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コロナも治る矯正下着と「海外ビジネス要員」 中国がネットの「掃除」を呼びかける理由 もし中国のネット世界の奔放さを知らなければ、「当局が規制」と聞けばインスタントに想像するのは、「委縮する、可哀そうなネットユーザー」だろう。 これは日本の事情をそのまま中国に当てはめることで生じる誤認だ。 日中間の摩擦や不信の多くは、たいていこんなパーセプションギャップに起因する。 新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)が猛威を振るった 2020 年春、中国のネットは瞬く間に怪しい感染防止や予防法の情報があふれ返った。 感染対策を巡る「公式情報」なるデマも無数に飛び交い、治療や予防に絡む詐欺も横行した。 これに対し当局は厳しい取り締まりを行い騒ぎはある程度収った。 だが今年 3 月、上海で新型コロナの感染拡大が始まると、性懲りもなく同様の偽情報や詐欺がネット空間を埋め尽したのには驚かされた。 ネットに絡んだ犯罪は 2016 年の時点ですでに犯罪全体の 3 分の 1 に達していたというから、現在はさらに大きな割合となっているはずだ。 犯罪は貧困と親和性があり厳しい取り締まりや厳罰だけで対処はできない。 多種多様な犯罪があふれるネット空間で、当局は地道な取り締まりを続けているが、手を焼いているとの印象は否めない。 13 億 4,000 万のアカウントを処分 3 月中旬、中国の国家インターネット情報弁公室はネット空間を清掃するという意味の「清朗行動」について記者会見を行った。 それによれば 2021 年に取り締まりの対象になったネット司会者(インフルエンサー)は 7,200 人。 発信された不適切な情報は約 2,200 万件。 具体的に処分の対象となったアカウントに至っては 13 憶 4,000 万にも達したという。 ネット空間の委縮どころか規制ギリギリでかなり活発であることがうかがえるのだが、かなでも昨今の注目はやはりインフルエンサーの周囲で飛び交う金銭問題だ。 昨秋、税務当局は唐突な課税強化に乗り出し、その主なターゲットがインフルエンサーだったことで社会を騒がせた。 彼らが一律に問われたのは税金逃れだった。 問題を指摘されたインフルエンサーらは、こぞって修正申告に応じただけでなく、謝罪も行ったことで、日本のメディアは「芸能人虐め」と報じ、また一つ習近平の横暴さが明らかになった - - とくにワイドショー - - といったトーンで扱われた。 だが中国社会をざわつかせたのは、むしろインフルエンサーたちが莫大な修正申告額をポンと収めた金満ぶりだった。 その額、2 桁の億どころか 3 桁の億もあり、あらためて彼らの収入の高さと、それを支える追っかけたちの狂乱ぶりに目が向けられたのだ。 税務当局の動きに応じ伝統メディアでは、推しのインフルエンサーに群がる追っかけの実態が頻繁に取り上げられるようになった。 カレンダー 100 冊を爆買い 例えばインフルエンサーが推した牛乳を大量買いした追っかけのグループが、最終的に飲み切れなかった牛乳を大量に川に流すなどの問題だ。 映像で伝えられた真っ白に変色した川は実に衝撃的であった。 その他、カレンダーを 100 冊買ってしまい部屋が未開封のカレンダーで埋まってしまった女性の話など、多くはインフルエンサーたちが紹介した商品を、借金をしてまで大量に買い込む追っかけたちの異常な消費行動を批判したものだ。 そしてメディアの矛先は次第に個人金融界へも向けられていった。 追っかけの熱狂的な行動には出費がともなう。 未成年であれば深刻な親子間の軋轢に発展するケースも少なくなかったが、成人の場合には個人金融会社が彼らを支え、最終的には借金地獄に落ちるという不道徳な構造が存在していたからである。 やはり昨年、アリババグループの金融部門・アントの上場に当局から待ったがかかったことが注目を浴びたが、あの騒動にも実は個人金融に対する当局の怒りが関係していたといわれるのだ。 話を「清朗」に戻せば、今回とくに当局が問題視したのはネット上販をめぐる違反行為で、ニセ情報の拡散、「さくら」や「やらせ」を意味する「水軍」、そしてライバル商品や企業の悪い情報を拡散させたりする「黒公関」などの行為だ。 いずれも新しい現象ではなく、ずっと前からある問題だ。 コロナも直す矯正下着 では、ネット上に存在する詐欺的ビジネスにはどんなものがあるのだろうか。 今年 3 月中旬に大きなニュースになったのは、着けるだけで万病が治るとうたった下着だった。 背骨の矯正から腰痛、肩こり、便通まで何にでも効果があり、はてはデトックスや新型コロナの予防にもなると宣伝する。 販売元は湖南吉美成分科学発展と名乗る企業だ。 