狙うのは「いいとこどり」アイシンが軽くて薄い次世代太陽電池を開発 自動車部品大手のアイシンが、次世代の技術として注目される、軽くて薄い「ペロブスカイト太陽電池」を開発している。 今春から自社工場での実証実験も始めた。 高い性能と耐久性を備えた商品をつくり、2028 年のテスト販売、30 年の量産化をめざしている。 13 日に公開されたアイシン安城工場(愛知県安城市)の施設の壁面にペロブスカイト太陽電池のパネル 80 枚が固定されており、屋根にも 40 枚が設置されている。 出力は 6 キロワットで複数の送水ポンプを稼働させている。 重さは 1 枚約 900 グラム。 いま普及しているシリコン系の約 5 分の 1 で、厚さは約 2 ミリ。 曲げることもできる。 実証実験では、パネルの設置を 500 枚ほどにまで増やし、9 月末には約 30 キロワットの出力を見込んでいる。 方角や日差しの強さによる発電量の違い、施工時間やコストなどを検証するのが狙いという。 競合各社が開発、アイシンの特徴は? シリコン系では設置が難しい建物の壁面や耐荷重が低い屋根などにも設置できるペロブスカイト太陽電池。 今後の再生可能エネルギーを普及させる次世代技術として競合各社が開発するなか、アイシンの特徴は何なのか。 「いいとこどりをしているのが最大の特徴」と同社先進開発部の栗田信明主査は話す。 ペロブスカイト太陽電池の基板にはフィルムと、耐久性で優位とされるガラスがある。 アイシンは薄ガラスを用いた独自構造の商品で高い耐久性などを得ようとしている。 現在のエネルギー変換効率は 15% ほど。 これを 20% に引き上げ、耐久性は 20 年相当、発電コストは1キロワット時 20 円をめざしている。 現状はコスト面での課題も大きいが、材料研究など改良を重ねたうえで、28 年のテスト販売、30 年の量産化を計画している。 国内外で開発競争が激しくなっているペロブスカイト太陽電池。 アイシン先進開発部の中島淳二主席技術員は「地球環境にとって重要な役割を担っている電池であり、しっかりと事業として成立できるよう開発していく」と話す。 同社は地球温暖化への対応などが課題となるなか、1998 年から軽量太陽電池の研究を始めた。 2014 年ごろからは開発をペロブスカイト太陽電池に一本化して実用化に力を入れている。 (近藤郷平、asahi = 6-16-25) 安川電機、米国でロボットを現地生産へ 1 億 8 千万ドル投資で新拠点 産業用ロボットなどを手がける安川電機(北九州市)は、米国のウィスコンシン州フランクリンに現地法人の本社や工場を集約した新拠点を設けると発表した。 少なくとも 1 億 8 千万ドル(約 260 億円)の設備投資をし、新たに行うロボット本体の現地生産などで 700 人以上の高報酬の雇用を生むという。 同社は現在、米国内でオハイオ州にロボットシステムを組み上げる工場を持つが、ロボット本体は日本から輸出している。 この投資で現地生産を可能とし、米国でのシェア拡大をめざす。 同社によると、新拠点の敷地は 7 万 4 千平方メートルを超える。 8 - 10 年かけて投資を進め、6 - 7 棟を整備する。 現地法人の本社や研修施設をイリノイ州から移すほか、現在はウィスコンシン州とイリノイ州の各地にある工場を 1 カ所に集めて効率を高める計画。 米国での現地生産によりトランプ関税の影響も軽減できる見通しだ。 (江口悟、asahi = 6-16-25) 日鉄の US スチール完全子会社化をトランプ氏承認 米政府には黄金株
記事コピー (12-18-23〜6-14-25) Switch2、世界販売が 350 万台を突破 歴代で最速ペース
記事コピー (7-8-16〜6-11-25) 大川原化工機の冤罪事件、警察と検察が「おわび」と対面で謝罪へ 「大川原化工機(横浜市)」をめぐる冤罪事件で違法捜査と認定された東京高裁判決について、警視庁は 11 日、「判決内容を精査した結果、上告を行わないこととした」と発表した。 判決を重く受け止め、逮捕された社長の大川原正明さんらに対して「深くおわび申し上げたい」とした。 副総監をトップとした検証チームを設置して問題点を検証し、今後再発防止策をとりまとめる。 この日午後、報道陣への説明の場が設けられ、捜査を担った公安部の中島寛部長と、検証チームの中心となる警務部の菅潤一郎参事官が説明した。 