安全局 (NHTSA) が判断したことを受け、200 万台以上を対象とする大規模なリコールに踏み切ったが、中国での対応はこれをなぞった格好になる。 NHTSA はテスラの修正の有効性を監視し、すでに数年にわたっている欠陥の調査を継続する方針だと明らかにした。 テスラの上海部門の代表はこコメントの要請に今のところ応じていない。 (Bloomberg = 1-5-23) ◇ ◇ ◇ テスラ EV、世界一から陥落 … 10 - 12 月期販売台数が中国 BYD を下回る 【ニューヨーク = 小林泰裕】 米電気自動車 (EV) 大手テスラが 2 日発表した 2023 年 10 - 12 月期の EV 販売台数は、前年同期比 20% 増の 48 万 4,507 台だった。 米メディアによれば、中国の EV 大手 BYD が 1 日発表した EV 販売台数 52 万 6,409 台を下回り、長く守ってきた EV 販売世界一の座から陥落した。 自動車情報会社 JATO によれば、テスラは 18 年 1 - 3 月期以降、世界の EV 販売台数で首位を維持してきた。 調査会社によってデータは若干異なるが、首位交代となれば 5 年以上ぶりとなる。 BYD による「テスラ超え」は、世界の EV 市場における中国の影響力の高まりを象徴する出来事となりそうだ。 23 年通年の販売台数で見ると、テスラは前年比 38% 増の約 181 万台で、BYD の約 157 万台を上回った。 米国市場でシェア(占有率)約 5 割を握るテスラは 23 年、主要市場である米国や中国で値下げを実施したほか、11 月からは新型のピックアップトラック型 EV 「サイバートラック」の出荷を開始した。 23 年 10 - 12 月期の EV 販売台数は過去最高となったが、BYD に比べ伸び悩んだ。 23 年通年の目標としていた約 180 万台は達成した。 一方、BYD は手頃な価格を武器に販売を急激に伸ばした。 低価格な車両でも運転支援システムを充実させるなど、性能面でも評価を高めている。 (yomiuri = 1-3-24) 中国産部品使用の EV、優遇措置の対象外に … バイデン政権「中国外し」を意図か 【ワシントン = 田中宏幸】 米国のバイデン政権は 1 日、電気自動車 (EV) 購入者への優遇措置について、中国など安全保障上の「懸念国」の企業が生産した車載電池の部品や重要鉱物を使っている車種を対象外にすると発表した。 中国は車載電池などの部材で世界シェア(占有率)が高く、新方針は「中国外し」を意図したものとみられる。 米財務省によると、安全保障上の懸念がある中国やロシア、イランなどの企業が生産した電池部品は 2004 年から、重要鉱物は 25 年から適用する。 懸念国政府が 25% 以上の株式を保有する企業やグループも除外対象とする。 日本を含む世界の自動車メーカーはサプライチェーン(供給網)の再構築が必要になる。 ただ、中国製の低価格の EV 部材の使用をやめれば、供給網の安全保障強化が進む反面、EV の価格上昇や、優遇措置を受けられる車種が減ることが想定される。 バイデン政権が目指すガソリン車から EV への移行の妨げになる可能性がある。 米国で今年始まった優遇措置では、EV などの購入者は最大 7,500 ドル(約 110 万円)の税額控除が受けられる。 日本メーカーでは日産自動車の「リーフ」が対象となっている。 (yomiuri = 12-2-23) 中国が自動車輸出台数で世界一の見通しも、専門家「日本を超えたと軽々しく語ってはならない」 - 中国メディア 中国メディアの財新網は 18 日、2023 年の自動車輸出台数で中国が 500 万台を突破し、初めて日本を抜いて世界一になる見通しだとする一方、専門家からは金額面においては日本およびドイツに及ばないとの指摘が出ていると報じた。 記事によると、中国機電産品輸出入商会・自動車分会の孫暁紅(スン・シアオホン)秘書長は先日の自動車産業グローバル化発展大会で「業界関係者は日本を超えたと軽々しく語ってはならない。 