問題が発覚したのは、この下着を購入した山東省の魯という人物が地元紙に投稿したことだった。 魯さんはこの下着を 6,600 元(約 13 万円)で購入して着けたが、案の定何の効果もなかったという。 この話は多くのメディアで報じられたが、最終的にはねずみ講的な仕組みが明らかになるというオチだった。 興味深いのは、もし魯さんが告発しなければ、まだしばらくはこの企業が生き続けていたということだ。 中国のネット空間は日本人が考えるほど「なんでも当局がお見通し」ではないのである。 同じく今年の話題で言えば「打洋工」の問題を指摘しなければならない。 海外で働くことを意味する言葉だが、これはちょっと笑えない犯罪だ。 被害者には単純労働者から新卒学生までいろいろな立場の人がいるのだが、弱みに付け込まれたのは新卒学生だ。 ここ数年、大卒の就職環境は厳しい。 そこに目を付けた犯罪集団が「外国勤務」という魅力的な言葉で募集をかけ、応募した学生をそのまま海外に連れ出し、現地でパスポートを取り上げると、違法な作業に従事させるという犯罪だ。 形を変えた誘拐監禁のようなものだが、行き先が先進国であればまだしも、いきなり発展途上国に連れてこられ言語もわからず金もなければ被害者はどうしようもない。 たいていは国内において短い期間の勤務を経験しているようだが、そのときには会社の実態はわからなかったという。 多くはオレオレ詐欺に絡んだ仕事をさせられるというが、彼らの犯罪が明らかになるのは、ほとんどが国内で告発された詐欺被害の捜査の過程でのことだ。 たまたま犯罪グループが捜査線上に乗れば幸運だが、そうでなければ助かる可能性は低い。 その意味でも恐ろしい犯罪だ。 中国が「清朗」を呼びかけざるを得ないのも当然だろう。 (富坂聰、Yahoo! = 4-11-22)
中国・アリババ、10 - 12 月期は 74% 減益に 中国電子商取引 (EC) 最大手、阿里巴巴集団(浙江省杭州市、アリババグループ)が 24 日発表した 2021 年 10 - 12 月期(第 3 四半期)決算は、純利益が前年同期比 74.3% 減の 204 億 2,900 万元(約 3,700 億円)だった。 販促活動もあり売り上げは堅調に伸びたものの、コストがかさんだほか、巨額ののれん代も計上した。 純利益は前四半期(53 億 6,700 万元)比だと 3.8 倍。 営業利益は前年同期比 85.6% 減の 70 億 6,800 万元となった。 売上原価や製品開発費、販売・マーケティング費が軒並みかさみ、グループ従業員へのストックオプションの費用として 8% 増の 97 億 7,600 万元を計上。 今期は 251 億元を超えるのれん代も出た。 のれん代の影響を除いた営業利益は 34% 減。 利息収入・投資収益は 54% 減の 183 億 6,100 万元だった。 売上高は前年同期比 9.7% 増の 2,425 億 8,000 万元。 このうち主力の中国商業事業(卸売り・小売り含む)は 7% 増の 1,722 億 2,600 万元だった。 中国インターネット通販最大の販促イベント「双十一」の開催などが押し上げたとみられるものの、伸び幅は全体平均を下回った。 その他事業の売上高は、クラウドコンピューティングが 20% 増の 195 億 3,900 万元、物流の「菜鳥」が 15% 増の 130 億 7,800 万元、出前アプリ「餓了麼(ウーラマ)」を中心とする生活サービスが 27% 増の 121 億 4,100 万元、デジタルメディア・娯楽が横ばいの 81 億 1,300 万元など。 アリババが手掛けるサービスのアクティブユーザー(直近 12 カ月間にサービスを利用した人)は 21 年 12 月末時点で 12 億 8,000 万人となり、同年 9 月末時点から 4,300 万人増加。 うち 9 億 7,900 万人は中国のユーザーだった。 アリババは 20 億人に増やす目標を掲げている。 4 - 12 月期決算は、純利益が前年同期比 54.5% 減の 709 億 3,700 万元、売上高は 22.5% 増の 6,490 億 1,000 万元となった。 アリババは昨年 11 月、22 年 3 月期本決算の売上高が前年度比 20 - 23% 増になるとの予測を示していた。 (NNA = 2-25-22) 五輪選手団のスマホに注意呼びかけ 政府、中国の情報抜き取りを警戒 北京冬季五輪・パラリンピックに参加する関係者に中国側がインストールを求めているスマートフォン用アプリについて、日本政府は日本選手団らに注意を促していた。 松野博一官房長官が 3 日、記者会見で明らかにした。 松野氏によると、アプリにはスマートフォンなどを通じた監視や情報の抜き取りなどへの懸念があるという。 