菅参事官は「原告をはじめとする当事者の皆様に多大なご心労、ご負担をおかけしたことについて深くおわびを申し上げたい」と書面を読み上げた。 中島部長は、今後大川原社長ら当事者に直接謝罪する方針を明らかにし、「先方のご意向を確認し、できるだけ早く実施したい」と述べた。 判決で違法捜査と認定されたことについて問われると、「『重く受けとめる』という言葉に尽きる」と話すにとどまった。 検証チームは 11 日に設置。 副総監をトップ、菅参事官を統括責任者とし、首席監察官や公安部参事官、人事 1 課と公安総務課の 13 人で構成する。 検証のスケジュールなどについて、菅参事官は「出来るだけ早く進め、検証結果は公表するつもりでいる」と話した。 第三者を入れず、内部でチームを構成することについては、「監察が指導する形で進める。 (警察を管理する)公安委員会にもしっかり説明したうえで、中立性を担保しながら留意してやっていきたい」とした。 中島部長は、逮捕当時、公安部ナンバー 2 の参事官とオリンピック・パラリンピックの総合対策本部副本部長を兼務する立場だった。 当時、オリパラを主に担当していたが、検証に自身も適切に対応していくとしたうえで、「少なくとも捜査指揮の問題があった。 緻密かつ適正な捜査が不徹底だったのは間違いないので検証していく。」と述べた。 また、違法と認定された捜査に関わった関係者らへの処分については、資料の精査や関係者への聴取を踏まえた検証が終わった段階で適切に対応するという。 警視庁の上告断念を受け、警察庁は 11 日、都道府県警に対し、公安部門の捜査で幹部が十分に指揮をとるよう求める通達を出した。 通達は判決について、「警察として重く受け止める必要がある」とした。 その上で「法令と証拠に基づき、緻密かつ適正に捜査が行われなければならないことは当然」だとして、職員に改めて適切な捜査活動の必要性を認識させるよう指示した。 東京地検は対面で謝罪へ 大川原化工機の冤罪事件をめぐる国家賠償請求訴訟で、上告を断念した東京地検の新河隆志・次席検事は 11 日夕、報道陣の取材に応じ、今後、同社社長の大川原正明さん (76) らに対面で謝罪する方針を明らかにした。 当時の捜査を最高検が検証することも明らかにした。 新河次席は「公訴(起訴)取り消しに至っていること、国賠訴訟で 2 度にわたって(勾留請求と起訴が)違法と判断されたことを真摯に受け止める」と説明。 「ご心痛をおかけしたことについて、被告にとどまらず従業員、親族の方におわびを申し上げたい」とした。 最高検での検証については、具体的な期間や方法は明らかにせず、「東京地検として協力していく」と述べるにとどまった。 国賠訴訟では、起訴した検事が証人尋問で「(起訴は)間違いだと思っていないので謝罪の気持ちはない」と証言していた。 この検事の認識は現在も変わっていないのかと報道陣に問われると、新河次席は「個々の検察官の発言、現在の心境について答えることは差し控えたい」と答えた。 一方、最高検の山元裕史・次長検事も 11 日夕に報道陣の取材に応じ、自らを責任者とし、最高検公安部を中心に検証を行うと明らかにした。 調査方法や期間については「詳細に答えられない」とした。 後を絶たない「違法捜査」 不正輸出の疑いをかけられた大川原化工機をめぐる事件で、警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認定した東京高裁の判決が確定する。 警察や検察の捜査が違法だと指摘されるケースは後を絶たない。 共通するのは、自らの「見立て」に固執して調べを強行していた点だ。 2003 年の鹿児島県議選をめぐり、元県議が住民を買収したなどとして元県議や住民らが起訴された「志布志事件」。 警察が描く構図に沿って強引に自白を迫る「たたき割り」や、家族の名前などを書いた紙を踏ませる「踏み字」など、鹿児島県警による異常な取り調べがくり返されていたことが明らかになった。 検察は裁判で「元県議が会合で現金を渡して投票を依頼した」と指摘したが、鹿児島地裁は会合自体が「存在しなかった」と認定。 捜査が根底から覆り、起訴された 12 人全員が 07 年に無罪となった。 10 年には、大阪地検特捜部の主任検事が、押収した証拠を改ざんしたことが明るみに出た。 