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中国の富裕層の目に映る日本「印象深かった」、日本は富裕層にも人気 中国人にとっての人気の海外旅行先としては日本やタイなどを挙げることができる。 日本を訪れる中国人旅行客が年々増加の一途を辿っていることからも、日本旅行の人気の高さが分かるだろう。 中国メディアの環球時報の電子版はこのほど、韓国の朝鮮日報の報道を引用し、胡潤研究院がまとめた報告として、「中国の若い富裕層が 2015 年に訪れた国のなかで、もっとも印象深かった国は日本だった」と伝えている。 胡潤研究院は 1980 年以降に生まれた 525 人の若い富裕層を対象に面接調査を行い、報告書をまとめた。 同報告書によれば、調査対象者の平均資産は 3,877 万元(6 億 3,246 万円)で、彼らの家庭の平均旅行支出は年 42 万元(685 万円)で、うち 22 万元(約 359 万円)は現地での買い物費用だった。 記事は、若い富裕層たちにもっとも人気の旅行先はフランスで 40%、次いで日本が 39%、オーストラリアが 28% となった。 韓国は 25% で 13 位だったと紹介。 さらに、もっとも印象深かった国は日本が 24%、フランスが 10%、韓国は 8% だったと伝えた。 多くの中国人旅行客が日本を訪れるなか、胡潤研究院の報告書からは中間層だけでなく、富裕層にとっても日本は魅力的な旅行先であることが見て取れる。 「もっとも印象深かった国」で日本が 1 位となったことについて、記事は「何が、どのように」印象深かったのかは伝えていないものの、恐らくは中国国内で伝えられている日本の「悪い」イメージと、実際の日本は大きく異なっていたということではないだろうか。 (SearChina = 6-9-16) 花火に夏祭り、海水浴に登山 … 楽しすぎる日本の夏、一家全員で日本に行こう! = 中国メディア 中国メディア・南方網は 25 日、子どもたちが長い休みに入る夏は家族旅行のチャンスであり、この時期の日本は花火や祭りなど魅力が満載ゆえ、一家全員で日本に遊びに行くべしとする記事を掲載した。 記事はまず、夏の日本旅行で外せない遊びとして花火大会を挙げた。 花火は日本では「夏の風物詩」とされており、家族みんなで浴衣を着て夜空を見上げ、きらびやかな花火を見るのは夏の日の最高の瞬間であると紹介した。 また、花火大会ではたこ焼き、焼きそば、焼き鳥、チョコバナナ、お好み焼きなどのグルメも楽しむことが出来るとした。 さらに、花火大会以外にもこの時期の日本では大きな祭りのイベントが開催されるとして、6 月に札幌で行われるよさこいソーラン祭り、7 月に石川県飯田町で行われる灯篭山祭り、8 月の青森ねぶた祭りをその例として挙げた。 このほか、夏の富士山や沖縄の海など、家族で楽しめる観光スポットが数多く存在するとした。 そして最後に、夏の日本旅行において特に注意すべき点として、暑さゆえに湿疹が起きやすいこと、蚊などに刺されやすいことを挙げ、おすすめの軟膏を紹介している。 四季でいろいろな表情を見せ、季節ごとに訪れ楽しむ価値のある日本。 夏は特に賑やかなムードに包まれることが多く、元来賑やかさを好む中国の人たちにとっても親しみやすい時期ではないだろうか。 また、祭りや花火など日本の伝統的な庶民文化にも親しむことができる、なんともお得なシーズンなのである。 (SearChina = 5-28-16) 全国百貨店、4 月免税売上高が 39 カ月ぶりに減少 = 日本百貨店協会 [東京] 日本百貨店協会が 20 日発表した 4 月の全国百貨店の免税売上高は前年同月比 9.3% 減の 179 億 9,000 万円となり、2013 年 1 月以来 39 カ月ぶりに減少した。 客数は増加しているものの、客単価が大幅に下落している。 リピーター増加による購買対象の変化に加え、中国の輸入関税引き上げや景気減速などが影響しており、今後もマイナス傾向は続くとみられている。 4 月の訪日外国人の購買客数は同 7.8% 増と増加したものの、客単価が同 15.9% 減となった。 近内哲也専務理事は会見で「客単価は 4 月よりも 5 月の方が下がっている。 (免税売上高)マイナスの状況はしばらく続く。」との見通しを示した。 時計やラグジュアリーブランドなどの一般物品売上高は同 22.5% 減となった一方で、化粧品や食品などの消耗品売上高は同 56.1% 増と増加した。 