そこで政府は 2 日、日本オリンピック委員会 (JOC) と日本パラリンピック委員会 (JPC) に対して注意喚起した。 ▽ アプリの使用は必要最小限の機能の使用にとどめ、帰国後は速やかに削除すること、▽ 可能ならアプリをインストールするための端末を別に用意すること、▽ 端末に違和感を感じたら速やかに報告することなどを伝えたという。 1 月からスポーツ庁や内閣サイバーセキュリティセンター (NISC) が協議してきた。 政府は関係省庁で追加の対応策も協議していくといい、松野氏は「情報セキュリティー対策にしっかりと取り組んで参りたい」と強調した。 英国の報道などによると、米英などの選手・コーチらは、情報の抜き取りなどを警戒して、私用スマホとは別の使い捨てのスマホを使う見込みだという。 (asahi = 2-3-22) ◇ ◇ ◇ 北京五輪の健康管理アプリ 監視や情報抜き取りへの懸念広がる 来月 4 日に開幕する北京オリンピックの新型コロナウイルス対策として選手やスタッフなどの健康状態を管理する専用のアプリについて、情報を盗み取られるおそれがあるなどの指摘が出ています。 オリンピックの開幕を前に、スマートフォンなどを通じた中国当局による監視や情報の抜き取りへの懸念が広がっています。 北京オリンピックでは、新型コロナウイルス対策として健康状態を管理するため、大会に参加する選手やスタッフ、それに報道関係者などに対し、専用のスマートフォンのアプリを導入して毎日体温や体調を登録することが求められています。 ただ、このアプリについて、カナダのトロント大学の研究所は情報を第三者に盗み取られるおそれがあるなどセキュリティー上の欠陥を指摘しているほか、入力した情報が中国当局内でどのように共有されるのかも不透明だとしています。 こうした中、ロイター通信などはアメリカのオリンピック委員会が大会関係者に対し「すべてのテキストやメール、アプリへのアクセスなどに監視や情報漏えいのおそれがあると考えるべきだ」などと警告したと伝えました。 そのうえで、現地には私物のスマートフォンなどを持ち込まず、レンタルの端末を使うなど注意を呼びかけたとしています。 カナダやオランダのオリンピック委員会も、同様の呼びかけを行っていて、オリンピックの開幕を前にスマートフォンなどを通じた中国当局による監視や情報の抜き取りへの懸念が広がっています。 メインメディアセンターでも懸念の声 北京市内にあるメインメディアセンターで NHK の取材に応じたイギリスのネットメディアの記者の男性は不安があるとして、このアプリは業務用のスマートフォンにだけインストールしているということです。 男性は「私もいくつかこのアプリに対して懸念があるということを記事に書いた。 ハッキングされたかどうかを知るのは難しいが、組織委員会や IOC = 国際オリンピック委員会は私たちにアプリの安全性を保証した。 これは事実であってほしいし、問題がないことを望んでいる。」と話していました。 また、カナダの公共放送、CBC の記者の女性は「いま世界中の人々がサイバーセキュリティについて非常に慎重になっている。 カナダにある市民団体でもこのアプリについて当局から監視されているかどうか興味を持っている。 現時点で、アプリ対する懸念がどの程度、解決されているのかはわからない。」と話していました。 JOC "アプリは問題ない スマホ貸与せず" JOC = 日本オリンピック委員会によりますと、このアプリについては IOC = 国際オリンピック委員会が第三者機関に依頼して調査した結果、問題はないと判断したなどとして、選手やスタッフにこのアプリをダウンロードするためにスマートフォンを貸与するなどの措置は取っていないということです。 中国外務省報道官「完全なる言いがかり でっち上げ」 アメリカなどのオリンピック委員会が、中国国内でスマートフォンなどを通じた当局による監視や情報の抜き取りなどの懸念を示していることについて、中国外務省の趙立堅報道官は、今月 18 日の記者会見で「ある国家が中国のインターネットの安全の問題を指摘しているが、完全なる言いがかりででっちあげたものだ」と反論しました。 また、アプリの問題点の指摘に対し、カナダにある中国大使館は、今月 18 日に発表したコメントで「報道は事実をねじ曲げており全く根拠がないものだ。 インターネット上の安全をめぐり心配する必要は全くない。」と述べました。 そのうえで「中国は一貫して、サイバー攻撃やインターネット上で情報を盗む行為に断固反対してきた。 オリンピック期間中、安全で開放的にインターネットを管理するという理念を保ち、国内外の選手やメディアに便利なサービスを提供する。」と強調しています。 オリンピックの期間中、中国政府は、会場などに専用の Wi-Fi を整備して、国内で利用を制限してきた海外の検索サイトや SNS などを使えるようにしています。 