中国が歩む道はまだ長い。」とくぎを刺した。 孫氏は「今年上半期の中国の自動車輸出額は 462 億 4,000 万ドルで 3 位にとどまった。トップ 2 はドイツと日本で、輸出額はそれぞれ 1,008 億 2,000 万ドル、556 億 3,000 万ドルだった」と指摘し、「自動車の輸出額は輸出台数よりも実態を反映している」との見方を示した。 記事は、「日本の自動車メーカーはかなり前からグローバル化の道を切り開いており、主に対外投資を通じて実施している。 2017 年時には日本の自動車メーカーの海外生産能力は 2,000 万台近くに達していた」と言及した。 そして、「中国が日本を追い抜いたのは直接輸出の部分を指しているが、日本の自動車メーカーの海外市場での販売台数は主に世界各地に点在する現地化された工場が貢献している」とし、孫氏の話として「中国の自動車メーカーも最終的には単純な自動車輸出から、現地生産・運営に向かわなければならない」と伝えた。 (北田、Record China = 11-20-23) 中国新車販売、3 カ月連続増 PHV が人気、ロシアなどへ輸出も増加 中国自動車工業協会が 10 日発表した 10 月の新車販売台数は、前年同月比 13.8% 増の 285 万 3 千台だった。 増加は 3 カ月連続。 プラグインハイブリッド車 (PHV) の販売が大幅に増えたほか、ロシア向けを中心に輸出も伸びた。 PHV の販売台数は 31 万台で、80.2% も伸びた。 中国では電気自動車 (EV) がよく売れているが、航続距離に不安があるため、ガソリンも使える PHV の人気が高まっている。 全体のうち、国内販売が 9.0% 増の 236 万 5 千台だったのに対し、輸出は 44.2% 増の 48 万 8 千台と大きく伸びた。 特にロシア向けが好調で、ウクライナ侵攻で他国の自動車メーカーが撤退したためだという。 輸出台数は今年、日本を抜いて世界一になるとみられている。 販売台数をメーカー別にみると、EV の車種が少なく劣勢だった日系大手が盛り返している。 トヨタ自動車が 1.5% 増の 17 万 3 千台、ホンダが 22.9% 増の 13 万 424 台といずれも 2 カ月連続で増えた。 販促活動の効果が出たという。 日産自動車は 17.5% 減の 7 万 3,272 台だった。 (北京 = 西山明宏、asahi = 11-10-23)
中国バッテリー大手の世界進出、すでに回避困難か 中国の電気自動車 (EV) 用バッテリー企業は、巨大な国内市場で力をつけ、輸出でも存在感を高めている。 西側諸国が自国市場を守ろうとしても、もはや手遅れかもしれない。 中国企業は既存および将来の輸入規制を回避するため、欧州内や米国の自由貿易相手国に大規模工場を建設することを検討している。 ちょうど日本の自動車メーカーが 1980 年代に米国でしたように。 中国汽車工業協会 (CAAM) によると、プラグインハイブリッドを含む新エネルギー車の新車販売台数は 1 - 9 月に前年同期比 37% 増加した。 輸出も大きく伸び、中国は現在、EV 輸出で世界首位だ。 これは中国のバッテリー業界にとっても追い風となっている。 EV 向け電池大手の寧徳時代新能源科技(コンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー、CATL)と EV メーカーの比亜迪 (BYD) はすでに、EV 用バッテリーの生産で世界トップ 2 だ。 中国以外の市場では、中国のバッテリーメーカーはいまだ韓国勢に後れを取っている。 だがもし CATL が今年のペースで伸び続ければ、早々に勢力図が書き換わる可能性もある。 SNE リサーチによると、韓国バッテリー最大手 LG エナジーソリューションは、1 - 8 月の中国を除く販売量が前年同期比 60% 増加。 一方、CATL は国外販売量が 2 倍以上に膨らみ、中国を除く市場のシェアは LG と拮抗し、両社はいずれも 28% 程度を占める。 