4 月の百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比 3.8% 減の 4,536 億円と、2 カ月連続でマイナスとなった。 4 月は、雨が多く天候に恵まれなかったこと、円高・株安を受けた消費マインドの冷え込み、熊本地震による心理的な影響などが販売を圧迫した。 地区別にみても全地区で前年割れとなり、とりわけ熊本地震が発生した九州地区は同 12.9% 減と、2 桁のマイナスになった。 衣料品が 6 カ月連続でマイナスとなったほか、食料品、身の回り品、家庭用品も振るわなかった。 調査対象の百貨店は 81 社・236 店舗。 東京地区は前年比 1.5% 減と、2 カ月連続でマイナスとなった。 (清水律子、Reuters = 5-20-16) 日本が一部中国人向け訪日ビザの有効期限を 10 年に延長した理由 - 中国メディア 5 月 14 日、米国、カナダ、韓国に続き、日本も中国人を対象とした訪日ビザの有効期限を最大 10 年に延長することを決定した。 先月末、中国を訪れた日本の岸田文雄外相は、中国外交部(外務省)の王毅部長との会談の際に、一部の中国人に対して最長 10 年の数次ビザを発給すると述べた。 また、中国教育部直属大学 75 校に所属する学生などに対する一次ビザの申請手続を簡素化する。 新華社が伝えた。 岸田外相が言及した「一部の中国人」とは、どのような人を指すのだろうか。 有効期限 10 年のビザ政策はいつから正式に実施されるのだろうか。 日中両国の外相会談が行われた 4 月 30 日、日本外務省は「中国人に対するビザ発給要件等の緩和」に関する報道発表を公式サイト上で行った。 この報道発表によると、今回変更の対象となるのは、商用目的の渡航者と文化人・知識人の 2 種類の中国人で、数次ビザの有効期限を現行の最長 5 年から最長 10 年に延長、発給要件もさらに緩和する。 次に、中国教育部直属大学 75 校に所属する学部生・院生及びその卒業後 3 年以内の卒業生に対する一次ビザの申請手続を簡素化する。 日本を行き来する中国の高所得者を対象とした数次ビザの発給と比べ、今回の有効期限 10 年ビザの発給では、収入によるハードルが撤廃され、ビジネスマンと文化・学術関係者は最大の利益を受けることになる。 在中国日本大使館によると、商用目的の渡航者とは、国有大型・中型企業、上場企業、日本の上場企業の投資による合弁企業および子会社、日本の上場企業と頻繁に取引している企業の「処長または経理以上の役職にある者」で「勤続年数 1 年以上の者」を指す。 文化人・知識人の対象範囲はより広く、知名度の高い芸術家、人文科学・自然科学分野の研究者、アスリート、政府担当者、大学の教授・准教授、講師などがすべて含まれる。 現役学生や社会人になったばかりの卒業生も、資金不足が理由で訪日ビザの取得を諦める必要はなくなった。 報道発表の 2 項目目によると、中国教育部直属大学 75 校に所属する学部生・院生及びその卒業後 3 年以内の卒業生に対する一次ビザの申請手続が簡素化される。 数次ビザではなく一次ビザではあるが、若者が旅行・勉強・交流などの目的で日本を訪れる際の手続きがより簡便化される。 ビザ発給要件緩和の細則や具体的な実施タイムテーブルについて、日本外務省の中国事務関係者は、「日本政府が関係当局と準備を進めているが、遅くとも今年末には実施されるだろう」との見方を示した。 同関係者は今回の日本政府の措置には次の 3 つの目的があると指摘した。 ( 中国・人民網 = 5-14-16)
◇ ◇ ◇ 訪日中国人のビザ発給要件を緩和へ 日中外相会談 岸田文雄外相は 30 日、北京で行われた王毅(ワンイー)外相との会談で、訪日中国人の査証(ビザ)発給の要件を緩和する方針を伝えた。 (asahi = 4-30-16) オカモト、過去最高益 中国人の爆買い、コンドームにも コンドームやゴム手袋などの生活用品を手がけるオカモトは、2016 年 3 月期の純利益が過去最高の 50 億円に達した。 中国人観光客による「爆買い」などが寄与し、コンドームの売上高が前年より 44% 伸びた。 昨年 4 月発売でこれまでより約半分薄くし、同社製品で最も薄い 0.01 ミリ台の「オカモトゼロワン(3 個入り、税別 900 円)」が好評で、中国人を中心に訪日客がドラッグストアでまとめ買いしているという。 「丈夫さが人気だ」と岡本良幸社長。 コンドームは輸出も好調で、前年より東南アジア向けが 3 割、北米向けが 2 割伸びた。 「東欧など海外市場をもっと開拓したい。」 (asahi = 5-9-16) 訪日客急増の中国、熊本地震に強い関心 安否確認急ぐ 熊本県などで続く地震には、訪日旅行客が急増している中国でも強い関心が集まっている。 中国国営中央テレビによると、道路が寸断されるなどして孤立状態に陥った同県南阿蘇村の温泉旅館には 20 人の中国人団体客も宿泊していた。 けが人はなく、16 日午後、全員ヘリコプターで救助されたという。 九州地方は訪日する中国旅行者に人気のエリア。 中国外務省と在福岡総領事館は留学生を含め多くの中国人が影響を受けている可能性があるとみて、24 時間の電話対応窓口を設け情報の収集と提供を進めている。 国営中央テレビは熊本市内のホテルで 16 日未明の強い地震に遭った中国の団体旅行者が不安そうにロビーで待機する様子や、交通機関の乱れで帰国のメドが立たなくなった香港人旅行者の表情なども伝えた。 中国外務省の陸慷報道局長は同日、被災者へのお見舞いのコメントを発表した。 (北京 = 林望、asahi = 4-16-16) 桜求めてニッポンへ 中国客、花見シーズンに急増 桜の季節がめぐってきた。 花見シーズンは、昨年最も多くの訪日客がやってきた中国からもたくさんのファンを運んでくる。 中国で高まる花見ブームを前に、商機を逃すまいと日本の受け入れ側も対策を練っている。 桜の名所、東京・上野公園。 1 日、桜のトンネルの下は多くの花見客でごった返し、あちこちで中国語が飛び交う。 上海から 4 人の友人と訪れた女性会社員、趙菁芳さん (30) は 3 度目の日本旅行。 「今回の目的は桜。 こんなに桜だけが咲いている場所は初めて。 感動した。」 桜に合わせて買ったピンク色のコートを着て、記念撮影していた。 中国の多くの旅行会社は、サイトで「桜 東京、箱根、鎌倉、大阪 5 泊 6 日旅行」、「九州の花見の名所ツアー」などと PR し、色鮮やかな各地の桜の写真をふんだんに掲載している。 中国のオンライン旅行サービス大手、携程旅行網(シートリップ)の担当者は「以前と違い、サイトや微信(中国版 LINE)などできめ細かい宣伝ができる」と語る。 桜前線を見て、どの時期にどこで満開なのかを考えて行き先を決める旅行客も多く、開花予想をもとに目的地を案内。 「中国人の国外旅行はその土地の生活や文化に溶け込む形にシフトしている。 日本の花見は人気だ。」 同社は、ほかの国と比べた日本の近さや航空券の安さに加え、花見の魅力が加わると競争力が増すため、春に積極的に売り出している。 昨年、花見の時期となる 3 月 15 日 - 4 月 15 日に訪日する中国人は約 35 万人と試算。 今年はさらに 5 割ほど増えると予測している。 日本政府観光局によると、昨年の訪日外国人客は約 1,973 万人で過去最高。 最多の中国からは約 499 万人で、4 月は前年同月の 2 倍超の約 40 万人だった。 中国にも桜の名所はあるが、「花見の本場は日本」というイメージが定着している。 雑誌やネットで旅行情報を発信する「Witrip」の陶媛編集長 (39) は「日本の花見は土地ごとに雰囲気が異なり、中国人を飽きさせない」と話す。 (宮嶋加菜子、上海 = 金順姫、asahi = 4-6-16) ◇ ◇ ◇ なぜ中国人は日本で花見をしてみたいのか?
「花の命は短い」っていう日本語も知っています 「毎日ネットで日本の桜の開花予測をチェックしています。 だって、桜の開花シーズンは混み合うので、急に日本旅行のチケットが取れるわけではないし、タイミングよく桜が見られるか心配じゃないですか。」 北京在住の主婦、趙さん(51 歳)は「桜の話」になるとソワソワする。 中国在住の中国人なのに、わざわざ日本の桜の開花予測をチェックしているとは驚きだ。 もちろん、中国には桜の開花予測というものは存在しない、日本独自のものだ。 趙さんは専業主婦。 中国人にしては珍しい。 夫が会社経営していて裕福なので、友人らと食事に出かけたり、国内外に旅行したりすることを趣味にしている。 3 月末にも東京に遊びに行く予定だと聞いていたのでメールしてみたのだが、3 月上旬の段階では、まだスケジュールを決めかねており、上記の話を私の微信(中国版 LINE)に一気に送ってきた。 「友人との予定が合う 3 月 4 週目に行くことになりそうなんですが、その頃だとまだ 2 - 3 分咲きでしょう? でも、しょうがないですよね。 ほんの少しでも桜が見られたらそれでいいので。 『花の命は短い』っていう日本語があることも知っていますから。(笑)」 まるで日本人と会話しているかのような錯覚を覚えるほど自然な会話だが、趙さんはごく普通の中国人であり、日本ととくに深い縁があるわけではない。 