主任検事は、事件の見立てに合わせるために証拠品のフロッピーディスクのデータを書き換えていた。 主任検事や特捜部長らが証拠隠滅などの罪で逮捕・起訴される異例の事態を招き、大阪地裁は判決で「(証拠改ざんは)前代未聞の重大な職務犯罪」だと指摘した。 改ざん事件を教訓に、19 年に取り調べの録音・録画(可視化)が制度化された。 裁判員裁判の対象事件や検察の独自捜査事件では、逮捕後の取り調べが録音・録画されるようになった。 だが、違法性が指摘される捜査はなくなっていない。 同じ大阪地検特捜部が捜査した、学校法人の土地取引を巡る業務上横領事件では、19 年に逮捕・起訴された不動産会社元社長が後に無罪になった。 元社長の部下の供述が重要証拠とされたが、この部下を取り調べた検事が「検察なめんな」などと怒鳴り続けていたことが発覚。 大阪高裁は 24 年、検事を特別公務員暴行陵虐罪に問うべきだとして刑事裁判に付す決定をした。 高裁は同時に、一連の取り調べが検察内部で深刻に受けとめられていないことから、「問題の根深さを物語っている」と指摘。 捜査のあり方を改めて議論すべきだと注文をつけている。 (藤牧幸一、森下裕介、asahi = 6-11-25) 前 報 (12-27-23) ispace、月着陸失敗と表明 通信途絶、月面に衝突の可能性高く
記事コピー (4-19-18〜6-6-25) TSMC 第 2 工場の着工遅れ、交通事情の悪化が原因 魏 CEO が説明 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造 (TSMC) の魏哲家・最高経営責任者 (CEO) は 3 日、熊本県菊陽町に建設予定の第 2 工場の着工が当初予定より遅れていることを認め、現地の交通事情の悪化が理由だと説明した。 同日あった株主総会後に会見を開いた。 第 2 工場の着工時期について TSMC は「2025 年 3 月まで」としていた当初の見通しを「年内」に変更している。 魏氏は「改善するまでは(着工を)延期すると日本政府に伝えた」とも述べたが、TSMC は年内着工の計画に変更はないとしている。 遅れの理由について問われた魏氏は「現地の交通に与える我々の影響が大きすぎるからだ。 住民がすでに我慢できなくなり始めている」とも話した。 菊陽町では昨年 12 月、TSMC の第 1 工場が量産を開始。 同社の進出で、周辺地域の渋滞が深刻化している。 魏氏は日本政府に交通状況の改善を求め、着工の遅れについて了承を得ているとも説明した。 (高田正幸、asahi = 6-3-25) 前 報 (1-16-25) 富士通、ATM 事業撤退へ 半世紀の歴史に幕「デジタル化に注力」 富士通は 3 日、ATM と金融機関の窓口などで使う営業用端末の製造と販売を 2028 年 3 月末でやめると発表した。 インターネット経由の取引やキャッシュレス決済の普及が進む一方、金融機関の店舗やATMは数が減っている。 同社は今後、金融機関のデジタル化を進める事業に集中する。 富士通は 1977 年に ATM の販売を始めた。 ATM 本体などの設備と、金融ビジネスの根幹を担う勘定系システムなどのソフトウェアの両方を手がけてきた。 今後は、こうした勘定系システムや、店舗業務を効率化する IT サービスといった事業に注力する。 ATM などの設備は、OKI から調達する。 これまでに販売した製品の保守業務は、最長で 36 年 3 月末まで続ける。 3 日の事業説明会で富士通の八木勝・執行役員常務は「ハードウェア(設備)にとらわれず、金融機関のデジタル化に資するところに、より注力していきたい」と話した。 26 年 3 月期は、金融事業の売上高を前年比約 1 割増の 5,200 億円にのばす。 ATM 設置台数の推移 金融機関での ATM の設置台数は右肩下がりだ。 全国銀行協会によると、24 年 9 月末時点の ATM と現金自動支払い機の設置台数(ゆうちょ銀行とコンビニエンスストアは除く)は、8 万 3,619 台だった。 14 年 9 月末(11 万 0.061 台)から約 24% 減った。 金融機関の店舗も統廃合が進み減っている。 (篠健一郎、asahi = 6-3-25) 知財の国際順位 13 位 → 4 位に、知財計画の草案 コンテンツにも力点 政府が近くとりまとめる「知的財産推進計画 2025」の草案が判明した。 