一方、中国では、インターネット上の言動などを当局が厳しく監視していると指摘されていて、体制批判につながるようなインターネット上の書き込みが頻繁に削除されているほか、個人の利用者による SNS 上のグループのやり取りも当局が取り締まるなど規制の強化が進んでいます。 また、中国国内では、感染リスクの判定のため、スマートフォンの電波情報をもとに利用者の行動履歴を確認する「健康コード」と呼ばれるアプリも使われていますが、当局が感染リスクの高い人を効果的に把握し対策を行えると評価する声がある一方、プライバシーの問題を懸念する意見も一部で出ています。 IOC、深刻なぜい弱性は発見されず 北京オリンピックの大会関係者に使用が求められている健康管理用のアプリに、情報を盗み取られるおそれがあるなどの指摘が出ていることについて、IOC = 国際オリンピック委員会は、独立した機関がアプリを確認した結果、深刻なぜい弱性は発見されなかったとしています。 (NHK = 1-30-22) 中国インターネット大手、投資・資金調達には承認必要に - 報道 中国最大級のインターネット企業が投資や資金調達を行う前に認可取得を義務付ける新たな規制を国家インターネット情報弁公室が提案したとロイター通信が報じた。 事情に詳しい関係者の話としているが、関係者名は明示していない。 こうした規制は利用者が 1 億人を上回るか売上高が 100 億元(約 1,800 億円)を超えるインターネット企業に適用されるという。 国家発展改革委員会(発改委)は昨年、規制対象を列挙したネガティブリストを公表したが、同リストに掲載されたセクターの企業も承認を得る必要が生じるともロイターは伝えた。 国家インターネット情報弁公室はロイターからのコメント要請に今のところ応じていない。 (Eduard Gismatullin、Bloomberg = 1-19-22) 中国ネット配車「ディディ」、中核事業が赤字転落 上場後初の業績開示、中国政府の規制強化直撃 中国のネット配車サービス最大手の滴滴出行(ディディ)は 2021 年 12 月 30 日、監査法人による会計監査を経ていない同年 7 - 9 月期の決算報告書を発表した。同年 6 月末にアメリカのニューヨーク証券取引所に上場した後、ディディが業績を開示するのは今回が初めてだ。 決算報告書によれば、2021 年 7 - 9 月期売上高は 426 億 7,500 万元(約 7,696 億円)。 前年同期より 1.67% 減少し、直前の 4 - 6 月期比では 11.48% の 2 桁減を記録した。 7 - 9 月期の調整後 EBITA (利払い・税引き・償却前損益)は 75 億元(約 1,352 億円)の損失を計上。 赤字額が前年同期の 1,700 万元(約 3 億円)から大幅に拡大した。 ディディはさまざまな事業を手がけており、それらは中国国内の配車サービス(ネット配車、タクシー、運転代行、相乗りサービスなど)、国際事業(海外での配車サービスやフードデリバリーなど)、その他事業(シェアサイクル、個人向け自動車リースおよびメンテナンス・サービス、貨物輸送、金融サービスなど)という 3 分野に大別される。 そのうち、総売上高の 9 割以上を稼いでいるのが中国国内の配車サービスだ。 2021 年 7 - 9 月期の国内配車サービスの売上高は 390 億元(約 7,033 億円)と、前年同期より 5% 減少、直前の 4 - 6 月期比では 12.9% 減少した。 ユーザーもドライバーも離れる悪循環 国内配車サービスの不振は、中国政府の規制強化の影響が大きい。 ディディがニューヨークに上場した直後の 2021 年 7 月 2 日、国家インターネット情報弁公室は同社に対して国家安全法およびサイバーセキュリティー法に基づく審査を行うと発表。 その後、同弁公室はディディのアプリに個人情報の収集・使用に関する法令違反があったとして配信停止を命じた。 当局の規制強化は、ディディの中核事業である配車サービスに深刻な打撃を与えた。 決算報告書によれば、2021 年 7 - 9 月期の国内配車サービスは 2,900 万元(約 5 億円)の営業損失を計上。 前年同期の 21 億 2,000 万元(約 382 億円)の黒字から赤字に転落してしまった。 ディディのネット配車事業の内情に詳しい関係者によれば、中国政府がギグワーカーを含む労働者の権益を保護する姿勢を打ち出したことも、苦況に追い打ちをかけている。 「(配車指示を請け負う)ドライバーの増員が難しくなったことで、ユーザーがクルマを呼んでもなかなか来なくなり、顧客が競合他社の配車サービスに流出してしまった。 