数年前から日本旅行を始め、日本の「かわいい雑貨や洋服」を追い求めて、年に 2 回ほど日本旅行にやってくるというだけだ。 だが、桜には特別の思いがあるという。 日本のイメージは桜、富士山、温泉、ラーメンの順 「中国人にとって、日本のイメージといえば、第一に桜、そして富士山、続いて温泉、ラーメンの順番でしょう。 一番の人気は何といっても、桜です。 以前、訪日したときはちょうど 4 月の清明節(中国でお墓参りをする日)の連休と桜の開花がぶつかり、運よく少しだけ見られたのですが、今度はできれば満開のときに見てみたいなと思ったのです。 日本人のように、桜の木の下でお酒を飲みたいとは思わないけれど、桜をバックにたくさん写真を撮って、友だちに自慢したかったのですが、今回は日程的に微妙ですね …。」 趙さんのように桜に強い思いを抱く中国人は多い。 日本への渡航経験のあるなしにかかわらず、中国で日本関係の印刷物などでよくイメージ写真に使われているのは、やはり桜と富士山が定番中の定番だ。 訪日中国人が史上最大の 500 万人といっても、「まだ定番の日本を体験していない = だから体験してみたい」と思っている中国人は非常に多い。 だから、日本といえば、イメージするのはズバリこの二つであり、日本を体感するためにも「一度は拝んでみたい」もののようらしい。 趙さんによれば、桜の魅力は、(1) 開花時期が短く貴重であること、(2) 本格的な春を思わせる花で日本の象徴であること、(3) 散り際が見事で散ったあとも美しいこと - - などだ。 日本旅行歴がまだ浅い趙さんが、いかにも「日本通」であるかのように滔々と話すので、逆に日本人である私のほうが面食らってしまった。 それほどまでに、中国人にとって日本 = 桜、であり、桜への憧れは強いようだ。 趙さんのような中年だけに限らない。 昨年、取材で訪れた上海で出会った若者は 21 歳と 25 歳の男性会社員だった。 日本のアニメやコスプレが大好きで、休日にはコスプレして公園に行き、友人同士で撮影会まで行うという、オタクでちょっとヤンキー風の青年だった。 日本に行ったことはまだ一度もなく、「いつか日本に行ってみたい。 日本に着いたら、とにかく本物の桜を見てみたい。」とつぶやいていた。 ちょうど出会ったとき、1 人はパソコンを持っており、私の目の前でパソコンを起動させると、トップ画面にある桜の写真をやや自慢げに見せてくれた。 といっても、まだ行ったことがない「新宿御苑」の桜の写真で、「どうしてこんな写真を持っているの?」と聞くと、ネットで画像を探してきたと言い、「とてもきれいだから、いつもこうしてパソコンの背景にしているんです」と少し照れながら話してくれた。 いつか日本で桜を見られたら「とにかく写真を撮りたい。 できれば桜の枝を前にして、着物を着て、背景はゼッタイ富士山がいい。(笑)」と妄想を膨らませる。 こんなに若い青年でさえ、日本の桜に憧れていると聞いて私はかなり驚いた。 私もときどきチェックする中国の SNS、「微信」上でも、2 月中旬ごろから、桜前線に関する情報や、「今こそ行くべき日本の桜の名所ベスト 100」などの情報がたくさん載っていたので、ネットを頻繁に見ている若者は知識だけはかなり持っているようだ。 そのランキングによると、ベスト 5 は新宿御苑(東京)、上野公園(東京)、千鳥ヶ淵(東京)、清水寺(京都)、吉野山(奈良)の順だった。 中国の旅行クチコミサイト(海外旅行をする人のための情報が載っているウェブサイト)の「日本」の項目を見ても、日々刻々と変わる桜前線や、地方都市の桜の名所などを紹介している。 中国の旅行クチコミサイトの中には、ネット版「地球の歩き方」のようなものがあり、そこには日本人でもあまり知らないようなマニアックな地方の桜並木なども紹介されている。 いかに花見が日本旅行のモチベーションにつながっているか、人気の高さがうかがえる。 中国で見る桜と日本の桜はぜんぜん違う 中国にも実は、桜の名所はかなりたくさんある。 中国人も桜や紅葉など自然を愛めでる習慣があるからだ。 近年は生活にもゆとりが出てきて、花見などに出かける機会が増えた。 桜の場合、北京では玉淵澤公園、上海では上海植物園などがとくに知られており、地方都市の武漢などは武漢大学のキャンパスにたくさん植えられている。 武漢大学はわざわざ遠方から花見に出かけて行くほど有名だ。 実は、武漢大学の桜は戦時中、日本軍が植えた桜が移植されたものだと言われており、地元の人々は皆そのことを知っている。 だが、今では純粋に桜の名所として人気が高く、反日デモのときでも、桜を傷つける人など誰もいなかった。 