韓国 2 位の SK オンの販売量は 16% 増にとどまった。 HSBC によると、欧州市場における CATL のシェアは 2023 年が 24% と、20 年の 10% から拡大。 米テスラの上海工場から CATL 製バッテリーを搭載した EV が輸出されていることが理由の一つだ。 CATL はほかにも、ステランティスやメルセデス・ベンツなどの欧州自動車大手にバッテリーを供給している。 中国国内で競争が激化する中、中国バッテリーメーカーにとって国外販売量の重要性が増すかもしれない。 ゴールドマン・サックスは、中国バッテリーメーカーの国外利益が大きく増加していると試算。 独フォルクスワーゲン (VW) のサプライヤーである国軒高科について、利益に占める輸出または国外生産の割合が 25 年までに 70% 程度に達するとみている。 同社は今年、ドイツ工場が生産を開始したほか、米イリノイ州にも 20 億ドル(約 3,000 億円)規模のバッテリー工場を建設している。 地政学的問題は国外市場拡大への大きなリスクだ。 米インフレ抑制法は、EV の補助金受給条件として、バッテリー材料の一部を米国または自由貿易相手国産とすることを義務付けている。 一方、欧州連合 (EU) は中国からの輸入 EV の補助金に関する調査を開始したほか、クリーン技術の域内生産率を 30 年までに 40% に引き上げる目標を掲げる。 だが中国のバッテリー業界はすでに規制回避に動いている。 ゴールドマンによると、中国企業が発表したバッテリーや素材分野への国外投資額は 2,000 億元(約 4 兆 1,300 億円)を上回る。 このうち 80% 以上は欧州向けだ。 中でもハンガリーに投資が集まっている。 CATL は同国に 77 億ドル相当を投じ、大規模なバッテリー工場を建設する計画だ。 ハンガリーは EU 諸国の中では親中的で、人件費も比較的安い。 EU と米国の両方と自由貿易協定を結んでいるモロッコも恩恵を受けそうだ。 国軒高科は、バッテリー工場設立を検討することで同国政府と合意。 実現すれば、投資額は 64 億ドルに上る可能性がある。 また、中国鉱業大手の華友は韓国 LG 化学と共同で、同国にリチウム精製やカソード材料製造用の工場を建設する。 中国が国外で繰り広げるバッテリー競争に障害がないわけではないが、大手はそれを回避する態勢を整えている。 米国と、それ以上に欧州にとって、これは一長一短だ。 長期的には、バッテリーに関する中国のノウハウが欧州のサプライヤーに浸透し、テスラやアップルが中国の EV やスマートフォン分野の技術向上に貢献したように、現地のエコシステム構築に役立つかもしれない。 だが短期的には、米国や欧州で CATL の代わりになる企業が台頭しにくいかもしれない。 (Jacky Wong、The Wall Street Journal = 11-8-23) 中国はおいしい車市場か EV 拡大にひそむ火種 10 月 26 日に始まる東京モーターショー改め「ジャパンモビリティショー」には、中国から自動車メーカーとして初めて比亜迪 (BYD) が参加する。 自動車見本市は世界的に移行期にある。 東京とともに 5 大自動車ショーに数えられるドイツの「ミュンヘンモビリティショー(9 月)」では、日米欧のメーカーの不参加が相次いだ一方で、電気自動車 (EV) を多数ひっさげた中国企業が脚光を浴びた。 タイ、インドネシアの催しでも中国勢が存在感を増した。 ロシアにも輸出攻勢 その原動力は、爆発的ともいえる本国での EV の普及と輸出拡大だ。 中国汽車工業協会によれば、9 月の新車販売(輸出含む)に占める EV とプラグインハイブリッド車 (PHV) の比率は前年同月より 5 ポイント増えて 32% になった。 輸出も同 93% 増となり、2023年の累積では世界一の状態が続く。 世界でみると、1 - 6 月の半期に各国で販売された EV と PHV は 616 万台と 41% 増えたが、このうち 6 割は中国製だったとみられる。 驚くべきはロシアにも中国車の流入が急増した点だ。 