ユーザーのディディ離れで配車オーダーが減り、ドライバーもディディを離れる悪循環に陥りかねない」 (銭童・財新/東洋経済 = 1-13-22) 中国政府が来年 3 月からインターネット上の布教活動を禁止 = 台湾報道 中国政府がインターネット上での布教行為を禁止する新たな規則を導入する。 新規則はすべての組織・個人がインターネット上で宗教関係の講座・講話などを掲載することを禁止するもので、3 月 1 日から施行される予定だという。 中国国家宗教事務局は 20 日に「インターネットでの宗教に関する情報サービス管理法(以下「管理法」)」を公布。 中国公民の信仰の自由と「社会主義の核心的価値観」の統一を図る方針を明らかにした。 「管理法」の規定では、インターネット上で宗教関連の情報提供を行う場合、各自治体の宗教事務部門に申請しなければならない。 また、すべての組織・個人はオンライン上でセミナーや講話のような布教活動をしてはならず、宗教儀式の動画を放送することや宗教を通じた募金活動も禁止される。 習近平国家主席は 12 月初めに北京で行われた「全国宗教工作会議」において、「宗教の中国化」を目指す方針を強調し、宗教関係者と信者たちが中国共産党及び中国の特色ある社会主義に賛同するよう呼びかけていくと述べていた。 (WoW! Korea = 12-22-21) 実在しないコロナ専門家の背後に中国ネットワーク = フェイスブック フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズは 1 日、実在しない新型コロナウイルスの専門家など、偽情報の拡散を目的とした 500 以上のアカウントを削除したと発表した。 問題のアカウントの多くは中国を拠点にしていたという。 メタ社によると、削除対象になったアカウントは、「スイスの生物学者ウイルソン・エドワーズ」の主張を拡散していた。 その主な内容は、新型コロナウイルスの起源探しをアメリカ政府が妨害しているというものだった。 同社の調査によると、主に中国から内容が更新されている 500 以上のアカウントがネットワークとなって、アメリカやイギリスの英語話者ユーザーのほか、台湾、香港、チベットの中国語話者ユーザーへ向けて、「エドワーズ」の主張を拡散していたものの、この偽情報キャンペーンは「おおむね不発に終わった」という。 今年 7 月に「スイスの生物学者ウイルソン・エドワーズ」を名乗るアカウントがフェイスブックとツイッターで、新型コロナウイルスの起源を調べている世界保健機関 (WHO) の科学者たちにアメリカ政府が圧力をかけ、ウイルス発生の責任を中国になすりつけようとしていると主張した。 「エドワーズ」のこうした発言は、中国国営中央テレビの国際放送 CGTN、上海日報、環球時報といった複数の中国国営メディアが、フェイスブックのアカウントを引用して繰り返し、大々的に報道していた。 しかし、スイスの在北京大使館は今年 8 月、そのような人物はおそらく存在しないと主張し、中国メディアにそのようなフェイクニュースは削除するよう要請していた。 スイス大使館は、「エドワーズ」のアカウントは初投稿の 2 週間前に開設されたばかりで、つながっている友達が 3 人しかいないと指摘。 さらに、「『ウイルソン・エドワーズ』という名前のスイス人の国民登録はなく、その名前の筆者による学術論文も存在しない」とも説明していた。 どういう中国企業が関係しているのか メタ・プラットフォームズは 11 月の報告で、「『四川無声信息技術有限公司』という会社の従業員を含め、中国大陸にいる複数の人物や、世界各地に拠点を置く中国国会インフラ企業の関係者」が、この問題につながっていると述べた。 四川無声信息技術有限公司のウェブサイトによると、同社は中国公安部や、中国政府のサイバーセキュリティ―緊急対応を担当する「CNCERT」チームに、技術サポートを提供するネットワーク・情報セキュリティー会社だと自己紹介している。 メタ・プラットフォームズによると、実在しないスイスの生物学者に関する通報を検討した結果、フェイスブックの 524 アカウント、20 ページ、4 グループを削除。 インスタグラムからは 86 アカウントを削除したという。 調査によると、「エドワーズ」のアカウントの最初の投稿を、他の偽のフェイスブック・アカウントがシェアした後、主に 20 カ国に点在する中国国営インフラ企業の実在する従業員たちのアカウントがこれをさらに拡散した。 メタの調査によると、この偽情報拡散には発信場所を分かりにくくするため、VPN (仮想プライベートネットワーク)の仕組みを使っていた。 さらに、「エドワーズ」を人間らしく見せるため、人工知能の機械学習機能を使って生成したらしいプロフィール写真を使うなど、様々な工夫が施されていたという。 新型コロナウイルスは 2019 年 12 月に初めて中国政府から WHO へ報告されたが、その起源をめぐる調査は最初の報告から 2 年近くたつ今も、中国とアメリカをはじめ諸外国の間の争点となっている。 (BBC = 12-2-21)