中国は広いので、都市によって気候は大きく異なり、桜が咲かない地域も多いが、一部の都市では容易に桜を見つけることができる。 だが、前述の趙さんは首を横に振りながら、「でも、中国で見る桜と日本の桜はぜんぜん違いますよ」と力説する。 「日本の桜は川べりにはうようにして咲いていたり、長い並木道に植えてあったり、菜の花とセットだったり、とにかく風景全体が美しい。 日本で見るからかもしれませんが、中国の公園で見る桜とは雰囲気が違います。 種類も断然豊富で、何よりも木の手入れが行き届いている。 私は日本に行くまで、桜にたくさんの種類があることを知らなかったけど、早咲きや遅咲き、それにソメイヨシノとか八重桜とか、いろいろあることを知りました。 桜はやはり本場の日本で見てこそ、見応えがあるものだと痛感しました。」 以前、私は別の中国人から「日本は空の青、山の緑、田んぼの緑のコントラストが美しい」と言われてびっくりし、「そんなものかな?」と思ったことがあったが、同じ桜の木でも、日本と中国では周囲の風景が大きく異なる。 中国の桜は土壌や気候との関係なのか、枝ぶりが大きく育つことが多く、日本のように顔の間近まで枝がはうようなシチュエーションは少ない。 やはり日本とは同じ桜といっても、趣が異なるのだ。 そういえば、昨年の 3 月も「爆花見」と形容されるほど大勢の中国人が来日した。 花見が目的の第一だったかどうかは不明だが、昨年 3 月のビザ発給件数は前年同月の 2 倍に当たる約 14 万 6,000 件と、単月では過去最高となった。 昨年の場合、桜の満開と中国の祝日(清明節)の時期がぶつかったため、余計に大勢の観光客が訪れたということもある。 私自身も昨年、井の頭公園(東京)にお花見に出かけた際、桜の枝を頬の横まで引っぱってスマホで写真を撮影する中国の若いカップルや家族連れを何組も見かけた。 動画を撮ったり、SNS に載せたり、数人で踊ってみたりと、桜よりお弁当やお酒を重視する「花よりだんご」の日本人の花見客と比べて、桜そのものを楽しむ人が多いように見えた。 この 1 年ほど、中国人(とくに中間層以上)の海外旅行は「モノ」消費から「コト」消費へと移ってきていると言われている。 今後は家電や日用品などの買い物だけでなく、美容や医療、風景、芸術、グルメ、スポーツなどの体験や思い出づくりに関心事が移っていくだろうと予測されている。 現に、エステやマッサージ、川下りやスキー、陶芸教室などにも興味を示していると言われている。 行き先も東京や大阪などのゴールデンルートから、地方都市へと広がってきている。 とくに都会の中間層以上にとって、海外旅行が急速に成熟化していく中で、もはや興味が物欲だけではなくなってきていることは確かだ。 そんな彼らにとって、開花時期がとても短く、日本を象徴する特別な花である桜を愛でることは「まだやっていないコト」であり「ぜひやってみたいコト」のひとつだ。 免税店などでの買い物は他の国でも代替がきく。 その点、桜が最も美しい国は日本しかなく、桜 = 日本というイメージが非常に強いからだ。 昨年は史上最大の約 500 万人の中国人が来日した。 それでもまだ、「日本でお花見」を実際に経験した人はわずかしかいない。 前述したように開花時期が短いからだ。 そういう意味では、今後、このシーズンにぶつけて来日を計画する人がますます増えることは間違いないだろう。 中国人が押し寄せると、何でも「爆○○」という代名詞がついてしまう昨今。 とは言え、彼らが桜に興味を示し、日本の風流を少しでも感じてくれたら、日本人としてとてもうれしい。 そして何よりも、日本の新たなるインバウンド戦略のひとつとして、「桜」は真剣に考える材料のひとつとなり得るのではないだろうか。 (中島恵、yomiuri = 3-22-16) 日本について何も知らなかった … 中国の「愛国志士」が東京旅行、真の日本に触れて感じたことは? 2005 年の反日デモで「日本帝国主義を打倒せよ」と叫び、日本大使館にゴミを投げつけた「愛国志士」たち。 その多くは日本に行ったことがなく、日本について何も知らなかった一方で、日本に対する好奇心を持っていたかもしれない。 10 年が経った今も、彼らは「愛国志士」でいるのだろうか。 中国メディア・捜狐は 3 日、そんな「愛国志士」だった 1 人が自身の日本に対する無知と好奇心を告白したうえで、このほど日本への自由旅行に出かけて「本当の日本」を理解したとする文章を掲載した。 