知財の国際的な競争力について初めて数値目標を盛り込み、国際ランキングで 2035 年までに 4 位(現在は 13 位)以内をめざす。 知財大国を実現する方針を鮮明にして、コンテンツ産業など強みを生かし、世界での存在感を高めていく。 今回、指標にした数値目標は、世界知的所有権機関 (WPO) のグローバルイノベーション指数。 理工学系の卒業生数やモバイルアプリ制作数といった約 80 の指標をもとに算出している。 最新の 24 年版ではスイスが 1 位で、米国は 3 位。 アジア圏ではシンガポールが 4 位、韓国が 6 位、中国が 11 位だ。 4 位以内となればアジア最上位となる。 数値目標はほかにも、日本の代表的企業(日経平均株価を構成する企業)の時価総額に占める知財など無形資産の割合を、20 年時点の 32% を、35 年までに 50% 以上に高めると明記する。 米国は 20 年時点で 90%、中国は 44%、韓国は 57%(いずれも代表的な上場企業の数値)で、日本より高い。 成長が目立つのは、製造業からデータなどを活用して事業を展開する企業に移りつつある。 政府も特許や商標などを中心とした無形資産を根拠に評価される企業を増やしたい考えで、この割合で 35 年までに中韓に追いつくことをめざす。 知財の考えはこれまで、「創造」、「保護」の視点が多かったが、「活用」も前面に出す。 知財計画 2025 では、知財を生かして世界から開発拠点や人材を呼び込み、イノベーション(技術革新)につながる取り組みを進める必要性を指摘。 AI (人工知能)の利活用も重要だとした。 その上で、知財活用のための施策や人材育成策を盛り込む。 その柱の一つがコンテンツ産業だ。 日本はマンガやアニメ、ゲームなどのコンテンツ分野では有力な知財を抱えており、「ブランドは世界トップクラス(知財計画の草案)」とされる。 知財計画の草案には、今年 5 月に開かれた新しい国際的な音楽賞「Music Awards Japan」も最近の「成果」として記載。 「世界の音楽ファンやステークホルダー(利害関係者)に認識してもらう機会も充実しつつある」とした。 コンテンツ産業の海外輸出規模は、約 5 兆 8 千億円(23 年)で半導体産業を上回る規模だ。 ただ、知財を十分活用できてこなかった部分もある。 政府は 24 年 9 月から映画監督やコンテンツ企業のトップらが集まる「コンテンツ産業官民協議会」を設置して、海外展開の振興策を議論してきた。 この議論も踏まえ、知財計画では電子コミックに関して配信プラットフォーマーの育成支援などを盛り込んだ。 政府は近く、知的財産戦略本部(本部長・石破茂首相)を開き、知財計画を正式に決める。 施策の一部は政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」にも盛り込む。 (岩沢志気、asahi = 6-1-25) 米国はもちろん中国も韓国も追随できない … 日本が 1995 年から 1 位独占の経済ランキングとは? 米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授で、日本企業研究を専門とするウリケ・シェーデ氏。 シェーデ氏は、日本の先端企業が採ってきた戦略は、貿易摩擦が頻発しても、レジリエンス(強靭性)を発揮すると指摘する。 それはなぜなのか。 日本企業の "強み" はどこにあるのか。(通訳 = 近藤奈香) ☆ 「経済複雑性」ランキング ハーバード大学グロースラボが「経済複雑性ランキング」を公表しています。 これは世界各国の「生産的知識」をランキングにしたもので、2 つの指標に基づいています。 第 1 は、その国の輸出品の「多様性」と「複雑性」です。 第 2 は、どれだけ多くの国でその製品をつくれるかという製品の「偏在性」です。 たとえばシャツのように単純な製品は複雑性が低く、多くの国で生産可能です。 他方、高度な機械や素材は非常に複雑で、生産できる国はごくわずかです。 「経済複雑性の高い」国は、それだけ高度で専門的な技術や人材が豊富で、非常に複雑かつ希少で他の追随を許さない製品を生産できることを示しています。 1995 年から 2020 年のランキングの推移を見ると、米国は、9 位から 12 位に後退しています。 