中国検索首位の「百度」、純損益が赤字転落の事情 投資先の「快手」の株価低迷で 3,400 億円の評価損 中国のインターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は 11 月 17 日、2021 年 7 - 9 月期の決算を発表した。 売上高は前年同期比 13% 増の 319 億元(約 5,726 億円)と 2 桁の増収を確保したものの、純損益が 166 億元(約 2,980 億円)の赤字に転落した。 赤字の主因は長期投資に関する減損処理だ。 7 - 9 月期の損益計算書には「その他損失」の項目に 215 億元(約 3,859 億円)が計上され、そのうち 189 億元(約 3,393 億円)は「1 件の長期投資先の時価評価修正」によるものとの注記がついている。 この長期投資先がどこなのか、百度は具体名を開示していない。 だが、それが中国のショート動画アプリ大手、快手科技(クワイショウ・テクノロジー)であるのは公然の秘密だ。 快手は 2021 年 2 月に香港証券取引所に上場し、株価はその直後に売り出し価格の 3 倍近くまで跳ね上がった。 だが、その後は株価が下がり続けており、7 月末以降は売り出し価格を割り込んで推移している。 百度の四半期決算を振り返ると、2021 年 1 - 3 月期は「1 件の長期投資先の時価評価修正」により 237 億元(約 4,254 億円)の利益を計上していた。 ところが 4 - 6 月期は一転、同じ理由で 31 億元(約 556 億円)の損失を計上。 7 - 9 月期の減損を含めて、いずれも快手の株価の動きに符合する。 新型コロナの局地的流行が広告に打撃 投資損益以外に目を移すと、7 - 9 月期は売上高の前年同期比の伸び率が直前の 4 - 6 月期より鈍化した。 最大の原因は、中国国内で新型コロナウイルスの局地的流行が断続的に続き、百度の総売上高の 6 割以上を占める広告事業に打撃を与えたことだ。 新型コロナの影響で、教育・研修、不動産、インテリア、旅行などの業界の広告出稿が落ち込んだ。 10 - 12 月期も先行きは不透明で、広告収入の伸びはさらに鈍化するかもしれない。」 百度の最高戦略責任者 (CSO) を務める余正鈞氏は、決算説明会でそう語った。 そのうえで余氏は、10 - 12 月期の総売上高の成長率が前年同期比 2 - 12% にとどまるという悲観的な見通しを示した。 これを受け、アメリカのナスダックに上場している百度の株価は急落。 11 月 17 日の終値は 161.82 ドル(約 1 万 8,541 円)と、前日より 5.5% 下落した。 (中国・財新/東洋経済 = 11-30-21)
中国、滴滴に NY 証取の上場廃止計画まとめるよう指示 - 関係者 |中国当局は配車アプリ大手の滴滴グローバルに上場している米株式市場から撤退する計画をまとめるよう求めている。 事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。 前例のない要請で、中国政府が自国の大手テクノロジー業界に対し規制をさらに進める意向だとの懸念が再び強まる公算が大きい。 国家インターネット情報弁公室は滴滴の経営陣がニューヨーク証券取引所での上場廃止に動くよう望んでいる。 重要なデータが流出する懸念があるためだという。 デリケートな問題だとして関係者が匿名を条件に語った。 関係者によれば、同弁公室は滴滴に対し、政府の認可を必要とする詳細な計画を策定するよう指示した。 滴滴と同弁公室の担当者はコメントを控えた。 米上場廃止後、滴滴を純粋な非公開企業とすることや香港に上場先を切り替えるといった案が検討されていると関係者は説明した。 滴滴が今年 6 月に提示した新規株式公開 (IPO) 価格は 14 ドルだった。 非公開化計画が進んだ場合、訴訟や株主の反対を想定し、この IPO 価格以上での株式買い取りが示される可能性が高い。 香港上場の場合は、24 日の終値である 8.11 ドルを下回る公開価格となり得るという。 協議は継続中で、当局が要請を弱める可能性もあるが、いずれの選択肢であっても、滴滴には大きな打撃となる。 中国当局は滴滴に対し IPO 前にデータのセキュリティー確保を求めていたが、滴滴はニューヨーク証取上場を強行し、当局の怒りを買った。 当局はすぐに同社に対するさまざまな調査に着手し、前例のない規模の罰則を検討しているとブルームバーグ・ニュースが 7 月に報じていた。 