ウクライナ侵攻に対する各国の禁輸措置の合間をぬって、中国はロシアの新車販売の半分を握る勢いだ。 中国国内はピークアウトの可能性 今後はどこまでいくか、と予想したくなる。 中国市場は肥沃でありつづけ、自国メーカーをさらに巨大な存在にしていくのか。 少なくとも後者はイエスだが、前者はノーだ。 中国国内市場の拡大はもうピークを過ぎている可能性があるからだ。 車産業の歴史をひもとけば、新車販売の過去最高水準は歴史的なバブル経済のピークと重なることが多い。 しかもバブル崩壊後の約 20 年間は、市場規模がピーク時の 7 - 9 割の水準で安定する。 日本のバブル崩壊後が典型だ。 1990 年の 777 万台を最高に新車販売は 2010 年まで 500 万 - 680 万台で推移した。 その後も人口減や若者の車離れが追い打ちをかけ、近年は 90 年の 6 - 7 割で推移する。 例外が米国だ。 世界大恐慌のあった 29 年(新車販売の最初のピーク)の後は 20 年間停滞が続いたが、49 年以降は過去最高水準を何度も切り上げ、現在に至る。 人口が増えつづけたことが大きい。 人口の減少期に入った中国は日本型といわれている。 23 年の新車販売は約 2,760 万台と 3 年連続で増加する見通しだが、けん引役が輸出なのを忘れてはならない。 輸出を差し引いた国内販売は17年の 2,799 万台を最高に、18 年から 5 年連続で減少が続く。 今後についても国内総生産 (GDP) の 3 割を占める不動産投資に不透明感が強まり、環境が厳しい。 つまり、17 年をピークとするなら今後は 2,000万 - 2,500 万台の範囲で安定期に入る。 一方で、新車の総需要は停滞しても EV への置き換えが進んでおり、強い企業が一段と巨大化する余地は大きい。 市場規模は日本の絶頂期の 3.6 倍もあり、実際に起きつつあるのは、BYD など EV 開発で先行する企業とその他の二極化だ。 「負け組」と呼ばれる企業群は国有企業を含めて淘汰の荒波にもまれつつある。 過剰生産で消耗戦のリスク EV で出遅れた日本勢も、手を打たなければ後者に沈む。 分かれ道が迫っており、三菱自動車は中国での生産から撤退を決めた。 面白いのは報道直後の株価が上昇した点だ。 値下げ競争もあって中国市場のうまみは薄れており、早めの撤退判断が評価された格好だ。 「勝ち組」中国メーカーの海外展開は今後も一段と進むだろう。 中国政府も補助金や税制面で手厚く支援しているとされる。 欧州連合 (EU) が中国製 EV についてダンピング調査を始めたのは強い危機感の表れだ。 状況を複雑にしているのは、すでに過剰生産能力が数百万台規模に膨らんだ中国で地場企業のほか、中国依存度の高いドイツ企業が今も設備投資を続けている点だ。 供給過剰は当面解消されない。 だとすると、世界的な EV 化の動きそのものにも悪影響しかねない。 EV が安くなるのは良いことだが、各国で中国勢の勢いが増せば既存メーカーは消耗し、投資をしにくくなる。 中国車を締め出す動きも強まるだろう。 普及するほど生まれる逆風 皮肉な現象だ。 中国が世界の EV 普及のドライバー役になればなるほど問題は起こり、火種も生まれやすい。 米国では安全保障上の規制から中国製 EV が広がりにくいが、全米自動車労組 (UAW) が続けるストライキの背景には中国を震源とする急激な EV 普及の動きが色濃く映る。 米世論調査会社ピュー・リサーチ・センターの 6 月調査によれば、雇用問題などを背景に、EU や米カリフォルニア州が採る「35 年のガソリン車販売禁止」は間違いと答えた人は 2 年前より 8 ポイント増えて 59% に達した(米政府の現目標は 30 年に 50% を無公害車化)。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは同月の社説で「脱炭素への解決策は様々なのに声の大きい勢力を前に物言えぬ多数派がいる」との豊田章男・トヨタ自動車会長の発言(22 年 12 月)を引用し、「勇気ある言葉」と支持した。 