他方、韓国は 21 位から 4 位に急上昇し、中国も、46 位から 17 位に上昇。 ベトナムも、107 位から 52 位に浮上しています。 最も驚くべきなのは、日本はこの間、ずっと 1 位だったことです。 これはなぜか。 マクロ経済的にはさまざまな問題を抱えていたなかで、ミクロ経済的な企業レベルでは、日本は長い間、特定の技術分野で中核的な強みを持ち続けているということなのです。 日本企業の強みを示すもう一つのデータがあります。 計 1,094 品目(自動車、ロボット、医療機器、事務機器など「最終製品」 812 品目と、半導体、電池、先端材料など「キーテクノロジー製品」 282 品目別に、「世界市場規模」と「日本企業の合計市場シェア」を調査した NEDO (新エネルギー・産業技術総合開発機構)の報告です。 これによると、2020 年と 2021 年に日本がシェア 100% の製品は 58 品目もありました。 シェア 90% 以上は 94 品目、シェア 75% 以上は 162 品目に達しています。 「集合ニッチ」戦略 日本企業の世界市場のシェアの取り方は 2 つのパターンがあります。 第 1 は、大企業 1 社で複数の市場シェアを支配するパターンです。 たとえば JSR (旧日本合成ゴム)は、フォトレジスト(半導体製造の必須素材)と偏光板フィルム(液晶パネル用)で世界的リーダーとなっています。 第 2 は、複数の日本企業で市場シェアを支配しているパターンです。 たとえば、医療用内視鏡は、オリンパス、ペンタックス、富士フイルムを合わせると、シェア 80% 以上、特殊内視鏡のシェアは 100% を占めています。 私はこうした日本企業の戦略を「集合ニッチ戦略」と名付けました。 国際比較をすると、中国は 75% 以上のシェアを支配している品目はわずかです。 台湾は 60% 以上を支配している品目はありません。 韓国も、有機 EL ディスプレイ(世界市場の 98%)を除けば、そうした品目はありません。 日本企業が市場をほぼ支配している分野を具体的に挙げると、まず三菱化学、三菱マテリアル、三井化学、AGC(旧旭硝子)、旭化成、信越化学工業、デンカ、DIC、東レ、クラレ、東京応化工業など、先端化学品の分野です。 たとえば富士フイルムは、映画用などの各種画像光学用フィルム、医療用フィルム、医療機器などのグローバル市場のリーダーです。 JSRも、四日市の合成ゴム事業を完全に売却し、半導体製造に使うフォトレジストやエレクトロニクス用ファインケミカルなど先端化学材料に集中特化しています。 鉄鋼部門でも日本は依然、世界をリードしています。 日本製鉄と JFE スチールは特殊鋼部門で他の追随を許していません。 精密機械やロボット分野では、ファナック、村田製作所、キーエンス、オムロン、東京エレクトロンなどが先頭を走っています。 医薬品の分野では、武田薬品工業、アステラス製薬、小野薬品工業が世界ランキングの上位に入っています。 ウシオ電機は液晶パネル光洗浄装置、THK は LM ガイド(直線運動ガイド)、ダイキン工業は空調事業の分野で、強い競争力を発揮しています。 私たちが日常的に使う自動車から、飛行機、携帯電話、パソコン、電動歯ブラシまで、ほぼすべての製品が「ジャパン・インサイド」なのです。 「ジャパン・インサイド」の表示を見かけることはありませんが、製品の品質向上のために欠かせない日本製の原材料や部品が用いられているのです。 (ウリケ・シェーテ゛、文春オンライン = 5-20-25) 東芝が 2 年ぶり黒字回復 全部門で増益、キオクシアの業績回復も寄与
記事コピー (9-7-15 〜 5-15-25) パナソニック HD、国内外で 1 万人削減の方針 全従業員の 5% 弱