文章はまず、自身が歴史や古い文化を好み、日本の伝統文化が中国を源としながら明らかに中国とは異なっている部分を持っていることに興味を持ち、それを旅行のテーマにしたことを紹介。 「ツアーの多くは買い物やディズニー、富士山などがメインで満足できないので、自由旅行を選んだ」としている。 この記述からも、中国人観光客イコール「爆買い」という見方がステレオタイプであることが伺えるようだ。 文章はそのうえで、靖国神社、一般の神社、明治神宮、皇居といった場所を巡ったとし、靖国神社については「決して大きくなく、参拝するのも政治家や戦争の罪を頑なに認めない年配の人が多い。 日本の主流文化や大衆の視点を代表するものではないことが見て分かった」と説明。 一般の神社については、静かな雰囲気と簡素なしきたりを特徴する、日本人にとって最も純朴な宗教信仰であると紹介している。 明治神宮と皇居に関しては、おもに明治天皇について言及。 朝鮮や中国との戦争を発動したことで議論はあるものの「何といってもアジアを率いて現代化と向かわせた君主なのである」とした。 そして記事は最後に、実際に目で見た日本人について論じている。 日本人は礼儀正しく友好的であるほか、年配者を敬うという儒家の精神が根付いていると紹介。 「日本人は儒家文化の道徳を伝承してきたことで、礼儀の国となったのだ。 中国人はその品位を捨ててしまった。 どうやってこの優れた伝統を復活させ、日本人より秩序正しく、礼儀や友好を重んじるようになるかこと、愛国志士が考えるべきことなのだ。」と論じた。 そして「日中両国が早く恨みを離れ、ともに東アジア文化を発揚させるために努力するようになることを願いたい」と結んでいる。 日本を訪れる中国人観光客の増加は、単に日本の観光業界や小売業界を潤すだけではない。 日本に対する理解を深めたり、認識を改めたりするうえでも大きな意味を持っているのである。 中国人観光客の訪日におけるトラブルも確かにあるが、訪れる側も迎える側も慣れないゆえの摩擦によるものが少なくないのではないか。 双方の努力や歩み寄りによって徐々に減っていくものと信じたい。 (SearChina = 3-7-16) 中国人が日本の「ラブホテル」を評価 「静かで清潔」、「料金が安い」 中国メディアの捜狐によると、日本旅行を考える中国人の間で、宿泊・休憩施設として、いわゆる「ラブホテル」への関心が高まっている。 「ベッド大きい」、「防音がよい」、「宿泊しなくても、部屋の時間貸しがある」、「料金が安い」などの点が評価されているという。 記事は、日本でラブホテルが発達した理由として、住居環境が悪く、プライバシーが保てる空間がほとんどなかったからと紹介。 ラブホテルは、売春や不倫のために存在したのではなく、普通のカップルが利用する場所と説明した。 そして、ラブホテルは宿泊だけでなく、利用時間で料金が決まるサービスがあり、静かで清潔な環境だけでなく、浴室、大きなベッド、カラーテレビ、カラオケなど、カップルのニーズを十分に満たすよう設備を充実させてきたと紹介。 特に 1970 年代からは、「西洋の城郭風」、「クリスマスがテーマ」など異国情緒を強調したり、「メリーゴーラウンド」や「回転ベッド」などをそなえる部屋が出現し、「現実社会の悩みを、ひと時、忘れさせてくれる別世界」が出現したと指摘。 同時に、外国人客からも「これは芸術」と評価されるようになったと論じた。 日本のラブホテル業界の近況については、高齢化や不況、さらに若い世代の「性ばなれ」で苦境が続いていたと紹介。 一方で、日本を訪れる外国人客、とくに中国人客の激増で、宿泊施設の確保が大きな問題になったと指摘。 日本では、宿泊施設について厳格な法令が存在するが、地方によって規制を緩和する例もあるという。 ラブホテル業界でも対応が見られ、子連れ旅行の家族のためにはベッドを追加したり、室内に設置していた「成人向け用品」の販売機を撤去する例があるという。 記事は日本旅行をする中国人の間でラブホテルへの関心が高まっている一方、日本のネットユーザーからは、ラブホテルは防音がしっかりしているので、うるさい中国人を泊めるのに適しているとの声が出ていると紹介した。 (SearChina = 3-2-16) 騒音や治安悪化も … 日本で民泊は広がる? 中国人客が民泊を利用したら 日本政府観光局によると、2015 年の訪日外国人数は約 1,973 万 7,400 人に達し、中国からの外客数は約 499 万人に達した。 外国人旅行客のマナーやモラル、さらには中国人旅行客による爆買いなど、旅行者側の態度が話題になったが、今後は受け入れる側の日本の対応が話題となるかも知れない。 