米国での上場廃止が滴滴に対する一連の罰則の一環となる可能性がある。 ブルームバーグ・ニュースは 9 月、北京市政府が滴滴への出資を提案しており、政府系企業が同社の支配権を握る可能性があると伝えた。 こうした投資は滴滴に米上場株を買い戻す資金の一部を提供することにもなりそうだ。 滴滴は現在、共同創業者の程維氏と柳青社長が率いる経営陣で運営されている。 経営陣は米上場後、議決権の 58% を握る。 ソフトバンクグループや米ウーバー・テクノロジーズも大株主として名を連ねる。 滴滴が上場先を香港に変更した場合でも、データセキュリティーを巡る懸念に対処する必要がある。 同社はデータ管理を第三者に委ねるよう求められる可能性があり、そうなれば企業価値は再び低下する。 (Bloomberg = 11-26-21) 中国が外国技術の排除加速か、国産と置き換える取り組み - 関係者 |中国は米国など外国の技術を国産のものに置き換える計画を加速させている。 事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。 準政府機関に対し、クラウドや半導体など機密分野で国内サプライヤーを吟味し承認する権限を与えているという。 2016 年に政府に助言するために創設された信息技術応用創新工作委員会は、信頼できるソフトウエアを運用するための業界標準の確立および人材訓練の支援を政府に託された。 IT 応用イノベーション計画の立案と執行を行い、銀行から政府データを保存するデータセンターに至る機密セクター向けに技術を提供するサプライヤーを選ぶ。 こうした市場は 25 年までに 1,250 億ドル(約 14 兆 3,600 億円)規模になる可能性がある。 情報が公になっていないことを理由に関係者が匿名で語ったところによると、これまでパソコンや半導体、ネットワーキング、ソフトウエアの国内サプライヤー 1,800 社が同委員会に参加するよう招かれた。 関係者のうちの 1 人によれば、数百社が今年これまでに委員会のメンバーとして認証を受け、この数年間で最も速いペースだという。 同計画のホワイトリストの存在やそのメンバー、包括的な目標はこれまで報じられておらず、米国と中国の緊張をさらに高める可能性がある。 ギャブカル・ドラゴノミクスのテクノロジーアナリスト、ダン・ワン氏は「中国は国産技術の開発を試みている」と指摘。 「米国の技術が米国の輸出コントロールを回避できるか誰も確信を持てず、今やさらに多くの国内企業がこうした政治的目標を共有するようになっているため、この取り組みはさらに真剣味を増している」と述べた。 中国はデータセキュリティーを含むテクノロジー産業の管理を強化しており、外国サプライヤーを国内勢と入れ替える取り組みもその一環。 工業情報省が監督権限を強め、重要なデータの国内保存を義務付ける新ルールを提案する中で、こうした動きはさらに強化される見通しだ。 委員会およびそのメンバーに関する詳細はほとんど不明だが、外資の出資比率が 25% を超える企業は参加できず、インテルやマイクロソフトなど海外サプライヤーは排除される。 主に外国からの投資で資金を調達している中国の新興テクノロジー企業もハードルが高くなるが、クラウドサービス国内上位 2 社のアリババグループとテンセント・ホールディングスは、国内子会社を通じて参加を申請したことで、そうしたルールの適用を回避できたと、関係者は明らかにした。 工業情報省と、同委員会を監督する中国電子工業標準化技術協会 (CESA) にコメントを求めたが、返答はない。 アリババの担当者は書面でのコメント要請に現時点で回答しておらず、テンセントの広報担当はコメントを控えた。 (Bloomberg = 11-17-21) 中国、ネット広告も規制強化 学習塾の宣伝は禁止 |【北京】 中国の国家市場監督管理総局は 28 日までにインターネット広告に関する新たな規制案を公表した。 一定期間を経て施行される。 公表された「インターネット広告管理規則」修正案は、広告は「社会主義精神文明や中華民族の優秀な伝統文化」に合致しなければならないと明記。 小中学生や幼稚園児向けの学習塾を含む校外学習の広告を禁じた。 また未成年者向けサイトでの健康によくないネットゲームの広告も禁じた。 習近平指導部は「共同富裕」の目標を掲げ、格差拡大を招く子どもの学習塾通いや、高騰する不動産などへの規制を強化している。 (kyodo = 11-28-21) 前 報 (8-26-21) 中国、「文明的なインターネット」構築に向けた取り組み強化表明 [上海] 中国サイバースペース管理局 (CAC) は 27 日付の共産党機関紙に掲載した論説で、「文明的な」インターネットを構築する取り組みを強化すると表明した。 