少し前まで米国はトヨタの慎重な EV 対応に厳しい立場だった。 米国以外でも世論は揺れ動いている。 日本はどうするのか。 もはや EV の研究開発で手を緩めることはできない。 中国という巨大な相手が力をつけた以上、日本は電池やソフトウエアなど広範な技術と戦略で勝り続けるしかない。 (中山淳史、nikkei = 10-16-23) 中国・重慶に EV ずらり … 一帯一路の新たな目玉 「量から質」転換へ 中国の習近平国家主席が 2013 年秋に巨大経済圏構想「一帯一路」を打ち出してから 10 年。 その間、道路や鉄道、港湾など巨大インフラ投資で沿線国への影響力を拡大した一方、過剰な貸し付けで途上国を借金漬けにする「債務のわな」との批判も高まった。 習氏は最近、経済協力プロジェクトについて「小さくて美しい」事業優先と号令をかけ「量から質」への転換を図る。 中国と欧州を結ぶ貨物鉄道「中欧班列」もそうした現場の一つだ。 中国内陸部の政府直轄都市、重慶市。 中心部から北西に車で 20 キロほど走ると、出入り口が厳格に警備された巨大な鉄道貨物ターミナル「団結村駅」が姿を現した。 その一角にある税関検査場では、ナンバープレートの付いていない数百台の新車がずらりと並び、重量検査などを経て、貨物列車に積み込まれる。 記者が車種を確認すると、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が自動運転技術を提供する地元新興メーカー賽力斯(セレス)の電気自動車 (EV) が目についた。 世界最大の人口 3,200 万人を抱える重慶は長江上流に面し、古くから水運の町として知られてきたが、習氏が「一帯一路」を提唱すると、欧州と東南アジアを結ぶ貨物鉄道の要衝として急速に存在感を高めた。 ドイツなど欧州への直行列車は、かつてはパソコンなど中国内欧米メーカー工場からの製品輸出が目立ったが、現在は国内メーカー製品に置き換わりつつある。 検査場運営会社の韓超・副総経理は「これまで自動車の輸出はほとんどなかったが、今年上半期だけで 3.6 万台と予想を超えて急増した。 このうち 6 割以上が(EV など)新エネルギー車だ。」と胸を張った。 重慶は上海市、吉林省に続く中国国内 3 位の自動車生産地域で、国内外の自動車メーカーが集積するが、中国勢が注力するのはやはり EV だ。 中国自動車大手の長安汽車の研究開発センターを訪れると、展示されていたのは EV 技術が中心。 ファーウェイと車載用電池世界最大手の寧徳時代新能源科技 (CATL) と共同開発し昨夏発売した「アバター 011」は、60 万元(約 1,200 万円)と高額だが、走行距離は 680 キロと高い性能を誇る。 海外事業を担当する黄晶氏は「来年にはドイツやオランダ、ノルウェーに輸出する計画で、現地工場の建設も検討している」と意欲を示した。 米テスラと世界首位の座を争う中国自動車最大手の比亜迪 (BYD) が 18 年に最初の自社開発のリチウムイオン電池工場を建設したのも重慶だ。 総額 180 億元を投じた工場の生産ラインは「企業秘密だ」と撮影は禁じられたが、ガラス越しで見学するだけでも、自動化がほぼ完成しており、コスト削減につなげている様子がうかがえた。 BYD は欧州や東南アジアに輸出攻勢をかけるが、22 年に進出したタイでは今年に入り、早くも EV シェア 3 割を握って首位を走る。 世界全体でも中国の自動車輸出は 23 年上半期、初めて日本を抜き世界首位となった。 国際経済を専門とする北京の大学教授は「EV が(「一帯一路」沿線国への)新たな名刺代わりになっている」と述べ、先端技術を使い、環境を重視する「質の高い中国経済」への転換を EV が印象づけているとの見方を示した。 中国政府は 17 - 18 日、一帯一路 10 年を記念し、130 カ国以上の代表団が参加する国際会議を北京で開催する。 ここでも「量から質」への転換をアピールする見通しだ。 (重慶・倉祥徳、mainichi = 10-15-23) 中国新興 EV の威馬汽車が破産申請 [北京] 中国電気自動車 (EV) の新興企業、威馬汽車技術(WM モーター・テクノロジー)が上海の裁判所に破産を申請したことが 9 日付の書類で明らかになった。 威馬汽車は 10 日、微博(ウェイボ)に「当社は計画している再編で世界中から戦略的投資家を募り、再生を果たす」と投稿した。 同社はここ数年、新型コロナウイルスのパンデミックの影響、資本市場の低迷、原材料価格の大幅な変動、運営と開発に必要な資金が調達できなかったことなどによる苦境で、事業環境面でジレンマに陥っていたと説明した。 2015 年設立の同社は、中国において蔚来汽車(ニオ)、理想汽車(リ・オート)、小鵬汽車(シャオペン)などと並ぶ前途有望な新興 EV 企業の 1 社だったが、黒字化への道筋をなかなかつけられない状態が続いていた。 計画していた香港市場への新規株式公開 (IPO) 申請に向けて 2022 年 6 月に発表した目論見書によると、同社の年間損失は 2021 年までの 3 年で 82 億元(11 億 3,000 万ドル)に倍増した。 (Reuters = 10-11-23) 電気料金高騰で EV 車オーナーが悲鳴 - 中国メディア 2023 年 9 月 21 日、中国新聞週刊は、中国各地で電気料金が高騰する中で化石燃料車への回帰を考える電気自動車 (EV) ドライバーが出始めていることを報じた。 記事は、今年 7 月以降、上海、重慶、湖南、四川、山東など多くの省・直轄市や河南省鄭州市、広東省広州市などの都市に設置されている EV 充電スタンドの充電価格が大きく値上がりしていると紹介。 ほとんどの場所で値上げ率が 50% を超え、上海市でもキロワット時あたりの単価が 1 元余りから 2 元余りへと上昇したと伝えた。 そして、充電価格の値上げは一日のどの時間帯でも充電の必要があるネット配車サービスのドライバーにとっては非常に頭の痛い問題であるとし、あるドライバーの話によると夏の高温もあって配車サービスの 1 キロあたりコストが 0.3 元まで(約 6 円)まで上昇したのに対し、ハイブリッド車は夜間給油で優遇のある地域で 1 キロあたりのコストが 0.4 元(約 8 円)に抑えられていることから、これ以上充電価格が上昇するようなら化石燃料車への回帰を考えているドライバーも少なくないと伝えている。 その上で、昨今の充電価格の上昇について「実はサービス料部分の値上げが最も大きい」と指摘。 EV の所有者からは「電気代、駐車場代が上がるのは理解できるが、サービス料とはいったい何なのか。 化石燃料車ではガソリンスタンドはセルフ給油できるし、スタッフが給油したとしてもサービス料は請求されないのに、EV ではなぜサービス料がかかるのか」との疑問の声が出ていると伝えた。 記事は、国家発展改革委員会が 2014 年 7 月に「電気自動車電気料金政策関連問題に関する通知」を発表し、充電設備運営企業は EV ユーザーに対して電気料金と充電サービス料金の 2 つの料金を請求することができ、サービス料金は設備の運営費用を賄うために使用されると定めていることを紹介。 また、充電サービス料金の基準上限は省人民政府またはその他の認可を受けた部門が策定・調整すると定められているとした上で「充電サービス料は最近始まったものではない。 20 年以降に EV 市場が活況を呈し、電気自動車に対する各種支援政策が徐々に撤廃されるのに伴い、充電サービス料も上昇したのだ」と解説した。 その上で中国科学院の院士で中国電気自動車協会の欧陽明高(オウヤン・ミンガオ)副理事長が「新エネ車のコストが化石燃料車よりもまだ高いこと、EV の爆発的増加による充電難などの要因もあり、今年以降、新エネ革命は『痛みの時期』に入る」と述べ、数多く誕生した新エネ車の新興ブランドの間で生産停止、賃金未払い、人員削減、倒産などが頻発しているのも、まさにこの業界が「痛みの時期」に入っていることの表れであるとの見解を示したことを伝えている。 (川尻、Record China = 9-23-23) |