中国メディアの環球網は米メディアの報道を引用し、日本で民泊の取り組みが広がりつつあることを紹介する一方、問題やトラブルも多発しており、緊急に対策が求められている民泊事情を解説した。 日本を訪れる外国人旅行客が急増するにつれ、日本ではホテルの客室不足が顕在化しつつある。 東京五輪が開催される 2020 年には年間 3,000 万人の旅行客が日本を訪れるとも予測されており、客室数不足の解決は喫緊の課題だ。 記事は、米国の民泊仲介サイトに登録される日本の部屋の数が急増していることを指摘する一方、日本ではすべての人が民泊を歓迎しているわけではないと指摘。 居住者に対して不特定多数の人を宿泊させることを禁止するマンションも増えてきていることを伝えた。 日本政府も法改正などの規制緩和を検討しているが、民泊の実態を十分には把握できておらず、法整備は今後の課題と言える。 また、マンションなどの一室を民泊として用いることに抵抗を示す日本人は少なくない。 基本的にマンションは特定の人による居住空間だが、民泊として営業すれば、不特定多数の外国人が出入りすることになる。 騒音問題や衛生問題、治安悪化などの問題はすでに発生しており、問題は山積している。 中国人旅行客によるマナー問題はすでに日本でも大きな関心を集めている。 トイレではない場所で大小便をする人、怒りにまかせて他人を殴打する人など、日本の常識では計れない行動も見られる。 すでに中国系の民泊仲介サイトには日本のマンションなどが大量に登録されているという報道もあるなか、大量の中国人旅行客が民泊を利用するようになった場合、トラブルはさらに増加するのだろうか。 受け入れる側の対応や姿勢も今後、大きな問題となる可能性がある。 (SearChina = 2-27-16) 「神薬」効果で爆買い特需 製薬業界、喜びと不安 外国人観光客による爆買いが、目薬や鎮痛剤といった一般医薬品に広がっている。 なかでも「日本に行ったら買うべきだ」と、中国のネットで紹介された 12 の「神薬」は人気が高い。 製薬会社は売り上げ増を喜ぶが、このまま続くか不安もある。 ■ 外国人向け販売、7 割 外国人観光客でにぎわう大阪・道頓堀。 戎橋から徒歩 10 分ほどのドラッグストア「スギドラッグ道頓堀東店」の売上高は、全国の系列店の中でトップを誇る。 外国人向け販売が 7 割を超え、全体を押し上げている。 客の多くを占める中国人のお目当ては医薬品だ。 店側も中国語の商品説明を充実させている。 中国語を話せるスタッフは計約 40 人で、日本人の 4 倍。 免税用レジには長い列ができ、1 人で 10 万円近く買い込む人もいる。 目薬や風邪薬などを買い物かご 3 個に詰め込んでレジに並んでいた中国・重慶市から観光に来た女性 (36) は「日本製は質が高いし値段もお得。 たくさん買おうと思って来ました。」 「爆買い」といえば値段の比較的高い家電や化粧品が知られていたが、最近の売れ筋は数百円から数千円の医薬品だ。 中国の株安や人民元下落で、観光客の財布のひもが固くなったことも影響しているという。 目薬や外用消炎鎮痛剤、頭痛薬や便秘薬など 12 の「神薬」という目玉商品も中国人を引きつける。 日本に行ったら買うべき薬として 2014 年秋ごろからネットで紹介され、どんどん人気が高まっている。 中国で売っていないことや、安全安心という日本のブランドイメージがうけている。 (西山明宏、asahi = 2-21-16) 経済減速なんのその 1 月の訪日中国客、前年比倍増 観光庁は 16 日、1 月に日本を訪れた中国人旅行者数が前年比 2.1 倍の 47 万 5 千人に上ったと発表した。 昨年 12 月と比べても 4 割近く増え、中国経済の減速が鮮明になる中でも、依然として伸び続けている。 日本に入国するためのビザの要件緩和に加え、日本と中国を結ぶ航空機やクルーズ船が増え、旅行がしやすくなっている。 旧正月の「春節」が前年より早く、学校などの休みが 1 月にかかったことで、家族旅行も増えた。 観光庁が小売業者らにヒアリングしたところ、日本での「爆買い」の勢いも衰えていない。 人気商品は、家電から化粧品などの消耗品に移っているという。 1 月の訪日外国人旅行者の総数は前年比 1.5 倍の 185 万人で、単月として過去 2 番目となった。 最多は韓国の 51 万 4 千人(前年比 1.4 倍)だった。(野口陽、asahi = 2-17-16) いざ春節、進化する爆買い 美容にカラオケ … ラブホまで 中国の大型連休となる旧正月の春節(今年は 8 日)を前に、多くの中国人観光客が日本を訪れている。 