記事コピー (10-31-12〜5-9-25) ニデック、牧野フライス TOB から撤退 「事前交渉なし買収」は終幕 ニデックは 8 日、牧野フライス製作所への株式公開買い付け (TOB) を撤回し、買収から撤退する方針を発表した。 牧野側の対抗措置への差し止めを求めた仮処分申請が 7 日、東京地裁に却下されたことを受けて判断した。 国内では異例の「事前交渉なし」の買収提案は実現しないまま、幕引きを迎えた。 TOBは 4 月 4 日に開始していた。 ニデックは撤回理由について、牧野側の対抗措置が発動されると「TOB を維持することが、著しく経済合理性を欠くことになりかねない」ためとした。 5 月 9 日に撤回届を関東財務局に提出し、応募済みの株主に株券の返還を始める。 牧野側の対抗措置は新株予約権の発行で株式を希釈化し、TOB 後の完全子会社化を難しくする手法。 今後ホワイトナイト(友好的な買収者)から出てくる競合提案のために、時間的な余裕が必要だと主張し、約 1 カ月の TOB の延期を求めていたが、ニデックが拒否したため発動を決めた。 ニデック側では「価格のつり上げ競争はしない(幹部)」として、当初の TOB 価格での買い取りが難しくなった場合には、買収から撤退する方針を示していた。 (清井聡、asahi = 5-8-25) ◇ ◇ ◇ ニデックが対抗措置の差し止め求め、申し立て 事前交渉なき TOB で ニデックは 16 日、工作機械大手の牧野フライス製作所への株式公開買い付け (TOB) をめぐって、牧野側が発動を決めた対抗措置について、差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。 ニデックが昨年末、事前交渉を一切しないままスタートさせた異例の TOB は法廷闘争に発展した。 仮処分申請についてニデックは詳細を明らかにしておらず、理由や経緯について「後日、ホームページに掲載する資料で説明する」としている。 牧野側の対抗措置は新株予約権の発行で株式を希釈化し、ニデックによる TOB 後の完全子会社化を難しくするもの。 別企業からの買収提案と比較検討する時間確保が目的で、今月 4 日に始まった TOB がいったん撤回されるなどした場合は発動を中止するとしていた。 一方、ニデックは「経済的損失が出る可能性があり、法的手段を含めて必要な措置をとる(荒木隆光専務)」と反発していた。 牧野フライスの宮崎正太郎社長は 16 日、東京都内の展示会場で記者団の取材に応じ、ニデックの TOB について「(延期を)再三お願いしたのに強行されたのは大変遺憾」と語った。 第三者からの正式な買収提案は「TOB が終了する 5 月 21 日には間に合うと確信している」とした。 (清井聡、asahi = 4-16-25) ◇ ◇ ◇ ニデックの「事前交渉」なき TOB に反対、対抗措置も 牧野フライス 工作機械大手の牧野フライス製作所は 10 日、モーター大手ニデックからの買収提案に反対し、対抗措置を発動することを取締役会で決めた。 反対の理由には、別企業からも初期的な買収提案がきているなか、牧野側が要望した株式公開買い付け (TOB) の延期要望が拒否されたことを挙げた。 同日、オンラインで記者会見を開いた宮崎正太郎社長は「より良い提案が出る可能性があるのに、確認する時間を与えないのは株主の損失につながる」と反発した。 また、両社の統合効果が不明確で、ニデックと競合する取引先を牧野側が失うなど想定されるデメリットについての説明も得られていないとした。 牧野側の対抗措置は、新株予約権を発行し、ニデックが目指す TOB 成立後の完全子会社化を難しくする仕組み。 定時株主総会での承認を条件に、6 月 27 日を効力発生日として発動する。 あくまで検討時間の確保が目的で、ニデック側が TOB をいったん撤回するなどした場合には中止するという。 ニデックは昨年末に事前交渉なしに TOB を提案し、牧野側の延期要請を拒否して今月 4 日から TOB を開始した。 牧野側の対抗措置については、差し止めを求める仮処分申請など法的措置を含めた対応を検討する姿勢を示している。 (清井聡、asahi = 4-10-25) ◇ ◇ ◇ 「反対されても予定通り」ニデック社長、牧野フライスへの TOB で モーター大手ニデックの岸田光哉社長は 23 日に東京都内で開いた記者会見で、工作機械大手の牧野フライス製作所への株式公開買い付け (TOB) について、牧野側が受け入れない場合でも「予定通りに前に進めたい」と語った。 開始時期の延期など、牧野側が求める提案の修正についても応じない姿勢を改めて示した。 牧野側への提案後、ニデックが会見を開くのは初めて。 岸田社長は「我々の成長のみならず、業界が一段上のフェーズを目指す上でも意味がある。 あらゆる手段をもって理解に努める。」と語った。 事前交渉なしの「同意なき TOB」を選んだ理由については、企業買収担当の荒木隆光専務が「最初から幅広い関係者に情報提供し、透明なプロセスで進めるため」と説明した。 