ネット上の行動を再構築し、党の新しい理論を広めて社会主義の価値観を促進するためのプラットフォームとしてインターネットを活用することを視野に入れるという。 CAC は、中国には 10 億人以上の「ネチズン」が存在し、世界最大のデジタル社会であることを踏まえると、こうした取り組みは「現代の社会主義国」を構築するために極めて重要だと指摘した。 党はコミュニケーションを促進するインターネットの機能を活用し、党の革新的な理論を一般家庭に広げるために利用すべきだとしている。 ネットを通じて優れたロールモデルを多くの人の間に広め、若いネットユーザーがネットいじめなどではなく良い習慣を身につけるよう指導すべきだとし、インターネット企業は自己規律を高めるべきだと指摘した。 (Reuters = 10-27-21) 中国デリバリー大手、独禁法違反で罰金 600 億円 IT への締め付け 中国の規制当局は 8 日、飲食宅配サービス大手の美団が独占禁止法に違反していたとして、約 34 億元(約 600 億円)の罰金を科すと発表した。 今年 4 月にネット通販大手アリババ集団に対して、独禁法違反で中国では過去最大となる約 3 千億円の罰金を科すなど、中国政府は IT 大手への締め付けを強めている。 中国の独禁法当局である国家市場監督管理総局が発表した。 美団はアプリなどで食事を出前できるサービスで国内市場の半分以上のシェアを占める。 発表文によると、自社に出店する飲食店などに対して 2018 年以降、支配的な地位を利用して競合他社に出店しないよう求めていたなどと認定。 公平な競争を阻害し、出店者の正当な利益に損害を与えたとした。 罰金の他にも、独占契約のための保証金として出店者に支払わせていた約 13 億元(約 225億円)を返金することも命じた。 美団は 8 日、「処罰を誠意を持って受け入れ、全面的に改革する」との声明を出した。 中国政府はアリババの独禁法違反による摘発以降、美団を含む他の IT 大手に対しても締め付けを強めており、美団にはアリババの摘発後の 4 月から同局が調査に入っていた。 (北京 = 西山明宏、asahi = 10-8-21) 中国、他社サイトへのアクセス遮断禁止 ネット企業に新たな規制 [北京] 中国工業情報化省は 13 日、国内インターネット企業に対し、自社サイトから競合サイトへのアクセスをブロックする長年の慣行をやめるよう指示し、従わない場合は何らかの措置を取ると発表した。 アナリストが「ウォールドガーデン(壁に囲われた庭)」と呼ぶ中国巨大ネット企業のこうした慣行はこれで終わることになるが、この動きはテクノロジーから教育、資産に至る分野にわたる政府による規制強化の新たな一手となる。 同省の報道官は今回の措置について、「ユーザー体験に影響し、利用者の権利を損なうとともに、市場秩序を乱す」と指摘。 「現在、当該企業に自主点検と是正措置を講じるよう指導している」と述べ、インスタントメッセージが最初の対象分野の一つと指摘した。 報道官は、新規制を順守しなかった場合の対応は明らかにせず、特定の企業について言及しなかったが、リンク遮断に関する一部企業側の理解と企業に求められる行動にはまだギャップがあるとの認識を示した。 21 世紀ビジネスヘラルドは 11 日、同省がアリババ・グループ、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)に自社プラットフォーム上で他社サイトへのリンクをブロックし合うことをやめるよう指示したと報じた。 例えば、テンセントはバイトダンス傘下の中国版 TikTok 「抖音(ドウイン)」のコンテンツを自社のメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」などで共有することを制限している。 テンセントは国営メディア「証券時報」に対し、今回の決定を強く支持し、段階的に実施すると述べた。 アリババからはコメントを得られていない。 アリババの広報担当者は、ロイターに対し、張勇(ダニエル・チャン)最高経営責任者 (CEO) の是正措置の必要性が強いという 8 月 3 日の発言を挙げた。 コンサルティング会社エージェンシーチャイナの調査戦略マネジャー、マイケル・ノリス氏は「中国のウォールドガーデンへの取り締まりは、同国のデジタル広告・E コマースの状況を一変させる可能性がある」と述べた。 その上で、微信をアリババやバイトダンスに開放することがどういう意味を持つかという問題に直面するテンセントが目先最も注目されると指摘した。 また肖亜慶・工業情報化相は 13 日、国内の電気自動車 (EV) メーカーの数は多過ぎると指摘し、政府は業界内の統合を促す方針だと明らかにした。 (Reuters = 9-13-21) |