家電や化粧品を大量購入する「爆買い」だけでなく、美容やカラオケといった体験型の施設が人気だ。 外国人専用居酒屋や団体旅行客向けに転身するラブホテルなど、受け入れ側も躍起だ。 ■ ニキビ治療が旅行の目玉 5 日、東京・銀座の美容皮膚科「シロノクリニック銀座」。 春節に合わせて上海から来日した化粧品会社員女性 (28) が、顔のニキビ跡を消す治療を受けていた。 3 回目の来日で、ニキビ治療が旅行の目玉という。 「これまでは買い物が中心だったが、今回は美容。 日本では最新の治療を受けられるので安心だし、効果が楽しみ。」と話した。 クリニックを運営する「シーズ・メディカル」が昨年、中国語のホームページを作ったところ、中国人客が一気に増えたという。 1 回の平均単価は日本人の 5 倍の 50 万円。 広報担当者は「顔のしわやたるみをとるコースが人気です。」 銀座の美容室「UNIX キラリトギンザ店」では、昨年 5 月ごろから外国人観光客が増え始めた。 中国や台湾などを中心に、多い時は週 20 人ほど。 パーマ、ネイルなどの施術を希望する人も増えているという。 松本晃店長は「日本の美容院は接客が丁寧で、技術も高いとして満足してもらっているようだ」と話す。 カラオケも人気スポットの一つ。 東京・新宿の歌舞伎町では、カラオケ店のシダックスが昨年 12 月、家電量販大手ビックカメラと組んで、訪日外国人向けの施設をオープンさせた。 ビル 1 階と地下に化粧品や美容家電などを売る免税店が入り、2 - 10 階が「レストランカラオケ店」。 外国人を案内するコンシェルジュも配置した。 その一人で台湾生まれの兼西泰志さんは「買い物から食事、カラオケを一つのビルで気軽に楽しんでもらえる」と話す。 観光庁がまとめた昨年 10 - 12 月の中国人観光客の支出は、1 人あたりの買い物代が 16 万円とほかの国の観光客に比べて突出して高い。 前年同期と比べて 3 万円ほど伸び、「爆買い」意欲は旺盛。 一方、「娯楽・サービス」にかける費用も 5,609 円と、前年に比べ 4 倍近くに伸びている。 (岡林佐和、奥田貫) ■ ラブホ転身、ネオンも好評 観光客を受け入れる側も知恵を絞る。 5 日朝、愛知県稲沢市。 西洋の城を模した元ラブホテルを前に、記念撮影する母子ら中国人ツアー客約 30 人の姿があった。 この「ホテルハバナ」は昨年 11 月、中国人ツアー客専門のホテルに模様替えした。 名神高速沿いにあり、インターまで車で 5 分。 関西、関東、北陸にも行きやすい立地が受けて、2 月は連日 30 - 40 人の予約が入っている。 経営者の高野晃二さん (60) は「平日でも部屋が埋まるのはありがたい」と話す。 ラブホテルの利用客は 5 年前の半分ほどに減り、打開策として中国系の旅行会社と提携した。 中国人従業員を雇い、30 の客室の半分をダブルからツインに変えた。 部屋は 30 - 50 平方メートル。 「部屋も風呂もビジネスホテルより広い」と人気で、屋上に光るヤシの木のネオンも好評という。 居酒屋チェーン大手のワタミは昨年 11 月、東京・六本木に外国人専用の居酒屋「銀政 - GINMASA」をオープンさせた。 焼き鳥や天ぷら、スシなどの和食が中心で、客は外国人の団体ツアーに限る。 駄菓子のつかみ取りや浴衣や法被を着ての写真撮影、スシを握る体験型イベントを企画し、徐々に集客を伸ばしている。 広報担当者は「和食と日本にちなんだ体験を一緒に楽しめる居酒屋はありそうでない」と利用増に期待する。 「爆買い」の需要を取り込んできた百貨店も体験型に着目する。 東京・池袋の西武池袋本店は 6 - 14 日の期間限定で、着物で記念撮影できる無料のコーナーをつくった。 狙うのは来日 2 回目以上のリピーター。 担当者は「商品だけでなく体験や文化を楽しめるようにしてアピールしたい。」 (黒田健朗、渡辺洋介) ■ 地域では北海道が大人気 JTB によると、外国人観光客向けのサイトを通じた今年の春節シーズンの宿泊予約は、前年同期の 2 倍に増えている。 地域別では、さっぽろ雪まつりやスキーなど日本の冬ならではの体験ができる北海道が、予約全体の 35% を占めてトップ。 大阪 (8%)、東京 (8%)、京都 (7%)、沖縄 (5%) と続く。 宿泊の予約件数が前年同期の 3 倍以上となっているところは 12 県あり、行き先が分散している傾向もうかがえる。 また、東京タワーにできた体験型施設や、「かに道楽」などをめぐる大阪の食事プラン、愛知県から石川県までの名所をまわるバス旅行も人気という。 (asahi = 2-8-16) |