企業買収の実務に詳しい M & A キャピタルパートナーズの辻井武弘・IB カバレッジ部部長は「TOB の価格も市場の株価や牧野の収益力の視点で高めに設定しており、ニデックとしては成功に自信があるのだろう。 譲歩を検討するにしても、牧野側が企業価値向上の対案を出すなど具体的なアクションを起こしてからではないか」とみている。 ニデックは昨年 12 月末に TOB を表明。 その後、牧野側が設置した特別委員会は TOB の開始時期を 4 月 4 日から 5 月 9 日に延期すること、買い付けの下限を議決権の過半数から 3 分の 2 に引き上げることを求める要望書を 2 回にわたって提出している。 ニデックは 2021 年以降、工作機械の分野で企業買収に力を入れ、三菱重工工作機械や OKK などを次々と買収。 23 年には TAKISAWA に同意なき買収を提案し、最終的には同意を引き出して傘下に加えた経緯がある。 (清井聡、asahi = 1-23-25) 宇宙ステーション廃止、米政府が提案 日本も関わる「ゲートウェー」
記事コピー (3-5-19 〜 5-3-25) 日立、米関税で純利益に 350 億円の影響を予想 26 年 3 月期見通し 日立製作所は 28 日、4 月 2 日時点で米国が示していた、「相互関税」を含む関税が全て適用された場合、2026 年 3 月期決算で純利益が 350 億円引き下げられるという試算を発表した。 対策として、米国での現地生産などを進める。 吸収しきれなければ、値上げも検討する。 日立は半導体製造装置を日本から、空気圧縮機の一部完成品や部品を中国から、米国に輸出しており、これらは関税引き上げの直接的な影響を受ける。 一方、足元の業績は堅調だ。 28 日発表した 26 年 3 月期決算(国際会計基準)の業績予想は、売上高が前年比 3.2% 増の 10 兆 1 千億円、純利益は同 15.3% 増の 7,100 億円と過去最高を更新する見通し。 試算通りなら、関税の全社への影響は限定的となるという。 顧客の経営悪化や世界経済の悪化など、間接的な影響は、試算が困難として予想に織り込まなかった。 同日発表した 25 年 3 月期決算は、売上高が前年比 0.6% 増の 9 兆 7,833 億円、純利益が 4.4% 増の 6,157 億円だった。 世界的な再生可能エネルギー拡大や、強まる送電網設備の更新需要の追い風を受けた。 (友田雄大、asahi = 4-28-25) トランプ政策の余波、アフリカにも 「ランクル」販売にブレーキ? 豊田通商は 28 日、2026 年 3 月期の純利益が前年比 6.2% 減り 3,400 億円になるとの業績予想を発表した。 米国の関税政策や円高の影響に加え、トランプ政権の別の政策も、業績に影を落とす可能性があるという。 同日発表した 25 年 3 月期決算(国際会計基準)は、純利益が 9.4% 増えて 3,625 億円となり、過去最高益を更新した。 26 年 3 月期は 5 年ぶりに減益となる予想だ。 同社は、自動車販売を中心にアフリカでの事業に力を入れており、同事業の 25 年 3 月期の純利益は 15.0% 増の 795 億円と、全体の 2 割を占めた。 自動車の普及が進んでいることから、成長分野に位置づけている。 為替に連邦職員削減に … でも「成長は落ちない」 そんなアフリカの事業だが、26 年 3 月期は一転、8.2% 減の 730 億円程度にとどまりそうだ。 1 ドル= 135 円と慎重にみている為替の影響に加え、トランプ政権が米国際開発局 (USAID) の予算や人員の大幅削減を掲げていることが、影響するかもしれないという。 同社が販売などを手がける車で、利幅が大きい「ランドクルーザー」などは、政府や国際機関への販売が多いためだ。 それでも、今井斗志光社長は「アフリカ自体の経済成長は落ちない」とみている。 「(関税の話は)ほぼ日替わりで状況が変化しており見通しが難しいが、中長期の使命をぶらさず運営していく」と述べた。 (大平要、asahi = 4-28-25) 郵便局の車、使用停止処分を検討 「前例のない規模」で物流に影響か
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